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特許7142572光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置
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  • 特許-光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置 図1
  • 特許-光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置 図2
  • 特許-光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置 図3A
  • 特許-光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、レンズ鏡筒、対物レンズ、及び光学装置
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/12 20060101AFI20220916BHJP
   C03C 3/15 20060101ALI20220916BHJP
   C03C 3/155 20060101ALI20220916BHJP
   C03C 3/253 20060101ALI20220916BHJP
   C03C 3/068 20060101ALI20220916BHJP
   C03C 3/062 20060101ALI20220916BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
C03C3/12
C03C3/15
C03C3/155
C03C3/253
C03C3/068
C03C3/062
G02B1/00
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2018535535
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(86)【国際出願番号】 JP2017026520
(87)【国際公開番号】W WO2018037797
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2016165366
(32)【優先日】2016-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 博之
(72)【発明者】
【氏名】増野 敦信
(72)【発明者】
【氏名】吉本 幸平
(72)【発明者】
【氏名】上田 基
(72)【発明者】
【氏名】山本 博史
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 辰典
【審査官】須藤 英輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-272194(JP,A)
【文献】米国特許第05232879(US,A)
【文献】米国特許第05392376(US,A)
【文献】国際公開第2012/046833(WO,A1)
【文献】特開2005-154251(JP,A)
【文献】特開2006-256959(JP,A)
【文献】o.v.mazurin, et al.,handbook of glass data PartD ternary non-silicate glasses,1991年,pp.396-401
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオンのモル%表示で、
La3+含有率:10~60%、
Ga3+含有率:0超~75%、
Nb5+含有率:10~75%、
であり、
La3+とGa3+とNb5+の総含有率(La3++Ga3++Nb5+):60~100%である光学ガラス。
【請求項2】
d線における屈折率(n )が1.85~2.25である、請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
アッベ数(ν )が、19~37である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
【請求項4】
Ti4+、Zr4+、Hf4+、Ta5+、W6+、Al3+、B3+、Si4+、Ge4+、Zn2+、Y3+、Gd3+、Lu3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、及びBa2+からなる群より選ばれる少なくとも1つのカチオンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項5】
カチオンのモル%表示で、
La3+含有率:10~60%、
Ga3+含有率:0超~75%、
Nb5+含有率:0~75%、
であり、
La3+とGa3+とNb5+の総含有率(La3++Ga3++Nb5+):60~100%であり、
d線における屈折率(n )が1.85~2.25、
