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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980201
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】SiC基板の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20211202BHJP
   C30B 25/20 20060101ALI20211202BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20211202BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   C30B29/36 A
   C30B25/20
   C23C16/42
   H01L21/205
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-99758(P2020-99758)
(22)【出願日】2020年6月9日
(62)【分割の表示】特願2018-514703(P2018-514703)の分割
【原出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2020-147499(P2020-147499A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2020年6月9日
(31)【優先権主張番号】特願2016-92073(P2016-92073)
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503092180
【氏名又は名称】学校法人関西学院
(73)【特許権者】
【識別番号】000241485
【氏名又は名称】豊田通商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】金子 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】久津間 保徳
(72)【発明者】
【氏名】芦田 晃嗣
(72)【発明者】
【氏名】橋本 遼
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−509689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 29/36
C30B 25/20
C23C 16/42
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理時にSi蒸気及びC蒸気を内部空間に発生させるSiC容器と、
前記SiC容器をSi雰囲気下で加熱可能な高温真空炉と、を備え、
下地基板は、前記SiC容器の内部に配置され、
前記SiC容器は、前記Si雰囲気下に配置される、SiC基板の製造装置。
【請求項2】
前記高温真空炉は、前記SiC容器内に温度勾配を形成可能である、請求項1に記載のSiC基板の製造装置。
【請求項3】
前記高温真空炉は、加熱処理時にSi蒸気を内部空間に発生させるTaC容器を有する、請求項1又は請求項2に記載のSiC基板の製造装置。
【請求項4】
加熱処理時にSi蒸気及びC蒸気を内部空間に発生させるSiC容器と、
加熱処理時にSi蒸気を内部空間に発生させるTaC容器と、を備え、
下地基板は、前記SiC容器の内部に配置され、
前記SiC容器は、前記TaC容器の内部に配置される、SiC基板の製造装置。
【請求項5】
前記TaC容器は、TaC層と、Siの供給源と、を有する、請求項3又は請求項4に記載のSiC基板の製造装置。
【請求項6】
前記SiC容器は、前記TaC容器の内部に配置される、請求項3〜5の何れか一項に記載のSiC基板の製造装置。
【請求項7】
前記SiC容器は、多結晶SiCを含む材料で構成される、請求項1〜6の何れか一項に記載のSiC基板の製造装置。
【請求項8】
前記SiC容器は、複数枚の下地基板を収容可能に構成されている、請求項1〜7の何れか一項に記載のSiC基板の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、下地基板に単結晶SiCのエピタキシャル層を気相成長させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウエハの材料として、炭化ケイ素(SiC)が注目されている。SiCは、機械的強度に優れるとともに、放射線にも強い。また、SiCは、不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御も容易にできるとともに、広い禁制帯幅(例えば3C型の単結晶SiCで2.2eV)や高い絶縁破壊電界、電子の飽和ドリフト速度を有するという特徴を備えている。このような理由から、SiCは、上述した既存の半導体材料では実現できない高温、高周波、耐電圧・耐環境性を実現できる次世代のパワーデバイスの材料として期待されている。また、LED(発光ダイオード)のための基板としても注目されている。
