(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085221
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】新規な微生物、当該微生物を用いた微生物資材、当該微生物を利用した植物の栽培方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/14 20060101AFI20230613BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20230613BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230613BHJP
A01N 63/36 20200101ALI20230613BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20230613BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20230613BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20230613BHJP
A01H 6/20 20180101ALN20230613BHJP
A01H 6/54 20180101ALN20230613BHJP
A01H 6/46 20180101ALN20230613BHJP
A01H 6/82 20180101ALN20230613BHJP
A01H 6/34 20180101ALN20230613BHJP
A01H 6/14 20180101ALN20230613BHJP
【FI】
C12N1/14 A
A01P21/00 ZNA
A01P3/00
A01N63/36
A01N25/00 102
A01N25/04 102
A01G7/00 605Z
A01H6/20
A01H6/54
A01H6/46
A01H6/82
A01H6/34
A01H6/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189231
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2021199569
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「根圏土壌におけるアレロケミカルの動態解明と機能評価」「フィールドオミックス解析と頑健性評価」「マルチモーダル学習によるバイオマーカー探索」「根圏ケミカルの網羅的解析と新規根圏モニター技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(71)【出願人】
【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
(71)【出願人】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(71)【出願人】
【識別番号】596175810
【氏名又は名称】公益財団法人かずさDNA研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義晴
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 伸
(72)【発明者】
【氏名】パリサ・タヘリ
(72)【発明者】
【氏名】海田 るみ
(72)【発明者】
【氏名】マルダニ・コラニ・ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】本林 隆
(72)【発明者】
【氏名】桂 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】杉山 暁史
(72)【発明者】
【氏名】中安 大
(72)【発明者】
【氏名】青木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 望
(72)【発明者】
【氏名】松田 一彦
【テーマコード(参考)】
2B030
4B065
4H011
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AB03
2B030AD06
4B065AA67X
4B065AC14
4B065CA60
4H011AA01
4H011AB03
4H011BB21
4H011DA15
4H011DD03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘアリーベッチの根圏からオカラミン産生に関与する微生物を単離・同定する。
【解決手段】Penicillium ochrochloronに属するhvef18株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター受託番号NITE P-03550)に属する微生物、又はhvef18株の変異株であってオカラミン合成能を有する微生物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Penicillium ochrochloronに属するhvef18株(独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター 受託番号NITE P-03550)に属する微生物、又はhvef18株の変異株であってオカラミン合成能を有する微生物。
【請求項2】
請求項1記載の微生物を含む微生物資材。
【請求項3】
栽培対象植物及び/又は当該栽培対象植物を栽培する土壌に請求項1記載の微生物又は請求項2記載の微生物資材を作用させる、植物の栽培方法。
【請求項4】
上記栽培対象植物は、ダイズ、ハツカダイコン、コマツナ、レタス、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャエンドウ、陸稲、インゲン及びサツマイモからなる群から選ばれる一種の作物であることを特徴とする請求項3記載の植物の栽培方法。
【請求項5】
請求項2記載の微生物資材を表面に有する種子。
【請求項6】
上記微生物資材は胞子懸濁液であり、当該胞子懸濁液を表面にコーティングしたものである請求項5記載の種子。
【請求項7】
ダイズ、ハツカダイコン、コマツナ、レタス、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャエンドウ、陸稲、インゲン及びサツマイモからなる群から選ばれる一種の作物であることを特徴とする請求項5記載の種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に対する優れた生育促進機能等を有する新規な微生物に関し、また、当該微生物を含む微生物資材、当該微生物を利用した植物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物資材を用いた植物の根圏環境を改善し、環境ストレス耐性を向上させる方法としては、特許文献1、2及び3に記載されたような、特別な設備等を必要とせず、必要な時に酵母分解物や生薬粗抽出液や微生物資材といった生物資材を植物に与える方法が知られている。
【0003】
ところで、土壌中の植物根圏に生育し、植物の生育を促進する作用のある菌類は、PGPF(Plant-Growth-Promoting-Fungi:植物生育促進菌類)と名付けられている。PGPFは植物の生育を促進するばかりでなく、耐病性も向上させる作用をもつ。従来、PGPFとしてTrichoderma spp.が最も良く研究されてきた。またPenicillium simplicissimumについては、コウライシバの根圏土壌から選抜されたPenicillium simplicissimum GP17-2をキュウリ、小麦及びトマトなど穀物に接種すると、生育が促進することが認められた(非特許文献1)。これがPenicillium simplicissimumの最初の発見である。これに続いて、多くのPGPFと同様に、P. simplicissimum GP17-2菌株も耐病性を向上させ、防御応答を誘導する作用をもつことがモデル植物(シロイヌナズナ)により示された(非特許文献2)。さらに、シロイヌナズナを用いたPenicillium simplicissimum GP17-2による植物の防御メカニズムについて報告されている(非特許文献3)。
【0004】
一方、イネから単離されたPenicillium simplicissimum ENF22が、イネいもち病の病原菌Pyricularia oryzae、テンサイ根腐病菌Rhizoctonia solani、キャベツピシウム腐敗病菌Pythium ultimum に対してin vitroで拮抗活性を有することが示された(非特許文献4)。ただし、この研究では、植物に直接Penicillium simplicissimum ENF22を接種した研究は行われていない。また、ワタの根から単離されたPenicillium simplicissimum CEF-818がVerticillium dahlia病原菌の増殖を抑制することが認められたため、圃場でワタにPenicillium simplicissimum CEF-818を接種したところ、Verticillium dahlia による病害が減少し、ワタの収量が増加したと報告されている(非特許文献5)。
【0005】
以上の例のように、Penicillium simplicissimumが植物の生育を促進し、耐病性を向上させる作用をもつことは既に知られている。また、これを用いた資材も開発され、1999年5月に植物生育促進菌類(PGPF)入り資材(PGPF資材)が上市され、キュウリ、トマト、コムギ、キャベツ、レタス、ダイコン、ナス、ピーマン、タバコ等に効果があることが示されている(非特許文献6)。
【0006】
ところで、ヘアリーベッチは、果樹栽培や稲作等においてカバークロップや緑肥作物として広く利用され、細菌や糸状菌による病害から作物を防除し、収量の向上に寄与する。非特許文献7には、ヘアリーベッチを利用したダイズ栽培において、ダイズ根圏からオカラミンを同定したことが開示されている。なお、オカラミンは、インドールアルカノイド構造を有する化合物であり、Penicillium simplicissimum AK-40を接種したオカラ(大豆パルプ)で初めて同定された殺虫成分である。非特許文献7には、ヘアリーベッチを利用したダイズ栽培において同定されたオカラミンはPenicillium simplicissimumが関与していることを示唆している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-199419号公報
【特許文献2】特開2007-45709号公報
【特許文献3】特開2004-307342号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Hyakumachi, Soil Microorganisms, No. 44, pp. 53-68, 1994
【非特許文献2】Hieno et al. Microbes Environments Vol. 31, No. 2, pp. 154-159, 2016
