(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】帯域幅及びスペックルに基づくリソグラフィプロセスの最適化
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535287
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021084967
(87)【国際公開番号】W WO2022135953
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コンリー,ウィラード,アール
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ドワン-フ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ,ジョシュア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バセルマンズ,ヨハネス,ヤコブス,マシューズ
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197BA11
2H197CA01
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA10
2H197CA12
2H197CD12
2H197CD13
2H197CD43
2H197DA02
2H197DB03
2H197DB04
2H197DB05
2H197GA01
2H197GA04
2H197HA03
2H197JA22
(57)【要約】
リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための方法。この方法は、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である多変数費用関数を計算することと、終了条件が満たされるまで設計変数(例えば、放射源、マスクレイアウト、帯域幅など)の1つ又は複数を調節することにより、リソグラフィプロセスの特徴(例えば、EPE、像コントラスト、レジストなど)の1つ又は複数を再構成することと、を含む。終了条件は、スペックル特徴(例えば、スペックルコントラスト)が放射源に関連するスペックル仕様内に維持されること、及びリソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持することも含む。スペックル特徴は、放射帯域幅の関数である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための方法であって、前記方法が、
ハードウェアコンピュータシステムによって多変数費用関数を計算することであって、前記多変数費用関数が、(i)前記リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)前記リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、
前記ハードウェアコンピュータシステムによって、終了条件が満たされるまで前記設計変数の1つ又は複数を調節することにより、前記リソグラフィプロセスの前記特徴の1つ又は複数を再構成することであって、前記終了条件が、前記リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が前記放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、前記スペックル特徴が前記放射帯域幅の関数である、再構成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記再構成時に前記放射帯域幅が変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペックル特徴が、前記放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、前記スペックルが局所ドーズ量変動を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スペックル特徴が、前記放射源によって生成された前記放射に関連するスペックルコントラストであり、前記スペックルコントラストが、再構成時に低減又は最小化される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射に関連する前記スペックルコントラストが、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、前記スペックルコントラストの低減が、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記特徴が、
前記リソグラフィプロセス中に生成される像の前記像コントラスト、
前記リソグラフィプロセスのプロセスウィンドウ、
放射源特徴、
前記リソグラフィプロセスに関連する性能指標、又は
前記スペックル特徴及び前記放射源の帯域幅範囲
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リソグラフィプロセスの前記特徴の前記1つ又は複数を再構成することが、
前記リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、前記多変量費用関数を使用する放射源最適化を行うこと、又は
前記リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、前記多変量費用関数を使用する放射源マスク共同最適化を行うこと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記放射帯域幅が半値全幅(FWHM)帯域幅である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記放射帯域幅がE95帯域幅である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記放射帯域幅が、前記放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記リソグラフィプロセスの前記特徴の前記1つ又は複数を再構成することが、前記設計レイアウトの前記一部に関連する前記像コントラストを、最も良い像コントラストの所望の範囲内に維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記リソグラフィプロセスの前記特徴の前記1つ又は複数を再構成することが、前記設計変数の少なくとも1つの寛容度を高め、及び/又は
前記寛容度が、焦点深度又は露光寛容度である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記リソグラフィプロセスの前記特徴の前記1つ又は複数を再構成することが、前記終了条件が満たされるまで前記放射源の前記放射帯域幅を最適化する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記リソグラフィプロセスの前記特徴の前記1つ又は複数を再構成することが、反復プロセスであり、各反復が、
(i)前記1つ又は複数の設計変数に摂動を起こさせることにより、前記リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルをシミュレートすることと、
(ii)前記設計変数の値及びシミュレーション結果を用いて前記多変量費用関数を計算することと、
(iii)前記終了条件が満たされるか否かを前記多変量費用関数に基づいて決定することと、