【0003】
従来から、SiCを用いた半導体ウエハの製造方法において、エピタキシャル層を形成する方法が知られている。特許文献1及び2は、SiCのエピタキシャル層を形成する方法を開示する。
【0004】
特許文献1では、SiCのエピタキシャル層は、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相成長)法により形成される。エピタキシャル層を成長させる工程では、成長速度を1μm/h以下に抑えた欠陥発生抑止層を導入することにより、欠陥の少ないエピタキシャル層を形成させることが可能となる。
【0005】
また、エピタキシャル層を成長させる別の技術として、以下の方法が知られている。即ち、このエピタキシャル層の形成方法は、種結晶添加昇華技術を用いてSiCのバルク結晶を成長させる工程と、バルク結晶表面にエピタキシャル層を液相成長させる工程と、を含む。エピタキシャル層を成長させる工程では、液相成長を行うことで、前記種結晶からバルク結晶基板に伝播したマイクロパイプ欠陥を塞ぐことができ、マイクロパイプ欠陥の少ないSiCのエピタキシャル層を形成させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−284298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のCVD法は成長速度が遅いため、特に比較的厚いエピタキシャル層を形成する場合は、処理時間が長くなる。従って、製造コストが上がるとともに、大量生産に適していない。また、CVD法を用いる場合、基板を配置する高さ、場所等に応じて原料ガスの供給量が異なるため、成長速度が不均一になる場合がある。
【0008】
また、種結晶添加昇華技術を用いる上記の方法は、エピタキシャル層を成長させる工程において、シリコン融液中にSiCを溶融した溶融物の溶解度を上げる元素を混入させているため、エピタキシャル結晶中への前記元素の意図しない混入、及び、シリコン融液中での高い溶媒(炭素)濃度に起因した異種多形の混入が懸念される。従って、高純度のエピタキシャル層が形成できない可能性がある。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、高純度のSiCのエピタキシャル層を短時間で形成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、以下の気相エピタキシャル成長方法が提供される。即ち、TaCを含む材料で構成されるTaC容器の内部に、多結晶SiCを含む材料で構成されるSiC容器を収容し、当該SiC容器の内部に下地基板を収容した状態において、当該TaC容器内がSi蒸気圧となるように、かつ、温度勾配を設けて前記TaC容器を加熱する。その結果、前記SiC容器の内面がエッチングされることで昇華したC原子と、雰囲気中のSi原子と、が結合することで、前記下地基板上に単結晶SiCのエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル層成長工程が行われる。
【0012】
更に、SiCは耐熱性に優れるため加熱時のプロセス温度を2000℃近くまで上昇することが可能であるため、高純度のSiCエピタキシャル層を短時間で形成することができる。また、エピタキシャル層の原料はSiC容器であるため、原料ガスを導入するCVD等と比較して、エピタキシャル層を均一に成長させることができる。
【0013】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、前記下地基板の材料がAl化合物又はN化合物であることが好ましい。
【0014】
これにより、本発明の方法を用いることで下地基板がSiCに限られないので、汎用性が高いエピタキシャル成長方法が実現できる。
【0015】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、前記下地基板の材料がSiCであることが好ましい。また、<11−20>方向又は<1−100>方向に対するオフ角が1°以下であっても良い。あるいは、<11−20>方向又は<1−100>方向に対するオフ角が1°より大きくても良い。
【0016】
これにより、下地基板がSiCであってオフ角が小さい場合は、テラスが広くなり、下地基板の結晶多形を問わず、高品質のSiCのエピタキシャル層が形成され易くなる。
【0017】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、エピタキシャル層成長工程では、温度勾配が2℃/mm以下であることが好ましい。
【0018】
