(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】共重合体及び温度感受性高分子
(51)【国際特許分類】
C08G 67/00 20060101AFI20230131BHJP
C08G 65/08 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
C08G67/00
C08G65/08
(21)【出願番号】P 2018207962
(22)【出願日】2018-11-05
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2017213618
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青島 貞人
(72)【発明者】
【氏名】金澤 有紘
(72)【発明者】
【氏名】森野 一英
(72)【発明者】
【氏名】玉祖 健一
(72)【発明者】
【氏名】小川 亮
【審査官】吉田 早希
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-167283(JP,A)
【文献】特開2016-199717(JP,A)
【文献】特開2016-024221(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002560(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/004794(WO,A1)
【文献】Macromolecules,米国,2014年10月02日,Vol.47,p.6635-6644
【文献】JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,米国,2013年06月07日,Vol.135,p.9330-9333
【文献】Macro Letters,米国,2015年07月08日,Vol.4,p.783-787
【文献】Macromolecular Rapipd Communications,米国,2011年10月04日,Vol.32,p.1930-1934
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 65/08 - 67/04
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表されるビニルモノマー、及び(B)下記一般式(2)で表されるエポキシモノマーを反応させて得られる共重合体
であって、一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比がモル比で前者:後者=1:0.05~10である共重合体。
【化1】
ただし、R
1は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
1は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、mは0~10の整数を表す。
【化2】
ただし、R
2は水素原子又はメチル基を表し、R
3は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
2は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、nは2~10の整数を表す。
【化3】
ただし、A
1
、R
1
及びmは式(1)と同義である。*は結合手である。
【化4】
ただし、式中、A
2
、R
2
、R
3
及びnは式(2)と同義である。*は結合手である。
【請求項2】
一般式(1)においてmが0~4であり、一般式(2)において、R
2がメチル基であり、A
2がエチレン基である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
一般式(1)においてR
1は炭素原子数1~4のアルキル基であり、一般式(2)においてR
3が炭素原子数1~4のアルキル基であり、nが2~5である、請求項1又は2に記載の共重合体。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の共重合体からなる、下限臨界溶液温度を有する温度感受性高分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルモノマーとエポキシモノマーの共重合体に関する。より詳しくは、特定のビニルエーテルモノマーとポリアルキレンオキサイド鎖を有するエポキシモノマーとを反応させてなる共重合体、及び該共重合体を用いた、下限臨界溶液温度(LCST)を有する温度感受性高分子に関する。
【背景技術】
【0002】
低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性となって水に溶けなくなる性質を持つ高分子を温度感受性高分子といい、水溶性から水不溶性に変化する温度を下限臨界溶液温度(Lower Critical Solution Temperature、LCST)という。これらの温度感受性高分子は、その特性から温度センサーやドラッグデリバリーシステムなどへの応用が期待されている。
【0003】
特許文献1では、N-メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド誘導体を、他の重合性モノマーと共重合させることによって、LCSTを有する高分子を得ており、これらの高分子は、感温耐久性に優れた性能を有し、高温時には光を遮り、低温時は光を透過する、農業用ハウスなどの屋外において好適に利用できる材料が提供されている。