(iv)前記終了条件が満たされないことに応答して、前記1つ又は複数の設計変数に更に摂動を起こさせて、ステップ(i)~(iv)を行うことと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記費用関数が、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、前記スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年12月23日に出願された米国特許出願第63/129,957号の優先権を主張するものであり、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記載は、リソグラフィ装置及びプロセスに関し、所与のパターニングデバイスに対して、照明源の帯域幅が変化することを可能にすることにより、照明源を最適化する方法又は装置を含む。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用され得る。このような場合、パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ICの個々の層に対応する回路パターン(「設計レイアウト」)を含むこと、又は提供することができ、及びこの回路パターンは、パターニングデバイス上の回路パターンを通してターゲット部分を照射するなどの方法により、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコートされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に転写され得る。一般に、単一の基板は、回路パターンがリソグラフィ投影装置によって連続して転写される複数の隣接するターゲット部分(一度に1つのターゲット部分)を含む。あるタイプのリソグラフィ投影装置においては、パターニングデバイス全体上の回路パターンが、一回で1つのターゲット部分上に転写され、このような装置は、一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替装置では、投影ビームが、所与の基準方向(「スキャン」方向)にパターニングデバイスをスキャンすることに同期して、この基準方向に平行又は逆平行に基板を移動させる。パターニングデバイス上の回路パターンの異なる部分が、1つのターゲット部分に漸進的に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は、拡大係数M(一般に、<1)を有するので、基板を移動させる速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度×係数Mとなる。本明細書に記載するようなリソグラフィデバイスに関するさらなる情報は、例えば、本明細書に援用される米国特許第6,046,792号から学ぶことができる。
【0004】
[0004] パターニングデバイスから基板に回路パターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々なプロシージャを経てもよい。露光後に、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写された回路パターンの測定/インスペクションなどの他のプロシージャを受けてもよい。この多数のプロシージャは、デバイス、例えばICの個々の層を作るための基礎として使用される。基板は、次に、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨など(全て、デバイスの個々の層を仕上げることを意図したもの)の様々なプロセスを経てもよい。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、プロシージャ全体又はそれの異形が、各層に対して繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスがキャリア上に取り付けられること、ピンに接続されることなどが可能である。
【0005】
[0005] 上述の通り、リソグラフィは、基板上に形成されたパターンが、マイクロプロセッサ、メモリチップなどのICの機能素子を定義する、ICの製造における中心的ステップである。フラットパネルディスプレイ、微小電子機械システム(MEMS)、及び他のデバイスの形成においても、類似のリソグラフィ技術が使用される。
【0006】
[0006] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、機能素子の寸法は、継続的に小さくなっている一方で、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って、1つのデバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の量は、何十年にもわたり、着実に増加している。現在の技術状況では、デバイスの層は、深紫外線照明源からの照明を用いて、設計レイアウトを基板上に投影し、100nmをはるかに下回る(すなわち、照明源(例えば、193nm照明源)からの放射の波長の半分未満)寸法を有する個々の機能素子を生成するリソグラフィ投影装置を用いて製造される。
【0007】
[0007] リソグラフィ投影装置の古典的限界解像度未満の寸法を持つフィーチャが印刷されるこのプロセスは、一般に、解像度式CD=k1×λ/NAによる低k1リソグラフィとして知られ、式中、λは、用いられた放射の波長(現在、ほとんどの場合、248nm又は193nm)であり、NAは、リソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」(一般に、印刷される最小のフィーチャサイズ)であり、及びk1は、経験的解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的機能性及び性能を達成するために回路設計者によって計画された形状及び寸法に酷似するパターンを基板上に再現することがより難しくなる。これらの困難を克服するために、最新式の微調整ステップが、リソグラフィ投影装置及び/又は設計レイアウトに適用される。これらは、例えば、限定されないが、NA及び光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズ照明方式、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC、「光学及びプロセス補正(optical and process correction)」とも呼ばれることがある)、又は一般に「解像度向上技術」(RET)と定義される他の方法も含む。本明細書で使用する「投影光学系」という用語は、例えば、屈折光学系、反射光学系、アパーチャ、及び反射屈折光学系を含む、様々なタイプの光学システムを網羅すると広く解釈されるものとする。「投影光学系」という用語は、まとめて、又は単独で、放射の投影ビームの誘導、整形、又は制御を行うためにこれらの設計タイプの何れかに従って動作するコンポーネントも含み得る。「投影光学系」という用語は、光学コンポーネントがリソグラフィ投影装置の光路上のどこに位置するかにかかわらず、リソグラフィ投影装置内の何れの光学コンポーネントも含み得る。投影光学系は、ソースからの放射がパターニングデバイスを通過する前に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネント、及び/又は放射がパターニングデバイスを通過した後に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネントを含み得る。投影光学系は、一般に、ソース及びパターニングデバイスを除く。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本明細書で開示されるのは、リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための方法である。この方法は、多変数費用関数を計算することであって、多変数費用関数が、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、終了条件が満たされるまで設計変数の1つ又は複数を調節することにより、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することであって、終了条件が、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、スペックル特徴が放射帯域幅の関数である、再構成することと、を含む。一実施形態では、再構成時に放射帯域幅が変化する。
【0009】
[0009] 一実施形態では、スペックル特徴は、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルは、局所ドーズ量変動を示す。一実施形態では、スペックル特徴は、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストは、再構成時に低減又は最小化される。一実施形態では、放射に関連するスペックルコントラストは、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減は、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む。一実施形態では、スペックルコントラストは、
【数1】
によって計算され、ここで、λは放射の波長であり、A
beamは放射源サイズであり、Ω
divergenceは放射源発散度であり、TISはパルス持続時間であり、BWは帯域幅である。
【0010】
