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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029861
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】冷凍システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
F25B1/00 304H
F25B1/00 396D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132290
(22)【出願日】2022-08-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SIMULINK
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木村 健
(72)【発明者】
【氏名】宮林 裕香
(72)【発明者】
【氏名】服部 一裕
(72)【発明者】
【氏名】山本 透
(72)【発明者】
【氏名】脇谷 伸
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 謙伍
(57)【要約】
【課題】冷凍装置の健全性を確保しつつ、安定した連続運転を実現できる冷凍システムを提供する。
【解決手段】冷凍システムFSは、冷凍装置1、および制御装置2を有する。冷凍装置1は、冷媒が配管を通じて一巡するように順に連結された蒸発器40、圧縮機10、凝縮器20、および膨張弁30を有する。制御装置2は、膨張弁30の開度を操作量とし、圧縮機10が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、過熱度が一定となるようにI-PD制御またはI-P制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が配管を通じて一巡するように順に連結された蒸発器、圧縮機、凝縮器、および膨張弁を有する冷凍装置と、
前記膨張弁の開度を操作量とし、前記圧縮機が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、前記過熱度が一定となるようにI-PD制御またはI-P制御する制御装置と、を有する、冷凍システム。
【請求項2】
前記冷凍装置の冷凍サイクルは、CO直膨サイクルであり、
前記膨張弁は、
冷凍機側に設けられる第1膨張弁と
負荷側に設けられる第2膨張弁と、を有し、
前記制御装置は、前記第2膨張弁の開度を操作量とする、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
ストラクチャード・テキストによって記述されたI-PD制御則またはI-P制御則を記憶する記憶部と、
前記I-PD制御則またはI-P制御則を実行する演算部と、を有する、請求項1または2に記載の冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷凍システムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本政府による2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みの発表を受けて、産業界においては、フロン排出抑制が喫緊の課題となっている。今後、冷凍システムにおいては、自然冷媒や、低GWP(Global-Warming Potential)冷媒への転換を進め、これらの冷媒に対応し、かつ性能の良い冷凍システムの開発が求められる。
【0003】
従来、冷凍装置、冷熱利用装置等における温度制御や各種調整弁の開度制御には、一般的な制御手法であるPID制御(フィードバック制御)が使用される。冷凍装置は、冷媒が配管を通じて一巡するように順に連結された蒸発器、圧縮機、凝縮器、および膨張弁を有する冷媒循環システムであり、冷媒が状態(液体、気体)を変化させながら配管を通じて循環システムを循環する冷凍サイクルが形成される。例えば、このような冷凍装置において、膨張弁の開度等を操作量とし、過熱度を制御量としてPID制御が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍サイクルは、1つの操作量の変化により冷媒循環システム系内の複数の状態量が変化する強い干渉系を有する。このため、操作量が急激に変化すると、複数の制御量が相互に干渉し、冷媒循環システム系内が不安定になり、制御量(または状態量)のオーバーシュートが発生する可能性がある。例えば、冷媒循環システム系内が不安定になり、過熱度が目標値以下にオーバーシュートした場合、冷媒が液もしくは液滴の状態で圧縮機へ流入する液バックや、液圧縮等が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷凍装置の健全性を確保しつつ、安定した連続運転を実現できる冷凍システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
