(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】並列アライメントマークを同時に獲得するための装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
G03F9/00 H
(21)【出願番号】P 2021531134
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2019084853
(87)【国際公開番号】W WO2020126810
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エラザリー,タメール,モハメド,タウフィーク,アーメド,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ビジネン,フランシスカス,ゴデフリドゥス,キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ポロ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ソボレフ,キリル,ウリエビッチ
(72)【発明者】
【氏名】フイスマン,サイモン,レイナルド
(72)【発明者】
【氏名】クロイツァー,ジャスティン,ロイド
【審査官】牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-026287(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209132(WO,A1)
【文献】特開2017-215429(JP,A)
【文献】特開昭63-274144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0262323(US,A1)
【文献】特開2003-347184(JP,A)
【文献】特開2017-198793(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101149564(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00 - 9/02
G03F 7/20 - 7/24
H01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に検出するための装置であって、
複数の光ビームを同時に生成するための光源であって、前記複数の光ビームは前記アライメントマークのそれぞれ1つを照明するためのそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光源と、
前記光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、前記複数の光ビームの各光ビームを同時に収集するように配置された集光光学系と、
各々が前記複数の光ビームのうちの1つを受け取るようにそれぞれに配置された複数のディテクタと、を備え
、
前記光源は、複数の単一モードファイバを備え、
前記単一モードファイバの各々は、前記単一モードファイバを移動させるためのデバイスに機械的に結合されて並進可能であり、
前記単一モードファイバからの光は、前記単一モードファイバを移動することで、前記単一モードファイバからの光に前記アライメントマークのセグメントをスキャンさせるように前記アライメントマークにリレーされ、
前記セグメント内のビームは、前記単一モードファイバが並進移動することによって、前記セグメント内の任意の位置にステアリング可能である、装置。
【請求項2】
アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に検出するための装置であって、
複数の光ビームを同時に生成するための光源であって、前記複数の光ビームは前記アライメントマークのそれぞれ1つを照明するためのそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光源と、
前記光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、前記複数の光ビームの各光ビームを同時に収集するように配置された集光光学系と、
各々が前記複数の光ビームのうちの1つを受け取るようにそれぞれに配置された複数のディテクタ
を有するディテクタアレイと、を備え
、
前記集光光学系は、オフナーリレーを有し、
前記ディテクタアレイは、前記オフナーリレーのオフナー左ミラーとオフナー右ミラーとの間の共役面内に置かれ、
前記ディテクタアレイは、各々の中央にフォトダイオードを有するレンズの線形アレイを含む、装置。
【請求項3】
前記光源は、オンアクシス照明を提供する、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記光源は、オ
フアクシス照明を提供する、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項5】
アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に照明するための装置であって、
空間的にコヒーレントな放射の放射源と、
前記空間的にコヒーレントな放射を受け取るように及び複数の光ビームを同時に生成するように配置された光学要素であって、前記複数の光ビームは、前記アライメントマークの各々についてそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光学要素と、を備え
、
前記光学要素は、複数の単一モードファイバを備え、
前記単一モードファイバの各々は、前記単一モードファイバを移動させるためのデバイスに機械的に結合されて並進可能であり、
前記単一モードファイバからの光は、前記単一モードファイバを移動することで、前記単一モードファイバからの光に前記アライメントマークのセグメントをスキャンさせるように前記アライメントマークにリレーされ、
