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特許7451072湿気硬化型ホットメルト接着剤及び積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】湿気硬化型ホットメルト接着剤及び積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20240311BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20240311BHJP
   C08G 18/30 20060101ALI20240311BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C09J175/04
C08G18/10
C08G18/30 070
C08G18/32 006
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017165600
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019044005
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-08-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100215935
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 茂輝
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 優子
(72)【発明者】
【氏名】二宮 淳
【合議体】
【審判長】近野 光知
【審判官】藤井 勲
【審判官】大畑 通隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/065921(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/038195(WO,A1)
【文献】特開2003-313531(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107033829(CN,A)
【文献】特開2012-117075(JP,A)
【文献】特開平06-220399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
CA(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型接着剤であって、
前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり、
前記ポリオール(A)が、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含むものであり、
前記ヒドロキシ化合物(d1)が、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールであるか、又は、トリエチレングリコールであり、且つトリエチレングリコールを20質量%以上含有することを特徴とする湿気硬化型接着剤。
【化1】

[一般式(1)中、nは、2以上7以下の整数を表す。]
【請求項2】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の含有率が、前記ポリオール(A)中、10質量%以上である請求項1記載の湿気硬化型接着剤。
【請求項3】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が、500以上8,000以下である請求項1又は2記載の湿気硬化型接着剤。
【請求項4】
前記化合物(d1)の含有率が、前記ポリカーボネートポリオール(a1)の原料であるヒドロキシ化合物(D)中、40質量%以上である請求項1~3のいずれか1項記載の湿気硬化型接着剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の湿気硬化型接着剤の硬化物層を有することを特徴とする積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤及びそれを用いて得られる積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、有機溶剤系樹脂組成物は、例えば接着剤や粘着剤等として多岐の分野で使用されている。しかしながら、前記有機溶剤系樹脂組成物は、有機溶剤を多量に含むことから、人体への有害性、引火の危険性、水質や大気などの環境汚染、乾燥による生産性の低下、溶剤の回収ロス、溶剤回収のためのエネルギー負担などの種々の問題があった。
【0003】
そこで、有機溶剤系樹脂組成物に代わる接着剤として、無溶剤の樹脂組成物が種々検討されている。中でも湿気硬化型ウレタン接着剤は、優れた接着性を有し、且つ接着時間の調整が容易であることから、連続生産を必要とする接着加工や封止作業などの成形加工に適するものとして注目を集めている。こうした湿気硬化型ウレタン接着剤として、例えば、ビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加したポリオールと、脂肪族ポリカルボン酸と芳香族ポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール、結晶性ポリエステルポリオール及び2,000~25,000の数平均分子量を有するポリオキシエチレングリコールを含むポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型接着剤が提案されている(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4240158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来から知られる湿気硬化型接着剤では、透湿性が高まるほど接着強度が低下しやすくなる場合があった。
【0006】
本発明の課題は、透湿度を維持しながら接着強度を向上できる湿気硬化型接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型接着剤であって、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であり、前記ポリオール(A)が、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含むものであり、前記ヒドロキシ化合物(d1)が、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールであるか、又は、トリエチレングリコールであり、且つトリエチレングリコールを20質量%以上含有する湿気硬化型接着剤に関する。
【0008】
【化1】
[一般式(1)中、nは、2以上7以下の整数を表す。]
【発明の効果】
【0009】
本発明の湿気硬化型接着剤によれば、透湿度を維持しながら接着強度が向上した硬化物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の湿気硬化型接着剤は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む。イソシアネート基は、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの末端に存在することが好ましい。前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である。前記ポリオール(A)は、2個以上の水酸基を有する化合物であり、ヒドロキシ化合物(D)に由来する単位を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含む。