これにより、本発明の方法を用いることでSiC容器内のC原子の圧力が高くなるため、上記のような低い温度勾配でもエピタキシャル層を十分に成長させることができる。従って、加熱装置又は加熱制御を単純化できる。
【0019】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、エピタキシャル層成長工程では、前記SiC容器に複数枚の前記下地基板を配置して、当該複数枚の前記下地基板のそれぞれに前記エピタキシャル層を成長させることが好ましい。
【0020】
これにより、複数枚の下地基板に同時にエピタキシャル層を形成できるので、処理を効率化できる。特に、本発明の方法を用いることでSiC容器内の位置に関係なく均一にエピタキシャル層を形成できるので、品質が低下することもない。
【0021】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、前記TaC容器の内面をSi又はSi化合物とし、前記エピタキシャル層の成長時の加熱により、当該TaC容器の内面からSi原子が昇華することで、当該TaC容器内をSi蒸気圧とすることが好ましい。
【0022】
これにより、固体のSi等をTaC容器内に投入する方法と比較して、作業者の手間を軽減できる。また、TaCの内面の広範囲にわたってSi等を形成することで、均一なSi雰囲気を実現できる。
【0023】
前記の気相エピタキシャル成長方法においては、前記エピタキシャル層の結晶多形が3C−SiCであることが好ましい。
【0024】
あるいは、前記の気相エピタキシャル成長方法においては、前記エピタキシャル層の結晶多形が4H−SiC又は6H−SiCであっても良い。
【0025】
これにより、本発明の効果を発揮させつつ、様々な結晶多形のエピタキシャル層を成長させることができる。
【0026】
本発明の第2の観点によれば、前記の気相エピタキシャル成長方法を用いるエピタキシャル層付き基板の製造方法が提供される。
【0027】
これにより、高純度のエピタキシャル層付き基板を効率的に製造できる。
【0028】
前記のエピタキシャル層付き基板の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記下地基板の材料はSiCである。前記下地基板を、SiC容器を介さずに前記TaC容器に収容してSi蒸気圧下で加熱することで当該下地基板をエッチングする。
【0029】
これにより、TaC容器をエピタキシャル層の形成時だけでなく、エッチング時にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】加熱処理に用いられる高温真空炉を示す模式図。
図2】高温真空炉の本加熱室及び予備加熱室を詳細に示す断面構造図。
図3】TaC容器及びSiC容器を用いてエピタキシャル層を成長させる処理を示す断面模式図。
図4】3C−SiC単結晶及び4H−SiC単結晶の原子配列と積層周期を説明するための断面模式図。
図5】SiC基板のオフ角を説明する図。
図6】TaC容器の内側と外側にSiC容器を配置してエピタキシャル層を成長させたときの様子を示す図。
図7】TaC容器の内側と外側にSiC容器を配置して成長させたエピタキシャル層のSi面とC面の顕微鏡写真。
図8】処理条件(特に下地基板から原料までの距離)が異なる4つのパターンの加熱処理を示す断面模式図。
図9】下地基板の位置と成長速度の関係を示すグラフ。
図10】TaCを用いてエッチングを行う処理を示す断面模式図。
図11】複数枚の下地基板に同時に3C−SiCのエピタキシャル層を形成する様子を示す断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
初めに、加熱処理を行うための高温真空炉11と、TaC容器2と、SiC容器3と、について、図1から図3までを参照して説明する。図1は、加熱処理に用いられる高温真空炉11を示す模式図である。図2は、高温真空炉11の本加熱室及び予備加熱室を詳細に示す断面図である。図3は、TaC容器2及びSiC容器3を用いてエピタキシャル層を成長させる処理を示す断面模式図である。
【0033】
図1及び図2に示すように、高温真空炉11は、被処理物(下地基板等)を1000℃以上2300℃以下の温度に加熱することが可能な本加熱室21と、被処理物を500℃以上の温度に予備加熱可能な予備加熱室22と、を備えている。予備加熱室22は本加熱室21の下方に配置され、本加熱室21に対して上下方向に隣接している。また、高温真空炉11は、予備加熱室22の下方に配置された断熱室23を備えている。この断熱室23は予備加熱室22に対して上下方向に隣接している。
【0034】
高温真空炉11は真空チャンバ19を備え、前記本加熱室21と予備加熱室22は、この真空チャンバ19の内部に備えられている。真空チャンバ19には真空形成装置としてのターボ分子ポンプ34が接続されており、例えば10−2Pa以下、望ましくは10−7Pa以下の真空を真空チャンバ19内に得ることができるようになっている。ターボ分子ポンプ34と真空チャンバ19との間には、ゲートバルブ25が介設される。また、ターボ分子ポンプ34には、補助のためのロータリポンプ26が接続される。
