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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】磁気センサ及び生体磁気計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
G01R33/02 D
G01R33/02 R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020214192
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022100056
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-04-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】秋田 一平
(72)【発明者】
【氏名】山本 道治
(72)【発明者】
【氏名】青山 均
(72)【発明者】
【氏名】河野 剛健
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-184240(JP,A)
【文献】特開2019-184473(JP,A)
【文献】特開2016-057190(JP,A)
【文献】特開2010-098668(JP,A)
【文献】特開2019-012045(JP,A)
【文献】特開2017-211258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0256930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
H10N 50/00
A61B 5/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料を有するセンサヘッドと、
前記センサヘッドに通電する駆動部と、
前記センサヘッドに近接したピックアップコイルと、
前記ピックアップコイルに通電することでバイアス磁界を発生させ、且つ、前記ピックアップコイルに生じる電圧に応じた信号を検出する情報処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記センサヘッドが通電されている通電状態の場合に前記ピックアップコイルに生じる電圧に応じた第1信号と、前記センサヘッドが通電されていない非通電状態の場合に前記ピックアップコイルに生じる電圧に応じた第2信号との差分を示す差分信号を生成する、
磁気センサ。
【請求項2】
前記情報処理部は、
増幅回路を備え、前記増幅回路の入力端子が仮想接地の効果を利用して前記入力端子に発生する電圧に応じた第3信号を検出し、前記第1信号から前記第2信号と前記第3信号とを差し引くことで第4信号を生成し、前記第4信号を前記増幅回路で増幅させる、
請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記通電状態の場合に前記第1信号を検出し、前記非通電状態の場合に前記第2信号を検出し、前記第1信号と前記第2信号とを差分を示す前記差分信号を生成する第1計測部と、
前記増幅回路の出力信号に応じた電流を前記ピックアップコイルに帰還させ、前記非通電状態の場合において前記第3信号を検出して前記前記差分信号と前記第3信号との差分を示す前記第4信号を生成する第2計測部と、
を備える請求項2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記情報処理部は、
前記第1計測部が前記第1信号を検出する際には、前記第1計測部と前記第2計測部との間の電気的な接続を遮断するスイッチを更に備える、
請求項3に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記情報処理部は、
前記ピックアップコイルに発生した電圧を増幅する増幅回路と、
前記増幅回路からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、
前記通電状態の場合に前記AD変換器から出力される第1デジタル信号と、前記非通電状態の場合に前記AD変換器から出力される第2デジタル信号と、を検出し、前記第1デジタル信号と前記第2デジタル信号との差分を示す前記差分信号を生成する計測部と、 前記計測部で生成された前記差分信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を前記ピックアップコイルに帰還させるDA変換器と、
を備える、
請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記センサヘッドは、アモルファスワイヤである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気センサと、
前記磁気センサからの出力信号を用いて生体が発する磁気を測定する生体磁気計測部と、
