IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.の特許一覧 ▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

<>
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図1
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図2
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図3A
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図3B
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図4
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図5A
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図5B
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図6
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図7
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図8
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図9
  • 特許-コンパクトなアライメントセンサ配置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】コンパクトなアライメントセンサ配置
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20220816BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G01B11/00 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021507026
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019072433
(87)【国際公開番号】W WO2020043582
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】62/724,198
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エラザリー,タメール,モハメド,タウフィーク,アーメド,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】クロイツァー,ジャスティン,ロイド
(72)【発明者】
【氏名】ビジネン,フランシスカス,ゴデフリドゥス,キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ショーム,クリシャヌ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-518654(JP,A)
【文献】特表2015-525883(JP,A)
【文献】特開2012-169617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061750(US,A1)
【文献】特開2012-175103(JP,A)
【文献】特表2019-505831(JP,A)
【文献】特開2012-060120(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104111594(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から前記格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から前記格子の前記一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、前記第1及び第2のビームは前記格子の前記一部によって回折されるとともに相互に空間的にコヒーレントである、少なくとも1つの光源と
記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの正の回折次数及び前記第2のビームの1つの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、前記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの負の回折次数及び前記第2のビームの1つの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、前記第1の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージと前記第2の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージのミラーとが組み合わせられて生成された第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、前記第2の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージと前記第1の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージのミラーとが組み合わせられて生成された第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、を有するマルチモード干渉デバイスと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、配置された第1のディテクタと、
前記第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、配置された第2のディテクタと、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信するように配置され、また、前記第1の信号及び前記第2の信号に少なくとも部分的に基づいて前記格子の前記一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から前記格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から前記格子の前記一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、前記第1及び第2のビームは前記格子の前記一部によって回折されるとともに相互に空間的にコヒーレントである、少なくとも1つの光源と、
複数のマルチモード干渉デバイスであって、前記マルチモード干渉デバイスの各々は、前記格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、また、前記格子部分のそれぞれのセグメントによって回折される際に、前記第1のビームの1つの正の回折次数及び前記第2のビームの1つの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、前記格子部分の前記それぞれのセグメントによって回折される際に、前記第1のビームの1つの負の回折次数及び前記第2のビームの1つの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、前記第1の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージと前記第2の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージのミラーとが組み合わせられて生成された第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、前記第2の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージと前記第1の入力ポートで受け取られた前記第1及び第2のビームの干渉イメージのミラーとが組み合わせられて生成された第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、を有する、複数のマルチモード干渉デバイスと、
を備える、装置。