特許文献2には、N-イソプロピルアクリルアミドなどのアミド基を有するモノマーと、他の重合性モノマーと共重合させることによって、温感特性に優れたポリマーを得ることができ、化粧品や皮膚衛生製品などへ応用できることが記載されている。
上記に挙げた高分子は、何れも特定のLCSTを有しており、温度感受性高分子としての性能を有するが、いずれもアクリルアミド系のモノマーから得られており、温度感受性高分子の分子設計をするにあたり構造が限定され、他の諸性能(例えば、物性、強度、耐薬品性、密着性など)を付与するにあたり、任意のLCST挙動を示す温度感受性高分子の開発が制限されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-211153号公報
【文献】特開平10-218728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、従来から知られているアクリルアミド系のモノマーに代わる材料を用いて、新規の反応経路により、従来の技術にはない分子骨格を有し、温度感受性高分子となりうる共重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者等は鋭意検討し、特定のビニルエーテルモノマーと、ポリアルキレンオキシ鎖を有する特定のエポキシモノマーとの共重合体に着目し、それらの共重合体が温度感受性高分子であることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表されるビニルモノマー、及び(B)下記一般式(2)で表されるエポキシモノマーを反応させて得られる共重合体である。
【化1】
ただし、R
1は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
1は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、mは0~10の整数を表す。
【化2】
ただし、R
2は水素原子又はメチル基を表し、R
3は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
2は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、nは2~10の整数を表す。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、従来技術のアクリルアミドなどのモノマーのみでの高分子設計が、エポキシ化合物との共重合が可能となったことにより、温度感受性高分子の分子設計の自由度が大幅に拡大したことにある。本発明により得られた温度感受性高分子は、従来の温度感受性高分子のようなLCSTを持つことに加えて、エポキシ化合物由来の様々な構造を導入できることから、温度感受性高分子の機能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1で得られた重合体サンプルの水溶液の透過率を測定したグラフである。
【
図2】実施例2で得られた重合体サンプルの水溶液の透過率を測定したグラフである。
【
図3】実施例3で得られた重合体サンプルの水溶液の透過率を測定したグラフである。
【
図4】実施例4で得られた重合体サンプルの水溶液の透過率を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の共重合体は、(A)下記一般式(1)で表されるビニルモノマー、及び(B)下記一般式(2)で表されるエポキシモノマーを反応させることによって得られる。
【化3】
ただし、R
1は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
1は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、mは0~10の整数を表す。
【化4】
ただし、R
2は水素原子又はメチル基を表し、R
3は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、A
2は炭素原子数2~4のアルキレン基を表し、nは2~10の整数を表す。
【0010】
上記一般式(1)のR1で表される炭素原子数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、アミル基、iso-アミル基、tert-アミル基、ヘキシル基、1-エチルペンチル基などが挙げられる。これらの中では、原料入手が容易であるという観点から、炭素原子数1~4のアルキル基が好ましい。
【0011】
上記一般式(1)のA1で表される炭素原子数2~4のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
【0012】
(A)成分であるビニルモノマーは、R1を持つアルコール(R1-OH)に対して、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、若しくは塩化第ニスズ、三フッ化ホウ素の様なルイス酸を用いて重合させてアルキレンオキサイド付加物を得た後、ナトリウムメトキサイド、カリウム-tert-ブトキサイドのようなアルカリ触媒下、アセチレンガスを付加させることによって得ることができる(アルコール化合物にアセチレンを付加させる反応は、一般的にレッペ反応と呼ばれている)。
【0013】