アッベ数(ν )が、19~37であり、
Ti4+、Zr4+、Hf4+、Ta5+、W6+、Al3+、B3+、Si4+、Ge4+、Zn2+、Y3+、Gd3+、Lu3+、Mg2+、Sr2+、及びBa2+からなる群より選ばれる少なくとも1つのカチオンを含む、光学ガラス。
【請求項6】
Ca2+を含む、請求項5に記載の光学ガラス。
【請求項7】
カチオンのモル%表示で、
3+含有率:0~30%、
Si4+含有率:0~20%、
Ge4+含有率:0~20%、
であり、かつ、
3+とSi4+とGe4+の総含有率(B3++Si4++Ge4+):0~30%である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項8】
カチオンのモル%表示で、
3+とSi4+とGe4+の総含有率(B3++Si4++Ge4+):0%である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項9】
カチオンのモル%表示で、
Ti4+含有率:0~30%、
Zr4+含有率:0~20%、
Hf4+含有率:0~20%、
Ta5+含有率:0~30%、
6+含有率:0~20%、
Al3+含有率:0~30%、
Zn2+含有率:0~20%、
であり、かつ、
Ln3+(Lnは、Y、Gd、Luのいずれか1種以上を表す)の総含有率:0~30%、
2+(Rは、Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種以上を表す)の総含有率:0~20%、
である、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項10】
カチオンのモル%表示で、
La3+含有率:30~60%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項11】
カチオンのモル%表示で、
La3+含有率:40~55%である、請求項10に記載の光学ガラス。
【請求項12】
カチオンのモル%表示で、
Ga3+含有率:10~70%である、請求項1~11のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項13】
カチオンのモル%表示で、
Ga3+含有率:20~60%である、請求項12に記載の光学ガラス。
【請求項14】
カチオンのモル%表示で、
Nb5+含有率:10~75%である、請求項5~13のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項15】
カチオンのモル%表示で、
Nb5+含有率:5~60%である、請求項5~13のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項16】
カチオンのモル%表示で、
Nb5+含有率:10~50%である、請求項1~13のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項17】
カチオンのモル%表示で、
La3+とGa3+とNb5+の総含有率(La3++Ga3++Nb5+):80~100%である、請求項1~16のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項18】
カチオンのモル%表示で、
Ga 3+ 含有率:0超~55%、
Nb 5+ 含有率:10~60%、
Zr4+含有率:5~10%、
Ta5+含有率:10~20%、
Al3+含有率:0~15%、
である、請求項9に記載の光学ガラス。
【請求項19】
カチオンのモル%表示で、
2+(R=Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種以上を表す)成分の総含有率が0%である、請求項9に記載の光学ガラス。
【請求項20】
1mm厚あたりの表面反射損失を含む紫外透過率値が5%になる波長(UVλ )が370nm以下である、請求項1~19のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項21】
1mm厚あたりの表面反射損失を含む赤外透過率値が5%になる波長(IRλ )が6μm以上である、請求項1~20のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項22】
請求項1~2のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
【請求項23】
請求項2に記載の光学素子を含む、レンズ鏡筒。
【請求項24】
請求項2に記載の光学素子を含む、対物レンズ。
【請求項25】
請求項2に記載の光学素子を備える光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、対物レンズ、及び光学装置に関する。本発明は2016年8月26日に出願された日本国特許の出願番号2016-165366の優先権を主張し、文献の参照による織り込みが認められる指定国については、その出願に記載された内容は参照により本出願に織り込まれる。