【請求項5】
前記複数のマルチモード干渉デバイスは、前記格子の前記一部に平行な線形アレイに配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、
前記第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、
を更に備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信するように配置され、また、前記第1の信号及び前記第2の信号に少なくとも部分的に基づいて前記格子の前記一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から前記格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から前記格子の前記一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための、少なくとも1つの光源であって、前記第1及び第2のビームは前記格子の前記一部によって回折されるとともに相互に空間的にコヒーレントである、少なくとも1つの光源と
記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの正の回折次数及び前記第2のビームの1つの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、前記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの負の回折次数及び前記第2のビームの1つの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、前記負の回折次数からのp偏光イメージ及び前記正の回折次数からのs偏光イメージを含む第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、前記負の回折次数からのs偏光イメージ及び前記正の回折次数からのp偏光イメージを含む第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、を有する光ファイバベースデバイスと、
を備える、装置。
【請求項9】
前記第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、配置された第1のディテクタと、
前記第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、配置された第2のディテクタと、
を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信するように配置され、また、前記第1の信号及び前記第2の信号に少なくとも部分的に基づいて前記格子の前記一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から前記格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から前記格子の前記一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、前記第1及び第2のビームは前記格子の前記一部によって回折されるとともに相互に空間的にコヒーレントである、少なくとも1つの光源と
々が前記格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、前記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの正の回折次数及び前記第2のビームの1つの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、前記格子部分によって回折される際に、前記第1のビームの1つの負の回折次数及び前記第2のビームの1つの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、前記負の回折次数からのp偏光イメージ及び前記正の回折次数からのs偏光イメージを含む第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、前記負の回折次数からのs偏光イメージ及び前記正の回折次数からのp偏光イメージを含む第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、を有する複数の光ファイバベースデバイスと、
を備える、装置。
【請求項12】
前記複数の光ファイバベースデバイスは、前記格子の前記一部に平行な線形アレイに配置される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、
前記第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、前記第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、
を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信するように配置され、また、前記第1の信号及び前記第2の信号に少なくとも部分的に基づいて前記格子の前記一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年8月29日出願の米国仮特許出願第62/724,198号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、リソグラフィ技法を使用するデバイスの製造に関する。具体的に言えば、本開示は、半導体フォトリソグラフィプロセスを特徴付け及び制御するために、レチクル及びウェーハ上のアライメントマークを感知及び分析するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。その用途では、マスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0004】
[0004] 従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0005】
[0005] ICは一層ずつ構築され、現在のICは30以上の層を有することができる。オンプロダクトオーバーレイ(OPO)は、これらの層を互いの頂部に正確にプリントするためのシステムの能力の尺度である。連続層又は同じ層上の複数のプロセスは、前の層と正確に位置合わせされなければならない。そうでなければ、構造間の電気接触は不十分になり、結果として生じるデバイスは仕様通りに機能しなくなる。良好なオーバーレイはデバイスの歩留まりを向上させ、より小さなプロダクトパターンをプリント可能にする。パターン付き基板内又はパターン付き基板上に形成される連続層間のオーバーレイエラーは、リソグラフィ装置の露光装置の様々な部分によって制御される。
【0006】
[0006] プロセス誘起ウェーハエラーは、プリントパターンの複雑さ並びにプリント層の数の増加に起因する。このエラーは、ウェーハによって異なり、また所与のウェーハ内で異なる、相対的に高い空間変動のものである。
【0007】
[0007] リソグラフィプロセスを制御してデバイスフィーチャを基板上に正確に配置するために、通常、例えば基板上に1つ以上のアライメントマークが提供され、リソグラフィ装置は1つ以上のアライメントセンサを含み、アライメントセンサによってマークの位置を正確に測定することができる。アライメントセンサは、事実上、位置測定装置とすることができる。異なる時期及び異なる製造業者からの、異なるタイプのマーク及び異なるタイプのアライメントセンサが知られている。フィールド内のいくつかのアライメントマークの相対的位置を測定することによって、プロセス誘起ウェーハエラーを訂正することができる。フィールド内のアライメントエラー変動を使用して、モデルをフィールド内のOPO訂正に合うようにすることができる。
【0008】
