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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】パレタイザー
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/04 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
B65G57/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018087312
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2018188309
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2017088061
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100204881
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 伸次
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】東山 正志
(72)【発明者】
【氏名】堂本 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】江龍 晃
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-060523(JP,A)
【文献】特公昭46-033563(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンをパレット上に積み上げるパレタイザーであって、
前記カートンを供給する供給手段と、
前記カートンを前記供給手段から前記パレットに移送し、載置するロボットと、
前記カートンが載置された前記パレットを回転させるパレット回転装置と、を備え
前記ロボットは、4軸以下の水平多関節ロボットであり、
前記パレット回転装置は、前記パレットを取出すハンドリフトが走行可能な走行面より下方に埋設固定され、
前記ロボットのパレット上における動作範囲は、前記パレットの中心を含み、かつ、前記パレットの載置面積の1/4以上パレットの載置面積未満である、
パレタイザー。
【請求項2】
請求項1に記載のパレタイザーであって、
前記ロボットのパレット上における動作範囲は、前記パレットの中心を含み、かつ、前記パレットの載置面積の1/4以上パレットの載置面積の1/2以下である、パレタイザー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパレタイザーであって、
前記ロボットのパレット上における動作範囲、及び、前記ロボットで移送される前記カートンの移動範囲は、
前記パレットが取出される方向側の辺を含まない、パレタイザー。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のパレタイザーであって、
前記供給手段による前記カートンの搬送方向の延長線上に、前記パレット回転装置の中心が位置する、パレタイザー。
【請求項5】
カートンをパレット上に積み上げるパレタイザーであって、
前記カートンを供給する供給手段と、
前記カートンを前記供給手段から前記パレットに移送し、載置するロボットと、
前記カートンが載置された前記パレットを回転させるパレット回転装置と、を備え
前記ロボットは、基台に固定された4軸以下の水平多関節ロボットであり、
前記基台又は前記基台を昇降させる昇降装置は、AGV機構を備える、
パレタイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンをパレット上に積み上げるパレタイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
<背景技術の説明-1>
供給手段から供給されるカートン(物品)をパレット上に積み上げるパレタイザーが知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、物品を供給手段からパレットに移送し、載置する多関節ロボットを備えたパレタイザーが記載されており、このパレタイザーは、平面視で、パレットのある1辺側に供給手段を、パレットの1辺に隣接する他辺側にロボットを配置している。
【0003】
<背景技術の説明-2>
また、別の従来のパレタイザー101は、図6に示すように、平面視で、供給手段102と、パレットPとの間に、ロボット103を配置している。
【0004】
<要望される技術>
しかしながら、これら従来のパレタイザーでは、ロボットの動作範囲に、物品をピックアップする位置と、パレットの載置面の全域とを含む必要があるため、ロボットのアームが長くなっている。そのため、ロボットが高価になるだけでなく、ロボットの動作範囲が広くなるため、広いスペースを占有し、かつその広いスペースを囲うように防護柵(パーテーション)を設けて人の動線と隔離しなければならないという問題があり、これらの問題を解決する技術が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭61-163240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