冷凍システムは、冷凍装置、および制御装置を有する。冷凍装置は、冷媒が配管を通じて一巡するように順に連結された蒸発器、圧縮機、凝縮器(超臨界領域ではガスクーラとして作動する)、および膨張弁を有する。制御装置は、前記膨張弁の開度を操作量とし、前記圧縮機が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、前記過熱度が一定となるようにI-PD制御またはI-P制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、膨張弁の開度を操作量とし、圧縮機が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、過熱度が一定となるようにI-PD制御するので、冷凍装置の健全性を確保しつつ、安定した連続運転を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る冷凍システムの構成を例示するブロック図である。
図2図1の冷凍装置を示す系統図である。
図3図1の制御装置の概略構成を例示するブロック図である。
図4】I-PD制御則を使用した場合の測定例を示すグラフである。
図5】PID制御則を使用した場合の測定例(比較例)を示すグラフである。
図6】第2の実施形態に係る冷凍システムモデルを表示するシミュレーターの画面を例示する模式図である。
図7図6に示す冷凍装置モデルの冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)を例示する図である。
図8A】CO直膨サイクルにおける高段圧縮機の要素モデルを例示する模式図である。
図8B】圧縮機における流量特性(質量流量と差圧との関係)を例示するグラフである。
図9A】CO直膨サイクルにおける膨張弁の要素モデルを例示する模式図である。
図9B】膨張弁、高段膨張弁、およびガスインジェクション弁のCv値を例示する図である。
図10】デスーパーヒーターについて、要素モデルの計算値と試験装置による実験値との比較結果を例示するグラフである。
図11】凝縮器について、要素モデルの計算値と試験装置による実験値との比較結果を例示するグラフである。
図12】制御装置モデルの設定項目インタフェースを例示する模式図である。
図13A】CO直膨サイクルの制御装置(実機のPLC)と制御装置モデルとについて、実験データの入力に対する操作量の出力結果の比較を例示する概念図である。
図13B】制御装置および制御装置モデルに入力する実験データを例示するグラフである。
図14】ブラインヒーターの操作量(実験値および計算値)の比較を例示するグラフである。
図15】三方弁の操作量(実験値および計算値)の比較を例示するグラフである。
図16図7に示す冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)をI-PD制御則を使用して制御した場合のシミュレーション結果の例を示すグラフである。
図17図7に示す冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)にPID制御則を使用して制御した場合のシミュレーション結果の例(比較例)を示すグラフである。
図18】第3の実施形態における冷凍システムの構成を例示するブロック図である。
図19】スマートMBDによる冷凍システムの開発を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
<冷凍システム>
図1は、第1の実施形態に係る冷凍システムの構成を例示するブロック図である。冷凍システムFSは、冷凍装置1、および制御装置2を有する。端末装置3は、例えば、パーソナルコンピューターであり、制御装置2に接続されている。
【0012】
<冷凍装置1>
図2は、図1の冷凍装置1を示す系統図である。冷凍装置1は、例えば、二酸化炭素(CO)を冷媒とする直接膨張冷却方式(CO直膨サイクル)の冷凍装置であり、圧縮機10と、凝縮器20と、膨張弁30と、蒸発器40と、液ガス熱交換器50と、デスーパーヒーター60と、オイルレシーバー70と、フラッシュタンク80と、を有する。
【0013】
[圧縮機10]
圧縮機10は、吸入した冷媒ガスを圧縮し、圧縮されて高温高圧になった冷媒ガスを吐出する。圧縮機10は2段圧縮器であって、低段圧縮機11と、高段圧縮機12と、を有する。低段圧縮機11および高段圧縮機12の間には、デスーパーヒーター60が配置されている。
【0014】
[凝縮器20]
凝縮器20は、圧縮機10から吐出された高温高圧の冷媒ガスと外部空気との熱交換を実施し、冷媒ガスを等圧放熱させ、低温高圧の冷媒液として流出させる。高段圧縮機12および凝縮器20の間には、オイルレシーバー70が配置されている。凝縮器20は、超臨界領域ではガスクーラとして作動する。
【0015】
[膨張弁30]