[0008] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置に関して基板を位置合わせするために複数のアライメントシステムを使用することが知られている。例えば、単一のディテクタ及び4つの異なる波長を伴う自己参照干渉計を採用し、ソフトウェア内のアライメント信号を抽出する、2005年11月1日発行の「Lithographic Apparatus, Device Manufacturing Method, and Device Manufactured Thereby」という名称の米国特許第6,961,116号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、例えばSMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)、あるいは、7つの回折次数の各々を専用ディテクタに誘導する、2001年10月2日発行の「Lithographic Projection Apparatus with an Alignment System for Aligning Substrate on Mask」という名称の米国特許第6,297,876号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、ATHENA(Advanced Technology using High order ENhancement of Alignment)などの、任意のタイプのアライメントセンサを用いて、データを取得することができる。
【0009】
[0009] 特に、2008年3月5日許諾の「Lithographic Apparatus and Device Manufacturing Method」という名称の欧州出願第EP1372040A1号に言及し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。第EP1372040A1号は、アライメントマーカの2つの重複イメージを生成する、自己参照干渉計を使用するアライメントシステムを記載する。これら2つのイメージは、相互に関して180°以上回転される。第EP1372040A1号は、瞳面内のこれら2つのイメージの干渉フーリエ変換の強度変動検出を更に記載する。これらの強度変動は、2つのイメージの異なる回折次数間の位相差に対応し、この位相差から、アライメントプロセスに必要な位置情報が導出される。2013年12月17日発行の米国特許第8,610,898号「Self-Referencing Interferometer, Alignment System, and Lithographic Apparatus」にも言及し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
[0010] 既存のアライメントシステム及び技法は、特定の欠点及び制限を対象とする。例えば、通常、アライメントマークフィールド内のディストーション、すなわち、フィールド内ディストーションを測定することができない。これらのシステムは、通常、相対的に大型でもある。また、より微細なアライメント格子ピッチ、例えば、約1um未満の格子ピッチもサポートしていない。したがって、ウェーハ上にプリントされたアライメント格子マークに対するナノメートル精度アライメントが可能なアライメントセンサが、依然として求められている。
【0011】
[0011] また、より多くのアライメントマークを使用することで、より優れたアライメント精度が可能になるため、多数のアライメントマークの使用を可能にすることが望ましい。しかしながら、現行のアライメントセンサは、典型的には一度に1つのアライメントマークの1つの位置しか測定できない。したがって、現行のアライメントセンサ技術を使用して多くのマークの位置の測定を試みると、結果として、大幅な時間及びスループットの不利益が生じることになる。したがって、複数のアライメントマークを同時に測定する配置において使用可能なセンサを有することが望ましい。
【0012】
[0012] したがって、より微細なアライメント格子ピッチをサポートし、複数のマークを同時に測定することが可能な、フィールド内ディストーションが測定可能なコンパクトなアライメントセンサが求められている。
【発明の概要】
【0013】
[0013] 以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るため、それらの実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、想定される全ての実施形態を広く概観するものではなく、全ての実施形態の重要な要素又は不可欠な要素を識別することは意図しておらず、また、いずれかの又は全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。その唯一の目的は、後に提示される更に詳細な記載の前置きとして、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略化した形態で示すことである。
【0014】
[0014] 一実施形態の一態様によれば、マークの位置に関する情報、及びマーク内の任意のマーク内ディストーションに関する情報を提供するために操作(例えば、ミラーリング、偏光)及び組み合わせ可能な、アライメントマークの自己イメージを作成するために、空間的にコヒーレントな放射によって周期的アライメントマークが照明される、基板のアライメントを決定するためのシステムが開示される。
【0015】
[0015] 一実施形態の一態様によれば、基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置が開示され、装置は、第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビームを生成するための、少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された、第1の入力ポート、格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された、第2の入力ポート、第1のビームによって照明される際の格子部分のイメージと、第2のビームによって照明される際の格子部分のミラーイメージと、を含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第1の出力ポート、及び、第2のビームによって照明される際の格子部分のイメージと、第1のビームによって照明される際の格子部分のミラーイメージと、を含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第2の出力ポートを備える、マルチモード干渉デバイスと、を備える。装置は更に、第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように配置された、第1のディテクタと、第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように配置された、第2のディテクタと、を備える。装置は更に、第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて、格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを備える。
【0016】
[0016] 一実施形態の一態様によれば、基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置も開示され、装置は、第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビームを生成するための、少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、複数のマルチモード干渉デバイスであって、マルチモード干渉デバイスの各々は格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、また、格子部分のそれぞれのセグメントによって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された、第1の入力ポート、格子部分のそれぞれのセグメントによって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された、第2の入力ポート、第1のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのイメージと、第2のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのミラーイメージと、を含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第1の出力ポート、及び、第2のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのイメージと、第1のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのミラーイメージと、を含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第2の出力ポートを備える、複数のマルチモード干渉デバイスと、を備える。複数のマルチモード干渉デバイスは、格子の一部に平行な線形アレイに配置することができる。装置は更に、第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、を備える。装置は更に、第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて、格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを備える。