<背景技術の課題>
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型のロボットであっても、パレットの載置面全域にカートンを積み上げ可能なパレタイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
<請求項1の内容>
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、カートンをパレット上に積み上げるパレタイザーであって、前記カートンを供給する供給手段と、前記カートンを前記供給手段から前記パレットに移送し、載置するロボットと、前記カートンが載置された前記パレットを回転させるパレット回転装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
<請求項2の内容>
(2)本発明は、上記(1)の構成において、前記ロボットのパレット上における動作範囲は、前記パレットの中心を含み、かつ、前記パレットの載置面積の1/4以上パレットの載置面積未満であることを特徴とするものである。
【0009】
<請求項3の内容>
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の構成において、前記ロボットのパレット上における動作範囲、及び、前記ロボットで移送される前記カートンの移動範囲は、前記パレットが取出される方向側の辺を含まないことを特徴とするものである。
【0010】
<請求項4の内容>
(4)本発明は、上記(1)から(3)までのいずれかの構成において、前記パレット回転装置は、前記パレットを取出すハンドリフトが走行可能な走行面より下方に埋設されていることを特徴とするものである。
【0011】
<請求項5の内容>
(5)本発明は、上記(1)から(4)までのいずれかの構成において、前記ロボットは、4軸以下の水平多関節ロボットであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型のロボットであっても、パレットの載置面全域にカートンを積み上げ可能なパレタイザーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るパレタイザーを含む生産ラインの要部概略平面図である。
図2】本発明の実施形態に係るパレタイザーの側面図である。
図3】本発明の実施形態に係るパレタイザーの平面図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5】本発明の実施形態に係るパレタイザーによるカートンの積み上げ手順の1例を示す平面図である。
図6】従来技術に係るパレタイザーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態の説明-1>
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
【0015】
<実施形態の説明-2>
まず、生産ラインLの箱詰め工程の下流側に設置され、箱詰め工程を経て供給されるカートンBをパレットP上に積み上げるパレタイザー1について、図1から図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパレタイザー1を含む生産ラインLの要部概略平面図、図2は、本発明の実施形態に係るパレタイザー1の側面図、図3は、本発明の実施形態に係るパレタイザー1の平面図、図4は、図3のA-A断面図である。
【0016】
<パレタイザーの全体構成-1>
パレタイザー1は、図1に示されるように、供給手段2と、ロボット3と、パレット回転装置4と、コントローラ5と、を備えている。
【0017】
<供給手段の構成-1>
供給手段2は、生産ラインLで製品などが箱詰めされたカートンBを、ロボット3に供給する手段であり、ローラコンベアなどが用いられる。この供給手段2は、ロボット3によるカートンBのピックアップ位置となる搬送終端部に、カートンBを係止するストッパ21と(図2参照)、ストッパ21で係止されたカートンBの有無や位置を検出する図示しないカートン検出手段(ラインセンサなど)と、を有している。
【0018】
<ロボットの構成-1>
ロボット3は、カートンBを供給手段2からピックアップしてパレットP上に移送し、パレットPの所定位置に載置する多関節ロボットであり、4軸の水平多関節型のものが用いられるが、コストを考慮しない場合は、5軸以上のものでもよい。
【0019】
<ロボットの構成-2>
この4軸の水平多関節型のロボット3は、図2に示されるように、基台30と、基台30の上下方向(Z軸方向)に沿う第1軸3aを介して水平方向(XY軸方向)に回転可能に連結される第1アーム31と、第1アーム31の先端側に上下方向(Z軸方向)に沿う第2軸3bを介して水平方向(XY軸方向)に回転可能に連結される第2アーム32と、第2アーム32の先端側に上下方向(Z軸方向)に移動可能で、かつ第3軸3cの軸回り方向(Z軸回り方向)に回転可能に設けられるヘッド取付軸36と、ヘッド取付軸36の下端部に設けられ、カートンBを真空吸着する吸着ヘッド37と、を備える。