前記セグメント内のビームは、前記単一モードファイバが並進移動することによって、前記セグメント内の任意の位置にステアリング可能である、装置。
【請求項6】
アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に照明するための装置であって、
空間的にコヒーレントな放射の放射源と、
前記空間的にコヒーレントな放射を受け取るように及び複数の光ビームを同時に生成するように配置された光学要素であって、前記複数の光ビームは、前記アライメントマークの各々についてそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光学要素と、
前記光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、前記複数の光ビームの各光ビームを同時に収集するように配置された集光光学系と、
各々が前記複数の光ビームのうちの1つを受け取るようにそれぞれに配置された複数のディテクタを有するディテクタアレイと、を備え
、
前記集光光学系は、オフナーリレーを有し、
前記ディテクタアレイは、前記オフナーリレーのオフナー左ミラーとオフナー右ミラーとの間の共役面内に置かれ、
前記ディテクタアレイは、各々の中央にフォトダイオードを有するレンズの線形アレイを含む、装置。
【請求項7】
前記
放射源は、オンアクシス照明を提供する、請求項
5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記
放射源は、オ
フアクシス照明を提供する、請求項
5又は6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年12月20日出願の米国仮特許出願第62/782,715号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、リソグラフィ技法を使用するデバイスの製造に関する。具体的に言えば、本開示は、半導体フォトリソグラフィプロセスを特徴付け及び制御するためにアライメントマークを検出するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造時に使用可能である。その適用例の場合、パターニングデバイスは、代替としてマスク又はレチクルと呼ばれ、基板(例えば、シリコンウェーハ)のターゲット部分(例えば、ダイの一部、1つのダイ、又はいくつかのダイを含む)上に回路パターンを転写するために使用することができる。パターンの転写は、典型的には、基板上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上にイメージングすることによって達成される。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる近接するターゲット部分のネットワークを含む。
【0004】
[0004] 従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0005】
[0005] デバイスフィーチャを基板上に正確に配置するようにリソグラフィプロセスを制御するために、通常、1つ以上のアライメントマークが、例えば基板又は基板サポート上に提供され、またリソグラフィ装置は1つ以上のアライメントセンサを含み、このセンサによってマークの位置を正確に測定することができる。アライメントセンサは、事実上、位置測定装置であり得る。様々なタイプのマーク及び様々なタイプのアライメントセンサが既知である。フィールド内のいくつかのアライメントマークの相対的位置の測定は、プロセス誘起ウェーハエラーを補正することができる。フィールド内のアライメントエラーバリエーションを使用して、フィールド内のエラーを補正するためのモデルに適合させることができる。
【0006】
[0006] アライメントは、HeNeレーザなどの空間的にコヒーレントな光源によってウェーハ/ステージのマークを照明できるような位置に、ウェーハ/マークを配置することを含む。ビームはアライメントマークと相互作用し、結果として生じる反射した回折パターンはレンズを介して戻る。マークパターンは、回折パターンの+/-の一次成分から再構築される(ゼロ次はレーザに戻され、より高次はブロックされる)。電場及び磁場は結果として正弦フィールドイメージを生じさせる。
【0007】
[0007] ウェーハアライメントセンサは、ウェーハステージ上のウェーハの場所を測定し、ウェーハの変形をマッピングする。この情報は、最適なオーバーレイ性能のための最良の条件を生み出すために、露光設定を制御する際に使用される。ウェーハ製造の増加に対する需要がますます増加すると、ウェーハのスループットを犠牲にすることなく、アライメントセンサが約40までのアライメントマークを測定するのに使用可能なのは約3秒のみである。しかしながら、より多くのマークが測定できれば、ウェーハ変形をより良く補正できることになる。
【0008】
[0008] 加えて、サブミクロンレベルの回折ベースのオーバーレイマークなどの、オーバーレイメトロロジに使用されるより小さなマーク、好ましくは同じマークに位置合わせすることには利点がある。より小さなマークは、ウェーハ上の占有空間がより少ないのみならず、フィールド内変形を補正すること、及びマーク対プロダクトのオフセットによって生じるオーバーレイの不利益を除去すること、もできる。
【0009】
