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特許7082371細胞培養容器、観察用試料セル及び細胞培養方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】細胞培養容器、観察用試料セル及び細胞培養方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20220601BHJP
   C12N 5/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
C12M3/00
C12N5/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018568007
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 JP2017043675
(87)【国際公開番号】W WO2018150689
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2017026036
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(72)【発明者】
【氏名】萩原 将也
(72)【発明者】
【氏名】川原 知洋
【審査官】天野 皓己
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-527991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0065588(US,A1)
【文献】HAGIWARA, M., et al.,Tissue in Cube: In Vitro 3D Culturing Platform with Hybrid Gel Cubes for Multidirectional Observatio,Adv. Healthc. Mater.,2016年,vol.5, issue 13, p.1566-1571
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00 - 3/10
C12N 5/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容するための細胞培養容器であって、
前記細胞培養容器は、枠部と、前記枠部で囲まれた少なくとも1つの窓部と、前記枠部から前記細胞培養容器の内部側に突出した少なくとも1つの凸部とを有し、
少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、前記細胞又は前記細胞組織を多面観察できるように設けられ、
前記凸部は、前記細胞又は前記細胞組織と共に前記窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有し、
前記特徴点は、多面観察における異なる方向からの観察画像の位置合わせにおいて参照点として利用されることを特徴とする細胞培養容器。
【請求項2】
少なくとも1つの窓部は、ハイドロゲル又は多孔質体であり、
前記多孔質体は、多孔質材料シート、メッシュ、エッチングシート、不織布、織布のうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の細胞培養容器。
【請求項3】
前記枠部は、立方体又は直方体であり、各面に前記窓部を設けるための開口を有する請求項1又は2に記載の細胞培養容器。
【請求項4】
前記細胞培養容器は、複数の前記凸部を有し、
各凸部は、前記特徴点を有する請求項1~3のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項5】
前記凸部は、複数の特徴点を有する請求項1~4のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項6】
前記凸部は、先端部が先細りした形状を有する請求項1~5のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項7】
前記細胞培養容器は、複数の窓部を有し、
前記凸部は、少なくとも2つの窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有する請求項1~6のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項8】
前記凸部は、少なくとも前記特徴点が自家蛍光を発する材料からなるように設けられた請求項1~7のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項9】
前記窓部は、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含む請求項1~8のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