【0020】
<ロボットの構成-3>
図示を省略するが、ロボット3の内部には、第1アーム31を回転させる第1アーム回転用モータと、第2アーム32を回転させる第2アーム回転用モータと、ヘッド取付軸36を上下移動させるヘッド上下移動用モータと、ヘッド取付軸36を第3軸3cの軸回りの方向に回転させるヘッド回転用モータと、が設けられている。
【0021】
<ロボットの構成-4>
また、本実施形態では、ロボット3全体(基台30)を昇降させる昇降装置33を更に備えているが、供給手段2からカートンB移送やパレットP上へのカートンBの積み上げ作業などが、ヘッド取付軸36の上下移動ストローク範囲内で行える場合は、昇降装置33を備えなくてもよく、つまり、基台30を床面11に固定された所定の高さの固定台座に設けられてもよく、あるいは基台30を床面11に直接設けられてもよい。あるいは、ヘッド取付軸36を上下移動させることなく、昇降装置33で、吸着ヘッド37を上下移動させてもよい。なお、ロボット3の動作範囲Mについては、後述する。
【0022】
<パレット回転装置の構成-1>
パレット回転装置4は、カートンBが載置されたパレットPを回転させる装置であり、電動式のターンテーブルなどが用いられる。このパレット回転装置4は、図4に示されるように、床部10に設置固定されるリング状の固定リング41と、固定リング41上にベアリング42を介して設けられ、中心C4を軸として水平方向に回転する回転リング43と、回転リング43上に設けられるパレット載置台44と、回転リング43の内周部(又はパレット載置台44の下部)に設けられるリングギヤ45と、リングギヤ45に噛み合うピニオンギヤ46と、ピニオンギヤ46を回転駆動させるモータ47と、を有している。
【0023】
<パレット回転装置の構成-2>
また、パレット回転装置4は、主要部が床部10に形成された凹部12に埋設されており、パレット載置台44の表面が、床面11よりも若干突出している。このように、パレット回転装置4を埋設すると、パレット載置台44上にパレットPが置かれたとしても、パレットPの底面が床面11に接触することがなく、また、パレットPをハンドリフトで取出す場合も、ハンドリフトが走行する床面11と、パレット載置台44に置かれたパレットPとの高さの差が小さくなり、ハンドリフトによるパレットPの取出しが容易になる。
【0024】
<コントローラの構成-1>
コントローラ5は、パレタイザー1全体の制御を行うものである。コントローラ5は、例えば、(a)カートン検出手段から入力される検出信号に基づいて、供給手段2のカートンBのピックアップ位置におけるカートンBの有無や位置を認識したり、(b)ロボット3の各種モータや吸着ヘッド37の電磁弁を制御することにより、ロボット3にカートンBのピックアップ、移送、載置などの動作を行わせたり、(c)パレット回転装置4のモータ47を制御することにより、パレット載置台44上に載置されたパレットPを水平方向に回転させたりする。
【0025】
<コントローラの構成-2>
また、コントローラ5は、カートンBの積み上げ作業を、カートンBの種類(寸法)に応じて、選択される所定の動作プログラム(後述する積み上げ手順)に従って、ロボット3及びパレット回転装置4を連動させて制御し、カートンBをパレットP上に載置する。ただし、カートンBの積み上げ作業は、カートンBの位置(供給位置及び載置位置)をカメラなどの認識手段で自動認識させて行ってもよい。
【0026】
<パレタイザーの全体構成-2>
パーテーション6は、パレタイザー1の周囲(パレットPの取出方向Uを除く)に、作業者が立入ることがないように、パレタイザー1及びパレットPを囲っている(図3参照)。
【0027】
<カートンの構成-1>
カートンBは、立方体のダンボール箱状のもので、生産ラインLで容器状製品や袋状製品が複数個箱詰めされたものである。容器状製品や袋状製品は、飲食品や洗剤などであるが、特に限定されない。
【0028】
<パレットの構成-1>
パレットPは、1100mm×1100mm×144mmのプラスチック製のものであるが、これに限られず、木材製や金属製でもよいが、飲食品の生産ラインLの場合、プラスチック製又は金属製が好ましい。
【0029】
<パレタイザーの配置-1>
ここで、供給手段2、ロボット3及びパレット回転装置4の配置について説明すると、パレタイザー1は、平面視において、供給手段2の延長方向にパレット回転装置4を配置し(図3参照)、側面視において、供給手段2とパレット回転装置4との間にロボット3を配置している(図2参照)。ロボット3によりカートンBが積み上げられたパレットPは、パレット回転装置4から供給手段2の延長方向の取出方向Uに、作業員によってハンドリフトで取出されるが、作業員とロボット3とが干渉しない条件であれば、パレットPの取出方向U以外の方向(例えば、図3の矢印V方向)であってもよい。
【0030】
<ロボットの動作範囲-1>
ロボット3の最大の動作範囲M(ヘッド取付軸36又は第3軸3cの移動範囲)は、図3に示すように平面視において、略ハート形状である。ただし、パーテーション6よりも外側で動作させることはない。
【0031】
<ロボットの動作範囲-2>