上記アルキレンオキサイドを付加させる際には、2種以上のアルキレンオキサイドを併用してもよい。その場合、一般式(1)で表されるA1は、エチレン基、プロピレン基等の2種以上のアルキレン基が存在している場合がある。つまり一般式(1)において、A1が複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、一般式(1)のmはR1-OH1モルに対して、付加させたアルキレンオキサイドのモル数に対応する。本発明においては、mは0~10であり、LCSTが発現しやすいという観点から、0~4が好ましく、0又は1がより好ましい。R1-OHに対するアルキレンオキサイドの付加により一般式(1)のモノマーを得る場合、mは、R1-OH1モルに対して、付加させたアルキレンオキサイドのモル数の平均値である。
【0014】
(A)成分であるビニルモノマーは、市販のものを使用してもよい。例えば、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどは、東京化成工業(株)より市販されている。
【0015】
上記一般式(2)で表されるR2は、(A)成分であるビニルモノマーとの反応性が良好であるという点で、メチル基が好ましい。
【0016】
上記一般式(2)のR3で表される炭素原子数1~6のアルキル基としては、上記一般式(1)のR1と同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、アミル基、iso-アミル基、tert-アミル基、ヘキシル基、1-エチルペンチル基などが挙げられる。これらの中では、原料入手が容易であるという観点から、炭素原子数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0017】
上記一般式(2)のA2で表される炭素原子数2~4のアルキレン基としては、上記一般式(1)のA1と同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。このうち、LCSTが発現しやすいという観点から、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0018】
(B)成分であるエポキシモノマーは、R3を持つアルコール(R3-OH)に対して、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、若しくは塩化第ニスズ、三フッ化ホウ素の様なルイス酸を用いて重合させてアルキレンオキサイド付加物を得た後、エピクロロヒドリン、メチルエピクロロヒドリン等のエピクロロヒドリン類を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物と、必要に応じて、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩のような相間移動触媒を用いて反応させることによって得ることができる。
【0019】
R3を持つアルコールは、R3を残基に持つアルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノールなどである。
【0020】
上記アルキレンオキサイドを付加させる際には、2種以上のアルキレンオキサイドを併用してもよい。その場合、一般式(2)で表されるA2は、エチレン基、プロピレン基等の2種以上のアルキレン基が存在している場合がある。つまり一般式(2)において、A2が複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、一般式(2)のnは、R3-OH1モルに対して、付加させたアルキレンオキサイドのモル数に対応する。本発明においては、nは2~10であり、LCSTが発現しやすいという観点から、2~5が好ましい。R3-OHに対するアルキレンオキサイドの付加により一般式(2)のモノマーを得る場合、nは、R-OH1モルに対して、付加させたアルキレンオキサイドのモル数の平均値である。
【0021】
上記エピクロロヒドリン類を反応させる条件としては、例えば、アルキレンオキサイド付加物に対して、エピクロロヒドリン類を、金属水酸化物と相間移動触媒を用いて、20~150℃、好ましくは40~80℃にて、1~10時間反応させることによって、(B)成分であるエポキシモノマーを得ることができる。この場合、エポキシモノマーの高分子量化を抑えられるという観点から、アルキレンオキサイド付加物1モルに対して、エピクロロヒドリン類を1.5~30モル、特に2~15モルの量比で反応させることが好ましい。
【0022】
上記金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、使用量としては、アルキレンオキサイド付加物1モルに対して、0.8~1.5モルが好ましく、0.9~1.2モルが好ましい。
【0023】
上記相間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などが挙げられ、使用量としては、アルキレンオキサイド付加物1モルに対して0.001~0.1モルが好ましい。
【0024】
上記エピクロロヒドリン類を反応させる他の条件としては、アルキレンオキサイド付加物1モルに対して、塩化第ニスズ、三フッ化ホウ素の様なルイス酸の0.001~0.01モルを用いて、エピクロロヒドリン類を1~3モル、好ましくは1~1.5モルを、50~150℃、好ましくは80~120℃にて、1~10時間反応させてヒドリン体を得た後、ヒドリン体が有する塩素量1モルに対して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物を1~3モル、好ましくは1~1.5モルを、必要に応じて溶媒を用いて、30~80℃にて閉環反応させて、(B)成分であるエポキシモノマーを得ることができる。
【0025】