【請求項10】
細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容するための観察用試料セルであって、
前記観察用試料セルは、枠部と、前記枠部で囲まれた少なくとも1つの窓部と、前記枠部から前記観察用試料セルの内部側に突出した少なくとも1つの凸部とを有し、
少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、前記細胞又は前記細胞組織を多面観察できるように設けられ、
前記凸部は、前記細胞又は前記細胞組織と共に前記窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有し、
前記特徴点は、多面観察における異なる方向からの観察画像の位置合わせにおいて参照点として利用されることを特徴とする観察用試料セル。
【請求項11】
細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容した細胞培養容器中において細胞又は細胞組織を培養するステップと、
前記細胞培養容器中の培養した細胞又は細胞組織を観察するステップとを含み、
前記細胞培養容器は、少なくとも1つの窓部を有し、
少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、前記細胞又は前記細胞組織を多面観察できるように設けられ、
細胞又は細胞組織を培養するステップの前に、前記細胞又は前記細胞組織と共に前記窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有する参照物体を前記細胞培養容器中に設けており、
前記特徴点は、多面観察における異なる方向からの観察画像の位置合わせにおいて参照点として利用されることを特徴とする細胞培養方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養容器、観察用試料セル及び細胞培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
培養ゲル中で細胞組織を立体培養することにより血管組織、気管支組織などを形成する研究が行われている(例えば、特許文献1~3参照)。これらの研究では、通常、ディッシュ中又はウェル中に厚い培養ゲル層を形成し、この培養ゲル層に細胞又は細胞組織を包埋して細胞組織を培養している。培養した細胞組織の観察手法としては、倒立型顕微鏡又は正立型顕微鏡で培養ゲル層の下側又は上側から細胞組織を観察する手法が取られている。特許文献3では、共焦点レーザー顕微鏡を用いて色素で染色した細胞を観察している。
共焦点レーザー顕微鏡では、対物レンズによりレーザービームの焦点を細胞に結び、その焦点における細胞に標識された蛍光物質の自家蛍光を検出することができる。このため、複数の焦点面(xy平面)の二次元画像をz方向に重ね合わせることにより細胞の三次元画像を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-213716号公報
【文献】WO2004/084967A
【文献】WO2012/147878A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、比較的大きな細胞組織を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察する場合、倍率の低い対物レンズを使用する必要がある。倍率の低い対物レンズを用いると、焦点深度が深くなり、z方向の解像度が低下する。このため、鮮明な三次元画像を得ることが難しい。
また、細胞の多面観察する場合、通常、それぞれの画像中で同一細胞と考えられる特徴のある細胞を見つけ出し、その細胞を利用して異なる方向からの観察画像の位置合わせを行い、細胞の三次元構造を把握する。この方法では、異なる方向からの観察画像の位置合わせに時間がかかる。また、正確な位置あわせを行うことが難しい。また、比較的特徴の少ない細胞を多面観察する場合、異なる方向からの観察画像の位置合わせを行うことが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、細胞又は細胞組織を立体培養することができ、かつ、多面観察により培養した細胞又は細胞組織の三次元構造を容易に把握することが可能である細胞培養容器/観察用試料セルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容するための細胞培養容器/観察用試料セルであって、細胞培養容器/観察用試料セルは、枠部と、枠部で囲まれた少なくとも1つの窓部と、枠部から細胞培養容器/観察用試料セルの内部側に突出した少なくとも1つの凸部とを有し、少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、細胞又は細胞組織を多面観察できるように設けられ、凸部は、細胞又は細胞組織と共に窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有し、前記特徴点は、多面観察における異なる方向からの観察画像の位置合わせにおいて参照点として利用されることを特徴とする細胞培養容器を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容できるように設けられる。