【0035】
高温真空炉11は、予備加熱室22と本加熱室21との間で被処理物を上下方向に移動させることが可能な移動機構27を備えている。この移動機構27は、被処理物を支持可能な支持体28と、この支持体28を上下動させることが可能なシリンダ部29と、を備えている。シリンダ部29はシリンダロッド30を備え、このシリンダロッド30の一端が前記支持体28に連結されている。また、高温真空炉11には、真空度を測定するための真空計31、及び、質量分析法を行うための質量分析装置32が設けられている。
【0036】
前記真空チャンバ19は、被処理物を保管しておくための図略のストック室と、搬送路65を通じて接続されている。この搬送路65は、ゲートバルブ66によって開閉可能になっている。
【0037】
前記本加熱室21は、平面断面視で正六角形に形成されるとともに、真空チャンバ19の内部空間の上部に配置される。図2に示すように、本加熱室21の内部には、加熱ヒータとしてのメッシュヒータ33が備えられている。また、本加熱室21の側壁や天井には第1多層熱反射金属板71が固定され、この第1多層熱反射金属板71によって、メッシュヒータ33の熱を本加熱室21の中央部に向けて反射させるように構成されている。
【0038】
これにより、本加熱室21内において、加熱処理対象としての被処理物を取り囲むようにメッシュヒータ33が配置され、更にその外側に多層熱反射金属板71が配置されるレイアウトが実現されている。また、メッシュヒータ33は、例えば上側に向かうにつれて幅が大きくなるように構成されている、あるいは、上側に向かうにつれて供給される電力を大きくすることが可能に構成されている。これにより、本加熱室21内に温度勾配を設けることができる。なお、本加熱室21は、例えば1000℃以上2300℃以下の温度まで昇温させることができる。
【0039】
本加熱室21の天井側は第1多層熱反射金属板71によって閉鎖される一方、底面の第1多層熱反射金属板71には貫通孔55が形成されている。被処理物は、この貫通孔55を介して、本加熱室21と、この本加熱室21の下側に隣接する予備加熱室22との間で移動できるようになっている。
【0040】
前記貫通孔55には、移動機構27の支持体28の一部が挿入されている。この支持体28は、上から順に、第2多層熱反射金属板72、第3多層熱反射金属板73、及び第4多層熱反射金属板74を互いに間隔をあけて配置した構成となっている。
【0041】
3つの多層熱反射金属板72〜74は、何れも水平に配置されるとともに、垂直方向に設けた柱部35によって互いに連結されている。そして、第2多層熱反射金属板72及び第3多層熱反射金属板73とで挟まれたスペースに受け台36が配置され、この受け台36上に被処理物が収容されたTaC容器2を載置できるように構成されている。本実施形態において、この受け台36はタンタルカーバイドにより構成されている。
【0042】
前記シリンダ部29のシリンダロッド30の端部にはフランジが形成されて、このフランジが第4多層熱反射金属板74の下面に固定される。この構成により、前記シリンダ部29を伸縮させることで、受け台36上の被処理物を前記3つの多層熱反射金属板72〜74とともに上下動させることができる。
【0043】
前記予備加熱室22は、本加熱室21の下側の空間を、多層熱反射金属板76で囲うことにより構成されている。この予備加熱室22は、平面断面視で円状となるように構成されている。なお、予備加熱室22内には、前記メッシュヒータ33のような加熱手段は備えられていない。
【0044】
図2に示すように、予備加熱室22の底面部においては、前記多層熱反射金属板76に貫通孔56が形成されている。また、予備加熱室22の側壁をなす多層熱反射金属板76において、前記搬送路65と対面する部位に通路孔50が形成されている。更に、前記高温真空炉11は、前記通路孔50を閉鎖可能な開閉部材51を備えている。
【0045】
予備加熱室22の下側で隣接する前記断熱室23は、上側が前記多層熱反射金属板76によって区画され、下側及び側部が多層熱反射金属板77によって区画されている。断熱室23の下側を覆う多層熱反射金属板77には貫通孔57が形成されて、前記シリンダロッド30を挿通できるようになっている。
【0046】
前記貫通孔57の上端部に相当する位置において、多層熱反射金属板77には収納凹部58が形成される。この収納凹部58には、前記支持体28が備える第4多層熱反射金属板74を収納可能になっている。
【0047】
多層熱反射金属板71〜74,76,77は何れも、金属板(タングステン製)を所定の間隔をあけて積層した構造になっている。前記開閉部材51においても、通路孔50を閉鎖する部分には、同様の構成の多層熱反射金属板が用いられている。
