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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183514
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ゲルマクレンおよび香料組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 13/271 20060101AFI20231221BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20231221BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20231221BHJP
   C12N 9/88 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
C07C13/271 CSP
C11B9/00 B
A61K8/31
A61Q13/00 101
C12N9/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097071
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100108419
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 治仁
(72)【発明者】
【氏名】藤田 誠
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宗太
(72)【発明者】
【氏名】和田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】三橋 隆章
【テーマコード(参考)】
4B050
4C083
4H006
4H059
【Fターム(参考)】
4B050CC07
4B050DD13
4B050KK03
4B050LL05
4C083AC031
4C083AC032
4C083BB41
4C083CC01
4C083KK02
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB14
4H059BA02
4H059BB05
4H059BB13
4H059BB46
4H059BC23
4H059CA12
4H059DA09
4H059EA35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規なゲルマクレン、および、このものを香料成分として含有する香料組成物を提供する。
【解決手段】紅藻由来のテルペンシクラーゼ(Terpene Cyclase)によって産生される酵素反応生成物である、下記式(1)で表されるゲルマクレン、および、この化合物を香料成分として含有する香料組成物。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるゲルマクレン。
【化1】
【請求項2】
紅藻類由来のテルペンシクラーゼ(Terpene Cyclase)によって産生される酵素反応生成物である、請求項1に記載のゲルマクレン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲルマクレンを、香料成分として含有することを特徴とする香料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なゲルマクレン、及び、この化合物を香料成分として含有する香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲルマクレン(Germacrene)は、シクロデカン骨格を有する一群の環状セスキテルペン炭化水素化合物であり、下記に示すゲルマクレンA~Eの5つの異性体が知られている。
【0003】
【化1】
【0004】
これらの化合物のうち、ゲルマクレンB及びDは香料成分として知られている(特許文献1、2等)。
また、ゲルマクレンEは、ウミトサカ目シヌラリアエレクタ(Sinularia erecta)から単離された物質である(非特許文献1)。しかしながら、この化合物の立体配置は明らかになっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-181536号公報
【特許文献2】特表2017-501109号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.Nat.Prod.1998,61,872-875.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規なゲルマクレン、および、この化合物を香料成分として含有する香料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、紅藻ローレンチアパシフィカ(Laurencia pacifica)由来のテルペンシクラーゼ(Terpene Cyclase)であるLphTPS-Bが産生する酵素反応生成物を単離し、いわゆる「結晶スポンジ法」を利用して、このものの分子構造の解明を試みた。
「結晶スポンジ法」とは、高分子錯体の単結晶の細孔内に解析対象化合物の分子を規則的に配列させ、得られたゲスト分子包接体を測定試料として用いて結晶構造解析を行う方法である(Nature,2013,495,461-466)。