このため、培養ゲルを細胞又は細胞組織の足場とすることができ、細胞培養容器/観察用試料セルに収容した培養ゲル中で細胞又は細胞組織を立体培養することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは栄養成分透過性を有する窓部を有するため、細胞培養容器/観察用試料セルを液体培地中に浸漬することにより、液体培地中の栄養素、タンパク質、酸素などを窓部及び培養ゲルを介して細胞又は細胞組織に供給することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは枠部と前記枠部で囲まれた少なくとも1つの窓部とを有するため、細胞培養容器/観察用試料セルの強度を大きくすることができ、細胞培養容器/観察用試料セルの取り扱いが容易になる。また、窓部が傷つくことを抑制することができる。さらに細胞培養容器/観察用試料セルを容易に回転させることができる。
【0007】
前記窓部は、透光性であり、かつ、細胞又は細胞組織を多面観察できるように設けられる。このため、細胞培養容器/観察用試料セルを顕微鏡にセットして、窓部から容器内部の細胞又は細胞組織を多面観察することができる。また、細胞培養容器/観察用試料セルを回転させて、細胞培養容器/観察用試料セルの各面から細胞又は細胞組織を多面観察することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは枠部から細胞培養容器/観察用試料セルの内部側に突出した少なくとも1つの凸部を有する。このため、細胞培養容器/観察用試料セルの内部に凸部の先端部分を配置することができる。
前記凸部は、細胞又は細胞組織と共に前記窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有する。このため、細胞又は細胞組織を窓部から多面観察した際に、異なる方向からの観察画像に特徴点を入れることができる。この特徴点を参照点として利用して、異なる方向からの観察画像を、細胞組織の形状に依存することなく高精度に位置合わせすることができ、観察対象である細胞又は細胞組織の三次元構造を把握することができる。
窓部が複数の場合、各窓部から取得した複数の観察画像を位置合わせできる。また窓部が1つの場合でも、その窓部を通して互いに異なる角度から取得した複数の観察画像を位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図である。
図2図1の破線X-Xにおける細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図である。
図4図3の破線Y-Yにおける細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
図5】液体培地に浸漬した状態の本発明の一実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
図6】(a)~(c)はそれぞれ本発明の一実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図である。
図7】(a)は図3、4の(A)方向からの細胞組織の観察画像の概略図あり、(b)は図3、4の(B)方向からの細胞組織の観察画像の概略図あり、(c)は図3の(C)方向からの細胞組織の観察画像の概略図ある。
図8】(a)~(d)はそれぞれ本発明の一実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる凸部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容するための細胞培養容器/観察用試料セルであって、細胞培養容器/観察用試料セルは、枠部と、枠部で囲まれた少なくとも1つの窓部と、枠部から細胞培養容器/観察用試料セルの内部側に突出した少なくとも1つの凸部とを有し、少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、細胞又は細胞組織を多面観察できるように設けられ、凸部は、細胞又は細胞組織と共に窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有し、前記特徴点は、多面観察における異なる方向からの観察画像の位置合わせにおいて参照点として利用されることを特徴とする。
【0010】