膨張弁30は、凝縮器20から流出した冷媒液を膨張させて、減圧させる。膨張弁30は2段膨張弁であって、第1膨張弁31と、第2膨張弁32と、を有する。第1膨張弁31および第2膨張弁32の間には、フラッシュタンク80が配置されている。第2膨張弁32の開度を適宜変更することによって、低段圧縮機11の過熱度または蒸発器40出口冷媒の過熱度が制御される。
【0016】
[蒸発器40]
蒸発器40は、第2膨張弁32によって膨張された冷媒液を蒸発させてガス化し、冷媒ガスを圧縮機10に吸入させる。
【0017】
[液ガス熱交換器50]
液ガス熱交換器50は、フラッシュタンク80および第2膨張弁32間を通過する冷媒液、ならびに蒸発器40および低段圧縮機11間を通過する冷媒ガスの間で熱交換が行われる。このように液ガス熱交換器50が設けられることによって、低段圧縮機11に冷媒液が流入することを防止するとともに、第2膨張弁32に冷媒ガスが流入することを防止することができる。
【0018】
[デスーパーヒーター60]
デスーパーヒーター60は、低段圧縮機11から流出した冷媒ガスを一旦冷却する。このように低段圧縮機11から流出した冷媒ガスを一旦冷却することによって、高段圧縮機12における吐出温度の上昇を抑制させることができる。
【0019】
[オイルレシーバー70]
オイルレシーバー70は、冷凍機油を回収し、低段圧縮機11および高段圧縮機12に戻す。
【0020】
[フラッシュタンク80]
フラッシュタンク80は、第1膨張弁31から出てきた冷媒ガスおよび冷媒液を分離する。フラッシュタンク80のガスが貯蔵される上部81は、第1ラインL1によって、高段圧縮機12と連結される。第1ラインL1には、フラッシュガスバイパス弁83が配置される。
【0021】
フラッシュタンク80の液が貯蔵される下部82は、第2ラインL2によって、高段圧縮機12と連結される。第2ラインL2には、液インジェクション弁84が配置される。
【0022】
フラッシュタンク80から、高段圧縮機12に供給されるガスおよび液は、例えば0℃と低温であるため、低段圧縮機11から流出した冷媒ガスを一旦冷却する。このように低段圧縮機11から流出した冷媒ガスを一旦冷却することによって、高段圧縮機12における吐出温度の上昇を抑制させることができる。
【0023】
蒸発器40において、冷熱を受け取ったブラインは、模擬負荷としてのブラインタンク100に供給される。冷凍装置1は、蒸発器40からブラインタンク100に向かう往路ラインL3から分岐して三方弁V1に向かう分岐ラインL4を有する。
【0024】
ブラインタンク100から蒸発器40に向かう往路ラインL5には、三方弁V1、ポンプP、およびブラインヒーター110が配置される。
【0025】
三方弁V1を調整して、蒸発器40からブラインタンク100に流れる低温のブラインを、分岐ラインL4を介して、ブラインヒーター110に多く送ることによって、ブラインヒーター110を早期に冷却することができる。
【0026】
ポンプPは、ブラインを循環させるために設けられる。
【0027】
ブラインヒーター110は、実際の冷凍庫における負荷分と同等の温熱をブラインに供給する。
【0028】
<制御装置2>
図3は、図1に示す制御装置2の概略構成を例示するブロック図である。制御装置2は、冷凍装置1を制御する。制御装置2は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)であり、入力部21、記憶部22、演算部23、出力部24、および電源部25を有する。
【0029】
[入力部21]
入力部21は、設定パネルSP(図12を参照)、入力インタフェース(不図示)等を有する。設定パネルSPは、ユーザー入力を受け付けるタッチパネルおよびスイッチを有する。また、入力インタフェースは、外部の端末装置3に接続され、各種データを受信する。制御パラメーターは、例えば、制御切り替え(PID/I-PD)、設定値(目標値)、手動操作量、サンプリング周期Ts、比例定数Kp、積分定数TI、微分定数TD、操作量下限(MVL)、操作量上限(MVH)等を含む。
【0030】
上述したように、冷凍サイクルは、1つの操作量の変化により冷媒循環システム系内の複数の状態量が変化する強い干渉系を有する。このように強い干渉系を有する冷凍サイクルを制御するPLCにPID制御則を実装した場合、目標値を設定する時における操作量の急激な変化によって冷媒循環システム系が不安定な状態になる可能性がある。冷媒循環システム系が不安定な状態になると、例えば、過熱度が目標値以下にオーバーシュートし、低段圧縮機11への液バックや液圧縮等が生じるおそれがある。
【0031】
したがって、冷媒循環システム系が不安定な状態にならないように、冷凍サイクルの運転を制御することによって低段圧縮機11への負荷を低減し、安定した連続運転を実現することが求められる。そこで、本実施形態では、PID制御則の代わりに、I-PD制御則(比例微分先行型PID制御則)をPLCに実装する。I-PD制御則においては、制御偏差の大きな変化に対して、急激な操作量の変化を伴わず、穏やかに操作量を出力することにより、オーバーシュートを抑制しながら目標値へ追従させることができる。
【0032】