を備える生体磁気計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサ及び生体磁気計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピックアップコイルが巻回されたアモルファスワイヤに対して通電することでピックアップコイルに誘起される、外部磁界に対応する誘起電圧を検出する磁気センサが知られている。
【0003】
この種の磁気センサでは、温度などの環境変化や製造ばらつきなどによって生じる感度ばらつきを抑制するために、アモルファスワイヤに所定の磁界(以下、「バイアス磁界」という。)を発生させてその感度ばらつきを相殺させることが行われる。ここで、バイアス磁界を発生させるには、ピックアップコイルの他にバイアス磁界を発生させるためのコイルが別途必要となるが、そうするとコストが増大してしまう。そこで、特許文献1には、ピックアップコイルでバイアス磁界を発生させることで誘起電圧の検出とバイアス磁界の発生とを1つのピックアップコイルで行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5924503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ピックアップコイルには寄生直列抵抗が存在するため、バイアス磁界を発生させるためにピックアップコイルに通電すると、そのピックアップコイルには外部磁界に対応する誘起電圧の他に寄生直列抵抗の影響による電圧が発生してしまう。そのため、ピックアップコイルに発生する電圧を検出すると、外部磁界に対応する誘起電圧と寄生直列抵抗の影響による電圧とが混在した電圧を検出してしまい、外部磁界に対応する誘起電圧を正確に検出できない場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、一つのピックアップコイルで誘起電圧の検出とバイアス磁界の発生とを行う場合において、外部磁界に対応する誘起電圧を正確に検出可能な磁気センサ及び生体磁気計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、磁性材料を有するセンサヘッドと、前記センサヘッドに通電する駆動部と、前記センサヘッドに近接したピックアップコイルと、前記ピックアップコイルに通電することでバイアス磁界を発生させ、且つ、前記ピックアップコイルに生じる誘起電圧に応じた信号を検出する情報処理部と、を備え、前記情報処理部は、前記センサヘッドが通電されている通電状態の場合に前記ピックアップコイルに生じる第1電圧に応じた第1信号と、前記センサヘッドが通電されていない非通電状態の場合に前記ピックアップコイルに生じる第2電圧に応じた第2信号との差分を示す差分信号を生成する、磁気センサである。
【0008】
(2)上記(1)の磁気センサであって、前記情報処理部は、増幅回路を備え、前記増幅回路の入力端子が仮想接地の効果を利用して前記入力端子に発生する電圧に応じた第3信号を検出し、前記第1信号から前記第2信号と前記第3信号とを差し引くことで第4信号を生成し、前記第4信号を前記増幅回路で増幅させてもよい。
【0009】
(3)上記(2)の磁気センサであって、前記情報処理部は、前記通電状態の場合に前記第1信号を検出し、前記非通電状態の場合に前記第2信号を検出し、前記第1信号と前記第2信号とを差分を示す前記差分信号を生成する第1計測部と、前記増幅回路の出力信号に応じた電流を前記ピックアップコイルに帰還させ、前記非通電状態の場合において前記第3信号を検出して前記前記差分信号と前記第3信号との差分を示す前記第4信号を生成する第2計測部と、を備えてもよい。
【0010】
(4)上記(3)の磁気センサであって、前記情報処理部は、前記第1計測部が前記第1信号を検出する際には、前記第1計測部と前記第2計測部との間の電気的な接続を遮断するスイッチを更に備えてもよい。
【0011】
(5)上記(1)の磁気センサであって、前記情報処理部は、前記ピックアップコイルに発生した電圧を増幅する増幅回路と、前記増幅回路からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、前記通電状態の場合に前記AD変換器から出力される第1デジタル信号と、前記非通電状態の場合に前記AD変換器から出力される第2デジタル信号と、を検出し、前記第1デジタル信号と前記第2デジタル信号との差分を示す前記差分信号を生成する計測部と、前記計測部で算出された前記差分信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を前記ピックアップコイルに帰還させるDA変換器と、を備えてもよい。
【0012】
(6)上記(1)から上記(5)のいずれかの磁気センサであって、前記センサヘッドは、アモルファスワイヤであってもよい。
【0013】
