(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】コードレスハンダゴテ及び保持台
(51)【国際特許分類】
B23K 3/03 20060101AFI20220617BHJP
B23K 3/047 20060101ALI20220617BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
B23K3/03 B
B23K3/047
H02J7/00 301B
(21)【出願番号】P 2018004862
(22)【出願日】2018-01-16
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】P 2017054161
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504165591
【氏名又は名称】国立大学法人岩手大学
(73)【特許権者】
【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】千葉 寿
(72)【発明者】
【氏名】米倉 達郎
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 聡美
(72)【発明者】
【氏名】古舘 守通
(72)【発明者】
【氏名】豊田 朋範
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2005/084865(JP,A1)
【文献】特開2006-192505(JP,A)
【文献】特開平06-304746(JP,A)
【文献】実開昭49-001531(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/03
B23K 3/047
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コテ先を取り付けるハンダゴテ本体と、前記ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用いるコードレスハンダゴテであって、
前記ハンダゴテ本体には、
前記バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、
前記バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、
前記電源端子と前記コテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、
前記充電端子と接続される本体側入力端子と
を備え、
前記ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、
前記通電制御スイッチが前記通電回路を開とし、
前記本体側入力端子が充電部に接続され
、
前記電源端子が一方電源端子と他方電源端子とで構成され、
前記一方電源端子を、前記コテ先への前記通電回路と、前記コテ先のコテ先外周面又は前記コテ先外周面に耐熱電気絶縁材を介して配置される導電材への接続とに切り替え、前記他方電源端子を、前記コテ先への前記通電回路と、導通チェッカー端子への接続とに切り替える切替スイッチを備え、
前記導通チェッカー端子を前記ハンダゴテ本体に設け、
前記切替スイッチによって、前記一方電源端子を前記コテ先外周面又は前記導電材に接続し、前記他方電源端子を前記導通チェッカー端子に接続し、
前記導通チェッカー端子に一方プローブを接続し、前記コテ先を他方プローブとして用い、
前記一方プローブと前記コテ先とを用いて導通チェックを行う
ことを特徴とするコードレスハンダゴテ。
【請求項2】
前記通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いた
ことを特徴とする請求項1に記載のコードレスハンダゴテ。
【請求項3】
前記バッテリーには、定電圧回路を備えた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコードレスハンダゴテ。
【請求項4】
前記バッテリーには、前記出力端子からの通電を停止する通電停止スイッチを備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテ。
【請求項5】
前記ハンダゴテ本体には、前記コテ先への通電状態を示す表示部を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテ。
【請求項6】
前記本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、
前記一方本体側入力端子を前記コテ先の
前記コテ先外周面又は前記コテ先外周面に
前記耐熱電気絶縁材を介して配置される
前記導電材とし、
前記他方本体側入力端子を前記ハンダゴテ本体に設けた
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテ。
【請求項7】
コテ先を取り付けるハンダゴテ本体と、前記ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用い、
前記ハンダゴテ本体には、
前記バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、
前記バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、
前記電源端子と前記コテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、