【背景技術】
【0002】
光学ガラスは、様々な光学素子や光学装置に用いられており、例えば、特許文献1には紫外から赤外領域に用いられるハロゲン化物ガラスが開示されている。ところで、光学装置に用いられる光学系の設計の自由度を広げるために、高い屈折率を有する光学ガラスの開発が求められている。しかしながら、光学ガラスの屈折率が高くなるように組成を調整すると、ガラス化が困難な傾向にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-081973号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様は、カチオンのモル%表示で、La3+含有率:10~60%、 Ga3+含有率:0超~75%、Nb5+含有率:10~75%、であり、かつ、La +とGa+とNb+の総含有率(La3++Ga3++Nb5+):60~100% である光学ガラスである。また、カチオンのモル%表示で、La3+含有率:10~60%、Ga3+含有率:0超~75%、Nb5+含有率:0~75%、であり、L3+とGa3+とNb5+の総含有率(La3++Ga3++Nb5+):60~100%であり、d線における屈折率(nd)が1.85~2.25、アッベ数(νd)が、19~37であり、Ti 4+ 、Zr 4+ 、Hf 4+ 、Ta 5+ 、W 6+ 、Al 3+ 、B 3+ 、Si 4+ 、Ge 4+ 、Zn 2+ 、Y 3+ 、Gd 3+ 、Lu 3+ 、Mg 2+ 、Sr 2+ 、及びBa 2+ からなる群より選ばれる少なくとも1つのカチオンを含む、光学ガラスである。
【0005】
本発明の第二の態様は、第一の態様の光学ガラスを備える光学素子である。
【0006】
本発明の第三の態様は、第二の態様の光学素子を含む、レンズ鏡筒である。また、本発明の第四の態様は、第二の態様の光学素子を含む、対物レンズである。また、本発明の第の態様は、第二の態様の光学素子を備える光学装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える多光子顕微鏡の構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。
図3A】ガスジェット式の浮遊炉の全体構成の模式図を示す図である。
図3B】ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
【0009】
本実施形態における光学ガラスの各成分の組成範囲、及び特性範囲は以下の通りである。なお、本明細書中において、特に断らない場合は、各成分の含有量は全てカチオンのモル%表示であるものとする。
【0010】
<光学ガラス>
本実施形態に係る光学ガラスは、カチオンのモル%表示で、La3+成分が10~60%、Ga3+成分が0%超~75%、Nb5+成分が0~75%、であり、かつ、La3+成分とGa3+成分とNb5+成分の総量が60~100%の関係を満たすものである。各カチオンの態様は特に限定されないが、例えば、後述する酸化物の態様で光学ガラスに含有される。これらの関係を満たすのであれば、Nb5+の含有量は0%であってもよい。本実施形態に係る光学ガラスは、SiOやB等の網目形成酸化物を構成するカチオンの含有量が低くともガラス化することができる、新規な光学ガラスである。さらには、高い屈折率と紫外から中赤外における広い透過帯域を有する光学ガラスとすることができる。一般に、光学ガラスに関して高屈折率と紫外~可視域における透過率とを両立させることは困難であり、両者はトレードオフの傾向に陥りやすい。このようなことから、高屈折率でありながら、可視域で無色透明な光学ガラスとすることも困難であった。しかしながら、本実施形態に係る光学ガラスは、上記した成分組成を有することでこのような特性も付与することが可能となる。
【0011】
La3+は、本実施形態に係る光学ガラスにおいて必須成分であり、酸化物換算組成ではLaとして含まれる。La3+は屈折率を高くし、紫外透過性及び赤外透過率を向上させる成分として有効であるが、含有量が少ないと上記効果が十分でない。その一方で、La3+の含有量が60%を超えるとガラスが失透しやすくなる。そのため、その含有量は10~60%であり、好ましくは30~60%であり、より好ましくは40~55%である。
【0012】
Ga3+は、本実施形態に係る光学ガラスにおいて必須成分であり、酸化物換算組成ではGaとして含まれる。Ga3+は紫外透過率及び赤外透過率を向上させる効果を有するが、含有量が少ないと上記効果が十分でない。その一方で、Ga3+を過剰に導入すると屈折率が低下する。そのため、その含有量は0超~75%(0%を超えて75%以下)であり、好ましくは10~70%(10%以上70%以下)であり、より好ましくは20~60%(20%以上60%以下)である。
【0013】
Nb5+は、本実施形態に係る光学ガラスにおいて任意成分であり、酸化物換算組成ではNbとして含まれる。Nb5+はガラスの屈折率を高める効果が大きく、La3+及びGa3+とともにガラス成分として導入することによって、ガラスの安定性を一層高めることができる。その一方で、Nb5+を過剰に導入すると紫外透過率が悪化する。そのため、その含有量は0~75%であり、好ましくは5~60%であり、より好ましくは10~50%である。