上記閉環反応させる際に任意に使用される溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、1-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトラヒドロフラン、1、4-ジオキサン、1、3-ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記溶媒の使用量としては、閉環反応を行う反応系中の総量に対して、1~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましい。
【0027】
上記の方法等により得られたエポキシモノマーは、さらに、必要に応じて、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、及びカラムクロマトグラフィー等の分離精製手段や、これらを組み合わせた手段によって分離精製を行ってもよい。これらの処理を行うことにより、よりエポキシモノマー中の無機塩などの無機物を除去することができ、製品の純度を向上させることが出来る。
【0028】
次に、本発明の共重合体を得るための、(A)成分と(B)成分を反応させる条件について説明する。
(A)成分と(B)成分を反応させる方法としては、(A)成分と(B)成分を、必要に応じて溶媒を用いて混合させた後、重合性触媒単体、若しくは重合性触媒を溶媒に溶解させた溶液を加えて、-100~100℃、好ましくは-80~0℃にて、1分~500時間反応させることにより得ることができる。
【0029】
上記重合性触媒としては、公知のエチレン性二重結合の重合に用いられる触媒を用いることができ、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどのホウ素化合物;トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチリウムテトラキス(ノナフルオロビフェニル)ボレート、トリトリルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチリウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルメチリウムテトラフルオロボレート及びそれらのエーテル置換付加物等のカルベニウム塩化合物;トリメチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムテトラキス(ノナフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びそれらの他の置換付加物などのシリリウム塩化合物;トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート及びそれらの他の置換付加物などのオキソニウム塩化合物が挙げられる。これらの中では、反応性が良好であるという点で、カルベニウム塩化合物が好ましく、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが特に好ましい。これらの重合性触媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
上記重合性触媒の使用量としては、反応速度をコントロールするという観点から、(A)成分であるビニルモノマー1モルに対し、0.001~0.1モルであることが好ましく、0.01~0.05モルであることがより好ましい。
【0031】
(A)成分と(B)成分を反応させる際のそれぞれの使用量としては、LCSTを発現しやすいという観点から、(A)成分であるビニルモノマー1モルに対し、(B)成分であるエポキシモノマーを0.1~10モルであることが好ましく、0.2~3モルであることがより好ましく、0.25~1モルであることが最も好ましい。
【0032】
(A)成分と(B)成分を反応させる際に、任意に使用される溶媒としては、(A)成分と(B)成分を溶解させることができるものであれば、特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、n-デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、tert-ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、溶解性と反応後の溶媒の除去のしやすさの観点から、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒が好ましい。
【0033】
上記溶媒を使用する場合の使用量は、反応系内の総質量((A)成分、(B)成分、重合性触媒、及び溶媒の合計質量)に対して、10~95質量%であることが好ましく、30~90質量%であることがより好ましい。
【0034】
本発明の共重合体は、LCSTを発現しやすいという観点から、数平均分子量Mnが1000~10万であることが好ましく、2000~50000であることが好ましい。
なお、数平均分子量は、公知の方法で分析することができるものであり、例えば、ゲル浸透カラムクロマトグラフィー(GPC)により測定しポリスチレン換算することにより分析することができる。
【0035】
本発明の共重合体を製造する際の反応機構は、以下の(a)及び(b)のカチオン重合反応によると考えられる。(a)及び(b)に加えて、下記(c)又は(d)のカチオン重合反応が起こることも許容される。なお以下においてRは*-(A
1-O-)
mR
1であり、R
Xは*-CH
2-O-(A
2-O-)
nR
3であり、R
YはR
2である。
【化5】
【化6】
【0036】
本発明の共重合体の構造としては、例えば、以下の一般式(I)で表される構造、及び、以下の一般式(II)で表される構造を有するものが挙げられる。
【化7】
ただし、A
1、R