前記充電端子と接続される本体側入力端子と
を備え、
前記ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、
前記通電制御スイッチが前記通電回路を開とし、
前記本体側入力端子が充電部に接続され、
前記通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いたコードレスハンダゴテに用いる保持台であって、
前記リードスイッチを動作させる磁石を備えた
ことを特徴とする保持台。
【請求項8】
前記磁石を、前記リードスイッチを動作させる第1の位置と、前記リードスイッチを動作させない第2の位置とに移動できる
ことを特徴とする
請求項7に記載の保持台。
【請求項9】
前記磁石を、電磁石とし、
前記電磁石への通電を断続的に行う制御部を備えた
ことを特徴とする
請求項7に記載の保持台。
【請求項10】
前記本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、
前記一方本体側入力端子を前記コテ先のコテ先外周面とし、
前記他方本体側入力端子を前記ハンダゴテ本体に設け、
前記コテ先を載置する載置部材と、
前記載置部材を支持する受け台と、
前記受け台に一端を支持される一対の可動アームと
を備え、
前記磁石を一対の前記可動アームの他端に設け、
一方の前記可動アームに設けた前記磁石で、前記リードスイッチを動作させ、
他方の前記可動アームに設けた前記磁石で、前記他方本体側入力端子と接続し、
前記載置部材に前記一方本体側入力端子を接続した
ことを特徴とする
請求項7に記載の保持台。
【請求項11】
前記コテ先の少なくとも先端を保温する保温カバーを設けた
ことを特徴とする
請求項7に記載の保持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用いるコードレスハンダゴテ及び保持台に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンダ付け作業においては、ハンダゴテに対して商用電源である交流100Vから電源ケーブルを用いて電源を供給し、コテ先の温度を高温に保ちながら作業を行うのが一般的である。この際には、常時電源をヒーターに供給し、ハンダゴテのコテ先温度を高温に保ったままコテ台に置き、必要に応じて電子部品をハンダ付けするという作業の繰り返しである。しかし、電子工作の経験が少ない者が行うほど、電子部品をプリント基板に配置する時間が長くなり、結果としてハンダゴテが高温状態のままコテ台に置かれる時間が多くを占める。またハンダ付け作業の過程では高温状態であるハンダゴテ先端と電源ケーブルが接触することがしばしば発生するため、電源を供給するためのケーブルは耐熱性能に優れたものが使用されている。このようなケーブルは耐熱性能には優れているものの、柔軟性やケーブル重量の面でストレスになることが多い。
設計した電子回路をプリント基板に実装する課題実習では、学生が一定人数のグループを作り、限られた作業机を共有する。この実習では、それぞれの学生が所有するハンダゴテやニッパーなどの工具を使用して行う。そのために、机上は電子部品の他、ハンダゴテや工具で占有される。従って、作業効率が低下することに加え、ハンダゴテのケーブルが隣接する作業者と絡まることでハンダゴテが落下するなどして、やけどなどの怪我にも繋がる危険性がある。
このように、商用電源に電源ケーブルを繋いで用いるハンダゴテは、実習課題である繊細なハンダ付けや、手狭な作業机の上での集団作業には向かず、学習効率の改善が求められている。
このような問題を解決するハンダゴテとして、電池式コードレスハンダゴテやガスヒート式のコードレスハンダゴテが市販されている。しかし、市販されている電池式コードレスハンダゴテは、連続使用時間が1時間程度と短いために課題実習には適さない。また、ガスヒート式のコードレスハンダゴテは、フラックス塗布のような火気厳禁の実習作業には適さない。
特許文献1は、電源に二次電池を用いたコードレスハンダゴテを開示し、特許文献2は、電池を格納した電源カートリッジを選択的に利用できる電池式コードレスハンダゴテを開示している。
また、特許文献3は、電気二重層コンデンサを電源部とし、専用保持台にハンダゴテを置いた時には自動的にコンデンサが充電されるコードレス式電気はんだ加熱器具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実願昭59-195921号(実開昭61-111670号)のマイクロフィルム
【文献】特開2006-26744号公報
【文献】国際公開第2005/084865号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1から特許文献3で開示されているようなコードレスハンダゴテを用いることで、ハンダゴテのケーブルに関する問題は解決できる。
しかし、特に電子工作の経験が少ない学生は、抵抗や半導体などの電子部品を電子基板に設置する時間が長くなるため、ハンダゴテは、長時間、高温状態のまま保持台に置かれた状態となる。このように高温状態のままハンダゴテを放置すると、電力を無駄に消費するだけでなく、ハンダゴテのコテ先の先端が、熱により酸化膜を形成してハンダ付け作業ができなくなる。特に電子回路実装に不慣れな学生では、ハンダゴテの放置時間が長時間にわたるため、その都度コテ先のクリーニングを行う必要が生じ、メンテナンスにかかる時間が多くなる。
【0005】