少なくとも1つの窓部は、ハイドロゲル又は多孔質体であることが好ましく、前記多孔質体は、多孔質材料シート、メッシュ、エッチングシート、不織布、織布のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。このことにより、窓部が栄養成分透過性を有することができ、細胞培養容器内部の細胞又は細胞組織に栄養成分を供給することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる枠部は、立方体又は直方体であり、各面に窓部を設けるための開口を有することが好ましい。このことにより、細胞培養容器の内部空間における空間座標のx軸方向、y軸方向、z軸方向からそれぞれ細胞組織を観察することができ、細胞組織の三次元構造を容易に把握することができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルは、複数の凸部を有することが好ましく、各凸部は特徴点を有することが好ましい。このことにより、細胞組織の観察画像に複数の特徴点を入れることができ、異なる方向からの観察画像を位置合わせする際に複数の特徴点を参照点として利用して観察画像の回転などを補正することができる。このため、異なる方向からの観察画像をより高精度に位置合わせすることができる。
【0011】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる凸部は複数の特徴点を有することが好ましい。このことにより、細胞組織の観察画像に複数の特徴点を入れることができ、異なる方向からの観察画像を位置合わせする際に複数の特徴点を参照点として利用して観察画像の回転などを補正することができる。このため、異なる方向からの観察画像をより高精度に位置合わせすることができる。
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる凸部は少なくとも特徴点が自家蛍光を発する材料からなるように設けられることが好ましい。このことにより、共焦点レーザー顕微鏡などで細胞組織を蛍光観察する際に、特徴点を発光させることができ、蛍光観察においても凸部の特徴点を参照点として利用して、異なる方向からの蛍光観察画像を高精度に位置合わせすることができる。
【0012】
本発明の細胞培養容器/観察用試料セルに含まれる窓部は、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことが好ましい。このことにより、細胞組織の培養に必要な栄養素、刺激因子などが窓部を透過するが可能になる。このため、細胞培養容器/観察用試料セルを液体培地に浸漬することにより、液体培地に含まれる栄養素、刺激因子などを窓部及び培養ゲルを介して細胞組織に供給することができる。また、窓部が透光性を有することができ、窓部を介して細胞培養容器/観察用試料セルの内部の細胞組織を観察することができる。さらに、窓部が十分な強度を有することができ、細胞培養容器/観察用試料セルの内部の培養ゲルの重みにより窓部が大きく変形することを防止することができる。
【0013】
本発明は、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容した細胞培養容器/観察用試料セル中において細胞又は細胞組織を培養するステップと、細胞培養容器/観察用試料セル中の培養した細胞又は細胞組織を観察するステップとを含み、細胞培養容器/観察用試料セルは、少なくとも1つの窓部を有し、少なくとも1つの窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、細胞又は細胞組織を多面観察できるように設けられ、細胞又は細胞組織を培養するステップの前に、細胞又は細胞組織と共に窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有する参照物体を細胞培養容器/観察用試料セル中に設けていることを特徴とする細胞培養方法も提供する。
また、本発明は、細胞又は細胞組織を包埋する培養ゲルを収容する細胞培養容器用の枠であって、前記枠は、窓部を設けるための少なくとも1つの開口を有し、かつ、枠の内部側に突出した少なくとも1つの凸部を有し、前記窓部は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、前記細胞又は前記細胞組織を多面観察できるように設けられ、前記凸部は、前記細胞又は前記細胞組織と共に前記窓部から観察できる位置に配置された特徴点を有することを特徴とする細胞培養容器用の枠も提供する。
【0014】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0015】
図1は本実施形態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図であり、図2図1の破線X-Xにおける細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。図3は、図1、2に示した細胞培養容器/観察用試料セルに細胞組織を包埋する培養ゲルを収容した状態の細胞培養容器/観察用試料セルの概略斜視図であり、図4図3の破線Y-Yにおける細胞培養容器/観察用試料セルの概略断面図である。