1及びmは式(1)と同義である。*は結合手である。
【化8】
ただし、式中、A
2、R
2、R
3及びnは式(2)と同義である。*は結合手である。
【0037】
本発明の共重合体を構成する全構成単位中、一般式(I)で表される構造単位及び一般式(II)で表される構造単位が占める割合の合計は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。また一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比はモル比で前者:後者=1:0.05~10であることが好ましく、0.10~5であることがより好ましい。
【0038】
本発明の共重合体は、0~100℃の範囲におけるLCSTを有する温度感受性高分子である。温度感受性高分子とは、ある温度以上になると疎水性となって水に溶けなくなる性質を持つ高分子のことをいう。本発明では、(A)成分や(B)成分の種類や、反応条件等により、所望のLCSTを有した温度感受性高分子を得ることができる。本発明の温度感受性高分子は、水に溶解させて、例えば、0.001~50質量%、特に0.3~30質量%の水溶液を調製した時に、低温(例えば、0~5℃など)では、透明な溶液として目視で確認することができ、溶液を加温することにより、特定の温度に達した時(例えば、10~90℃など)に、溶液が懸濁することを目視で確認することができる。また、特定温度超の条件において、本発明の温度感受性高分子を水に懸濁させた分散液を、低温(例えば、0~5℃など)に冷却することにより、溶液が透明化することにより、目視で確認できる。更に、本発明の共重合体の水溶液は、溶液が透明から懸濁に変わる温度(LSCT)を、目視、若しくは公知の分光器等の装置により確認することができる。例えば、本発明の共重合体は、所定温度Tから、5℃温度を上昇させたときに、(T+5)℃における透過率(TR1)の、T℃における透過率(TR2)に対する比(TR1/TR2×100(%))が20%以下である温度Tを有することが好ましく、前記の比(TR1/TR2×100(%))が5%以下である温度Tを有することがより好ましい。
【0039】
本発明の共重合体は、ビニルモノマーにエポキシモノマーを重合させたLCSTを有するポリマーであり、従来の技術にはない新しい材料、反応機構を用いたものである。LCSTを有する化合物は、温度センサー向けの材料に応用できる。例えば、本発明の共重合体は、水と組み合わせた温度感知用組成物(温度変化検出用組成物を含む)として使用できる。また本発明の共重合体は、特定の温度にて薬物を放出させるドラックデリバリーシステム向けの材料などにも応用できると考えられ、本発明は、産業上極めて有用である。
【実施例】
【0040】
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
【0041】
[製造例1]
攪拌羽、温度計、滴下漏斗、ディーンシュターク管を備えた丸底フラスコにジエチレングリコールモノメチルエーテル180.2g(1.5mol)、メチルエピクロロヒドリン745.9g(7mol)、50%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液3.3g(15mmol)を加えた。溶液を加熱し、反応溶液が60~65℃で還流するよう系を減圧にした(110~130hPa)。滴下漏斗から48%水酸化ナトリウム水溶液150.0g(1.8mol)を1時間かけて反応溶液に滴下し、滴下後、さらに2時間攪拌した。その際、水はメチルエピクロロヒドリンと共沸させ、ディーンシュターク管で濃縮した後、メチルエピクロロヒドリンのみを反応系に戻した。反応後、濾過で食塩を除去し、加熱減圧下で過剰量のメチルエピクロロヒドリンを留去した。残渣を蒸留(21hPa、114~120℃)することでエポキシモノマーE-1を226.1g(収率79.2%)得た。E-1は、一般式(2)において、R2がメチル、A2がエチレン基、R3がメチル、nが2の化合物である。
【0042】
[製造例2]
攪拌羽、温度計、滴下漏斗、ディーンシュターク管を備えた丸底フラスコにトリエチレングリコールモノメチルエーテル164.2g(1.0mol)、メチルエピクロロヒドリン532.8g(5mol)、50%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液2.2g(10mmol)を加えた。溶液を加熱し、反応溶液が60~65℃で還流するよう系を減圧にした(110~130hPa)。滴下漏斗から48%水酸化ナトリウム水溶液100.0g(1.2mol)を1時間かけて反応溶液に滴下し、滴下後、さらに2時間攪拌した。その際、水はメチルエピクロロヒドリンと共沸させ、ディーンシュターク管で濃縮した後、メチルエピクロロヒドリンのみを反応系に戻した。反応後、濾過で食塩を除去し、加熱減圧下で過剰量のメチルエピクロロヒドリンを留去した。残渣を蒸留(14hPa、136~141℃)することでエポキシモノマーE-2を142.1g(収率60.6%)得た。E-2は、一般式(2)において、R2がメチル、A2がエチレン基、R3がメチル、nが3の化合物である。
【0043】
[製造例3]
攪拌羽、温度計、滴下漏斗、ディーンシュターク管を備えた丸底フラスコに2-エチルヘキサノール65.1g(0.5mol)、メチルエピクロロヒドリン220.3g(2.5mol)、50%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液1.1g(5mmol)を加えた。溶液を加熱し、反応溶液が60~65℃で還流するよう系を減圧にした(110~130hPa)。滴下漏斗から48%水酸化ナトリウム水溶液45.8g(0.55mol)を1時間かけて反応溶液に滴下し、滴下後、さらに2時間攪拌した。その際、水はメチルエピクロロヒドリンと共沸させ、ディーンシュターク管で濃縮した後、メチルエピクロロヒドリンのみを反応系に戻した。反応後、濾過で食塩を除去し、加熱減圧下で過剰量のメチルエピクロロヒドリンを留去した。残渣を蒸留(5hPa、60~62℃)することでエポキシモノマーE’-1を34.3g(収率34.2%)得た。E’-1の構造は下記式(3)の通りである。
