IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧 ▶ 学校法人東京理科大学の特許一覧

特許7336098活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、及び、加飾体
<>
  • 特許-活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、及び、加飾体 図1
  • 特許-活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、及び、加飾体 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、及び、加飾体
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/50 20060101AFI20230824BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20230824BHJP
   C08F 20/10 20060101ALI20230824BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20230824BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230824BHJP
   C08J 3/28 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
C08F2/50
C09D11/30
C08F20/10
B41M5/00 120
B41M5/00 100
B41J2/01 501
B41J2/01 129
C08J3/28 CEY
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019164371
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2020169310
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】P 2019069922
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(73)【特許権者】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】野口 宗
(72)【発明者】
【氏名】森田 充展
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜輝
(72)【発明者】
【氏名】有光 晃二
【審査官】久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-531809(JP,A)
【文献】特開2013-256487(JP,A)
【文献】特開2017-171726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00 - 2/60
C09D 11/00 - 11/54
C08F 20/00 - 20/70
B41M 5/00 - 5/52
B41J 2/00 - 2/525
C08J 3/00 - 3/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物及びラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(式中Rは水素もしくはメチル基、Aは下記構造式(II)~(V)のいずれかで表される構造である。Xは下記構造式(X-1)~(X-4)のいずれかで表される構造である。nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mは3以上の整数を表す。なお、構造式(II)~(V)中の波線はそれぞれ独立にXまたは(メタ)アクリロイル基(HC=CR-C(=O)-)との結合手を示し、構造式(X-1)~(X-4)中の*印は結合部位を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化14】
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化型組成物が、前記ラジカル重合性化合物100質量部に対し、前記一般式(I)で表される化合物を4質量部~20質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
前記一般式(I)で表される化合物が、n、mは1以上の整数、n+mは3以上の整数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
前記活性エネルギー線硬化型組成物が、重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
前記一般式(I)で表される化合物が、下記の(A-1)~(A-10)、(A-16)で表される構造を有する化合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【化8】
【化9】
【化10】
【請求項6】
立体造形用材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を用いたことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いたことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物が収容された組成物収容容器。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段とを備えたことを特徴とする2次元または3次元の像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元または3次元の像形成方法。
【請求項12】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
【請求項13】
基材上に、請求項12に記載の硬化物からなる表面加飾を有することを特徴とする加飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、及び、加飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、プラスチック等の記録媒体上に画像を形成する方法として、インクジェット記録方式が知られている。この記録方式は、インクの消費効率が高く省資源性に優れており、単位記録当たりのインクコストを低く抑えることが可能である。
近年、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式が注目されている。
【0003】
特許文献1、2には、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリレート基を含むモノマーと、フリーラジカル重合により硬化可能な五員環状無水物を含むモノマーと、脂肪族第3級アミンとを含有する、特にプリント基板製造における記銘(legend)印刷に適した放射線硬化性インキが開示されている。
【0004】
特許文献3には、a)アクリレート基と、ビニルエーテル基、アリルエーテル基及びアリルエステル基より成る群から選ばれる第2のエチレン性不飽和重合可能官能基とを有する重合可能化合物Aと、b)二官能性アクリレートからなる重合可能化合物Bと、c)トリアクリレート、テトラアクリレート、ペンタアクリレート及びヘキサアクリレートより成る群から選ばれる重合可能化合物Cと、を含む不快な臭気を減少させた食品包装用途に適したフリーラジカル硬化性液が開示されている。
【0005】