そして、ロボット3のパレットP上における動作範囲Mは、図3に示す平面視において、パレット回転装置4に載置されたパレットPの中心CPを含み、かつ、パレットPの載置面積の1/4以上パレットPの載置面積未満である。より望ましくは、パレットPの載置面積の1/4以上π/4以下であるとよい。このとき、動作範囲Mが円弧を描く場合、パレットPのいずれかの辺Hがロボット3の動作範囲Mから外れ、安全にパレットPを取出すことが可能となる。さらにより望ましくは、パレットPの載置面積の1/4以上1/2以下であるとよい。このとき、パレット回転装置4の動作を最低限に抑えることが可能となる。
【0032】
<ロボットの動作範囲-3>
なお、パレットPは、パレット回転装置4の中心C4と、パレットPの中心CPとが略一致するように、パレット回転装置4上に置かれるため、ロボット3のパレットP上における動作範囲Mは、パレット回転装置4の中心C4を含み、かつ、パレットPの載置面積の1/4以上パレットPの載置面積未満であると、言い換えることができる。
【0033】
<ロボットの動作範囲-4>
また、ロボット3のパレットPにおける動作範囲Mは、パレットPの載置面を、中心CPを通る2本の直交線で4つの矩形領域E1~E4に分割したとき、少なくとも1つの矩形領域E1~E4を含むように設定されている。このようなロボット3の動作範囲Mであっても、パレット回転装置4でパレットPを回転(例えば、90°ずつ回転)させれば、パレットPの載置面全域を、ロボット3の動作範囲Mに含めることができるので、パレットPの載置面全域に対するカートンBの載置が可能になる。
【0034】
<ロボットの動作範囲-5>
さらに、ロボット3のパレットP上における動作範囲M、及び、ロボット3で移送されるカートンBの移動範囲は、パレットPの取出方向U,V側の辺Hを含まないことが望ましい。このようなロボット3の動作範囲Mであると、ロボット3が最大の動作範囲Mで動作したとしても、ロボット3及びカートンBが、パレットPの取出方向U,Vの辺Hまでは到達することがない。
【0035】
<カートンの積み上げ手順-1>
ここで、本発明の実施形態に係るパレタイザー1によるカートンBの積み上げ手順について、図5を参照しつつ説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るパレタイザー1によるカートンBの積み上げ手順の1例を示す平面図である。なお、図5は、パレットP上に1段目としてカートンBを9個載置する場合の手順を示している。また、カートンBは平面視長方形であるため、長手方向の向きを考慮して、吸着ヘッド37を回転させることでカートンBの向きを適宜変更し、パレットP上に順次載置されるが、カートンBの向きの変更動作については説明を省略する。
【0036】
<カートンの積み上げ手順-2>
まず、ロボット3は、供給手段2からピックアップした1番目のカートンBをパレットPの中央位置に載置する。
【0037】
<カートンの積み上げ手順-3>
つぎに、ロボット3は、供給手段2からピックアップした2番目のカートンBを1番目のカートンBの供給手段2側に隣接するように載置し、さらに、供給手段2からピックアップした3番目のカートンBを2番目のカートンBの手前側(ロボット3又は基台30側)に隣接するように載置する。
その後、パレット回転装置4は、パレットPを矢印R方向に90°回転させる。
【0038】
<カートンの積み上げ手順-4>
パレットPが90°回転すると、ロボット3は、供給手段2からピックアップした4番目のカートンBを1番目及び3番目のカートンBに隣接するように載置し、さらに、供給手段2からピックアップした5番目のカートンBを4番目のカートンBの手前側に隣接するように載置する。
その後、パレット回転装置4は、パレットPを矢印R方向に更に90°回転させる。
【0039】
<カートンの積み上げ手順-5>
再びパレットPが90°回転すると、ロボット3は、供給手段2からピックアップした6番目のカートンBを1番目及び5番目のカートンBに隣接するように載置し、さらに、供給手段2からピックアップした7番目のカートンBを6番目のカートンBの手前側に隣接するように載置する。
その後、パレット回転装置4は、パレットPを矢印R方向に90°回転させる。
【0040】
<カートンの積み上げ手順-6>
更に再びパレットPが90°回転すると、最後に、ロボット3は、供給手段2からピックアップした8番目のカートンBを1番目及び7番目のカートンBに隣接するように載置し、さらに、供給手段2からピックアップした9番目のカートンBを8番目のカートンBの手前側、かつ2番目のカートンBの供給手段2側に隣接するように載置する。
【0041】
<カートンの積み上げ手順-7>
このようにして、9個のカートンBがパレットPに載置され、1段目が形成される。その後、パレット回転装置4は、パレットPを矢印R方向に更に90°回転させる。そして、2段目以降のカートンBは、同様の手順で、1段目(一つ前の段目)のカートンBの上に積み上げられていく。なお、上述したカートンBの積み上げ手順は、1例であって、これに限られず、種々の積み上げ手順が適用できることは言うまでもない。
【0042】
<実施形態の効果-1>
以上、説明した実施形態の効果について述べる。
