(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】粒子径表示装置、粒子径表示方法および粒子径表示システム
(51)【国際特許分類】
G01N 15/02 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
G01N15/02 D
(21)【出願番号】P 2018237735
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-06-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー・環境新技術先導プログラム/ビッグデータ適応型の革新的検査評価技術の研究開発に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】赤丸 久光
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 央昌
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晴久
(72)【発明者】
【氏名】時崎 高志
(72)【発明者】
【氏名】重藤 知夫
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和三
(72)【発明者】
【氏名】黒河 明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 かより
(72)【発明者】
【氏名】藤本 俊幸
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/195785(WO,A1)
【文献】特開2003-098111(JP,A)
【文献】特開2014-228496(JP,A)
【文献】特開2002-022503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径を測定する分析方法により取得された複数の被測定物の粒子径結果を取得する粒子径結果収集部と、
複数種類の前記分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の前記分析方法に対応する前記粒子径結果収集部に収集された複数の前記粒子径結果を対比可能に表示する第1表示領域とを同一画面上に表示する表示部とを備える、粒子径表示装置。
【請求項2】
前記粒子径結果収集部は、粒子径を測定する複数種類の前記分析方法により測定された複数の前記粒子径結果または複数の前記被測定物の複数の前記粒子径結果を取得するように構成されており、
前記表示部は、複数種類の前記分析方法および複数のそれぞれに対応する前記被測定物を選択可能に表示する前記選択領域と、複数の前記粒子径結果をグラフ形式で表示する前記第1表示領域とを同一画面上に表示するように構成されている、請求項1に記載の粒子径表示装置。
【請求項3】
前記粒子径結果収集部は、複数の前記粒子径結果として、複数の前記被測定物における前記粒子径結果の各々の平均粒子径を取得するように構成されており、
前記表示部は、複数の前記平均粒子径に基づくグラフ形式の前記粒子径結果を前記第1表示領域に表示するように構成されている、請求項2に記載の粒子径表示装置。
【請求項4】
前記粒子径結果収集部は、複数の前記粒子径結果として、複数の前記被測定物における複数の粒子径分布を取得するように構成されており、
前記表示部は、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果から選択された前記粒子径結果における前記粒子径分布を、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果と対比可能に表示する第2表示領域をさらに表示するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の粒子径表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果から選択された前記粒子径結果における複数の前記粒子径分布を前記第2表示領域の同一画面上に重ねて表示するように構成されている、請求項4に記載の粒子径表示装置。
【請求項6】
前記粒子径結果収集部は、複数の前記粒子径結果を同一の基準で規格化した粒子径分布規格化結果を取得するように構成されており、
前記表示部は、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果から選択された前記粒子径結果における前記粒子径分布規格化結果を前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項5に記載の粒子径表示装置。
【請求項7】
前記粒子径結果収集部は、複数の前記粒子径結果のうちの所定の前記被測定物の複数の前記粒子径結果について、複数種類の前記分析方法のうちの複数の前記粒子径結果が取得された前記分析方法ごとに複数の前記粒子径結果を対比することが可能な第1粒子径分布比較結果を取得するとともに、
前記表示部は、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果から選択された前記粒子径結果における前記第1粒子径分布比較結果を、前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項5または6に記載の粒子径表示装置。
【請求項8】
前記粒子径結果収集部は、複数種類の前記分析方法のうちの所定の前記分析方法において測定された複数の前記粒子径結果について、複数の前記被測定物ごとの複数の前記粒子径結果を対比することが可能な第2粒子径分布比較結果を取得するように構成されており、
前記表示部は、前記第1表示領域に表示された複数の前記粒子径結果から選択された前記粒子径結果における前記第2粒子径分布比較結果を、前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項5または6に記載の粒子径表示装置。
【請求項9】
粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果を取得するステップと、
複数種類の前記分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の前記分析方法に対応する収集された前記粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを表示部の同一画面上に表示するステップとを備える、粒子径表示方法。
【請求項10】
複数の被測定物の粒子径結果を取得する複数の粒子径測定装置と、
粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果を取得する粒子径結果収集部と、複数種類の前記分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の前記分析方法に対応する前記粒子径結果収集部に収集された粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを同一画面上に表示する表示部とを備える粒子径表示装置とを含む、粒子径表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子径表示装置、粒子径表示方法および粒子径表示システムに関し、特に、粒子径の分析結果をグラフ形式で表示する粒子径表示装置、粒子径表示方法および粒子径表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工業分野や医療分野、食品分野などにおいて、微小粒子を用いた製品の製造が行われている。微小粒子を用いた製品を製造する際、製造された製品における微小粒子の粒子径などを検査する必要がある。そこで、従来、微小粒子の粒子径を測定する装置が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
上記特許文献1では、画像解析法を用いて、誘電体用セラミック粉末を製造する際のセラミック粉末の粒子径を測定している。画像解析法とは、被測定物の一部を基板などに塗布して画像を撮影し、撮影した画像から、各粒子の粒子径を測定する方法である。上記特許文献1では、走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)を用いて被測定物(セラミック粉末)の画像を取得することにより、粒子径を測定している。
【0004】
また、上記特許文献2では、貴金属粒子を用いた排ガス浄化用触媒の製造時において、動的光散乱法(以下、DLSという)を用いて貴金属粒子の粒子径を測定している。DLSとは、溶液中の粒子のブラウン運動に起因する散乱光の揺らぎに基づいて、粒子径を測定する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-273708号公報
【文献】特開2017-177014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に記載されたようなSEMを用いた粒子径の測定は、被測定物の一部の画像中に写る粒子の粒子径を測定するものであり、得られた粒子径を被測定物全体の粒子径として用いることができるか否かを判断することができない。また、上記特許文献2に記載されたようなDLSを用いた粒子径の測定は、被測定物全体の粒子径を測定することが可能であるが、被測定物が溶液中において凝集している場合には、粒子が凝集した塊の径を測定するために、個々の粒子径を測定することができない。このため、被測定物の正確な粒子径を得るためには、たとえば、上記特許文献1に記載されたようなSEMを用いた粒子径分布測定および上記特許文献2に記載されたようなDLSを用いた粒子径測定などの複数の測定方法を用いて取得した測定結果を分析する必要がある。