そして、この酵素反応生成物は、非特許文献1に記載されているゲルマクレンEと同じ基本骨格を有するが、その立体配置が異なる新規化合物であることを見出した。さらに、このものは、抹茶様の甘い香りを有する物質であって、香料成分として有用であるという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、〔1〕、〔2〕に記載のゲルマクレン、および、〔3〕に記載の香料組成物が提供される。
〔1〕下記式(1)で表されるゲルマクレン。
【0010】
【化2】
【0011】
〔2〕紅藻類由来のテルペンシクラーゼ(Terpene Cyclase)によって産生される酵素反応生成物である、〔1〕に記載のゲルマクレン。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のゲルマクレンを、香料成分として含有することを特徴とする香料組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新規ゲルマクレン、および、このものを香料成分として含有する香料組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のepi-ゲルマクレンE(1)の13C-NMRスペクトル図である。
図2】本発明のepi-ゲルマクレンE(1)のH-NMRスペクトル図である。
図3】epi-ゲルマクレンE(1)内包高分子金属錯体の結晶構造を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1)ゲルマクレン系化合物
本発明の第1は、前記式(1)で示されるゲルマクレン〔(4S,5E,7S,10E)-4,10-dimethyl-7-(prop-1-en-2-yl)cyclodeca-5,10-diene〕である(以下、「epi-ゲルマクレンE(1)」ということがある)。
【0015】
本発明のepi-ゲルマクレンE(1)は、紅藻ローレンチアパシフィカ(Laurencia pacifica)由来のテルペンシクラーゼ(Terpene Cyclase)であるLphTPS-Bが産生する酵素反応生成物である。
【0016】
本発明者らは、epi-ゲルマクレンE(1)を次のステップ(i)~(iii)により単離した。
Saccharomyces cerevisiaeを宿主として用いた異種発現系に合わせコドンを最適化したLphTPS-B(GenBank:ASV63465.1)を発現する遺伝子を、Integrated DNA Technologies社の遺伝子合成サービスgBlocks Gene Fragmentsにより合成した。
尚、コドン最適化は、Integrated DNA Technologies社が提供するIDT Codon Optimization Toolにて行った。
次いで、In-Fusion HD Cloning(タカラバイオ株式会社製)を用いて、発現ベクターp426TEFに、SpeI/HindIII制限部位でクローニングして、LphTPS-B(プラスミド)を調製した。挿入された遺伝子配列は、DNAシーケンス受託解析サービス(株式会社ファスマック)にて検証された。
【0017】
〔ステップ(i)〕2相系培養
0.1Lのn-ドデカンと1LのSC-URA培地(純水1Lに6.7gのYeast Nitorgen Base without Amino Acids(BD Difco)と20gのD-グルコースと0.77g-UraのDO Supplement(Takara Bio Inc.)を含む)を含む2Lの三角フラスコ中に、LphTPS-B(プラスミド)を導入し、形質転換した出芽酵母(S.cerevisiae BY4741(NBRP ID:BY23849)株)の終夜培養液10mLを加え、30℃、300rpmで、2日間、全容を振とうした。次いで、40%D-グルコース水溶液0.05Lを添加し、全容を1日間浸とうした。培養には4個の三角フラスコを用いた。
【0018】
〔ステップ(ii)〕解乳化
ステップ(i)で得た培養液をすべて1リットルの分液漏斗にいれ、断続的に水相を除き、乳化状態のドデカン相(約0.5リットル)を分取した。分取したドデカン相のエマルジョンを分液漏斗中で0.5リットルの飽和食塩水で洗浄したのち、0.1kgの食塩を加えた。デカンテーションと超音波照射によりドデカン相を解乳化させ、ドデカン相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。
【0019】
〔ステップ(iii)〕固相抽出
ステップ(ii)で得た乾燥させた有機層を、10%硝酸銀含侵シリカゲルカラム(約10g、富士フイルム和光純薬株式会社製,cat.no.197-11611)に載せ、n-ペンタンで洗浄した。その後、溶離液として、n-ペンタン+酢酸エチル〔10:1(v/v)〕及び酢酸エチルで溶離)を用い、目的物を含む有機層を分取した。分取した有機層を濃縮して、目的物を含む油状物を得た。
【0020】
〔ステップ(iv)〕精製
次いで、ステップ(iii)で得た目的物を含む油状物を、逆相HPLCで精製する(溶離液:水-アセトニトリル混合溶媒)ことにより、目的物〔epi-ゲルマクレンE(1)〕を含むフラクションを得た。分離したフラクションから目的物を溶媒抽出(抽出溶媒:ペンタン)した。ペンタン層を食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥させたペンタン層を濃縮し、濃縮物をシリカゲル60N(約1.5g,40-100メッシュ)を含むカラムクロマトグラフィーでさらに精製して(溶離液:ペンタン)、不純物を除いた。最後に、得られたペンタン層を濃縮して、純粋な目的物(epi-ゲルマクレンE(1))を9.9mg得た。
【0021】
epi-ゲルマクレンE(1)の物性データは次の通りである。
(1)性状:無色油状物(colorless oil)
(2)分子式:C1524(精密質量分析によるm/z値:205.1954・プロトン付加体に対して計算した精密質量205.1956に対して1.0ppmの誤差)