本実施形態の細胞培養容器/観察用試料セル10は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を収容するための細胞培養容器/観察用試料セル10であって、細胞培養容器/観察用試料セル10は、枠部5と、枠部5で囲まれた少なくとも1つの窓部4と、枠部5から細胞培養容器/観察用試料セル10の内部側に突出した少なくとも1つの凸部2とを有し、少なくとも1つの窓部4は、透光性であり、かつ、栄養成分透過性を有し、かつ、細胞又は細胞組織7を多面観察できるように設けられ、凸部2は、細胞又は細胞組織7と共に窓部4から観察できる位置に配置された特徴点3を有することを特徴とする。
以下、本実施形態の細胞培養容器/観察用試料セル10について説明する。
【0016】
本実施形態の細胞培養容器/観察用試料セル10は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を内部に収容することにより細胞又は細胞組織7を培養できる容器であり、かつ、培養した細胞又は細胞組織7を窓部4を介して観察することができる試料セルである。細胞培養容器10と観察用試料セル10は同じものである。
【0017】
本実施形態の細胞培養容器10は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を内部に収容していない状態であってもよい。この場合、細胞培養容器10は、培養ゲル6及び細胞組織7を容器内に入れるための開口14を有することができる。この開口14は、培養ゲル6及び細胞組織7を容器内に入れた後に、窓部4を形成することにより塞ぐことができる。開口14は、細胞培養容器10の上面に設けることができる。細胞培養容器10は、例えば、図1、2に示したような構造を有することができる。
本実施形態の細胞培養容器10は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を内部に収容している状態であってもよい。この場合、細胞培養容器10は、例えば、図3、4に示したような構造を有することができる。
【0018】
細胞培養容器10に収容する培養ゲル6は、培養ゲル6に包埋された細胞又は細胞組織7を培養するためのゲルである。培養ゲル6に包埋する細胞は、一定のパターンで集合した構造を有する細胞組織であってもよく、このような組織構造を有さない細胞であってもよい。また、組織構造を有さない細胞7を培養することにより、細胞組織7が成長してもよい。
細胞又は細胞組織7を培養ゲル6に包埋することにより、培養ゲル6を介して細胞7又は細胞組織7に栄養、刺激因子などを供給することができる。また、培養ゲル6が細胞組織7の足場になることができ、細胞組織7が三次元的に成長することができ立体培養することができる。
【0019】
培養ゲル6は、例えば、コラーゲン、ラミニン、エンタクチン、プロテオグリカンなどを含むことができる。また、培養ゲル6は、TGF-β、線維芽細胞増殖因子、組織プラスミノーゲン活性化因子などを含むことができる。さらに、培養ゲル6には、例えば、マトリゲル(登録商標)を用いることができる。
培養ゲル6は、細胞培養容器10に内包され、外部の液体培地9に直接接触しないため、培養ゲル6が液体培地9を吸収し膨潤することにより細胞組織7の相対位置がずれることを抑制することができる。
【0020】
細胞培養容器10は、枠部5と、枠部5で囲まれた少なくとも1つの窓部4とを有する。このため、枠部5と窓部4により内部空間を形成することができ、細胞培養容器10の内部に細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を収容することができる。
また、細胞培養容器10が枠部5を有することにより、細胞培養容器10の強度を大きくすることができ、細胞培養容器10の取り扱いが容易になる。また、細胞培養容器10を容易に回転させることが可能になる。また、窓部4が傷つくことを抑制することができる。枠部5は、少なくとも1つの開口を有する立体形状とすることができ、この開口を塞ぐように窓部4を設けることができる。また、枠部5は、複数の開口を有する立体形状とすることができ、複数の開口をそれぞれ塞ぐように複数の窓部4を設けることができる。
枠部5の材料は、生体適合性を有する樹脂とすることができる。また、枠部5の材料は、例えば、ポリカーボネートとすることができる。
【0021】
窓部4は、栄養成分透過性を有する。このことにより、栄養素、タンパク質(分子量:数万~数十万)、化学物質、酸素などが窓部4を透過することができ、細胞培養容器10の外部の液体培地9などから培養に必要な栄養素などを窓部4及び培養ゲル6を介して細胞組織7に供給することができる。窓部4の材料はハイドロゲル又は多孔質体とすることができる。
ハイドロゲルとは、水中の分散質が繋がってネットワークを形成し系全体として固体状になったものである。また、窓部4は、細胞組織7にタンパク質を供給するために十分なタンパク質透過性を有するように設けることができる。