【0011】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の含有率は、ポリオール(A)中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、100質量%以下であり、好ましくは90質量%以下である。
前記ヒドロキシ化合物(D)は、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。前記ヒドロキシ化合物(D)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジオール;トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオールなどが挙げられる。
【0012】
特に、前記ヒドロキシ化合物(D)は、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)を含む。前記ポリカーボネートポリオール(a1)が、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位(-O-(-(CHO-)-)を含むことで、得られる硬化物の透湿性及び耐熱性を両立できる。
【0013】
【化2】
[一般式(1)中、nは、2以上7以下の整数を表す。]
【0014】
前記ヒドロキシ化合物(d1)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量160~360、より好ましくは分子量190~330)等が挙げられる。中でも、いっそう優れた透湿性及び耐熱性の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
【0015】
前記ヒドロキシ化合物(d1)の含有率は、ヒドロキシ化合物(D)100質量%中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。ヒドロキシ化合物(d1)の含有率が上記範囲にあると、得られる硬化物の透湿度を維持しながら接着強度を向上できる。
【0016】
中でも、ヒドロキシ化合物(d1)は、トリエチレングリコール及び/又はポリエチレングリコールを含むことが好ましく、この場合、トリエチレングリコール及び/又はポリエチレングリコールの含有率は、ヒドロキシ化合物(d1)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。トリエチレングリコール及び/又はポリエチレングリコールの含有率が上記範囲にあると、得られる硬化物の透湿度を維持しながら接着強度を高度に向上できる。
【0017】
前記ヒドロキシ化合物(D)が、ヒドロキシ化合物(d1)以外の他のヒドロキシ化合物を含む場合、前記他のヒドロキシ化合物としては、透湿度を維持しながら接着強度を向上する観点から、ブタンジオール、トリメチロールプロパンが好ましい。
【0018】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)は、前記ヒドロキシ化合物(D)とカーボネート化合物(E)とを、必要に応じて用いるポリカーボネート化又はエステル交換触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
前記反応の際、ポリカーボネート化又はエステル交換触媒として、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコラート、テトラフェニルチタネートなどのチタンフェノラート等のチタン化合物を共存させてもよい。前記ポリカーボネート化又はエステル触媒としては、金属触媒、酸触媒等を用いてもよい。
前記ポリカーボネート化又はエステル交換触媒の量は、前記ヒドロキシ化合物(D)及びカーボネート化合物(E)の合計100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下である。
また、前記ポリカーボネートポリオール(a1)は、前記ヒドロキシ化合物(D)とホスゲンを反応させて得られたものなど、既知の製造方法を用いて得られたものを用いることができる
【0019】
前記カーボネート化合物(E)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、脂肪族カーボネート、芳香環含有カーボネートが挙げられる。脂肪族カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ-n-ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、エチル-n-ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート等の飽和脂肪族カーボネート;エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,2-プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、1,3-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、1,3-ペンチレンカーボネート、1,4-ペンチレンカーボネート、1,5-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネートおよび2,4-ペンチレンカーボネート等の不飽和脂肪族カーボネートなどが挙げられる。芳香環含有カーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジベンジルカーボネート等が挙げられる。中でも、優れた耐薬品を有するウレタン樹脂成形物を得られることから、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の飽和脂肪族カーボネート;ジフェニルカーボネート等の芳香族カーボネートなどが好ましい。
【0020】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、好ましくは8,000以下、より好ましくは6,000以下である。
【0021】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上であり、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは120mgKOH/g以下である。前記水酸基価は、ポリカーボネートポリオール1g中の水酸基に相当する水酸化カリウムのmg数と定義し、JISK1557-1:2007に準拠して測定した値を表す。
【0022】
前記ポリオール(A)は、2個以上の水酸基を有する化合物であり、本発明の効果を損なわない範囲で、オキシエチレン単位を有するポリアルキレンポリオール(a2)を含んでいてもよい。前記オキシエチレン単位(-O-CH2CH2-)を含むポリアルキレンポリオール(a2)は、オキシエチレン単位のみからなる単独重合体であってもよく、オキシエチレン単位と炭素原子数3以上(好ましくは3~4)のオキシエチレン単位とを有する共重合体であってもよい。
【0023】
前記ポリアルキレンポリオール(a2)の重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上であり、好ましくは20,000以下、より好ましくは10,000以下、さらに好ましくは5,000以下である。
【0024】
前記ポリアルキレンポリオール(a2)の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