【0014】
本実施形態に係る光学ガラスに含有され得るその他の成分としては、Ti4+、Zr4+、Hf4+、Ta5+、W6+、Al3+、B3+、Si4+、Ge4+、Zn2+、Y3+、Gd3+、Lu3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が例示される。各カチオンの態様は特に限定されないが、例えば、後述する酸化物の態様で光学ガラスに含有される。これらは1種のみならず2種以上を導入してもよいことはもちろんである。以下、これらの任意成分について説明する。
【0015】
Ti4+は、酸化物換算組成ではTiOとして含まれる成分である。Ti4+はガラスの屈折率を高める効果があるが、含有量が多いと紫外透過率が大きく悪化する。そのため、その含有量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは0~20%であり、更に好ましくは0~10%である。
【0016】
Zr4+、Hf4+は、酸化物換算組成ではそれぞれZrO、HfOとして含まれる成分である。Zr4+、Hf4+は紫外透過率を大きく悪化させず、ガラスの屈折率を高める効果があるが、その含有量が多いとガラスが失透しやすくなる。そのため、その含有量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは5~25%であり、更に好ましくは5~20%である。
【0017】
Ta5+は、酸化物換算組成ではTaとして含まれる成分である。Ta5+は屈折率を高め、紫外透過率及び赤外透過率を向上させる効果があるが、過剰に導入するとガラスが結晶化しやすくなる。そのため、その含有量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは5~25%であり、更に好ましくは10~20%である。
【0018】
6+は、酸化物換算組成ではWOとして含まれる成分である。W6+は屈折率を高める効果があるが、ガラスの紫外透過率及び赤外透過率を悪化させる成分である。そのため、その含有量は、好ましくは0~20%であり、より好ましくは0~10%であり、更に好ましくは0~5%である。
【0019】
Al3+は、酸化物換算組成ではAlとして含まれる成分である。Al3+はガラスを安定化させ、紫外透過率を向上させる効果を有するが、過剰に導入すると屈折率を大きく低下させる。よって、その含有量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは0~20%であり、更に好ましくは0~15%である。
【0020】
3+は、酸化物換算組成ではBとして含まれ、網目形成酸化物を構成する成分である。B3+はガラス形成能を向上させやすくする効果を有するが、揮発性が高い成分であるため、過剰に導入するとガラスの脈理品質を悪化させやすい。また、B3+は赤外透過率を悪化させる成分でもある。そのため、その含有量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは0~20%であり、更に好ましくは0~10%であり、より更に好ましくは0%である。本実施形態に係る光学ガラスは、網目形成酸化物を構成するB3+の含有量をこの程度まで低減したとしてもガラス化が可能であり、優れた物性を付与することができる。
【0021】
Si4+は、酸化物換算組成ではSiOとして含まれ、網目形成酸化物を構成する成分である。Si4+はガラス形成能を向上させやすくする効果を有するが、屈折率と赤外透過率を大きく低下させる。そのため、その含有量は、好ましくは0~20%であり、より好ましくは0~15%であり、更に好ましくは0~10%であり、より更に好ましくは0%である。本実施形態に係る光学ガラスは、網目形成酸化物を構成するSi4+の含有量をこの程度まで低減したとしてもガラス化が可能であり、優れた物性を付与することができる。
【0022】
Ge4+は、酸化物換算組成ではGeOとして含まれ、網目形成酸化物を構成する成分である。Ge4+はガラス形成能を向上させやすくする効果を有するが、原料が高価である。また、過剰に導入すると揮発性を示し、ガラスの脈理品質を悪化させる。そのため、その含有量は、好ましくは0~20%であり、より好ましくは0~15%であり、更に好ましくは0~10%であり、より更に好ましくは0%である。本実施形態に係る光学ガラスは、Ge4+の含有量をこの程度まで低減したとしてもガラス化可能であり、優れた物性を付与することができる。
【0023】
Zn2+は、酸化物換算組成ではZnOとして含まれる成分である。Zn2+は上記したLn3+成分と類似の効果を有するが、Ln3+成分と比べて屈折率を高める効果が低いため、過剰に導入すると高屈折率性を損なう。また、Zn2+を過剰に導入すると揮発性を示し、ガラスの脈理品質を悪化させる。そのため、その含有量は、好ましくは0~20%であり、より好ましくは0~15%であり、更に好ましくは0~10%である。