【化9】
【0044】
[実施例1]
三方活栓を取り付けたガラス容器1に、乾燥窒素雰囲気下、精製したジクロロメタン2.4mL、精製したヘキサン0.18mL、エチルビニルエーテル(EVE)0.24mL(0.181g、2.509mmol)、エポキシモノマーE-1を0.14mL(0.144g、0.755mmol)加え、均一になるように撹拌した。
次いで、三方活栓を取り付けたガラス容器2に、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.030g(0.033mmol)、精製したジクロロメタン1.05mLを加え、均一になるように撹拌した。このうちの0.33mLを、-78℃に冷却したガラス容器1に加え、均一に撹拌して重合を開始した。
-78℃に保持したまま477時間経過後、濃アンモニア水の1vol%メタノール溶液2mLをガラス容器1に加え、重合を停止させた。重合を停止した溶液を、ジクロロメタン20mLで希釈した後、水で洗浄して開始剤残渣を除去し、その後、溶媒等を減圧蒸留にて除去させることにより、重合体1を得た。
【0045】
上記重合におけるEVEとE-1の転化率は、それぞれ48%、74%であった。得られた重合体1のうち、下記に示すGPC分取条件により、未反応のEVE、E-1を除去し、重合体1の高分子量側精製品(サンプル1)を得た。サンプル1の数平均分子量(Mn)を下記に示す条件で測定したところ3000であり、Mw/Mnの値は1.53であった。Mnは数平均分子量を表し、Mwは重量平均分子量を表し、以下の方法で測定した。
【0046】
[GPC分取条件]
GPC用ポンプ:DP-8020((株)東ソー製)
移動相:クロロホルム
温度:40℃
流速:2.0mL/分
カラム:TSKgel G3000HHR × 1本((株)東ソー製)
検出器:RI-8020((株)東ソー製)
【0047】
[数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法]
GPC:DP-8020((株)東ソー製)
移動相:クロロホルム
温度:40℃
流速:1.0mL/分
カラム:TSKgel GMHHR-M × 2本((株)東ソー製)
検出器:RI-8020((株)東ソー製)
上記条件で測定したものを、ポリスチレン換算することにより数平均分子量及び重量平均分子量を算出した。
なお、1H-NMRで確認したところ、サンプル1中、一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比はモル比で前者:後者=1:0.14であった。
【0048】
[LCSTの確認]
光路長1cmのガラスセルに、得られたサンプル1を0.011g、水2.2gを加え、3℃にて均一に溶解させた。その後、分光器(V-550 UV/vis分光器、日本分光(株)製)を用いて、1℃/分の速度で加熱をしながら40℃まで上昇させ、その後、同じ速度で3℃まで冷却させた。その間の透過率を測定した。測定結果を
図1に示す。
また、サンプル1の水溶液は10℃未満では透明な溶液であったが、溶液を加温させていくと、10℃を境に、懸濁することが目視にて確認された。
図1に示すように、例えば、溶液は8℃の透過率が65%であったが、13℃に上昇させることで、透過率が8.7%となり、5℃の温度上昇により透過率が56.3%低下した。
【0049】
[実施例2]
三方活栓を取り付けたガラス容器1に、乾燥窒素雰囲気下、精製したジクロロメタン0.84mL、精製したヘキサン0.12mL、EVEを0.42mL(0.317g、4.39mmol)、エポキシモノマーE-1を0.42mL(0.432g、2.265mmol)加え、均一になるように攪拌した。
次いで、三方活栓を取り付けたガラス容器2に、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.031g(0.034mmol)、精製したジクロロメタン1.09mLを加え、均一になるように撹拌した。このうちの0.20mLを、-78℃に冷却したガラス容器1に加え、均一に撹拌して重合を開始した。
-78℃に保持したまま480時間経過後、濃アンモニア水の1vol%メタノール溶液2mLをガラス容器1に加え、重合を停止させた。重合を停止した溶液を、ジクロロメタン20mLで希釈した後、水で洗浄して開始剤残渣を除去し、その後、溶媒等を減圧蒸留にて除去させることにより、重合体2を得た。
上記重合におけるEVEとE-1の転化率は、それぞれ10%、25%であった。得られた重合体2のうち、上記に示すGPC分取条件により、未反応のEVE、E-1を除去し、重合体2の高分子量側精製品(サンプル2)を得た。サンプル2の数平均分子量(Mn)を上記に示す条件で測定したところ4900であり、Mw/Mnの値は1.32であった。
なお、
1H-NMRで確認したところ、サンプル2中、一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比はモル比で前者:後者=1:0.68であった。
得られたサンプル2を用いて、実施例1と同様の条件でLCSTの測定を行った。測定結果を
図2に示す。
【0050】
[実施例3]