(7)本発明の一態様は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気センサと、前記磁気センサからの出力信号を用いて生体が発する磁気を測定する生体磁気計測部と、を備える生体磁気計測装置である。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、一つのピックアップコイルで誘起電圧の検出とバイアス磁界の発生とを行う場合において、外部磁界に対応する誘起電圧を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る磁気センサの基本構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る磁気センサの動作のフロー図である。
図3】第2の実施形態に係る磁気センサの構成例を示す図である。
図4】第2の実施形態に係る第1計測部及び第2計測部の概略構成図である。
図5】第3の実施形態に係る磁気センサの構成例を示す図である。
図6】第3の実施形態に係る磁気センサの動作の流れを説明する図である。
図7】第4の実施形態に係る磁気センサの構成例を示す図である。
図8】第5の実施形態に係る磁気センサの構成例を示す図である。
図9】第1の実施形態から第5の実施形態の磁気センサを用いた生体磁気計測装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0017】
以下に説明する「接続」とは、電気的な接続である。電気的な接続とは、電力や電気信号が直接的又は間接的に伝達可能であることをいう。電気的な接続は、ケーブル、抵抗、コンデンサ、ダイオード、遮断器などの部品を介した接続であってもよい。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る磁気センサ1の基本構成の一例を示す図である。図1に示すように、磁気センサ1は、センサヘッド100、駆動部200、ピックアップコイル300、及び情報処理部400を備える。
【0019】
センサヘッド100は、磁性材料を備える。例えば、センサヘッド100は、磁気インピーダンス素子、フラックスゲートセンサ、や磁性体コア等である。センサヘッド100が磁気インピーダンス素子である場合には、磁気インピーダンス素子とは、外部磁界によってインピーダンスが変化する素子であって、例えば、アモルファスワイヤである。
【0020】
駆動部200は、センサヘッド100に通電する。例えば、駆動部200は、センサヘッド100にパルス電流又は高周波電流を出力することで通電する。駆動部200がセンサヘッド100に通電している状態を「通電状態」と称し、駆動部200がセンサヘッド100に通電していない状態を「非通電状態」と称する。
【0021】
ピックアップコイル300は、センサヘッド100に近接して配置されている。具体的には、ピックアップコイル300は、通電状態において、外部磁界に比例した誘起電圧がピックアップコイル300に発生するようにセンサヘッド100に近接して配置されている。例えば、ピックアップコイル300は、センサヘッド100に巻回される。なお、このピックアップコイル300には、寄生直列抵抗Rpが存在する。
【0022】
情報処理部400は、ピックアップコイル300に接続されている。情報処理部400は、バイアス磁界を発生させるためにピックアップコイル300に対して通電する。なお、バイアス磁界を発生させるためにピックアップコイル300に対して通電する手法は、特に限定されない。
【0023】
情報処理部400は、ピックアップコイル300に生じる電圧に応じた信号を検出する。ここで、ピックアップコイル300に生じる電圧に応じた信号とは、電圧そのものの信号であってもよいし、電圧に基づいて生成された信号であってもよいし、電圧に対して増幅やフィルタリング、AD変換などの所定の信号処理が行われた信号であってもよい。このように、磁気センサ1は、ピックアップコイル300に生じる電圧の検出とバイアス磁界の発生とを一つのピックアップコイル300で行っている。
【0024】
情報処理部400は、通電状態の場合にピックアップコイル300に生じる電圧(以下、「第1電圧」という。)に応じた信号である第1信号を検出する。また、情報処理部400は、非通電状態の場合にピックアップコイル300に生じる電圧(以下、「第2電圧」という。)に応じた信号である第2信号を検出する。そして、情報処理部400は、第1信号と第2信号との差分を示す差分信号を生成する。情報処理部400は、差分信号を増幅することで出力信号Voutを生成する。なお、情報処理部400による第1信号の検出と第2信号の検出との順番は、特に限定されない。情報処理部400は、第1信号を検出した後に第2信号を検出してもよいし、第2信号を検出した後に第1信号を検出してもよい。
【0025】
本実施形態の情報処理部400は、一例として出力信号Voutに応じた電流をピックアップコイル300に帰還(フィードバック)することで、ピックアップコイル300に通電してバイアス磁界を発生させる。
【0026】
以下において、磁気センサ1の動作の流れを説明する。図2は、磁気センサ1の動作のフロー図である。
【0027】
磁気センサ1は、センサヘッド100に通電することでセンサヘッド100を通電状態に制御する(ステップS101)。情報処理部400は、通電状態においてピックアップコイル300に生じる第1電圧に応じた第1信号を検出する(ステップS102)。