そこで本発明は、保持台への載置時間が長くなってもコテ先のクリーニングの必要が無く、特にハンダ作業に不慣れな学生でも、安全で効率的なハンダ付け作業を行うことができるコードレスハンダゴテ及び保持台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のコードレスハンダゴテは、コテ先を取り付けるハンダゴテ本体と、前記ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用いるコードレスハンダゴテであって、前記ハンダゴテ本体には、前記バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、前記バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、前記電源端子と前記コテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、前記充電端子と接続される本体側入力端子とを備え、前記ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、前記通電制御スイッチが前記通電回路を開とし、前記本体側入力端子が充電部に接続され、前記電源端子が一方電源端子と他方電源端子とで構成され、前記一方電源端子を、前記コテ先への前記通電回路と、前記コテ先のコテ先外周面又は前記コテ先外周面に耐熱電気絶縁材を介して配置される導電材への接続とに切り替え、前記他方電源端子を、前記コテ先への前記通電回路と、導通チェッカー端子への接続とに切り替える切替スイッチを備え、前記導通チェッカー端子を前記ハンダゴテ本体に設け、前記切替スイッチによって、前記一方電源端子を前記コテ先外周面又は前記導電材に接続し、前記他方電源端子を前記導通チェッカー端子に接続し、前記導通チェッカー端子に一方プローブを接続し、前記コテ先を他方プローブとして用い、前記一方プローブと前記コテ先とを用いて導通チェックを行うことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のコードレスハンダゴテにおいて、前記通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のコードレスハンダゴテにおいて、前記バッテリーには、定電圧回路を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテにおいて、前記バッテリーには、前記出力端子からの通電を停止する通電停止スイッチを備えたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテにおいて、前記ハンダゴテ本体には、前記コテ先への通電状態を示す表示部を備えたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコードレスハンダゴテにおいて、前記本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、前記一方本体側入力端子を前記コテ先の前記コテ先外周面又は前記コテ先外周面に前記耐熱電気絶縁材を介して配置される前記導電材とし、前記他方本体側入力端子を前記ハンダゴテ本体に設けたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明の保持台は、コテ先を取り付けるハンダゴテ本体と、前記ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用い、前記ハンダゴテ本体には、前記バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、前記バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、前記電源端子と前記コテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、前記充電端子と接続される本体側入力端子とを備え、前記ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、前記通電制御スイッチが前記通電回路を開とし、前記本体側入力端子が充電部に接続され、前記通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いた前記コードレスハンダゴテに用いる保持台であって、前記リードスイッチを動作させる磁石を備えたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項7に記載の保持台において、前記磁石を、前記リードスイッチを動作させる第1の位置と、前記リードスイッチを動作させない第2の位置とに移動できることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項7に記載の保持台において、前記磁石を、電磁石とし、前記電磁石への通電を断続的に行う制御部を備えたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項7に記載の保持台において、前記本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、前記一方本体側入力端子を前記コテ先のコテ先外周面とし、前記他方本体側入力端子を前記ハンダゴテ本体に設け、前記コテ先を載置する載置部材と、前記載置部材を支持する受け台と、前記受け台に一端を支持される一対の可動アームとを備え、前記磁石を一対の前記可動アームの他端に設け、一方の前記可動アームに設けた前記磁石で、前記リードスイッチを動作させ、他方の前記可動アームに設けた前記磁石で、前記他方本体側入力端子と接続し、前記載置部材に前記一方本体側入力端子を接続したことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項7に記載の保持台において、前記コテ先の少なくとも先端を保温する保温カバーを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ハンダゴテ本体を保持台に載置している間、充電が行われるとともに、通電回路を開としてコテ先の温度を低下させることで、コテ先の先端に酸化膜が形成されることを防止でき、ハンダゴテ本体の保持台への載置時間が長くなってもコテ先のクリーニングの必要が無く、特にハンダ作業に不慣れな学生でも、安全で効率的なハンダ付け作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図
【
図2】同コードレスハンダゴテのハンダ付け作業時を示すブロック図
【
図3】同コードレスハンダゴテを保持台に載置した通常状態を示すブロック図
【
図4】同コードレスハンダゴテを、加熱状態を維持して保持台に載置した状態を示すブロック図
【
図5】同コードレスハンダゴテの導通チェッカー使用状態を示すブロック図
【
図7】同コードレスハンダゴテに用いる保持台を示す構成図
【
図9】本発明の他の実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図
【
図11】
図9に示すコードレスハンダゴテに適した保持台を機能実現手段で表したブロック図
【
図12】
図11に示す保持台を用いた場合のコードレスハンダゴテの特性図
【
図13】本発明の更に他の実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるコードレスハンダゴテは、ハンダゴテ本体には、バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、電源端子とコテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、充電端子と接続される本体側入力端子とを備え、ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、通電制御スイッチが通電回路を開とし、本体側入力端子が充電部に接続され、電源端子が一方電源端子と他方電源端子とで構成され、一方電源端子を、コテ先への通電回路と、コテ先のコテ先外周面又はコテ先外周面に耐熱電気絶縁材を介して配置される導電材への接続とに切り替え、他方電源端子を、コテ先への通電回路と、導通チェッカー端子への接続とに切り替える切替スイッチを備え、導通チェッカー端子をハンダゴテ本体に設け、切替スイッチによって、一方電源端子をコテ先外周面又は導電材に接続し、他方電源端子を導通チェッカー端子に接続し、導通チェッカー端子に一方プローブを接続し、コテ先を他方プローブとして用い、一方プローブとコテ先とを用いて導通チェックを行うものである。本実施の形態によれば、ハンダゴテ本体を保持台に載置している間、充電が行われるとともに、通電回路を開としてコテ先の温度を低下させることで、コテ先の先端に酸化膜が形成されることを防止でき、ハンダゴテ本体の保持台への載置時間が長くなってもコテ先のクリーニングの必要が無く、特にハンダ作業に不慣れな学生でも、安全で効率的なハンダ付け作業を行うことができる。また、導通チェック機能を備えることで、特に鉛フリーハンダを用いた場合のハンダ付け状態を確認することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるコードレスハンダゴテにおいて、通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いたものである。本実施の形態によれば、ハンダゴテ本体にリードスイッチを設けることで容易に通電回路を開とすることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるコードレスハンダゴテにおいて、バッテリーには、定電圧回路を備えたものである。本実施の形態によれば、放電によるコテ先温度の低下がなく、安定したハンダ付け作業を行える。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態によるコードレスハンダゴテにおいて、バッテリーには、出力端子からの通電を停止する通電停止スイッチを備えたものである。本実施の形態によれば、バッテリーに通電停止スイッチを備えることで、不使用時の放電を防止できるとともに安全性を高めることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態によるコードレスハンダゴテにおいて、ハンダゴテ本体には、コテ先への通電状態を示す表示部を備えたものである。本実施の形態によれば、特にハンダゴテ本体を保持台に載置している状態でのコテ先への通電状態を確認できる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態によるコードレスハンダゴテにおいて、本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、一方本体側入力端子をコテ先のコテ先外周面又はコテ先外周面に耐熱電気絶縁材を介して配置される導電材とし、他方本体側入力端子をハンダゴテ本体に設けたものである。本実施の形態によれば、コテ先外周面又は導電材を一方本体側入力端子として用いることで、充電部への接続を容易に行える。
【0015】