【0048】
多層熱反射金属板71〜74,76,77の材質としては、メッシュヒータ33の熱輻射に対して十分な加熱特性を有し、また、融点が雰囲気温度より高い物質であれば、任意のものを用いることができる。例えば、前記タングステンのほか、タンタル、ニオブ、モリブデン等の高融点金属材料を多層熱反射金属板71〜74,76,77として用いることができる。また、タングステンカーバイド、ジリコニウムカーバイド、タンタルカーバイド、ハフニウムカーバイド、モリブデンカーバイド等の炭化物を、多層熱反射金属板71〜74,76,77として用いることもできる。また、その反射面に、金やタングステンカーバイド等からなる赤外線反射膜を更に形成しても良い。
【0049】
そして、支持体28に備えられる多層熱反射金属板72〜74は、小さな貫通孔を多数有するパンチメタル構造のタングステン板を、当該貫通孔の位置を異ならせつつ所定の間隔をあけて積層した構造になっている。
【0050】
また、支持体28の最も上層に備えられる第2多層熱反射金属板72の積層枚数は、本加熱室21の第1多層熱反射金属板71の積層枚数よりも少なくなっている。
【0051】
この状態で被処理物を搬送路65から真空チャンバ19の内部へ導入し、予備加熱室22内にある前記受け台36上に載置する。この状態で前記メッシュヒータ33を駆動すると、本加熱室21が1000℃以上2300℃以下の所定の温度(例えば約1900℃)に加熱される。またこのとき、前記ターボ分子ポンプ34の駆動によって、真空チャンバ19内の圧力は10−3Pa以下、好ましくは10−5Pa以下となるように調整されている。
【0052】
ここで前述したとおり、支持体28の第2多層熱反射金属板72の積層枚数は、前記第1多層熱反射金属板71の積層枚数よりも少なくなっている。従って、メッシュヒータ33が発生する熱の一部が第2多層熱反射金属板72を介して予備加熱室22に適度に供給(分配)され、予備加熱室22内の被処理物を500℃以上の所定の温度(例えば800℃)となるように予備加熱することができる。即ち、予備加熱室22にヒータを設置しなくても予備加熱を実現でき、予備加熱室22の簡素な構造が実現できている。
【0053】
上記の予備加熱処理を所定時間行った後、シリンダ部29を駆動し、支持体28を上昇させる。この結果、被処理物が下側から貫通孔55を通過して本加熱室21内に移動する。これにより、直ちに本加熱処理が開始され、本加熱室21内の被処理物を所定の温度(約1900℃)に急速に昇温させることができる。
【0054】
TaC容器2は、図3に示すように、互いに嵌合可能な上容器2aと下容器2bとを備える嵌合容器である。この構成により、TaC容器2の内部空間は密閉されているが、若干の気体原子は、TaC容器2の内部から外部(又はその逆)へ移動することができる。また、このTaC容器2は、真空下で高温処理を行う場合に後述のC原子吸着イオンポンプ機能を発揮するように構成されており、具体的には、タンタル金属からなるとともに、炭化タンタル層を内部空間に露出させるようにして構成されている。
【0055】
更に詳細に説明すると、TaC容器2は、最も内側の層(被処理物に最も近い側の層)の部分にTaC層が形成され、このTaC層の外側にTaC層が形成され、更にその外側に基材としてのタンタル金属が形成された構成となっている。従って、上述のように真空下で高温処理を続ける限りにおいて、TaC容器2は、炭化タンタル層の表面から連続的に炭素原子を吸着して取り込む機能を奏する。この意味で、本実施形態のTaC容器2はC原子吸着イオンポンプ機能(イオンゲッター機能)を有する。また、最も内側の層のTaC層には、Siが付与されている。これにより、加熱処理時に当該Siが昇華してSi蒸気が発生する。そして、TaC容器2内の雰囲気に含まれているSi蒸気及びC蒸気のうち、C蒸気だけがTaC容器2に選択的に吸蔵されるので、TaC容器2内を高純度のSi雰囲気に保つことができる。
【0056】
なお、Siの供給源としては、TaC容器2の内壁にSiを付与する構成に限られず、例えばTaC容器2の内壁をTaSi(例えば、TaSi又はTaSi)で構成しても良いし、他のSi化合物で構成しても良い。更には、TaC容器2の内部に固体のSi(Siペレット)を配置しても良い。
【0057】
SiC容器3は、3C−SiC等の多結晶SiCを含んで構成されている。本実施形態では、SiC容器3の全体がSiCで構成されている。ただし、SiC容器3は、加熱処理時にSi蒸気及びC蒸気を内部空間に発生させる構成であれば、SiC容器3の一部(例えば内面)が多結晶SiC製であっても良い。
【0058】
SiC容器3は、TaC容器2と同様に、互いに嵌合可能な上容器3aと下容器3bとを備える嵌合容器である。この構成により、SiC容器3の内部空間は密閉されているが、若干の気体原子は、SiC容器3の内部から外部(又はその逆)へ移動することができる。これにより、TaC容器2の内部で発生したSi蒸気は、SiC容器3の外部から内部へ移動し、SiC容器3の内部空間にSi蒸気を供給することができる。また、図3に示すように、SiC容器3は、TaC容器2の内部に配置されるため、TaC容器2よりも小型である。また、SiC容器3には、少なくとも1枚の下地基板40が収容される。