【0017】
[0017] 一実施形態の一態様によれば、第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビームを生成するための、少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された、第1の入力ポート、格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された、第2の入力ポート、負の回折次数からのp偏光イメージ及び正の回折次数からのs偏光イメージを含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第1の出力ポート、及び、負の回折次数からのs偏光イメージ及び正の回折次数からのp偏光イメージを含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第2の出力ポートを備える、光ファイバベースデバイスと、を備える装置も開示される。装置は更に、第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように配置された、第1のディテクタと、第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように配置された、第2のディテクタと、を備える。装置は更に、第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて、格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを備える。
【0018】
[0018] 一実施形態の一態様によれば、第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビームを生成するための、少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、複数の光ファイバベースデバイスであって、各々が格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された、第1の入力ポート、格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された、第2の入力ポート、負の回折次数からのp偏光イメージ及び正の回折次数からのs偏光イメージを含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第1の出力ポート、及び、負の回折次数からのs偏光イメージ及び正の回折次数からのp偏光イメージを含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された、第2の出力ポートを備える、複数の光ファイバベースデバイスと、を備える装置も開示される。装置は更に、第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、を備える。装置は更に、第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて、格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを備える。
【0019】
[0019] 一実施形態の一態様によれば、基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置も開示され、装置は、格子の少なくとも一部を照明する第1及び第2の照明ビームを生成するための少なくとも1つの光源、格子によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力光学素子、格子によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力光学素子、正の回折次数に基づいて第1のイメージを生成するために第1の入力光学素子に光学的に結合された第1のイメージング光学素子、負の回折次数に基づいて第2のイメージを生成するために第2の入力光学素子に光学的に結合された第2のイメージング光学素子、第1の変換イメージを生成するために第1のイメージを変換するための第1の変換光学素子、第2の変換イメージを生成するために第2のイメージを変換するための第2の変換光学素子、第1のイメージと第2の変換イメージとを空間的に重複させるための第1の組合せ光学素子、及び、第2のイメージと第1の変換イメージとを空間的に重複させるための第2の組合せ光学素子を、備える。
【0020】
[0020] 一実施形態の一態様によれば、基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置も開示され、装置は、格子の一部を照明するコヒーレント放射の少なくとも1つのビームを生成するための少なくとも1つの光源であって、少なくとも1つのビームは回折ビームを生成するために格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、回折ビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、回折ビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポートを備える、マルチモード干渉デバイスと、を備える。少なくとも1つの光源は、オンアクシス又はオフアクシスの格子の一部を照明することができる。第1の入力ポートは第1の単一モード導波路を備え、第2の入力ポートは第2の単一モード導波路を備えることができる。第1の入力ポートは第1のサブ波長構造を備え、第2の入力ポートは第2のサブ波長構造を備えることができる。
【0021】
[0021] 本発明の別の実施形態、特徴、及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を、添付図面を参照して以下に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
[0022] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の実施形態の方法及びシステムを、限定としてではなく例として説明する。図面は更に、詳細な説明と併せて、本明細書に提示されている方法及びシステムの原理を説明するように、また、当業者がこの方法及びシステムを作製し使用できるように機能する。図面中、同じ参照番号は同一の又は機能的に類似の要素を表す。
【0023】
図1】[0023]本明細書で開示される一実施形態の態様に従って使用できるような、フォトリソグラフィシステムの選択部分を示す図である。
図2】[0024]既知のアライメントシステムの動作の原理を説明するために、既知のアライメントシステムの選択部分を示す図である。
図3A】[0025]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、マルチモード干渉デバイスベースのアライメントセンサを示す図である。
図3B】[0025]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、マルチモード干渉デバイスベースのアライメントセンサを示す図である。
図4】[0026]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、アライメントセンサの線形アレイを示す図である。
図5A】[0027]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、MMI照明デバイス及びMMIディテクタの配置を示す図である。
図5B】[0027]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、MMI照明デバイス及びMMIディテクタの配置を示す図である。
図6】[0028]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、MMI照明デバイス及びMMIディテクタの別の配置を示す図である。