【0007】
従来では、上記特許文献1に記載されているようなSEMを用いた粒子径測定装置および特許文献2に記載されているようなDLSを用いた粒子径測定装置を用いて測定された複数の測定方法による測定結果を、表計算ソフトウェアなどを用いて分析を行っていた。具体的には、表計算ソフトウェアなどを用いて、複数の粒子径測定装置によって測定された粒子径結果のグラフを作成することにより、粒子径結果の分析を行っていた。
【0008】
しかしながら、表計算ソフトウェアなどを用いて作成されたグラフを用いて粒子径結果の分析を行う場合に、複数の粒子径測定装置の組み合わせを変更したい場合に、もう一度グラフを作成し直さなければならないという不都合がある。また、複数の粒子径測定装置の組み合わせを変更したグラフを作成し直した場合、各粒子径結果の分析結果を対比することが容易ではないという不都合がある。そのため、ユーザは、分析したい内容に合わせて様々なグラフを作成する必要があり、粒子径結果の分析の効率が低下するという問題点がある。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、粒子径結果の表示の改善により、粒子径結果の分析の効率を向上させることが可能な粒子径表示装置、粒子径表示方法および粒子径表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における粒子径表示装置は、粒子径を測定する分析方法により取得された複数の被測定物の粒子径結果を取得する粒子径結果収集部と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部に収集された複数の粒子径結果を対比可能に表示する第1表示領域とを同一画面上に表示する表示部とを備える。
【0011】
この発明の第1の局面における粒子径表示装置は、上記のように、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部に収集された複数の粒子径結果を対比可能に表示する第1表示領域とを同一画面上に表示する表示部を備える。これにより、ユーザは、第1表示領域と同一画面上に表示された選択領域において分析方法を選択することにより、表示部に表示される粒子径結果を切り替えることができる。これにより、ユーザの意図に合わせて粒子径結果の表示を切り替えることができる。また、ユーザは、第1表示領域に表示された粒子径結果を確認することにより、複数の粒子径結果を容易に対比することができる。これらの結果、粒子径結果の表示の改善により、粒子径結果の分析の効率を向上させることができる。
【0012】
上記第1の局面における粒子径表示装置において、好ましくは、粒子径結果収集部は、粒子径を測定する複数種類の分析方法により測定された複数の粒子径結果または複数の被測定物のそれぞれに対応する複数の粒子径結果を取得するように構成されており、表示部は、複数種類の分析方法および複数の被測定物を選択可能に表示する選択領域と、複数の粒子径結果をグラフ形式で表示する第1表示領域とを同一画面上に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、粒子径結果のグラフを確認することにより、複数の粒子径結果を容易に把握することができる。また、ユーザは、表示する分析方法および被測定物の種類を切り替えることによって、任意の粒子径結果のグラフを表示部に表示させることができる。その結果、ユーザは、任意の分析方法および被測定物の粒子径結果をグラフ形式で表示部に表示させることが可能となるので、粒子径結果の分析の効率を容易に向上させることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、粒子径結果収集部は、複数の粒子径結果として、複数の被測定物における粒子径結果の各々の平均粒子径を取得するように構成されており、表示部は、複数の平均粒子径に基づくグラフ形式の粒子径結果を第1表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、グラフ形式の平均粒子径に基づいて、粒子径結果の分析を行うことができる。その結果、各々の粒子の粒子径としての粒子径結果の数値を用いて分析を行う場合と比較して、粒子径結果を直感的に把握することが可能となるので、粒子径結果の分析を容易に行うことができる。
【0014】
上記第1の局面における粒子径表示装置において、好ましくは、粒子径結果収集部は、複数の粒子径結果として、複数の被測定物における複数の粒子径分布を取得するように構成されており、表示部は、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果から選択された粒子径結果における粒子径分布を、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果と対比可能に表示する第2表示領域をさらに表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、複数の粒子径結果を把握することができるとともに、複数の粒子径結果と、複数の粒子径結果から選択された粒子径分布とを対比させて把握することができる。その結果、ユーザは、複数の粒子径結果と、選択された粒子径分布とを一度に把握することが可能となるので、粒子径結果の分析の効率をより向上させることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、表示部は、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果から選択された粒子径結果における複数の粒子径分布を第2表示領域の同一画面上に重ねて表示するように構成されている。このように構成すれば、粒子径結果から複数の粒子径分布を表示する際に、複数の粒子径分布が同一画面上に重ねて表示されるので、ユーザは、複数の粒子径分布を一度に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、複数の粒子径分布を容易に比較することが可能となるので、被測定物の粒子径分布の分析を容易に行うことができる。
【0016】
上記複数の粒子径分布を第2表示領域の同一画面上に重ねて表示する構成において、好ましくは、粒子径結果収集部は、複数の粒子径結果を同一の基準で規格化した粒子径分布規格化結果を取得するように構成されており、表示部は、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果から選択された粒子径結果における粒子径分布規格化結果を第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、複数の粒子径測定装置において粒子径分布を測定する際の基準が異なっていた場合でも、同一の基準で規格化された粒子径分布規格化結果を確認することにより、複数の粒子径分布を同一のグラフ上において比較することができる。したがって、ユーザは、様々な分析手法により取得された粒子径分布を用いて被測定物の粒子径分布の分析を行うことができる。その結果、同一の基準で粒子径分布を測定する粒子径測定装置(分析方法)を複数用いる場合と比較して、粒子径測定装置の種類(分析方法の種類)を増加させることが可能となるので、被測定物の粒子径分布の分析の精度を向上させることができる。
【0017】
上記複数の粒子径分布を第2表示領域の同一画面上に重ねて表示する構成において、好ましくは、粒子径結果収集部は、複数の粒子径結果のうちの所定の被測定物の複数の粒子径結果について、複数種類の分析方法のうちの複数の粒子径結果が取得された分析方法ごとに複数の粒子径結果を対比することが可能な第1粒子径分布比較結果を取得するとともに、表示部は、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果から選択された粒子径結果における第1粒子径分布比較結果を、第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、選択された第1粒子径分布比較結果を確認することにより、様々な種類の粒子径測定装置によって測定された粒子径分布を一度に把握することができる。その結果、ユーザは、第1粒子径分布比較結果を確認することにより、粒子径測定装置の種類(分析方法の種類)の違いに起因する粒子径分布の相違を把握することが可能となるので、選択された被測定物の粒子径分布の分析を容易に、かつ、精度よく行うことができる。
【0018】
上記複数の粒子径分布を第2表示領域の同一画面上に重ねて表示する構成において、好ましくは、粒子径結果収集部は、複数種類の分析方法のうちの所定の分析方法において測定された複数の粒子径結果について、複数の被測定物ごとの複数の粒子径結果を対比することが可能な第2粒子径分布比較結果を取得するように構成されており、表示部は、第1表示領域に表示された複数の粒子径結果から選択された粒子径結果における第2粒子径分布比較結果を、第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、選択された第2粒子径分布比較結果を確認することにより、所定の粒子径測定装置において測定された複数の被測定物それぞれの粒子径分布を対比することができる。その結果、ユーザは、たとえば、複数の粒子径の粒子が混合された被測定物を所定の範囲の大きさの粒子径ごとに分級して測定した場合に、各分画の粒子径分布を一度に把握することが可能となるので、被測定物に含まれていた全粒子の粒子径分布を容易に把握することができる。
