(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075915
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ウィンドウ挿入型研磨パッド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B24B 37/26 20120101AFI20230524BHJP
B24B 37/22 20120101ALI20230524BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
B24B37/26
B24B37/22
H01L21/304 622F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172529
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160738
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(71)【出願人】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホ ユ ジン
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒョン グ
(72)【発明者】
【氏名】キム ゴ ウン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ユン スン フン
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AC02
3C158CB01
3C158CB05
3C158CB10
3C158DA12
3C158DA17
3C158EB01
3C158EB07
3C158EB16
3C158EB28
5F057AA25
5F057AA37
5F057AA44
5F057BA15
5F057BA21
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB06
5F057EB08
5F057EB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】研磨工程時に漏れを発生させないと同時に、正確なセンシングが可能になることで、化学機械的平坦化工程において容易に使用できる研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨パッド10は、上面に特定深さのグルーブパターンが形成され、第1の貫通孔が形成されたトップパッド層100と、第1の貫通孔内に挿入されるウィンドウブロック200とを含み、トップパッド層100及びウィンドウブロック200は、次の数1の式の条件を満足する。
1.1≦(Gap+Thk
RTPC)/Thk
grv≦3.0[数1](ただし、前記式において、Gapはトップパッド層100の上面及びウィンドウブロック200の上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCはウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvはグルーブパターンの深さを意味する。)
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に特定深さのグルーブパターンが形成され、第1の貫通孔が形成されたトップパッド層と、
前記第1の貫通孔内に挿入されるウィンドウブロックとを含み、
前記トップパッド層及び前記ウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足する、研磨パッド。
【数1】
(ただし、前記式において、Gapは前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCは前記ウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvは前記グルーブパターンの深さを意味する。)
【請求項2】
前記グルーブパターンの深さは、0.5mm乃至2mmである、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記トップパッド層の厚さは、0.5mm乃至5mmである、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記ウィンドウブロックの厚さは、0.2mm乃至5mmである、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項5】
前記ウィンドウブロックの下面の中央にリセスが形成される、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項6】
前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)は、0.001mm乃至2mmである、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項7】
前記トップパッド層の下部に配置され、前記第1の貫通孔と対応する位置に、第2の貫通孔が形成されるサブパッド層をさらに含む、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項8】
前記第2の貫通孔の面積は、前記第1の貫通孔の面積よりも小さい、請求項7に記載の研磨パッド。
【請求項9】
前記トップパッド層及びサブパッド層間に介在され、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔と連通する第3の貫通孔を備える第1の接着層をさらに含む、請求項7に記載の研磨パッド。
【請求項10】
前記第1の接着層の厚さは、0.001mm乃至3mmである、請求項9に記載の研磨パッド。
【請求項11】
前記ウィンドウブロックは、下面に形成される第3の接着層をさらに含む、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項12】
前記サブパッド層は、前記ウィンドウブロックの下部と隣接する部分に、熱融着部がさらに形成される、請求項7に記載の研磨パッド。
【請求項13】
前記トップパッド層及び前記ウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足する、請求項1に記載の研磨パッド。
【数2】
(ただし、前記式において、Gapは前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCは前記ウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvは前記グルーブパターンの深さを意味する。)
【請求項14】
前記研磨パッドは、
前記第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、前記ウィンドウブロックの一面に一定の厚さのギャップ調節フィルムを配置するステップと、前記ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により製造し、前記ギャップ調節フィルムの厚さだけの前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)を形成する、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項15】
前記研磨パッドは、
同一の環境及び条件において、ウェーハの上面に形成された金属層を既定の厚さで研磨するために必要とする時間(RTPC time)の変動性が±1%乃至30%である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項16】
前記研磨パッドは、ギャップ変動性が±10%乃至±40%である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項17】
上面に特定深さのグルーブパターンが形成されたトップパッド用シートの所定部分に、第1の貫通孔を形成するステップと、
前記第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して、トップパッド層及びウィンドウブロックを含む研磨パッドを製造するステップとを含むが、
前記トップパッド層及び前記ウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足するように形成される、研磨パッドの製造方法。
【数1】
(ただし、前記式において、Gapは前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCは前記ウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvは前記グルーブパターンの深さを意味する。)
【請求項18】
前記研磨パッドを製造するステップは、
前記第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、
前記ウィンドウブロックの一面にギャップ調節フィルムを配置するステップと、
前記ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により、前記ギャップ調節フィルムの厚さだけの前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)を形成する、請求項17に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項19】
前記研磨パッドは、トップパッド層の下面に形成される第1の接着層及びサブパッド層をさらに含み、
前記研磨パッドを製造するステップは、
前記トップパッド用シートの下面に接着剤を利用して前記第1の貫通孔よりも面積が小さい第2の貫通孔が形成されたサブパッド用シートを接合して、サブパッド層、第1の接着層及びトップパッド層が順次積層された構造の接合物を製造するステップと、