[0009] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置に関して基板を位置合わせするために複数のアライメントシステムを使用することが知られている。データは、例えば任意のタイプのアライメントセンサ、例えば、2005年11月1日発行の「Lithographic Apparatus, Device Manufacturing Method, and Device Manufactured Thereby」という名称の米国特許第6,961,116号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれるような、単一のディテクタ及び4つの異なる波長を伴う自己参照干渉計を採用し、ソフトウェア内のアライメント信号を抽出する、SMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)センサ、又は、例えば、2001年10月2日発行の「Lithographic Projection Apparatus with an Alignment System for Aligning Substrate on Mask」という名称の米国特許第6,297,876号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれるような、7つの回折次数の各々を専用のディテクタに誘導する、ATHENA(Advanced Technology using High order ENhancement of Alignment)を用いて、取得可能である。
【0010】
[0010] 既存のアライメントシステム及び技法は、特定の制限を受ける。例えば、通常、アライメントマークフィールド内のディストーション、すなわちフィールド内ディストーションを測定することができない。また、より微細なアライメント格子ピッチ、例えば約1um未満の格子ピッチもサポートしていない。
【0011】
[0011] また、より多数のアライメントマークを使用することで、より優れたアライメント精度の可能性を与えるため、より多くのアライメントマークの使用が可能であることが望ましい。しかしながら、現行のアライメントセンサは、典型的には一度に1つのアライメントマークの1つの位置しか測定することができない。したがって、現行のアライメントセンサ技術を使用して多くのマークの位置を測定しようとすると、結果として著しい時間及びスループットの不利益が生じることになる。したがって、複数のアライメントマークを同時に測定する配置において使用可能なセンサを有することが望ましい。
【0012】
[0012] したがって、ウェーハのスループットに影響を与えることなく、複数のアライメントマークを同時に測定することが可能なアライメントセンサが求められている。
【発明の概要】
【0013】
[0013] 下記に、実施形態を基本的に理解するために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、すべての企図される実施形態の広範な概略ではなく、またすべての実施形態の主要又は不可欠な要素を識別すること、あるいは任意又はすべての実施形態の範囲を定めることも意図していない。その唯一の目的は、1つ以上の実施形態の何らかの概念を、後に示すより詳細な説明の前置きとして簡略化された形で示すことである。
【0014】
[0014] 一実施形態の一態様によれば、並列な複数のアライメントマークを実質的に同時に検出するための装置、及び検出する方法が開示される。これは必然的に、マークを同時に照明すること、また、並列なマークと相互作用した光を収集し、これを複数のディテクタに同時に伝達すること、も伴う。これは、本明細書で開示する実施形態の態様に従い、例えば、複数のマークを同時に照明するために、光ファイバ又はマルチモード干渉デバイスを含む同時照明配置を使用することによって、実現される。これはまた、本明細書で開示する実施形態の態様に従い、光を収集するため、及びディテクタに並列に誘導するための配置を使用することによっても実現される。これらの配置は、例えば、オフナーリレーを有する配置、又は、スキャナ型光学配置内の円柱レンズを使用する配置を含む。また、本明細書で開示する実施形態の態様に従い、センサの線形アレイを使用することによっても実現される。
【0015】
[0015] 本発明の別の実施形態、特徴、及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を、添付図面を参照して以下に詳細に記載する。
【0016】
[0016] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の実施形態の方法及びシステムを、限定としてではなく例として説明する。図面は更に、詳細な説明と併せて、本明細書に提示されている方法及びシステムの原理を説明するように、また、当業者がこの方法及びシステムを作製し使用できるように機能する。図面中、同じ参照番号は同一の又は機能的に類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】[0017]一実施形態の一態様に従った、リソグラフィ装置を示す図である。
【
図2A】[0018]一実施形態の一態様に従った、複数のアライメントマークを同時に照明するために光ファイバを使用する配置を示す図である。
【
図2B】[0019]一実施形態の一態様に従った、複数のアライメントマークを同時に照明するためにマルチモード干渉デバイスを使用する配置を示す図である。
【
図3】[0020]一実施形態の一態様に従った、アライメントマークのアレイのセグメントをスキャンするために2つの光ファイバを使用するための配置を示す図である。
【
図4A】[0021]オンアクシス照明を使用する一実施形態の一態様に従った、アライメントマークのアレイから並列な放射を収集するためのシステムを示す図である。
【
図4B】[0022]オフアクシス照明を使用する一実施形態の一態様に従った、アライメントマークのアレイから並列な放射を収集するためのシステムを示す図である。
【
図5】[0023]
図4A及び
図4Bの実施形態における、ディテクタアレイの可能な位置を示す図である。
【
図6】[0024]一実施形態の一態様に従った、アライメントマークのアレイから並列な放射を収集するための別のシステムを示す図である。
【
図7】[0025]一実施形態の一態様に従った、アライメントマークのアレイから並列な放射を収集するための別のシステムを示す図である。
【0018】