[0010] 一実施形態では、リソグラフィプロセスに関連する特徴には、リソグラフィ装置の1つ若しくは複数のコンポーネントに関連する特徴、又はプロセス(例えば、レジストプロセス、エッチングプロセスなど)関連の特徴が含まれる。例えば、特徴は、リソグラフィプロセス中に生成される像の像コントラスト、リソグラフィプロセスのプロセスウィンドウ、放射源特徴、リソグラフィプロセスに関連する性能指標、又はスペックル特徴及び放射源の帯域幅範囲のうちの1つ又は複数を含む。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、媒体が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、本明細書の方法のステップを含む動作を引き起こす、中に保存された命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本開示の一実施形態による、リソグラフィシステムの様々なサブシステムのブロック図である。
【
図2】[0013]本開示の一実施形態による、
図1のサブシステムに対応するシミュレーションモデルのブロック図である。
【
図3A】[0014]本開示の一実施形態による、帯域幅の2つの定義を示す。
【
図3B】[0015]本開示の一実施形態による、規格化積算エネルギー(Normalized Integrated Energy)(縦軸)を波長(横軸)の関数として示した曲線である。
【
図4】[0016]本開示の一実施形態による、帯域幅を変更する効果の一例を示す。
【
図5】[0017]本開示の一実施形態による、帯域幅を変更する効果の別の例を示す。
【
図6】[0018]本開示の一実施形態による、リソグラフィプロセスを改善するための方法のフローダイヤグラムである。
【
図7】[0019]本開示の一実施形態による、スペックルコントラスト及び像コントラストの挙動を帯域幅の関数として示す。
【
図8A】[0020]本開示の一実施形態による、300fmなどの帯域幅に対して再構成された放射源を示す。
【
図8B】[0020]本開示の一実施形態による、500fmなどの帯域幅に対して再構成された放射源を示す。
【
図8C】[0020]本開示の一実施形態による、1000fmなどの帯域幅に対して再構成された放射源を示す。
【
図9A】[0021]本開示の一実施形態による、300fmなどの帯域幅に対して共同最適化された放射源及びマスクを示す。
【
図9B】[0021]本開示の一実施形態による、600fmなどの帯域幅に対して共同最適化された放射源及びマスクを示す。
【
図9C】[0021]本開示の一実施形態による、1000fmなどの帯域幅に対して共同最適化された放射源及びマスクを示す。
【
図10】[0022]本開示の一実施形態による、ジョイント最適化/共同最適化の例示的な方法論の態様を示すフローダイヤグラムである。
【
図11】[0023]本開示の一実施形態による、更なる最適化方法の一実施形態を示す。
【
図12A】[0024]本開示の一実施形態による、様々な最適化プロセスの例示的な流れ図を示す。
【
図12B】[0024]本開示の一実施形態による、様々な最適化プロセスの例示的な流れ図を示す。
【
図13】[0024]本開示の一実施形態による、様々な最適化プロセスの例示的な流れ図を示す。
【
図14】[0025]本開示の一実施形態による、コンピュータシステム例のブロック図である。
【
図15】[0026]本開示の一実施形態による、リソグラフィ投影装置の模式図である。
【
図16】[0027]本開示の一実施形態による、別のリソグラフィ投影装置の模式図である。
【
図17】[0028]本開示の一実施形態による、
図16の装置のより詳細な図である。
【
図18】[0029]本開示の一実施形態による、
図16及び
図17の装置のソースコレクタモジュールSOのより詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0030] 本明細書において、ICの製造に対して具体的な言及がなされる場合があるが、本明細書の記載は、多くの他の可能な適用例を有することが明白に理解されるものとする。例えば、それは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造において用いられ得る。当業者は、このような代替適用例の文脈において、本明細書における「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用が、それぞれ、より一般的な用語である「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」と同義であると見なされるべきであることを認識するだろう。
【0014】
[0031] 本明細書において、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線、例えば、約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅するために使用される。
【0015】
[0032] 本明細書で使用される場合、「最適化する(optimizing)」及び「最適化(optimization)」という用語は、リソグラフィの結果及び/又はプロセスが、基板への設計レイアウトのより高い精度での投影、より大きなプロセスウィンドウなどのより望ましい特徴を有するように、リソグラフィ投影装置、リソグラフィプロセスなどを調節することを指し、又は意味する。従って、本明細書で使用される場合、「最適化する」及び「最適化」という用語は、少なくとも1つの関連するメトリックにおいて改善、例えば局所最適値を提供する1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を、これらの1つ又は複数のパラメータに関する初期の1つ又は複数の値の組と比較して識別するプロセスを指し、又は意味する。「最適値(optimum)」及び他の関連用語は、適宜解釈されるべきものである。一実施形態では、最適化ステップは、1つ又は複数のメトリックにおける更なる改善を提供するために反復的に適用することができる。
【0016】
[0033] 更に、リソグラフィ投影装置は、2つ以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブル、基板テーブル及び測定テーブル、2つ以上のパターニングデバイステーブルなど)を有するタイプのものであり得る。このような「マルチステージ」デバイスでは、複数のマルチテーブルが並行して使用されてもよく、又は1つ若しくは複数のテーブルが露光に使用されている間に、1つ若しくは複数の他のテーブル上で準備ステップが実行されてもよい。ツインステージリソグラフィ投影装置が、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,969,441号に記載されている。
【0017】
[0034] 上記で言及されたパターニングデバイスは、1つ若しくは複数の設計レイアウトを含むか又は形成することができる。設計レイアウトは、CAD(コンピュータ支援設計)プログラムを利用して生成することができ、このプロセスは、EDA(電子設計自動化)と呼ばれることが多い。ほとんどのCADプログラムは、機能設計レイアウト/パターニングデバイスを生成するために、所定の設計ルールセットに従う。これらのルールは、処理及び設計の限界により設定される。例えば、設計ルールは、回路デバイス(ゲート、キャパシタなど)又は相互接続ライン間のスペース公差を定義し、これは、それらの回路デバイス又はラインが望ましくない態様で互いに作用しないことを確実にするように行われる。設計ルールの限界の1つ又は複数は、「クリティカルディメンジョン」(CD)と呼ばれ得る。回路のクリティカルディメンジョンは、ライン若しくは孔の最小幅、又は2つのライン若しくは2つの孔間の最小のスペースと定義することができる。従って、CDは、設計される回路の全体のサイズ及び密度を決定する。当然ながら、集積回路製造のゴールの1つは、(パターニングデバイスを介して)基板上に本来の回路設計を忠実に再現することである。
【0018】
[0035] 本明細書で用いられる「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、到来する放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されることになるパターンに対応したパターン付き断面を与えるために使用することができる、一般的なパターニングデバイスを指すと広く解釈することができ、「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型;バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のそのようなパターニングデバイスの例には、以下が含まれる:
-プログラマブルミラーアレイ。そのようなデバイスの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面である。そのような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスエリアが、入射放射を回折放射として反射し、非アドレスエリアが、入射放射を非回折放射として反射することである。適切なフィルタを使用して、非回折放射が反射ビームから除去され、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームが、マトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターン付けされる。必要とされるマトリックスアドレッシングは、適切な電子手段を使用して行うことができる。そのようなミラーアレイに関するより多くの情報を、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,296,891号及び第5,523,193号から収集することができる。
-プログラマブルLCDアレイ。そのような構造の例が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,229,872号で与えられる。
【0019】
[0036] 簡単な導入部として、
図1は、例示的リソグラフィ投影装置10Aを示す。主なコンポーネントは、深紫外線エキシマレーザ源、又は極端紫外線(EUV)源を含む他のタイプのソースでもよい放射源12A(上記で説明するように、リソグラフィ投影装置自体は、放射源を有する必要がない)と、部分コヒーレンス(シグマで表す)を定義し、並びにソース12Aからの放射を整形する光学系14A、16Aa、及び16Abを含み得る照明光学系と;パターニングデバイス14Aと;パターニングデバイスパターンの像を基板面22A上に投影する透過光学系16Acとである。投影光学系の瞳面における調節可能フィルタ又はアパーチャ20Aは、基板面22Aに衝突するビーム角の範囲を制限することができ、ここで、可能な最大角が、投影光学系の開口数NA=nsin(Θ
max)を定義し、nは、投影光学系の最後の素子と基板との間の媒体の屈折率であり、Θ
maxは、まだ基板面22Aに衝突し得る投影光学系から出るビームの最大角である。放射源12Aからの放射は、必ずしも単一波長である必要はない。代わりに、放射は、異なる波長の範囲であってもよい。異なる波長の範囲は、「結像帯域幅」、「放射源帯域幅」、又は単に「帯域幅」と呼ばれる量によって特徴付けられる場合があり、これらは本明細書において同義で使用される。小さな帯域幅は、放射源、パターニングデバイス、及び投影光学系の光学系(例えば、光学系14A、16Aa、及び16Ab)を含む下流コンポーネントの色収差及び関連するフォーカスエラーを低減させ得る。しかしながら、それは必ずしも、帯域幅を拡大してはいけないというルールにつながるわけではない。
【0020】
[0037] システムの最適化プロセスでは、システムの性能指数を費用関数として表すことができる。最適化プロセスは、費用関数を最適化する(例えば、最小化する又は最大化する)システムのパラメータ(設計変数)の組を見つけるプロセスに要約される。費用関数は、最適化のゴールに応じて、任意の適切な形式をしていることがある。例えば、費用関数は、システムの特定の特徴(評価ポイント)の、それらの特徴の意図した値(例えば、理想値)に対する偏差の重み付けされた二乗平均平方根(RMS)であり得る。費用関数は、それらの偏差の最大値(即ち、最も悪い偏差)であり得る。本明細書において「評価ポイント」という用語は、システムの任意の特徴を含むように広く解釈されるべきである。システムの設計変数は、システムの実装の実現性に起因して、有限の範囲に制限されたり、及び/又は相互依存したりすることがある。リソグラフィ投影装置の場合、制約は、調節可能範囲などのハードウェアの物理的特性及び特徴、及び/又はパターニングデバイス製造可能性設計ルールに関連していることが多く、評価ポイントは、基板上のレジスト像上の物理的ポイント、並びにドーズ及び焦点などの非物理的な特徴を含むことがある。
【0021】
[0038] リソグラフィ投影装置では、放射源は、照明(すなわち、放射)をパターニングデバイスに提供し、投影光学系は、パターニングデバイスを介して、基板上へと照明の誘導及び整形を行う。「投影光学系」という用語は、ここでは、放射ビームの波面を変化させることができる任意の光学コンポーネントを含むように、広く定義される。例えば、投影光学系は、コンポーネント14A、16Aa、16Ab、及び16Acのうちの少なくとも幾つかを含むことがある。空間像(AI)は、基板レベルにおける放射強度分布である。基板上のレジスト層が露光され、空間像が、その中の潜在的な「レジスト像」(RI)としてレジスト層に転写される。レジスト像(RI)は、レジスト層におけるレジストの溶解度の空間分布として定義することができる。レジストモデルを使用して、空間像からレジスト像を計算することができ、その一例は、その開示内容が全体として本明細書に援用される、米国特許出願公開第2009-0157360号に見つけることができる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、PEB、及び現像中に生じる化学プロセスの影響)にのみ関係する。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、放射源、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が、空間像を決定付ける。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更され得るので、パターニングデバイスの光学特性を、少なくともソース及び投影光学系を含む、リソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から切り離すことが望ましい。
【0022】
[0039] リソグラフィ投影装置においてリソグラフィをシミュレーションするための例示的フローチャートを
図2に示す。放射源モデル31は、放射源の光学特徴(放射強度分布、帯域幅及び/又は位相分布を含む)を表す。投影光学系モデル32は、投影光学系の光学特徴(投影光学系によって生じた放射強度分布及び/又は位相分布に対する変化を含む)を表す。設計レイアウトモデル35は、設計レイアウト(これは、パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスによって形成されるフィーチャの配置の表現である)の光学特徴(所与の設計レイアウト33によって生じた放射強度分布及び/又は位相分布に対する変化を含む)を表す。空間像36は、設計レイアウトモデル35、投影光学系モデル32、及び設計レイアウトモデル35を用いてシミュレーションされることが可能である。レジスト像38は、レジストモデル37を用いて空間像36からシミュレーションされることが可能である。例えば、リソグラフィのシミュレーションは、レジスト像のコンター及びCDを予測することができる。
【0023】
[0040] より具体的には、放射源モデル31は、限定するものではないが、開口数設定、照明シグマ(σ)設定、及び任意の特定の照明形状(例えば、環状、四極、ダイポールなどのオフアクシス放射源)を含む放射源の光学特徴を表し得ることに留意されたい。投影光学系モデル32は、収差、歪み、1つ又は複数の屈折率、1つ又は複数の物理的サイズ、1つ又は複数の物理的寸法などを含む投影光学系の光学特徴を表し得る。設計レイアウトモデル35は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第7,587,704号に記載されるような、物理的パターニングデバイスの1つ又は複数の物理的特性を表し得る。シミュレーションの目的は、例えば、エッジ配置、空間像強度傾き、及び/又はCDを正確に予測することであり、これらは、その後、意図した設計と比較され得る。意図した設計は、一般に、GDSII、又はOASIS、又は他のファイルフォーマットなどの標準デジタルファイルフォーマットで提供され得るプリOPC設計レイアウトとして定義される。
【0024】
[0041] この設計レイアウトから、1つ又は複数の部分(これらは、「クリップ」と呼ばれる)を識別することができる。ある実施形態では、設計レイアウト内の複雑なパターンを表すクリップの一セットが抽出される(任意の数のクリップが使用され得るが、一般的に約50~1000個のクリップ)。これらのパターン又はクリップは、設計の小さな部分(すなわち、回路、セル、又はパターン)を表し、より具体的にはクリップは通常特別な注意及び/又は検証が必要とされる小さな部分を表す。つまり、クリップは、設計レイアウトの部分でもよく、又は類似していてもよく、又は1つ若しくは複数のクリティカルフィーチャが、経験(顧客によって提供されたクリップを含む)によって、試行錯誤によって、若しくはフルチップシミュレーションを実行することによって識別される設計レイアウトの部分の類似挙動を有してもよい。クリップは、1つ又は複数のテストパターン又はゲージパターンを含み得る。