【0028】
ここで、センサヘッド100が通電されると、外部磁界に対応した高周波数の誘起電圧(以下、「高周波電圧」という。)がピックアップコイル300に発生する。ただし、バイアス磁界を発生させるためにピックアップコイル300に対して常に通電されており、ピックアップコイル300の寄生直列抵抗Rpの影響で、ピックアップコイル300に対して高周波電圧よりも低い周波数である電圧(以下、「低周波電圧」という。)も同時に発生している。例えば、低周波電圧は、寄生直列抵抗Rpに起因した動的なオフセット電圧である。したがって、通電状態においてピックアップコイル300に生じる第1電圧は、少なくとも高周波電圧と低周波電圧とが混合した電圧である。
【0029】
磁気センサ1は、第1信号を検出すると、センサヘッド100への通電を停止させてセンサヘッド100を非通電状態に制御する(ステップS103)。情報処理部400は、非通電状態においてピックアップコイル300に生じる第2電圧に応じた第2信号を検出する(ステップS104)。なお、図2に示す例では、ステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS105の順に処理を実行しているが、これに限定されず、ステップS103、ステップS104、ステップS101、ステップS102、ステップS105の順に処理を実行してもよい。
【0030】
ここで、センサヘッド100への通電が停止されると、高周波電圧が消失するためピックアップコイル300には、低周波電圧のみが発生する。したがって、非通電状態においてピックアップコイル300に生じる第2電圧は、少なくとも高周波電圧が含まれておらず、寄生直列抵抗Rpに起因した低周波電圧を含む。
【0031】
そこで、情報処理部400は、第1信号と第2信号とを差分を求めて差分信号を生成することで、外部磁界に対応した高周波電圧の信号(差分信号)のみを取り出す(ステップS105)。ここで、差分信号は微小な信号であるため、情報処理部400は、差分信号を増幅し、増幅した信号である出力信号Voutを外部に出力する(ステップS106)。また、情報処理部400は、出力信号Voutに応じた信号をピックアップコイル300に負帰還する(ステップS107)。
【0032】
上述したように、第1の実施形態に係る磁気センサ1は、通電状態と非通電状態とのそれぞれの場合でピックアップコイル300に生じる電圧に応じた信号をサンプリングし、サンプリングした2つの信号の差分を求める。これにより、一つのピックアップコイルで誘起電圧の検出とバイアス磁界の発生とを行う場合において、外部磁界に対応する誘起電圧(高周波電圧)を正確に検出することができる。また、磁気センサ1は、外部磁界に対応する誘起電圧を正確に検出することができるため、第1電圧ではなく外部磁界に対応する誘起電圧に応じた電流を負帰還することが可能となり、寄生直列抵抗の影響によって負帰還の効果が劣化することを抑制することができる。
【0033】
ここで、第1電圧が高周波電圧と低周波電圧とが混合した電圧であるため、ハイパスフィルタを用いて第1電圧から高周波電圧のみを取り出す方法も考えられる。ただし、この方法では、ハイパスフィルタを構成する抵抗素子がノイズ源となり、磁気センサ1の感度が劣化してしまう場合がある。また、ハイパスフィルタを構成する容量素子値が大きく、CMOSなどの集積化に不向きである。本実施形態では、ハイパスフィルタを用いずに、第1電圧から高周波電圧のみを取り出すことができ、CMOSなどの集積化に好適である。
【0034】
ここで、第1の実施形態に係る磁気センサ1は、差分信号を増幅するオペアンプなどの増幅回路を備える場合には、その増幅回路の1/fノイズや製造ばらつきに起因するオフセット電圧などの低周波雑音成分を第3信号として検出し、第3信号と第1信号との差分を求めてもよい。例えば、情報処理部400は、第1信号から第2信号と第3信号とを差し引くことで低周波雑音成分を低減した第4信号を生成することで、外部磁界に対応する誘起電圧(高周波電圧)をより正確に検出することができる。この場合には、情報処理部400は、第4信号を増幅回路で増幅することで出力信号Voutを生成する。なお、情報処理部400が第3信号を検出するタイミングは特に限定されないが、例えば、非通電状態の場合において第3信号を検出する。また、情報処理部400は、第1信号と第2信号との差分を示す差分信号を求め、その差分信号と第3信号との差分を求めることで第4信号を生成してもよいし、第1信号に対して第2信号及び第3信号を同時に差し引いてもよい。また、情報処理部400は、第1信号と第3信号との差分を求め、この差分の信号と第2信号との差を求めることで第4信号を生成してもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態の情報処理部400の具体的な第1の構成例について説明する。ただし、第1の実施形態の情報処理部400の構成は、第2の実施形態で説明する具体的な構成に限定されない。以下の説明において、第1の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。ただし、説明の便宜上、第2の実施形態の磁気センサを「磁気センサ1A」と称し、第2の実施形態の情報処理部400を「情報処理部400A」と称する。