前記第1の接着層に前記第2の貫通孔と同一の面積を有する第3の貫通孔を形成するステップと、
第1の接着層の上面に第3の貫通孔の周囲に沿って水分硬化性接着剤を塗布するステップと、
前記接合物の第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して、研磨パッドを製造するステップとを含む、請求項17に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項20】
前記研磨パッドを製造するステップは、
前記サブパッド層に前記第2の貫通孔の周囲に沿って熱融着部を形成するステップをさらに含む、請求項19に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項21】
前記トップパッド層及び前記ウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足するように形成される、請求項17に記載の研磨パッドの製造方法。
【数2】
(ただし、前記式において、Gapは前記トップパッド層の上面及び前記ウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCは前記ウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvは前記グルーブパターンの深さを意味する。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウ挿入型研磨パッド(Window insert type polishing pad)に関し、より詳しくは、研磨工程時に漏れを発生させないと同時に、正確なセンシングが可能になることで、化学機械的平坦化(chemical mechanical planarization、CMP)工程において容易に使用できる研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
研磨パッドは、半導体製造工程の中で、化学機械的平坦化(CMP)工程において必須な素材の一つである。CMP工程は、ウェーハ(wafer)をヘッドに付着し、プラテン(platen)上に形成された研磨パッドの表面に接触させた状態で、スラリーを供給してウェーハの表面を化学的に反応させながら、プラテン及びヘッドを駆動させて、機械的にウェーハ上の不要な部分を除去し、表面を平坦化する工程を意味する。
【0003】
最近、CMP工程の中で、膜質の厚さを測定してウェーハの表面の平坦性及び工程の終点をin-situで決定するために、RTPC(real time pressure control)センサが導入された終点検出装置を使用している。
【0004】
一方、ウィンドウ挿入型研磨パッドは、パッドに設置されるウィンドウ及びウィンドウに設置されるRTPCセンサを用いて、ウェーハ研磨及びCMP工程における終点検出が可能であるため、広く使用されている。
【0005】
しかしながら、既存のウィンドウ挿入型研磨パッドは、CMP工程時に研磨層及びウィンドウブロック間の隙間から漏れが発生しやすくて装備の故障を起きる恐れがあり、ウェーハの正確な金属層のセンシングが困難になり、故障の恐れにより適正使用時簡が経過していない研磨パッドを交替してしまうことがよく発生して研磨パッドの消耗率が高いという欠点がある。よって、これを補完できる方法に対する研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、研磨工程時に漏れを発生させず、ウェーハ金属層の正確なセンシングが可能になり、適正使用時間に合うように使用可能になることで、研磨パッドの消耗率を低減できる研磨パッドを提供する。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題等は、以上で言及した技術的課題等に限定されず、言及されない他の技術的課題等は、次の記載から本発明が属する分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施例に係る研磨パッドは、上面に特定深さのグルーブパターンが形成され、第1の貫通孔が形成されたトップパッド層(top pad layer)と、第1の貫通孔内に挿入されるウィンドウブロック(window block)とを含み、トップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足する構造を有する。
【0009】
【数1】
(ただし、前記式において、Gapはトップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCはウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvはグルーブパターンの深さを意味する。)
【0010】
実施例に係る研磨パッドは、トップパッド層の下部に配置され、第1の貫通孔と対応する位置に、第2の貫通孔が形成されたサブパッド層(sub pad layer)をさらに含み、第2の貫通孔の面積は、第1の貫通孔の面積よりも小さい。
【0011】
実施例に係る研磨パッドは、ウィンドウブロックは、下面に形成される第3の接着層をさらに含み、サブパッド層は、ウィンドウブロックの下部と隣接する部分に、熱融着部がさらに形成される構造を有することができる。
【0012】
特に、実施例に係る研磨パッドのトップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足することができる。
【0013】
【0014】
実施例に係る研磨パッドは、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、ウィンドウブロックの一面に一定の厚さのギャップ調節フィルムを配置するステップと、ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により製造し、ギャップ調節フィルムの厚さだけのトップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)を形成することができる。
【0015】
実施例に係る研磨パッドは、同一の環境及び条件において、ウェーハの上面に形成された金属層を既定の厚さで研磨するために必要とする時間(RTPC time)の変動性が±1%乃至30%であり得、ギャップ変動性が±10%乃至±40%であり得る。
【0016】
一方、実施例に係る研磨パッドの製造方法は、上面に特定深さのグルーブパターンが形成されたトップパッド用シートの所定部分に、第1の貫通孔を形成するステップと、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して、トップパッド層及びウィンドウブロックを含む研磨パッドを製造するステップとを含むが、トップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足するように形成される研磨パッドを製造することができる。
【0017】
【数1】
(ただし、前記式において、Gapはトップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCはウィンドウブロックの厚さを意味し、Thk
grvはグルーブパターンの深さを意味する。)
【0018】
実施例に係る研磨パッドは、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、ウィンドウブロックの一面にギャップ調節フィルムを配置するステップと、ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により、ギャップ調節フィルムの厚さだけのトップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)を形成することができる。
【0019】
特に、実施例に係る研磨パッドの製造方法は、トップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足するように形成される研磨パッドを製造することができる。
【0020】
【0021】
また、実施例に係る研磨パッドの製造方法は、トップパッド層の下面に形成される第1の接着層及びサブパッド層をさらに含む研磨パッドを製造することができ、このために、研磨パッドを製造するステップは、トップパッド用シートの下面に接着剤を利用して第1の貫通孔よりも面積が小さい第2の貫通孔が形成されたサブパッド用シートを接合して、サブパッド層、第1の接着層及びトップパッド層が順次積層された構造の接合物を製造するステップと、第1の接着層に第2の貫通孔と同一の面積の第3の貫通孔を形成するステップと、第1の接着層の上面に第3の貫通孔の周囲に沿って水分硬化性接着剤を塗布するステップと、接合物の第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して、研磨パッドを製造するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
実施例に係る研磨パッドは、トップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差(Gap)と、ウィンドウブロックの厚さ(ThkRTPC)との和が、トップパッド層上に形成されたグルーブパターンの深さ(Thkgrv)に対して一定値以上になるように設計して、研磨初期ウェーハの金属膜の安定的なセンシングが可能になることで、精密な終点算出が可能である。
【0023】
また、実施例に係る研磨パッドは、適正使用時間に合うように使用可能になることで、研磨パッドの消耗率を低減でき、使用時間の予想が可能になることで、ウィンドウブロックの破損前に適正使用時間に合うように研磨パッドを交替できるため、ウェーハの不良の発生を低減できる。
【0024】
また、実施例に係る研磨パッドは、水分硬化性接着剤及び熱融着方法を同時に活用することで、漏れ防止性能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施例に係る研磨パッドの(a)一例及び(b)他の例を示す平面図である。
【
図2】実施例に係る研磨パッドを示す断面図(
図1のA-A’線に沿った図)である。