【0019】
この発明の第2の局面における粒子径表示方法は、粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果を取得するステップと、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する収集された粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを表示部の同一画面上に表示するステップとを備える。
【0020】
この発明の第2の局面による粒子径表示方法では、上記のように、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する収集された粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを表示部の同一画面上に表示するステップを備える。これにより、ユーザは、表示領域と同一画面上に表示された選択領域において分析方法を選択することにより、表示部に表示される粒子径結果を切り替えることができる。これにより、ユーザの意図に合わせて粒子径結果の表示を切り替えることができる。また、ユーザは、表示領域に表示された粒子径結果を確認することにより、複数の粒子径結果を容易に対比することができる。これらの結果、粒子径結果の表示の改善により、粒子径結果の分析の効率を向上させることができる。
【0021】
この発明の第3の局面における粒子径表示システムは、複数の被測定物の粒子径結果を取得する複数の粒子径測定装置と、粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果を取得する粒子径結果収集部と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部に収集された粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを同一画面上に表示する表示部とを備える粒子径表示装置とを含む。
【0022】
この発明の第3の局面による粒子径表示システムでは、上記のように、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部に収集された粒子径結果とを対比可能に表示する表示領域とを同一画面上に表示する表示部とを備える粒子径表示装置を備える。これにより、ユーザは、表示領域と同一画面上に表示された選択領域において分析方法を選択することにより、表示部に表示される粒子径結果を切り替えることができる。これにより、ユーザの意図に合わせて粒子径結果の表示を切り替えることができる。また、ユーザは、表示領域に表示された粒子径結果を確認することにより、複数の粒子径結果を容易に対比することができる。これらの結果、粒子径結果の表示の改善により、粒子径結果の分析の効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、粒子径結果の表示の改善により、粒子径結果の分析の効率を向上させることが可能な粒子径表示装置、粒子径表示方法および粒子径表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態による粒子径表示装置を含む粒子径表示システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】各粒子径測定装置が測定する被測定物の模式図である。
【
図3】被測定物を分級した第1サンプル~第4サンプルの模式図(A)~(D)である。
【
図4】第1実施形態による第1表示領域に表示される粒子径結果の模式図(A)および表示部に表示される選択領域の模式図(B)である。
【
図5】第2サンプルおよびDLSが選択されなかった場合の第1表示領域の模式図(A)および選択領域の模式図(B)である。
【
図6】第1実施形態による選択領域および第1表示領域を表示部に表示する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】第2実施形態による粒子径表示装置を含む粒子径表示システムの全体構成を示す模式図である。
【
図8】第2実施形態による第1表示領域に表示される粒子径結果の模式図(A)およびメニュー画面の模式図(B)である。
【
図9】第2実施形態による第2表示領域に表示される粒子径分布の模式図である。
【
図10】第2実施形態による第1表示領域および第2表示領域を表示部に表示する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図11】第3実施形態による第1表示領域に表示される粒子径結果の模式図(A)およびメニュー画面の模式図(B)である。
【
図12】第3実施形態による第2表示領域に表示される第1粒子径分布比較結果の模式図である。
【
図13】第3実施形態による第1表示領域および第2表示領域を表示部に表示する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図14】第4実施形態による第1表示領域に表示される粒子径結果の模式図(A)およびメニュー画面の模式図(B)である。
【
図15】第4実施形態による第2表示領域に表示される第2粒子径分布比較結果の模式図である。
【
図16】第4実施形態による第1表示領域および第2表示領域を表示部に表示する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図17】第1実施形態の第1変形例による表示部に表示される相関図の模式図である。
【
図18】第1実施形態の第2変形例による表示部に表示される粒子径分布の模式図である。
【
図19】第3実施形態の変形例による第2表示領域に表示される粒子径分布規格化結果の模式図(A)および粒子径分布を規格化した際のデータを示す表(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
[第1実施形態]
図1~
図5を参照して、本発明の第1実施形態による粒子径表示装置1を備える粒子径表示システム100の構成について説明する。
【0027】
(粒子径表示システムおよび粒子径表示装置の構成)
図1に示すように、粒子径表示システム100は、粒子径表示装置1と、複数の粒子径測定装置2と、入力部Qとを備えている。
【0028】
複数の粒子径測定装置2は、第1粒子径測定装置2aと第2粒子径測定装置2bと第3粒子径測定装置2cと第4粒子径測定装置2dとを含む。第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dは、それぞれ、複数の被測定物M(
図2参照)の粒子径結果4(第1粒子径結果4a、第2粒子径結果4b、第3粒子径結果4cおよび第4粒子径結果4d)を取得するように構成されている。
【0029】
第1粒子径測定装置2aは、被測定物Mの拡大画像を撮影し、撮影された拡大画像に写る被測定物Mの粒子径を測定するように構成されている。第1粒子径測定装置2aは、たとえば、SEM(走査型電子顕微鏡)を含む。第1粒子径測定装置2aは、被測定物Mに電子線を照射する電子線出力部(図示せず)と、電子線を照射された被測定物Mから出力される信号を検出する検出部(図示せず)と、複数のレンズと、被測定物Mに照射する電子線を走査させる電子線操作部(図示せず)と、検出部により検出された信号に基づき画像を生成する画像生成部(図示せず)と、撮影された画像に写る粒子の粒子径を測定し、被測定物Mの粒子径結果4を取得する画像処理部(図示せず)とを備える。
【0030】
第2粒子径測定装置2bは、第1粒子径測定装置2aとは異なる方法で被測定物Mの拡大画像を撮影し、撮影された拡大画像に写る被測定物Mの粒子径を測定するように構成されている。第2粒子径測定装置2bは、たとえば、原子間力顕微鏡(以下、AFMという)を含む。第2粒子径測定装置2bは、被測定物Mの表面を走査する探針(図示せず)と、探針と被測定物Mとの間に働く斥力または引力を変位に変換する変位変換部と、変位を検出する変位検出部(図示せず)と、変位検出部により検出された信号に基づき画像を生成する画像生成部(図示せず)と、撮影された画像に写る粒子の粒子径を測定し、被測定物Mの粒子径結果4を取得する画像処理部(図示せず)とを備える。
【0031】
第3粒子径測定装置2cは、溶液中に拡散させた被測定物Mのブラウン運動に起因する散乱光の揺らぎに基づいて、被測定物Mの粒子径結果4を測定するように構成されている。第3粒子径測定装置2cは、たとえば、DLSにより被測定物Mの粒子径結果4を測定する粒子径測定装置を含む。第3粒子径測定装置2cは、溶液中に拡散させた被測定物Mに光を照射する光源部(図示せず)と、被測定物Mによって拡散された散乱光を検出する検出部(図示せず)と、散乱光の揺らぎに基づいて、被測定物Mの粒子径結果4を取得する粒子径分布取得部(図示せず)とを備える。
【0032】
第4粒子径測定装置2dは、プラズマを用いてイオン化した被測定物Mの粒子径や粒子径結果4を測定するように構成されている。第4粒子径測定装置2dは、たとえば、誘導結合プラズマ質量分析装置(以下、ICP-MSという)を含む。第4粒子径測定装置2dは、被測定物Mに照射するプラズマを発生させるプラズマ発生部(図示せず)と、イオン化した被測定物Mを検出する検出部(図示せず)と、検出部により検出された信号に基づいて被測定物Mの粒子径結果4を取得する粒子径分布取得部(図示せず)とを備える。