多孔質体とは、多数の細かい孔を有する部材である。多孔質体は、例えば、多孔質材料シート、メッシュ、エッチングシート、不織布、織布などである。また、多孔質体はシート形状を有することができる。また、多孔質体は、生体適合性を有することが好ましい。多孔質体は、ポリカーボネートなどの樹脂であってもよく、金などの金属であってもよく、ガラスなどの無機化合物であってもよい。
例えば、図5に示したように、細胞培養容器10を液体培地9中に浸漬することにより、液体培地9に含まれる栄養素、タンパク質、化学物質、酸素などを窓部4及び培養ゲル6を介して細胞組織7に供給することができる。また、細胞培養容器10を液体培地9が流れる流路中に配置してもよい。
【0022】
窓部4は、細胞培養容器10の内部に培養ゲル6を収容した場合でも、窓部4が大きく変形することがない強度、又は、窓部4が壊れない強度を有する。
窓部4は、透光性を有する。このため、窓部4を介して細胞培養容器10の内部の細胞組織7を観察することができる。培養中の細胞組織7を窓部4を介して観察してもよく、培養が終わった後の細胞組織7を窓部4を介して観察してもよい。また、色素染色した細胞組織7を窓部4を介して蛍光観察してもよい。
また、窓部4は、枠部5の開口を塞ぐように設けることができる。また、窓部4の形状は、膜状又はシート状とすることができる。また、窓部4の厚さは薄いほうが好ましい。このことにより、窓部4のタンパク質透過性や透光性を向上させることができる。
【0023】
例えば、ハイドロゲルからなる窓部4の強度及びタンパク質透過性は、窓部4に用いられているハイドロゲルのネットワークを形成する分散質の濃度を調整することによって調整することができる。
ネットワークを形成する分散質の濃度が高いほど窓部4の強度が高くなる。窓部4の強度としては50g/cm2以上のゲル強度を有することが好ましい。このことにより、細胞培養容器10の内部の培養ゲル6の重さにより窓部4が変形することを抑制することができる。
一方、窓部4の分散質の濃度が高すぎると、タンパク質透過性が低下するので、タンパク質透過性を確保する上で、窓部4の強度が10000g/cm2以下となるように分散質の濃度に抑えることが好ましい。
従って、窓部4の強度としては50g/cm2以上10000g/cm2以下が好ましい。なお、このようなゲル強度を得るための分散質の適切な濃度は、分散質の種類により異なる。
【0024】
窓部4は、例えば、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことができる。このことのより、窓部4が透光性を有することができる。また、細胞培養容器10を液体培地9中に浸漬した場合、液体培地9に含まれるタンパク質などの栄養が窓部4を透過することができ、窓部4及び培養ゲル6を介して細胞組織7に栄養を供給することができる。また、窓部4がアガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ナトリウム又はコラーゲンゲルを含むことにより、細胞培養容器10を回転させた場合でも窓部4が変形することを抑制することができる。窓部4は、好ましくは、アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルである。このことにより、窓部4の硬さを容易に調整することができる。また、細胞培養容器10の製造コストを低減することができる。
【0025】
窓部4がアガロースゲルの場合、アガロースの濃度は、例えば、0.5~4.0%とすることができる。また、窓部4がポリアクリルアミドゲルの場合、ポリアクリルアミドの濃度は、例えば、3~20%とすることができる。窓部4がアルギン酸ナトリウムを含む場合、窓部4は、アルギン酸ナトリウム水溶液にカルシウムイオンを加えてゲル化することにより形成することができる。窓部4がコラーゲンゲルの場合、高濃度のコラーゲンゲルで窓部4を形成することができる。このことにより窓部4が十分な強度を有することができる。
【0026】
細胞培養容器10の形状は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を収容する内部空間を有する形状であれば特に限定されないが、図1~4に示したように立方体であってもよく、図6(a)に示したように直方体であってもよく、図6(b)に示したように六角柱であってもよい。また、細胞培養容器10の形状は、図6(c)に示したように円柱であってもよい。細胞培養容器10の形状は、立方体又は直方体であることが好ましい。このことにより、細胞培養容器10の内部空間における空間座標のx軸方向、y軸方向、z軸方向からそれぞれ細胞組織7を観察することができ、細胞組織7の三次元構造を容易に把握することができる。
図1~4、図6(a)、(b)のように、細胞培養容器10の形状が多面体である場合、枠部5は多面体形状を有することができ、多面体形状の各面に窓部4を形成するための開口を有することができる。また、図6(c)のように、細胞培養容器10の形状が円柱である場合、枠部5は円柱形状を有することができ、円柱形状の上面、下面、側面に窓部4を形成するための開口を有することができる。