三方活栓を取り付けたガラス容器1に、乾燥窒素雰囲気下、精製したジクロロメタン2.61mL、精製したヘキサン0.18mL、EVEを0.27mL(0.204g、2.82mmol)、エポキシモノマーE-2を0.18mL(0.188g、8.02mmol)加え、均一になるように攪拌した。
次いで、三方活栓を取り付けたガラス容器2に、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.032g(0.035mmol)、精製したジクロロメタン1.13mLを加え、均一になるように撹拌した。このうちの0.36mLを、-78℃に冷却したガラス容器1に加え、均一に撹拌して重合を開始した。
-78℃に保持したまま96時間経過後、濃アンモニア水の1vol%メタノール溶液2mLをガラス容器1に加え、重合を停止させた。重合を停止した溶液を、ジクロロメタン20mLで希釈した後、水で洗浄して開始剤残渣を除去し、その後、溶媒等を減圧蒸留にて除去させることにより、重合体3を得た。
上記重合におけるEVEとE-2の転化率は、それぞれ27%、49%であった。得られた重合体3のうち、上記に示すGPC分取条件により、未反応のEVE、E-2を除去し、重合体3の高分子量側精製品(サンプル3)を得た。サンプル3の数平均分子量(Mn)を上記に示す条件で測定したところ4100であり、Mw/Mnの値は1.49であった。
なお、
1H-NMRで確認したところ、サンプル3中、一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比はモル比で前者:後者=1:0.10であった。
得られたサンプル3を用いて、実施例1と同様の条件でLCSTの測定を行った。測定結果を
図3に示す。
【0051】
[実施例4]
三方活栓を取り付けたガラス容器1に、乾燥窒素雰囲気下、精製したジクロロメタン3.49mL、精製したヘキサン0.30mL、エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)を0.50mL(0.441g、3.80mmol)、エポキシモノマーE-1を0.21mL(0.216g、1.133mmol)加え、均一になるように攪拌した。
次いで、三方活栓を取り付けたガラス容器2に、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.039g(0.042mmol)、精製したジクロロメタン1.38mLを加え、均一になるように撹拌した。このうちの0.50mLを、-78℃に冷却したガラス容器1に加え、均一に撹拌して重合を開始した。
-78℃に保持したまま500時間経過後、濃アンモニア水の1vol%メタノール溶液3mLをガラス容器1に加え、重合を停止させた。重合を停止した溶液を、ジクロロメタン20mLで希釈した後、水で洗浄して開始剤残渣を除去し、その後、溶媒等を減圧蒸留にて除去させることにより、重合体4を得た。
上記重合におけるEOVEとE-1の転化率は、それぞれ40%、82%であった。得られた重合体4のうち、上記に示すGPC分取条件により、未反応のEOVE、E-1を除去し、重合体4の高分子量側精製品(サンプル4)を得た。サンプル4の数平均分子量(Mn)を上記に示す条件で測定したところ3100であり、Mw/Mnの値は1.45であった。
なお、
1H-NMRで確認したところ、サンプル4中、一般式(I)で表される構造と一般式(II)で表される構造との比はモル比で前者:後者=1:0.13であった。
得られたサンプル4を用いて、実施例1と同様の条件でLCSTの測定を行った。測定結果を
図4に示す。
【0052】
[比較例1]
三方活栓を取り付けたガラス容器1に、乾燥窒素雰囲気下、精製したジクロロメタン1.4mL、精製したヘキサン0.15mL、エチルビニルエーテル(EVE)0.15mL(0.113g、1.568mmol)、エポキシモノマーE’-1を0.10mL(0.089g、0.444mmol)加え、均一になるように撹拌した。
次いで、三方活栓を取り付けたガラス容器2に、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートを0.030g(0.033mmol)、精製したジクロロメタン1.05mLを加え、均一になるように撹拌した。このうちの0.20mLを、-78℃に冷却したガラス容器1に加え、均一に撹拌して重合を開始した。
-78℃に保持したまま5分経過後、濃アンモニア水の1vol%メタノール溶液2mLをガラス容器1に加え、重合を停止させた。重合を停止した溶液を、ジクロロメタン20mLで希釈した後、水で洗浄して開始剤残渣を除去し、その後、溶媒等を減圧蒸留にて除去させることにより、重合体1’を得た。
上記重合におけるEVEとE’-1の転化率は、それぞれ24%、43%であった。得られた重合体1’の、未反応のEVEとE’-1を実施例1と同様の条件で除去し、高分子量側精製品であるサンプル1’を得た。サンプル1の数平均分子量(Mn)を、実施例1と同様に測定したところ7500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.94であった。
得られたサンプル1’を実施例1と同様に、水に溶解させようとしたが、水とサンプル1’の濃度を調製しても水に溶解させることができず、LSCTを確認することはできなかった。
【0053】
実施例1の結果からわかる通り、本発明の共重合体の水溶液は、10℃を境に、均一に溶解する状態から懸濁する状態に変化することが分かり、共重合体の水に対する溶解性が劇的に変化することが確認された。
また、同様に実施例2では18℃、実施例3では8℃、実施例4では20℃を境に、加温に伴い均一に溶解する状態から懸濁する状態に変化することがわかり、共重合体の水に対する溶解性が劇的に変化することが確認された。