【
図3】他の実施例に係る研磨パッドを示す断面図である。
【
図4】また他の実施例に係る研磨パッドを示す断面図である。
【
図5】実施例1に係る研磨パッドの製造方法を示す工程図である。
【
図6】(a)実施例1及び(b)実施例2乃至6に係る方法により製造した研磨パッドの構造を示す断面図である。
【
図7】(a)比較例1及び(b)比較例2乃至4に係る方法により製造した研磨パッドの構造を示す断面図である。
【
図8】(a)比較例5及び(b)比較例6乃至8に係る方法により製造した研磨パッドの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例に係る研磨パッド10を詳細に説明する。
【0027】
図1は、実施例に係る研磨パッド10の(a)一例及び(b)他の例を示す平面図であり、
図2は、実施例に係る研磨パッド10の基本構造を示す断面図(
図1のA-A’線に沿った図)である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、実施例に係る研磨パッド10は、トップパッド層(top pad layer)100及びウィンドウブロック(window block)200を含み、トップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足する構造を有する。
【0029】
【数1】
ただし、前記式において、Gapはトップパッド層100の上面及びウィンドウブロック200の上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCはウィンドウブロック200の厚さを意味し、Thk
grvはグルーブパターンの深さを意味する。
【0030】
図1に示すように、研磨パッド10は、ウィンドウブロック200がトップパッド層100の段部又は中央に各々形成された構造を有することができる。
【0031】
トップパッド層100は、ウェーハに密着してウェーハの表面を研磨する役割を果たす。
図2に示すように、トップパッド層100は、ウィンドウブロック200が挿着され、ウェーハの反射率を測定して終点を算出するために、第1の貫通孔110が形成された構造を有する。第1の貫通孔110は様々な形状で形成できる。具体的に、第1の貫通孔110は、直径が10mm乃至100mmの円形又は楕円形の断面を有することができ、或いは、横及び縦が各々10mm乃至100mmの四角形の断面を有することができる。これにより、研磨パッド10は、ウェーハの反射率を正確に測定するための視野角を確保できる。より具体的に、第1の貫通孔110は、面積、すなわち、トップパッド層100の平面での第1の貫通孔110の面積が1cm
2乃至70cm
2であり得る。特に、第1の貫通孔110の面積は6cm
2乃至15cm
2であり得る。
【0032】
トップパッド層100は、上面にウェーハの表面を研磨するための化学処理剤であるスラリー及び脱イオン水などを保持及び更新するために、一定の高さを有する突出突起(R)と、トップパッド層100の表面がへこんでいる構造の凹溝(C)とが複数個繰り返して形成された凹凸型グルーブパターン(P)が形成された構造を有することができる。グルーブパターン(P)は、様々な形状で形成でき、凹溝(C)のピッチ、幅及び深さなどを多様に組み合わせて形成させることもできる。
【0033】
トップパッド層100は、グルーブパターン(P)及びグルーブパターン(P)の下部でグルーブパターンを支持する支持部を含む構造を有し、総厚さが0.5mm乃至5mmであり得る。また、トップパッド層100に形成されるグルーブパターンの深さ(Thkgrv)、すなわち、凹溝の深さは0.1mm乃至3mmであり得、 凹溝の幅は0.1mm乃至2.0mmであり得、グルーブパターンの深さはグルーブパターンの厚さと同一の意味を有することができる。
【0034】
図2乃至
図4には、単一図形の形状の突出突起及び凹溝が繰り返して形成される形態のグルーブパターン(P)を有するものと示したが、これに限定されるものではない。一例として、グルーブパターン(P)は、突出突起(R)及び凹溝(C)が線形で複数個繰り返して形成される構造を有することができ、櫛文で複数個繰り返して形成される構造を有することもでき、同心円構造の円形が複数個 繰り返して形成される構造を有することもできる。また、単一図形ではなく、複合図形を有するように形成することもできる。
【0035】
一方、ウィンドウブロック200は、トップパッド層100の第1の貫通孔110内に挿設される。
【0036】
ウィンドウブロック200は、組織内に気泡が存在しなくて光透過度が高い材質の素材で製造したものを使用できる。これにより、ウィンドウブロック200は、水分の侵入を防止して終点算出の精密度を高め、光透過領域の損傷を防止する構造を有することができる。
【0037】
ウィンドウブロック200は、光透過率が60%乃至90%であり、屈折率が1.45乃至1.60であるものを使用できる。特に、ウィンドウブロック200は、厚さが2.4mmであるとき、光透過率が65%乃至75%であり、屈折率が1.53乃至1.57であるものを使用できる。
【0038】
また、ウィンドウブロック200は、表面処理したものを使用でき、表面処理により上面の表面粗さ(Ra)が2.0μm乃至4.0μmであり得る。
【0039】
表面処理は、CMP工程の中で、ウィンドウブロック200の摩耗により発生し得る終点検出のエラーを防止するためのものであり、表面粗さの範囲を満足するように処理するものであれば、その方法は特に限定されない。一例として、表面処理は、サンドペーパーを用いて100rpm乃至1,000rpmの速度及び0.1psi乃至3.0psiの圧力で10秒乃至60秒の間に遂行できる。
【0040】
ウィンドウブロック200は、摩耗率がトップパッド層100の摩耗率と同一又は若干高いことがある。これにより、一定時間の研磨を行った後、トップパッド層100及びウィンドウブロック200が共に消失することで、ウィンドウブロック200の一部が突出して、研磨されるウェーハにスクラッチを発生させるという問題を防止できる。
【0041】
ウィンドウブロック200の平面積は、第1の貫通孔110の平面積と同一であり得る。ウィンドウブロック200は、厚さが0.2mm乃至5mmであり得る。
【0042】
図2に示すように、ウィンドウブロック200の上面は、トップパッド層100の上面よりも低いため、段差、すなわち、ギャップ(Gap)が形成された構造の研磨パッドを形成できる。また、図示していないが、ウィンドウブロック200の上面が、トップパッド層100の上面の高さと同一であり、ギャップがない構造の研磨パッドを形成することもできる。特に、実施例に係る研磨パッドは、ウィンドウブロック200の上面がトップパッド層100の上面よりも低いため、ウィンドウブロック200の上面及びトップパッド層100の上面の高さ差を意味するギャップ(Gap)が形成された構造を有することができる。このとき、研磨パッドに形成されたGapは、0.001mm乃至2mmであり得る。
【0043】
また、ウィンドウブロック200は、下面に形成された凹状のリセス210を含む構造を有することができる。リセス210が形成されたウィンドウブロック200は、リセス210が中空の空間を形成し、厚さが減少して光学的終点検出の精密度を高めることができる。このために、リセス210の深さは0.1mm乃至4mmであり得る。前述したように、リセス210が形成された構造を有するウィンドウブロック200において、前記数1の式のThkRTPC、すなわち、ウィンドウブロック200の厚さは、リセス210の内面及びウィンドウブロック200の上面間の距離を意味するものであり得る。
【0044】
実施例に係る研磨パッド10は、前述したような構造を有するトップパッド層100及びウィンドウブロック200を含み、前記数1の式を満足する値を有するように設計され、研磨パッド10が適正使用時間に合うように使用可能になることで、研磨パッド10の消耗率を低減できる。
【0045】
具体的に、前記数1の式において、Gapはトップパッド層100の上面及びウィンドウブロック200の上面の高さ差を意味する。ThkRTPCはウィンドウブロック200の厚さを意味する。Thkgrvはトップパッド層上に形成されたグルーブパターンの深さを意味する。
【0046】
通常の研磨パッド10は、適正使用時簡が超過する場合、グルーブパターンが消失し、ウィンドウブロック200が破損して、研磨液に含まれたスラリーや脱イオン水などの吸収により漏れが発生し得る。ウィンドウブロック200が破損する場合、漏れにより装備の故障が発生したり、不良ウェーハを生産したりする恐れがある。
【0047】
また、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間に適正段差がない場合、ウィンドウブロック200によりウェーハが破損して不良を誘発させる恐れがある。そして、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間の段差が大きいか、或いは、製品間の偏差がある場合、工程時に研磨液に含まれたスラリーや脱イオン水の流入により、ウェーハの実際の厚さに誤差を発生させる恐れがある。
【0048】
これに対し、実施例に係る研磨パッド10は、ギャップが形成された構造を有し、前記数1の式に基づいて適正使用時間(life time)を算出できるように設計して、研磨パッド10が適正使用時間に合うように使用可能になることで、不良ウェーハを生産する恐れにより、廃棄しなくてもよい研磨パッド10を交替してしまう場合を防止でき、不良ウェーハの生産を防止できる。
【0049】
具体的に、未使用の研磨パッド10の適正使用時間は、トップパッド層100に形成されたグルーブパターンの深さ及びウィンドウブロック200の厚さを利用して算出でき、研磨のために使用された研磨パッド10は、グルーブパターン及びウィンドウブロック200の各々の残存厚さを利用して類推できる。これにより、ウェーハ研磨のために使用される過程における漏れの発生を防止し、適正使用時間に合うように研磨パッド10が使用可能になることで、研磨パッド10の消耗率を低減できる。
【0050】