本発明の第7の実施の形態による保持台は、コテ先を取り付けるハンダゴテ本体と、ハンダゴテ本体にバッテリーを取り付けて用い、ハンダゴテ本体には、バッテリーの出力端子に接続される電源端子と、バッテリーの入力端子に接続される充電端子と、電源端子とコテ先との通電回路を開閉する通電制御スイッチと、充電端子と接続される本体側入力端子とを備え、ハンダゴテ本体を保持台に載置することで、通電制御スイッチが通電回路を開とし、本体側入力端子が充電部に接続され、通電制御スイッチとして、リードスイッチを用いたコードレスハンダゴテに用いる保持台において、リードスイッチを動作させる磁石を備えたものである。本実施の形態によれば、保持台に磁石を備えることで容易にリードスイッチを動作させることができる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態による保持台において、磁石を、リードスイッチを動作させる第1の位置と、リードスイッチを動作させない第2の位置とに移動できるものである。本実施の形態によれば、磁石を第2の位置に移動させることで、コテ先への通電を維持することができる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第7の実施の形態による保持台において、磁石を、電磁石とし、電磁石への通電を断続的に行う制御部を備えたものである。本実施の形態によれば、コテ先先端での酸化膜の形成を防止しつつ、コテ先温度の低下しすぎを防止でき、ハンダゴテ本体を保持台に載置した後のハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態は、第7の実施の形態による保持台において、本体側入力端子が一方本体側入力端子と他方本体側入力端子とで構成され、一方本体側入力端子をコテ先のコテ先外周面とし、他方本体側入力端子をハンダゴテ本体に設け、コテ先を載置する載置部材と、載置部材を支持する受け台と、受け台に一端を支持される一対の可動アームとを備え、磁石を一対の可動アームの他端に設け、一方の可動アームに設けた磁石で、リードスイッチを動作させ、他方の可動アームに設けた磁石で、他方本体側入力端子と接続し、載置部材に一方本体側入力端子を接続したものである。本実施の形態によれば、簡便な装置構成で充電を行えるとともに、通電回路を開としてコテ先の温度を低下させることができる。
【0019】
本発明の第11の実施の形態は、第7の実施の形態による保持台において、コテ先の少なくとも先端を保温する保温カバーを設けたものである。本実施の形態によれば、コテ先の温度の低下を防止でき、ハンダゴテ本体を保持台に載置した後のハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
【実施例】
【0020】
以下本発明の実施例について図面とともに説明する。
図1は本発明の一実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図である。
本実施例によるコードレスハンダゴテは、コテ先10を取り付けるハンダゴテ本体20と、ハンダゴテ本体20に取り付けるバッテリー30とで構成される。
ハンダゴテ本体20には、バッテリー30の出力端子31に接続される電源端子21と、バッテリー30の入力端子32に接続される充電端子22と、電源端子21とコテ先10との通電回路23を開閉する通電制御スイッチ24と、充電端子22と接続される本体側入力端子25と、コテ先10への通電状態を示す表示部26と、切替スイッチ27と、押圧スイッチ28と、導通チェッカー端子29とを備えている。
【0021】
本体側入力端子25は、例えばプラス端子となる一方本体側入力端子25aと、マイナス端子となる他方本体側入力端子25bとで構成される。
一方本体側入力端子25aはコテ先10のコテ先外周面11とし、他方本体側入力端子25bはハンダゴテ本体20に設けている。
なお、他方本体側入力端子25bと導通チェッカー端子29とは電気的に接続され、同電位である。
【0022】
電源端子21は、例えばプラス端子となる一方電源端子21aと、マイナス端子となる他方電源端子21bとで構成される。
切替スイッチ27は、ハンダゴテ使用状態と導通チェッカー使用状態とを切り替える。すなわち、切替スイッチ27は、一方電源端子21aを、コテ先10の通電回路23への接続と、コテ先10のコテ先外周面11への接続とに切り替え、他方電源端子21bを、連動スイッチ27aを介して、コテ先10の通電回路23への接続と、導通チェッカー端子29への接続とに切り替える。連動スイッチ27aは切替スイッチ27に連動して動作する。
【0023】
コテ先10の内部には、コテ先10の先端12を加熱する加熱源13を設けている。加熱源13は、通電回路23によって一方電源端子21aと他方電源端子21bとに接続されている。
【0024】
バッテリー30には、出力端子31からの通電を停止する通電停止スイッチ33と、例えばレギュレータで構成される定電圧回路34とを備えている。
【0025】
コードレスハンダゴテを載置する保持台50は、バッテリー30を充電する充電部60と、通電制御スイッチ24を動作させる通電制御スイッチ動作部70とを備えている。
充電部60は、二次電池からなる電源、交流電源から供給される電力を変換する電源回路、又は外部電源との接続端子である。充電部60は、コテ先外周面11と接触する一方充電部側端子61aと、他方本体側入力端子25bと接続される他方充電部側端子61bとを備えている。
【0026】