しかし、従来のPLCにはPID制御則の制御パラメーターを設定する機能はあるが、I-PD制御則の制御パラメーターを設定する機能はないので、PLCの機能を使用するだけではI-PD制御則を実装することができない。そこで、本実施形態では、I-PD制御則をST言語(ストラクチャード・テキスト)のプログラムで記述し、PLCに入力するように構成した。ユーザーは、端末装置3を使用してI-PD制御則をST言語のプログラムで記述し、制御装置2に入力する。入力部21は、入力されたST言語のプログラムを受け付け、記憶部22へ出力する。記憶部22は、ST言語のプログラムを記憶する。
【0033】
I-PD制御則は、例えば、下記の数式(1)および(2)のように表される。
【0034】
【数1】
【0035】
また、離散化されたI-PD制御則は、例えば、下記の数式(3)および(4)のように表される。
【0036】
【数2】
【0037】
さらに、I-PD制御則をPLCに実装するため、I-PD制御則を差分形式に書き直すと、正動作は下記の数式(5)~(8)のように表され、逆動作は下記の数式(9)~(12)のように表される。ユーザーは、これらの数式(5)~(12)に基づいて、ST言語を使用してI-PD制御則を記述し、端末装置3から制御装置2にプログラムを入力する。
【0038】
【数3】
【0039】
PID制御則では、制御偏差が比例ゲイン、積分ゲインにかかり、操作量の演算値に大きく影響するのに対して、I-PD制御則では、積分ゲインにのみにかかる構造となるため、操作量の出力がなだらかになる。そのため、I-PD制御則の導入により目標値を設定する時における操作量の急峻な変動を抑制することにより、オーバーシュートの抑制が可能になる。
【0040】
なお、上述の例では、I-PD制御則を使用する場合について説明したが、微分項Dを省略したI-P制御則を使用した場合も同様に、目標値を設定する時における操作量の急峻な変動を抑制することにより、オーバーシュートの抑制が可能になる。また、I-PD制御則、I-P制御則、およびPID制御則を必要に応じて切り替えられるように構成してもよい。
【0041】
また、入力部21は、冷凍装置1における冷媒循環システム系内の各部に設置された複数のセンサーから検出信号を取得し、記憶部22に検出データとして出力する。入力部21は、AD(Analog to Digital)コンバーターを有し、検出信号がアナログ信号である場合は、ADコンバーターによりアナログ信号をディジタル信号に変換し、検出データとして記憶部22に出力する。
【0042】
[記憶部22]
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および補助記憶部を有する。RAMは、揮発性メモリーであり、入力部21において取得した検出データ、演算部23によって実行される各種のプログラム、演算部23による演算結果等を一時的に記憶する。ROMは、不揮発性メモリーであり、各種パラメーター、プログラム等を記憶する。
【0043】
補助記憶部は、例えばSSD(Solid State Drive)等を備え、演算部23が実行する各種のプログラムを記憶している。本実施形態では、ユーザーにより作成されたI-PD制御則のプログラムが補助記憶部に記憶される。
【0044】
[演算部23]
演算部23は、CPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部22に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、数値演算、論理演算、および条件判断等の各種の演算処理を行い、演算結果を出力部24へ出力する。
【0045】
本実施形態では、CPUは、補助記憶部に記憶されているI-PD制御則のプログラムをRAMに展開して実行可能コードに変換し実行することにより、冷凍装置1における制御対象に入力する操作量を算出し、出力部24に出力する。
【0046】
本実施形態では、CPUは、CO直膨サイクルにおける第2膨張弁32を制御対象としてI-PD制御する。第2膨張弁32の開度は、低段圧縮機11の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度の挙動に影響する。CPUは、負荷変動によって変動する過熱度を安定して制御するため、第2膨張弁32の開度を操作量とし、低段圧縮機11が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、過熱度が一定となるようにI-PD制御する。
【0047】
[出力部24]
出力部24は、設定パネルSPのタッチパネルに重畳して配置され、制御ボタン、制御パラメーター、演算部23による演算結果、各種メッセージ等を表示するディスプレイを有する。また、出力部24は、出力インタフェースを有し、当該出力インタフェースを通じて、演算部23によって算出されたI-PD制御の操作量を冷凍装置1における制御対象に伝達する。
【0048】
出力部24は、冷凍装置1における複数の制御対象に接続できるようになっており、制御対象に合わせた出力形式で演算結果(操作量)を出力する。本実施形態では、出力部24は、I-PD制御の操作量を冷凍装置1における第2膨張弁32に伝達し、操作量に応じて第2膨張弁32の開度を調整する。