【0036】
図3は、第2の実施形態に係る磁気センサ1Aの構成例を示す図である。磁気センサ1Aは、センサヘッド100、駆動部200、ピックアップコイル300、及び情報処理部400Aを備える。
【0037】
情報処理部400Aは、第1計測部410及び第2計測部420を備える。
【0038】
第1計測部410は、通電状態の場合に第1信号を検出し、非通電状態の場合に第2信号を検出するとともに第1信号と第2信号との差分を示す差分信号を生成する。
【0039】
第2計測部420は、第1計測部410に接続される。第2計測部420は、増幅回路を有し、増幅回路の出力信号Voutに応じた電流をピックアップコイル300に帰還させる。また、第2計測部420は、非通電状態の場合において第3信号を検出し、第1計測部410から出力される差分信号と第3信号との差分を示す第4信号を生成する。
【0040】
以下において、第1計測部410及び第2計測部420の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1計測部410及び第2計測部420の概略構成図である。
【0041】
図4に示すように、第1計測部410は、スイッチ411、コンデンサ412、及びスイッチ413を備える。
【0042】
スイッチ411は、一端がピックアップコイル300の一端に接続され、他端がコンデンサ412の一端に接続される。コンデンサ412の他端は、第2計測部420に接続されている。
【0043】
スイッチ413は、一端がコンデンサ412の他端に接続され、他端がグランドに接続されている。
【0044】
図4に示すように、第2計測部420は、オペアンプ421、コンデンサ422、スイッチ423、スイッチ424、コンデンサ425、及び抵抗器426を備える。
【0045】
オペアンプ421は、増幅回路の一例である。オペアンプ421の非反転入力端子には、オペアンプ421の低周波雑音成分(オフセット、1/f雑音)が入力される形でモデル化される。オペアンプ421の反転入力端子には、コンデンサ422及びスイッチ424に接続されている。オペアンプ421の出力端子には、コンデンサ425及び抵抗器426に接続されている。
【0046】
コンデンサ422は、一端がコンデンサ412の他端に接続され、他端がオペアンプ421の反転入力端子に接続されている。
【0047】
スイッチ423は、一端がコンデンサ422の一端に接続され、他端がコンデンサ425の一端に接続されている。
【0048】
スイッチ424は、一端がコンデンサ422の他端に接続され、他端がコンデンサ425の一端に接続されている。
【0049】
コンデンサ425の他端は、オペアンプ421の出力端子及び抵抗器426の一端に接続されている。抵抗器426の他端は、ピックアップコイル300の一端に接続されている。
【0050】
次に、第2の実施形態に係る磁気センサ1Aの動作について説明する。磁気センサ1Aの動作では、大別して3つのステップ(第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップ)を備える。磁気センサ1Aは、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップの順に動作を繰り返す。第1ステップは、通電状態で実施される。第2ステップ及び第3ステップは、非通電状態で実施される。なお、第1計測部410及び第2計測部420内の各スイッチは、磁気センサ1A内のプロセッサ(不図示)によって制御されてもよいし、駆動部200によって制御されてもよい。
【0051】
<第1ステップ>
通電状態において、第1計測部410は、スイッチ411及びスイッチ413をオン状態に制御する。また、通電状態において、第2計測部420は、スイッチ423をオン状態に制御し、スイッチ424をオフ状態に制御する。これにより、通電状態において、第1電圧がコンデンサ412によって検出される。例えば、センサヘッド100がアモルファスワイヤであった場合、駆動部200は矩形パルス電流を発生して前記アモルファスワイヤを通電する。このとき、前記矩形パルス電流の立ち上がり時に生じる誘起電圧のピーク電圧(検出対象である外部磁界強度に応じて変化)を、適切なタイミングを以ってスイッチ411をオフ状態にすることで、第1電圧がコンデンサ412によって検出される。
【0052】
<第2ステップ>
第1ステップの後に、第1計測部410によってスイッチ411がオフ状態に制御された後にセンサヘッド100は非通電状態となる。第1計測部410は、スイッチ413をオン状態のままに制御する。また、第2計測部420は、スイッチ423をオフ状態に制御し、スイッチ424をオン状態に制御する。これにより、第2ステップでは、オペアンプ421の仮想接地(バーチャルグランド)の効果により、反転入力端子においてはオペアンプの低周波雑音成分が発生し、スイッチ413をオフとすることで、これをサンプリングする。このように、第2ステップにおいて、オペアンプ421の仮想接地の効果を利用してオペアンプ421の反転入力端子に発生するオペアンプ421の1/fノイズや製造ばらつきに起因するオフセット電圧などの低周波雑音成分が第3信号としてコンデンサ422で検出される。