【0024】
希土類Ln3+(Ln=Y、Gd、Luのいずれか1種以上を表す。)は、酸化物換算組成ではLnとして含まれる成分である。Ln3+はLa3+と同様に、屈折率を高め、紫外透過率及び赤外透過率を向上させる効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。よって、Ln3+成分の総量は、好ましくは0~30%であり、より好ましくは0~25%であり、更に好ましくは0~20%である。
【0025】
アルカリ土類金属酸化物R2+(R=Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種以上を表す。)は、酸化物換算組成ではROとして含まれる成分である。R2+は上記Ln3+成分と類似の効果を有するが、Ln3+成分と比べて屈折率を高める効果が低いため、過剰に導入すると高屈折率性を損なう。そのため、R2+成分の総量は、好ましくは0~20%であり、より好ましくは0~15%であり、更に好ましくは0~10%である。
【0026】
本実施形態に係る光学ガラスは、La3+成分とGa3+成分とNb5+成分の総量が60~100%の関係を満たす。La3+成分とGa3+成分とNb5+成分の総量は、好ましくは80~100%であり、より好ましくは90~100%であり、更に好ましくは95~100%である。かかる条件を満たすことで、光学ガラスの紫外から赤外における透過率、屈折率、及び経済性を向上させることができる。
【0027】
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、上記した任意成分の好適な組み合わせとしては、カチオンのモル%表示で、B3+成分が0~30%、Si4+成分が0~20%、Ge4+成分が0~20%、であり、かつ、B3+成分とSi4+成分とGe4+成分の総量が0~30%、の各関係を満たすことが好ましい。
【0028】
さらに、本実施形態に係る光学ガラスにおいて、B3+の成分とSi4+の成分とGe4+の成分の総量が0%であってもよい。すなわち、B3+、Si4+及びGe4+を実質的に含有しない態様としてもよい。本実施形態に係る光学ガラスは、これらの網目形成酸化物を構成する成分を含有しなくともガラス化が可能である。また、特にGe4+は高価な成分であるため、B3+、Si4+及びGe4+を実質的に含有しない態様とすることで経済性を向上させることができる。
【0029】
本実施形態に係る光学ガラスにおいて上記した任意成分の好適な組み合わせとしては、カチオンのモル%表示で、Ti4+成分が0~30%、Zr4+成分が0~20%、Hf4+成分が0~20%、Ta5+成分が0~30%、W6+成分が0~20%、Al3+成分が0~30%、B3+成分が0~30%、Si4+成分が0~20%、Ge4+成分が0~20%、Zn2+:0~20%、であり、かつ、Ln3+(Ln=Y、Gd、Luのいずれか1種以上を表す。)の成分の総量が0~30%、R2+(R=Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種以上を表す。)の成分の総量が0~20%、の各関係を満たすことが好ましい。各カチオンの態様は特に限定されないが、例えば、酸化物の態様で光学ガラスに含有される。かかる成分組成の組み合わせを有することで、光学ガラスの透過率及び屈折率が一層向上する。
【0030】
上記成分に限らず、本実施形態に係る光学ガラスの目的達成に支障のない範囲であれば、その他の任意成分を更に添加してもよい。
【0031】
次に、本実施形態の光学ガラスの物性値について説明する。
【0032】
本実施形態に係る光学ガラスは、好適には高屈折率領域に関するものである。本実施形態の光学ガラスのd線(波長:587.562nm)における屈折率(n)は、好ましくは1.85~2.25であり、より好ましくは1.88~2.25であり、更に好ましくは1.92~2.25である。
【0033】
また、本実施形態に係る光学ガラスは、低分散な(アッベ数(ν)が高い)ガラスである。本実施形態に係る光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは19~37であり、より好ましくは25~36であり、更に好ましくは30~35である。
【0034】
紫外から中赤外における幅広い実用性のため、ガラスの紫外吸収端波長はできるだけ短波長側に、赤外吸収端波長はできるだけ長波長側にあることが望ましい。この点、本実施形態に係る光学ガラスは、その好適な態様として、1mm厚における表面反射損失を含む紫外透過率値が5%になる波長(UVλ)が370nm以下とすることができ、より好ましくは330nm以下とすることができ、更に好ましくは300nm以下とすることができる。また、1mm厚における表面反射損失を含む赤外透過率値が5%になる波長(IRλ)が6μm以上とすることができ、より好ましくは6.5μm以上とすることができ、更に好ましくは7μm以上とすることができる。なお、本明細書でいう吸収端波長とは、上述のUVλ及びIRλを意味する。
【0035】