【非特許文献3】Hossain et al., Plant Cell Physiol. 48(12): pp. 1724-1736, 2007
【非特許文献4】Potshangbam et al., Frontiers in Microbiology, Volume 8 Article 325, March 2017
【非特許文献5】Yuan et al., Plos one, 12(1): e0170557. January 20, 2017
【非特許文献6】住友化学工業、住友化学 2000(2), pp. 28-34, 2000
【非特許文献7】Nozomu Sakurai et al., Frontiers in Genetics, February 2020, Vol. 11, Article 114
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ヘアリーベッチは、上述のように、果樹栽培や水田稲作、その他様々な作物の栽培において病害菌や病害虫による被害を低減すること、休耕田に利用され雑草の発生を抑制することなど、そのアレロパシーが着目されている。非特許文献7によれば、ヘアリーベッチによるこれらの効果がオカラミンによるもと考察されている。しかしながら、オカラミン産生に関与する微生物については未解明のままであった。
【0010】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、ヘアリーベッチの根圏からオカラミン産生に関与する微生物を単離・同定すること、単離・同定した微生物による作物に対する種々の効果を評価し、当該微生物を用いた微生物資材、当該微生物を用いた植物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、ヘアリーベッチの根圏からオカラミン産生に関与する微生物としてPenicillium ochrochloronに分類される新規な微子生物を同定することに成功した。また、新規に同定したPenicillium ochrochloronは、植物の生育を促進する機能、病害に対する抵抗性を付与する機能、環境ストレスに対する耐性を付与する機能を有しており、植物の栽培に使用する微生物資材に利用できること、また植物の栽培方法に利用できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明は以下を包含する。
(1)Penicillium ochrochloronに属するhvef18株(独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター 受託番号NITE P-03550)に属する微生物、又はhvef18株の変異株であってオカラミン合成能を有する微生物。
(2)上記(1)記載の微生物を含む微生物資材。
(3)栽培対象植物及び/又は当該栽培対象植物を栽培する土壌に上記(1)記載の微生物又は上記(2)記載の微生物資材を作用させる、植物の栽培方法。
(4)上記栽培対象植物は、ダイズ、ハツカダイコン、コマツナ、レタス、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャエンドウ、陸稲、インゲン及びサツマイモからなる群から選ばれる一種の作物であることを特徴とする上記(3)記載の植物の栽培方法。
(5)上記(2)記載の微生物資材を表面に有する種子。
(6)上記微生物資材は胞子懸濁液であり、当該胞子懸濁液を表面にコーティングしたものである(5)記載の種子。
(7)ダイズ、ハツカダイコン、コマツナ、レタス、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャエンドウ、陸稲、インゲン及びサツマイモからなる群から選ばれる一種の作物であることを特徴とする(5)記載の種子。
【発明の効果】
【0013】
本発明よれば、栽培対象となる植物の根圏環境を改善し、生育を促進するか、病害に対する耐性を付与若しくは向上させるか、又は、環境ストレスに対する耐性を付与若しくは向上させることができる新規な微生物を提供することができる。本発明に係る微生物を使用した微生物資材によれば、栽培対象の植物の根圏環境を改善し、生育を促進するか、病害に対する耐性を付与若しくは向上させるか、又は、環境ストレスに対する耐性を付与若しくは向上させることができる。
【0014】
本発明に係る植物の製造方法は、本発明に係る微生物を利用することで、栽培対象の植物の根圏環境を改善し、生育を促進するか、病害に対する耐性を付与若しくは向上させるか、又は、環境ストレスに対する耐性を付与若しくは向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】Penicillium ochrochloron hvef18株を培養した培地の煮沸抽出液及び水抽出液中に含まれるオカラミン類の濃度をLC-MSを用いて測定した結果を示す特性図である。
【
図3】ヘアリーベッチを栽培した根域土壌、根圏土壌におけるオカラミン量を測定した結果を示す特性図である。
【
図4】オカラミンBがレタスの生育に及ぼす影響を測定した結果を示す特性図である。
【
図5】オカラミンBがレコマツナの生育に及ぼす影響を測定した結果を示す特性図である。
【
図6】オカラミンBが病原菌(Bacillus pumila)の生育に及ぼす影響を測定した結果を示す特性図である。
【
図7】オカラミンBが病原菌(Pseudomonas turukhanskensis)の生育に及ぼす影響を測定した結果を示す特性図である。
【
図8】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのK-土壌で栽培したハツカダイコンの葉収量(新鮮重)及び根部収量(新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図9】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのP-土壌で栽培したハツカダイコンの葉収量(新鮮重)及び根部収量(新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図10】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズ栽培一年目におけるダイズ地上部(乾燥後の重量)を測定した結果を示す特性図である。
【
図11】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズ栽培一年目におけるダイズ根部(乾燥後の重量)を測定した結果を示す特性図である。
【
図12】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズ栽培二年目におけるダイズ地上部(生物量)を測定した結果を示す特性図である。
【
図13】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズ栽培二年目におけるダイズ根部(生物量)を測定した結果を示す特性図である。
【
図14】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのトマト果実の収量(新鮮重)とトマト植物体の重量(新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図15】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのレタスの収量(新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図16】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのコマツナの収量(葉の新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図17】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのトウモロコシの収量(植物体あたりの種実新鮮重)を測定した結果を示す特性図である。
【
図18】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのジャガイモの収量(収穫個数)を測定した結果を示す特性図である。
【
図19】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのジャガイモの収量(トン/ha)を測定した結果を示す特性図である。
【
図20】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのジャガイモの食味をパネラーが評価した結果を示す特性図である。
【
図21】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのキュウリとカボチャについて収量を測定した結果を示す特性図である。
【
図22】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズの葉における食害率を測定した結果を示す特性図である。
【
図23】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのコマツナの葉における虫害(穴の数)を測定した結果を示す特性図、当該コマツナの葉を撮像した写真である。
【
図24】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したときのダイズの根圏及び根表面におけるペニシリウム属微生物をメタゲノム解析により確認した結果を示す特性図である。
【
図25】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種し、断水処理の後に再度潅水したキュウリ栽培の過程を示す写真である。
【
図26】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したダイズについてRNA-seq解析した結果を示す特性図である。
【
図27】Penicillium ochrochloron hvef18株を接種したトマトについてRNA-seq解析した結果を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
<新規微生物>
本発明に係る新規な微生物は、Penicillium ochrochloronに分類され、ヘアリーベッチの根圏に生存している微生物である。本発明者らは、ヘアリーベッチの根圏に共生している微生物のなかからオカラミン合成能を有するPenicillium ochrochloronに属する新規微生物を単離し、これをPenicillium ochrochloron hvef18株と命名した。Penicillium ochrochloron hvef18株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NITE特許微生物寄託センター:〒292-0818千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に2021年10月27日付けで、受託番号NITE P-03550として寄託している。
【0018】