[0026] 本発明の別の特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者はさらなる実施形態を容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0027] 次に、図面を参照して様々な実施形態を記述する。全文を通じて、同じ参照番号は同じ要素を参照して用いられる。以下の記載においては、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を促進するために、多くの具体的詳細が述べられる。もっとも、いくつかの又は全ての場合において、後述するいずれの実施形態も、後述する具体的な設計詳細を採用することなく実行可能であることは明らかであろう。他の場合においては、1つ以上の実施形態の記載を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るため、それらの実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、想定される全ての実施形態を広く概観するものではなく、全ての実施形態の重要な要素又は不可欠な要素を識別することは意図しておらず、また、いずれかの又は全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。
【0020】
[0028]
図1は、リソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又は他の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターン形成装置MAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、を含む。
【0021】
[0029] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0022】
[0030] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわち、その重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた手法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置に来るようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0023】
[0031] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0024】
[0032] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0025】
[0033] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[0034] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過型マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えばプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射型マスクを使用する)反射タイプでもよい。
【0027】
[0035] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0028】
[0036] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で使用することができる。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0029】
[0037]
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0030】
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0031】
[0039] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、2-Dエンコーダまたは容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように正確に移動することができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(
図1には明示的に示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的な取り出し後又はスキャン中などに、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。ウェーハは、例えば、ウェーハ製作におけるステップとして使用される、化学的機械的平坦化(CMP)プロセスにおける変化に反応するマークなどの、追加のマークを含んでもよい。
【0032】
[0040] 基板W上のターゲットP1及び/又はP2は、例えば、(a)現像後、バーがレジスト実線から形成されるようにプリントされる、レジスト層格子、又は、(b)プロダクト層格子、又は、(c)プロダクト層格子上にオーバーレイ又はインターリーブされたレジスト格子、を備える、オーバーレイターゲット構造内の複合格子スタックとすることができる。バーは、代替として、基板内にエッチングすることができる。
【0033】
[0041] 既知のアライメントシステムの欠点は、典型的には、一度に1つのアライメントマークしか測定できない点である。しかしながら、複数のアライメントマークを同時に測定できるという潜在的な利点がある。複数のアライメントマークを同時に測定するためのシステムは、マークを同時に照明すること、及び、マークを照明する放射がマークによって反射された後、放射を同時に集めること、の両方を含む。
【0034】