【0053】
<第3ステップ>
第2ステップの後に、第1計測部410は、スイッチ413をオフ状態に制御し、その後にスイッチ411をオン状態に制御する。また、第2計測部420は、スイッチ423をオン状態に制御し、スイッチ424をオフ状態に制御する。これにより、第3ステップでは、コンデンサ412に蓄積されていた第1電圧に相当する電荷から第2電圧に相当する電荷とコンデンサ422で蓄積された低周波雑音成分に相当する電荷とが差し引かれ、残った電荷(第4信号)がコンデンサ425に転送されて、対応する出力電圧Voutを得る。
【0054】
上述したように、第2の実施形態に係る磁気センサ1Aは、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、ピックアップコイル300の寄生直列抵抗Rpに起因で生じる動的なオフセット(低周波電圧)のみでなく、第2計測部420中の回路におけるオペアンプ421の低周波雑音成分も低減することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態の情報処理部400の具体的な第2の構成例について説明する。ただし、第1の実施形態の情報処理部400の構成は、第3の実施形態で説明する具体的な構成に限定されない。以下の説明において、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。ただし、説明の便宜上、第3の実施形態の磁気センサを「磁気センサ1B」と称し、第3の実施形態の情報処理部400を「情報処理部400B」と称する。
【0056】
図5は、第3の実施形態に係る磁気センサ1Bの構成例を示す図である。磁気センサ1Bは、センサヘッド100、駆動部200、ピックアップコイル300、及び情報処理部400Bを備える。
【0057】
情報処理部400Bは、第1計測部410、第2計測部420、及びスイッチ500を備える。
【0058】
スイッチ500は、第1計測部410と第2計測部420との間の電気的な接続を遮断可能である。スイッチ500は、一端がコンデンサ412の他端に接続され、他端がコンデンサ422の一端に接続される。スイッチ500は、第1計測部410が第1信号を検出する際には、第1計測部410と第2計測部420との間の電気的な接続を遮断する。これにより、第1計測部410で第1信号を検出する際に第2計測部420からのノイズの影響を低減することができる。なお、スイッチ500は、磁気センサ1B内のプロセッサ(不図示)によって制御されてもよいし、駆動部200によって制御されてもよい。
【0059】
以下において、第3の実施形態に係る磁気センサ1Bの動作について説明する。図6は、磁気センサ1Bの動作の流れを説明する図である。
【0060】
第3の実施形態に係る磁気センサ1Bの動作は、第2の実施形態と同様に、大別して3つのステップ(第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップ)を備える。磁気センサ1Bは、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップの順に動作を繰り返す。第1ステップは通電状態で実施される。第2ステップ及び第3ステップは、非通電状態で実施される。
【0061】
<第1ステップ:n-1>
図6(a)に示すように、時刻n-1において、センサヘッド100は通電状態となる。通電状態において、事前に第1計測部410は、スイッチ411及びスイッチ413をオン状態に制御する。また、第2計測部420は、スイッチ423をオン状態に制御し、スイッチ424をオフ状態に制御する。また、スイッチ500は、オフ状態である。これにより、第2計測部420によって発生するノイズの影響を受けずに、第1電圧がコンデンサ412によって検出される。例えば、センサヘッド100がアモルファスワイヤである場合、駆動部200は矩形パルス電流を発生して前記アモルファスワイヤを通電する。このとき、前記矩形パルス電流の立ち上がり時に生じる誘起電圧のピーク電圧(検出対象である外部磁界強度に応じて変化)を、適切なタイミングを以ってスイッチ411をオフ状態にすることで、第1電圧がコンデンサ412によって検出される。
【0062】
<第2ステップ:n-1/2>