本実施例では、通電制御スイッチ動作部70は磁石71であり、通電制御スイッチ24はリードスイッチである。磁石71の位置によって、リードスイッチである通電制御スイッチ24を動作させる。磁石71は、リードスイッチを動作させる第1の位置71aと、リードスイッチを動作させない第2の位置71bとに移動できる。
通電制御スイッチ動作部70は、ハンダゴテ本体20が保持台50に載置されることで、通電制御スイッチ24を動作させるものであればよく、例えば、通電制御スイッチ24をハンダゴテ本体20の外面に出没可能なスイッチとし、通電制御スイッチ動作部70は、ハンダゴテ本体20が保持台50に載置されることで、出没可能な通電制御スイッチ24を押圧する構成のものでもよい。
【0027】
図2は本実施例によるコードレスハンダゴテのハンダ付け作業時を示すブロック図である。
コードレスハンダゴテのハンダ付け作業時には、加熱源13によってコテ先10の先端12は加熱される。
バッテリー30の通電停止スイッチ33はオフ、すなわちバッテリー30は出力端子31から通電状態としている。
ハンダゴテ本体20は、保持台50から外されているため、通電制御スイッチ24は通電回路23を閉としている。
切替スイッチ27は、ハンダゴテ使用状態としている。従って、一方電源端子21a及び他方電源端子21bはコテ先10への通電回路23に接続されている。
従って、加熱源13は、バッテリー30から通電されて加熱され、表示部26はハンダゴテ使用状態を、点灯や点滅によって表示する。
【0028】
図3は本実施例によるコードレスハンダゴテを保持台に載置した通常状態を示すブロック図である。
コードレスハンダゴテを保持台50に載置することで、一方本体側入力端子25aはコテ先外周面11を介して一方充電部側端子61aと接続され、他方本体側入力端子25bは他方充電部側端子61bと接続される。
従って、バッテリー30は充電部60によって充電される。
通電制御スイッチ24は、通電制御スイッチ動作部70によって通電回路23を開としている。具体的には、通電制御スイッチ24を構成するリードスイッチに、通電制御スイッチ動作部70を構成する磁石71が近接する(第1の位置71a)ことで、通電制御スイッチ24はオフ状態となっている。
従って、加熱源13はバッテリー30から通電されず、表示部26はハンダゴテ使用状態でないことを、非点灯によって表示する。
なお、バッテリー30の通電停止スイッチ33をオフとし、切替スイッチ27を導通チェッカー使用状態としてもよい。
【0029】
図4は本実施例によるコードレスハンダゴテを、加熱状態を維持して保持台に載置した状態を示すブロック図である。
保持台50に載置した状態で加熱源13の加熱状態を維持するには、通電制御スイッチ動作部70を非動作状態に切り替える。
図4では、通電制御スイッチ動作部70を構成する磁石71を、通電制御スイッチ24を構成するリードスイッチから離間させた状態(第2の位置71b)を示している。
【0030】
通電制御スイッチ24を非動作状態とすることで、通電制御スイッチ24は通電回路23を閉とした状態を維持し、一方電源端子21a及び他方電源端子21bはコテ先10への通電回路23に接続されている。
なお、バッテリー30の通電停止スイッチ33はオフ、切替スイッチ27は、ハンダゴテ使用状態としている。
従って、加熱源13は、バッテリー30から通電されて加熱され、表示部26はハンダゴテ使用状態を、点灯や点滅によって表示する。
【0031】
図5は本実施例によるコードレスハンダゴテの導通チェッカー使用状態を示すブロック図である。
コードレスハンダゴテの導通チェッカー使用状態には、加熱源13は加熱されない。
バッテリー30の通電停止スイッチ33はオフ、すなわちバッテリー30は出力端子31から通電状態としている。
ハンダゴテ本体20は、保持台50から外されているため、通電制御スイッチ24は通電回路23を閉としている。
切替スイッチ27は、導通チェッカー使用状態としている。従って、一方電源端子21aはコテ先10のコテ先外周面11に接続され、他方電源端子21bは導通チェッカー端子29に接続される。
導通チェッカー端子29には一方プローブ80を接続し、コテ先10を他方プローブとして用い、一方プローブ80とコテ先10とを用いて導通チェックを行う。
なお、出力端子31から導通チェッカー端子29までの間に、押圧スイッチ28を設けることが好ましい。押圧スイッチ28は、使用者が押圧スイッチ28を押圧している間だけ出力端子31から導通チェッカー端子29までの回路を閉とするものである。
なお、導通確認用表示部を導通チェッカー端子29から一方プローブ80の間に設けてもよいが、表示部26を導通確認用表示部として用いることができる。
【0032】
図6は本実施例によるコードレスハンダゴテを示す構成図である。
コテ先10は、ハンダゴテ本体20の一端側に取り付けられ、バッテリー30は、ハンダゴテ本体20の他端側に取り付けられる。
バッテリー30は、電源端子21と出力端子31との嵌合、及び充電端子22と入力端子32との嵌合によってハンダゴテ本体20に取り付けられる。
バッテリー30は、ハンダゴテ本体20に着脱可能である。
一方本体側入力端子25aは、ハンダゴテ本体20の内部でコテ先10のコテ先外周面11に接続されている。
他方本体側入力端子25bは、ハンダゴテ本体20の外表面に配置されている。
本実施例のように、通電制御スイッチ24としてリードスイッチを用いる場合には、ハンダゴテ本体20の内部で、表示部26及び切替スイッチ27よりもハンダゴテ本体20の一端側に配置することが好ましい。
また、
図7に示す保持台50を用いる場合には、リードスイッチと他方本体側入力端子25bとをハンダゴテ本体20の対向する外周面に配置することが好ましい。
【0033】