実施例に係る研磨パッド10は、Gap及びThkRTPCの和がThkgrvに対して1.1乃至3.0の値になるように設計して、研磨パッド10が適正使用時間に合うように使用可能になることで、研磨パッド10の消耗率を低減でき、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間のGapが一定になることで、精密な終点算出が可能である。
【0051】
既存では、一般に研磨パッド10の使用可能時間は、研磨によりグルーブパターンの深さが、初期深さから80%消失、すなわち、パターンが薄くなるようになった時を仮定して、研磨パッド10を使用している。一例として、グルーブパターンの深さが1mmである場合、使用の後にグルーブパターンの深さが0.2mm程度になるまで研磨パッド10を使用する。このとき、研磨パッド10の段部にグルーブパターンが消失する場合が大部分であり、研磨パッド10の適正使用時間が、グルーブパターンの深さを0.2mm乃至0.35mmとして予測している。
【0052】
すなわち、研磨パッド10の使用時間までウィンドウブロック200が破損してはいけない。このために、グルーブパターンの深さに対してウィンドウブロック200の厚さ及びギャップの和が、研磨パッド10内のウィンドウブロック200の適正使用時間と比例する。本発明者らは、実験的にウィンドウブロック200の厚さが200μm乃至350μmの範囲になるとき、ウィンドウブロック200の破損率が高いということを確認した。
【0053】
したがって、実施例に係る研磨パッド10は、ウィンドウブロック200の厚さ(ThkRTPC)が0.2mm乃至0.35mmになるまで使用でき、ThkRTPCが0.2mm乃至0.35mmである状態で、使用を終了して交替できる。すなわち、研磨パッドの適正使用期限は、前記のような数1の式を満足する構造のギャップが形成された研磨パッドにおいて、ThkRTPCが0.2mm乃至0.35mmである状態になるまでの時点である。
【0054】
一方、実施例に係る研磨パッド10は、サブパッド層300をさらに含むことができる。サブパッド層300は、トップパッド層100を支持しながら、トップパッド層100に加えられる衝撃を吸収して分散させる役割を果たす。サブパッド層300は、硬度がトップパッド層100よりも小さいものを導入できる。
【0055】
サブパッド層300は、トップパッド層100の第1の貫通孔110と対応する位置に、第2の貫通孔310が貫設された構造を有し、第2の貫通孔310は、第1の貫通孔110と連結されて、ウィンドウブロック200を介して終点検出が可能な構造を形成できる。
【0056】
第2の貫通孔310は、第1の貫通孔110よりも面積が小さいことがある。具体的に、第2の貫通孔310は、直径が5mm乃至95mmの円形又は楕円形の断面を有することができ、或いは、横及び縦が各々5mm乃至95mmの四角形の断面を有することができる。これにより、研磨パッド10は、ウェーハの反射率を正確に測定するための視野角を確保できる。より具体的に、第2の貫通孔310は、面積、すなわち、サブパッド層300の平面での第2の貫通孔310の面積が0.5cm2乃至50cm2であり得る。特に、第2の貫通孔310の面積は4cm2乃至12cm2であり得る。
【0057】
サブパッド層300は、0.1mm乃至3.0mmの厚さを有することができる。特に、0.4mm乃至2.0mmの厚さを有することができる。
【0058】
サブパッド層300は、不織布又は多孔性パッドを利用して形成できる。サブパッド層300は、組織に複数個の気孔が形成された構造を有することができる。
【0059】
サブパッド層300に形成された気孔は、オープンセル(opened cell)構造を有することができる。サブパッド層300に形成された気孔は、サブパッド層300の厚さ方向に長さが延長された形状を有することができる。サブパッド層300の気孔形成率は、トップパッド層100の気孔形成率よりも高いことがある。
【0060】
サブパッド層300は、ウィンドウブロック200の外側の縁領域と対応する領域に、第2の貫通孔310の周囲に沿って形成される熱融着部330をさらに含むことができる。ウィンドウブロック200の外側の縁領域は、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100の境界からトップパッド層100への方向に、0mm超過乃至10mm以下の範囲に該当する領域であり得、例えば、約0.5mm乃至10mm、または1mm乃至3mmの範囲に該当する領域であり得る。
【0061】
また、サブパッド層300は、熱融着部330をさらに含むことができる。熱融着部330は、加圧により圧縮されて、サブパッド層300の非融着領域に比べて密度が高いため、スラリー及び脱イオン水が流入するのを防止する構造を形成できる。
【0062】
サブパッド層300に形成された熱融着部330の下面及び非融着領域の下面の高さ差は、0.1mm乃至2.0mmであり得る。特に、0.5mm乃至1.5mmであり得る。
【0063】
望ましい段差を有するように熱融着部330を圧縮させることで、熱融着部330によるスラリーの流入を効果的に防止でき、これにより、研磨率の変化を低減するのに有利になり得る。
【0064】
前記のような構造の熱融着部330が形成されたサブパッド層300は、研磨パッド10を利用してCMP工程を遂行する場合、スラリー及び脱イオン水がトップパッド層100に流入するのを防止できる。そして、スラリー及び脱イオン水の吸収によるトップパッド層100の圧縮率の変化を低減して、均一な研磨率を具現化できる。
【0065】
また、サブパッド層300は、下面に形成される第2の接着層350をさらに含むことができる。第2の接着層350は、両面接着テープを利用して形成したものであり得る。このような第2の接着層350が形成されることで、サブパッド層300の下面及びプラテン(platen)を接合できる。
【0066】
熱融着部330は、第2の接着層350がサブパッド層300の下面に接合された状態で、0.01MPa乃至5MPaの圧力で加圧し、100℃乃至150℃の温度で加熱して、60秒乃至600秒の間に反応させて、熱融着部330を形成できる。
【0067】
実施例に係る研磨パッド10は、接合のために、トップパッド層100及びサブパッド層300間に形成されて、トップパッド層100及びサブパッド層300を接合させて一体化させる第1の接着層400をさらに含むことができる。
【0068】
第1の接着層400は、両面に接着剤が塗布された透明フィルムを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0069】
第1の接着層400は、ホットメルト接着剤などを利用して形成することもできる。
【0070】
第1の接着層400は、厚さが0.001mm乃至3mmであり得、第1の接着層400の厚さが前記範囲であるとき、低温で溶融させて研磨層及び支持層を付着させることができ、接着力が強力であるというメリットがある。
【0071】
第1の接着層400は第3の貫通孔410が形成された構造を有し、第3の貫通孔410は第1の貫通孔110が形成された領域内に形成し、第3の貫通孔410の平面積は第1の貫通孔110の平面積よりも小さいことがある。第3の貫通孔410の平面積が第1の貫通孔110の平面積よりも小さい場合、第1の貫通孔110の下段にウィンドウブロック200を支持できる第1の接着層400が存在するため、ウィンドウブロック200を第1の貫通孔110に効果的に固定できる。
【0072】
具体的に、第3の貫通孔410は、直径が5mm乃至95mmの円形又は楕円形の断面を有することができ、或いは、横及び縦が各々5mm乃至95mmの四角形の断面を有することができる。
【0073】
また、第3の貫通孔410の幅(又は直径)は、第1の貫通孔110の幅(又は直径)よりも小さく、第2の貫通孔310の幅(又は直径)と同一であり得る。具体的に、第2の貫通孔310の幅(又は直径)は、第3の貫通孔410の幅(又は直径)と同一であり、第1の貫通孔110の幅(又はは直径)の10%乃至95%であり得る。
【0074】
第2の貫通孔310及び第3の貫通孔410が互いに整列される。第2の貫通孔310及び第3の貫通孔410は、互いに対応するように、第2の貫通孔310及び第3の貫通孔410を同時に形成できる。
【0075】
実施例に係る研磨パッド10は、接合のために、ウィンドウブロック200の下面に形成され、第1の接着層400の上面に接着される第3の接着層230をさらに含むことができる。第3の接着層230は、一部の縁領域が第1の接着層400の上面に配置されて互いに接着できる。第3の接着層230は、ウィンドウブロック200を第1の貫通孔110に形成するとき、水分により硬化する水分硬化性接着剤を利用して形成できる。また、第3の接着層230は、加熱及び加圧により第1の接着層400の組織内に融着されることができる。これにより、第1の接着層400に密度が高い領域を形成させると同時に、第1の接着層400内に挿入される。第3の接着層230は、ウィンドウブロック200及び第1の貫通孔110間の部分で発生し得る漏れを防止して、ウィンドウブロック200のセンシング精密性を高めることができる。第3の接着層230は、厚さが0.01mm乃至0.5mmであり得る。
【0076】
したがって、実施例に係る研磨パッド10は、
図2に示すように、グルーブパターン(P)及び第1の貫通孔110が形成されたトップパッド層100と、第1の貫通孔110内に配置され、リセス210が挿設されたウィンドウブロック200と、トップパッド層100の下面に配置され、第2の貫通孔310を含むサブパッド層300と、トップパッド層100及びサブパッド層300間に配置され、第3の貫通孔410を含む第1の接着層400とを含む構造を有することができる。
【0077】
他の実施例に係る研磨パッド10は、
図3に示すように、グルーブパターン(P)及び第1の貫通孔110が形成されたトップパッド層100と、第1の貫通孔110内に配置され、リセス210が挿設されたウィンドウブロック200と、トップパッド層100の下面に配置され、第2の貫通孔310を含むサブパッド層300と、トップパッド層100及びサブパッド層300間に配置され、第3の貫通孔410を含む第1の接着層400と、ウィンドウブロック200の下面に配置される第3の接着層230とを含む構造を有することができる。
【0078】
また他の実施例に係る研磨パッド10は、