特許文献4には、多官能の重合性化合物及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、インクジェットヘッドから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、一定のインク滴量と、記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離を一定に保って、画像を形成し、形成された画像に酸素分圧1.5×10-2MPa以下の条件下で活性光線を照射し、画像を硬化する工程を有する、膜強度が良好で耐擦過性に優れると共に、残存モノマー量を少なく、安全性が高く低臭気の画像が形成されるインクジェット記録方法が開示されている。
【0006】
特許文献5には、インクなどに配合される紫外線吸収剤であって、2-(2’,4’-ジヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール類に、一個以上のエポキシ基を含有する化合物又はアルコール性水酸基を持つハロゲン化アルキルを反応させて得られる、アルコール性水酸基、又はアルコール性水酸基及びエポキシ基の反応性基を含有するノンブリード性の反応性紫外線吸収剤が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、基材密着性も優れるものである。近年、組成物の安全性への要求の高まりがあり、特に、食品包装や硬質容器への印刷においては硬化物からの成分の溶出(マイグレーション)が問題になることがあった。
本発明は、硬化物からのマイグレーションを抑え、硬度も上げられる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物である。
【化1】
(式中Rは水素もしくはメチル基、Aは下記構造式(II)~(VII)のいずれかで表される構造であり、それぞれアルキル基、アルコキシ等の置換基を有していても良く、j及びkは0以上の整数である。Xはヘテロ原子を含む置換基を示す。nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mは3以上、またはn=0、m=2の整数を表す。なお、構造式(II)~(VII)中の波線はそれぞれ独立にXまたは(メタ)アクリロイル基(HC=CR-C(=O)-)との結合手を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、マイグレーションを抑えた活性エネルギー線硬化型組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
図2図2は、組成物を用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(式中Rは水素もしくはメチル基、Aは下記構造式(II)~(VII)のいずれかで表される構造であり、それぞれアルキル基、アルコキシ等の置換基を有していても良く、j及びkは0以上の整数である。Xはヘテロ原子を含む置換基を示す。nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mは3以上、またはn=0、m=2の整数を表す。なお、構造式(II)~(VII)中の波線はそれぞれ独立にXまたは(メタ)アクリロイル基(HC=CR-C(=O)-)との結合手を示す。)
なお、上記「(メタ)アクリロイル基」という用語は、「HC=CR-C(=O)-」で表されるアクリロイル基において、Rがメチル基である場合と、Rが水素である場合との両方を示す用語である。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0012】
反応性や硬度を向上させるためには、n、mは1以上の整数、n+mは3以上の整数であることが好ましい。
上記Xはヘテロ原子を含む環状の置換基であることが好ましい。
また、前記一般式(I)の化合物の含有量は、後述するラジカル重合性化合物100質量部に対し、5質量部~20質量部であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体例は、以下の構造式(A-1)~(A-20)で表される化合物などが挙げられる。
【0013】
【化8】
【化9】
【化10】
【0014】
<ラジカル重合性化合物>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上記一般式(I)で表される化合物の他にラジカル重合性化合物を含有する。前記ラジカル重合性化合物は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す構造式(B-1)~(B-24)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
【化11】
【化12】
【化13】
【0016】
<重合開始剤>
重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、反応性化合物(100質量部)に対し、0.2~20質量部含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物など公知のもの、以下の具体例(C-1)~(C-6)のものを挙げることができる。
【0017】
【化14】
【0018】
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミンおよび4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
【0019】
<硬化手段>
本発明の硬化型組成物を硬化させる手段としては、加熱硬化または活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0020】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物中に重合開始剤を含まなくても良い。重合開始剤を含まない場合は、重合開始剤を含まない活性エネルギー線硬化型組成物と重合開始剤とからなる組成物セットとして、用いることができる。
【0021】
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1~20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0023】
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0024】
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0025】
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3~40mPa・sが好ましく、5~15mPa・sがより好ましく、6~12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
【0026】
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。また、図1図2に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図1は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法である。
【0027】
図1の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図1では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
【0028】
図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
【0029】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
【0030】
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含むが、特に重合性歯科材料として用いることが好ましい。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
【0031】