【0025】
[0042] 初期のより大きなクリップの組が、特定の像最適化を必要とする設計レイアウト内の1つ又は複数の既知のクリティカルフィーチャエリアに基づいて、顧客によって先験的に提供されることがある。或いは、別の実施形態では、初期のより大きなクリップの組は、1つ又は複数のクリティカルフィーチャエリアを識別するある種の自動的な(機械視覚などの)又は手動のアルゴリズムを使用することによって、設計レイアウト全体から抽出されることがある。
【0026】
[0043] 上記で説明したように、放射源の帯域幅は、放射源のハードウェアが可能な限り小さく維持される必要はない。帯域幅は、追加の設計変数として使用することができ、これは、リソグラフィプロセスの更なる柔軟性又は改善をもたらし得る。放射源モデル31が表す光学特徴は、帯域幅を含み得る。帯域幅を広げる効果の例については、
図5に関連して論じる。
【0027】
[0044]
図3Aは、帯域幅の2つの定義を模式的に示す。他の定義も可能である。1つ目は、半値全幅(FWHM)帯域幅310である。FWHM帯域幅とは、その名の通り、(放射源からの)放射源放射の放出ピークの高さの半分の放出ピークの幅のことである。このFWHM帯域幅310は、放射源放射スペクトル及びその半強度での変化の一般的表現を伝えるが、スペクトル形状を特徴付けるものではない。2つ目は、E95帯域幅320である。E95帯域幅は、放射源放射の積算エネルギーの95%を含むスペクトル幅である。E95帯域幅は、スペクトル形状に関するより多くの情報を提供し、スペクトル背景強度の小さな変化に対して非常に敏感である。
図3Bは、規格化積算エネルギー(縦軸)を波長(横軸)の関数として示した曲線である。E95帯域幅は、放射源放射の積算エネルギーの2.5%~97.5%のスペクトル幅である。
【0028】
[0045] 帯域幅は、様々な目的のために、別の設計変数として調節することができる。例えば、帯域幅は、画質、例えばコントラスト(像対数勾配(ILS)及び/又は規格化像対数勾配(NILS)などの1つ又は複数のメトリックによって特徴付けられ、この場合、ILS又はNILSが高いほど鮮明な像を示す)を向上させるため、別の設計変数(例えば、焦点深度、露光寛容度)に対する寛容度を高めるため、プロセスウィンドウのサイズを拡大するため、及び/又は基板全体のクリティカルディメンジョン均一性(CDU)若しくは基板上の局所CDUを改善するために調節することができる。一実施形態では、ILS又はNILSは、像内の所与の位置における像強度の関数である。例えば、明から暗への遷移における像の急峻度を測定する位置の関数(dI/dx)として像強度の傾きを計算し、更にその傾きを強度Iで割って像対数勾配を計算することができる。一実施形態では、像対数勾配は、フィーチャの幾何学的特徴(例えば、公称ライン幅)を乗算して、像のNILSを計算することができる。帯域幅は、放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大され得る。
【0029】
[0046] 設計変数に制約がある状況では、帯域幅が調節されることを可能にすることにより、柔軟性が増し、制約にもかかわらず、リソグラフィプロセスが改善され得る。例えば、パターニングデバイスの製造後に、その設計レイアウトは、おそらく調節することはできない。つまり、設計変数には、最適化においてパターニングデバイスのいかなる幾何学的特徴も変化することは許されないという制約がある。本明細書で使用される場合、「パターニングデバイスの幾何学的特徴」という用語は、パターニングデバイスの設計レイアウトの形状及び/又はサイズの特徴を意味する。帯域幅が調節されることを可能にすることなく、パターニングデバイスを製造する前に照明が最適化(例えば、単独で最適化、又はパターニングデバイス及び/又は投影光学系と一緒に共同最適化)された場合でも、パターニングデバイスの製造後に、帯域幅の変更を可能にすることと組み合わせて、照明、投影光学系、パターニングデバイスの非幾何学的特徴、又はそれらの組み合わせを再最適化することにより、パターニングデバイスがそれ以上調節できないにもかかわらず、リソグラフィプロセスを改善し得る。
【0030】
[0047]
図4は、帯域幅を変更する効果の一例を示す。この例では、E95帯域幅を200fmから400fmまで50nm刻みで変化させ、その結果として、NILSが低減する。この例では、ドーズ量は不変である。
図4の横軸は、焦点を示す。
【0031】
[0048]
図5は、帯域幅を変更する効果の別の例を示す。この例では、E95帯域幅を100fmから400fmまで100fm刻みで変化させ、その結果として、露光寛容度(EL%)が低下し、焦点深度(DOF)が増す。これは、露光寛容度を向上させる必要はないが、より深い焦点深度を必要とする場合に有用であり得る。帯域幅を広げることにより、露光寛容度を犠牲にして、より深い焦点深度が可能となる。ハードウェアが実現可能な最小値に帯域幅が常に固定されている場合、この柔軟性は得られないかもしれない。
【0032】
[0049] 更に、偏光にも効果がある。例えば、同じ方向に伸びたフィーチャのアレイの場合、低帯域幅(例えば、300fm以上と比較して200fm)及びTE偏光を、低帯域幅(例えば、200fm)及びXY偏光と比較して使用して、最良の結果を得ることができる。
【0033】
[0050] 更に、帯域幅制限は、公称波長に対して対称である必要はない。例えば、帯域幅の境界の一端は、境界の他端よりも公称波長から更に遠い場合がある。従って、帯域幅制限の対称性(例えば、帯域幅制限の一端が帯域幅制限の他端よりも公称波長から更に遠いか否か)は、最適化において評価することができ、即ち変動し得る。
【0034】
[0051] 更に、帯域幅の分布は、例えば、ガウス分布とは異なり得る。従って、公称波長付近の帯域幅の分布(例えば、非ガウス分布への変化)は、最適化において評価することができ、即ち変動し得る。
【0035】
[0052] 帯域幅のサイズ、制限、分布などは、例えば、適切な調整装置によって、放射源(例えば、レーザ)において調整することができる。例えば、(例えば可動プリズムを有する)ライン狭隘化モジュール及び/又はディザリング装置により、帯域幅のサイズ、制限、分布などを変更することができる。
【0036】
[0053] チップの製造が、リソグラフィにおけるレーザ源の使用を7nm以下のノードに拡張し続けるにつれて、以前はウェーハのパターニングの成功にとって重要ではなかった変数が、より大きな影響を与えるようになり、その悪影響を最小限に抑えるための解決策が必要とされる。例えば、マスクパターンを照明し、フォトレジストをコーティングしたウェーハ上にマスクフィーチャを投影するために使用されるエキシマレーザ光源は、現在、スペックルと呼ばれる自己干渉現象の潜在的影響を示している。スペックルは、局所照明の不均一性をもたらし、これは次に、フォトレジストの不均一な露光をもたらし、及びパターン忠実性の低下をもたらし得る。
【0037】
[0054] スペックルは、コヒーレント光が、表面上のあるスポットに投影されたときに、互いに干渉しあって生じる。スポット内では、放射強度は、スポット内の散乱点の寄与が破壊的に干渉する場合は最も暗く、建設的に干渉する場合は最も明るく、ランダムに変動する。スポット内のこれらの強度変動がスペックルと呼ばれる。一実施形態では、スペックルは、リソグラフィプロセス中の局所ドーズ量変動をもたらす。スペックルの問題を解決するために、多くの場合、ディフューザ及び/又は可動光学素子によって、又は偏光の多様化により得られる角度の多様化に基づいて、多くの試みがなされてきた。
【0038】
[0055] いくつかの適用例では、スペックルは、クリティカルディメンジョン均一性(CDU)、例えば、主に局所的なCDU(LCDU)(例えば、設計レイアウトの一部又は検査ツールの視野に対応する)に影響を与え得る。一実施形態によれば、スペックルは、放射帯域幅又は放射パルス長を拡大することによって低減され得る。一実施形態では、スペックルにより局所CDU(LCDU)が低減した高画質を得るために、所与のパターンに対する放射源及び/又はマスクの再構成(例えば、SO又はSMOプロセスによる)と共に、放射帯域幅を拡大することができる。一実施形態では、レーザ帯域幅の拡大(これは、スペックルコントラストを低減させる)から結像コントラストを維持しつつ(例えば、標準的な300fm帯域幅における像コントラスト)、スペックルによるCDU及び局所CDUの低減を達成することができる。
【0039】