図7】[0029]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、MMI照明デバイス及びMMIディテクタの別の配置を示す図である。
図8】[0030]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、センサの配置を示す図である。
図9】[0031]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、センサウェーハ上のセンサの配置を示す図である。
図10】[0032]本明細書で開示される一実施形態の一態様に従った、光ファイバベースのアライメントセンサを示す図である。
【0024】
[0033] 本発明の別の特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者は更なる実施形態を容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0034] 次に、図面を参照して様々な実施形態を記述する。全文を通じて、同じ参照番号は同じ要素を参照して用いられる。以下の記載においては、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を促進するために、多くの具体的詳細が述べられる。もっとも、いくつかの又は全ての場合において、後述するいずれの実施形態も、後述する具体的な設計詳細を採用することなく実行可能であることは明らかであろう。他の場合においては、1つ以上の実施形態の記載を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るため、それらの実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、想定される全ての実施形態を広く概観するものではなく、全ての実施形態の重要な要素又は不可欠な要素を識別することは意図しておらず、また、いずれかの又は全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。
【0026】
[0035] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、ソリッドステートメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0027】
[0036] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示している。装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又は他の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、を備える。
【0028】
[0037] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0029】
[0038] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置に来るようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0030】
[0039] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0031】
[0040] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0032】
[0041] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0033】
[0042] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば、プログラマブルミラーアレイを使用する又は反射マスクを使用する)反射タイプでもよい。
【0034】
[0043] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0035】
[0044] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすために当技術分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が存在するというほどの意味である。
【0036】
[0045] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0037】
[0046] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0038】
[0047] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めできる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。ウェーハは、例えば、ウェーハ製造においてステップとして使用される化学機械平坦化(CMP)プロセスにおける変動に敏感なマークなどの、追加のマークも含んでよい。
【0039】
[0048] 基板W上のターゲットP1及び/又はP2は、例えば、(a)現像後、バーがレジスト実線で形成されるようにプリントされる、レジスト層格子、又は、(b)プロダクト層格子、又は(c)プロダクト層格子上にオーバーレイ又はインターリーブされたレジスト格子を含むオーバーレイターゲット構造内の複合格子スタックであってよい。バーは、代替として、基板内にエッチングしてもよい。
【0040】
[0049] 図2は、既知のアライメントシステム10の概略的概観を示す。光源11が、基板(例えば、ウェーハ)上のアライメントマーカを照明する、空間的にコヒーレントな放射ビームを放出し、基板は放射を正及び負の回折次数+n及び-nに反射させる。これらの回折次数は、対物レンズ12によってコリメートされ、自己参照干渉計13に入る。自己参照干渉計は180°の相対的回転で、重複し、したがって干渉させることが可能な、2つの入力イメージを出力する。瞳面14において、異なる回折次数が分離されたこれらのイメージの重複するフーリエ変換を見ること、及び干渉させることができる。瞳面内のディテクタ15は、位置情報を提供するために干渉された回折次数を検出する。この位置情報に基づいて、リソグラフィ装置に対して基板を正確に位置合わせすることができる。図2の右側部分は、瞳面14内の2つの重複するイメージの形成を示し、一方のイメージでは、+n’及び-n’は入力回折次数+n及び-nに対して+90°回転され、他方のイメージでは、+n’’及び-n’’は入力回折次数+n及び-nに対して-90°回転される。瞳面内で、(+n’及び-n’’)及び(+n’’及び-n’)の次数はそれぞれ干渉する。
【0041】
[0050] 既知のアライメントシステムの欠点は、それらの光学的設計が特別に製造された光学コンポーネントの使用を必要とする可能性があるため、相対的に費用が掛かることである。既知のアライメントシステムの更なる欠点は、既知の自己参照干渉計が通常、非常に大型なことである。
【0042】
[0051] 図3Aは、一実施形態の一態様に従ったアライメントセンサを示す。図3Aは、アライメントマーク120、例えばTIS又はPARISプレート内の1つ以上の格子を照明するように配置された、第1の光源100及び第2の光源110を示す。第1の光源100はコヒーレント光の第1のビーム130を生成し、第2の光源110はコヒーレント光の第2のビーム140を生成する。第1の光源100及び第2の光源110は別々の光源として示されているが、当業者であれば、第1のビーム130及び第2のビーム140は、第1のビーム130と第2のビーム140との間にコヒーレンスと提供するために単一のビームを分割することによって形成できることを理解されよう。
【0043】
[0052] 第1のリフレクタ150は、第1のビーム130を第1の経路に沿ってアライメントマーク120上へと反射させ、ここでアライメントマーク120内の格子は第1のビーム130を回折する。第2のリフレクタ160は、第2のビーム140を第2の経路に沿ってアライメントマーク120上へと反射させ、ここでアライメントマーク120内の格子は第2のビーム140を回折する。第1のビーム回折の1つの+次数及び第2のビーム回折の1つの+次数からの光170は、第1の経路に沿って、マルチモード干渉デバイス(MMI)200の第1の単一モードチャネル180へと進む。第1のビーム回折の1つの-次数及び第2のビーム回折の別の-次数からの光190は、第2の経路に沿って、MMI200の第2の単一モードチャネル210へと進む。この点で、図3Bも参照されたい。この図は、ビーム経路が別々に見えるように2つの図面に分けられているが、MMI200による照明及び回折次数の受け取りは、本質的に逐次的ではなくまとめて連続的に発生することを理解されよう。