【0059】
下地基板40は、エピタキシャル層41を形成するための土台又は下地となる基板である。下地基板40は、SiC基板であっても良いし、SiC以外の材料(例えばAl化合物又はN化合物)からなる基板であっても良い。また、SiC基板である場合、結晶多形は任意であり、例えば、3C−SiC、4H−SiC、又は6H−SiCで構成することができる。なお、下地基板40がSiC基板の場合、<11−20>方向又は<1−100>方向に対するオフ角(図5を参照)が1°以下であっても良いし、1°より大きくても良い。また、下地基板40のSi面又はC面の何れにエピタキシャル層41を形成しても良い。
【0060】
次に、エピタキシャル成長工程について説明する。本実施形態では、気相エピタキシャル成長方法により、下地基板40に、単結晶3C−SiCのエピタキシャル層41を形成する。具体的には、図3に示すように、下地基板40をSiC容器3に収容し、このSiC容器3を更にTaC容器2に収容する。また、TaC容器2の上側(エピタキシャル層41を形成する側)が高温となるように、温度勾配を設ける。温度勾配は、2℃/mm以下であることが好ましく、1℃/mm程度であることが更に好ましい。この状態で、TaC容器2を1600℃以上2300℃以下の高温で加熱する。
【0061】
この加熱処理により、TaC容器2の内面に付与したSiが昇華して、TaC容器2の内部がSiの平衡蒸気圧になる。他のSi源を用いた場合であってもSiの昇華によりTaC容器2の内部がSiの平衡蒸気圧となる。従って、SiC容器3は、Si蒸気圧下で高温で加熱されることとなるので、SiC容器3はエッチング(Si蒸気圧エッチング)される。具体的には、以下に示す反応が行われる。簡単に説明すると、SiCがSi蒸気圧下で加熱されることで、SiCが熱分解ならびにSiとの化学反応によってSiC又はSiC等になって昇華する。また、SiC容器3の内部では高いC分圧が発生し、2℃/mm以下の温度勾配を駆動力として下地基板40の表面にC成分が輸送され3C−SiCが結晶化する。
【0062】
SiC容器3がSi蒸気圧エッチングされることで、SiC容器3の炭化を防止して、SiC容器3からC原子(又はC化合物)を昇華させることができる。ここで、上述のようにTaC容器2は、C原子吸着イオンポンプ機能を有しているため、TaC容器2の内部であってSiC容器3の外部は、高純度のSi雰囲気となる。一方、SiC容器3の内部は、C原子が吸収されないのでC雰囲気となる。更に、TaC容器2のSi源から発生したSi蒸気は、SiC容器3の上容器3aと下容器3bの隙間から、SiC容器3の内部にも侵入する。従って、SiC容器3の内部は、Si+C雰囲気となる。従って、温度勾配を設けつつ加熱処理を行うことで、下地基板40の表面に単結晶3C−SiCのエピタキシャル層41を形成することができる(エピタキシャル層成長工程)。また、これにより、エピタキシャル層付き基板を製造することができる。
【0063】
ここで、図4を参照して、4H−SiCと3C−SiCの分子配列について簡単に説明する。3C−SiCは、図4(a)に示すように、Si原子とC原子が積層するように構成されており、SiとCからなる単分子層の高さは0.25nmである。また、4H−SiCは、図4(b)に示すように2分子層毎に配列方向が反転するが、3C−SiCは配列方向が反転せずに一定である。
【0064】
ここで、上記のようにTaC容器2及びSiC容器3で下地基板40を覆うことで、SiC容器3の内部のC蒸気の分圧を高くすることができる。従って、温度勾配が1℃/mm程度でも、エピタキシャル層41を十分成長させることができる。なお、従来から知られている昇華法等では、有効な成長速度を実現するためには、より高低差が大きい温度勾配が必要となる。しかし、温度勾配の高低差を大きくするためには、精密な加熱装置及び細かな制御が必要となり製造コストが高くなってしまう。この点、本実施形態では、温度勾配が2℃/mm以下、1℃/mm程度、又は1℃/mm以下で良いため、製造コストを低くすることができる。
【0065】
また、本実施形態の方法でエピタキシャル層41を成長させることで、下地基板40がSiC以外であっても、単結晶3C−SiCのエピタキシャル層41を形成することができる。また、下地基板40が3C−SiC以外であっても、単結晶3C−SiCのエピタキシャル層41を形成することができる。MBE法(分子線エピタキシー法)及びCVD法(化学気相成長法)を行うことによっても、4H−SiC上にSiCを成長させることができる。しかし、MBE法及びCVD法は、例えば1600℃以上の高温での加熱処理に不向きであるため、成長速度に上限がある。一方で、近接昇華法は成長温度の高温化や高い成長速度を期待できるが、基板面内の均一性が問題となる。これに対し、本実施形態の方法では、1600℃以上の高温での加熱処理に適しており、かつ、SiCのエピタキシャル成長がPoly−SiC容器という準閉鎖系で行われるために、均一性が高い。