[0042] 照明に関して、並列マークは、例えば、スクライブライン上に置かれた複数の並列マークを照明することによって、測定することができる。これは例えば、ファイバアレイ又はマルチモード干渉デバイスを使用することによって達成可能である。後者に関しては、L.B.Soldana等による「Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging」Principles and Applications,Journal of Lightwave Technology, Volume 13, Issue 4, 615~627頁(1995年4月)を参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
[0043]
図2Aは、選択的ファイバ照明を可能にするために、光源20が空間光変調器30及びカップラ40を介して2Dファイババンドル50へと誘導される、配置を示す。前述のように、光源20は、HeNeレーザなどの空間的にコヒーレントな光源であってよい。ファイババンドル50は、ファイバポジショナ90によって、第1のファイバ60、第2のファイバ70など、n番目のファイバ80までを含む1-Dファイババンドルに再フォーマットされる。各ファイバからの光は、マイクロレンズアレイ100のそれぞれのレンズを介してアライメントマーク110のそれぞれ1つ上に合焦される。
【0036】
[0044]
図2Bは、アライメントマーク110を照明するためにマルチモード干渉(MMI:multimode interference)デバイス200が使用される配置を示す。光源20からのビームは、カップラ40によってMMI200の単一モードチャネル210に結合され、MMI200の幅広いマルチモードセクション220に拡張する。マルチモードセクション220の多くのモードは、それらの干渉と共に様々な速さで伝搬し、断面強度分布を生じさせる。マルチモードセクション220の端部に置かれたアクセスガイド230は、マイクロレンズアレイ100を介してアライメントマーク110に結合される集中光エネルギーを運び出す。MMIは、使用可能な集積光デバイスの一例である。1XN指向性カップラなどの他の集積光デバイスも使用可能である。
【0037】
[0045] 上記の配置は、アライメントマークがスクライブライン内にある(すなわち、直線上にプリントされる)とき、特に有利である。原則として、ウェーハ全直径(例えば、300mm)は、スクライブライン内にプリントされたすべてのマークを一度に照明するための機会を与える照明システムによってカバーすることができる。異なるシナリオでは、並列なフィールド内マークの検出を可能にするために、照明は全フィールド範囲(例えば、26mm)をカバーすることができる。
【0038】
[0046]
図3は、フィールド内ディストーションセンサのための構成可能照明システムの可能な配置を示す。図には、第1の単一モードファイバ300が示される。単一モードファイバ300からのビーム310は収束レンズ320を介して進み、アライメントマークアレイ110のセグメント115上に衝突する。その後、ビーム310は第2の収束レンズ330を介して反射され、光学システム400上に衝突する。同様に、第2の単一モードファイバ340からのビーム350は回転ミラー360上に衝突し、収束レンズ320を通過する。ビーム350はセグメント115上に衝突して反射され、第2の収束レンズ330を通過した後、光学システム400に到達する。第1の単一モードファイバ300及び第2の単一モードファイバ340からの光ビーム310、350は、それぞれ、直角に偏光される。単一モードファイバ300及び340の位置は、セグメント115の少なくとも一部を横切るビーム310、350をスキャンするために、矢印によって示される方向に並進可能である。単一モードファイバの位置は、例えば、それぞれマイクロメートルスクリュードライブ305及び345などの単一モードファイバを移動するためのデバイスを使用して、並進可能である。このような構成では、システムは、スキャン方向について一度に1つの格子配向(例えば、x又はy)しか検出できない。全xマーク及びyマーク位置を記録するために、少なくとも2つのセンサセット(Xについて1つ、及びYについて1つ)が必要である。
【0039】
[0047] 説明した配置では、視野のセグメントをカバーするために別々の照明チャネルが配置される。単一モードファイバの並進は、セグメント内のビームをステアリングする。例えば、フィールドが5つのセグメントに分割される場合、図に示されるように、スタンドアロン照明ビームが使用可能である。ビームは、単一モードファイバを平衡移動することによって、フィールドセグメント内の任意の位置にステアリング可能である。一例では、ファイバ先端における単一モードファイバのビームウエストが10ミクロンの場合、焦点長さ比は、アライメントマークにおけるビームウエストを画定し、必要な並進解像度にも関する。例えば、ウェーハ上で1ミクロンの並進解像度が必要な場合、単一モードファイバ平面において、これは0.5から2ミクロンの並進に対応する。ウェーハにおける対応するビームウエストは、5から20ミクロンである。
【0040】
[0048] 上記では、アライメントマークを照明するための様々な配置を説明している。マークから散乱した光は、その後、光学システムによって収集され、ディテクタにリレーされなければならない。光学システムなどの設計は、照明システムの非常に大きな視野を考慮しなければならない。適切な光学システムの一例はオフナー光学リレーシステムを含み、非常に大きな視野に対して制限された収差を有するという利点を有する。こうしたシステムが
図4Aに示される。
図4Aにおいて、照明源20はアライメントマークのアレイ110を照明する。図に示される実施形態では、照明はオンアクシスであり、すなわち照明は、アライメントマークに当たるように実質的に直角に伝搬する。アライメントマークからの放射を集めるための光学システムは、オフナーリレー400を含む。最初に図の左側に関して、アレイ110からの光は回転ミラー410上に衝突し、湾曲ミラー420の凹面に当たる。湾曲ミラー420からの光は、その後、湾曲ミラー430の凸面に当たる。湾曲ミラー430はその後、光を湾曲ミラー420の凹面上に再誘導し、ここで光は回転ミラー440に誘導される。回転ミラー440は、光をディテクタアレイ450に誘導する。図の右側の配置は、前述の配置に対して鏡面対称であり、同様に機能する。