本発明に係る微生物は、当該受託番号NITE P-03550で特定されるPenicillium ochrochloron hvef18株株及びPenicillium ochrochloron hvef18株と同一の株に分類され、且つオカラミン合成能を有するPenicillium ochrochloronに属する微生物を含むこととなる。また、受託番号NITE P-03550で特定されるPenicillium ochrochloron hvef18株は、配列番号1に示す塩基配列からなる内部転写スペーサー領域(Internal Transcribed Spacer region;ITS領域)を有している。したがって、本発明に係る微生物は、配列番号1に示す塩基配列に対して95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の相同性を有する塩基配列を含むITS領域を有するPenicillium ochrochloronであって、オカラミン合成能を有する微生物を含むこととなる。
【0019】
さらに、本発明に係る微生物は、Penicillium ochrochloron hvef18株に対して変異原処理を施して得られる変異株であって、オカラミン合成能を有する微生物も包含する。ここで変異原処理とは、微生物のゲノムDNAに変異を誘起するものを意味し、メチルエチルスルホン酸(EMS)、メチルメタンスルホン酸(MMS)、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)等のアルキル化剤、5-ブロモウラシル等の塩基アナログといった化合物を微生物に接触させる処理、微生物に対して紫外線を照射する処理等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。これら変異原処理を行った後の微生物について、オカラミン合成能を有するか否かは、詳細を後述の実施例に記載するが、微生物を培養した培地の水又は溶媒抽出物、或いは煮沸抽出物に含まれるオカラミン類をLC-MSで測定することで判定できる。
【0020】
<微生物資材>
上述した微生物を利用して、植物の生育を促進する機能、植物病害を防除する機能、或いは植物の環境ストレスを増強する機能のうち、少なくともいずれか1つの機能を有する微生物資材を提供できる。この微生物資材を使用することで、栽培対象の植物に対して生育を促進する効果、植物病害に対する防除効果、植物に対する環境ストレス耐性を付与する効果のうちいずれか1つを期待することができる。微生物資材は、上述した微生物以外に、微生物の担体や、乳化剤、分散剤、消泡剤、補助剤等を含むことができる。
【0021】
担体としては、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、生理食塩水等の液体担体が挙げられる。また、担体としては、カオリン、粘土、タルク、ベントナイト、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ホワイトカーボン、珪藻土等の天然鉱物粉末、ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等の合成鉱物粉末、チャコール、結晶性セルロース、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸等の固体担体が挙げられる。また、固体担体としては、例えば、バーミキュライト、ケイ砂、雲母、軽石、石こう、炭酸カルシウム、ドロマイト、マグネシウム、消石灰、リン石灰、ゼオライト、硫安などの無機物質を使用しても良い。また、固体担体としては、例えば、コンポスト、ピート、籾殻、糠、大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結晶セルロースなどの植物性有機物質を使用しても良い。さらに、固体担体としては、クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレングリコール、ケトン樹脂、エステルガム、コーパルガム、ダンマルガムなどの合成または天然の高分子化合物や、カルナバロウ、蜜ロウなどのワックス類及び尿素類等を使用しても良い。
【0022】
さらに、補助剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の陰イオン界面活性剤、高級脂肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアシルエステル、ポリオキシエチレングリコール多価アルコールアシルエステル、セルロース誘導体等の非イオン界面活性剤、ゼラチン,カゼイン、アラビアゴム等の増粘剤、増量剤、結合剤等が挙げられる。
【0023】
以上のように構成される微生物資材は、例えば、液剤、粉剤、粒剤、乳剤、油剤、懸濁剤、水和剤、水溶剤、ペースト剤、カプセル剤、煙霧剤(エアゾール剤)等の任意の製剤形態とすることができる。
【0024】
<植物の栽培方法>
上述した微生物或いは微生物資材を使用することで、栽培対象の植物の生育を促進する、植物病害を防除する、或いは植物の環境ストレスを増強することができる。栽培対象の植物としては、何ら限定されない。このような植物は、単子葉植物でも双子葉植物でもよく、食用でも非食用でもよい。このような植物の具体例としては、単子葉植物として、例えば、ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラ、アサツキ、ラッキョウ、リーキなどのヒガンバナ科;イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、モロコシなどのイネ科等を挙げることができる。また、このような植物の具体例としては、双子葉植物として、例えば、ダイズ、インゲンマメ、アズキ、エンドウ、ソラマメ、ミヤコグサ、ラッカセイ、クローバー、ササゲ、ミヤコグサなどのマメ科;イチゴなどのバラ科;ニンジンなどのセリ科;キュウリ、カボチャ、スイカ、メロンなどのウリ科;ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、トウガラシ、シシトウ、パプリカなどのナス科;オクラ、ワタなどのアオイ科;サツマイモなどのヒルガオ科等を、それぞれ挙げることができる。
【0025】
これらの中でも、本発明に係る微生物或いは微生物資材は、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、モロコシなどのイネ科に対する生育促進効果に優れている。本発明に係る微生物或いは微生物資材は、イネ科以外にも、ダイズ、ハツカダイコン、コマツナ、レタス、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャエンドウ、インゲン及びサツマイモに対する生育促進効果に優れている。また、これらの中でも、本発明に係る微生物或いは微生物資材は、ダイズ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャに対する病害防除効果に優れている。さらに、これらの中でも、本発明に係る微生物或いは微生物資材は、キュウリやトマトに対する環境ストレス、特に乾燥ストレスに対する耐性向上効果が特に優れている。
【0026】
微生物或いは微生物を土壌に供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、土への散布、混ぜ込み、埋め込み、薬液注入、薬液潅水などの方法により行うことができる。土に供給する際には、植物を栽培する土の一部に行ってもよく、全面に行ってもよい。共生促進剤又は微生物資材を施用する場所の具体例としては、例えば、植穴又はその付近、作条又はその付近、株間、培土全面、土壌全面、育苗箱、育苗トレイ、育苗ポット、苗床などが挙げられる。
【0027】
微生物或いは微生物資材は、対象植物の播種又は植え付け前に予め土に施用しておいてもよく、播種又は植物の植え付け後の土に施用してもよい。施用時期は、例えば、播種前、播種時、播種後から出芽前までの期間、出芽期、育種期、苗の移植時、挿し木又は挿し芽時、定植後の生育期間(開花前、開花中、開花後、出穂直前又は出穂期など)、果実の着色開始期などが挙げられる。その際、土壌に対して1回のみ施用してもよく、複数回施用してもよい。施用量をできるだけ少なくしつつ、植物の生育促進効果を十分に得る観点から、植物の初期の生育段階(具体的には、出芽から開花又は出穂の前までの期間)又はそれよりも以前に施用することが好ましく、育苗段階又はそれよりも以前に施用することがより好ましい。
【0028】
微生物或いは微生物資材は、対象植物の種子表面に付着させることができる。すなわち、微生物或いは微生物資材を表面に有する種子を作製することができる。微生物或いは微生物資材を表面に有する種子の例としては、微生物或いは微生物資材を表面にコーティングした種子を挙げることができる。当該種子の作製例として、上記微生物資材として胞子懸濁液を作製し、当該胞子懸濁液を種子表面に塗布する方法、当該胞子懸濁液を種子に噴霧する方法、当該胞子懸濁液に種子を浸漬する方法などを挙げることができる。これら方法によって、胞子懸濁液を種子の表面にコーティングすることができる。
【0029】
微生物或いは微生物資材を表面に有する種子を播種することで、栽培対象の植物の生育を促進する、植物病害を防除する、或いは植物の環境ストレスを増強する効果を得ることができる。微生物或いは微生物資材を表面に有する種子を利用することで、上述したように、微生物或いは微生物資材を対象植物の播種又は植え付け前に予め土に施用したり、播種又は植物の植え付け後の土に施用したりする手間を省くことができる。なお、微生物或いは微生物資材を表面に有する種子を利用した場合であっても、上述したように、微生物或いは微生物資材を対象植物の播種又は植え付け前に予め土に施用したり、播種又は植物の植え付け後の土に施用することもできる。
【0030】
ところで、本発明に係る微生物或いは微生物資材における病害防除効果は、植物に対する有害生物や植物に感染する微生物による病害を防除する効果である。すなわち、本発明に係る微生物或いは微生物資材は、植物に使用される防除剤として利用することができる。
【0031】
当該防除剤が対象とする有害生物としては、特に限定されず、キリギリス科のクサキリ(Ruspolia lineosa)やコオロギ科のエンマコオロギ(Teleogryllus emma)等のバッタ目害虫、アザミウマ科のヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)等のアザミウマ目害虫、セミ科のイワサキクサゼミ(Mogannia minuta)等やヨコバイ科のフタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)等のカメムシ目害虫を挙げることができ、これら以外にもコウチュウ目害虫、ハエ目害虫、チョウ目害虫、ハチ目害虫、トビムシ目害虫、シミ目害虫、ゴキブリ目害虫、チャタテムシ目害虫、ハサミムシ目害虫、ハジラミ目害虫、シラミ目害虫、植物寄生性ダニ類、植物寄生性線虫類、植物寄生性軟体動物、その他の有害動物、不快動物、衛生害虫、寄生虫等の有害生物を挙げることができる。
【0032】