図4に示すように、グルーブパターン(P)及び第1の貫通孔110が形成されたトップパッド層100と、第1の貫通孔110内に配置され、リセス210が挿設されたウィンドウブロック200と、トップパッド層100の下面に配置され、第2の貫通孔310を含み、ウィンドウブロック200の外側の縁領域と対応する領域に、第2の貫通孔310の周囲に沿って形成される熱融着部330が形成されたサブパッド層300と、トップパッド層100及びサブパッド層300間に配置され、第3の貫通孔410を含む第1の接着層400と、ウィンドウブロック200の下面に配置される第2の接着層350とを含む構造を有することができる。
【0079】
要約すれば、実施例に係る研磨パッド10は、前記のような構造を有するので、既存の研磨パッド10が持つ問題点に比べて、次のような効果を達成できる。
【0080】
既存の研磨パッド10は、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間に段差がない場合、ウィンドウブロック200によりウェーハを破損させる恐れがあり、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間の段差が大きいか、或いは、製品間の偏差がある場合、漏れの発生によりセンシング時に実際の厚さに誤差を発生させる恐れがある。実施例に係る研磨パッド10は、前記のような問題点を解決するために、研磨パッド10の使用時に、研磨初期金属層の安定的なセンシングのために、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100の段差(Gap)を製品別に一定に調節できる。
【0081】
また、研磨パッド10は、ウィンドウブロック200の設計及び製作工程に応じて、漏れ又は透湿によりRTPCセンサにエラーを発生させる恐れがあるので、漏れや空気の漏れを防止する必要がある。実施例に係る研磨パッド10は、前記のような問題点を解決するために、熱融着及び2種の接着剤を用いた接合方法により、漏れ及び空気の漏れが防止される構造を形成できる。
【0082】
また、既存では、ウィンドウブロック200の破損によるウェーハの破損を防止するために、使用済でない研磨パッド10の場合にも交替してしまって、研磨パッド10の消耗率が高いという問題がある。実施例に係る研磨パッド10は、数1乃至数3の式を活用して、研磨パッド10の適正使用時間を算出でき、これにより研磨パッド10の消耗率を節減できる。
【0083】
本発明者らは、実施例に係る構造を有する研磨パッド10を利用してCMP工程を遂行する場合、ウィンドウブロック200の厚さが200μm乃至350μmになる時点に、ウィンドウブロック200が破損しやすいことを確認でき、これにより、適正ウィンドウブロック200の厚さを導出した。
【0084】
また、本発明者らは、トップパッド層100の上面及びウィンドウブロック200の上面が形成する高さ差(Gap)、ウィンドウブロック200の厚さ(ThkRTPC)、トップパッド層上に形成されたグルーブパターンの深さ(Thkgrv)を含む要素を活用し、数1の式を満足する値を有する研磨パッド10を製造する場合、適正使用時間に合うように研磨パッド10を安定的に使用できることを確認して、実施例に係る研磨パッド10を創案するのに至った。
【0085】
特に、実施例に係る研磨パッド10のトップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足する構造を有することもできる。
【0086】
【0087】
より具体的に、実施例に係る研磨パッド10のトップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数3の式の条件を満足する構造を有することもできる。
【0088】
【0089】
前述したような構造を有する実施例に係る研磨パッド10は、CMP工程の中で、終点(end point detection、EPD)を算出するための様々な方法に導入できる。
【0090】
具体的に、終点算出は、CMP工程の中で、厚さ変化を克服するために光源を利用する光学顕微鏡法、摩擦力を利用する駆動モータの電流検出方法、金属の誘導起電力を利用する渦電流(eddy current)検出方法などが活用され、実施例に係る研磨パッド10は、前記3つの方式を全部活用して終点を算出できる。特に、実施例に係る研磨パッド10は、誘導起電力を検出して所望の位相(phase、%)厚さでCMP工程を終了させる渦電流検出方法、すなわち、RTPC(real time pressure control)方法に使用される研磨パッド10であり得る。
【0091】
より具体的に、RTPC方式の磁気信号(magnetic signal)測定方式は、信号検出センサ及び研磨ウェーハ間のギャップが存在する場合、ギャップの高さやスラリー、脱イオン水の状態によって不安定な信号が生成されることができ、これにより、初期膜質の厚さ測定値にエラーを発生させるという問題があるため、パッドのギャップ高さ設定及び均一性が重要である。実施例に係る研磨パッド10は、漏れが防止され、研磨初期に銅膜に対するセンシング正確度に優れるというメリットがあるため、RTPC方式の磁気信号測定方式に容易に導入して使用できる。
【0092】
特に、熱融着方法により製造した既存の研磨パッド10は、層間機械的接合力に優れるが、漏れが発生しやすいという問題がある。また、接着剤を利用して製造した既存の研磨パッド10は、透湿抵抗性に優れるが、ウィンドウブロック及びトップパッド層間の段差高さが不規則であるため、センシング正確度が低いという問題がある。
【0093】
実施例に係る研磨パッド10は、前記のような問題点を解決できるように、第3の接着層を利用した接合及び融着方法を同時に導入して製造することで、漏れの防止によりセンシング正確度が高くてCMP工程で容易に活用できる。
【0094】
前述したように、トップパッド層100及びウィンドウブロック200を含み、数1乃至数3の式を満足する構造を有する実施例に係る研磨パッド10は、次のような方法により製造できる。
【0095】
実施例に係る研磨パッド10は、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、ウィンドウブロックの一面に一定の厚さのギャップ調節フィルムを配置するステップと、ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により製造できる。
【0096】
一例として、実施例に係る研磨パッド10は、上部支持パッド及び下部加圧パッドを備えた加圧装置の下部加圧パッドに、一定の厚さのギャップ調節フィルムを設置する。ウィンドウブロックをトップパッド層の第1の貫通孔に設置し、ウィンドウブロックを設置したトップパッド層が下面を見るように裏返した状態で、加圧装置に供給する。ウィンドウブロックが下部加圧パッドに設置したギャップ調節フィルムの上部に位置するように配置した状態で、下部加圧パッドを利用して加圧した後、加圧装置から研磨パッドを着脱して、ギャップ調節フィルムの厚さだけのGapが形成された構造の研磨パッドを製造できる。
【0097】
また他の例として、実施例に係る研磨パッド10は、一定の厚さを有するギャップ調節フィルムをウィンドウブロック200の上面に付着し、ギャップ調節フィルムが付着された状態のウィンドウブロックをトップパッド層の第1の貫通孔110に設置し、ギャップ調節フィルムの上面がトップパッド層100の上面と同一に平坦な状態になるように、ギャップ調節フィルムの上面を加圧し、ウィンドウブロックからギャップ調節フィルムを除去する方法によっても製造できる。或いは、ウィンドウブロックを第1の貫通孔に設置した状態で、ギャップ調節フィルムをウィンドウブロックの上面に配置する方法も活用できる。
【0098】
前述したギャップ形成方法は、ギャップ調節フィルムの厚さだけのトップパッド層の上面及びウィンドウブロックの上面の高さ差であるギャップが形成された研磨パッドを容易に量産できることで、ギャップの偏差が少なくて均一な構造の研磨パッドを製造できる。
【0099】
具体的に、前述した方法により製造した研磨パッドは、0.001mm乃至2mmのギャップを形成でき、RTPC time変動性が±1%乃至±30%であり、ギャップ変動性が±10%乃至±40%と安定的に使用できる。特に、実施例に係る研磨パッドは、ギャップが0.001mm乃至0.5mmであり得、RTPC time変動性が±5%乃至±15%であり得、ギャップ変動性が±25%乃至±35%であり得る。前述した変動性に関する内容は、次の実験例の部分でより詳細に説明する。
【0100】
特に、前述した構造を有する実施例の研磨パッドは、研磨時間に対する散布が小さく、工程能力分析値が高くて、ウェーハ研磨時の予想不良率が5.7×10-5以下であり得るため、優れた良品率を示すことができる。
【0101】
したがって、ギャップ調節フィルムは、厚さが0.001mm乃至0.1mmであるものを使用でき、1枚以上付着してギャップを調節できる。
【0102】
一方、実施例に係る研磨パッド10の製造方法は、上面に特定深さのグルーブパターンが形成されたトップパッド用シートの所定部分に、第1の貫通孔を形成するステップと、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して、トップパッド層及びウィンドウブロックを含む研磨パッドを製造するステップとを含み、トップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数1の式の条件を満足するように形成される研磨パッドを製造できる。
【0103】
【数1】
前記式において、Gapはトップパッド層100の上面及びウィンドウブロック200の上面の高さ差を意味し、Thk
RTPCはウィンドウブロック200の厚さを意味し、Thk
grvはトップパッド層上に形成されたグルーブパターンの深さを意味する。
【0104】
特に、実施例に係る研磨パッド10のトップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数2の式の条件を満足する構造を有することもできる。
【0105】
【0106】
より具体的に、実施例に係る研磨パッド10のトップパッド層及びウィンドウブロックは、次の数3の式の条件を満足する構造を有することもできる。