図7は本実施例によるコードレスハンダゴテに用いる保持台を示す構成図である。
本実施例による保持台50は、コテ先10を載置する載置部材51と、載置部材51を支持する受け台52と、受け台52に一端を支持される一対の可動アーム53と、外部電源との接続端子である充電部60とを備えている。載置部材51は導電材で構成されている。本実施例による保持台50は、充電部60に他の二次電池又は外部電源を接続して用いる。
一対の可動アーム53の他端には、それぞれ磁石54を設けている。
受け台52の底面には、固定用磁石55を設けている。固定用磁石55は、載置部材51側に配置している。固定用磁石55を設けることで、金属机などで用いる場合には保持台50の移動を防止でき、コードレスハンダゴテを安定して載置できる。また、固定用磁石55を載置部材51側に配置することで、コテ先10を高い位置としてハンダゴテ本体20を保持台50に載置できる。
受け台52は、可動アーム53、及び磁石54と同電位かつ接地電位あって、載置部材51と絶縁されている。充電部60の一方充電部側端子61aは載置部材51と接続され、充電部60の他方充電部側端子61bはそれぞれの磁石54と接続されている。
【0034】
本実施例によるコードレスハンダゴテは、
図6に示すように、一方本体側入力端子25aをコテ先10のコテ先外周面11とし、他方本体側入力端子25bをハンダゴテ本体20の外周面に設け、通電制御スイッチ24としてリードスイッチと他方本体側入力端子25bとをハンダゴテ本体20の対向する外周面に配置している。従って、コードレスハンダゴテを保持台50に載置することで、一方の可動アーム53に設けた磁石54で、リードスイッチを動作させ、他方の可動アーム53に設けた磁石54で、他方本体側入力端子25bと接続することができ、載置部材51とコテ先外周面11との接触によって、一方本体側入力端子25aと充電部60の一方充電部側端子61aとを接続できる。
従って、
図3で説明したように、通電制御スイッチ24をオフ状態として加熱源13に通電することなく、バッテリー30を充電することができる。
また、
図4で説明したように、加熱源13の加熱状態を維持するには、一方の可動アーム53に設けた磁石54をリードスイッチから切り離すことで、通電制御スイッチ動作部70を非動作状態とすることができる。
【0035】
図8は本実施例によるコードレスハンダゴテの特性図である。
図8は、縦軸をコテ先10の先端12の温度、横軸を経過時間とし、本実施例による定電圧回路34を備えたバッテリー30の特性をA、比較例による定電圧回路34を備えないバッテリー30の特性をBとして示している。なお、本実施例によるバッテリー30には、リチウムイオン電池を用い、定電圧回路34では、3.7vを5vに電圧変換している。
共晶ハンダの融点は183℃、鉛フリーハンダの融点は217℃であるが、ハンダ付け作業に適したコテ先10の先端12の温度は340℃~380℃である。
比較例として示す特性Bでは、経過時間ととともにコテ先10の先端12の温度が徐々に低下している。このように、コテ先10の先端12の温度が徐々に低下すると、経過時間によってハンダの溶け具合が異なるため、効率的なハンダ付け作業を行いにくい。
これに対して、本実施例として示す特性Aでは、経過時間の影響を受けることなく安定した温度を維持しており、効率的なハンダ付け作業を行える。
【0036】
以上のように本実施例によれば、ハンダゴテ本体20を保持台50に載置することで、通電制御スイッチ24が通電回路23を開とし、本体側入力端子25が充電部60に接続されるため、ハンダゴテ本体20を保持台50に載置している間、充電が行われるとともに、通電回路23を開としてコテ先10の温度を低下させることで、コテ先10の先端12に酸化膜が形成されることを防止でき、ハンダゴテ本体20の保持台50への載置時間が長くなってもコテ先10のクリーニングの必要が無く、特にハンダ作業に不慣れな学生でも、安全で効率的なハンダ付け作業を行うことができる。
また、本実施例によれば、ハンダゴテ本体20にリードスイッチを設け、保持台50にリードスイッチを動作させる磁石71を備えることで容易に通電回路23を開とすることができる。
また、本実施例によれば、バッテリー30に定電圧回路34を備えることで、放電によるコテ先10の温度の低下がなく、安定したハンダ付け作業を行える。
また、本実施例によれば、バッテリー30に通電停止スイッチ33を備えることで、不使用時の放電を防止できるとともに安全性を高めることができる。
また、本実施例によれば、ハンダゴテ本体20にコテ先10への通電状態を示す表示部26を備えることで、特にハンダゴテ本体20を保持台50に載置している状態でのコテ先10への通電状態を確認できる。
また、本実施例によれば、コテ先外周面11を一方本体側入力端子25aとして用いることで、充電部60への接続を容易に行える。
また、本実施例によれば、導通チェック機能を備えることで、特に鉛フリーハンダを用いた場合のハンダ付け状態を確認することができる。
また、本実施例によれば、磁石71を、リードスイッチを動作させる第1の位置71aと、リードスイッチを動作させない第2の位置71bとに移動できるため、磁石71を第2の位置71bに移動させることで、コテ先10への通電を維持することができる。
また、本実施例によれば、コテ先10を載置する載置部材51と、載置部材51を支持する受け台52と、受け台52に一端を支持される一対の可動アーム53とを備え、磁石54を一対の可動アーム53の他端に設け、一方の可動アーム53に設けた磁石54で、リードスイッチを動作させ、他方の可動アーム53に設けた磁石54で、他方本体側入力端子25bと接続し、載置部材51に一方本体側入力端子25aを接続することで、簡便な装置構成で充電を行えるとともに、通電回路23を開としてコテ先10の温度を低下させることができる。