当該防除剤が対象とする微生物に起因する病害としては、特に限定されず、以下の土壌伝播性病害を挙げることができる。すなわち、土壌伝染性病害としては、例えば、メロンつる割病、メロンえそ斑点病、メロンモザイク病、メロン褐斑細菌病、メロンがんしゅ病、メロン軟腐病、メロン斑点細菌病、メロン毛根病、メロン疫病、メロン菌核病、メロン紅色根腐病、メロン黒点根腐病、メロン白絹病、メロン立枯病、メロンつる枯病、メロン苗立枯病、メロン根腐病、メロン根腐萎凋病、メロン半身萎凋病、カボチャ青枯病、カボチャ褐斑細菌病、カボチャ斑点細菌病、カボチャ疫病、カボチャ白絹病、カボチャ立枯病、カボチャつる枯病、キュウリ緑斑モザイク病、キュウリ青枯病、キュウリ褐斑細菌病、キュウリ軟腐病、キュウリ斑点細菌病、キュウリ疫病、キュウリ褐斑病、キュウリ菌核病、キュウリ白絹病、キュウリつる枯病、キュウリつる割病、キュウリ苗立枯病、キュウリ根腐病、キュウリ灰色疫病、キュウリ半身萎凋病、キュウリホモプシス根腐病、キュウリ紫紋羽病、スイカ緑斑モザイク病、スイカ萎凋細菌病、スイカ褐斑細菌病、スイカ疫病、スイカ菌核病、スイカ黒点根腐病、スイカ白絹病、スイカ立枯病、スイカつる枯病、スイカつる割病、スイカ半身萎凋病、スイカフザリウム立枯病、ツルレイシ斑点細菌病、トウガン立枯病、トウガンつる枯病、トウガンつる割病、ヘチマつる割病、ヘチマしり腐病、ヘチマ苗立枯病、ユウガオ褐斑細菌病、ユウガオ斑点細菌病、ユウガオ黒点根腐病、ユウガオ白絹病、ユウガオつる枯病、ユウガオつる割病、ユウガオ苗立枯病、ユウガオ灰色疫病、トウガラシ・ピーマン青枯病、トウガラシ・ピーマンかいよう病、トウガラシ・ピーマン軟腐病、トウガラシ・ピーマン斑点細菌病、トウガラシ・ピーマン萎凋病、トウガラシ・ピーマン疫病、トウガラシ・ピーマン菌核病、トウガラシ・ピーマン黒点根腐病、トウガラシ・ピーマン白絹病、トウガラシ・ピーマン立枯病、トウガラシ・ピーマン苗立枯病、トウガラシ・ピーマン半身萎凋病、トマト条斑病、トマトモザイク病、トマト青枯病、トマトかいよう病、トマト茎えそ細菌病、トマト黒斑細菌病、トマト軟腐病、トマト斑点細菌病、トマト斑葉細菌病、トマト腐敗病、トマトアルターナリア茎枯病、トマト萎凋病、トマト疫病、トマト褐色根腐病、トマト褐色腐敗病、トマト菌核病、トマト紅色根腐病、トマト黒点根腐病、トマト小粒菌核病、トマト白絹病、トマト苗立枯病、トマト根腐病、トマト根腐萎凋病、トマト根腐疫病、トマト灰色疫病、トマト半身萎凋病、ナスモザイク病、ナス青枯病、ナス褐斑細菌病、ナス茎えそ細菌病、ナス茎腐細菌病、ナス軟腐病、ナス斑点細菌病、ナス疫病、ナス褐色腐敗病、ナス菌核病、ナス黒点根腐病、ナス白絹病、ナス苗立枯病、ナス根腐疫病、ナス半枯病、ナス半身萎凋病、カリフラワー黒腐病、カリフラワー黒斑細菌病、カリフラワー軟腐病、カリフラワー萎黄病、カリフラワー根こぶ病、キャベツ黒腐病、キャベツ黒斑細菌病、キャベツ軟腐病、キャベツ萎黄病、キャベツ株腐病、キャベツ菌核病、キャベツ根朽病、キャベツ根こぶ病、キャベツバーティシリウム萎凋病、キャベツ苗立枯病、コマツナ萎黄病、チンゲンサイ斑点細菌病、チンゲンサイ萎黄病、ハクサイ黒腐病、ハクサイ黒斑細菌病、ハクサイ軟腐病、ハクサイ腐敗病、ハクサイ黄化病、ハクサイ菌核病、ハクサイしり腐病、ハクサイ根くびれ病、ハクサイ根こぶ病、ハクサイピシウム腐敗病、ブロッコリーピシウム腐敗病、カブ青枯病、カブ黒腐病、カブ黒斑細菌病、カブ軟腐病、カブ萎黄病、カブ菌核病、カブ根腐病、カブ根腐疫病、カブ根くびれ病、カブ根こぶ病、カブバーティシリウム黒点病、ダイコン青枯病、ダイコン黒腐病、ダイコン黒点輪腐病、ダイコン黒斑細菌病、ダイコンそうか病、ダイコン軟腐病、ダイコン萎黄病、ダイコン円形褐斑病、ダイコン菌核病、ダイコン黒しみ病、ダイコン根腐病、ダイコン根こぶ病、ダイコン葉腐病、ダイコンバーティシリウム黒点病、ダイコン腐敗病、ダイコン立枯病、ワサビ菌核病、ワサビ茎腐病、ワサビ墨入病、ワサビ根こぶ病、ウド萎黄病、ウド萎凋病、ウド疫病、ウド菌核病、ウド白絹病、ウドそうか病、シュンギク青枯病、シュンギク黒腐病、シュンギク腐敗病、シュンギク萎凋病、シュンギク菌核病、レタス軟腐病、レタス斑点細菌病、レタス腐敗病、レタス菌核病、レタス小粒菌核病、レタスすそ枯病、レタス根腐病、セルリー軟腐病、セルリー斑点細菌病、セルリー葉枯細菌病、セルリー腐敗病、セルリー萎黄病、セルリー菌核病、パセリー軟腐病、パセリー萎凋病、パセリー疫病、パセリー立枯病、パセリー苗立枯病、パセリー根腐病、パセリー根くびれ病、イチゴ角斑細菌病、イチゴ萎黄病、イチゴ萎凋病、イチゴ疫病、イチゴ果実腐敗病、イチゴ菌核病、イチゴ黒色根腐病、イチゴ白絹病、イチゴ軟腐病、イチゴ根腐病、イチゴ芽枯病、アスパラガス褐色菌核根腐病、アスパラガス株腐病、アスパラガス白紋羽病、アスパラガス立枯病、アスパラガス苗立枯病、アスパラガス紫紋羽病、タマネギかいよう病、タマネギ軟腐病、タマネギ斑点細菌病、タマネギ腐敗病、タマネギ片腐敗病、タマネギ疫病、タマネギ乾腐病、タマネギ菌核病、タマネギ黒かび病、タマネギ黒腐菌核病、タマネギ黒穂病、タマネギ紅色根腐病、タマネギ小菌核病、タマネギ白絹病、タマネギ白色疫病、タマネギ苗立枯病、ニラ株腐細菌病、ニラ軟腐病、ニラ乾腐病、ニラ黒腐菌核病、ニラ紅色根腐病、ニラ白絹病、ニラ白色疫病、ニラ葉腐病、ネギ斑紋病、ネギ軟腐病、ネギ斑点細菌病、ネギ腐敗病、ネギ萎凋病、ネギ疫病、ネギ黒腐菌核病、ネギ黒穂病、ネギ紅色根腐病、ネギ小菌核病、ネギ白絹病、ネギ白色疫病、ネギ苗立枯病、サツマイモ立枯病、サツマイモ青かび病、サツマイモかいよう病、サツマイモ褐色乾腐病、サツマイモ菌核病、サツマイモ黒あざ病、サツマイモ黒斑病、サツマイモ小粒菌核病、サツマイモ白絹病、サツマイモ白腐病、サツマイモ白紋羽病、サツマイモ炭腐病、サツマイモつる割病、サツマイモ軟腐病、サツマイモ基腐病、サツマイモ灰色かび病、サツマイモ紫紋羽病、ショウガ腐敗病、ショウガ根茎腐敗病、ショウガ立枯病、ショウガ紋枯病、ニンジンこぶ病、ニンジン根頭がんしゅ病、ニンジンストレプトミセスそうか病、ニンジン軟腐病、ニンジン斑点細菌病、ニンジン萎黄病、ニンジン褐色根腐病、ニンジン乾腐病、ニンジン菌核病、ニンジン黒すす病、ニンジン黒色根腐病、ニンジンしみ腐病、ニンジン白絹病、ニンジンそうか病、ニンジン根腐病、ニンジン紫紋羽病、イネ稲こうじ病、イネ疫病、イネ株腐病、イネ白葉枯病、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病、イネ疫病、イネ褐色菌核病、イネ褐色小菌核病、イネ褐色紋枯病、イネ球状菌核病、イネ黒粒菌核病、イネ小黒菌核病、イネ小球菌核病、イネ白絹病、イネ赤色菌核病、イネ立枯病、イネ苗腐病、イネ苗立枯病、イネ灰色菌核病、イネばか苗病、イネ葉鞘網斑病、イネ紋枯病、イネ綿疫病、ソラマメ青枯病、ソラマメ疫病、ソラマメ菌核病、ソラマメ茎腐病、ソラマメ黒根病、ソラマメ白絹病、ソラマメ白紋羽病、ソラマメ立枯病、ソラマメ根腐病、ダイズ退緑斑紋ウイルス病、ダイズ斑紋病、ダイズ葉焼病、ダイズ斑点細菌病、ダイズ萎凋病、ダイズ株枯病、ダイズ菌核病、ダイズ茎疫病、ダイズ黒根病、ダイズ黒根腐病、ダイズ白絹病、ダイズ立枯病、ダイズリゾクトニア根腐病、オクラ疫病、オクラ立枯病、オクラ半身萎凋病、ホウレンソウモザイク病、ホウレンソウ萎凋病、ホウレンソウ疫病、ホウレンソウ株腐病、ホウレンソウこうがいかび病、ホウレンソウ立枯病、ホウレンソウバーティシリウム萎凋病、ホウレンソウ根腐病、バラ根頭がんしゅ病、バラ疫病、バラ半身萎凋病、ホリホック白絹病、ブーバルジア苗立枯病、ゴデチア立枯病、ストック黒腐病、ストック萎凋病、ストック疫病、ストック菌株病、ストック立枯病、ストック苗腐病、ストック苗立枯病、ストック半身萎凋病、ハボタン萎黄病、アシダンセラ心腐病、アシダンセラ軟腐病、アシダンセラ白絹病、アシダンセラボトリチス根茎腐敗病、アシダンセラ乾腐病、アシダンセラ菌株病、アシダンセラ白絹病、クロッカス軟腐病、クロッカス乾腐病、クロッカス球茎硬化病、クロッカス球茎腐敗病、クロッカス菌核病、ヒオウギ白絹病、フリージア首腐病、フリージア球根腐敗病、フリージア菌核病、フリージア立枯病、アルストロメリア疫病、アルストロメリア菌核病、アルストロメリア白絹病、アルメリア白絹病、スターチス青枯病、スターチス萎凋細菌病、スターチス疫病、スターチス株腐病、スターチス白絹病、グロキシニア疫病、セントポーリア疫病、イワヒバ白絹病、オミナエシ半身萎凋病、サクララン軟腐病、カンナ茎腐病、カンパニュラ菌核病、カンパニュラ白絹病、カンパニュラ根腐病、キキョウ立枯病、アスター萎凋病、アスター立枯病、ガーベラ疫病、ガーベラ菌核病、ガーベラ白絹病、ガーベラ根腐病、ガーベラ半身萎凋病、ガーベラ斑点細菌病、ガザニア菌核病、キク青枯病、キク根頭がんしゅ病、キク軟腐病、キク萎凋病、キク疫病、キク菌核病、キク白絹病、キク立枯病、キク半身萎凋病、キク茎枯病、キク白紋羽病、キンセンカ疫病、キンセンカ菌核病、キンセンカ半身萎凋病、コスモス立枯病、コスモス半身萎凋病、シオン白絹病、ジニア青枯病、ジニア軟腐病、ジニア斑点細菌病、ジニア菌核病、ジニア立枯病、シネラリア苗立枯病、シャスタデージー半身萎凋病、シュクコンアスター白絹病、シュクコンアスター斑点病、ソリダスター白絹病、ダリア青枯病、ダリア根頭がんしゅ病、ダリア軟腐細菌病、ダリア菌核病、ダリア白絹病、ダリア苗立枯病、デージー菌核病、ハルシャギク青枯病、ヒマワリ青枯病、ヒマワリ葉枯細菌病、ヒマワリ斑点細菌病、ヒマワリ菌核病、ヒマワリ白絹病、ヒマワリ苗立枯病、ピレオギク菌核病、フジバカマ白絹病、ベニバナ軟腐病、ベニバナ腐敗病、マーガレット青枯病、マーガレット根頭がんしゅ病、マーガレット萎凋病、マーガレット菌核病、マリーゴールド青枯病、マリーゴールド株腐病、ミヤコワスレ根頭がんしゅ病、ミヤコワスレ萎黄病、ミヤコワスレ疫病、ミヤコワスレ株腐病、ミヤコワスレ白絹病、ムギワタギク半身萎凋病、ヤグルマソウ菌核病、ヤグルマソウ白絹病、リアトリス菌核病、リアトリス白絹病、ルドベキア萎凋病、ルドベキア白絹病、ルドベキア半身萎凋病、アフェランドラ疫病、ニチニチソウ萎黄病、ニチニチソウ疫病、ニチニチソウ菌核病、ニチニチソウ苗立枯病、アネモネ疫病、アネモネ球根腐敗病、アネモネ菌核病、オダマキ白絹病、クレマチス根頭がんしゅ病、