【0041】
[0049] 前述のように、
図4Aの配置はオンアクシス照明システムを使用する。
図4Bに示されるようなオフアクシス照明システムを使用してアライメントマークを照明することも可能である。ここで、照明はアライメントマークに斜めに当たる。アライメントマークからの放射を集めるための光学システムは、説明したようなシステムと本質的に同じとすることができ、アレイ110からの光が回転ミラー410に衝突して湾曲ミラー420の凹面に当たる。その後、湾曲ミラー420からの光は、湾曲ミラー430の凸面に当たる。その後、湾曲ミラー430は光を湾曲ミラー420の凹面に再誘導し、ここで光は回転ミラー440に誘導される。回転ミラー440は、光をディテクタアレイ450に誘導する。図の右側の配置は、前述の配置に対して鏡面対称であり、同様に機能する。オフアクシス照明は、より小さな格子ピッチを検出するための可能性を提供する。図示された例に加えて、当業者であれば、他のオフアクシス照明構成が使用できることが明らかとなろう。
【0042】
[0050] したがって、
図5に示されるように、光場は、センサ照明スポットと共に共役面内に位置決めされたレンズのセット及びフォトディテクタのアレイによって、収集される。図に示されるように、ディテクタアレイ450は、オフナー左ミラー420とオフナー右ミラー425との間の共役面内に置かれる。ディテクタアレイ450は、各々の中央にフォトダイオード470を備えるレンズ460の線形アレイを含む。マイクロレンズは、例えばおよそ5mmの直径を有し得る。この配置は、文字Aで指定された寸法によって示されるように視野のほぼ全体をカバーする。この寸法は、例えばおよそ26mmである。この配置は、制限範囲内の配置マークに柔軟性を与える。収集された±の回折次数は、マークからのアライメント信号を測定するために干渉計に入る。
【0043】
[0051] 一実施形態の別の態様によれば、「フラットスキャナ」型光学配置において、ウェーハ上にフィールドをイメージングするために、回折次数をCCD/CMOS 2Dアレイ上に合焦させることができる。イメージ処理技法(例えば、エッジ検出、イメージ登録など)を使用して、ウェーハ上のターゲットの位置を測定することができる。こうした配置が
図6に示されている。図に示されるように、光源20はアライメントマークのアレイ110を照明する。図示されるように、照明はオンアクシスであるが、代替として照明はオフアクシスであってもよい。図は2次元であり、示された配置は図の平面に及ぶことを理解されよう。第1に図の左側を考えると、アレイ110からの光は円柱レンズ610によって合焦され、その後、第1の回転ミラー620及び第2の回転ミラー630で向きを変える。その後、光は再度円柱ミラー640によって合焦された後、ディテクタアレイ450に当たる。図の右側は鏡面対称であり、同様に動作する。
【0044】
[0052] したがって、個々のマークの次数の発散ビームを合焦させるために、円柱レンズ要素は検出方向とは反対の方向に位置決めされる。任意選択として、これらの円柱レンズ要素は、ウェーハフィールド間隔、又はウェーハフィールドの2倍の距離を空けて配置される。
【0045】
[0053] 別の手法が
図7に示されており、センサ700の線形アレイがアライメントマークのアレイ110に沿って一定距離で置かれる。これらのセンサ700には、好ましくはコリメート空間内(瞳面近く)に、広視野の対物系(例えば、およそ3mm)及び回転可能ミラー710が装備される。ミラー710の角度は、各センサ700が1つのマークを同時に測定できるように、層のフィールド及び/又はフィールド内マークレイアウトに適合される。図では6つのセンサ700の線形アレイを示しているが、異なる数のセンサが使用できることは明らかである。したがってこの配置には並列センサが存在し、各々が各センサの内部にあってよいそれぞれの傾斜ミラーを備える。
【0046】
[0054] 実施形態は、更に下記条項を使用して説明することができる。
1.アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に検出するための装置であって、
複数の光ビームを同時に生成するための光源であって、複数の光ビームはアライメントマークのそれぞれ1つを照明するためのそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光源と、
光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、複数の光ビームの各光ビームを同時に収集するように配置された集光光学系と、
各々が複数の光ビームのうちの1つを受け取るようにそれぞれに配置された複数のディテクタと、
を備える、装置。
2.光源は複数の単一モードファイバを備える、条項1に記載の装置。
3.単一モードファイバは移動可能であり、単一モードファイバからの光は、単一モードファイバを移動することで、単一モードファイバからの光にアライメントマークのセグメントをスキャンさせるようにアライメントマークにリレーされる、条項2に記載の装置。
4.単一モードファイバの各々は、単一モードファイバを移動するためにデバイスに機械的に結合される、条項3に記載の装置。
5.光源は集積光デバイスを備える、条項1に記載の装置。
6.集積光デバイスはマルチモード干渉デバイスを備える、条項5に記載の装置。
7.集積光デバイスは1XN指向性カップラを備える、条項5に記載の装置。
8.光源はオンアクシス照明を提供する、条項1から7のいずれか一項に記載の装置。
9.光源はオンアクシス照明を提供する、条項1から7のいずれか一項に記載の装置。
10.集光光学系はオフナーリレーを備える、条項1から7のいずれか一項に記載の装置。
11.集光光学系は複数の円柱レンズを備える、条項1から10のいずれか一項に記載の装置。