【0037】
図9は本発明の他の実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図である。なお、
図1と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例によるコードレスハンダゴテでは、通電制御スイッチ動作部70は、電磁石75を用いるとともに、電磁石75への通電を断続的に行う制御部76を備えている。
【0038】
図10は
図9に示すコードレスハンダゴテの特性図である。
図10は、縦軸をコテ先10の先端12の温度、横軸を経過時間とし、制御部76ではコードレスハンダゴテの保持台50への載置から、停止時間T1と通電時間T2とを繰り返し行ったものである。
本実施例のように、制御部76によって電磁石75への通電を断続的に行うことで、コテ先10の先端12での酸化膜の形成を防止しつつ、コテ先10の温度の低下しすぎを防止でき、ハンダゴテ本体20を保持台50に載置した後のハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
なお、本実施例のように、電磁石75への通電を断続的に行う場合であっても、バッテリー30は充電部60によって継続的に充電される。
停止時間T1と通電時間T2とは、使用環境に応じて、制御部76により変更可能とすることが好ましい。
【0039】
図11は
図9に示すコードレスハンダゴテに適した保持台を機能実現手段で表したブロック図である。なお、
図9と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持台50には、コテ先10の少なくとも先端12を保温する保温カバー56を設けている。保温カバー56は、例えば耐熱ガラス材を用いて有底筒状に形成する。
このように、保温カバー56を設けることで、コテ先10の先端12を保温できるとともに、コテ先10の先端12に付着するハンダカスを回収することができる。
【0040】
図12は
図11に示す保持台を用いた場合のコードレスハンダゴテの特性図である。
図12は、
図10と同様に、縦軸をコテ先10の先端12の温度、横軸を経過時間とし、制御部76ではコードレスハンダゴテの保持台50への載置から、停止時間T1と通電時間T2とを繰り返し行ったものである。
本実施例のように、保温カバー56を設けることで、コテ先10の温度の低下を防止でき、ハンダゴテ本体20を保持台50に載置した後のハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
なお、電磁石75への通電を断続的に行う制御部76を備えている場合で説明したが、このような制御部76を備えていない場合であっても、保温カバー56を設けることで、コテ先10の温度の低下しすぎを防止でき、ハンダゴテ本体20を保持台50に載置した後のハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
【0041】
図13は本発明の更に他の実施例によるコードレスハンダゴテを機能実現手段で表したブロック図である。なお、
図1と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例によるコテ先10aは、コテ先外周面11を一方本体側入力端子25aとして用いることができないコテ先のタイプの場合のものである。
このようなコテ先10aを用いる場合には、コテ先外周面11に配置する耐熱電気絶縁材14と、耐熱電気絶縁材14によってコテ先外周面11から絶縁される導電材15とを用いる。
例えば、コテ先外周面11にテープ状の耐熱電気絶縁材14を巻き、金属製パイプからなる導電材15を被せる。
本実施例では、一方本体側入力端子25aは、コテ先10aのコテ先外周面11に設けた導電材15と接続する。切替スイッチ27は、一方電源端子21aを、コテ先10aの通電回路23への接続と、コテ先10aのコテ先外周面11に設けた導電材15への接続とに切り替える。充電部60の一方充電部側端子61aは、コテ先外周面11に設けた導電材15と接触する。
このように、コテ先外周面11に耐熱電気絶縁材14を介して配置される導電材15を設けることで、コテ先外周面11を一方本体側入力端子25aとして用いることができないコテ先10aであっても充電部60への接続を容易に行える。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のコードレスハンダゴテは、教育機関における課題実習で用いるハンダゴテとして最適であるが、野外作業で用いるハンダゴテとしても適している。
【符号の説明】
【0043】
10、10a コテ先
11 コテ先外周面
12 先端
13 加熱源
14 耐熱電気絶縁材
15 導電材
20 ハンダゴテ本体
21 電源端子
21a 一方電源端子
21b 他方電源端子
22 充電端子
23 通電回路
24 通電制御スイッチ
25 本体側入力端子
25a 一方本体側入力端子
25b 他方本体側入力端子
26 表示部
27 切替スイッチ
28 押圧スイッチ
29 導通チェッカー端子
30 バッテリー
31 出力端子
32 入力端子
33 通電停止スイッチ
34 定電圧回路
50 保持台
51 載置部材
52 受け台
53 可動アーム
54 磁石
55 固定用磁石
56 保温カバー
60 充電部
61a 一方充電部側端子
61b 他方充電部側端子
70 通電制御スイッチ動作部
71 磁石
75 電磁石
76 制御部