実施形態のパレタイザー1は、カートンBを供給する供給手段2と、カートンBを供給手段2からパレットPに移送し、載置するロボット3と、カートンBが載置されたパレットPを回転させるパレット回転装置4と、を備えるものである。これにより、小型のロボット3であっても、パレットPをパレット回転装置4で回転させることにより、パレットPの載置面全域にカートンBを載置することができる。その結果、ロボット3を小型化することができるとともに、パレタイザー1及びパレットPの設置スペースを小さくすることができる。また、パレタイザー1の製造コストも、安くすることができる。そして、パレタイザー1及びパレットPを囲うパーテーション6も小さくすることができる。
【0043】
<実施形態の効果-2>
実施形態のパレタイザー1は、ロボット3のパレットP上における動作範囲Mが、パレットPの中心CP(パレット回転装置4の中心C4)を含み、かつ、パレットPの載置面積の1/4以上パレットPの載置面積未満である。これにより、パレットPの載置面全域に対するカートンBの載置を可能にしつつ、ロボット3を小型化することができる。
【0044】
<実施形態の効果-3>
実施形態のパレタイザー1は、ロボット3のパレットP上における動作範囲M、及び、ロボット3で移送されるカートンBの移動範囲が、パレットPが取出される方向側の辺Hを含まないものである。これにより、ロボット3が最大の動作範囲Mで動作したとしても、ロボット3及びカートンBが、パレットPの取出方向U,Vの辺Hまでは到達しないから、作業員が安心してパレットPの取出作業を行えるパレット取出エリアを確保することができる。
【0045】
<実施形態の効果-4>
実施形態では、パレット回転装置4が、パレットPを取出すハンドリフトが走行可能な走行面より下方に埋設されているものである。これにより、ハンドリフトが走行する床面11と、パレットPが載置されるパレット載置台44の上面との間の段差が小さくなり、ハンドリフトによるパレットPの取出しが容易になる。
【0046】
<実施形態の効果-5>
実施形態では、ロボット3が、4軸以下の水平多関節型のものである。これにより、市販されている安価な4軸以下の水平多関節ロボットを用いて、パレタイザー1を構成することができる。
【0047】
<変形例の構成-1>
上記実施形態では、パレット回転装置4を床部10に埋設したが、生産ラインLなどの設置階が二階以上などの理由で、床部10に凹部12を形成できない場合は、床面11上に設置してもよい。このような場合は、パレット回転装置4の周囲に、パレット載置台44の表面よりも低く、床面11よりも高いステージを設置し、床面11とステージとをスロープで接続し、ハンドリフトが走行できるように構成すればよい。
【0048】
<変形例の構成-2>
また、上記実施形態では、パレタイザー1によってカートンBが積み上げられたパレットPは、作業者が図示しないハンドリフトで取出したが、パレットPの取出に用いる搬送装置の種類は、これに限られず、また、自動搬送装置でパレットPを自動的に取出してもよい。
【0049】
<変形例の構成-3>
また、上記実施形態では、パレタイザー1によってパレットP上に積み上げられたカートンBは、積み上げられた状態のままハンドリフトで取出したが、パレット回転装置4の周囲にラッパーを設置することで、その場で積み上げられたカートンBをストレッチフィルムでラッピングすることも可能である。
【0050】
<変形例の構成-4>
また、上記実施形態では、パレタイザー1によってカートンBをパレットPに積み上げたが、同様の構成で、パレットPに積み上げられたカートンBを一つずつ降ろして排出するデパレタイザーとして用いることも可能である。
【0051】
<変形例の構成-5>
また、上記実施形態では、ロボット3の基台30が床面11に固定された昇降装置33に設けられた構成(あるいは、代替例として、基台30が床面11に直接固定された構成)で説明したが、同様の構成で、基台30又は昇降装置33がAGV機構を備えてもよい。またこの場合、パレットPが取出される方向とは反対側の辺H側近を、パレットPが取出される方向とは反対側の辺Hに水平に、ロボット3がAGV走行可能となり、ロボット3のAGV走行がロボット3の第1アーム31の1軸分を担うため、基台30より上の軸数は3軸でもよい。ロボット3のパレットP上における動作範囲Mが、パレットPの載置面積の1/4以上パレットPの載置面積未満であるロボット3であれば、動作範囲がパレットPの載置面積以上のロボットを用いるのと比較してロボット3が軽量となり、転倒防止の観点で最適である。このように、ロボット3の動作軸の一部を、AGV機構や昇降装置33に代替させることも可能である。
【0052】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 パレタイザー
2 供給手段
3 ロボット、30 基台、31 第1アーム、32 第2アーム、33 昇降装置、36 ヘッド取付軸、37 吸着ヘッド、3a 第1軸、3b 第2軸、3c 第3軸
4 パレット回転装置、41 固定リング、42 ベアリング、43 回転リング、44 パレット載置台、45 リングギヤ、46 ピニオンギヤ、47 モータ、C4 中心
5 コントローラ
10 床部、11 床面、12 凹部
B カートン
P パレット、CP 中心、M 動作範囲、E 矩形領域、H 取出し方向側の辺 U,V 取出方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6