【0033】
粒子径表示装置1は、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部7に収集された粒子径結果4を対比可能に表示する第1表示領域6とを表示部3の同一画面上に表示するように構成されている。なお、第1表示領域6は、特許請求の範囲の「表示領域」の一例である。
【0034】
図1に示すように、粒子径表示装置1は、表示部3と、粒子径結果収集部7と、制御部8と、記憶部9とを備える。粒子径結果収集部7は、制御部8の制御の下で、被測定物Mの粒子径結果4を複数取得するように構成されている。
図1に示す例では、粒子径結果収集部7は、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dによって測定された複数の第1粒子径結果4a~第4粒子径結果4dを取得するように構成されている。また、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4として、複数の被測定物Mにおける粒子径結果4の各々の平均粒子径10を取得するように構成されている。粒子径結果収集部7は、いわゆる入出力インターフェースとして構成されている。
【0035】
制御部8は、粒子径結果収集部7を制御して、複数の粒子径測定装置2から複数の粒子径結果4を取得するように構成されている。制御部8は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどから構成されるコンピュータであり、記憶部9に格納された各種プログラムを実行することにより、粒子径表示装置1の制御部8として機能するように構成されている。
【0036】
記憶部9は、制御部8が実行するプログラムや設定情報を格納するとともに、粒子径結果収集部7が複数の粒子径結果4などを記憶するように構成されている。記憶部9は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性のメモリなどを含む。
【0037】
表示部3は、粒子径表示装置1から出力された選択領域5および第1表示領域6を同一画面上に表示するように構成されている。表示部3は、たとえば、液晶モニタなどを含む。
【0038】
入力部Qは、操作者(ユーザ)の入力操作を受け付けるように構成されている。入力部Qは、たとえば、マウスやキーボードなどを含む。
【0039】
(被測定物)
次に、
図2および
図3を参照して、複数の粒子径測定装置2が測定する被測定物Mについて説明する。
【0040】
図2は、複数の粒子径測定装置2が測定する被測定物Mの模式図である。
図2に示すように、被測定物Mは、様々な粒子径の粒子が含まれている。被測定物Mは、たとえば、金やシリカなどの粒子であり、粒子径が数nmから数十nmの範囲の微小粒子を含む。
【0041】
図2に示すように、被測定物Mに様々な粒子径の粒子が含まれている場合、粒子同士の重なりなどに起因して、測定される粒子径結果4の精度が低下する。そこで、第1実施形態では、被測定物Mに含まれる粒子の粒子径に応じて被測定物Mを複数のサンプルに分級して、それぞれのサンプルの粒子径結果4を取得する。具体的には、第1実施形態では、
図3に示すように、被測定物Mを第1サンプルM1、第2サンプルM2、第3サンプルM3および第4サンプルM4の4つに分級し、それぞれ粒子径結果4を取得する。
図3に示す例では、第1サンプルM1に含まれる粒子の粒子径が一番小さく、第2サンプルM2、第3サンプルM3、第4サンプルM4の順に、含まれる粒子の粒子径が大きくなる例を示している。
【0042】
(選択領域および第1表示領域の表示)
次に、
図4および
図5を参照して、第1実施形態における選択領域5および第1表示領域6が表示部3に表示される構成について説明する。
【0043】
第1実施形態では、
図4に示すように、粒子径表示装置1は、粒子径を測定する分析方法により取得された複数の被測定物Mの粒子径結果4を取得する粒子径結果収集部7と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部7に収集された複数の粒子径結果4を対比可能に表示する第1表示領域6とを同一画面上に表示する表示部3とを備える。具体的には、粒子径結果収集部7は、粒子径を測定する複数種類の分析方法により測定された複数の粒子径結果4または複数の被測定物Mのそれぞれに対応する複数の粒子径結果4を取得するように構成されており、表示部3は、複数種類の分析方法および複数の被測定物Mを選択可能に表示する選択領域5と、複数の粒子径結果4をグラフ形式で表示する第1表示領域6とを同一画面上に表示するように構成されている。より具体的には、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4として、複数の被測定物Mにおける粒子径結果4の各々の平均粒子径10を取得するように構成されており、表示部3は、平均粒子径10のそれぞれをグラフ形式で第1表示領域6に表示するように構成されている。
【0044】
図4に示す模式図は、第1実施形態による制御部8が、表示部3に表示する選択領域5および第1表示領域6の例である。
図4(A)に示すグラフは、第1表示領域6に表示される平均粒子径10のグラフである。平均粒子径10のグラフは、第1サンプルM1の平均粒子径10a、第2サンプルM2の平均粒子径10b、第3サンプルM3の平均粒子径10cおよび第4サンプルM4の平均粒子径10dをそれぞれ表示している。
図8(A)に示すグラフの縦軸は、粒子径(nm)であり、横軸は、サンプル番号である。また、
図4(B)は、表示部3に表示される選択領域5の模式図である。
【0045】
図4(A)に示す平均粒子径10のグラフでは、便宜上、各サンプルMの平均粒子径10を、粒子径測定装置の凡例L1に示すようなプロットで示している。具体的には、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dによって測定された粒子径結果4の平均粒子径10を、それぞれ、丸型のプロットL1a、星形のプロットL1b、三角形のプロットL1cおよび四角形のプロットL1dで表示している。なお、
図4(A)に示すように、同じサンプルMを測定した粒子径結果4でも、測定する装置が異なると、分析方法が異なることに起因して得られる平均粒子径10が異なる。したがって、被測定物Mの正確な粒子径結果4を得るためには、複数の粒子径測定装置2によって測定された粒子径結果4を分析する必要がある。
【0046】
図4(B)に示す例は、表示部3に表示される選択領域5の例である。第1実施形態では、選択領域5として、分析方法選択部50が表示部3に表示されている例を示している。分析方法選択部50は、各粒子径測定装置2(分析方法)の表示を切り替える第1選択部50aと、各サンプルMの表示を切り替える第2選択部50bとを備える。分析方法選択部50は、第1選択部50aおよび第2選択部50bが操作者によって操作されることにより、粒子径結果4のグラフに表示する各サンプルMおよび各粒子径測定装置2の選択を行うように構成されている。
図4(B)に示す例では、第1選択部50aおよび第2選択部50bは、それぞれ、チェックボックス形式で表示されている。
【0047】
図5は、操作者によって第2サンプルM2、およびDLSを用いた分析方法が選択されたかった場合の例を示している。
図5(B)に示すように、操作者が第2サンプルM2およびDLSを用いた分析方法のチェックを外した場合、平均粒子径10のグラフは、
図5(A)に示すように表示される。すなわち、平均粒子径10のグラフから、第2サンプルM2およびDLSを用いた分析方法のプロットが非表示となる。このように、操作者は、分析方法選択部50を操作することにより、第1表示領域6に表示された平均粒子径10のグラフに表示される分析方法および被測定物Mを任意に切り替えることができる。
【0048】
次に、
図6を参照して、第1実施形態による選択領域5および第1表示領域6の表示処理の一連の流れについて説明する。
【0049】
ステップS1において、粒子径結果収集部7は、被測定物Mの粒子径結果4を複数取得する。その後、ステップS2において、制御部8は、選択領域5および第1表示領域6を対比可能に表示部3に表示させ、処理を終了する。
【0050】
上記のように、第1実施形態では、粒子径表示方法は、粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果4を取得するステップS1と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と、選択された複数の分析方法に対応する収集された粒子径結果4を対比可能に表示する第1表示領域6とを表示部3の同一画面上に表示するステップS2とを備える。
【0051】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0052】