図6(b)に示すように、時刻n-1/2において、第1計測部410によってスイッチ411がオフ状態に制御された後に、センサヘッド100が通電状態から非通電状態となる。第1計測部410は、スイッチ413をオン状態のままに制御する。また、第2計測部420は、スイッチ423をオフ状態に制御し、スイッチ424をオン状態に制御する。また、スイッチ500はオン状態に制御される。これにより、第2ステップでは、オペアンプ421の仮想接地の効果により、反転入力端子においてはオペアンプの低周波雑音成分が発生し、スイッチ413をオフとすることで、これをサンプリングする。このように、第2ステップにおいて、オペアンプ421の反転入力端子が仮想接地された状態である場合に、オペアンプ421の1/fノイズや製造ばらつきに起因するオフセット電圧などの低周波雑音成分が第3信号としてコンデンサ422で検出される。
【0063】
<第3ステップ:n>
図6(c)に示すように、時刻nにおいて、第1計測部410は、スイッチ413をオフ状態に制御した後にスイッチ411をオン状態に制御する。また、第2計測部420は、スイッチ423をオン状態に制御し、スイッチ424をオフ状態に制御する。また、スイッチ500はオン状態のままである。これにより、コンデンサ412に蓄積されていた第1電圧に相当する電荷から第2電圧に相当する電荷とコンデンサ422で蓄積された低周波雑音成分に相当する電荷とが差し引かれ、残った電荷(第4信号)がコンデンサ425に転送されて増幅される。
【0064】
上述したように、第3の実施形態に係る磁気センサ1Bは、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、第1信号を検出する際に第2計測部420のオペアンプ421からのノイズの影響を低減することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1の実施形態の情報処理部400の具体的な第3の構成例について説明する。ただし、第1の実施形態の情報処理部400の構成は、第4の実施形態で説明する具体的な構成に限定されない。以下の説明において、第1の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。ただし、説明の便宜上、第4の実施形態の磁気センサを「磁気センサ1C」と称し、第4の実施形態の情報処理部400を「情報処理部400C」と称する。
【0066】
図7は、第4の実施形態に係る磁気センサ1Cの構成例を示す図である。磁気センサ1Cは、センサヘッド100、駆動部200、ピックアップコイル300、及び情報処理部400Cを備える。
【0067】
情報処理部400Cは、増幅回路600、AD変換器610、計測部620、及びDA変換器630を備える。
【0068】
増幅回路600は、ピックアップコイル300に接続されている。増幅回路600は、ピックアップコイル300に発生した電圧を増幅する。そして、増幅回路600は、増幅した信号である出力信号をAD変換器610に出力する。例えば、増幅回路600は、オペアンプを備えてもよい。
【0069】
AD変換器610は、増幅回路600からの出力信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器610は、変換したデジタル信号を計測部620に出力する。
【0070】
計測部620は、センサヘッド100が通電状態の場合にAD変換器610から出力されるデジタル信号(以下、「第1デジタル信号」という。)を検出する。計測部620は、センサヘッド100が非通電状態の場合にAD変換器610から出力されるデジタル信号(以下、「第2デジタル信号」という。)を検出する。そして、計測部620は、第1デジタル信号と第2デジタル信号との差分を示す差分信号を生成する。なお、計測部620は、駆動部200と通信して、駆動部200から現在の状態が導通状態か非導通状態かの情報を受信してもよい。
【0071】
DA変換器630は、計測部620で生成された差分信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号をピックアップコイル300に帰還させる。これにより、ピックアップコイル300に電流が通電し、バイアス磁界が発生する。
【0072】
このように、第4の実施形態の磁気センサ1Cは、通電状態での第1電圧と非通電状態での第2電圧の検出をデジタル領域で実施する。これにより、磁気センサ1Cは、第1電圧から低周波電圧及び低周波雑音成分が除去された電圧、すなわち高周波電圧を得ることができる。
【0073】
上述したように、第4の実施形態に係る磁気センサ1Cは、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、通電状態での誘起電圧と非通電状態での誘起電圧の検出をデジタル領域で実施することで、安定的な精度を得ることができるとともに、外部磁界に対応する誘起電圧の情報をデジタル信号として外部出力できるため、信号伝送のための通信品質を向上させることができる。
【0074】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1の実施形態の情報処理部400の具体的な第4の構成例について説明する。ただし、第1の実施形態の情報処理部400の構成は、第5の実施形態で説明する具体的な構成に限定されない。以下の説明において、第1の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。ただし、説明の便宜上、第5の実施形態の磁気センサを「磁気センサ1D」と称し、第5の実施形態の情報処理部400を「情報処理部400D」と称する。