【0066】
なお、SiC基板のオフ角が大きい場合(例えば1°より大きい場合)は、ステップフロー成長が生じるため、下地基板40の結晶多形を引き継ぎ易くなるため、下地基板40である4H−SiC上に、エピタキシャル層41としての4H−SiCが成長する。従って、3C−SiCのエピタキシャル層41が必要となる場合は、SiC基板のオフ角が小さい(例えば1°以下)ことが好ましい。
【0067】
次に、SiC容器3をTaC容器2に収容する効果を確かめた実験について、図6及び図7を参照して説明する。この実験は、図6に示すように、TaC容器2の内側と外側にSiC容器3を配置して、それぞれのSiC容器3の内部の下地基板40にエピタキシャル層41を成長させる。
【0068】
この実験の結果が図7に示されている。図7(a)は、TaC容器2の外側にSiC容器3を配置してエピタキシャル成長させたときのエピタキシャル層41のSi面とC面の顕微鏡写真である。図7(b)は、TaC容器2の内側にSiC容器3を配置してエピタキシャル成長させたときのエピタキシャル層41のSi面とC面の顕微鏡写真である。このように、TaC容器2の内側にSiC容器3を配置することで、エピタキシャル層41の表面が平坦になり、高品質なエピタキシャル層41を形成できる。また、成長速度についても、TaC容器2の内側にSiC容器3を配置した方が、5倍程度速くなった。このように、下地基板40をSiC容器3及びTaC容器2で覆うことで、高品質のエピタキシャル層41を高速で形成できる。
【0069】
次に、SiC容器3の内部の位置によらず、エピタキシャル層41が均一に形成されることを確かめた実験について、図8及び図9を参照して説明する。この実験は、図8に示すように、様々な環境で下地基板40を配置し、1800℃かつ温度勾配が約1℃/mmで加熱して、エピタキシャル層41の成長量を比較した。特に、下地基板40の表面から原料(SiC容器3又は多結晶SiCプレート45)までの距離Lを変えて実験を行った。また、図8(a)及び図8(b)では1つのSiC容器3に1枚の下地基板40が収容されるが、図8(c)及び図8(d)では、1つのSiC容器3に2枚の下地基板40が収容される。なお、図8では、TaC容器2を省略しているが、それぞれのSiC容器3はTaC容器2に収容されている。
【0070】
この実験の結果が図9に示されている。図9には、図8(a)から図8(d)で用いた下地基板40について、下地基板40の表面から原料までの距離Lと、下地基板40に形成されたエピタキシャル層41の成長速度と、を対応付けたグラフである。図9に示すように、全ての下地基板40は、おおむね同程度の成長速度となっている。従って、温度勾配が一様であれば、SiC容器3の内部の位置によらずエピタキシャル層41が均一に形成されることが確かめられた。なお、図8(c)及び図8(d)のように、1つのSiC容器3に複数枚の下地基板40を収容することで、エピタキシャル層41を効率的に形成できる。
【0071】
図9に示すように、エピタキシャル層41の成長速度は、1800℃で6〜8μm/hであり、特許文献1のCVD法の6倍から8倍である。なお、本実施形態の方法では、加熱温度を1800℃以上にすることができるので、更に速い成長速度を実現できる。また、温度勾配を1℃/mmより更に大きくすることによっても、更に速い成長速度を実現できる。
【0072】
本実施形態のTaC容器2は、エピタキシャル層41を形成する工程だけでなく、下地基板40(SiC基板)をエッチングする工程にも使用可能である。上述のように、TaC容器2は、内部を高純度のSi雰囲気に保つことができるので、図10に示すように、TaC容器2に直接(SiC容器3を介さずに)SiC基板を配置して、1600℃以上で加熱することで、SiC基板をエッチング(上述のSi蒸気圧エッチング)することができる。
【0073】
エッチング工程を行うタイミングは任意であり、例えばインゴットから切り出して機械研磨を行った後のSiC基板を平坦にするために(即ちエピタキシャル層41の形成前に)エッチングを行っても良いし、イオン(不純物)を注入することで荒れたエピタキシャル層41を平坦化するために(即ちエピタキシャル層41の形成後に)エッチングを行っても良い。
【0074】
上記では、TaC容器2の内部にSiC容器3を収容し、SiC容器3の内部に下地基板40を収容して気相エピタキシャル成長を行うことで、単結晶3C−SiCをエピタキシャル層41として下地基板40に成長させたが、同様の方法を用いて、単結晶4H−SiC及び単結晶6H−SiC等をエピタキシャル層41として下地基板40に成長させることもできる。また、例えば下地基板40のオフ角及び温度等を変更させることで、成長させるエピタキシャル層41の結晶多形を選択することもできる。