第1実施形態では、上記のように、粒子径表示装置1は、粒子径を測定する分析方法により取得された複数の被測定物Mの粒子径結果4を取得する粒子径結果収集部7と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部7に収集された複数の粒子径結果4を対比可能に表示する第1表示領域6とを同一画面上に表示する表示部3とを備える。これにより、操作者(ユーザ)は、第1表示領域6と同一画面上に表示された選択領域5において分析方法を選択することにより、表示部3に表示される粒子径結果4を切り替えることができる。これにより、操作者の意図に合わせて粒子径結果4の表示を切り替えることができる。また、操作者は、第1表示領域6に表示された粒子径結果4を確認することにより、複数の粒子径結果4を容易に対比することができる。これらの結果、粒子径結果4の表示の改善により、粒子径結果4の分析の効率を向上させることができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、粒子径を測定する複数種類の分析方法により測定された複数の粒子径結果4または複数の被測定物Mのそれぞれに対応する複数の粒子径結果4を取得するように構成されており、表示部3は、複数種類の分析方法および複数の被測定物Mを選択可能に表示する選択領域5と、複数の粒子径結果4をグラフ形式で表示する第1表示領域6とを同一画面上に表示するように構成されている。これにより、操作者は、粒子径結果4のグラフを確認することにより、複数の粒子径結果4を容易に把握することができる。また、操作者は、表示する分析方法および被測定物Mの種類を切り替えることによって、任意の粒子径結果4のグラフを表示部3に表示させることができる。その結果、操作者は、任意の分析方法および被測定物Mの粒子径結果4をグラフ形式で表示部3に表示させることが可能となるので、粒子径結果4の分析の効率を容易に向上させることができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4として、複数の被測定物Mにおける粒子径結果4の各々の平均粒子径10を取得するように構成されており、表示部3は、複数の平均粒子径10に基づくグラフ形式の粒子径結果4を第1表示領域6に表示するように構成されている。これにより、操作者は、グラフ形式の平均粒子径10に基づいて、粒子径結果4の分析を行うことができる。その結果、各々の粒子の粒子径としての粒子径結果4の数値を用いて分析を行う場合と比較して、粒子径結果4を直感的に把握することが可能となるので、粒子径結果4の分析を容易に行うことができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、粒子径表示方法は、粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果4を取得するステップS1と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と、選択された複数の分析方法に対応する収集された粒子径結果4とを対比可能に表示する第1表示領域6とを表示部3の同一画面上に表示するステップS2とを備える。これにより、粒子径結果4の表示の改善によって、粒子径結果4の分析の効率を向上させることが可能な粒子径表示方法を提供することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、粒子径表示システム100は、複数の被測定物Mの粒子径結果4を取得する複数の粒子径測定装置2と、粒子径を測定する分析方法により取得される粒子径結果4を取得する粒子径結果収集部7と、複数種類の分析方法を選択可能に表示する選択領域5と、選択された複数の分析方法に対応する粒子径結果収集部7に収集された粒子径結果4とを対比可能に表示する第1表示領域6とを同一画面上に表示する表示部3とを備える粒子径表示装置1とを含む。これにより、粒子径結果4の表示の改善によって、粒子径結果4の分析の効率を向上させることが可能な粒子径表示システム100を提供することができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、
図7~
図9を参照して、本発明の第2実施形態による粒子径表示装置21(
図7参照)を含む粒子径表示システム200(
図7参照)について説明する。選択領域5および第1表示領域6を表示部3に表示する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、第1表示領域6を表示部3に表示するとともに、粒子径分布11(
図9参照)が表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
第2実施形態では、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4として、複数の被測定物Mにおける複数の粒子径分布11を取得するように構成されており、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における粒子径分布11を、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4と対比可能に表示する第2表示領域12をさらに表示するように構成されている。
図7に示すように、第2実施形態では、粒子径結果収集部7は、粒子径結果4として、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dによって測定された第1粒子径分布11a、第2粒子径分布11b、第3粒子径分布11cおおび第4粒子径分布11dを取得するように構成されている。
【0059】
(第2表示領域の表示)
次に、
図8および
図9を参照して、第2実施形態における制御部28が第2表示領域12を表示部3に表示する構成について説明する。なお、制御部28が第1表示領域6を表示部3に表示する処理は、上記第1実施形態における制御部8が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0060】
第2実施形態では、
図8(A)に示すように、制御部28は、操作者が粒子径分布11を表示したいプロットを選択した場合に、
図8(B)に示すようなメニュー画面を表示するように構成されている。
図8(A)では、操作者が入力部Qを用いて、粒子径結果4を表示したいプロットにカーソルPをあわせ、右クリックを押下した場合にメニュー画面が開く場合の例を示している。
【0061】
また、制御部28は、メニュー画面において、「粒子径分布」が選択された場合に、
図9に示すような粒子径分布11を第2表示領域12に表示するように構成されている。
図8(B)では、制御部28は、操作者がカーソルPを「粒子径分布」にあわせて左クリックを押下した場合に、
図9に示すような粒子径分布11を第2表示領域12に表示する例を示している。なお、選択された粒子径分布11は、いわゆるポップアップウィンドウとして、第1表示領域6に表示される粒子径結果4と同一画面上に表示されるのが好ましい。また、複数のプロットを選択することにより、複数の粒子径分布11をポップアップウィンドウとして、粒子径結果4と同一画面上に表示させてもよい。
【0062】
図9に示す粒子径分布11(第4粒子径分布11d)は、第4粒子径測定装置2d(ICP-MS)で測定された第4サンプルM4の粒子径分布11の例である。
図9に示す粒子径分布11のグラフは、粒子径と個数との頻度分布を示す柱状グラフ(ヒストグラム)60と、粒子径の累積頻度分布を示す曲線のグラフ61とを含む。粒子径分布11のうち、頻度(個数)を表す縦軸は、柱状グラフ(ヒストグラム)60の軸である。また、粒子径分布11のうち、累積頻度(%)を表す縦軸は、曲線のグラフ61の軸である。
【0063】
第1実施形態では、制御部28は、第1表示領域6として、
図8(A)に示す平均粒子径10のグラフを表示部3に表示するように構成されている。また、制御部28は、第2表示領域12として、平均粒子径10のグラフに表示されている各プロットのうち、操作者が選択したプロットについて、
図9に示す粒子径分布11を表示部3に表示するように構成されている。
【0064】
(第1表示領域および第2表示領域の表示処理)
次に、
図10を参照して、第2実施形態による制御部28が第1表示領域6および第2表示領域12を表示部3に表示する一連の処理について説明する。なお、ステップS1の処理は、上記第1実施形態と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。なお、
図10に示す例では、操作者が行う処理を破線で図示している。
【0065】
ステップS1において、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4を取得する。その後、ステップS3において、制御部28は、第1表示領域6を表示部3に表示する。その後、処理はステップS4へ進む。
【0066】
ステップS4において、操作者は、粒子径分布11を表示したい被測定物Mを選択する。その後、ステップS5において、制御部28は、選択された粒子径分布11を表示する第2表示領域12を表示部3に表示させて、処理を終了する。
【0067】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0068】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