(3)旋光度:[α]25.7 =+244.2°(c0.21,クロロホルム中)
(4)800MHZのNMR分光計を用いて300Kにて取得した重クロロホルム溶媒中におけるNMRスペクトルデータ:13C-NMRスペクトルを図1に、H-NMRスペクトルを図2にそれぞれ示す。
また、epi-ゲルマクレンE(1)の13C-NMRスペクトルデータ及びH-NMRスペクトルデータ(以下、これらをまとめて「NMRスペクトルデータ」ということがある。)を下記表1にまとめて示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1中、記号は以下の意味を表す。
*1(シグナル面積、シグナルの種類、カップリング定数(Hz))を表す。
m:マルチプレット
dd:ダブルダブレット
brt:ブロードトリプレット
br s :ブロードシングレット
t:トリプレット
d:ダブレット
s:シングレット
また、内部標準として溶媒である重クロロホルムのシグナル(H-NMRスペクトルにおいて7.26ppm、13C-NMRスペクトルにおいて 77.16ppm)を用いた。
【0024】
これらのデータから、epi-ゲルマクレンE(1)は、非特許文献1に記載のゲルマクレンE〔以下、このものを「ゲルマクレンE(2)」ということがある。〕と同様のシクロデカン骨格を有する化合物であると考えられた。
非特許文献1には、ゲルマクレンE(2)のNMRスペクトルデータも記載されている。上記表1に示す本願発明のepi-ゲルマクレンE(1)のNMRスペクトルデータと、非特許文献1に記載のゲルマクレンE(2)のNMRスペクトルデータとを比較すると、対応する炭素原子及び水素原子のケミカルシフトに明らかな差異が認められた。従って、本願発明のepi-ゲルマクレンE(1)と非特許文献1に記載されているゲルマクレンE(2)とは、同じシクロデカン骨格を有するジアステレオマーであると推測された。
【0025】
そこで、「結晶スポンジ法」を利用して、このものの分子構造の解明を試みた。
epi-ゲルマクレンE(1)の分子構造の解明は、次のようにして行った。
(ステップ1)ノルマルヘキサン内包高分子金属錯体結晶の合成
WO2014/038220号公報に記載の、実施例1、ステップ1、2と同様にして、[(ZnI(TPT)(n-hexane)]〔TPT=2,4,6-トリス(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジン〕を製造した。
【0026】
(ステップ2)epi-ゲルマクレンE(1)内包高分子金属錯体結晶の合成
50μLのノルマルヘキサンをセプタムキャップ付きマイクロバイアル瓶に入れ、次いで、この中に、ノルマルヘキサン内包高分子金属錯体[(ZnI(TPT)(n-hexane)]の単結晶1粒(大きさ:352μm×148μm×64μm)を浸漬させた。
そこへ、epi-ゲルマクレンE(1)を、濃度が1μg/1μLとなるように1,2-ジクロロエタンに溶解し、得られた試料溶液10μL(epi-ゲルマクレンE(1)を10μg含有)をマイクロバイアル瓶内に加えた。
その後、マイクロバイアル瓶のキャップを閉め、セプタム部に針穴径0.8mmの注射針でピンホールを開け、これを30℃の恒温室内に28時間静置した。
その後、単結晶を取り出し、X線構造解析装置にマウントし、結晶構造解析を行った。
結晶学的データを下記表2に、結晶構造を図3に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
X線構造解析の結果、このものの立体構造は下記のとおりであることが分かった。
なお、下記化学式中の番号は、上記表1の位置番号に対応している。
【0029】
【化3】
【0030】
本発明のepi-ゲルマクレンE(1)は、抹茶様の甘い香りを呈する。本発明のepi-ゲルマクレンE(1)は、香料組成物の香料成分として有用である。
【0031】
2)香料組成物
本発明の第2は、epi-ゲルマクレンE(1)を香料成分として含有する香料組成物である。
本発明の香料組成物中における本発明化合物の含有量は、香料組成物100質量部あたり、好ましくは0.001~50質量部、より好ましくは0.01~10質量部、さらに好ましくは0.05~1質量部である。
【0032】
本発明の香料組成物としては、レモンやグレープフルーツ様の香りを有するミント系香料;ローズ、ラベンダー、ジャスミン様の香りを有するフローラル系香料;ピーチ、アップル、ストロベリー様の香りを有するフルーティー系香料:ヒノキ、ユーカリ、サイブレス様の香りを有する樹木系香料;ペパーミント、ローズマリー様の香りを有するハーブ系香料;合成香料を含有するマリン系香料;パチェリ、ベルガモット、グリーンティ様の香りを有するグリーン系香料;などが挙げられる。
【0033】
また、本発明の香料組成物は、従来公知の香料成分に加えて、本発明の化合物を含有することにより、上記香料にさらに好ましいナチュラルで深みのある清涼感や嗜好性を向上させることができる。
【0034】
香料成分としては、例えば、天然香料、天然精油等や各種合成香料を用いることができる。これらの香料は、飲食品、医薬品、香粧品、オーラルケア製品に使用できるものであれば特に限定されない。例えば、エステル類、アルデヒド類、(チオ)エーテル類、アルコール類、ケトン類、ラクトン類、カルボン酸、脂肪族炭化水素、含窒素複素環化合物、含硫黄複素環化合物、アミン類、チオール類、フェノール類、精油などが挙げられる。
【0035】