[0056] 本開示によるスペックル低減には、いくつかの利点がある。例えば、パルス長を拡大することにより、スペックルが低減し、これは次に、構造のライン幅粗さ(LWR)を低減させる。スペックル低減のために独立したスペックルパターンの数を増加させることは、局所CD変動の更なる低減を支援するためのパルスストレッチ及び/又は放射源帯域幅の拡大によって行うことができる。レーザの帯域幅を拡大することにより、スペックルが低減する。更に、帯域幅の拡大(例えば、標準的な300fm帯域幅を超える帯域幅)による像コントラストの損失を補償するための最適帯域幅設定を更に決定するために、結像瞳及びマスクOPC(SMO-OPC)の最適化並びに放射源のみ(SO)の最適化が行われ得る。
【0040】
[0057]
図6は、リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための方法600のフローチャートである。一実施形態では、リソグラフィプロセスの改善は、帯域幅及び/又はパルス持続時間を拡大すること、スペックルを低減させること、及び画質を維持することによって達成され得る。例えば、帯域幅は、標準的な300fm帯域幅、及び/又は標準的なパルス持続時間(例えば、150ns)よりも実質的に大きいパルス長延長(例えば、最大430ns)よりも大きくてもよい。一実施形態では、設計レイアウトの一部は、設計レイアウト全体、クリップ、クリティカルフィーチャを有することが知られている設計レイアウトのセクション、ホットスポット若しくはウォームスポットが識別された設計レイアウトのセクション、又はクリティカルフィーチャが識別された設計レイアウトのセクションから選択された1つ又は複数を含む。一実施形態では、方法600は、以下で更に詳細に論じるプロセスP602及びP604を含む。
【0041】
[0058] プロセスP602は、多変数費用関数を計算することを含み、これは、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数(例えば、z1、z2、…、zN)、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅(BW)の関数である多変数費用関数CFである。一実施形態では、費用関数CFは、式1又は本明細書で論じられる他の費用関数式として表すことができる。費用関数の計算の例は、本開示全体を通して説明される。一実施形態では、費用関数は、エッジ配置誤差(EPE)、パターン配置誤差(PPE)、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である。一実施形態では、費用関数は、EPE、CD、LCDU、スペックル特徴、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、マスクルールチェック、又はリソグラフィプロセスに関連する他の特徴の関数である。
【0042】
[0059] 一実施形態では、放射帯域幅は、設計変数として表現することができる。一実施形態では、放射帯域幅は、放射帯域幅の範囲、帯域幅の関数である変数の関数、又は帯域幅に影響を与える変数の関数によって特徴付けられ、変数は、リソグラフィプロセスの1つ又は複数の特徴を表す複数の設計変数のうちの1つ又は複数の関数である。一実施形態では、放射帯域幅は、
図3A及び
図3Bに関して論じたように、半値全幅(FWHM)帯域幅である。一実施形態では、放射帯域幅は、
図4及び
図5に関して論じたように、E95帯域幅である。一実施形態では、帯域幅は、標準的な帯域幅300fmより大きくてもよい。例えば、帯域幅は、400fm~1000fmの範囲であってもよい。一実施形態では、放射帯域幅は、放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大される。
【0043】
[0060] 一実施形態では、放射源は、リソグラフィプロセスで使用される放射を生成するコンポーネントである。一実施形態では、放射源は、リソグラフィプロセスで使用される放射を模倣するように構成された放射源モデルである。
【0044】
[0061] 一実施形態では、設計変数は、リソグラフィ装置の照明(例えば、強度、瞳形状など)、設計レイアウトの幾何学的特性(例えば、形状、サイズなど)、リソグラフィ装置の投影光学系、基板のレジスト(例えば、レジストの厚さ、レジストのタイプなど)、又はリソグラフィプロセスに関連する空間像若しくはレジスト像に関連する1つ又は複数の変数を含む。一実施形態では、空間像又はレジスト像は、シミュレートされた像である。設計変数の更なる例は、本明細書全体を通して説明される。例えば、SO及びSMOなどの異なるプロセス中に調節され得る設計変数については、
図10~13に関して論じる。
【0045】
[0062] プロセスP604は、終了条件が満たされるまで、設計変数の1つ又は複数を調節することにより、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することを含む。一実施形態では、終了条件は、リソグラフィプロセスに関連する画質を所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が、放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含む。スペックル特徴は、放射帯域幅の関数である。一実施形態では、再構成時に放射帯域幅を変更することができる。一実施形態では、画質は、リソグラフィプロセス中に生成された像の像コントラスト又は規格化像対数勾配(NILS)メトリック(フィーチャサイズに規格化される)によって特徴付けられ得る。一実施形態では、終了条件は、基板上のパターンに関連するエッジ配置誤差(EPE)を所望のEPE範囲内に維持することを更に含み得る。
図7は、NILSを最も良いNILSの所望の範囲内(例えば、最も良いNILSの3%未満)に維持しながら、スペックルコントラストを低減する例を示す。
【0046】
[0063] 一実施形態では、終了条件は、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0047】
[0064] 一実施形態では、費用関数は、Gauss-Newtonアルゴリズム、Levenberg-Marquardtアルゴリズム、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズム、勾配降下アルゴリズム、焼きなまし法アルゴリズム、内点アルゴリズム、及び遺伝的アルゴリズムから成る群から選択された方法によって最小化又は最大化することができる。
【0048】
[0065] 一実施形態では、終了は、スペックル特徴を含み、これは、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであってもよい。一実施形態では、スペックルは、局所ドーズ量変動を示す。
【0049】
[0066] 一実施形態では、スペックル特徴は、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであってもよく、スペックルコントラストは、再構成時に低減又は最小化される。一実施形態では、放射に関連するスペックルコントラストは、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減は、時間的コヒーレンス、空間的コヒーレンス、又はその両方を低減させることを含む。
【0050】
[0067] 一実施形態では、スペックルコントラストは、以下によって計算される。
【数2】
【0051】
[0068] 上記式において、λは放射源波長であり、Abeamは放射源サイズであり、Ωdivergenceは放射源発散度であり、TISは放射源の時間積分二乗(TIS)パルス長であり、cは光源であり、BWは放射帯域幅である。一実施形態では、放射帯域幅は、放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大される。
【0052】
[0069] スペックルコントラストの低減は、ビームサイズAbeamと放射源発散度Ωdivergenceとの積であるエタンデュを増加させることによって可能である。しかしながら、エタンデュを増加させるには、放射源の主要コンポーネントを大幅に再設計する必要があり、これはかなり複雑な試みである。一方、スペクトルレーザ帯域幅(BW)を拡大することは可能であるが、これは、像コントラストに悪影響を及ぼす。本開示によれば、スペックルコントラストの低減を実現するために、時間積分二乗(TIS)パルス長が拡大されてもよい。
【0053】
[0070] 上記式に基づき、空間スペックルコントラストを4%と仮定し、300fmの標準的帯域幅及びパルス持続時間130nsのE95を使用してスペックルコントラストを計算すると、スペックルコントラストは、約5.75である。一方、600fmの拡大帯域幅、及び430nsのパルス長延長で与えられるE95を使用した場合、スペックルコントラストは3.6であり、これは、標準的帯域幅と比較して約30%のスペックルコントラストの低減である。
【0054】