【0044】
[0053] したがって照明光は、検出に用いられる光の方向に相反する、2つの異なる方向からアライメント格子マークに衝突する2つの照明ビームの形である。2つの照明ビーム130と140との間で、安定した位相差を維持することが必要である。これは例えば、ビーム130及び140が、キャビティに力を印加するため、及びキャビティの長さを制御するために、ピエゾデバイスなどのアクチュエータを使用することによって、共振キャビティを伴うレーザによって生成される場合に、達成可能である。
【0045】
[0054] このようにして、光源は空間的にコヒーレントな放射ビームを放出し、この放射ビームが基板(例えば、ウェーハ)上のアライメントマーカ120を照明し、基板は放射を回折次数に反射する。これらの回折次数はレンズ又は湾曲面220によってコリメートされて、MMI200に入る。
【0046】
[0055] アライメント格子120などの周期的構造イメージは、コヒーレントな光源を用いて照明されるとき、格子から一定の規則正しい距離で再生成される。これらの原理は、例えば、Lucas B. Soldano等による「Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self Imaging:Principles and Applications」、Journal of Lightwave Technology、Vol.13、No.4(1995年4月)に記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この現象は、マルチモード干渉デバイスにおいて使用される。MMI内部のモード間の干渉が、入射フィールドの自己イメージを再生成する。言い換えれば、自己イメージングはマルチモード導波路のプロパティであり、これによって、入力フィールドプロファイルが、ガイドの伝搬方向に沿って周期的間隔で単一又は複数のイメージ内に再生成される。
【0047】
[0056] 図示された配置において、MMI200の長さは、第1の自己イメージ230が図3Bに示される位置に現れ、第2の自己イメージ240が図3Bに示される位置に現れるように、調節される。次いでこれらのイメージは、ミラー軸250に関してミラーリングされ、組み合わされて、自己イメージ230と自己イメージ240の180°ミラーとの第1の重複イメージ260が図示された位置に現れ、自己イメージ240と自己イメージ230の180°ミラーとの第2の重複イメージ270が図示された位置に現れることになる。このようにして、ミラーリング及び重畳は結果として、自己参照干渉計内で生じるのと同様に、空間的に重複する回折次数を生じさせる。
【0048】
[0057] 第1の重複イメージ260及び第2の重複イメージ270は、それぞれ、第1及び第2の単一モード導波路280及び290を介して、MMI200外で結合される。第1のディテクタ300が第1の重複イメージ260を受け、第2のディテクタ310が第2の重複イメージ270を受ける。第1のディテクタ300及び第2のディテクタ310によって展開されるロースキャン信号は、直接、又はプロセッサ320によって間接的に受け取られる。ロースキャン信号は、スキャンされた表面に関する情報を抽出するために処理されてよい。例えば、空間的に重複する回折次数の対の間の相対位相は、マークを介するスキャンと共に変化し、その結果として変調信号が生じ、この信号から位置合わせされた位置エラーを決定することができる。
【0049】
[0058] MMI220は、センサに対して変換されているときに、格子から反射した±回折次数を収集する。MMI長さは、出力ポート280及び290において二重イメージを作るように設定することができる。出力ポート280及び290は、それぞれ、180度位相差によって分離された、コヒーレント総和チャネル及びコヒーレント差異チャネルとして働く。
【0050】
[0059] 記載した配置の1つの利点は、既存のアライメントセンサに比べて非常にコンパクトにできることであり、そのため、ウェーハ上の任意のフィールドを覆うように複数のセンサを並行に配列することができる。これが図4に示されている。N個のアライメントセンサMMI300~300nの線形アレイは、アライメント格子120の幅を横切る矢印の方向に延在し、それぞれのMMI導波路を励振させる単一モード導波路180~180n及び210~210nを介する回折放射を捕捉する。前述のように、レンズ又は単なる湾曲面を使用して、導波路基本モードに一致させることができる。このように配列された並列センサは集合的に、より広い視野を覆うことが可能であり、すなわち、フィールド内ディストーションを訂正するために複数のマークの同時アライメントを実行することが可能である。また、1umより小さいアライメント格子ピッチを使用することもできる。
【0051】
[0060] 図に示される配置は、コヒーレント総和チャネルをもたらす。例えばπ位相遅延線を追加することによってMMI200を調節することで、コヒーレント総和チャネル及びコヒーレント差異チャネルをもたらすことができる。また、MMI200の単一モードチャネルの位置決めによって、その他又は追加の回折次数をまとめることも可能であることも理解されよう。
【0052】
[0061] 前述の新規なアライメントセンサは、リソグラフィ製造技法を使用して製造可能であるため、精密な研削及び研磨を必要とするレンズ及びミラーなどの従来の光学素子を使用するアライメントセンサよりも、容易に製造される。したがって新規なアライメントセンサの製造は、より安価でもある。
【0053】
[0062] 図示された照明方式に加えて、照明は、例えばレンズ、光ファイバ、他のMMIなどを使用して実現可能である。一般に、照明配置は、オンアクシス(本質的に、格子に対して直角)及びオフアクシス(格子に対して斜角)で照明を提供してよい。オフアクシス照明は、より小さな(より微細なピッチの)回折格子からアライメント情報を取得することができる。
【0054】
[0063] 図5Aは、照明MMI330を使用して、単一モード出力カプラ340を介してアライメントマーク120にオンアクシス照明を提供する配置を示す。アライメントマーク120によって回折される光の回折次数は、単一モード入力ポート180及び190を介してコレクションMMI200に結合される。コレクションMMI200及び照明MMI330は、相対的に小さい角度θで互いに角度が付けられる。
【0055】
[0064] 図5Bは、照明MMI350を使用して、単一モード出力ポート360及び370を介してアライメントマーク120にオフアクシス照明を提供する配置を示す。アライメントマーク120によって回折される光の回折次数は、単一モード入力ポート180及び190を介してコレクションMMI200に結合される。コレクションMMI200及び照明MMI350は、相対的に小さい角度θで互いに角度が付けられる。
【0056】
[0065] 波長の拡張レンジにわたる動作は、単一モード導波路の入力ポート及び出力ポートの代わりに、光をMMI内及びMMI外に結合するように設計された、サブ波長構造又は格子を使用することによって達成することができる。マルチモードファイバを使用して、出力ポートから、光学系から遠くに配置されたフォトディテクタへ、光を集めることができる。異なる格子ピッチに対処するために、入力ポートと出力ポートとの間に適切な間隔を伴うマルチモード導波路長さの適切な設計を用いて、追加のセンサを作ることができる。1掛ける1(1×1)照明MMIを使用して、法線入射から数度外れた照明ビームを用いてウェーハアライメント格子を照明することができる。
【0057】
[0066] こうした配置が図6に示される。アライメントマーク120を照明するために照明MMI330が使用される。出力カプラ340からの照明ビームは、法線入射から数度だけ外れている。正の回折次数は、検出MMI200内に光を結合するサブ導波路構造又は格子として構成されたカプラ500に衝突する。負の回折次数は、サブ導波路構造又は格子として構成されたカプラ510に衝突する。回折次数の対は、カプラ520、530に現れ、カプラ520、530は、検出MMI200外に光を結合するサブ導波路構造又は格子としても構成される。光は、直接又は光ファイバを介して光を受けるように配置可能な、ディテクタ540、550に衝突する。
【0058】
[0067] 図7は、アライメントマーク120のオフアクシス照明を提供するために照明MMI350が2つの出力を有する配置を示す。照明MMI350は、2つの出力ポート600、610を有する。正の回折次数は、検出MMI350内に光を結合するサブ導波路構造又は格子として構成されたカプラ500に衝突する。負の回折次数は、サブ導波路構造又は格子として構成されたカプラ510に衝突する。回折次数の対は、カプラ520、530に現れ、カプラ520、530は、検出MMI350外に光を結合するサブ導波路構造又は格子としても構成される。光は、直接又は光ファイバを介して光を受けるように配置可能な、ディテクタ540、550に衝突する。
【0059】
[0068] 前述のように、記載した配置の1つの利点は、既存のアライメントセンサに比べて非常にコンパクトにできることであり、そのため、図4に示されるウェーハ上の任意のフィールドを覆うように複数のセンサを並行に配列することができる。センサのうちのいくつかは、ウェーハの上に一列に配置可能であり、それらの位置は、例えば、ねじを使用して、又は、図8に示されるように、(例えばX方向の)ウェーハ上の特定の層レイアウトのフィールドの位置に一致するようにセンサ間の間隔を同時に変更するように制御することが可能なはさみエクステンダを用いて、個々に調節可能である。図に示されるように、集積光学系センサ700の列は、はさみエクステンダ710上のウェーハの上に一列に位置決めされる。センサ700は、分岐交差720において、はさみエクステンダ710に接続される。センサの横の位置は、分岐740を固定して、はさみエクステンダ710の外部移動可能分岐730の1つ又は両方を移動させることによって、調節可能である。異なる間隔のアライメントマークを伴うウェーハ上のアライメントを測定する必要があるとき、はさみエクステンダ710は、センサ700をX方向で互いに関して再位置決めする。フィールドの列(X方向)内部のすべてのマーク位置は、センサフィールドの列の下のウェーハをわずかに移動することによって対処することができる。すべての列は、列センサフィールドの下のウェーハをY方向にフィールドの距離だけ移動することによって、対処することができる。
【0060】
[0069] アライメントマークのレイアウトはフィールドごと及びウェーハごとに固定されるため、図9に示される各層レイアウトに対して集積光学センサウェーハ750を使用することが可能である。図9は、各々がアライメントマーク780のパターンを有する、フィールド770のアレイを伴うウェーハ760を示す。センサウェーハ750は、ウェーハ760の上に配置される。センサウェーハ750は、各々が、ウェーハ760上のアライメントマーク780の位置に対応する位置にセンサ800のアレイを有する、フィールド790のアレイを有する。センサの各フィールド790は、それぞれのファイバケーブル820を介してコネクタ810に接続され、明快にするためにファイバケーブルのうちのいくつかだけが示されている。コネクタ810及びファイバケーブル820は、照明センサ830及びディテクタ840をセンサウェーハ750に接続する。センサウェーハ750上に光源又はディテクタを有する必要がないため、こうした配置を有することが可能である。顧客製品のレイアウトを変更するとき、センサウェーハ750を、新規製品のレイアウト専用の別のセンサウェーハに置き換えることができる。スキャナの内部に、センサウェーハ750のための(レチクル及びウェーハに使用されるような)ストレージコンパートメントを提供してもよい。
【0061】
[0070] 光ファイバを使用して、同様の恩恵をもたらすシステムも実現することができる。こうした配置が図10に示される。光ファイバを使用して、+/-回折次数を集めることができる。個々のファイバによって集められた回折次数の対は、アライメント信号を生成するために光ファイバコンバイナを使用して組み合わせることができる。より具体的に言えば、また図10を参照すると、+及び-の回折次数170及び190は、それぞれ、第1のファイバベース偏光ビームスプリッタ400及び第2のファイバベース偏光ビームスプリッタ410に結合される。第1のファイバベース偏光ビームスプリッタ400は、+回折次数をs偏光ビーム+_s及びp偏光ビーム+_pに分割する。同様に、第2のファイバベース偏光ビームスプリッタ410は、-回折次数をs偏光ビーム-_s及びp偏光ビーム-_pに分割する。ビーム+_p及び-_sは、第1のファイバベースビームコンバイナ420内で組み合わされ、組み合わせ(+_p及び-_s)ビームを生成する。ビーム-_p及び+_sは、第2のファイバベースビームコンバイナ430内で組み合わされ、組み合わせ(-_p及び+_s)ビームを生成する。各組み合わせビームは、ビームを分割する、それぞれのファイバ/自由空間ベース偏光ビームスプリッタ/コンバイナ440、450にリレーされる。ディテクタ460、470は、それぞれ、コヒーレント総和チャネル及びコヒーレント差異チャネルを表す。前述のように、スキャン信号は、スキャンされた表面に関する情報を抽出するために処理されてよい。例えば、空間的に重複する回折次数の対の間の相対位相は、マークを介するスキャンと共に変化し、その結果として変調信号が生じ、この信号から位置合わせされた位置エラーを決定することができる。前述のように、アライメント格子120のフィールドのすべて又はいくつかを覆うように、光ファイバベースセンサのコレクションを配列することができる。
【0062】
[0071] 実施形態は、下記の条項を使用して更に詳細に説明することができる。
1.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、
マルチモード干渉デバイスであって、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、
第1のビームによって照明される際の格子部分のイメージと、第2のビームによって照明される際の格子部分のミラーイメージと、を含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、
第2のビームによって照明される際の格子部分のイメージと、第1のビームによって照明される際の格子部分のミラーイメージと、を含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、
を有する、マルチモード干渉デバイスと、
を備える、装置。
2.第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、配置された第1のディテクタと、
第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、配置された第2のディテクタと、
を更に備える、条項1に記載の装置。
3.第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、条項2に記載の装置。
4.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、
複数のマルチモード干渉デバイスであって、マルチモード干渉デバイスの各々は、格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、また、
格子部分のそれぞれのセグメントによって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、
格子部分のそれぞれのセグメントによって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、
第1のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのイメージと、第2のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのミラーイメージと、を含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、
第2のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのイメージと、第1のビームによって照明される際の格子部分のセグメントのミラーイメージと、を含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、
を有する、複数のマルチモード干渉デバイスと、
を備える、装置。
5.複数のマルチモード干渉デバイスは、格子の一部に平行な線形アレイに配置される、条項4に記載の装置。
6.第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、
第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、