【0049】
[電源部25]
電源部25は、制御装置2の各部に電源を供給する。
【0050】
<測定例>
図4はI-PD制御則を使用した場合の測定例を示すグラフであり、図5はPID制御則を使用した場合の測定例(比較例)を示すグラフである。図4および図5において、横軸は時間[s]であり、縦軸は操作量および制御量である。
【0051】
図4に示すように、I-PD制御則を使用した場合は、目標値を設定する時の操作量(第2膨張弁32の開度)の急激な変化が抑制されたため、制御量(過熱度)のオーバーシュートも抑制された。一方、図5(比較例)に示すように、PID制御則を使用した場合は、目標値を設定する時の操作量の急激な変化により、制御量のオーバーシュートが発生した(図中における破線領域に該当)。
【0052】
このように、PID制御則からI-PD制御則に変更することにより、制御量のオーバーシュートを大幅に抑制できることを確認した。
【0053】
<効果>
以上で説明した第1の実施形態によれば、下記の効果を奏する。
【0054】
第2膨張弁32の開度を操作量とし、低段圧縮機11が吸入する冷媒の過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度を制御量として、過熱度が一定となるようにI-PD制御またはI-P制御するので、冷凍装置1の健全性を確保しつつ、安定した連続運転を実現できる。
【0055】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、実機の冷凍装置1および制御装置2を使用して冷凍システムFSを構成し、制御動作を評価する場合について説明したが、第2の実施形態では、冷凍装置1および制御装置2のシミュレーションモデル(以下、シミュレーションモデルを単に「モデル」ともいう)を使用して冷凍システムを構成し、制御動作を評価する場合について説明する。
【0056】
通常、冷凍システムの開発においては、システム構成や熱負荷、作動冷媒等、様々な要因の影響が大きいため、冷凍システムの性能の評価は、試作機を製作して試運転することにより行う。しかし、例えば、試作機の性能の評価結果が思わしくなかった場合は、設計仕様を変更する必要があるが、その際に大きな手戻りが生じ、開発の時間とコストが大幅に増加するといった課題があった。
【0057】
そこで、本発明者らは、冷凍システムの開発にモデルベースデザイン(MBD:Model-based Design)を導入し、冷凍装置の試作機を製作する前に冷凍装置の動作や性能について詳細に検証した。より具体的には、MILS(Model In the Loop Simulation)の手法により、制御装置を表すモデルと、冷凍装置を表すモデルとを、コンピューター上で動作するシミュレーター(シミュレーションソフト)上において接続して閉ループ系を構成し、その動作をシミュレーションして性能の評価を行った。これにより、試作機の製作と、製作後における試作機の動作検証とを省略することができた。
【0058】
MathWorks社製のSimulinkおよびMATLAB(登録商標)を使用して冷凍システムモデルのシミュレーションを行った。Simulinkは、MBDのためのブロック線図シミュレーターであり、MATLABは、数値解析ソフトウェアである。
【0059】
図6は、第2の実施形態に係る冷凍システムモデルを表示するシミュレーターの画面を例示する模式図である。冷凍システムモデルFSMは、冷凍装置モデル4および制御装置モデル5を含む。すなわち、本実施形態では、制御装置の機能(運転制御機能)と、冷凍装置(試験装置)の機能とが抽出され、シミュレーションモデル(それぞれ冷凍装置モデル4および制御装置モデル5)中に実装されている。運転制御機能には、例えば、運転開始/停止の指令、警報信号発信等が含まれる。また、冷凍装置の機能には、冷凍装置の各々の構成要素(例えば、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁等)の機能が含まれる。
【0060】
<冷凍装置モデル4>
本実施形態では、模擬冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)、およびCO直膨サイクルのモデル化について説明する。
【0061】
[ホットガスバイパスサイクル]
まず、ホットガスバイパスサイクルを使用した冷凍装置モデルについて説明する。図7は、図6に示す冷凍装置モデルの冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)を例示する図である。
【0062】
冷凍装置モデル4は、ホットガスバイパスサイクルの要素モデルとして、圧縮機210と、熱交換器としての凝縮器220と、給液弁としての膨張弁230と、液ガス混合器としての蒸発器240と、受液器250と、アキュムレーター260と、を有する。
【0063】
圧縮機210は、吸入した冷媒ガスを圧縮し、圧縮されて高温高圧になった冷媒ガスを吐出する。