【0107】
【0108】
まず、実施例に係る研磨パッドの製造方法では、トップパッド用シートに第1の貫通孔を形成するステップを含み、第1の貫通孔は、トップパッド用シートの所定部分、すなわち、中央に既定の面積を有するように形成できる。
【0109】
第1の貫通孔110は、切削工具を活用してプレス、パンチング、研削などの加工方法を利用するか、又は、第1の貫通孔110の形状を備えた金型に原料を供給した後に硬化させて第1の貫通孔が形成されたトップパッド用シートを製造する方法などを活用できる。
【0110】
また、実施例に係る研磨パッドの製造方法では、第1の貫通孔内にウィンドウブロックを設置して、トップパッド層及びウィンドウブロックを含む研磨パッドを製造するステップを含む。
【0111】
前記ステップでは、第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置するステップと、ウィンドウブロックの一面に一定の厚さのギャップ調節フィルムを配置するステップと、ギャップ調節フィルムの上面を加圧するステップとを含むギャップ形成方法により研磨パッドを製造できる。
【0112】
一例として、研磨パッドを製造するステップでは、上部支持パッド及び下部加圧パッドを備えた加圧装置の下部加圧パッドに、一定の厚さのギャップ調節フィルムを設置する。ウィンドウブロックをトップパッド層の第1の貫通孔に設置し、ウィンドウブロックを設置したトップパッド層が下面を見るように裏返した状態で、加圧装置に供給する。ウィンドウブロックが下部加圧パッドに設置したギャップ調節フィルムの上部に位置するように配置した状態で、下部加圧パッドを利用して加圧した後、加圧装置から研磨パッドを着脱して、ギャップ調節フィルムの厚さだけのGapが形成された構造の研磨パッドを製造できる。
【0113】
また他の例として、実施例に係る研磨パッド10は、一定の厚さを有するギャップ調節フィルムをウィンドウブロック200の上面に付着し、ギャップ調節フィルムが付着された状態のウィンドウブロックをトップパッド層の第1の貫通孔110に設置し、ギャップ調節フィルムの上面がトップパッド層100の上面と同一に平坦な状態になるように、ギャップ調節フィルムの上面を加圧し、ウィンドウブロックからギャップ調節フィルムを除去する方法により遂行できる。或いは、ウィンドウブロックを第1の貫通孔に設置した状態で、ギャップ調節フィルムをウィンドウブロックの上面に配置する方法も活用できる。
【0114】
前述した研磨パッドの製造方法は、トップパッド層100及びウィンドウブロック200のみを含む基本構造の研磨パッドの製造方法に関する内容を説明したが、一実施例に係る研磨パッドの製造方法は、トップパッド層100の下部に形成される第1の接着層400及びサブパッド層300をさらに含む構造の研磨パッドを製造することもできる。
【0115】
前述した構造を有する研磨パッドを製造するために、研磨パッドの製造方法は、上面に特定深さのグルーブパターンが形成されたトップパッド用シートの所定部分に、第1の貫通孔を形成するステップと、トップパッド用シートの下面に接着剤を利用してサブパッド用シートを接合して、サブパッド層、第1の接着層及びトップパッド層が順次積層された構造の接合物を製造するステップと、第1の接着層に第3の貫通孔を形成するステップと、第1の接着層の上面に水分硬化性接着剤を塗布するステップと、接合物の第1の貫通孔にウィンドウブロックを設置して研磨パッドを製造するステップとを含むことができる。
【0116】
接合物を製造するステップでは、第2の貫通孔が形成されたサブパッド用シートをトップパッド用シートの下面に配置し、当該シート等間に接着剤を配置して接合物を製造できる。第2の貫通孔は第1の貫通孔よりも面積が小さいことがある。第2の貫通孔は第1の貫通孔の形成方法と同様にサブパッド用シートを加工して形成できる。トップパッド層100及びサブパッド層300は、互いに接合されるとき、トップパッド層100の第1の貫通孔110及びサブパッド層300の第2の貫通孔310が、互いに対応するように整列できる。
【0117】
トップパッド用シート及びサブパッド用シートの接合は、接着剤により遂行され、加熱及び加圧により接合される。特に、接合は、第1の接着層を形成する接着剤の融点以上の温度で遂行できる。具体的に、接着剤は、ホットメルト接着剤を使用でき、接合は90℃乃至130℃で遂行できる。
【0118】
接合物を製造した後、第1の接着層を穿孔して第3の貫通孔を形成でき、第3の貫通孔は第2の貫通孔と同一の面積を有するように形成でき、第1の貫通孔110、第2の貫通孔310及び第3の貫通孔410は、互いに対応するように整列されて連結できる。
【0119】
そして、接合物の第1の接着層の上面に水分硬化性接着剤を塗布できる。第2の貫通孔及び第3の貫通孔は、各々第1の貫通孔に比べて面積が小さくて、第1の接着層の上面は一部露出された部位を含むことができる。このように露出された部位に水分硬化性接着剤を塗布し、第1の貫通孔にウィンドウブロックを配置してウィンドウブロックを固定でき、研磨パッドは水分硬化性接着剤により形成される第3の接着層を含むことができる。
【0120】
ウィンドウブロック200は、加熱及び加圧により、サブパッド層300に接着できる。一例として、ウィンドウブロック200を挿入した後、ウィンドウブロック200を介して加えられる熱及び圧力により、第1の接着層400の一部がウィンドウブロック200及びサブパッド層300を接合できる。
【0121】
また、ウィンドウブロック200の挿入の前に、ウィンドウブロック200の下面に第3の接着層230を配置できる。すなわち、ウィンドウブロック200は、下面に水分硬化性接着剤が接着された状態で、第1の貫通孔110に挿入できる。第3の接着層230により、ウィンドウブロック200及びサブパッド層300の接合力を向上させることができる。第3の接着層230は、ウィンドウブロック200を第1の貫通孔110に設置する時に硬化し、加熱及び加圧により第1の接着層400の組織を融着させることができる。これにより、第1の接着層400に密度が高い領域を形成させると同時に、第1の接着層400内に挿設される。
【0122】
また、実施例に係る研磨パッド10の製造方法は、ウィンドウブロック200を設置して研磨パッド10を製造した後、研磨パッド10のサブパッド層300上に熱融着部330を形成するステップをさらに含むことができる。
【0123】
前記ステップにおいて、熱融着部330は加熱及び加圧により形成でき、100℃乃至150℃の温度で加熱し、0.1MPa乃至5MPaの圧力で加圧して、熱融着部330を形成できる。熱融着部330は、ウィンドウブロック200の下面の外側の縁領域と対応する領域に形成され、サブパッド層300の一部が圧縮されて融着された領域に密度が増加して、漏れを防止する構造を形成するようになる。
【0124】
このように製造された研磨パッド10は、トップパッド層100及びウィンドウブロック200間の気密性に優れ、向上した封止特性を有するので、CMPなどの研磨過程でのスラリーの漏れを抑制できる。具体的に、研磨パッド10において、サブパッド層300は熱融着部330が形成された構造を有し、熱融着部330は圧縮により密度が高くて低い空隙率を有するので、別途の漏れ防止層なしに、研磨液に含まれた水又はスラリーの漏れを防止できる。
【0125】
また、実施例に係る研磨パッド10は、ウィンドウブロック200及びトップパッド層100間でスラリーの漏れが発生しても、第3の接着層がスラリーの漏れを2次的に抑制できる。特に、研磨パッド10のサブパッド層300でのウィンドウの外側の縁領域に第3の接着層230が形成されているため、漏れ抑制効果が非常に優れると同時に、サブパッド層300の下面の加圧により圧縮しやすいため、産業に容易に適用できる。
【0126】
一方、トップパッド層を形成するトップパッド用シートは、ウレタン系プレポリマー、硬化剤、反応速度調節剤、鎖伸長剤及び発泡剤を含むトップパッド用組成物を成形して製造したものを使用できる。
【0127】
具体的に、トップパッド用組成物に含まれるウレタン系プレポリマーは、ポリオール、硬化剤であるイソシアネート化合物及び鎖伸長剤を反応させて製造してNCO基を有する高分子化合物を含むことができる。より具体的に、ウレタン系プレポリマーは、ポリテトラメチレングリコール(polytetramethylene glycol)を含むポリオール、トルエンジイソシアネート(toluene diisocyanate)及びヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethyene diisocyanate)混合物を含む硬化剤、ブタンジオールを含む鎖伸長剤及びトリエチレンジアミンを含む3次アミン系化合物を含む反応速度調節剤、発泡剤を含む混合物を重合させて製造して、平均分子量が800g/moL乃至1,000g/moLであるものを使用できる。発泡剤は、固相発泡剤、液相発泡剤、不活性ガスなどのように、トップパッド用シートに空隙形成のために使用される通常の多様な発泡剤を使用できる。
【0128】
トップパッド用シートは、上面に特定深さを有するグルーブパターンが形成されたものを使用でき、グルーブパターンは、機械的研磨、モールドを利用した成形などの方法により形成させたものを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0129】
したがって、トップパッド用シートは、研磨液の大きな流動を担当するグルーブパターン及び微細な流動をサポートする気孔が形成された構造を有することができる。
【0130】
ウィンドウブロックは、ウレタン系プレポリマー、硬化剤及び反応速度調節剤を含むウィンドウブロック用組成物を成形して製造したものを使用できる。ウィンドウブロックを製造するために活用されるウレタン系プレポリマーは、トップパッド層を製造するために活用されるものと同一の素材を有することができ、硬化剤の含有量を調節して硬度を調節することで、CMP工程時に研磨による摩耗率、すなわち消失率を調節できる。
【0131】
ウィンドウブロック200は、中央に挿設されるリセス210をさらに含むことができる。リセス210は、ルータ、切削、圧着などのように溝を形成させるために使用される、通常の多様な方法により形成できる。
【0132】