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物、または重合性歯科材料組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
【実施例
【0032】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの合成例、実施例によって限定されるものではない。
【0033】
一般式(I)で表される化合物の例として示した前記(A-1)~(A-20)の化合物の内、A-1、A-2、A-3、A-6、A-7、A-8、A-12の合成例及び各化合物のNMRスペクトル値を以下に示す。
【0034】
(合成例1)
(A-1)の合成例
100mL三つ口フラスコに、トリメチロールプロパン トリアクリレート(ARONIX M-309、東亞合成製)5.93g(20mmol)を仕込み、氷冷しながらモルホリン 5.40g(62mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して1時間撹拌した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:酢酸エチル)で精製し、無色の液体である目的物7.0g(収率63%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ0.90(t, 3H), 1.49(q, 2H), 2.45(br, 12H), 2.51(t, 6H), 2.66(t, 6H), 3.68(t, 12H), 4.06(s, 6H)
【0035】
(合成例2)
(A-2)の合成例
100mL三つ口フラスコに、トリメチロールプロパン トリアクリレート(ARONIX M-309、東亞合成製)8.89g(30mmol)を仕込み、氷冷しながらモルホリン 5.23g(60mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して2時間撹拌した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:酢酸エチル)で精製し、無色の液体である目的物1.8g(収率12%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ0.91(t, 3H), 1.51(q, 2H), 2.45(br, 8H), 2.51(t, 4H), 2.66(t, 4H), 3.68(t, 8H), 4.08(s, 4H), 4.12(s, 2H)、5.86-5.88(dd, 1H), 6.09-6.15(q, 1H), 6.39-6.43(dd, 1H)
【0036】
(合成例3)
(A-3)の合成例
100mL三つ口フラスコに、トリメチロールプロパン トリアクリレート(ARONIX M-309、東亞合成製)11.85g(40mmol)および酢酸エチル20mlを仕込み、氷冷しながらモルホリン 3.48g(40mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して1時間撹拌した後、重合禁止剤(MEHQ)を加えた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、無色の液体である目的物4.5g(収率30%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ0.92(t, 3H), 1.53(q, 2H), 2.44(br, 4H), 2.51(t, 2H), 2.66(t, 2H), 3.67(t, 4H), 4.11(s, 2H), 4.15(s, 4H)、5.85-5.88(dd, 2H), 6.09-6.15(q, 2H), 6.39-6.43(dd, 2H)
【0037】
(合成例4)
(A-6)の合成例
100mL三つ口フラスコに、トリメチロールプロパン トリメタクリレート(SR-350、アルケマ製)10.15g(30mmol)を仕込み、モルホリン 3.13g(36mmol)を滴下した。その後、45℃で12時間加熱反応した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、無色の液体である目的物4.9g(収率38%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ0.93(t, 3H), 1.13(d, 3H), 1.56(q, 2H), 1.95(t, 6H), 2.27(q, 1H), 2.36(br, 2H), ,2.47(br, 2H), 2.63(t, 1H), 2.70-2.73(m, 1H), 3.64(t, 4H), 4.11(d, 2H), 4.14(s, 4H), 5.58-5.59(m, 2H), 6.10-6.11(m, 2H)
【0038】
(合成例5)
(A-7)の合成例
100mL三つ口フラスコに、グリセリン トリアクリレート(ARONIX MT-3547、東亞合成製)3.62g(30mmol)、酢酸エチル20mlを仕込み、氷冷しながらモルホリン 8.10g(93mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して1時間撹拌した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:酢酸エチル)で精製し、無色の液体である目的物9.0g(収率58%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ2.45(br, 12H), 2.52(m, 6H), 2.67(m, 6H), 3.69(t, 12H), 4.21(dd, 2H), 4.32(dd, 2H), 5.28(m, 1H)
【0039】
(合成例6)
(A-8)の合成例
窒素ガス置換した300mL三つ口フラスコに、テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(東京化成工業製)1.69g(14.5mmol)、脱水ジクロロメタン50mL、トリエチルアミン5.45mL(39.3mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(東京化成工業製)0.177g(1.45mmol)および2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(東京化成工業製)5g(14.5mmol)を仕込み室温にて10分間撹拌した。その後、この反応液にトリメチロールプロパン0.54g(4.02mmol)を少しずつ加え、室温で12時間撹拌した。
この反応液を分液漏斗に移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水の順で洗浄し、有機相に硫酸ナトリウムを加えて乾燥したのち溶媒を減圧留去した。この粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、無色の液体である目的物1.6g(収率94%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ0.91(t, 3H), 1.49(q, 2H), 1.93(m, 6H), 1.96(m, 3H), 2.25(m, 3H), 3.93(m, 3H), 3.99(m, 3H), 4.09(m, 6H), 4.46(q, 3H)
【0040】
(合成例7)
(A-12)の合成例
50mL三つ口フラスコに、トリプロピレングリコール ジアクリレート(ARONIX M-220、東亞合成製)3.00g(10mmol)を仕込み、氷冷しながらモルホリン 1.92g(22mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して1時間撹拌した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填材:ワコーゲル C-300、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、無色の液体である目的物4.4g(収率93%)を得た。
(NMRスペクトル値)