【0025】
前記ポリオール(A)は、ポリカーボネートポリオール(a1)、ポリアルキレンポリオール(a2)以外の他のポリオール(a3)を含んでいてもよい。前記他のポリオール(a3)としては、前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオール、前記ポリアルキレンポリオール(a2)以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0026】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記他のヒドロキシ化合物に由来する単位を有し、前記ヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位を有しないポリカーボネートポリオール化合物等が挙げられる。
【0027】
前記ポリアルキレンポリオール(a2)以外のポリエーテルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、活性水素原子を2つ以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させた化合物などが挙げられる。前記活性水素原子を2つ以上有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、水、ヘキサントリオール等が挙げられる。また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0028】
前記ポリエステルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ポリカルボン酸とポリオールの反応物、ポリラクトンポリオール等を用いることができる。
【0029】
前記ポリカルボン酸としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の直鎖脂肪族ポリオール;ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチルプロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐鎖脂肪族ポリオール;シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物;前記直鎖脂肪族又は脂環式ポリオールにγ-ブチロラクトン、ε-ブチロラクトン等のラクトン化合物を開環重合させた重合物などが挙げられる。中でも、オルトフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ポリカルボン酸などがより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、メチルエステル等の低級アルキルエステル誘導体、酸無水物、酸ハロゲン化物等の酸誘導体を用いてもよい。
【0030】
前記ポリオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の直鎖脂肪族ポリオール;ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチルプロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐鎖脂肪族ポリオールなどが挙げられる。前記脂環式ポリオールとしては、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物;前記芳香族ポリカルボン酸にエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコールを付加させた化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ベンゼンジオール等の芳香族ポリオール;1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ポリオールにアルキレングリコールを付加させた化合物などが挙げられる。中でも、エチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ポリオール等が好ましい。
【0031】
前記ポリオールが有する水酸基と、前記ポリカルボン酸が有するカルボキシル基との当量比(即ち[OH/COOH当量比]は、モル基準で、好ましくは1.02以上、より好ましくは1.05以上であり、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.30以下である。前記[OH/COOH当量比]が前記範囲であれば、水酸基末端のポリオールをより多く生成させることができる。
【0032】
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、強度及び伸び等の物性バランスを良好にする観点から、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは2,000以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは8,000以下、さらに好ましくは6,000以下である。
【0033】
前記ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合により得られるポリラクトンポリオール等が挙げられる。
【0034】
前記ポリイソシアネート(B)は、イソシアネート基を2個以上有する化合物であり、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0035】
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0036】
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI;その2,4体又は2,6体若しくはそれらの混合物)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;その4,4’体、2,4’体又は2,2’体、若しくはそれらの混合物、クルードMDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体等のイソシアネート基を3個以上有する芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0038】
前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と、前記ポリオール(A)が有する水酸基の当量比([NCO/OH当量比])は、湿気硬化型接着剤の溶融温度及び作業性、フィルム物性及び速硬化性等の観点から、モル基準で、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
【0039】
前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有率は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。
【0040】
前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)とを反応させることにより、本発明の湿気硬化型接着剤に含まれるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造することができる。反応温度は、好ましくは80℃以上130℃以下であり、反応時間は、好ましくは1時間以上10時間以下である。反応雰囲気は、乾燥空気雰囲気又は密閉雰囲気等水分が混入しない条件であればよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気が好ましい前記反応の際は、溶媒を共存させてもよく、溶媒を共存させる場合は、反応途中又は反応終了後に脱溶媒することが好ましい。