【0075】
図8は、第5の実施形態に係る磁気センサ1Dの構成例を示す図である。磁気センサ1Dは、センサヘッド100、駆動部200、ピックアップコイル300、及び情報処理部400Dを備える。
【0076】
情報処理部400Dは、第1計測部410及び第2計測部420Dを備える。
【0077】
第2計測部420Dは、第1計測部410に接続される。第2計測部420Dは、増幅回路を有し、増幅回路の出力信号に応じた電流をピックアップコイル300に帰還させる。また、第2計測部420Dは、非通電状態の場合において第3信号を検出し、第1計測部410から出力される差分信号と第3信号との差分を示す第4信号を生成する。
【0078】
以下において、第2計測部420Dの構成について、図8を用いて説明する。
【0079】
第2計測部420Dは、オペアンプ421、コンデンサ422、スイッチ423、スイッチ424、コンデンサ425、AD変換器700、及びDA変換器710を備える。
【0080】
AD変換器700は、オペアンプ421の出力端子に接続され、オペアンプ421の出力端子から出力される出力信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器700は、変換したデジタル信号を外部に出力する。
【0081】
DA変換器710は、AD変換器700で変換されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号をピックアップコイル300に帰還させる。これにより、ピックアップコイル300に電流が通電し、バイアス磁界が発生する。
【0082】
上述したように、第5の実施形態に係る磁気センサ1Dは、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、外部磁界に対応する誘起電圧の情報をデジタル信号として外部出力できるため、信号伝送のための通信品質を向上させることができる。
【0083】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0084】
第1の実施形態から第5の実施形態のいずれかの磁気センサを用いて、MEG(Magnetoencephalography)、MNG(Magnetoneurography)、MCG(Magnetocardiography)、MMG(Magnetomyography)、生体埋込脳活動計測等の生体磁場計測を行う生体磁気計測装置を提供可能である。図9は、本実施形態に係る生体磁気計測装置100の一例を示す図である。図9(a)は、MEG,MNG,MMGなどの非侵襲生体計測向けの生体磁気計測装置100の構成例を示し、図9(b)は、埋め込み型(侵襲型)生体計測向けの生体磁気計測装置100の構成例を示す。本実施形態の生体磁気計測装置100は、第1の実施形態から第5の実施形態のいずれかの磁気センサ(magnetic sensor)をN(Nは1以上)個(チャネル)備え、且つ、N個の磁気センサからの出力信号を用いて生体が発する磁気を測定する生体磁気計測部(data acquisition system)を備える。本実施形態の磁気センサは、SQUIDなどのような冷却装置を必要としないこと、さらに、ハイパスフィルタを用いずに外部磁界に対応する信号を得ることができるため小型化が可能である。これにより、生体磁気計測向けの大型の磁気センサヘッドを用いる必要が無く、大幅な小型化、低コスト化を実現可能である。また、本実施形態の磁気センサは小型化が可能となるため、図9(a)に示すような非侵襲生体計測向けの生体磁気計測装置100だけでなく、図9(b)に示すような埋め込み型(侵襲型)生体計測向けの生体磁気計測装置100も提案可能である。なお、図9(a)及び図9(b)の各生体磁気計測装置100は、磁気センサを含むプローブ(アレイ)と生体磁気計測部とが対になった構成であってもよい。また、、図9(a)及び図9(b)の各生体磁気計測装置100では、プローブと生体磁気計測部との接続は、有線、無線及びその組み合わせであってもよい。
【0085】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「有する」や「備える」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0086】
また、明細書に記載の「…部」の用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1,1A,1B,1C,1D 磁気センサ
100 センサヘッド
200 駆動部
300 ピックアップコイル
400,400A,400B,400C,400D 情報処理部
410 第1計測部
420 第2計測部
600 増幅回路
610 AD変換器
620 計測部
630 DA変換器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9