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ 1.11-1.24(m, 9H), 2.46(br, 8H), 2.49(m, 4H), 2.68(m, 4H), 3.30-3.61(m, 6H), 3.69(t, 8H), 5.01-5.11(m, 3H)
【0041】
<活性エネルギー線硬化型組成物の作製>
表1に示す材料と含有量(質量部)に基づき、常法により実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。なお、表1中の各化合物を表している符号は、前記において例示した化合物の符号と一致する。
各実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型組成物について、溶出量の評価に関してはPETフィルム(東洋紡製E5100、厚さ100μm)上に10μmの膜を作製し、また、鉛筆硬度の評価に関しては、PC(ポリカーボネート)基板(三菱瓦斯化学製NF-2000、厚さ500μm)上に10μmの膜を作製し、それぞれの膜をウシオ電機製メタルハライドランプ(1000mJ/cm)で硬化させた。
【0042】
なお、表中の略号はそれぞれ以下のものを表す。
B-1 :東亞合成株式会社 M-220
B-2 :東亞合成株式会社 M-309
B-10:日本化薬株式会社 R-684
B-16:大阪有機化学工業株式会社 ビスコート#150
C-1 :BASF社 Irgcure 907
C-4 :BASF社 Lucirin TPO
CB :チバ・ジャパン株式会社製、MICROLITH Black C-K (カーボンブラック顔料)
Blue:チバ・ジャパン株式会社製、MICROLITH Blue 4G-K
【0043】
<溶出量>
各実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型組成物について、以下のように評価を行った。
(1)PETフィルム上の硬化膜を1cm角に切り出す。
(2)(1)のフィルムを溶媒(アセトン、アセトニトリル)1.67gに浸し、24h放置する。
(3)溶媒を濾過し、GC-MS、LC-MSで分析し、溶出量を評価する。
評価基準は以下のとおりである。
◎:溶出量1ppm未満
〇:溶出量1ppm以上5ppm未満
△:溶出量5ppm以上10ppm未満
×:溶出量10ppm以上
【0044】
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度試験はJIS K5600-5-4(引っかき硬度:鉛筆法)に基づいて行った。
結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
表1の結果より、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、鉛筆硬度が上昇し、重合開始剤の溶出量も抑えられることがわかる。
【0047】
<インクジェット用インクとしての応用例>
前記実施例1~3の活性エネルギー線硬化型組成物からなる3種類のインクジェット用インクについて、以下のようにして、硬化性及びインク吐出性を評価した。
[評価方法]
表1に示す材料と含有量(質量部)に基づき作製した各インクジェット用インクを、インクジェット吐出装置(株式会社リコー製、ヘッド:リコープリンティングシステムズ社製GEN4)に装填し、市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、E5100、厚み100μm)上に、インクを吐出し、平均厚み10μmに形成したベタ塗膜に対し、UV照射機(LH6、フュージョンシステムズジャパン社製)により、0.2W/cm2の照度で硬化させた。
その結果、いずれのインクジェット用インクも低粘度(40℃で10mPa・s~15mPa・s)であり、インク吐出性は良好であった。
【0048】
本発明は下記(1)の活性エネルギー線硬化型組成物にかかるものであるが、下記(2)~(15)を実施形態として含む。
(1)下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(式中Rは水素もしくはメチル基、Aは下記構造式(II)~(VII)のいずれかで表される構造であり、それぞれアルキル基、アルコキシ等の置換基を有していても良く、j及びkは0以上の整数である。Xはヘテロ原子を含む置換基を示す。nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mは3以上、またはn=0、m=2の整数を表す。なお、構造式(II)~(VII)中の波線はそれぞれ独立にXまたは(メタ)アクリロイル基(HC=CR-C(=O)-)との結合手を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
(2)前記活性エネルギー線硬化型組成物が、更にラジカル重合性化合物を含み、前記ラジカル重合性化合物100質量部に対し、前記一般式(I)で表される化合物を4質量部~20質量部含むことを特徴とする上記(1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(3)前記一般式(I)で表される化合物が、n、mは1以上の整数、n+mは3以上の整数であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(4)前記一般式(I)中、Xがヘテロ原子を含む環状の置換基であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(5)前記活性エネルギー線硬化型組成物が、重合開始剤を含むことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(6)前記一般式(I)で表される化合物が、下記の(A-1)~(A-20)で表される構造を有する化合物である上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【化8】
【化9】
【化10】
(7)立体造形用材料であることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を用いたことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物。
(9)上記(8)に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いたことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
(10)上記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の組成物が収容された組成物収容容器。
(11)上記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段とを備えたことを特徴とする2次元または3次元の像形成装置。
(12)上記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元または3次元の像形成方法。
(13)上記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
(14)基材上に、上記(13)に記載の硬化物からなる表面加飾を有することを特徴とする加飾体。
(15)下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(式中Rは水素もしくはメチル基、Aは多価アルコール残基、Xはヘテロ原子を含む置換基を示す。nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mは3以上、またはn=0、m=2の整数を表す。)
【符号の説明】
【0049】
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【文献】特表2015-531809号公報
【文献】特開2017-110200号公報
【文献】特許第5959602号公報
【文献】特許第5788918号公報
【文献】特開2003-253248号公報
図1
図2