【0041】
また、前記反応に際して、触媒を共存させてもよい。前記触媒としては、例えば、遷移金属化合物触媒、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド、ジラウリン酸ジブチルスズ、2-エチルカプロン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、2-エチルカプロン酸亜鉛、グリコール酸モリブデン、塩化鉄、塩化亜鉛などや、アミン触媒、たとえばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジブチルアミン等が挙げられる。
【0042】
本発明の湿気硬化型接着剤は、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー以外に、結晶核剤、整泡剤、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、砥粒、充填剤、顔料、染料、着色剤、増粘剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、粘着付与剤、硬化触媒、安定剤、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス等の添加剤や、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等のブレンド用樹脂を含んでいてもよい。
【0043】
本発明の湿気硬化型接着剤の溶融粘度は、測定温度120℃において、好ましくは500mPa・s以上、より好ましくは1,000mPa・s以上であり、好ましくは50,000mPa・s以下、より好ましくは30,000mPa・s以下である。溶融粘度が前記範囲にあることで、加工時の作業性向上及びエアーだまり等の外観不良防止に有効である。
【0044】
本発明の湿気硬化型接着剤の加工温度は、前記樹脂組成物の少なくとも融点以上であり、好ましくは80℃以上130℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下である。加工温度が前記範囲にあることで、作業上の不具合が生じにくく、作業効率が良好であり、且つ樹脂組成物の変質、分解、ゲル化などを抑制できる。
【0045】
本発明の湿気硬化型接着剤を用いた積層体も本発明の技術的範囲に包含される。
【0046】
本発明の湿気硬化型接着剤の硬化物層の厚みは、好ましくは10μm以上5000μm以下である。
【0047】
本発明の湿気硬化型接着剤を用いて接着層を得る方法としては、例えば、基材とシート又はフィルムとを貼り合わせ、湿気硬化させる方法が挙げられる。
【0048】
本発明の湿気硬化型接着剤を用いて、基材とシート又はフィルム等とを貼り合わせる方法としては、例えば前記湿気硬化型接着剤を60~150℃の範囲に加熱することで溶融させ、ロールコーター、スプレーコーター、T-ダイコーター、ナイフコーター等を用いて基材上に塗布し、その塗布面に前記シート等を貼り合わせるか、又は前記ロールコーター等を用いて前記シート等の上に塗布し、その塗布面に前記基材を貼り合わせて、ロールプレス、フラットプレス、ベルトプレス等の方法で前記基材の形状に合わせて適宜、圧着させる方法を用いることができる。前記圧着後は、必要に応じて、1~7日間養生させてもよい。
【0049】
本発明の湿気硬化型接着剤は、建材・繊維分野に加えて、電気・電子部品製造工業、自動車製造工業、半導体部品製造工業、製靴工業、材木加工工業、建築材料工業、製本工業、金属工業、樹脂加工工業などの広範囲の分野に利用可能である。
【実施例
【0050】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0051】
(合成例1:ポリカーボネートポリオール(1)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール50質量部とトリエチレングリコール50質量部とジフェニルカーボネート152質量部を仕込み、ポリカーボネート化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01質量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(1)を得た。このポリカーボネートポリオール(1)の水酸基値は55mgKOH/gであった。
【0052】
(合成例2:ポリカーボネートポリオール(2)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール70質量部とポリエチレングリコール(日油株式会社製「PEG#200」)30質量部とジフェニルカーボネート153質量部を仕込み、ポリカーボネート化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01質量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(2)を得た。このポリカーボネートポリオール(2)の水酸基値は57mgKOH/gであった。
【0053】
(合成例3:ポリカーボネートポリオール(3)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、トリエチレングリコール50質量部と1,4-ブタンジオール50質量部とジフェニルカーボネート173質量部を仕込み、ポリカーボネート化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01質量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(3)を得た。このポリカーボネートポリオール(3)の水酸基値は37mgKOH/gであった。
【0054】
(合成例4:ポリカーボネートポリオール(4)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、トリエチレングリコール20質量部と1,4-ブタンジオール80質量部とジエチルカーボネート127質量部を仕込み、ポリカーボネート化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01質量%添加し、120℃で10時間反応させ、次いで190℃で2時間反応させたのち、減圧しながら10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(4)を得た。このポリカーボネートポリオール(4)の水酸基値は38mgKOH/gであった。
【0055】
【表1】
【0056】
[合成例5]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-1)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(1)99質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート28質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.1のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-1)を得た。
【0057】