第2実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4として、複数の被測定物Mにおける複数の粒子径分布11を取得するように構成されており、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における粒子径分布11を、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4と対比可能に表示する第2表示領域12をさらに表示するように構成されている。これにより、操作者は、複数の粒子径結果4を把握することができるとともに、複数の粒子径結果4と、複数の粒子径結果4から選択された粒子径分布11とを対比させて把握することができる。その結果、操作者は、複数の粒子径結果4と、選択された粒子径分布11とを一度に把握することが可能となるので、粒子径結果4の分析の効率をより向上させることができる。
【0070】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
[第3実施形態]
次に、
図7、
図11および
図12を参照して、本発明の第3実施形態による粒子径表示装置31(
図7参照)を含む粒子径表示システム300(
図7参照)について説明する。粒子径分布11が表示された第2表示領域12を、表示部3に表示する第2実施形態とは異なり、第3実施形態では、制御部38(
図7参照)は、グラフ形式で表示された粒子径結果4から選択された複数の粒子径分布11を第2表示領域12の同一画面上に重ねて表示するように構成されている。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
第3実施形態では、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における複数の粒子径分布11を第2表示領域12の同一画面上に重ねて表示するように構成されている。
【0073】
複数の粒子径測定装置2は、装置ごとに体積基準(頻度(%))で粒子径結果4を取得するのか個数基準(頻度(個数))で粒子径結果4を取得するのかが異なっている。したがって、粒子径結果4を取得する基準が異なっている場合には、複数の粒子径結果4を第2表示領域12の同一画面上に重ねて表示する際に、各粒子径結果4の基準を統一する必要がある。そこで、第3実施形態では、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4を同一の基準で規格化した粒子径分布規格化結果13(
図12参照)を取得するように構成されており、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における粒子径分布規格化結果13を第2表示領域12に表示するように構成されている。
【0074】
具体的には、第3実施形態では、制御部38は、複数の被測定物Mのうちの所定の被測定物Mの粒子径結果4について、複数の粒子径測定装置2のうちの粒子径結果4を取得した粒子径測定装置2ごとに粒子径結果4を対比することが可能な第1粒子径分布比較結果14(
図12参照)を取得するとともに、グラフ形式で表示された粒子径結果4から選択された第1粒子径分布比較結果14を表示部3に表示させるように構成されている。
【0075】
図11(A)は、制御部38が粒子径結果4として取得する、複数の被測定物Mの粒子径結果4の各々の平均粒子径10のグラフの模式図である。
図11(A)に示す平均粒子径10のグラフは、上記第1実施形態における
図8(A)に示した平均粒子径10のグラフと同様のグラフであるため、詳細な説明は省略する。また、
図11(B)は、操作者が平均粒子径10のグラフのプロットを選択した際に表示部3に表示されるメニュー画面である。
図11に示す例は、操作者が第4サンプルM4の粒子径結果4を選択した場合の例である。
【0076】
第3実施形態においても、第2実施形態の
図8(A)に示す場合と同様に、制御部38は、操作者が第1粒子径分布比較結果14(粒子径分布規格化結果13)を表示したい被測定物Mを選択した場合に、メニュー画面を表示するように構成されている。
【0077】
また、制御部38は、メニュー画面において、操作者が「粒子径分布比較(装置間)」を選択した場合に、
図12に示すような第1粒子径分布比較結果14が表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されている。メニュー画面を表示する処理および第1粒子径分布比較結果14を表示する処理については、上記第2実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0078】
図12に示すグラフは、第1粒子径分布比較結果14の模式図である。
図12に示すグラフの縦軸は頻度(個数)であり、横軸は粒子径(nm)である。
【0079】
図12に示すグラフは、個数基準(頻度(個数))によって粒子径結果4を表示している。したがって、体積基準(頻度(%))によって粒子径結果4を取得している場合には、個数基準(頻度(個数))の粒子径結果4に規格化する必要がある。第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dのうち、第3粒子径測定装置2c(DLS)では、体積基準(頻度(%))によって粒子径結果4を測定しているため、公知の手法により、個数基準(頻度(個数))に規格化した状態でグラフに図示している。すなわち、第1粒子径分布比較結果14は、粒子径分布規格化結果13である。
【0080】
図12に示す第1粒子径分布比較結果14のグラフでは、便宜上、各粒子径結果4を、被測定物の凡例L2に示すようなグラフの線の種類の違いにより示している。具体的には、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dによって測定された粒子径結果4の各粒子径結果4を、それぞれ、実線L2a、破線L2b、二点鎖線L2dおよび一点鎖線L2cで表示している。
【0081】
第3実施形態では、制御部38は、粒子径結果4として、
図11(A)に示す平均粒子径10のグラフが表示された第1表示領域6を表示部3に表示するように構成されている。また、制御部38は、平均粒子径10のグラフに表示されている各プロットのうち、操作者が選択した被測定物Mについて、
図12に示す第1粒子径分布比較結果14のグラフが表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されている。
【0082】
(第1表示領域および第2表示領域の表示処理)
次に、
図13を参照して、第3実施形態による制御部38が第1表示領域6および第2表示領域12を表示部3に表示する一連の処理について説明する。なお、ステップS3の処理は、第1および第2実施形態と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。また、
図13に示す例でも、上記第2実施形態における
図10に示す例と同様に、操作者が行う処理を破線で図示している。
【0083】
ステップS6において、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4および粒子径分布規格化結果13を取得する。その後、ステップS3において、制御部38は、第1表示領域6を表示部3に表示する。その後、処理はステップS7へ進む。
【0084】
ステップS7において、操作者は、第1粒子径分布比較結果14を表示したい被測定物Mを選択する。その後、ステップS8において、制御部38は、選択された第1粒子径分布比較結果14を表示部3に表示させて、処理を終了する。
【0085】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第3実施形態と同様である。
【0086】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0087】
第3実施形態では、上記のように、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における複数の粒子径分布11を第2表示領域12の同一画面上に重ねて表示するように構成されている。これにより、粒子径結果4から複数の粒子径分布11を表示する際に、複数の粒子径分布11が同一画面上に重ねて表示されるので、操作者は、複数の粒子径分布11を一度に把握することが可能となる。その結果、操作者は、複数の粒子径分布11を容易に比較することが可能となるので、被測定物Mの粒子径分布11の分析を容易に行うことができる。
【0088】
また、第3実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4を同一の基準で規格化した粒子径分布規格化結果13を取得するように構成されており、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における粒子径分布規格化結果13を第2表示領域12に表示するように構成されている。これにより、操作者は、複数の粒子径測定装置2において粒子径分布11を測定する際の基準が異なっていた場合でも、同一の基準で規格化された粒子径分布規格化結果13を確認することにより、複数の粒子径分布11を同一のグラフ上において比較することができる。したがって、操作者は、様々な分析手法により取得された粒子径分布11を用いて被測定物Mの粒子径分布11の分析を行うことができる。その結果、同一の基準で粒子径分布11を測定する粒子径測定装置2(分析方法)を複数用いる場合と比較して、粒子径測定装置2の種類(分析方法の種類)を増加させることが可能となるので、被測定物Mの粒子径分布11の分析の精度を向上させることができる。
【0089】