【0064】
凝縮器220は、圧縮機10から吐出された高温高圧の冷媒ガスと外部空気との熱交換を実施し、冷媒ガスを凝縮させ、低温高圧の冷媒液として流出させる。
【0065】
膨張弁230は、凝縮器220から流出した冷媒液を膨張させて、減圧させる。凝縮器220および膨張弁230の間には、受液器250が配置される。
【0066】
蒸発器240は、膨張弁230によって膨張された冷媒液を蒸発させてガス化し、冷媒ガスを圧縮機10に吸入させる。
【0067】
受液器250は、凝縮器220および膨張弁230の間に設けられる。受液器250は、負荷変動による蒸発器240内の冷媒量の変動を吸収するために設けられている。
【0068】
アキュムレーター260は、蒸発器240および圧縮機210の間に設けられる。アキュムレーター260は、蒸発器240から圧縮機210に向かう冷媒ガスから液成分を除去するために設けられる。
【0069】
第2実施形態に係る冷凍装置モデル4は、圧縮機210から凝縮器220に向かうラインL6から分岐する分岐ラインL7を有する。分岐ラインL7は、圧縮機210および三方弁V2を連結する。分岐ラインL7には、ホットガスバイパス弁211が配置される。圧縮機210において高温高圧にされた冷媒ガスは、分岐ラインL7を介して三方弁V2に送られる。三方弁V2において、膨張弁230によって膨張された冷媒液および高温低圧の冷媒ガスが混合して、蒸発器240に送られる。
【0070】
冷凍装置モデル4は、受液器250の液相から、圧縮機210に向かうラインL8をさらに有する。受液器250の液相からラインL8を介して、低温の冷媒液が圧縮機210に供給されることによって、圧縮機210内の温度を低下させる。ラインL8には、液インジェクション弁212が配置される。
【0071】
第2実施形態に係る冷凍装置モデル4において、圧縮機210の回転数、ホットガスバイパス弁211の開度、膨張弁230の開度、および液インジェクション弁212の開度を適宜変更することによって、冷媒の循環量、圧縮機210の吸入圧力、圧縮機210の吸入冷媒過熱度または蒸発器出口冷媒の過熱度、圧縮機210の吐出温度、および圧縮機210の吐出圧力がそれぞれ制御される。
【0072】
[CO直膨サイクル]
続いて、CO直膨サイクルを使用した冷凍装置モデルについて説明する。冷凍装置モデル4は、第1の実施形態の図2における圧縮機10、凝縮器20、膨張弁30、蒸発器40、液ガス熱交換器50、デスーパーヒーター60、オイルレシーバー70、およびフラッシュタンク80の各構成に対応する要素モデルを有する。CO直膨サイクルの各構成の詳細については、第1の実施形態において説明したので説明を省略する。
【0073】
図8AはCO直膨サイクルにおける高段圧縮機12の要素モデルを例示する模式図であり、図8Bは圧縮機10における流量特性(質量流量と差圧との関係)を例示するグラフである。図8Bにおいて横軸は質量流量[kg/s]であり、縦軸は差圧Δp[MPa]である。
【0074】
本実施形態では、流量特性から圧縮機10をモデル化する場合について説明する。図8Aには、Simlinkによる高段圧縮機12のブロック線図が例示されている。また、図8Bに示すように、高段圧縮機12および低段圧縮機11について流量特性が得られている。
【0075】
【数4】
【0076】
図9AはCO直膨サイクルにおける膨張弁30の要素モデルを例示する模式図であり、図9Bは膨張弁30、第1膨張弁31、およびガスインジェクション弁のCv値を例示する図である。
【0077】
本実施形態では、Cv値から膨張弁30、およびガスインジェクション弁をモデル化した。図9Aには、Simlinkによる膨張弁30のブロック線図が例示されている。図9Bに示すように、膨張弁30、第1膨張弁31、およびガスインジェクション弁について、最小開度、最大開度、50%開度、および50%開度時のCv値が例示されている。
【0078】
【数5】
【0079】
本発明者らは、冷凍装置モデル4と比較検証を行うための試験装置を開発し、CO直膨サイクルのデスーパーヒーター60および凝縮器20の要素モデルについて、モデル計算値と試験装置による実験値との比較を実施した。試験装置においては、模擬負荷(ブライン)を使用している。試験装置によりモデルの再現性、および制御手法の検証を行うことができる。
【0080】
図10は、デスーパーヒーター60について、要素モデルの計算値と試験装置による実験値との比較結果を例示するグラフである。同図において、横軸は実験値[kW]であり、縦軸は計算値[kW]である。また、図11は、凝縮器20について、要素モデルの計算値と試験装置による実験値との比較結果を例示するグラフである。同図において、横軸は実験値[kW]であり、縦軸は計算値[kW]である。
【0081】
図10に示すように、デスーパーヒーター60について、試験装置による実験値は、要素モデルの計算値に対して、実験値=計算値の直線から±40%の範囲内に収まっていることが確認できた。
【0082】