を更に備える、条項4に記載の装置。
7.第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、条項6に記載の装置。
8.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、
光ファイバベースデバイスであって、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、
負の回折次数からのp偏光イメージ及び正の回折次数からのs偏光イメージを含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、
負の回折次数からのs偏光イメージ及び正の回折次数からのp偏光イメージを含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、
を有する、光ファイバベースデバイスと、
を備える、装置。
9.第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、配置された第1のディテクタと、
第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、配置された第2のディテクタと、
を更に備える、条項8に記載の装置。
10.第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、条項9に記載の装置。
11.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
第1の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第1のビーム、及び、第2の角度から格子の一部を照明するコヒーレント放射の第2のビーム、を生成するための少なくとも1つの光源であって、第1及び第2のビームは格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、
複数の光ファイバベースデバイスであって、各々が格子部分のそれぞれのセグメントの近傍に配置され、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、
格子部分によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、
負の回折次数からのp偏光イメージ及び正の回折次数からのs偏光イメージを含む、第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、
負の回折次数からのs偏光イメージ及び正の回折次数からのp偏光イメージを含む、第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、
を有する、複数の光ファイバベースデバイスと、
を備える、装置。
12.複数の光ファイバベースデバイスは、格子の一部に平行な線形アレイに配置される、条項11に記載の装置。
13.第1の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第1の空間的に重複するイメージの強度を示す第1の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第1のディテクタと、
第2の空間的に重複するイメージを受信するように、及び、第2の空間的に重複するイメージの強度を示す第2の信号を生成するように、それぞれ配置された複数の第2のディテクタと、
を更に備える、条項12に記載の装置。
14.第1の信号及び第2の信号を受信するように配置され、また、第1の信号及び第2の信号に少なくとも部分的に基づいて格子の一部の特徴を決定するように構成された、プロセッサを更に備える、条項13に記載の装置。
15.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
格子の少なくとも一部を照明する第1及び第2の照明ビームを生成するための少なくとも1つの光源、
格子によって回折される際に、第1のビームの正の回折次数及び第2のビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力光学素子、
格子によって回折される際に、第1のビームの負の回折次数及び第2のビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力光学素子、
正の回折次数に基づいて第1のイメージを生成するために第1の入力光学素子に光学的に結合された第1のイメージング光学素子、
負の回折次数に基づいて第2のイメージを生成するために第2の入力光学素子に光学的に結合された第2のイメージング光学素子、
第1の変換イメージを生成するために第1のイメージを変換するための第1の変換光学素子、
第2の変換イメージを生成するために第2のイメージを変換するための第2の変換光学素子、
第1のイメージと第2の変換イメージとを空間的に重複させるための第1の組合せ光学素子、及び、
第2のイメージと第1の変換イメージとを空間的に重複させるための第2の組合せ光学素子、
を備える、装置。
16.基板上の格子を備えるアライメントパターンを感知するための装置であって、
格子の一部を照明するコヒーレント放射の少なくとも1つのビームを生成するための少なくとも1つの光源であって、少なくとも1つのビームは回折ビームを生成するために格子の一部によって回折される、少なくとも1つの光源と、
マルチモード干渉デバイスであって、
回折ビームの正の回折次数を受け取るように配置された第1の入力ポート、
回折ビームの負の回折次数を受け取るように配置された第2の入力ポート、
第1の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第1の出力ポート、及び、
第2の空間的に重複するイメージを出力するように配置された第2の出力ポート、
を有する、マルチモード干渉デバイスと、
を備える、装置。
17.少なくとも1つの光源は、オンアクシスの格子の一部を照明する、条項16に記載の装置。
18.少なくとも1つの光源は、オフアクシスの格子の一部を照明する、条項16に記載の装置。
19.第1の入力ポートは、第1の単一モード導波路を備え、第2の入力ポートは、第2の単一モード導波路を備える、条項16に記載の装置。
20.第1の入力ポートは、第1のサブ波長構造を備え、第2の入力ポートは、第2のサブ波長構造を備える、条項16に記載の装置。
【0063】
[0072] 前述のようなシステムを使用して、単にオーバーレイアライメントを向上させるだけでなく、概してスキャナ性能を診断、監視、及び/又は調節することもできる。スキャン信号は、ステッパ/スキャナについての主要な性能指示との相関について分析することができる。分析の結果は、例えば監視デバイス上に即時に示されるか、又はレポートにコンパイルされる、任意のいくつかの様式で、提示及び/又は記憶することができる。
【0064】
[0073] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0065】
[0074] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0066】
[0075] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0067】
[0076] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
【0068】
[0077] 本開示は、特定の機能及びそれらの関係の実装形態を説明する機能的なビルディングブロックの助けによってなされる。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、本明細書においては説明の便宜のために任意に定義されている。特定の機能及びそれらの関係が適切に実施される限りは、代替的な境界が定義されてもよい。
【0069】
[0078] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。従って、そのような適合及び変更は、本明細書に提示される教示及び案内に基づき、開示される実施形態の均等物の意味及び範囲内に入ることが意図される。本明細書における表現又は用語は限定でなく例示による記載のためのものであるので、本明細書の表現又は用語は、当業者によって教示及び案内の観点から解釈されるべきであることは理解されよう。
【0070】
[0079] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10