【0075】
また、図11は、1つのSiC容器3に、複数枚の下地基板40を収容し、それをTaC容器2に収容した実施形態を示している。上述のように、本発明の方法を用いることで、SiC容器3の位置に関係なく同様の成長速度及び品質を有する単結晶3C−SiCのエピタキシャル層41を形成できるので、エピタキシャル層41付き基板を効率的に形成できる。
【0076】
以上に説明したように、本実施形態では、TaCを含む材料で構成されるTaC容器2の内部に、多結晶SiCを含む材料で構成されるSiC容器3を収容し、当該SiC容器3の内部に下地基板40を収容した状態において、当該TaC容器2内がSi蒸気圧となるように、かつ、温度勾配を設けてTaC容器2を加熱する。その結果、SiC容器3の内面がエッチングされることで昇華したC原子と、SiC容器3の内部の雰囲気中のSi原子と、が結合することで、下地基板40上に単結晶SiC(3C−SiC、4H−SiC、6H−SiC等)のエピタキシャル層41が成長する。
【0077】
これにより、高純度の単結晶SiCのエピタキシャル層41を高速で形成することができる。また、エピタキシャル層41の原料はSiC容器3であるため、原料ガスを導入するCVD等と比較して、エピタキシャル層41を均一に成長させることができる。
【0078】
また、本実施形態の気相エピタキシャル成長方法においては、下地基板40の材料は、Al化合物又はN化合物であっても良いし、エピタキシャル層41の材料がSiCであり、<11−20>方向又は<1−100>方向に対するオフ角が1°以下であっても良い。
【0079】
これにより、本発明の方法を用いることで下地基板40がSiCに限られないので、汎用性が高いエピタキシャル成長方法が実現できる。これにより、下地基板40がSiCであってオフ角が小さい場合は、テラスが広くなり、下地基板40の結晶多形を問わず、高品質の単結晶SiCのエピタキシャル層が形成され易くなる。
【0080】
また、本実施形態の気相エピタキシャル成長方法においては、温度勾配が2℃/mm以下となることが好ましい。
【0081】
これにより、本発明の方法を用いることでSiC容器3内のC原子の圧力が高くなるため、上記のような低い温度差でもエピタキシャル層を十分に成長させることができる。従って、加熱装置又は加熱制御を単純化できる。
【0082】
また、本実施形態の気相エピタキシャル成長方法においては、SiC容器3に複数枚の下地基板40を配置して、当該複数枚の下地基板40のそれぞれにエピタキシャル層41を成長させる。
【0083】
これにより、複数枚の下地基板40に同時にエピタキシャル層41を形成できるので、処理を効率化できる。特に、本発明の方法を用いることでSiC容器3内の位置に関係なく均一にエピタキシャル層41を形成できるので、品質が低下することもない。
【0084】
また、本実施形態の気相エピタキシャル成長方法においては、TaC容器2の内面をSi又はSi化合物とし、エピタキシャル層41の成長時の加熱により、当該TaC容器2の内面からSi原子が昇華することで、当該TaC容器2内をSi蒸気圧とする。
【0085】
これにより、固体のSi等をTaC容器2内に投入する方法と比較して、作業者の手間を軽減できる。また、TaCの内面の広範囲にわたってSi等を形成することで、均一なSi雰囲気を実現できる。
【0086】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0087】
上述したTaC容器2及びSiC容器3の形状は任意であり、適宜変更可能である。例えば、TaC容器2とSiC容器3は異なる形状であっても良いし、同じ(相似)形状であっても良い。また、TaC容器2又はSiC容器3は、図8(d)に示すように、複数の空間を有していても良い。また、1つのTaC容器2に複数のSiC容器3を収容したり、このSiC容器3に、更に複数枚の下地基板40を収容してエピタキシャル層41を形成しても良い。
【0088】
例えば、エピタキシャル層41の成長量を正確に制御したい場合は、エピタキシャル層41の形成時に不活性ガス(Arガス等)を導入して、エピタキシャル層41の成長速度を低下させることもできる。
【0089】
TaC容器2の内部空間及びSiC容器3の内部空間の雰囲気(特にSiとCの分圧)は、Si源の量、TaCの炭素吸着機能の程度、TaC容器2の容積、SiC容器3の容積等によって異なるため、それらを異ならせることで、エピタキシャル層41の成長速度及び品質等を制御することができる。
【符号の説明】
【0090】
2 TaC容器
2a 上容器
2b 下容器
3 SiC容器
3a 上容器
3b 下容器
11 高温真空炉
40 SiC基板
41 エピタキシャル層
45 多結晶SiCプレート

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11