[0071] 別の例では、空間スペックルコントラストが3%と仮定し、300fmの標準的帯域幅及びパルス持続時間130nsのE95を使用してスペックルコントラストを計算すると、スペックルコントラストは、約5.25である。一方、600fmのBW及び430nsのパルス長延長で与えられるE95を使用した場合、スペックルコントラストは3.6であり、これは、約35%のスペックルコントラストの低減である。
【0055】
[0072] 実験結果に基づき、ベースラインパルスストレッチャ(例えば、130nsに制限される)と、最大約450nsまでパルス持続時間を延長するように構成されたパルスストレッチャとを比較すると、結果は、約450nsのパルス長を与えるパルスストレッチャが30%を超えるLWR(LCDU)の低減を実現することを示す。
【0056】
[0073] 一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴は、リソグラフィプロセス中に生成される像の像コントラスト、リソグラフィプロセスのプロセスウィンドウ、リソグラフィプロセスに関連する性能指標、及び/又はスペックル特徴及び放射源の帯域幅範囲などの放射源特徴のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0057】
[0074] 一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することは、放射源最適化又は放射源マスク最適化を行うことを含む。例えば、再構成は、リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、像コントラストを所望の範囲内に維持しながら(例えば、標準的帯域幅を使用する場合と比較して)スペックルコントラストを低減させるように、多変量費用関数を用いた放射源最適化を行うことを含む。別の例では、再構成は、リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、像コントラストを所望の範囲内に維持しながら(例えば、標準的帯域幅を使用する場合と比較して)スペックルコントラストを低減させるように、多変量費用関数を用いて放射源マスク共同最適化を行うことを含む。
図10~13は、本明細書で論じた費用関数(例えば、帯域幅を含む)並びに終了条件(例えば、スペックルコントラスト及び像コントラスト)を用いて修正することができるSO及びSMOの例示的なフローチャートを提供する。
【0058】
[0075] 一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数の再構成は、設計レイアウト又は設計レイアウトの一部に関連する像コントラストを、最も良い像コントラストの望ましい範囲(例えば、3%、5%、又は10%)内に維持する。例えば、
図7は、像コントラストの損失を最も良い像コントラストの3%以内に維持しながら、スペックルコントラストの大幅な低減(例えば、30%を超える)を示している。一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数の再構成は、設計変数の少なくとも1つの寛容度を高める。一実施形態では、寛容度は、焦点深度又は露光寛容度である。一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数の再構成は、プロセスウィンドウのサイズを拡大する。一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数の再構成は、終了条件が満たされるまで、放射源の放射帯域幅を最適化する。
【0059】
[0076] 一実施形態では、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数の再構成は、反復プロセスである。各反復は、(i)1つ又は複数の設計変数に摂動を起こさせることにより、リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルをシミュレートすることと、(ii)設計変数の値及びシミュレーション結果を用いて多変量費用関数を計算することと、(iii)終了条件が満たされるか否かを多変量費用関数に基づいて決定することと、(iv)終了条件が満たされないことに応答して、1つ又は複数の設計変数に更に摂動を起こさせて、ステップ(i)~(iv)を行うことと、を含む。
【0060】
[0077] 一実施形態では、リソグラフィプロセスを改善するために、最適な放射帯域幅を決定することができる。例えば、最適な放射帯域幅を決定するための方法は、多変数費用関数を計算することを含んでもよく、多変数費用関数は、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である。例えば、多変量費用関数を計算することは、
図6に関して論じたプロセスP602と同じでもよい。更に、本方法は、終了条件が満たされるまで、1つ又は複数の設計変数を調節することによって、最適な放射帯域幅を決定することを含む。終了条件は、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含む。スペックル特徴は、上述したように、放射帯域幅の関数である。
【0061】
[0078] 本明細書で論じるように、スペックル特徴は、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルは、局所ドーズ量変動を示す。スペックル特徴は、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストは、最適な帯域幅の決定時に低減又は最小化させられる。スペックルコントラストは、上述のスペックルコントラスト式を用いて計算される。
【0062】
[0079] また、本明細書で論じるように、費用関数は、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数であってもよい。一実施形態では、終了条件は、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含み得る。本明細書で論じるように、設計変数は、リソグラフィ装置の照明、設計レイアウトの幾何学的特性、リソグラフィ装置の投影光学系、基板のレジスト、又はリソグラフィプロセス中に生成された空間像若しくはレジスト像に関連する1つ又は複数の変数を含む。
【0063】
[0080]
図7は、40nm及び80nmピッチのフィーチャサイズに関して、スペックルコントラストとNILSとの間の例示的関係を帯域幅の関数として示す。データは、各帯域幅の変更に対して40nmのラインスペースフィーチャの組み合わせを訴えるSMO-OPCシミュレーションによる再構成によって生成される。Y1軸上の左側のグラフは、スペックルコントラスト対帯域幅(X軸)であり、Y2軸上の右側のグラフは、NILS対帯域幅(X軸)である。これらの結果は、スペックルコントラストが大幅に低減される一方で、NILSは維持されるか、又は最も良いNILSの3%未満の損失の損失を有することを実証する。更に、NILS値の損失を改善するために、更なるリソグラフィ関連の最適化(例えば、照明、レジストなど)が行われ得る。
【0064】
[0081]
図8A、
図8B、及び
図8Cは、一実施形態による、異なる帯域幅に対する放射源のみの最適化の結果を示す。一実施形態では、放射源は、マスク及びNILSを固定しながら、帯域幅を拡大するために再構成される。例えば、放射源瞳S1は、300fmの帯域幅に対応し、放射源瞳S2は、500fmの帯域幅に対応し、放射源瞳S3は、1000fmの帯域幅に対応する。放射源瞳S1、S2、及びS3の比較は、瞳の異なる部分で異なる強度(例えば、0(最も暗い/黒)から1(最も明るい/白)までの実数で表される)によって特徴付けられる形状などの異なる瞳特徴を示す。例えば、瞳S1の明るい部分は、瞳S2及びS3の明るい部分とそれぞれ異なる。それぞれの帯域幅に関する、このような瞳の変化は、リソグラフィプロセスの特徴を所望の範囲内に収まらせる。一実施形態では、マスクレイアウトを変更することなく放射源のみを最適化するこのオプションは、(例えば、リソグラフィ製造中の)マスクレイアウトの変更が高価又は複雑な作業ではない場合があるので、望ましいことがある。
【0065】
[0082]
図9A、
図9B、及び
図9Cは、一実施形態による、異なる帯域幅に対する放射源-マスク共同最適化の結果を示す。一実施形態では、NILSを所望の範囲内に維持するようにマスクレイアウト(例えば、主要フィーチャ間の距離)を修正しながら、帯域幅を拡大するために放射源が再構成される。
図9Aでは、放射源瞳S10と、距離d1を有するフィーチャを備えたマスクレイアウトM10とが、300fmの帯域幅に対応する。
図9Bでは、放射源瞳S20と、距離d2を有するフィーチャを備えたマスクレイアウトM20とが、600fmの帯域幅に対応する。