具体的な化合物としては、アセトアルデヒド、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アネトール、アニスアルデヒド、アミルアルコール、α-アミルシンナムアルデヒド、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アントラニル酸メチル、アンブレットリド、イオノン、イソアミルアルコール、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアネート類、イソチオシアン酸アリル、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、イソブチルアルデヒド、イソプロパノール、イソペンチルアミン、インドール及びその誘導体、γ-ウンデカラクトン、エチルアセテート、2-エチル-3,5-ジメチルピラジン及び2-エチル-3,6-ジメチルピラジンの混合物、エチルチオアセテート、エチルバニリン、2-エチルピラジン、エチルブチレート、2-エチル-3-メチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、5-エチル-2-メチルピラジン、エチルメチルフェニルグリシデート、エチルラクテート、オイゲノール、オクタナール、オクタン酸エチル、カプサイシン、カルビールアセテート、カルボン、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l-メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8-シネオール、ジメチルサルファイド、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピリジン、ジンゲロール、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、スピラントール、チモール、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン、テルピネオール、2,3,5-トリメチルピラジン、γ-ノナラクトン、バニリルブチルエーテル、バニリン、パラメチルアセトフェノン、バレルアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピネン、ピペリジン、ピペリン、ピペロナールピラジン、ピロリジン、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、フェネチルアミン、フェノキシエチルイソブチレート、フェンコン、ブタノール、ブチルアミン、ブチルアルデヒド、フルフラール及びその誘導体、プレゴン、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘキサナール、ヘキセノール、ヘプタン酸エチル、ペリルアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、2-ペンタノール、1-ペンテン-3-オール、d-ボルネオール、マルトール、メチルアンスラニレート、N-メチルアントラニル酸メチル、メチルエピジャスモネート、5-メチルキノキサリン、6-メチルキノリン、5-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピラジン、メチル β-ナフチルケトン、2-メチルピラジン、2-メチルブタノール、3-メチル-2-ブタノール、2-メチルブチルアルデヒド、3-メチル-2-ブテナール、3-メチル-2-ブテノール、メンチルアセテート、l-メントール等のメントール各異性体、メントン、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、炭素数4~12のガンマ及びデルタラクトン、リナリルアセテート、リナロール、リモネンなどが挙げられる。
【0036】
具体的な精油としては、アニス油、アニススター油、ベルガモット油、メボウキ油、月桂樹葉ウエストインデアン油、ガルバナム油、リンゴ油、アプリコット油、カッシア油、クスノキ剤油、ブチュ葉油、カルダモン種子油、カッシア樹皮油、クモミル花ローマン油、シナモン樹皮油、肉桂葉油、チョウジ蕾み油、コニャックグリーン油、コエンドロ油、クベバ油、ヒメウイキョウ油、ウイキョウ甘油、ニンニク油、ショウガ油、ペチグレイン油、レモン油、ライムオイル、オレンジ油、柑橘油、杉剤油、シトロネラ油、パッチュリ油、ユーカリ油、ベイ油、グレープフルーツ油、マンダリン油、白檀油、杜松実油、ローズ油、イラン油、タンジェリン油、ゼラニウム油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、コリアンダー油、ライム油、柚子油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、シソ油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、セロリ油、ベイ油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ジャスミン油、パチュリ油、パラクレス油、オリスコンクリート、ローズアブソリュート、オレンジフラワーアブソリュート、バニラアブソリュート、パチュリアブソリュート、あるいは、これらの加工処理物(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)などが挙げられる。
【0037】
本発明の香料組成物は、各種配合剤及び/又は添加剤を含んでもよい。混合できる配合剤及び添加剤としては、特に限定されないが、例えば、抗酸化剤、公知の防腐剤や抗菌剤、pH調整剤などが挙げられる。前述の配合剤及び添加剤は、それぞれ2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の香料組成物は、飲食品、医薬品、化粧品、オーラルケア製品などに用いることができる。
図1
図2
図3