本実施形態に係る光学ガラスは、紫外領域から赤外領域にかけて良好な透過率を示す高屈折率ガラスである。例えば、このような光学ガラスを他の光学ガラスと併用した光学系においては従来よりも光学設計の自由度を広げることが可能となる。
【0036】
本実施形態に係る光学ガラスは、カメラや顕微鏡等の光学装置の備えるレンズ等の光学素子として好適である。光学装置としては、とりわけ多光子顕微鏡として特に好適である。
【0037】
<多光子顕微鏡>
図1は、本発明の一実施形態である多光子顕微鏡1の構成の例を示すブロック図である。多光子顕微鏡1は、光学素子として、対物レンズ106、集光レンズ108、結像レンズ110を備える。以下、多光子顕微鏡1の光学系を中心に説明する。
【0038】
パルスレーザ装置101は、例えば、近赤外波長(約1000nm)であって、パルス幅がフェムト秒単位の(例えば、100フェムト秒の)超短パルス光を射出する。パルスレーザ装置101から射出された直後の超短パルス光は、一般に所定の方向に偏光された直線偏光となっている。
【0039】
パルス分割装置102は、超短パルス光を分割し、超短パルス光の繰り返し周波数を高くして射出する。
【0040】
ビーム調整部103は、パルス分割装置102から入射される超短パルス光のビーム径を、対物レンズ106の瞳径に合わせて調整する機能、試料Sから発せられる多光子励起光の波長と超短パルス光の波長との軸上の色収差(ピント差)を補正するために超短パルス光の集光及び発散角度を調整する機能、超短パルス光のパルス幅が光学系を通過する間に群速度分散により広がってしまうのを補正するために、逆の群速度分散を超短パルス光に与えるプリチャープ機能(群速度分散補償機能)等を有する。
【0041】
パルスレーザ装置101から射出された超短パルス光は、パルス分割装置102によりその繰り返し周波数が大きくされ、ビーム調整部103により上記した調整が行われる。そして、ビーム調整部103から射出された超短パルス光は、ダイクロイックミラー104によりダイクロイックミラー105の方向に反射され、ダイクロイックミラー105を通過し、対物レンズ106により集光されて試料Sに照射される。このとき、走査手段(不図示)を用いることにより、超短パルス光を試料Sの観察面上に走査させてもよい。
【0042】
例えば、試料Sを蛍光観察する場合には、試料Sの超短パルス光の被照射領域及びその近傍では、試料Sが染色されている蛍光色素が多光子励起され、赤外波長である超短パルス光より波長が短い蛍光(以下、「観察光」という。)が発せられる。
【0043】
試料Sから対物レンズ106の方向に発せられた観察光は、対物レンズ106によりコリメートされ、その波長に応じて、ダイクロイックミラー105により反射されたり、あるいは、ダイクロイックミラー105を透過したりする。
【0044】
ダイクロイックミラー105により反射された観察光は、蛍光検出部107に入射する。蛍光検出部107は、例えば、バリアフィルタ、PMT(photo multiplier tube:光電子増倍管)等により構成され、ダイクロイックミラー105により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部107は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
【0045】
一方、ダイクロイックミラー105を透過した観察光は、走査手段(不図示)によりデスキャンされ、ダイクロイックミラー104を透過し、集光レンズ108により集光され、対物レンズ106の焦点位置とほぼ共役な位置に設けられているピンホール109を通過し、結像レンズ110を透過して、蛍光検出部111に入射する。蛍光検出部111は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、結像レンズ110により蛍光検出部111の受光面において結像した観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部111は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
【0046】
なお、ダイクロイックミラー105を光路から外すことにより、試料Sから対物レンズ105の方向に発せられた全ての観察光を蛍光検出部111で検出するようにしてもよい。
【0047】
また、試料Sから対物レンズ106と逆の方向に発せられた観察光は、ダイクロイックミラー112により反射され、蛍光検出部113に入射する。蛍光検出部113は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、ダイクロイックミラー112により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部113は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
【0048】