[合成例6]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-2)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(1)17質量部とPEG#4000(日本油脂製)40質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート27質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.0のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-2)を得た。
【0058】
[合成例7]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-3)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(1)28質量部とPEG#4000(日本油脂製)28質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート28質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.0のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-3)を得た。
【0059】
[合成例8]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-4)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(2)28質量部とPEG#4000(日本油脂製)28質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート28質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;3.9のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-4)を得た。
【0060】
[合成例9]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-5)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(3)28質量部とPEG#4000(日本油脂製)28質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート27質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.1のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-5)を得た。
【0061】
[合成例10]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-6)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(4)28質量部とPEG#4000(日本油脂製)28質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート27質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.1のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-6)を得た。
【0062】
[合成例11]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X’-1)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、PEG#4000(日本油脂製)57質量部とPES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)21質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート27質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;4.2のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X’-1)を得た。
【0063】
[合成例12]湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X’-2)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、PES-1(DIC製:MX-2913)21質量部とPES-2(DIC製:MX-2906)78質量部とPET-1(三井化学ポリウレタン製:T-700)1質量部を加え、減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、容器内温度70℃に冷却後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート26質量部を加え、100℃まで昇温して、イソシアネート基含有率が一定となるまで約3時間反応させて、NCO%;3.9のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X’-2)を得た。
【0064】
[実施例1]
合成例5で得られた湿気硬化型ポリウレタン接着剤(X-1)を110℃に加熱溶融させ、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムに80μmの厚さで塗工し、その上に同PETフィルムを載置して貼り合せて、積層体を得た。また、湿気硬化性ポリウレタン接着剤(X-1)を110℃に加熱溶融させ、110℃に加熱したナイフコーターを用いて、離型紙上に80μmの厚みに塗布した後、湿気硬化処理(温度23℃、相対湿度65%の恒温恒湿槽中3日間放置)により、フィルムを作成した。
【0065】
[実施例2~6、比較例1、2]
湿気硬化性ポリウレタン接着剤(X-2)~(X-6)と(X’-1)と(X’-2)を用いる以外は、実施例1と同様にして積層体とフィルム(Y-2)~(Y-6)と(Y’-1)と(Y’-2)を得た。
【0066】
[接着強度の評価方法]
実施例及び比較例で得られた積層体を、23℃、湿度50%の条件下で10日間養生した後、25mm幅に対して180°方向に200mm/分の速度で剥離し、その際の剥離強度を測定し、以下のように評価した。
◎;剥離強度が15N/25mm以上である。
○;剥離強度が10N/25mm以上15N/25mm未満である。
×;剥離強度が10N/25mm未満である。
【0067】
[透湿性の測定方法]
実施例及び比較例で得られたフィルムを試験体とし、JIS L-1099 A-1法に規定の測定方法にて透湿度を測定する。
○;1,000g/m2-24h以上
△;750g/m2-24h以上1000g/m2-24h未満
×:750g/m2-24h未満
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
実施例1~6の湿気硬化型接着剤は、本発明の湿気硬化型接着剤であり、湿度を維持しながら接着強度を向上することが可能であった。
【0071】
これに対して、比較例1の湿気硬化型接着剤は、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位を有するポリカーボネートポリール(a1)を含まないポリオールを用いて形成されたものであり、接着強度に劣るものであった。
【0072】
比較例2の湿気硬化型接着剤は、一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(d1)に由来する単位を有するポリカーボネートポリール(a1)を含まないポリオールを用いて形成されたものであり、透湿性に劣るものであった。