また、第3実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4のうちの所定の被測定物Mの複数の粒子径結果4について、複数種類の分析方法のうちの複数の粒子径結果4が取得された分析方法ごとに複数の粒子径結果4を対比することが可能な第1粒子径分布比較結果14を取得するとともに、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における第1粒子径分布比較結果14を、第2表示領域12に表示するように構成されている。これにより、操作者は、選択された第1粒子径分布比較結果14を確認することにより、様々な種類の粒子径測定装置2によって測定された粒子径分布11を一度に把握することができる。その結果、ユーザは、第1粒子径分布比較結果14を確認することにより、粒子径測定装置2の種類(分析方法の種類)の違いに起因する粒子径分布11の相違を把握することが可能となるので、選択された被測定物Mの粒子径分布11の分析を容易に、かつ、精度よく行うことができる。
【0090】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
[第4実施形態]
次に、
図7、
図14および
図15を参照して、本発明の第4実施形態による粒子径表示装置41(
図7参照)を含む粒子径表示システム400(
図7参照)について説明する。第1粒子径分布比較結果14が表示された第2表示領域12を表示部3に表示する第2実施形態とは異なり、第4実施形態では、複数の被測定物Mごとの複数の粒子径結果4を対比することが可能な第2粒子径分布比較結果15が表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されている。なお、上記第1~第3実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0092】
図14(A)に示すように、制御部48は、操作者が粒子径結果4を表示したい粒子径測定装置2を選択した場合に、
図14(B)に示すメニュー画面を表示するように構成されている。また、制御部48は、メニュー画面において、「粒子径分布比較(サンプル間)」が操作者によって選択された場合に、
図15に示すような第2粒子径分布比較結果15が表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されている。メニュー画面を表示する処理および第2粒子径分布比較結果15を表示する処理については、上記第2実施形態および第3実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
図15に示すグラフは、制御部48が第2表示領域12に表示する第2粒子径分布比較結果15の例である。
図15に示すグラフは、横軸が粒子径(nm)であり、縦軸が頻度(個数)である。
【0094】
図15に示す例は、操作者が第1粒子径測定装置2a(SEM)を選択した場合の第2粒子径分布比較結果15の例である。
図15に示す第2粒子径分布比較結果15のグラフでは、便宜上、各粒子径結果4を、被測定物の凡例L3に示すようなグラフの線の種類の違いにより示している。具体的には、第1サンプルM1~第4サンプルM4の粒子径結果4を、それぞ、実線L3a、破線L3b、一点鎖線L3cおよび二点鎖線L3dで表示している。
【0095】
(第1表示領域および第2表示領域の表示処理)
次に、
図16を参照して、第4実施形態による制御部48が第1表示領域6および第2表示領域12を表示部3に表示する一連の処理について説明する。なお、ステップS1およびステップS3の処理は、第2および第3実施形態と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。また、
図16に示す例でも、上記第2実施形態における
図10および第3実施形態における
図13に示す例と同様に、操作者が行う処理は、破線で図示している。
【0096】
ステップS1において、粒子径結果収集部7は、複数の粒子径結果4を取得する。その後、ステップS3において、制御部48は、第1表示領域6を表示部3に表示する。その後、処理はステップS9へ進む。
【0097】
ステップS9において、操作者は、第2粒子径分布比較結果15を表示したい粒子径測定装置2を選択する。その後、ステップS10において、制御部48は、選択された第2粒子径分布比較結果15が表示された第2表示領域12を表示部3に表示させて、処理を終了する。
【0098】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1~第3実施形態と同様である。
【0099】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0100】
第4実施形態では、上記のように、粒子径結果収集部7は、複数種類の分析方法のうちの所定の分析方法において測定された複数の粒子径結果4について、複数の被測定物Mごとの複数の粒子径結果4を対比することが可能な第2粒子径分布比較結果15を取得するように構成されており、表示部3は、第1表示領域6に表示された複数の粒子径結果4から選択された粒子径結果4における第2粒子径分布比較結果15を、第2表示領域12に表示するように構成されている。これにより、操作者は、選択された第2粒子径分布比較結果15を確認することにより、所定の粒子径測定装置2において測定された複数の被測定物Mそれぞれの粒子径分布11を対比することができる。その結果、操作者は、たとえば、複数の粒子径の粒子が混合された被測定物Mを所定の範囲の大きさの粒子径ごとに分級して測定した場合に、各分画の粒子径分布11を一度に把握することが可能となるので、被測定物Mに含まれていた全粒子の粒子径分布11を容易に把握することができる。
【0101】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
【0102】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0103】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、粒子径表示システム100(200、300、400)が、複数の粒子径測定装置2として、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、粒子径表示システム100(200、300、400)は、複数の粒子径測定装置2として、レーザ回折法および透過型電子顕微鏡などの、粒子径測定装置をさらに備えていてもよい。また、粒子径表示システム100(200、300、400)が備える複数の粒子径測定装置2は、4種類以外でもよく、1~3種類または5種類以上であってもよい。
【0104】
また、上記第1~第4実施形態では、粒子径表示システム100(200、300、400)が、複数の粒子径測定装置2を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの粒子径測定装置2を用いる場合でも、測定条件などが異なれば、得られる粒子径結果4の基準が異なることになり得る。得られる粒子径結果4の基準が異なる場合には、複数の粒子径結果4を同一画面上に表示する際に、粒子径結果4の規格化が必要となる。したがって、粒子径表示システム100(200、300、400)が、1つの粒子径測定装置2を備える構成であっても、本発明を適用することが可能である。
【0105】
また、上記第2実施形態では、制御部8がグラフ形式で表示された粒子径結果4から選択された粒子径分布11が表示された第2表示領域12を表示部3に表示させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部38は、
図8(B)などに示すメニュー画面に、「相関図」の項目をさらに設け、
図17に示すような平均粒子径10の相関
図16が表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されていてもよい。
図17に示す例は、第1粒子径測定装置2a(SEM)によって取得された粒子径結果4の平均粒子径10と、第3粒子径測定装置2c(DLS)によって取得された粒子径結果4の平均粒子径10との相関
図16を示している。
図17に示す相関
図16の横軸および縦軸は、それぞれ、平均粒子径(nm)である。また、
図17に示すように、制御部38は、相関
図16に表示する平均粒子径10の組み合わせを変更することが可能な組み合わせ変更部17を表示部3に表示するように構成されていてもよい。組み合わせ変更部17は、複数の変更部17aを含んでおり、操作者の操作によって、相関
図16に表示する組み合わせを変更するように構成されている。このように構成すれば、操作者が任意の組み合わせを選択することにより、相関
図16に平均粒子径10の組み合わせを変更することができる。その結果、操作者の利便性を向上させることができる。なお、相関
図16に表示している線分15aは、第1粒子径測定装置2a(SEM)によって取得された粒子径結果4の平均粒子径10と、第3粒子径測定装置2c(DLS)によって取得された粒子径結果4の平均粒子径10との相関の近似直線である。
【0106】
また、制御部38は、
図17に示す相関
図16の平均粒子径10のプロットを選択した場合に、
図8(B)などに示すメニュー画面を表示し、「粒子径分布(相関図)」の項目をさらに設け、平均粒子径10の相関
図16から、選択された2つの粒子径結果4を同一画面上に重ねて表示するように構成されていてもよい。具体的には、制御部38は、
図17に示すような平均粒子径10の相関
図16から、