また、図11に示すように、凝縮器20について、試験装置による実験値は、要素モデルの計算値に対して、実験値=計算値の直線から±20%の範囲内に収まっていることが確認できた。
【0083】
また、要素モデルはライブラリ化・モジュール化することにより、冷凍装置モデル4以外の冷凍装置にも再利用可能である。これにより、他の冷凍装置を開発する際に要素モデルを一から作り直す手間を省くことができる。
【0084】
<制御装置モデル5>
制御装置モデル5における各種制御対象の操作量および制御量について説明する。操作量と制御量との関係は、例えば、下記の表1のとおりである。
【0085】
【表1】
【0086】
図12は、制御装置モデル5の設定項目インタフェースを例示する模式図である。また、図13Aは、CO直膨サイクルの制御装置2(実機のPLC)と制御装置モデル5とについて、実験データの入力に対する操作量の出力結果の比較を例示する概念図である。図13Bは、制御装置2および制御装置モデル5に入力する実験データを例示するグラフである。図13Bにおいて横軸は時間[s]であり、縦軸は制御量y(ブライン温度)であるまた、図14はブラインヒーターの操作量(実験値および計算値)の比較を例示するグラフであり、図15は三方弁の操作量(実験値および計算値)の比較を例示するグラフである。図14において横軸は時間[s]であり、縦軸は無次元化した操作量uHである。また、図15において横軸は時間[s]であり、縦軸は無次元化した操作量uVである。
【0087】
図12に示すように、本実施形態では、制御装置モデル5の設定項目を、第1の実施形態における制御装置2の設定パネルSPの設定項目と同じにした。本実施形態では、ユーザーは、制御装置モデル5の設定項目インタフェース上において制御パラメーターを容易に入力、または変更できる。
【0088】
図13Aに示すように、制御装置2、および制御装置モデル5に実験データを入力し、制御装置2の出力結果(操作量の実験値)と、制御装置モデル5の出力結果(操作量の計算値)とを比較した。図13Bに示すように、実験データは、目標値をステップ状に変化させたときの蒸発器入口の温度の時系列データとした。
【0089】
図14に示すように、ブラインヒーターの操作量は、実験および計算について概ね一致した。また、図15に示すように、三方弁の操作量も、実験および計算について概ね一致した。
【0090】
このように、ブラインヒーターおよび三方弁について、操作量の実験値と計算値とがほぼ一致することを確認できた。同様に、他の制御対象についても操作量の実験値と計算値とがほぼ一致することを確認している。これにより、制御装置2(実機のPLC)と同等の機能を有する制御装置モデル5のI-PD制御アルゴリズムを構築できた。
【0091】
<シミュレーション結果の例>
図16は、図7に示す冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)をI-PD制御則を使用して制御した場合のシミュレーション結果の例を示すグラフであり、図17図7に示す冷凍サイクル(ホットガスバイパスサイクル)にPID制御則を使用して制御した場合のシミュレーション結果の例(比較例)を示すグラフである。図16および図17において、横軸は時間[s]であり、縦軸は無次元化した制御量および操作量である。
【0092】
図16に示すように、I-PD制御則を使用して制御した場合のシミュレーションでは、制御量のオーバーシュートが抑制された。一方、図17(比較例)に示すように、PID制御則を使用した場合は、制御量の著しいオーバーシュートが発生した(図中における破線領域に該当)。また、操作量の飽和が発生した(図中における一点鎖線領域に該当)。
【0093】
このように、PID制御則からI-PD制御則に変更することにより、制御量のオーバーシュートを大幅に抑制できることを確認した。
【0094】
<効果>
以上で説明した第2の実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、下記の効果を奏する。
【0095】
冷凍システムの開発において、冷凍システムの試作機を製作する前に冷凍システムモデルFSMを使用してシミュレーションすることにより、冷凍システムの動作や性能について詳細に検証できる。したがって、試作機の製作、および試作機の動作や性能の検証を省略することも可能である。
【0096】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、冷凍装置および制御装置のモデルを使用して冷凍システムを構成し、制御動作を評価する場合について説明した。第3の実施形態では、制御装置については実機を使用し、冷凍装置についてはモデルを使用して冷凍システムを構成し、冷凍システムの制御動作を評価する場合について説明する。
【0097】
図18は、第3の実施形態における冷凍システムモデルの構成を例示するブロック図である。本実施形態では、実機の制御装置2(第1の実施形態の制御装置2と同じ)と、HILシミュレーター6(Speedgoat社製)とを使用して、HILS(Hardware In the Loop Simulation)環境を構築し、冷凍システムモデルFSHの動作シミュレーション、および性能評価を行った。端末装置3は、例えば、パーソナルコンピューターであり、制御装置2に接続されている。