クレマチス白絹病、シャクヤク根頭がんしゅ病、シャクヤク疫病、シャクヤク菌核病、シャクヤク白絹病、シャクヤク立枯病、シュウメイギク白絹病、スハマソウ白絹病、デルフィニウム軟腐病、デルフィニウム白絹病、デルフィニウム立枯病、ハナトリカブト半身萎凋病、ハナトリカブト斑点病、フクジュソウ根腐菌核病、ラナンキュラス斑点細菌病、ケシ類萎黄病、ケシ類軟化腐敗病、ケシ類斑点細菌病、ケシ類菌核病、ケシ類白紋羽病、ケシ類胴枯病、ケシ類苗立枯病、ハナビシソウ根腐病、ペペロミア白絹病、ペペロミア腐敗病、カルセオラリア苗立枯病、キンギョソウ斑点細菌病、キンギョソウ疫病、キンギョソウ菌核病、キンギョソウ茎腐病、キンギョソウ小粒菌核病、キンギョソウ白絹病、キンギョソウ根腐病、キンギョソウ半身萎凋病、サクラソウ軟腐病、サクラソウ班葉細菌病、サクラソウ腐敗病、サクラソウ苗立枯病、サクラソウ斑点病、シクラメン軟腐病、シクラメン萎凋病、シクラメン苗腐病、シクラメン苗立枯病、カラー軟腐病、カラー疫病、カラー白絹病、カラジウム菌核病、カラジウム白絹病、フィロデンドン疫病、サボテン疫病、サボテン茎枯病、サボテン茎腐病、サボテン腐敗病、アジュガ白絹病、カクトラノオ白絹病、サルビア疫病、ベゴニア斑点細菌病、ベゴニア茎腐病、スイレン斑点腐敗病、ポーチュラカ立枯病、スミレ類根腐病、ホワイトレースフラワー萎黄病、ホワイトレースフラワー疫病、ホワイトレースフラワー立枯病、ムラサキオモト疫病、ホウセンカ腐敗病、ホウセンカ疫病、ホウセンカ白絹病、ホウセンカ立枯病、ペチュニア菌核病、ペチュニア白かび病、ホオズキ斑点細菌病、ホオズキ白絹病、ホオズキ半身萎凋病、カーネーション萎凋細菌病、カーネーション立枯細菌病、カーネーション斑点細菌病、カーネーション萎凋病、カーネーション疫病、カーネーション菌核病、カーネーション茎腐病、カーネーション首腐病、カーネーション白絹病、カーネーション立枯病、カーネーション根腐病、カスミソウ疫病、カスミソウ菌核病、シュッコンカスミソウ萎凋細菌病、シュッコンカスミソウこぶ病、シュッコンカスミソウ根頭がんしゅ病、シュッコンカスミソウ斑点細菌病、シュッコンカスミソウ疫病、シュッコンカスミソウ茎腐病、シュッコンカスミソウ立枯病、シュッコンカスミソウ苗腐病、ストレリチア青枯病、ストレリチア疫病、アマリリス疫病、ウケザキクンシラン白絹病、スイセン軟腐病、スイセン乾腐病、スイセン球茎腐敗病、スイセン菌核病、スイセン白紋羽病、ネリネ疫病、ネリネ白絹病、ハマオモト類白絹病、ケイトウ疫病、ケイトウ立枯病、ケイトウ根腐病、ゼラニウム茎腐病、ゼラニウム立枯病、ゼラニウム斑点病、カランコエ疫病、スイートピー萎凋病、スイートピー菌核病、スイートピー半身萎凋病、ルピナス萎凋病、ルピナス菌核病、ルピナス白絹病、ルピナス白紋羽病、ルピナス立枯病、アリウム類疫病、アロエ疫病、オーニソガルム疫病、オモト白紋羽病、ギボウシ類白絹病、コルチカム根腐病、サンダーソニア白絹病、サンダーソニア立枯病、ジャノヒゲ白絹病、チューリップ黒腐病、チューリップ軟腐病、チューリップ青かび病、チューリップ疫病、チューリップ球茎腐敗病、チューリップ球根腐敗病、チューリップ菌核病、チューリップ茎枯病、チューリップ白絹病、チューリップ白色疫病、チューリップ灰色腐敗病、チューリップ根腐病、チューリップ腐敗病、ツルバキア白絹病、ドラセナ疫病、トリテレイア疫病、ニューサイラン白絹病、ハラン菌核病、ヒアシンス軟腐病、ヒアシンス腐敗病、ヒアシンス菌核病、ヒアシンス白絹病、ヒアシンス白色疫病、ホトトギス白絹病、ユリ類軟腐病、ユリ類青かび病、ユリ類疫病、ユリ類黒腐菌核病、ユリ類白絹病、ユリ類紫紋羽病、ルスカス斑点病、アツモリソウ類疫病、アツモリソウ類褐色腐敗病、オンシジウム軟腐病、オンシジウム疫病、カトレア褐色腐敗病、カトレア褐斑細菌病、カトレア疫病、カトレア軟腐病、カトレア苗黒腐病、シンビジウム褐色腐敗病、シンビジウム軟腐病、シンビジウム疫病、シンビジウム褐色葉枯病、シンビジウム白絹病、シンビジウム苗黒腐病、シンビジウム腐敗病、デンドロビウム褐色腐敗病、デンドロビウム軟腐病、デンドロビウム白絹病、デンドロビウム苗黒腐病、デンドロビウム腐敗病、パフィオペディルム褐色腐敗病、パフィオペディルム軟腐病、バンダ褐色腐敗病、バンダ軟腐病、バンダ疫病、バンダ白絹病、ビルステケラ褐色腐敗病、ファレノプシス褐色腐敗病、ファレノプシス褐斑細菌病、ファレノプシス軟腐病、ファレノプシス白絹病、ファレノプシス株枯病、ミルトニア褐色腐敗病、エキザカム株枯病、トルコギキョウ青枯病、トルコギキョウ株腐病、トルコギキョウ菌核病、トルコギキョウ茎腐病、トルコギキョウ立枯病、トルコギキョウ根腐病、リンドウ斑紋病、リンドウ褐色根腐病、リンドウ白絹病、リンドウ葉腐病、リンドウ花腐菌核病、リンドウこぶ症、ポインセチア根腐病、マンゴー根頭がんしゅ病、カキ根頭がんしゅ病、カキ白紋羽病、カキ紫紋羽病、カキホモプシス立枯病、グミ白紋羽病、グミ微粒菌核病、イチジク根頭がんしゅ病、イチジク疫病、イチジク菌核病、イチジク白絹病、イチジク白紋羽病、イチジク軟腐病、イチジク紫紋羽病、パッションフルーツ疫病、パッションフルーツ菌核病、パイナップル花樟病、パイナップル心腐病、パパイア根頭がんしゅ病、パパイア苗立枯病、パパイア軟腐病、アンズ根頭がんしゅ病、アンズ白紋羽病、アンズ紫紋羽病、ウメ根頭がんしゅ病、ウメ疫病、ウメ菌核病、ウメ白紋羽病、ウメ紫紋羽病、オウトウ根頭がんしゅ病、オウトウ菌核病、オウトウ白紋羽病、オウトウ紫紋羽病、カリン白紋羽病、キイチゴ根頭がんしゅ病、スモモ根頭がんしゅ病、スモモ白紋羽病、スモモ紫紋羽病、セイヨウナシ疫病、セイヨウナシ白紋羽病、ナシ根頭がんしゅ病、ナシ疫病、ナシ菌核病、ナシ白紋羽病、ナシ紫紋羽病、ビワ根頭がんしゅ病、ビワ疫病、ビワ白紋羽病、ビワ紫紋羽病、マルメロ根頭がんしゅ病、モモ根頭がんしゅ病、モモ菌核病、モモ白紋羽病、モモ紫紋羽病、リンゴ根頭がんしゅ病、リンゴ疫病、リンゴ白絹病、リンゴ白紋羽病、リンゴ紫紋羽病、ブドウ根頭がんしゅ病、ブドウ白紋羽病、ブドウ半身萎凋病、ブドウ紫紋羽病、クリ根頭がんしゅ病、クリ疫病、クリ白紋羽病、クリ紫紋羽病、キウイフルーツ白紋羽病、カンキツ根頭がんしゅ病、カンキツ菌核病、カンキツ白紋羽病、カンキツ紫紋羽病、カンキツフザリウム立枯病を挙げることができる。
【0033】
本発明に係る微生物或いは微生物資材が防除できる、土壌生息性の植物病原菌としては、例えば、メロンつる割病菌、メロンえそ斑点病菌、メロンモザイクウイルス、メロン褐斑細菌病菌、メロンがんしゅ病菌、メロン軟腐病菌、メロン斑点細菌病菌、メロン毛根病菌、メロン疫病菌、メロン菌核病菌、メロン紅色根腐病菌、メロン黒点根腐病菌、メロン白絹病菌、メロン立枯病菌、メロンつる枯病菌、メロン苗立枯病菌、メロン根腐病菌、メロン根腐萎凋病菌、メロン半身萎凋病菌、カボチャ青枯病菌、カボチャ褐斑細菌病菌、カボチャ斑点細菌病菌、カボチャ疫病菌、カボチャ白絹病菌、カボチャ立枯病菌、カボチャつる枯病菌、キュウリ緑斑モザイクウイルス、キュウリ青枯病菌、キュウリ褐斑細菌病菌、キュウリ軟腐病菌、キュウリ斑点細菌病菌、キュウリ疫病菌、キュウリ褐斑病菌、キュウリ菌核病菌、キュウリ白絹病菌、キュウリつる枯病菌、キュウリつる割病菌、キュウリ苗立枯病菌、キュウリ根腐病菌、キュウリ灰色疫病菌、キュウリ半身萎凋病菌、キュウリホモプシス根腐病菌、キュウリ紫紋羽病菌、スイカ緑斑モザイクウイルス、スイカ萎凋細菌病菌、スイカ褐斑細菌病菌、スイカ疫病菌、スイカ菌核病菌、スイカ黒点根腐病菌、スイカ白絹病菌、スイカ立枯病菌、スイカつる枯病菌、スイカつる割病菌、スイカ半身萎凋病菌、スイカフザリウム立枯病菌、ツルレイシ斑点細菌病菌、トウガン立枯病菌、トウガンつる枯病菌、トウガンつる割病菌、ヘチマつる割病菌、ヘチマしり腐病菌、ヘチマ苗立枯病菌、ユウガオ褐斑細菌病菌、ユウガオ斑点細菌病菌、ユウガオ黒点根腐病菌、ユウガオ白絹病菌、ユウガオつる枯病菌、ユウガオつる割病菌、ユウガオ苗立枯病菌、ユウガオ灰色疫病菌、トウガラシ・ピーマン青枯病菌、トウガラシ・ピーマンかいよう病菌、トウガラシ・ピーマン軟腐病菌、トウガラシ・ピーマン斑点細菌病菌、トウガラシ・ピーマン萎凋病菌、トウガラシ・ピーマン疫病菌、トウガラシ・ピーマン菌核病菌、トウガラシ・ピーマン黒点根腐病菌、トウガラシ・ピーマン白絹病菌、トウガラシ・ピーマン立枯病菌、トウガラシ・ピーマン苗立枯病菌、トウガラシ・ピーマン半身萎凋病菌、トマト条斑病菌、トマトモザイクウイルス、トマト青枯病菌、トマトかいよう病菌、トマト茎えそ細菌病菌、トマト黒斑細菌病菌、トマト軟腐病菌、トマト斑点細菌病菌、トマト斑葉細菌病菌、トマト腐敗病菌、トマトアルターナリア茎枯病菌、トマト萎凋病菌、トマト疫病菌、トマト褐色根腐病菌、トマト褐色腐敗病菌、トマト菌核病菌、トマト紅色根腐病菌、トマト黒点根腐病菌、トマト小粒菌核病菌、トマト白絹病菌、トマト苗立枯病菌、トマト根腐病菌、トマト根腐萎凋病菌、トマト根腐疫病菌、トマト灰色疫病菌、トマト半身萎凋病菌、ナスモザイクウイルス、ナス青枯病菌、ナス褐斑細菌病菌、ナス茎えそ細菌病菌、ナス茎腐細菌病菌、ナス軟腐病菌、ナス斑点細菌病菌、ナス疫病菌、ナス褐色腐敗病菌、ナス菌核病菌、ナス黒点根腐病菌、ナス白絹病菌、ナス苗立枯病菌、ナス根腐疫病菌、ナス半枯病菌、ナス半身萎凋病菌、カリフラワー黒腐病菌、カリフラワー黒斑細菌病菌、カリフラワー軟腐病菌、カリフラワー萎黄病菌、カリフラワー根こぶ病菌、キャベツ黒腐病菌、キャベツ黒斑細菌病菌、キャベツ軟腐病菌、キャベツ萎黄病菌、キャベツ株腐病菌、キャベツ菌核病菌、キャベツ根朽病菌、キャベツ根こぶ病菌、キャベツバーティシリウム萎凋病菌、キャベツ苗立枯病菌、コマツナ萎黄病菌、チンゲンサイ斑点細菌病菌、チンゲンサイ萎黄病菌、ハクサイ黒腐病菌、ハクサイ黒斑細菌病菌、ハクサイ軟腐病菌、ハクサイ腐敗病菌、ハクサイ黄化病菌、ハクサイ菌核病菌、ハクサイしり腐病菌、ハクサイ根くびれ病菌、ハクサイ根こぶ病菌、ハクサイピシウム腐敗病菌、ブロッコリーピシウム腐敗病菌、カブ青枯病菌、カブ黒腐病菌、カブ黒斑細菌病菌、カブ軟腐病菌、カブ萎黄病菌、カブ菌核病菌、カブ根腐病菌、カブ根腐疫病菌、カブ根くびれ病菌、カブ根こぶ病菌、カブバーティシリウム黒点病菌、ダイコン青枯病菌、ダイコン黒腐病菌、ダイコン黒点輪腐病菌、ダイコン黒斑細菌病菌、ダイコンそうか病菌、ダイコン軟腐病菌、ダイコン萎黄病菌、ダイコン円形褐斑病菌、ダイコン菌核病菌、ダイコン黒しみ病菌、ダイコン根腐病菌、ダイコン根こぶ病菌、ダイコン葉腐病菌、ダイコンバーティシリウム黒点病菌、ダイコン腐敗病菌、ダイコン立枯病菌、ワサビ菌核病菌、ワサビ茎腐病菌、ワサビ墨入病菌、ワサビ根こぶ病菌、ウド萎黄病菌、ウド萎凋病菌、ウド疫病菌、ウド菌核病菌、ウド白絹病菌、ウドそうか病菌、シュンギク青枯病菌、シュンギク黒腐病菌、シュンギク腐敗病菌、シュンギク萎凋病菌、シュンギク菌核病菌、レタス軟腐病菌、レタス斑点細菌病菌、レタス腐敗病菌、レタス菌核病菌、レタス小粒菌核病菌、レタスすそ枯病菌、レタス根腐病菌、セルリー軟腐病菌、セルリー斑点細菌病菌、セルリー葉枯細菌病菌、セルリー腐敗病菌、セルリー萎黄病菌、セルリー菌核病菌、パセリー軟腐病菌、パセリー萎凋病菌、パセリー疫病菌、パセリー立枯病菌、パセリー苗立枯病菌、パセリー根腐病菌、パセリー根くびれ病菌、イチゴ角斑細菌病菌、イチゴ萎黄病菌、イチゴ萎凋病菌、イチゴ疫病菌、イチゴ果実腐敗病菌、イチゴ菌核病菌、イチゴ黒色根腐病菌、イチゴ白絹病菌、イチゴ軟腐病菌、イチゴ根腐病菌、イチゴ芽枯病菌、アスパラガス褐色菌核根腐病菌、アスパラガス株腐病菌、アスパラガス白紋羽病菌、アスパラガス立枯病菌、アスパラガス苗立枯病菌、アスパラガス紫紋羽病菌、タマネギかいよう病菌、タマネギ軟腐病菌、タマネギ斑点細菌病菌、タマネギ腐敗病菌、タマネギ片腐敗病菌、タマネギ疫病菌、タマネギ乾腐病菌、タマネギ菌核病菌、タマネギ黒かび病菌、タマネギ黒腐菌核病菌、タマネギ黒穂病菌、タマネギ紅色根腐病菌、タマネギ小菌核病菌、タマネギ白絹病菌、タマネギ白色疫病菌、タマネギ苗立枯病菌、ニラ株腐細菌病菌、ニラ軟腐病菌、ニラ乾腐病菌、ニラ黒腐菌核病菌、ニラ紅色根腐病菌、ニラ白絹病菌、ニラ白色疫病菌、ニラ葉腐病菌、ネギ斑紋病菌、ネギ軟腐病菌、ネギ斑点細菌病菌、ネギ腐敗病菌、ネギ萎凋病菌、ネギ疫病菌、ネギ黒腐菌核病菌、ネギ黒穂病菌、ネギ紅色根腐病菌、ネギ小菌核病菌、ネギ白絹病菌、ネギ白色疫病菌、ネギ苗立枯病菌、サツマイモ立枯病菌、サツマイモ青かび病菌、サツマイモかいよう病菌、サツマイモ褐色乾腐病菌、サツマイモ菌核病菌、サツマイモ黒あざ病菌、サツマイモ黒斑病菌、サツマイモ小粒菌核病菌、サツマイモ白絹病菌、サツマイモ白腐病菌、サツマイモ白紋羽病菌、サツマイモ炭腐病菌、サツマイモつる割病菌、サツマイモ軟腐病菌、サツマイモ基腐病菌、サツマイモ灰色かび病菌、サツマイモ紫紋羽病菌、ショウガ腐敗病菌、ショウガ根茎腐敗病菌、ショウガ立枯病菌、ショウガ紋枯病菌、ニンジンこぶ病菌、ニンジン根頭がんしゅ病菌、ニンジンストレプトミセスそうか病菌、ニンジン軟腐病菌、ニンジン斑点細菌病菌、ニンジン萎黄病菌、ニンジン褐色根腐病菌、ニンジン乾腐病菌、ニンジン菌核病菌、ニンジン黒すす病菌、ニンジン黒色根腐病菌、ニンジンしみ腐病菌、ニンジン白絹病菌、ニンジンそうか病菌、ニンジン根腐病菌、ニンジン紫紋羽病菌、イネ稲こうじ病菌、イネ疫病菌、イネ株腐病菌、イネ白葉枯病菌、イネ苗立枯細菌病菌、イネもみ枯細菌病菌、イネ疫病菌、イネ褐色菌核病菌、イネ褐色小菌核病菌、イネ褐色紋枯病菌、イネ球状菌核病菌、イネ黒粒菌核病菌、イネ小黒菌核病菌、イネ小球菌核病菌、イネ白絹病菌、イネ赤色菌核病菌、イネ立枯病菌、イネ苗腐病菌、イネ苗立枯病菌、イネ灰色菌核病菌、イネばか苗病菌、イネ葉鞘網斑病菌、イネ紋枯病菌、イネ綿疫病菌、ソラマメ青枯病菌、ソラマメ疫病菌、ソラマメ菌核病菌、ソラマメ茎腐病菌、ソラマメ黒根病菌、ソラマメ白絹病菌、ソラマメ白紋羽病菌、ソラマメ立枯病菌、ソラマメ根腐病菌、ダイズ退緑斑紋ウイルス病菌、ダイズ斑紋病菌、ダイズ葉焼病菌、ダイズ斑点細菌病菌、ダイズ萎凋病菌、ダイズ株枯病菌、ダイズ菌核病菌、ダイズ茎疫病菌、ダイズ黒根病菌、ダイズ黒根腐病菌、ダイズ白絹病菌、ダイズ立枯病菌、ダイズリゾクトニア根腐病菌、オクラ疫病菌、オクラ立枯病菌、オクラ半身萎凋病菌、ホウレンソウモザイクウイルス、ホウレンソウ萎凋病菌、ホウレンソウ疫病菌、ホウレンソウ株腐病菌、ホウレンソウこうがいかび病菌、ホウレンソウ立枯病菌、ホウレンソウバーティシリウム萎凋病菌、ホウレンソウ根腐病菌、バラ根頭がんしゅ病菌、バラ疫病菌、バラ半身萎凋病菌、ホリホック白絹病菌、ブーバルジア苗立枯病菌、ゴデチア立枯病菌、ストック黒腐病菌、ストック萎凋病菌、ストック疫病菌、ストック菌株病菌、ストック立枯病菌、ストック苗腐病菌、ストック苗立枯病菌、ストック半身萎凋病菌、ハボタン萎黄病菌、アシダンセラ心腐病菌、アシダンセラ軟腐病菌、アシダンセラ白絹病菌、アシダンセラボトリチス根茎腐敗病菌、アシダンセラ乾腐病菌、アシダンセラ菌株病菌、アシダンセラ白絹病菌、クロッカス軟腐病菌、クロッカス乾腐病菌、クロッカス球茎硬化病菌、クロッカス球茎腐敗病菌、クロッカス菌核病菌、ヒオウギ白絹病菌、フリージア首腐病菌、フリージア球根腐敗病菌、フリージア菌核病菌、フリージア立枯病菌、アルストロメリア疫病菌、アルストロメリア菌核病菌、アルストロメリア白絹病菌、アルメリア白絹病菌、スターチス青枯病菌、スターチス萎凋細菌病菌、スターチス疫病菌、スターチス株腐病菌、スターチス白絹病菌、グロキシニア疫病菌、セントポーリア疫病菌、イワヒバ白絹病菌、オミナエシ半身萎凋病菌、サクララン軟腐病菌、カンナ茎腐病菌、カンパニュラ菌核病菌、カンパニュラ白絹病菌、カンパニュラ根腐病菌、キキョウ立枯病菌、アスター萎凋病菌、アスター立枯病菌、ガーベラ疫病菌、ガーベラ菌核病菌、ガーベラ白絹病菌、ガーベラ根腐病菌、ガーベラ半身萎凋病菌、ガーベラ斑点細菌病菌、ガザニア菌核病菌、キク青枯病菌、キク根頭がんしゅ病菌、キク軟腐病菌、キク萎凋病菌、キク疫病菌、キク菌核病菌、キク白絹病菌、キク立枯病菌、キク半身萎凋病菌、キク茎枯病菌、キク白紋羽病菌、キンセンカ疫病菌、キンセンカ菌核病菌、キンセンカ半身萎凋病菌、コスモス立枯病菌、コスモス半身萎凋病菌、シオン白絹病菌、ジニア青枯病菌、ジニア軟腐病菌、ジニア斑点細菌病菌、ジニア菌核病菌、ジニア立枯病菌、シネラリア苗立枯病菌、シャスタデージー半身萎凋病菌、シュクコンアスター白絹病菌、シュクコンアスター斑点病菌、ソリダスター白絹病菌、ダリア青枯病菌、ダリア根頭がんしゅ病菌、ダリア軟腐細菌病菌、ダリア菌核病菌、ダリア白絹病菌、ダリア苗立枯病菌、デージー菌核病菌、ハルシャギク青枯病菌、ヒマワリ青枯病菌、ヒマワリ葉枯細菌病菌、ヒマワリ斑点細菌病菌、ヒマワリ菌核病菌、ヒマワリ白絹病菌、ヒマワリ苗立枯病菌、ピレオギク菌核病菌、フジバカマ白絹病菌、ベニバナ軟腐病菌、ベニバナ腐敗病病菌、マーガレット青枯病菌、マーガレット根頭がんしゅ病菌、マーガレット萎凋病菌、マーガレット菌核病菌、マリーゴールド青枯病菌、マリーゴールド株腐病菌、ミヤコワスレ根頭がんしゅ病菌、ミヤコワスレ萎黄病菌、ミヤコワスレ疫病菌、ミヤコワスレ株腐病菌、ミヤコワスレ白絹病菌、ムギワタギク半身萎凋病菌、ヤグルマソウ菌核病菌、ヤグルマソウ白絹病菌、
リアトリス菌核病菌、リアトリス白絹病菌、ルドベキア萎凋病菌、ルドベキア白絹病菌、ルドベキア半身萎凋病菌、アフェランドラ疫病菌、ニチニチソウ萎黄病菌、ニチニチソウ疫病菌、ニチニチソウ菌核病菌、ニチニチソウ苗立枯病菌、アネモネ疫病菌、アネモネ球根腐敗病菌、アネモネ菌核病菌、オダマキ白絹病菌、クレマチス根頭がんしゅ病菌、クレマチス白絹病菌、シャクヤク根頭がんしゅ病菌、シャクヤク疫病菌、シャクヤク菌核病菌、シャクヤク白絹病菌、シャクヤク立枯病菌、シュウメイギク白絹病菌、スハマソウ白絹病菌、デルフィニウム軟腐病菌、デルフィニウム白絹病菌、デルフィニウム立枯病菌、ハナトリカブト半身萎凋病菌、ハナトリカブト斑点病菌、フクジュソウ根腐菌核病菌、ラナンキュラス斑点細菌病、ケシ類萎黄病菌、ケシ類軟化腐敗病菌、ケシ類斑点細菌病菌、ケシ類菌核病菌、ケシ類白紋羽病菌、ケシ類胴枯病菌、ケシ類苗立枯病菌、ハナビシソウ根腐病菌、ペペロミア白絹病菌、ペペロミア腐敗病菌、カルセオラリア苗立枯病菌、キンギョソウ斑点細菌病菌、キンギョソウ疫病菌、キンギョソウ菌核病菌、キンギョソウ茎腐病菌、キンギョソウ小粒菌核病菌、キンギョソウ白絹病菌、キンギョソウ根腐病菌、キンギョソウ半身萎凋病菌、サクラソウ軟腐病菌、サクラソウ班葉細菌病菌、サクラソウ腐敗病菌、サクラソウ苗立枯病菌、サクラソウ斑点病菌、シクラメン軟腐病菌、シクラメン萎凋病菌、シクラメン苗腐病菌、シクラメン苗立枯病菌、カラー軟腐病菌、カラー疫病菌、カラー白絹病菌、カラジウム菌核病菌、カラジウム白絹病菌、フィロデンドン疫病菌、サボテン疫病菌、サボテン茎枯病菌、サボテン茎腐病菌、サボテン腐敗病菌、アジュガ白絹病菌、カクトラノオ白絹病菌、サルビア疫病菌、ベゴニア斑点細菌病菌、ベゴニア茎腐病菌、スイレン斑点腐敗病菌、ポーチュラカ立枯病菌、スミレ類根腐病菌、ホワイトレースフラワー萎黄病菌、ホワイトレースフラワー疫病菌、ホワイトレースフラワー立枯病菌、ムラサキオモト疫病菌、ホウセンカ腐敗病菌、ホウセンカ疫病菌、ホウセンカ白絹病菌、ホウセンカ立枯病菌、ペチュニア菌核病菌、ペチュニア白かび病菌、ホオズキ斑点細菌病菌、ホオズキ白絹病菌、ホオズキ半身萎凋病菌、カーネーション萎凋細菌病菌、カーネーション立枯細菌病菌、カーネーション斑点細菌病菌、カーネーション萎凋病菌、カーネーション疫病菌、カーネーション菌核病菌、カーネーション茎腐病菌、カーネーション首腐病菌、カーネーション白絹病菌、カーネーション立枯病菌、カーネーション根腐病菌、カスミソウ疫病菌、カスミソウ菌核病菌、シュッコンカスミソウ萎凋細菌病菌、シュッコンカスミソウこぶ病菌、シュッコンカスミソウ根頭がんしゅ病菌、シュッコンカスミソウ斑点細菌病菌、シュッコンカスミソウ疫病菌、シュッコンカスミソウ茎腐病菌、シュッコンカスミソウ立枯病菌、シュッコンカスミソウ苗腐病菌、ストレリチア青枯病菌、ストレリチア疫病菌、アマリリス疫病菌、ウケザキクンシラン白絹病菌、スイセン軟腐病菌、スイセン乾腐病菌、スイセン球茎腐敗病菌、スイセン菌核病菌、スイセン白紋羽病菌、ネリネ疫病菌、ネリネ白絹病菌、ハマオモト類白絹病菌、ケイトウ疫病菌、ケイトウ立枯病菌、ケイトウ根腐病菌、ゼラニウム茎腐病菌、ゼラニウム立枯病菌、ゼラニウム斑点病菌、カランコエ疫病菌、スイートピー萎凋病菌、スイートピー菌核病菌、スイートピー半身萎凋病菌、ルピナス萎凋病菌、ルピナス菌核病菌、ルピナス白絹病菌、ルピナス白紋羽病菌、ルピナス立枯病菌、アリウム類疫病菌、アロエ疫病菌、オーニソガルム疫病菌、オモト白紋羽病菌、オリズルラン白絹病菌、ギボウシ類白絹病菌、コルチカム根腐病菌、サンダーソニア白絹病菌、サンダーソニア立枯病菌、ジャノヒゲ白絹病菌、チューリップ黒腐病菌、チューリップ軟腐病菌、チューリップ青かび病菌、チューリップ疫病菌、チューリップ球茎腐敗病菌、チューリップ球根腐敗病菌、チューリップ菌核病菌、チューリップ茎枯病菌、チューリップ白絹病菌、チューリップ白色疫病菌、チューリップ灰色腐敗病菌、チューリップ根腐病菌、チューリップ腐敗病菌、ツルバキア白絹病菌、ドラセナ疫病菌、トリテレイア疫病菌、ニューサイラン白絹病菌、ハラン菌核病菌、ヒアシンス軟腐病菌、ヒアシンス腐敗病菌、ヒアシンス菌核病菌、ヒアシンス白絹病菌、ヒアシンス白色疫病菌、ホトトギス白絹病菌、ユリ類軟腐病菌、ユリ類青かび病菌、ユリ類疫病菌、ユリ類黒腐菌核病菌、ユリ類白絹病菌、ユリ類紫紋羽病菌、ルスカス斑点病菌、アツモリソウ類疫病菌、アツモリソウ類褐色腐敗病菌、オンシジウム軟腐病菌、オンシジウム疫病菌、カトレア褐色腐敗病菌、カトレア褐斑細菌病菌、カトレア疫病菌、カトレア軟腐病菌、カトレア苗黒腐病菌、シンビジウム褐色腐敗病菌、シンビジウム軟腐病菌、シンビジウム疫病菌、シンビジウム褐色葉枯病菌、シンビジウム白絹病菌、シンビジウム苗黒腐病菌、シンビジウム腐敗病菌、デンドロビウム褐色腐敗病菌、デンドロビウム軟腐病菌、デンドロビウム白絹病菌、デンドロビウム苗黒腐病菌、デンドロビウム腐敗病菌、パフィオペディルム褐色腐敗病菌、パフィオペディルム軟腐病菌、バンダ褐色腐敗病菌、バンダ軟腐病菌、バンダ疫病菌、バンダ白絹病菌、ビルステケラ褐色腐敗病菌、ファレノプシス褐色腐敗病菌、ファレノプシス褐斑細菌病菌、ファレノプシス軟腐病菌、ファレノプシス白絹病菌、ファレノプシス株枯病菌、ミルトニア褐色腐敗病菌、エキザカム株枯病菌、トルコギキョウ青枯病菌、トルコギキョウ株腐病菌、トルコギキョウ菌核病菌、トルコギキョウ茎腐病菌、トルコギキョウ立枯病菌、トルコギキョウ根腐病菌、リンドウ斑紋病菌、リンドウ褐色根腐病菌、リンドウ白絹病菌、リンドウ葉腐病菌、リンドウ花腐菌核病菌、リンドウこぶ症の原因ウイルス、ポインセチア根腐病菌、マンゴー根頭がんしゅ病菌、カキ根頭がんしゅ病菌、カキ白紋羽病菌、カキ紫紋羽病菌、カキホモプシス立枯病菌、グミ白紋羽病菌、グミ微粒菌核病菌、イチジク根頭がんしゅ病菌、イチジク疫病菌、イチジク菌核病菌、イチジク白絹病菌、イチジク白紋羽病菌、イチジク軟腐病菌、イチジク紫紋羽病菌、パッションフルーツ疫病菌、パッションフルーツ菌核病菌、パイナップル花樟病菌、パイナップル心腐病菌、パパイア根頭がんしゅ病菌、パパイア苗立枯病菌、パパイア軟腐病菌、アンズ根頭がんしゅ病菌、アンズ白紋羽病菌、アンズ紫紋羽病菌、ウメ根頭がんしゅ病菌、ウメ疫病菌、ウメ菌核病菌、ウメ白紋羽病菌、ウメ紫紋羽病菌、オウトウ根頭がんしゅ病菌、オウトウ菌核病菌、オウトウ白紋羽病菌、オウトウ紫紋羽病菌、カリン白紋羽病菌、キイチゴ根頭がんしゅ病菌、スモモ根頭がんしゅ病菌、スモモ白紋羽病菌、スモモ紫紋羽病菌、セイヨウナシ疫病菌、セイヨウナシ白紋羽病菌、ナシ根頭がんしゅ病菌、ナシ疫病菌、ナシ菌核病菌、ナシ白紋羽病菌、ナシ紫紋羽病菌、ビワ根頭がんしゅ病菌、ビワ疫病菌、ビワ白紋羽病菌、ビワ紫紋羽病菌、マルメロ根頭がんしゅ病菌、モモ根頭がんしゅ病菌、モモ菌核病菌、モモ白紋羽病菌、モモ紫紋羽病菌、リンゴ根頭がんしゅ病菌、リンゴ疫病菌、リンゴ白絹病菌、リンゴ白紋羽病菌、リンゴ紫紋羽病菌、ブドウ根頭がんしゅ病菌、ブドウ白紋羽病菌、ブドウ半身萎凋病菌、ブドウ紫紋羽病菌、クリ根頭がんしゅ病菌、クリ疫病菌、クリ白紋羽病菌、クリ紫紋羽病菌、キウイフルーツ白紋羽病菌、カンキツ根頭がんしゅ病菌、カンキツ菌核病菌、カンキツ白紋羽病菌、カンキツ紫紋羽病菌、カンキツフザリウム立枯病菌などが挙げられる。
【実施例0034】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
〔実施例1〕
Penicillium ochrochloron hvef18菌株の単離