【0027】
窓部4がハイドロゲルからなる場合、窓部4は、窓部用のゾルを枠部5の開口に流し込みゲル化させることにより形成することができる。窓部4は、平板状であってもよく、曲板状であってもよい。窓部4を曲板状にすることにより、1つの窓部4から細胞組織7を多面観察することができる。
細胞培養容器10に培養ゲル6を入れる前に、枠部5の上面の開口14以外の開口に窓部4を形成することができる。また、枠部5の上面の開口14から細胞培養容器10の内部に培養ゲル6及び細胞組織7を入れた後に、枠部5の上面の開口14に窓部4を形成することができる。
窓部4が多孔質体からなる場合、窓部4は、多孔質体のシートを枠部5に接着することにより形成することができる。
図1~4、図6のように、立体形状の枠部5の開口に窓部4を設けることにより、細胞培養容器10の内部の細胞組織7を異なる方向から観察することが可能となり、細胞組織7を多面観察することができる。
また、細胞培養容器10を多面体形状とすることにより、多面体形状の各面から細胞組織7を観察できるように細胞培養容器10を回転させることができ、顕微鏡により異なる面からの細胞組織7の観察画像を得ることができる。
【0028】
細胞培養容器10は、枠部5から細胞培養容器10の内部側に突出した少なくとも1つの凸部2を有する。このため、細胞培養容器10の内部に凸部2の先端部分を配置することができる。凸部2は、枠部5と同じ部材であってもよい。また、部材を枠部5に接着することにより凸部2を設けてもよい。
凸部2は、枠部5から容器の中央部に向かって突出するように設けることができる。このように凸部2を設けることにより細胞組織7の成長の妨げになりにくい。また、図1、2、6の例では、凸部2が、枠部5の中でも枠の突合せ部分の内側から突出させている。即ち細胞培養容器10が多面体形状である場合は、枠部5の角部の内側に凸部2を設けている。この場合特に、凸部2は容器の中央から離れた位置に存在するので、細胞組織7の成長の妨げにならない。
【0029】
凸部2は、細胞又は細胞組織7と共に窓部4から観察できる位置に配置された特徴点3を有する。このため、細胞又は細胞組織7を窓部4から多面観察した際に、異なる方向からの観察画像に特徴点3を入れることができる。この特徴点3を参照点として利用して、異なる方向からの観察画像を高精度に位置合わせすることができ、観察対象である細胞又は細胞組織7の三次元構造を把握することができる。
図1~3の例では、各凸部2a~2fが枠部5の角部から容器内側に突出しているので、各角部に存在する1つの凸部2を、それに隣接する3つの窓部4から観察することができる。従って、この3つの窓部4から観察する画像を高精度に位置合わせすることができる。
図1~3、6の例では各凸部2の形状においても先細り形状であり、その先端部が特徴点3となっているので、特徴点3の周囲は光が通過することができる。すなわち、各凸部2は、異なる方向から特徴点3を観察しやすい形状となっている。
ただし、凸部2の形状は、図示したものには限られず、例えば凸部2を角部を有する形状(多面体など)とし、その角部を特徴点3とすることができる。また、例えば凸部2に球状部分を設けて、その球状部分の中心や先端などを特徴点3とすることもできる。
【0030】
図7(a)は図3、4の(A)方向からの細胞組織7の観察画像の概略図あり、図7(b)は図3、4の(B)方向からの細胞組織7の観察画像の概略図あり、図7(c)は図3の(C)方向からの細胞組織7の観察画像の概略図ある。このように、異なる方向からの観察画像に凸部2bの特徴点3b、凸部2dの特徴点3dを入れることができる。この特徴点3b、3dを参照点として利用して、図7(a)(b)(c)の画像を高精度に位置合わせすることができる。このことにより、図7(a)の画像に含まれる細胞組織X1と、図7(b)の画像に含まれる細胞組織X2と、図7(c)の画像に含まれる細胞組織X3とが同じ細胞組織であることを特定することができ、この細胞組織の三次元構造を把握することができる。
【0031】
細胞培養容器10は、複数の凸部2を有することができる。このことにより、細胞組織7の観察画像に複数の特徴点3を入れることができ、異なる方向からの観察画像を位置合わせする際に複数の特徴点3を参照点として利用して観察画像の回転などを補正することができる。このため、異なる方向からの観察画像をより高精度に位置合わせすることができる。例えば、図1~4に示した細胞培養容器10は、8つの凸部2a~2eを有している。また、図6(a)~(c)のように、複数の凸部2を細胞培養容器10に設けることができる。
複数の凸部2は、それぞれの凸部2の長さ及び突出角度が異なるように設けることができる。このことにより、細胞培養容器10の内部の様々な箇所に特徴点3を配置することができ、観察する細胞組織7に応じて特徴点3を使い分けることができる。例えば、観察する細胞組織7が広範囲にわたる場合、各部分ごとに、細胞培養容器10の内部に配置された複数の特徴点3の中から最適な特徴点3を参照点として選択することができる。
複数の凸部2は、異なる形状を有することができる。このことにより、細胞組織7の観察画像に含まれる凸部2を容易に特定することができる。
【0032】
凸部2は、複数の特徴点3を有してもよい。この場合、細胞組織7の観察画像に複数の特徴点3を有する凸部2を1つ入れるだけで、観察画像内に参照点を複数とることができるので、複数の参照点を参照して観察画像の回転などを補正することもできる。このため、異なる方向からの観察画像をより高精度に位置合わせすることができる。凸部2は、例えば、図8(a)のように1つの特徴点3を有してもよく、図8(b)~(d)のように複数の特徴点3を有してもよい。
【0033】
凸部2の材料は、生体適合性を有する材料とすることができる。このことにより、凸部2が細胞組織7に生理学的な影響を与えることを防止することができる。凸部2の材料は、例えば、生体適合性エポキシ樹脂、生体適合性アクリル樹脂などの生体適合性高分子とすることができる。
凸部2は、少なくとも特徴点3が自家蛍光を発する材料からなるように設けることができる。このことにより、共焦点レーザー顕微鏡などで細胞組織7を蛍光観察する際に、特徴点3を発光させることができる。凸部2が自家蛍光を発する材料からなってもよく、特徴点3を設けた部分だけが自家蛍光を発する材料からなってもよい。また、自家蛍光を発する材料で形成された凸部2の特徴点3は、細胞組織7の明視野観察においても利用することができる。
凸部2は例えば、生体適合性のフォトレジスト(例えば、SU-8など)により三角で板状の部材を作製し、この部材を枠部5に貼り付けることにより形成することができる。凸部を枠部5に貼り付ける接着剤及びフォトレジストには、生体適合性を有するものを用いることができる。
【0034】
凸部2を変形させることができるように、凸部2を設けてもよい。凸部2を変形させることにより、特徴点3の位置を変更することが可能になり、細胞培養容器10で培養する細胞組織7の種類に応じて特徴点3の位置を変更することができる。
【0035】
細胞培養方法
本実施形態の細胞培養方法は、細胞又は細胞組織7を包埋する培養ゲル6を収容した細胞培養容器10中において細胞又は細胞組織7を培養するステップと、細胞培養容器10中の培養した細胞又は細胞組織7を観察するステップとを含む。
本実施形態の細胞培養方法では、細胞又は細胞組織7を培養するステップの前に、細胞又は細胞組織7と共に窓部4から観察できる位置に配置された特徴点3を有する参照物体2を細胞培養容器10中に設けている。
参照物体2は、上述の凸部2であってもよい。
【0036】
一方、参照物体2は、培養ゲル6中に埋め込んだ微小物体であってもよい。参照物体2は、細胞組織7を培養ゲル6中に埋め込む前又は埋め込んだ後に、培養ゲル6中に埋め込むことができる。参照物体2は、細胞組織7と共に窓部4から観察できる位置であり、細胞組織7の成長の妨げにならない位置に埋め込むことができる。このような参照物体2の特徴点3を参照点として利用して、異なる方向からの観察画像を高精度に位置合わせすることができ、観察対象である細胞又は細胞組織7の三次元構造を把握することができる。
複数の参照物体2を培養ゲル6中に埋め込んでもよい。また、複数の特徴点3を有する参照物体2を培養ゲル6中に埋め込んでもよい。
参照物体2は、例えば、立方体、星型形状、四面体、球体であってもよい。
【0037】
細胞又は細胞組織7を培養するステップでは、例えば、細胞培養容器10を培養皿12に溜めた液体培地9中に細胞培養容器10を浸漬すること、又は液体培地9が流れる流路中に細胞培養容器10を設置することにより細胞又は細胞組織7を培養することができる。
細胞又は細胞組織7を観察するステップでは、液体培地9中から取り出した細胞培養容器10(試料観察用セル10)を顕微鏡にセットすることにより細胞又は細胞組織7を観察することができる。細胞組織7は、明視野観察又は蛍光観察により観察することができる。細胞組織7を蛍光観察する場合、細胞培養容器10中の細胞組織7を色素で染色した後に蛍光観察を行うことができる。
【0038】
細胞培養容器10が図1~4、図6(a)(b)のように多面体である場合、細胞培養容器10(試料観察用セル10)を回転させることにより、多面体の異なる面から細胞組織7を観察することができ、細胞組織7を多面観察することができる。
また、細胞培養容器10(試料観察用セル10)をガラス容器に入れた後に顕微鏡で細胞組織7を観察してもよい。このことにより、顕微鏡に液体培地9が付着することを防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h:凸部(参照物体) 3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h:特徴点 4:窓部 5:枠部 6:培養ゲル 7:細胞又は細胞組織 9:液体培地 10:細胞培養容器又は観察用試料セル 12:培養皿 14:開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8