【0098】
より具体的には、第2の実施形態のMILS環境における制御装置モデル5を実機の制御装置2に置き換え、制御装置2と、HILシミュレーター6上の冷凍装置モデルとを連携させて閉ループ系を構成し、その動作シミュレーション、および性能評価を行った。これにより、試作機の製作と、製作後における試作機の動作検証とを省略することができた。
【0099】
本実施形態では、例えば、ユーザーがすでにMILS環境において制御装置モデル5を使用して制御パラメーターを検討済みである場合、制御装置2の設定パネルSPに検討済みの制御パラメーターをそのまま入力することにより、制御装置2に実装できる。
【0100】
<制御パラメーターの書き換え機構>
通常、冷凍装置の運転環境が安定している場合、制御パラメーターを変更する必要性は低いが、冷凍装置の運転環境の安定性を乱す外乱が生じた場合は、制御パラメーターを変更する必要が生じる可能性がある。
【0101】
そこで、本実施形態では、冷凍装置の運転環境の安定性を乱す外乱の発生をイベントとして、イベント駆動型制御を行うように構成されうる。端末装置3は、冷凍装置モデルの運転環境の安定性を乱す外乱の発生を検出した場合、制御装置2の制御パラメーターを算出し、更新する。具体的には、以下のとおりである。
【0102】
まず、ユーザーは、端末装置3においてMATLAB、および表計算ソフト(例えば、Excel(登録商標))を実行する。端末装置3は、イベントを検出した場合、Excelに実験データをロギングする。
【0103】
続いて、端末装置3は、Excelの実験データを使用して、MATLABにより制御パラメーターを算出する。
【0104】
続いて、端末装置3は、MATLABのスクリプトを実行し、制御装置2の任意のデータレジスタを書き換えることにより、制御装置2の制御パラメーターを更新する。
【0105】
<スマートMBDによる冷凍システムの開発>
図19は、スマートMBDによる冷凍システムの開発を例示する模式図である。冷凍システムの制御性を向上させるための手法として、冷凍装置の運転データや冷凍倉庫の操業データ等を活用し、冷凍システムの開発にスマートMBDを適用することができる。
【0106】
図19に示すように、イベント駆動型制御においては、データベースに冷凍装置の運転データおよび冷凍倉庫の操業データを蓄積し、データベースに蓄積されたデータに基づいて、最適な制御パラメーターを算出し、制御装置に出力する。一方、モデルベース開発(MBD開発)においては、イベント駆動型制御において最適化された制御パラメーターを使用して冷凍装置を制御する。これにより、冷凍倉庫の庫内温度を安定化することができる。冷凍装置は運転データをデータベースに出力し、冷凍倉庫は操業データをデータベースに出力する。
【0107】
以上で説明した第3の実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、下記の効果を奏する。
【0108】
HILS環境において、実機の制御装置2、およびHILシミュレーター6上で動作する冷凍装置モデルを使用して冷凍システムモデルFSHを構成し、冷凍システムモデルFSHの制御動作を評価するので、実際の現場での制御性を担保しつつ、冷凍システムモデルFSHのシミュレーションを行うことができる。
【0109】
以上のように、実施形態において、冷凍システムについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略できることはいうまでもない。
【0110】
例えば、上述した第1~第3の実施形態では、冷凍サイクルがCO直膨サイクル、およびホットガスバイパスサイクルである場合について例示したが、本発明はこれらに限定されず、他の冷凍サイクルにも適用できる。
【0111】
また、上述した第1~第3の実施形態では、冷媒がCOである場合について例示したが、本発明はこれに限定されず、冷媒として、アンモニア等を使用できる。
【符号の説明】
【0112】
FS 冷凍システム、
FSM、FSH 冷凍システムモデル、
SP 設定パネル、
1 冷凍装置、
2 制御装置、
21 入力部、
22 記憶部、
23 演算部、
24 出力部、
25 電源部、
3 端末装置、
4 冷凍装置モデル、
5 制御装置モデル、
6 HILシミュレーター、
10 圧縮機、
11 低段圧縮機、
12 高段圧縮機、
20 凝縮器、
30 膨張弁、
31 第1膨張弁、
32 第2膨張弁、
40 蒸発器、
50 液ガス熱交換器、
60 デスーパーヒーター、
70 オイルレシーバー、
80 フラッシュタンク、
100 ブラインタンク、
110 ブラインヒーター、
210 圧縮機、
212 液インジェクション弁、
220 凝縮器、
230 膨張弁、
240 蒸発器、
250 受液器、
260 アキュムレーター。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19