ヘアリーベッチの根と葉から、形態的分類により130種類の共生微生物を分離した。各共生微生物からゲノムDNAを単離精製し、内部転写スペーサー領域(Internal Transcribed Spacer region;ITS領域)をPCRにより増幅し、それらITS領域の塩基配列をユーロフィンジェノミクス株式会社に委託して解析した。得られたITS領域の塩基配列をBLAST解析にかけて共生微生物の帰属を行った結果、Ascomycota 95.5%、Basidiomycota 4.5%とその他に分類された。dominant fungi上位に、Penicillium ochrochloron hvef18株が含まれていた。当初は、本菌がオカラミンを合成することから、Penicillium simplicissimumであると考えていたが、後述するように、全ゲノムを解読した結果、Penicillium simplicissimumではなく、Penicillium ochrochloron に属することが明らかとなり、Penicillium ochrochloron hvef18であると同定した。Penicillium ochrochloron hvef18株のITS領域の塩基配列を配列番号1に示した。
【0036】
〔実施例2〕
Penicillium ochrochloron抽出物の製造1
ヘアリーベッチから主要な共生微生物として単離したPenicillium ochrochloron hvef18を市販のオカラ1kgに接種し7日間培養した。Penicillium ochrochloronの培養培地200gを60℃に調温したアセトンに1時間浸漬させた。その後60℃の温度保持を解除して、1時間放置した。放置後、直径60cmの濾紙で培養培地のアセトン抽出液を濾過して濾液を回収し、Penicillium ochrochloron培養培地の1回目の粗抽出液を得た。
【0037】
生じた残渣を、再度、60℃に調温したアセトンに浸漬させ、上記と同様に処理し抽出を促した。60℃の温度保持を解除して1時間放置し、直径60cmの濾紙で培養培地のアセトンを濾過して濾液を回収し、Penicillium ochrochloron培養培地の2回目の粗抽出液を得た。そして、1回目の粗抽出液と2回目の粗抽出液を合わせたものを、Penicillium ochrochloron培養培地の粗抽出液とした。
【0038】
次に、Penicillium ochrochloron培養培地の粗抽出液の精製を行った。精製用の球状シリカゲル(ワコーゲル(登録商標)50C18、和光純薬工業株式会社製品)を95%エタノールで処理して活性化した後、アルコールを水で洗って置換した。このシリカゲルを漏斗に設置した濾紙上に一面に置き、濾過器具の準備を終了した。シリカゲルの上から、上記のPenicillium ochrochloron培養培地の粗抽出液を流し込み、主な成分として、目的物質であるオカラミン類をシリカゲルに吸着させた。そして、このシリカゲルを水道水で洗浄した後、95%エタノールで吸着物を溶出させ、約700mLのPenicillium ochrochloron培養培地の抽出液を得た。LC-MSを用いて、得られた抽出液に含まれているオカラミン類の濃度を測定したところ、この抽出液には、Penicillium ochrochloron培養培地由来のオカラミン類が約1,500ppm含まれていることが確認された。得られた抽出液を、以下「PSエキス」と記載する。以下の実施例は、この「PSエキス」を希釈し、種々の濃度にして各試験に使用した。
【0039】
Penicillium ochrochloron抽出物の製造2
Penicillium ochrochloronの培養培地1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。そして、翌日に培養培地について、水抽出および溶媒抽出(水10:メタノール9:酢酸1(体積比))で混合したものを500mL使用した。
【0040】
煮沸抽出は、培養培地20gについて、常圧下及び煮沸時間30分の条件で抽出処理を行った。得られた煮沸抽出液及び水抽出液中に含まれるオカラミン類の濃度をLC-MSを用いて測定した。結果を
図1に示す。
図1の各抽出処理に記載された数値は、LC-MS測定において、各抽出液中に含まれるオカラミン類に相当する成分のピーク面積を示している。なお、オカラミンA、B及びCの構造式を
図2に示した。
【0041】
本実施例の結果より、種々の抽出方法によって、Penicillium ochrochloronの培地からオカラミン類を抽出できることが確認され、主成分はオカラミンBであることが明らかとなった。実施例1及び2の結果より、種々の抽出方法によって、Penicillium ochrochloronの培地らオカラミン類を抽出できることが確認された。主成分はオカラミンBである。
【0042】
土壌中のオカラミン量の測定
比較のため、ヘアリーベッチの栽培区の根圏土壌におけるオカラミン量を測定した。結果を
図3に示した。
図3に示すように、ヘアリーベッチ栽培区の根圏土壌からオカラミンが検出された。根圏では平均6.9μg/g-土壌(乾燥土換算)検出された。土壌水分を10~30%とすると、オカラミンBの根圏土壌中の濃度は10~70 ppm(μg/g)である。
【0043】
また、オカラミンBがレタスの生育に及ぼす影響を測定した結果を
図4に示し、オカラミンBがレコマツナの生育に及ぼす影響を測定した結果を
図5に示した。一方、オカラミンBが病原菌(Bacillus pumila)の生育に及ぼす影響を測定した結果を
図6に示し、オカラミンBが病原菌(Pseudomonas turukhanskensis)の生育に及ぼす影響を測定した結果を
図7に示した。これらの結果から、オカラミンBの抗菌活性は2ppmで50%、4ppmで完全阻害することがわかり、この結果から、ヘアリーベッチの根圏(土壌中)では、病原性微生物に対する抗菌活性を十分に示すことが示唆された。また、このオカラミンBのこの濃度範囲では、作物の生育を阻害せずむしろ促進することが明らかになった。
【0044】
〔実施例3〕
圃場におけるPenicillium ochrochloron hvef18株の接種方法
2019年度から、東京農工大学圃場において、ダイズエンレイを栽培し、Penicillium ochrochloron hvef18株の胞子の接種試験を開始した。
【0045】
P. ochrochloron hvef18株は、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)において28℃、静置培養することにより、培養ないし増殖させることができる。P. ochrochloron hvef18株をPDA平板培地(9 cmシャーレ)で10~20日間培養を行い、分生胞子を形成させた。平板培地で増殖させたP. ochrochloron hvef18菌全体(シャーレのふたを取り、増殖した菌一面)に滅菌水を少しずつ注ぎ、菌体表面をブラシで柔らかくこすりながら、胞子をビーカーに集め、分生胞子懸濁液を作った。血球計測盤を用いて約 1.6×105個/mlの胞子濃度となるように滅菌水で分生胞子懸濁液を調製した。シャーレ1枚から約100 mlの胞子懸濁液が得られた。
【0046】
ダイズの栽培は、ヘアリーベッチ栽培後地区(Plot 3, 9, 17)、及びヘアリーベッチを栽培していない地区(Plot 4, 8, 16)について、各Plot (10 m×6 m)毎にP. ochrochloron hvef18株の接種有りの処理区画(2 m×1.2 m)、及び接種無しの区画(2 m×1.2 m)を設置した。
【0047】
ダイズ種子に約1.6×105胞子/mlの胞子懸濁液をまぶして一区画にダイズ15株を播種した。また、播種してから一週間ごとに胞子懸濁液 (1.6×105個/ml)を2 mlずつ、ダイズの根元の土に接種した。
【0048】
抗菌作用の評価
P. ochrochloron hvef18株は、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)において28℃、静置培養することにより、培養ないし増殖させることができる。供試する植物病原菌として、植物病原性糸状菌(ダイズ黒根腐病) Calonectria ilicicola、及び植物病原性糸状菌Phytophthora sojaeを国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センターから取り寄せ、PDA培地にて、28℃で平面培養を行った。平面培養した各病原菌のコロニーを直径6 mmのコルクボーラーで打ち抜き、PDA培地の入った直径90 mmのシャーレの端から10 mmの位置に各病原体を置き、他方の端から10mmの位置にP. ochrochloron hvef18を置いて、28℃で7日間、対峙培養を行った。コントロールとして、病原体のみを置いたものを同様に培養した。各シャーレにおいて病原体が生育している面積(病原体生育面積)を測定し、次の式により病原体生育抑制率(%)を算出した。病原体生育抑制率(%)={(コントロールにおける病原体生育面積-各シャーレにおける病原体生育面積)/コントロールにおける病原体生育面積}×100。
【0049】
その結果、Calonectria ilicicola、Phytophthora sojaeに対する病原体生育抑制率は、それぞれ 約75%であった。
【0050】
〔実施例4〕
生育促進活性の評価1:ハツカダイコン
ハツカダイコンの種子を2種の培養土(クミアイニッピ土壌:以下K-土壌と略す、プロフェッショナルソイル(金井園芸プロフェッショナルソイル:以下P-土壌と略す)を入れたプラスチックポットに播種して栽培した。栽培環境条件は、室内で[16時間明所+8時間暗所]サイクル、温度23℃とした。実施例1で得られたPSエキス(含有オカラミン類濃度:約150ppm)を水で希釈して含有オカラミン類濃度が、20ppm及び0ppm(対照区)になるように調整した各試験区用の試料液をそれぞれ作製し、栽培から10日経過したハツカダイコンの葉部に試料液を滴下した。滴下量は1植物体当り0.5mLとした。すなわち各試験区の1植物体当りに適用されたオカラミン類量は、20ppmの試験区は0.01mgであった。滴下後、当初の栽培環境条件で10日間栽培を続行した。各試験区及び対照区のサンプル数Nは4で行った。
【0051】
K-土壌を使用して接種から10日間経過後のハツカダイコンの葉収量(新鮮重)及び根部収量(新鮮重)を測定した結果を
図8に示し、P-土壌を使用して接種から10日間経過後のハツカダイコンの葉収量(新鮮重)及び根部収量(新鮮重)を測定した結果を
図9に示した。K-土壌の葉の収量は28%増収し、根の収量は27%増収し、それぞれ1%水準、5%水準で有意であった。P-土壌の場合は、葉の収量は46%増収し、根の収量は40%増収し、いずれも1%水準で有意であった。栽培土壌の種類を問わず、葉と根のいずれにおいても対照区より相対的に成長が良好であることが確認された。
【0052】
〔実施例5〕
生育促進活性の評価2:ダイズ
ダイズに対するP. ochrochloron hvef18の接種の効果については、3年にわたり、実施し全ての年度で地上部、根部の生育が促進され種子収量が増加する結果を得た。方法については実施例3に記載した方法に準じた。
【0053】
ダイズ栽培一年目におけるダイズ地上部(乾燥後の重量)を測定した結果を
図10に示した。