蛍光検出部107、111、113からそれぞれ出力された電気信号は、例えば、コンピュータ(不図示)に入力され、そのコンピュータは、入力された電気信号に基づいて、観察画像を生成し、生成した観察画像を表示したり、観察画像のデータを記憶したりすることができる。
【0049】
<撮像装置>
本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子は、撮像装置に用いることもできる。図2は、本発明の一実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図を示す。撮像装置2(光学装置)は、本実施形態に係る光学ガラスを母材とするレンズ203(光学素子)を備えている。
【0050】
撮像装置2は、いわゆるデジタル一眼レフカメラであり、カメラボディ201のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒202が着脱自在に取り付けられる。そして、レンズ鏡筒202のレンズ203を通した光が、カメラボディ201の背面側に配置されたマルチチップモジュール206のセンサチップ(固体撮像素子)204上に結像される。このセンサチップ204は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップである。マルチチップモジュール206は、例えば、センサチップ204がガラス基板205上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。
【0051】
なお、光学装置はこのような撮像装置に限らず、例えば、プロジェクタ等といった幅広い装置が包含される。光学素子についてもレンズに限らず、例えば、プリズム等といった幅広い素子が包含される。
【0052】
<光学ガラスの製造方法>
本実施形態の光学ガラスは、例えば、浮遊炉を用いて製造することができる。浮遊炉には、静電式、電磁式、音波式、磁気式、及びガスジェット式などがあり、特に限定されるものではないが、酸化物の浮遊熔解にはガスジェット式の浮遊炉を用いることが好ましい。以下、ガスジェット式の浮遊炉を用いる製造方法を一例として説明する。
【0053】
図3は、ガスジェット式の浮遊炉の模式図を示す。図中、図3Aは、浮遊炉の全体構成の模式図であり、図3Bは、ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図である。ガスジェット式の浮遊炉3では、原料Mは、ステージ301上の台座302に配置される。そして、レーザ光源303から出射されたレーザ光Lは、ミラー304とミラー305を介して原料Mへ照射される。レーザ光Lの照射により加熱される原料Mの温度は、放射温度計306でモニタされる。放射温度計306がモニタする原料Mの温度情報に基づき、レーザ光源303の出力がコンピュータ307によって制御される。また、原料Mの状態はCCDカメラ308によって撮像され、それがモニタ309へ出力される(図3A参照)。なお、レーザ光源としては、例えば、炭酸ガスレーザを使用できる。
【0054】
ガスジェット式の浮遊炉3では、台座に送り込まれるガスによって原料Mが浮遊する状態にある(図3B参照)。台座に送り込まれるガスの流量は、ガス流量調節器310によって制御される。例えば、円錐状の孔を設けたノズルからガスを噴射し、原料Mを浮遊させた状態でレーザLによる非接触加熱を行うことができる。原料Mが熔解すると自身の表面張力によって球形、又は楕円体形状となりその状態で浮遊する。その後、レーザLを遮断すると融液状態となった原料は冷却され、透明なガラスが得られる。なお、ガスの種類は特に限定されず、公知のものを適宜採用することができ、例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等が挙げられる。また、ノズルの形状や加熱方式は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
【0055】
本実施形態に係る光学ガラスの基本組成であるLa3+-Ga3+系は、これまでガラス化させることが困難であった。例えば、通常使用されているるつぼ等の容器を用いて光学ガラスを製造する場合、SiO、B、P、GeO等の網目形成酸化物を多く含ませてガラス形成能を高める必要がある。上記した網目形成酸化物の含有量が少なくガラス形成能が低い組成の場合、容器-融液界面を起点とした結晶化(不均一核生成)が発生して、ガラス化できないことが多い。
【0056】
一方、上記した浮遊炉を用いる方法によって光学ガラスを製造する場合、容器と融液の接触がないため、不均一核生成を最大限抑制することができる。結果、融液のガラス形成を大きく促進し、るつぼ熔解では製造不可能な、網目形成酸化物の含有量が少ない、或いは一切含まない組成であってもガラス化することが可能になる。かかる製造方法を採用することで、従来ではガラス化させることができなかったLa3+-Ga3+系の光学ガラスを製造することができる。本実施形態に係る光学ガラスは、高n、高アッベ数であり、また270nm~10μm程度の広帯域において高い光透過性を有する。そのため、高屈低分散硝材や広帯域透過材料としての応用が可能である。さらにはLa3+-Ga3+の二成分系へNb5+等の第三成分を更に配合することで、上記成分系の広い透過率を大きく損なわずに、さらなる高屈折率領域もカバーすることが可能である(ただし、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