サブパッド層300は、トップパッド層100を支持しながら、トップパッド層100に加えられる衝撃を吸収して分散させる役割を果たす。サブパッド層300は、硬度がトップパッド層100よりも低いものを導入できる。
【0133】
具体的に、サブパッド層300は、不織布又はウレタン系プレポリマーを含むサブパッド用組成物を成形して製造したサブパッド用シートを利用して形成できる。
【0134】
第1の接着層は、シートを接合するために使用される通常の多様な接着剤を利用して形成でき、ホットメルト接着剤を代表例として挙げられる。具体的に、ホットメルト接着剤は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又はこれらの混合物を含む接着剤を使用できる。
【0135】
特に、第1の接着層400は、110℃乃至130℃の融点を有するホットメルト接着剤を用いて形成できる。第1の接着層400の融点が前記範囲内である場合、第1の接着層400の接着力に優れるため、トップパッド層及びサブパッド層間が容易に剥離するのを防止でき、トップパッド層又はサブパッド層の変形や劣化を防止できる。
【0136】
第3の接着層を形成する水分硬化性接着剤は、外部空気中の水分により硬化するものを使用できる。
【0137】
また、実施例に係る研磨パッドの製造方法では、サブパッド層300は、下面に第2の接着層350を形成するステップをさらに含むことができる。第2の接着層は、両面接着テープを利用して形成したものであり得る。このような接着層が形成されることで、サブパッド層300の下面及びプラテン(platen)を接合できる。
【0138】
第2の接着層は、サブパッド用フィルムに一体型で付着されたものを使用するか、或いは、研磨パッドを製造してから付着した後、第2の貫通孔と同一の面積を有するように穿孔する方法により形成できる。第2の接着層は、下面に離型フィルムが付着された両面接着フィルムを利用して具現化できるが、これに限定されるものではない。
【0139】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
【0140】
提示された実施例は、本発明の具体的な例示であるだけであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0141】
<実施例1>
図5に示すような方法により研磨シートを製造した。
【0142】
(1)トップパッド用シートの製造
トップパッド用シートを製造するために、キャスティング装置を次の通りに構成した。
【0143】
ウレタン系プレポリマー、硬化剤、固相発泡剤の混合物の注入ラインが具備されたキャスティング装備において、プレポリマータンクに未反応NCOを9重量%有するウレタン系プレポリマーを充填し、硬化剤タンクにビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)メタン(bis(4-amino-3-chlorophenyl)methane、MOCA、石原社製)を充填した。また、ウレタン系プレポリマー100重量部に対して3重量部の固相発泡剤を予め混合した後、プレポリマータンクに注入した。
【0144】
各々の投入ラインを介して、ウレタン系プレポリマー及びMOCAを混合ヘッドに一定の速度で投入しながら撹拌した。このとき、ウレタン系プレポリマーのNCO基のモル当量及び硬化剤の反応性基のモル当量を1:1で合わせ、合計投入量を10kg/分の速度で維持した。
【0145】
撹拌した原料は、120℃で予熱した金型に注入した後、成形して平均厚さ2mmである1枚のトップパッド用多孔性ポリウレタンシートを製造した。以後に製造された多孔性ポリウレタンシートの表面を研削機により研削し、ティップを用いてグルーブ(groove)する過程を経て、厚さ(Thkgrv)が0.85mmのグルーブパターン層を形成させた。
【0146】
(2)ウィンドウブロックの製造
原料の混合時に不活性ガスを注入せず、トップパッド用シートの製造時と異なるウレタン系プレポリマーを供給する以外は、トップパッド用シートの製造と同様に、ウレタン系プレポリマー及び硬化剤を各々モールド(横1,000mm、縦1,000mm、高さ50mm)に供給して、ウィンドウブロック用ケーキ(cake)を製造した。
【0147】
ウィンドウブロック用ケーキを製造するために使用したウレタン系プレポリマーは、未反応NCOの含有量が8.5重量%であるPUGL-500D(SKC社製)を使用した。
【0148】
製造したケーキを切断した後、穿孔して成形物(20mm×60mm×2.0mm)を製造した。製造した成形物をルータ加工機に装着し、成形の一面をルータによりリセスを加工してウィンドウブロックを製造した。製造したウィンドウブロックは、内面に12.5mm×31.0mm×1.0mmサイズのリセスが形成され、リセスの内面からウィンドウブロックの上面に達する距離、すなわち、厚さ(ThkRTPC)が1.0mmになるように加工した。
【0149】
(3)サブパッド層の製造
シート生地(PTS社製、製品名:ND-5400H、厚さ:1.3mm)を加工して、横及び縦が各々1,000mmであるサブパッド用シートを製造した。サブパット用シートを穿孔して、16mm×56mmサイズの第2の貫通孔を形成させた。
【0150】
(4)研磨パッドの製造
まず、トップパッド用シートを穿孔して、20mm×600mmサイズの第1の貫通孔を形成させた。次に、サブパッド用シートの一面にホットメルトフィルム(SKC社製、製品名:TF-00、平均厚さ:40μm、屈折率:1.5)を接合し、サブパッド用シートの他面に両面接着剤を付着した。トップパッド用シート及びサブパッド用シートを、ホットメルトフィルムを利用して120℃で加熱して融着して、トップパッド層、サブパッド層、トップパッド層及びサブパッド層間に配置され、厚さが1.5mmの第1の接着層及びサブパッド層の下面に配置される第2の接着層を含む4層構造の接合物を製造した。
【0151】
接合物において、第1の貫通孔と対応する第1の接着層、サブパッド層及び第2の接着層の部分を各々穿孔して、16mm×56mmサイズの第2の貫通孔及び第3の貫通孔を形成させた。接合物の第2の接着層にも、同一のサイズの貫通孔が形成されるように打孔した。
【0152】
第1の貫通孔及び第2の貫通孔間に残っているサブパッド層の上面領域に水分硬化性接着剤を塗布した。トップパッド層の第1の貫通孔にウィンドウブロックを挿入した後、ウィンドウブロックの下面がサブパッド層の一部領域を熱融着させると同時に、ウィンドウブロックを接合して
図4に示すような構造を有する研磨パッドを製造した。熱融着は130℃の温度及び0.5MPaの圧力で3分間遂行した。製造した研磨パッドは、ウィンドウブロックの上面及びトップパッド層の上面が平坦に連結されて、段差(Gap)が0である構造を有する(
図6(a)を参照)。
【0153】
<実施例2>
ウィンドウブロックの上面に厚さが50μmのギャップ調節フィルムを付着してウィンドウブロック接合体を製造し、製造した接合体を第1の貫通孔に設置した後に加圧し、ギャップ調節フィルムを除去して、ウィンドウブロックの上面がトップパッド層の上面よりも低くてギャップ(Gap)が50μmの研磨パッドを製造する以外は、実施例1と同様の方法により研磨パッドを製造した(
図6(b)を参照)。
【0154】
<実施例3>
厚さが150μmのギャップ調節フィルムを利用して、ギャップ(Gap)が150μmの研磨パッドを製造する以外は、実施例2と同様の方法により研磨パッドを製造した(
図6(b)を参照)。
【0155】
<実施例4>
厚さが250μmのギャップ調節フィルムを利用して、ギャップ(Gap)が250μmの研磨パッドを製造する以外は、実施例2と同様の方法により研磨パッドを製造した(
図6(b)を参照)。
【0156】
<実施例5>
内面に12.5mm×31.0mm×0.6mmサイズのリセスが形成され、リセスの内面からウィンドウブロックの上面に達する距離、すなわち、ThkRTPCが1.4mmになるように加工したウィンドウブロックを使用する以外は、実施例2と同様の方法により研磨パッドを製造した。製造した研磨パッドは、ギャップ(Gap)が100μmである構造を有する。
【0157】
<実施例6>
ギャップ(Gap)が200μmである以外は、実施例5と同様の方法により研磨パッドを製造した。
【0158】
<比較例1>
水分硬化性接着剤を塗布せず、サブパッド層に熱融着部を形成せず、サブパッド層の上面に形成された第1の接着層によりウィンドウブロックを接合する以外は、実施例1と同様の方法により、
図7(a)に示すような構造を有し、Gapが0である研磨パッドを製造した。また、トップパッド用シートは、厚さが0.75mmのグルーブパターン層が形成されたものを使用した。
【0159】
<比較例2>
ウィンドウブロックの上面に厚さが50μmのギャップ調節フィルムを付着してウィンドウブロック接合体を製造し、製造した接合体を第1の貫通孔に設置した後に加圧し、ギャップ調節フィルムを除去して、ウィンドウブロックの上面がトップパッド層の上面よりも低くて、ギャップ(Gap)が50μmの研磨パッドを製造する以外は、比較例1と同様の方法により研磨パッドを製造した。
【0160】
<比較例3>
厚さが150μmのギャップ調節フィルムを使用する以外は、比較例2と同様の方法により、
図7(b)に示すような構造を有する研磨パッドを製造した。
【0161】
<比較例4>
厚さが250μmのギャップ調節フィルムを使用する以外は、比較例2と同様の方法により、
図7(b)に示すような構造を有する研磨パッドを製造した。
【0162】
<比較例5>
以下に記載された工程の以外は、実施例1と同様の方法により、
図8(a)に示すような構造を有し、Gapが0である研磨パッドを製造した。
【0163】
具体的に、水分硬化性接着剤を塗布せず、サブパッド層の上面に形成された第1の接着層及び熱融着によりウィンドウブロックを接合した。以後、加熱及び加圧により熱融着させて、第1の圧縮領域331及び第2の圧縮領域333が形成された構造の研磨パッドを製造した。
【0164】
<比較例6>
ウィンドウブロックの上面に厚さが50μmのギャップ調節フィルムを付着してウィンドウブロック接合体を製造し、製造した接合体を第1の貫通孔に設置した後に加圧し、ギャップ調節フィルムを除去して、