図10において、「HV+PS-」はヘアリーベッチを前年に栽培し、P. ochrochloron hvef18を接種していない実験区であり、「HV-PS+」はヘアリーベッチを前年に栽培せず、P. ochrochloron hvef18を接種した実験区であり、「HV-PS-」はヘアリーベッチを前年に栽培せず、P. ochrochloron hvef18を接種していない実験区であり、「HV+PS+」はヘアリーベッチを前年に栽培し、P. ochrochloron hvef18を接種した実験区である。
【0054】
ダイズの地上部の生育については、ヘアリーベッチを前年に栽培した区(HV+PS-)でダイズ地上部の生育は有意に促進される。ヘアリーベッチを栽培していない農地にPSを接種すると(HV-PS+)へアリーベッチを栽培したのと同等の促進効果が見られる。ヘアリーベッチを栽培していない農地にPSを接種すると(HV-PS+)、ヘアリーベッチとPSの接種は両方なしの区(HV-PS-)に対して顕著な促進効果があるが、ヘアリーベッチを栽培し、且つPSを接種した区(HV+PS+)と有意差はない。
【0055】
ダイズ栽培一年目におけるダイズ根部(乾燥後の重量)を測定した結果を
図11に示した。
図11における「HV+PS-」、「HV-PS+」、「HV-PS-」及び「HV+PS+」は
図10と同様である。
【0056】
ダイズ根部の生育については、ヘアリーベッチを前年に栽培した区(HV+PS-)でのダイズ根部の生育促進には有意差がないが、ヘアリーベッチを栽培していない農地にPSを接種した区(HV-PS+)では、根の顕著な生育促進効果が見られた。ヘアリーベッチを栽培した農地にPSを接種した区(HV+PS+)、両方なしの区(HV-PS-)に対して顕著な促進効果があるが、PSの接種のみの区(HV-PS+)と有意差がなく、PSの接種で十分な促進効果が得られていると考えられた。
【0057】
ダイズ栽培二年目におけるダイズ地上部(生物重)を測定した結果を
図12に示し、ダイズ根部(生物重)を測定した結果を
図13に示した。
図12及び13に示すように、ダイズ栽培二年目になると、P. ochrochloron hvef18接種による生育促進効果がより顕著に認められることが判った。
【0058】
〔実施例6〕
生育促進活性の評価3:トマト
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときのトマトに対する生育促進育効果を検討した。トマト果実の収量(新鮮重)とトマト植物体の重量(新鮮重)を測定した結果を
図14に示した。
図14に示すように、トマト果実及び植物体ともに、P. ochrochloron hvef18の接種により増加することが確認できた。特に、P. ochrochloron hvef18の接種により、可食部である果実の新鮮重を62%増加させることができた。
【0059】
〔実施例7〕
生育促進活性の評価4:レタス
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときのレタスに対する生育促進育効果を検討した。レタスの収量(新鮮重)を測定した結果を
図15に示した。
図15に示すように、レタス収量について、P. ochrochloron hvef18の接種により増加することが確認できた。特に、P. ochrochloron hvef18の接種により、可食部である葉の新鮮重を58%増加させることができた。
【0060】
〔実施例8〕
生育促進活性の評価5:コマツナ
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときのコマツナに対する生育促進育効果を検討した。コマツナの収量(葉の新鮮重)を測定した結果を
図16に示した。
図16に示すように、コマツナ収量について、P. ochrochloron hvef18の接種により増加することが確認できた。特に、P. ochrochloron hvef18の接種により、可食部である葉の新鮮重を30%増加させることができた。
【0061】
〔実施例9〕
生育促進活性の評価6:トウモロコシ
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときのトウモロコシに対する生育促進育効果を検討した。トウモロコシの収量(植物体あたりの種実新鮮重)を測定した結果を
図17に示した。
図17に示すように、トウモロコシ収量について、P. ochrochloron hvef18の接種により増加することが確認できた。特に、P. ochrochloron hvef18の接種により、可食部である種実の新鮮重を55%増加させることができた。
【0062】
〔実施例10〕
生育促進活性の評価7:ジャガイモ
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときのジャガイモに対する生育促進育効果を検討した。ジャガイモの収量(収穫個数)を測定した結果を
図18に示した。
図18に示すように、ジャガイモ収量について、P. ochrochloron hvef18の接種により増加することが確認できた。特に、P. ochrochloron hvef18の接種により、可食部である収穫個数を6%増加させることができた。
【0063】
また、ジャガイモの収量(トン/ha)について測定した結果を
図19に示した。
図19に示すように、1ヘクタールあたり、対照区が平均7.8トンであるのに対して、P. ochrochloron hvef18の接種区では8.7トンとなり、12%の収量増加が確認できた。
【0064】
さらに、本実施例では、P. ochrochloron hvef18接種による、ジャガイモの食味に及ぼす影響を検討した。日本食品分析センターの指導の下で、20名のパネラーに対する盲検テストを実施した。評価が良いものをプラスで示してもらうことにした。結果を
図20に示した。なお、パネラーによる評価結果は、P. ochrochloron hvef18未接種で栽培したジャガイモ(対照区)の評価を0としたときのプラスマイナスで示した。
図20に示したように、食感では対照区と接種区に差がなかったが、味、食べたときに鼻で感じる香り、甘味の何れに置いても、危険率5%で接種区のジャガイモが良いとする有意な差が出た。特に香りと甘味では良いとする人が多かった。以上のように、P. ochrochloron hvef18接種により、食味に関して高品質なジャガイモを栽培できることが明らかとなった。
【0065】
〔実施例11〕
生育促進活性の評価8:他の作物
本例では、上述した実施例と同様な方法により、P. ochrochloron hvef18を接種したときの、イネ(陸稲)、コムギ、オオムギ、ライムギ、キュウリ、カボチャ、スイカ、タマネギ等の他に14種の作物に対する生育促進育効果を検討した。これらのうち、代表例としてキュウリとカボチャについて収量を測定した結果を
図21に示した。
図21に示すように、キュウリは55%の収量増加、カボチャは44%の収量増加といった優れた結果が得られた。また、キュウリとカボチャ以外の作物についても、収量増加といった優れた結果が得られた。
【0066】
〔実施例12〕
本実施例では、P. ochrochloron hvef18株の接種による害虫への影響を検討した。具体的には、ダイズの葉にP. ochrochloron hvef18株を接種した区と非接種の区とで害虫による食害率を比較した。また、コマツナの葉にP. ochrochloron hvef18株を接種した区と非接種の区とで、虫害(穴の数)を定量的に評価した。ダイズの葉における食害率を比較した結果を
図22に示し、コマツナの葉における虫害を比較した結果を
図23に示した。
【0067】
図22及び23に示すように、P. ochrochloron hvef18株の接種により、作物の葉に対する虫害を防除できることが明らかとなった。なお、データを示していないが、同様な耐虫性については、ダイズ、コマツナ、レタス等で観察することができた。
【0068】
〔実施例13〕
本実施例では、P. ochrochloron hvef18株の接種による根圏や根表面におけるペニシリウム属微生物への影響を検討した。具体的には、P. ochrochloron hvef18株を接種した区で栽培したダイズの根圏及び根表面におけるペニシリウム属微生物をメタゲノム解析により確認し、非接種の区と比較した。結果を
図24に示した。
図24に示すように、P. ochrochloron hvef18株の接種によって、ダイズの根圏や根表面におけるペニシリウム属微生物が増加することが明らかとなった。
【0069】
〔実施例14〕
本実施例では、P. ochrochloron hvef18株の接種による乾燥ストレスに対する耐性の向上効果を検討した。具体的には、先ず6月1日に播種したキュウリを四週間(6月29日まで)、通常条件で栽培した。その後、7月6日まで断水した(一週間の断水)。その後、再度潅水して回復状態を目視により確認した。その結果を
図25に示した。
図25に示すように、P. ochrochloron hvef18株を接種した区では、一週間の断水後に再度潅水することで完全に回復することができた。この結果から、P. ochrochloron hvef18株を接種することで、作物に対して乾燥ストレス耐性を付与できることが明らかとなった。
【0070】
例えば、作物としてトマトに対して乾燥ストレス耐性を向上させることにより、トマト栽培における水の消費量を減らすことができる。トマトでは節水栽培をすることで糖度が上昇し美味しいトマト果実が生産できることが知られているが、節水栽培技術には経験が必要で枯死させることも多い。本菌の施用で容易に節水栽培をさせて糖度を向上させることが可能となる。
【0071】
〔実施例15〕
本実施例では、P. ochrochloron hvef18株を接種したダイズについてRNA-seq解析により、全転写産物の発現量を網羅的に測定した。その結果、
図26に示すように、植物の免疫応答に関与するホルモンであるサリチル酸、ジャスモン酸、エチレン、アブシジン酸に関与する遺伝子の発現が促進されていることが明らかとなった。この結果から、上述した実施例で実証したP. ochrochloron hvef18株の接種による植物の生育促進効果が、これら免疫応答関連遺伝子の発現誘導が要因の一つであることが明らかとなった。
【0072】
〔実施例16〕
本実施例では、P. ochrochloron hvef18株を接種したトマトについてRNA-seq解析により、全転写産物の発現量を網羅的に測定した。その結果、
図27に示すように、二次細胞壁生合成遺伝子の発現が抑制されていることが明らかとなった。二次細胞壁生合成遺伝子の発現が抑制されていることから、P. ochrochloron hvef18株を接種することによって二次細胞壁合成ステージが遅延していることが推察される。言い換えると、P. ochrochloron hvef18株を接種することによって、一次細胞壁合成ステージが延長し、細胞壁全体の機械強度が減少する(細胞がゆるむ)ことで伸長成長が促進されると考えられる。このようなメカニズムは菌根菌では報告(Gutjahr et al., PNAS May 26, 2015 112 (21) 6754-6759;)されているが、これが世界で2例目の発見であると考えられる。この結果から、上述した実施例で実証したP. ochrochloron hvef18株の接種による植物の生育促進効果が、これら二次細胞壁生合成遺伝子の発現抑制が要因の一つであることが明らかとなった。