【実施例
【0057】
次に、以下の実施例及び比較例の説明をするが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0058】
(光学ガラスの作製)
図3A図3Bに示すガスジェット式の浮遊炉3を用い、以下の手順に準拠して、光学ガラスを作製した。まず、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等から選ばれる原料を所定の化学組成となるよう可秤量した後、アルミナ製乳鉢で混合した。この原料を20MPaで一軸加圧し円柱形のペレットに成形した。得られたペレットを電気炉で1000~1300℃、大気中で6~12時間焼成し、焼結体を作製した。得られた焼結体を粗く砕き、数十mgを採取して台座のノズルに設置した。そして、酸素ガスを噴射しながら炭酸ガスレーザを上方から照射することで原料を熔解させた。熔解した原料は、自身の表面張力で球形又は楕円体形状になり、ガスの圧力で浮遊状態とした。原料が完全に熔解した状態でレーザ出力を遮断することで、原料を冷却してガラスを得た。なお、各実施例では直径2~3mmの透明なガラス球を得た。また、各実施例のガラスについては、いずれも熔解中に視認できる揮発は見られず、泡や失透のないものが得られた。
【0059】
(紫外-可視透過率の測定)
紫外から可視域の透過率測定には紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、「UH4150」)を用いた。ガラス球を厚さ1mmの平行板状になるよう2面研磨し、加工した試料を直径2.0mmの穴を設けたアパーチャに固定して、250~700nmの範囲で透過率を測定した。
【0060】
(赤外透過率の測定)
赤外透過率の測定にはフーリエ変換型赤外分光光度計(サーモフィッシャー製、「NICOLET6700」)を用いた。紫外-可視透過率測定時と同様に、直径2.0mmのアパーチャを用いて400~4000cm-1の範囲で透過率を測定した。
【0061】
(屈折率の測定)
ガラスの屈折率測定は、プリズムカプラ(Metricon製、モデル「2010/M」)を用いて測定した。上記した透過率測定で用いた試料の研磨面を単結晶ルチルプリズムに密着させ、測定波長の光を入射させた際の全反射角を測定して屈折率を求めた。473nm、594.1nm、656nmの3波長で各5回測定し、平均値を測定値とした。さらに、得られた実測値に対し、以下のDrude-Voigtの分散式を用いて最小二乗法によるフィッティングを行い、d線(587.562nm)、F線(486.133nm)、C線(656.273nm)における屈折率と、アッベ数(ν)を算出した。
【0062】
【数1】
n:屈折率、m:電子質量、c:光速度、e:電荷素量、N:単位体積当たりの分子数、f:振動子強度、λ:固有共鳴波長、λ:波長
【0063】
また、アッベ数(ν)は以下の式で定義される。
【0064】
【数2】
【0065】
各実施例及び各比較例の光学ガラスについて、成分組成(モル%基準)、試料厚、紫外吸収端波長(UVλ)、赤外吸収端波長(IRλ)、屈折率(n)、及びアッベ数(ν)を各表にそれぞれ示す。

【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
(比較例)
表7~9に記載された成分組成の光学ガラスを、上記した各実施例と同様の方法で作製した。しかしながら、試料の一部あるいは全体にわたる結晶化がみられ、光学ガラスとして使用可能な試料が得られなかった。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
以上より、各実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.85~2.25、紫外吸収端波長(UVλ)が370nm以下、赤外吸収端波長(IRλ)が6μm以上であり、高い屈折率を有しつつ紫外~中赤外領域における良好な透過率を有していることが確認された。
【符号の説明】
【0077】
1…多光子顕微鏡、101…パルスレーザ装置、102…パルス分割装置、103…ビーム調整部、104,105,112…ダイクロイックミラー、106…対物レンズ、107,111,113…蛍光検出部、108…集光レンズ、109…ピンホール、110…結像レンズ、S…試料、2…撮像装置、201…カメラボディ、202…レンズ鏡筒、203…レンズ、204…センサチップ、205…ガラス基板、206…マルチチップモジュール、3…ガス浮遊炉、301…ステージ、302…台座、303…レーザ光源、304,305…ミラー、306…放射温度計、307…コンピュータ、308…CCDカメラ、309…モニタ、310…ガス流量調節器、L…レーザ光、M…原料
図1
図2
図3A
図3B