図8(b)に示すような構造を有し、ウィンドウブロックの上面がトップパッド層の上面よりも低くて、ギャップ(Gap)が50μmの研磨パッドを製造する以外は、比較例5と同様の方法により研磨パッドを製造した。
【0165】
<比較例7>
厚さが150μmのギャップ調節フィルムを利用する以外は、比較例6と同様の方法により、
図8(b)に示すような構造を有し、ギャップが150μmの研磨パッドを製造した。
【0166】
<比較例8>
厚さが250μmのギャップ調節フィルムを利用する以外は、比較例6と同様の方法により、
図8(b)に示すような構造を有し、ギャップが250μmの研磨パッドを製造した。
【0167】
<実験例1>物性評価1
(1)ウェーハ研磨初期のセンシング可能の可否の評価
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドを、プラテン上に設置した後、スラリー及び脱オン水を含む研磨液を供給して、ウェーハの表面を研磨した。研磨初期ウェーハに形成された銅層の厚さ測定が可能であるか否かに対するセンシング性能を評価し、その結果を次の表1に示す。
【0168】
【0169】
(2)漏れテスト
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドを、プラテン上に設置した後、スラリー及び脱イオン水を含む研磨液を供給して、ウェーハの表面を研磨した。研磨時に研磨液が研磨パッドのトップパッド層に透湿するか否かを評価し、その結果を前記表1に示す。
【0170】
(3)空気の漏れテスト
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドの空気の漏れ(単位:cc/分)を評価し、その結果を前記表1に示す。
【0171】
(4)ウィンドウブロック破損時のトップパッド層のグルーブパターンの深さ
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドを、プラテン上に設置した後、スラリー及び脱イオン水を含む研磨液を供給して、ウェーハの表面を研磨し、研磨によりウィンドウブロックが破損する時点に研磨を終了し、研磨パッドのトップパッド層上に残留するグルーブパターン層の厚さ(単位:μm)を測定して、その結果を前記表1に示す。
【0172】
(5)結果
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドの物性を評価した結果、実施例1乃至6に係る方法により製造した研磨パッドは、全部透湿が発生しなくて、良好な漏れ防止性能を有することを確認できるのに対し、比較例に係る方法により製造した研磨パッドは、全部透湿が発生して、漏れ防止性能が良くないことを確認できた。
【0173】
前記のような結果により、第3の接着層及び熱融着部の形成により気密性が向上して、優れた漏れ防止性能が付与されることを確認できた。
【0174】
また、空気漏れ性能を評価した結果にも、実施例に係る方法により製造した研磨パッドの場合が、比較例に係る方法により製造した研磨パッドに比べて、分当り空気の漏れ量が少ないことを確認でき、第3の接着層及び熱融着部の形成により気密性が向上することを確認できた。
【0175】
そして、ウィンドウブロック破損時のトップパッド層のグルーブパターンの深さを評価した結果、実施例5及び6に係る方法により製造した研磨パッドは、グルーブパターンが全部消失するまでウィンドウブロックが破損しなくて、適正使用時間に合うように研磨パッドを使用できることを確認できた。
【0176】
実施例5及び6に係る方法により製造した研磨パッドの特性を評価した結果、数1の式により算出された値が、各々1.7647、1.8824であることが確認されて、数1の式の値が1.6以上になるように設計した構造を有する研磨パッドが、CMP工程に容易に活用できることを確認できた。
【0177】
<実験例2>物性評価2
実施例に係る方法により製造した研磨パッドの工程能力を評価し、その結果を次の表2に示す。
【0178】
【0179】
ただし、前記表2において、AVGはRTPC time平均値、MaxはRTPC time最大値、MinはRTPC time最小値、RANは散布、Cp及びCpkは各々工程能力分析値を意味する。前記表2において、RTPC timeの単位は秒(second)である。
【0180】
工程能力評価は、比較例6に係る方法により製造した試料23個と、実施例5に係る方法により製造した研磨パッド試料11個とを各々用意して評価した。前記表2に記載されたCp、Cpkは、各々次の数4乃至6の式を利用して算出した。前記表2に基づいて、一般に、Cp、Cpk値が各々1.33以上であれば、工程能力が「良好」と判定する。
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
参考にして、CMP研磨工程は、特定厚さの金属層が形成されたウェーハを研磨して金属層が既定の厚さで研磨されると、工程が自動的に終了する。RTPC timeは、同一の厚さの金属層(例:銅層)が形成された複数個のウェーハを各々研磨する工程の中で、金属層が既定の厚さになるように研磨する時間を示す値を意味する。一例として、RTPC装置が設置されたCMP研磨装備を利用した研磨工程において、10,000Åの厚さを有する金属層が形成された平板ウェーハを研磨し、最終金属層の厚さ(remain値)を3,000Åに設定する場合、7,000Åが研磨された後に、研磨工程が終了し、RTPC time は当該研磨が進行された時間を意味する。
【0186】
RTPC timeが同一であるとは、同一の工程環境条件において特定ウェーハに金属層が既定の厚さになるように研磨する偏差が大きくなかったり、同一であったりすることを意味し、 RTPC timeの変動性(range)、すなわち散布が小さいほど工程環境条件及び研磨工程が安定的であることを意味する。
【0187】
研磨パッドは、Gapの位置によって初期金属層厚さの読み取り(reading)が変化し、研磨時間の差が発生し得るため、研磨パッドのGapの変動性を最大限に減少させることが有利であり、このようなGapの変動性は研磨パッドに設置されるウィンドウブロックの構造に影響を受けることができ、Gapが増加すれば、Gapの変動性も大きくなる。
【0188】
したがって、RTPC timeの変動性及び研磨パッドのGapの変動性は、研磨工程の工程能力に影響を及ぼす重要な要素である。
【0189】
実施例及び比較例に係る方法により製造した研磨パッドの工程能力を評価した結果、実施例に係る方法により製造した研磨パッドは、RTPC time平均値が32.9秒であり、比較例に係る方法により製造した研磨パッドは32.5秒であることが確認された。研磨パッドのRTPC time最大値及び最小値を算出した結果、実施例の研磨パッドは各々34秒及び31秒であるのに対し、比較例の研磨パッドは37秒及び27秒であることが確認され、散布(RAN)が各々3秒及び10秒であることが確認された。すなわち、実施例に係る研磨パッドの場合、散布が3秒に過ぎず、平均対比±5%の変動性を示すことを確認できたのに対し、比較例に係る研磨パッドの場合、散布が10秒であり、RTPC time変動性が±30%を超過することを確認できた。かかる結果により、実施例に係る研磨パッドは、RTPC time変動性が低くて非常に安定的に使用できることを確認できた。
【0190】
また、工程能力分析値を意味するCp及びCpkを算出した結果、実施例に係る研磨パッドは、各々1.76及び1.73と確認され、前記表3によれば、研磨工程に導入してウェーハを研磨するとき、研磨されたウェーハの予想良品率が非常に高くて「非常に優秀」と評価されることを確認できたのに対し、比較例の場合は、各々0.70及び0.64と確認されて、「普通」又は「非常に悪い」と評価されることを確認できた。
【0191】
また、実施例に係る方法により製造した研磨パッドに形成されたギャップの変動性及びこれによるRTPC time変動性を評価した。ギャップの変動性は同一の方法により製造した各々の研磨パッドに形成されたギャップを各々測定して、研磨パッドに形成されたギャップの値の偏差がどの程度であるか確認するものであって、ギャップの変動性が小さい場合、形態差が大きくないことを意味する。
【0192】
一例として、ギャップが0.05mmである構造を有する研磨パッドを製造したいが、実際に生産される研磨パッドは0.035mm乃至0.065mmのGapが形成された構造である場合、このような構造を有する研磨パッドは、±30%のギャップ変動性を有することになる。すなわち、目標ギャップである0.05mmから、30%だけのギャップ(0.05mm-(0.05mm×0.3))が低く形成されたり、30%だけのギャップ(0.05mm+(0.05mm×0.3))が高く形成されたりできる。
【0193】
結果として、実施例に係る方法により製造した研磨パッドは、ギャップが0.001mm乃至0.1mmと確認されて、研磨パッドのギャップ変動性が±30%であることを確認でき、RTPC time変動性が±5%であることを確認できた。前記のような結果により、0.001mm乃至0.1mmのギャップを有する研磨パッドを製造する場合、製造した研磨パッドは非常に安定的に使用できると判断された。
【0194】
これに対し、比較例に係る方法により製造した研磨パッドは、ギャップが0.01mm乃至0.2mmであり、研磨パッドのギャップ変動性が±40%であることを確認でき、RTPC time変動性が±15%であることを確認できた。
【0195】
前記のような結果から、実施例5に係る方法により、0.01mm乃至0.1mmのギャップが形成された構造の研磨パッドを製造する場合、製造した研磨パッドは、比較例6に係る方法により製造した研磨パッドに比べて、安定的に使用できると判断された。
【0196】
すなわち、実施例に係る方法により、前記の通りにギャップが形成された構造を有する研磨パッドを製造する際に、均一な構造を有する研磨パッドを生産できると予測された。
【符号の説明】
【0197】
10 研磨パッド
100 トップパッド層
110 第1の貫通孔
200 ウィンドウブロック
210 リセス
230 第3の接着層
300 サブパッド層
310 第2の貫通孔
330 熱融着部
350 第2の接着層
400 第1の接着層
410 第3の貫通孔