12.複数のディテクタは、並列アライメントマークに近接し並列な線形アレイに配置された複数のディテクタ要素を備え、また、集光光学系は複数の対物レンズを備え、複数のディテクタ要素の各々は複数の対物レンズのうちのそれぞれ1つを有する、条項1から11のいずれか一項に記載の装置。
13.複数の回転ミラーを更に備え、回転ミラーの各々は入来する照明光ビームを受け取るように配置され、回転ミラーは、入来する照明光ビームをアライメントマークのそれぞれ1つに誘導するように調節可能である、条項12に記載の装置。
14.アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に照明するための装置であって、
空間的にコヒーレントな放射の放射源と、
空間的にコヒーレントな放射を受け取るように及び複数の光ビームを同時に生成するように配置された光学要素であって、複数の光ビームは、アライメントマークの各々についてそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、光学要素と、
を備える、装置。
15.光学要素は複数の単一モードファイバを備える、条項14に記載の装置。
16.放射源は集積光デバイスを備える、条項14に記載の装置。
17.集積光デバイスはマルチモード干渉デバイスを備える、条項16に記載の装置。
18.集積光デバイスは1XN指向性カップラを備える、条項16に記載の装置。
19.光源はオンアクシス照明を提供する、条項14から18のいずれか一項に記載の装置。
20.光源はオンアクシス照明を提供する、条項14から18のいずれか一項に記載の装置。
21.アライメントパターンの複数の並列アライメントマークを同時に検出する方法であって、
複数の光ビームを同時に生成するステップであって、複数の光ビームは、アライメントマークの各々についてそれぞれ空間的にコヒーレントな光ビームを含む、同時に生成するステップと、
光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、複数の光ビームの各光ビームを並列に収集するステップと、
各収集した光ビームを複数のディテクタのうちのそれぞれ1つに並列に伝達するステップと、
を含む、方法。
22.複数の光ビームを同時に生成するステップは、複数の単一モードファイバを使用するステップを含む、条項21に記載の方法。
23.複数の光ビームを同時に生成するステップは、単一モードファイバからの光にアライメントマークのセグメントをスキャンさせるために、単一モードファイバを移動するステップを含む、条項22に記載の方法。
24.複数の光ビームを同時に生成するステップは、集積光デバイスを使用するステップを含む、条項21に記載の方法。
25.複数の光ビームを同時に生成するステップは、マルチモード干渉デバイスを使用するステップを含む、条項24に記載の方法。
26.複数の光ビームを同時に生成するステップは、NX1指向性カップラを使用するステップを含む、条項24に記載の方法。
27.複数の光ビームを同時に生成するステップは、複数の光ビームをオンアクシスで生成するステップを含む、条項21から26のいずれか一項に記載の方法。
28.複数の光ビームを同時に生成するステップは、複数の光ビームをオフアクシスで生成するステップを含む、条項21から26のいずれか一項に記載の方法。
29.光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、複数の光ビームの各光ビームを並列に収集するステップは、オフナーリレーの使用を含む、条項21から28のいずれか一項に記載の方法。
30.光ビームがそれぞれのアライメントマークと相互作用した後、複数の光ビームの各光ビームを並列に収集するステップは、複数の円柱レンズの使用を含む、条項21から28のいずれか一項に記載の方法。
31.複数の光ビームを同時に生成するステップは、光ビームの各々を複数の調節可能ミラーのうちのそれぞれ1つに向かわせるステップを含む、条項21から30のいずれか一項に記載の方法。
32.各収集した光ビームを複数のディテクタのうちのそれぞれ1つに並列に伝達するステップは、並列アライメントマークに近接する並列な線形アレイ内のディテクタに、光を伝達するステップを含む、条項21から31のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
[0055] 前述の配置では、複数のマークを同時に照明するための照明システム、及び(スクライブライン又はフィールド内の)複数のマークを同時に測定するための検出システムが提供される。マークは回折ベースであり得、マークのイメージは第1の+/-回折次数から生成される。フィールド内の複数のアライメントマークを同時に測定することが可能である。フィールド内ディストーションを検出及び補正することも可能である。利点の中でもとりわけ、プロダクトに使用可能なウェーハ上の面積を増加させる、小さなアライメントマークの検出も可能にする。
【0048】
[0056] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0049】
[0057] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、電磁気及び静電光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
【0050】
[0058] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて本発明について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
【0051】
[0059] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書における表現又は用語は限定でなく例示による記載のためのものであるので、本明細書の表現又は用語は、当業者によって教示及び案内の観点から解釈されるべきであることは理解されよう。
【0052】
[0060] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。