図18に示すような粒子径結果4のグラフが表示された第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されていてもよい。このように構成すれば、平均粒子径10の相関
図16と相関
図16に示した組み合わせの粒子径結果4とを一度に把握することができる。なお、
図17に示す例では、便宜上、粒子径測定装置の凡例L4に示すように粒子径結果4を測定した粒子径測定装置2の違いを、グラフの線の種類の違いによって表示している。具体的には、
図17に示す例では、第1粒子径測定装置2aおよび、第3粒子径測定装置2cによって測定された粒子径結果4の各粒子径結果4を、それぞれ、実線L4aおよび二点鎖線L4bで表示している。
【0107】
また、上記第2および第3実施形態では、制御部38が、第3粒子径測定装置2c(DLS)によって測定された粒子径結果4を規格化した粒子径分布規格化結果13が表示された第2表示領域12を表示部3に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図19(A)に示すように、制御部38は、第1粒子径測定装置2a(SEM)、第2粒子径測定装置2b(AFM)および第4粒子径測定装置2d(ICP-MS)により測定された粒子径結果4を、体積基準(頻度(%))によって規格化した粒子径分布規格化結果19を表示部3に表示するように構成されていてもよい。
図18(A)に示す粒子径分布規格化結果19は、横軸が粒子径(nm)であり、縦軸が頻度(%)である。なお、
図19(A)では、便宜上、上記第2実施形態において
図11(B)で示した第1粒子径分布比較結果14のグラフと同様に、各粒子径結果4を、グラフの線の種類の違いにより示している。具体的には、粒子径測定装置の凡例L5に示すように、第1粒子径測定装置2a~第4粒子径測定装置2dによって測定され粒子径結果4の各粒子径結果4を、それぞれ、実線L5a、破線L5b、二点鎖線L5dおよび一点鎖線L5cで表示している。
【0108】
また、粒子径結果4を体積基準(頻度(%))によって規格化する場合、制御部38は、粒子径結果4における各粒子径の粒子の計測個数を、計測された粒子の総数で除算することにより、規格化するように構成すればよい。
図19(B)に示す例は、第1粒子径測定装置2a(SEM)によって測定された粒子径結果4を規格化する例である。
図19(B)の表20に示すように、制御部38は、各粒子径の粒子の計測個数を、計測された総数(たとえば、93個)で除算することにより、規格化している。
【0109】
また、上記第1~第4実施形態では、粒子径表示装置1(粒子径表示装置21および粒子径表示装置31)は、被測定物Mを第1サンプルM1~第4サンプルM4に分級して測定された粒子径結果4を表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、粒子径表示装置1(粒子径表示装置21および粒子径表示装置31)は、4つ以上に分級したサンプルMの粒子径結果4を表示するように構成されていてもよい。被測定物Mを分級する数は任意の数でよい。また、粒子径表示装置1(粒子径表示装置21および粒子径表示装置31)は、被測定物Mが分級されたものに限られず、複数の被測定物Mを測定して得られた粒子径結果4を表示するように構成されていてもよい。
【0110】
また、上記第2~第4実施形態では、制御部28(38、48)が、平均粒子径10のグラフのプロットが操作者によって選択された場合に、メニュー画面を表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部38(48、58)は、平均粒子径10のグラフとともに、メニュー画面をあらかじめ表示部3に表示させるように構成されていてもよい。メニュー画面は、どのように表示部3に表示されてもよい。また、メニュー画面に表示する項目についても、任意の項目を表示すればよい。
【0111】
また、上記第1~第4実施形態では、制御部8(28、38、48)が平均粒子径10のグラフに表示するプロットの形状を異ならせることにより、粒子径測定装置2の種類を区別する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部8(28、38、48)は、平均粒子径10のグラフに表示するプロットの形状は同一で、プロットの色を異ならせることにより、粒子径測定装置2の種類を区別するように構成されていてもよい。制御部8(28、38、48)は、平均粒子径10のグラフに表示されるプロットを区別することが可能であれば、平均粒子径10のグラフに表示するプロットをどの様に表示してもよい。
【0112】
また、上記第3および第4実施形態では、制御部38(48)が、グラフの線の種類を異ならせることにより、粒子径結果4を区別する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部38(48)は、グラフの線の色を異ならせることにより、粒子径結果4を区別するように構成されていてもよい。制御部38(48)は、粒子径結果4を区別することが可能であれば、粒子径結果4のグラフをどの様に表示してもよい。
【0113】
また、上記第1~第4実施形態では、粒子径表示システム100(200、300、400)が、粒子径表示装置1と、複数の粒子径測定装置2と、表示部3と、入力部Qとを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、粒子径表示システム100(200、300、400)は、複数の粒子径測定装置2のいずれかに、粒子径表示装置1の機能を持たせた場合には、粒子径表示装置1を供えない構成であってもよい。また、粒子径表示装置1が入力部Qを備える構成の場合には、粒子径表示システム100(200、300、400)は、入力部Qを供えない構成であってもよい。
【0114】
また、上記第1~第4実施形態では、粒子径結果収集部7が粒子径結果4、平均粒子径10、粒子径分布11、第1粒子径分布規格化結果13、第1粒子径分布比較結果14、および第2粒子径分布比較結果15を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、粒子径結果収集部7は、粒子径結果4だけを取得するように構成されていてもよい。粒子径結果収集部7が粒子径結果4だけを取得する構成の場合、制御部8(28、38、48)が、粒子径結果4を分析することにより、粒子径分布11、第1粒子径分布規格化結果13、第1粒子径分布比較結果14、および第2粒子径分布比較結果15を取得するように構成すればよい。
【0115】
また、上記第1実施形態では、選択領域5として、チェックボックス形式の第1選択部50aおよび第2選択部50bを備える分析方法選択部50を表示部3に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。選択領域5に表示する分析方法選択部50は、どのような形式であってもよい。
【0116】
また、上記第2~第4実施形態では、第1表示領域6および第2表示領域12を表示部3に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、選択領域5、第1表示領域6および第2表示領域12を表示部3に表示するように構成されていてもよい。表示部3に表示する領域の組み合わせは任意でよい。
【0117】
また、上記1~第4実施形態では、複数の粒子径測定装置2が、第1サンプルM1、第2サンプルM2、第3サンプルM3、および、第4サンプルM4を、それぞれ分析して得られた粒子径結果4を、第1表示領域6に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の粒子径測定装置2は、短時間で分析が可能な分析方法(たとえば、DLS)によって分析を行う場合には、第1サンプルM1、第2サンプルM2、第3サンプルM3、および、第4サンプルM4の全てを分析し、分析時間がかかる分析方法(たとえば、SEM、AFM、およびICP-MS)によって分析を行う場合には、複数のサンプルMを混合し、まとめて分析するように構成されていてもよい。複数のサンプルMを混合してまとめて分析を行う場合、たとえば、第1サンプルM1と第2サンプルM2を混合した第5サンプルM5と、第3サンプルM3と第4サンプルM4とを混合した第6サンプルM6とをそれぞれ分析すればよい。なお、複数のサンプルMを混合する場合、どの組み合わせでサンプルMを混合してもよい。このように構成することにより、分析時間がかかる分析方法を用いる粒子径測定装置2において、複数のサンプルMをまとめて測定することが可能となるので、分析時間を短縮することができる。
【0118】
また、粒子径測定装置2が複数のサンプルMをまとめて測定する場合、複数のサンプルMを混合してまとめて分析した粒子径結果4と、混合されたサンプルMのうちのどちらかのサンプルMを、分析時間が短い分析方法によって分析された粒子径結果4とを、第1表示領域6において同時に表示可能なように、サンプルMの選択項目および分析方法の選択項目を、分析方法選択部50に表示すればよい。
【符号の説明】
【0119】
1、21、31、41 粒子径表示装置
2、2a、2b、2c、2d 粒子径測定装置
3 表示部
4、4a、4b、4c、4d 粒子径結果
5 選択領域
6 第1表示領域(表示領域)
7 粒子径結果収集部
10、10a、10b、10c、10d 平均粒子径
11、11a、11b、11c、11d 粒子径分布
12 第2表示領域
13、19 粒子径分布規格化結果
14 第1粒子径分布比較結果
15 第2粒子径分布比較結果
100、200、300、400 粒子径表示システム
M 被測定物