図9Cでは、放射源瞳S30とマスクレイアウトM30とが、1000fmの帯域幅に対応する。一実施形態では、マスクレイアウトM10、M20、及びM30におけるフィーチャ間の距離は、異なっていてもよい。例えば、距離d1>d2>d3である。放射源瞳S10、S20、及びS30を比較すると、放射源は、より明るい部分で差があり、このような瞳の変化は、それぞれ対応するマスクレイアウトM10、M20、及びM30との組み合わせにより、リソグラフィプロセスの特徴を所望の範囲内に収まらせる。
【0066】
[0083] 本開示によれば、開示される要素の組み合わせ及び副次的な組み合わせにより、別個の実施形態が構成される。例えば、第1の組み合わせは、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しつつ、スペックル仕様内でスペックル特徴を生じさせるように設計変数を修正することによって、リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善することを含む。副次的な組み合わせでは、リソグラフィプロセスの改善は、リソグラフィプロセスに関連するEPEも満たし得る。第2の組み合わせは、リソグラフィプロセスの1つ又は複数の特徴(例えば、EPE)を満たすために、放射源、マスク、又は放射源及びマスクの両方を再構成することを含む。第3の組み合わせは、スペックルを最小化し、及び像コントラストを最も良い像コントラストの所望の範囲(例えば、3%、5%、又は10%)内に維持することによって、最適化された帯域幅を決定することを含む。
【0067】
[0084] リソグラフィ投影装置において、一例として、費用関数は、以下のように表現することができる。
【数3】
ここで、(z
1、z
2、…、z
N)は、N個の設計変数又はそれらの値である。f
p(z
1、z
2、…、z
N)は、(z
1、z
2、…、z
N)の設計変数の値の組についての評価ポイントにおける特徴の実際の値と意図された値との間の差などの、設計変数(z
1、z
2、…、z
N)の関数であり得る。w
pは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)に関連付けられた重み定数である。他よりもよりクリティカルな評価ポイント又はパターンには、より高いw
p値が割り当てられ得る。発生回数がより多いパターン及び/又は評価ポイントにも、より高いw
p値が割り当てられ得る。評価ポイントの例は、基板上の任意の物理的ポイント若しくはパターン、仮想的な設計レイアウト、若しくはレジスト像、若しくは空間像上の任意のポイント、又はそれらの組み合わせであり得る。CF(z
1、z
2、…、z
N)は、帯域幅の関数、帯域幅の関数である変数又は帯域幅に影響を与える変数の関数であってもよく、この場合、その結果として、帯域幅又は変数は、設計変数(z
1、z
2、…、z
N)の関数(例えば、恒等関数)である。CF(z
1、z
2、…、z
N)は、帯域幅の陽関数であり得る。CF(z
1、z
2、…、z
N)は、帯域幅の関数である変数、又は帯域幅に影響を与える変数の陽関数であり得る。もちろん、CF(z
1、z
2、…、z
N)は、式1の形に限定されるものではない。CF(z
1、z
2、…、z
N)は、任意の他の適切な形であってもよい。
【0068】
[0085] 費用関数は、リソグラフィ投影装置、リソグラフィプロセス、又は基板の任意の1つ又は複数の適切な特徴、例えば、焦点、CD、像シフト、像歪み、像回転、確率的変動、スループット、局所CD変動、プロセスウィンドウ、又はそれらの組み合わせを表し得る。一実施形態では、設計変数(z1、z2、…、zN)は、ドーズ量、パターニングデバイスのグローバルバイアス、及び/又は照明の形状から選択された1つ又は複数を含む。一実施形態では、設計変数(z1、z2、…、zN)は、放射源の帯域幅を含む。基板上のパターンを決定づけるのはレジスト像であることが多いため、費用関数は、レジスト像の1つ又は複数の特徴を表す関数を含み得る。例えば、そのような評価ポイントのfp(z1、z2、…、zN)は、単純に、レジスト像におけるあるポイントと、そのポイントの意図された位置との間の距離(即ち、エッジ配置誤差EPEp(z1、z2、…、zN))であり得る。設計変数は、放射源(例えば帯域幅)、パターニングデバイス、投影光学系、ドーズ量、焦点などの調節可能パラメータなどの任意の調節可能パラメータを含み得る。
【0069】
[0086] リソグラフィ装置は、放射ビームの波面の形状及び強度分布及び/又は位相シフトを調節するために使用することができる、「波面マニピュレーター」と総称されるコンポーネントを含み得る。一実施形態では、リソグラフィ装置は、パターニングデバイスの前、瞳面の近く、像面の近く、及び/又は焦点面の近くなどのリソグラフィ投影装置の光路に沿った任意の場所で、波面及び強度分布を調節することができる。波面マニピュレーターを使用して、例えば、放射源、パターニングデバイス、リソグラフィ投影装置の温度変動、リソグラフィ投影装置のコンポーネントの熱膨張などにより引き起こされる、波面及び強度分布及び/又は位相シフトの特定の歪みを補正又は補償することができる。波面及び強度分布及び/又は位相シフトを調節することにより、評価ポイントの値及び費用関数の値を変更することができる。そのような変更は、モデルからシミュレートされ得るか、又は実際に測定され得る。
【0070】
[0087] 設計変数には制約があることがあり、これは、(z1、z2、…、zN)∈Zと表現することができ、ここで、Zは設計変数の可能な値の組である。一実施形態では、設計変数は帯域幅であり得、制約はスペックル特徴であり得る。設計変数に対する可能な制約の1つは、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって課されることがある。所望のスループットにより課されるそのような制約がなければ、最適化により、非現実的な設計変数の値の組が生成される場合がある。例えば、ドーズ量が設計変数である場合、そのような制約がなければ、最適化により、スループットを経済的に不可能にするドーズ量値が生成される場合がある。しかしながら、制約の有用性は、必要と解釈されるべきではない。例えば、スループットは、瞳充填率に影響される場合がある。照明設計によっては、瞳充填率が低いと、放射を廃棄してしまい、スループットの低下に至る場合がある。スループットは、レジストの化学的性質によっても影響を受ける場合がある。より時間のかかるレジスト(例えば、適切に露光されるためにより多くの放射量を必要とするレジスト)は、スループットの低下をもたらす。一実施形態では、設計変数の制約は、設計変数がパターニングデバイスの幾何学的特徴を変更する値を持つことができないようなものであり、つまり、最適化中に、パターニングデバイスのパターンは、変化しないままである。
【0071】
[0088] 従って、最適化プロセスは、制約(z
1、z
2、…、z
N)∈Zの下で、費用関数を最適化する1つ又は複数の設計変数の値の組を求めることであり、例えば、以下を求めることである。
【数4】
一実施形態による最適化の一般的な方法を
図10に示す。この方法は、複数の設計変数の多変数費用関数を定義するステップS302を含む。設計変数は、照明の1つ又は複数の特徴(300A)(例えば、瞳充填率、即ち、瞳又はアパーチャを通過する照明の放射のパーセンテージ)、投影光学系の1つ又は複数の特徴(300B)、及び/又は設計レイアウトの1つ又は複数の特徴(300C)を表す設計変数から選択された任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、設計変数は、照明の1つ又は複数の特徴(300A)(例えば、帯域幅である、又は帯域幅を含む)及び設計レイアウトの1つ又は複数の特徴(300C)(例えば、グローバルバイアス)を表すが、投影光学系の1つ又は複数の特徴(300B)は表さない設計変数を含むことがあり、これは、照明-パターニングデバイス(例えばマスク)最適化(「放射源-マスク最適化」又はSMO)をもたらす。或いは、設計変数は、照明の1つ又は複数の特徴(300A)(任意選択的に偏光)、投影光学系の1つ又は複数の特徴(300B)、及び設計レイアウトの1つ又は複数の特徴(300C)を表す設計変数を含むことがあり、これは、照明-パターニングデバイス(例えばマスク)-投影システム(例えばレンズ)最適化(「放射源-マスク-レンズ最適化」又はSMLO)をもたらす。或いは、設計変数は、照明の1つ若しくは複数の特徴(300A)(例えば、帯域幅である、若しくは帯域幅を含む)、パターニングデバイスの1つ若しくは複数の非幾何学的特徴、又は投影光学系の1つ若しくは複数の特徴(300B)を表す設計変数を含むが、パターニングデバイスの幾何学的特徴は含まないことがある。ステップS304では、費用関数が収束に向けて動くように、複数の設計変数が同時に調節される。一実施形態では、全ての設計変数が同時に調節されなくてもよい。各設計変数は、個々に調節することもできる。ステップS306では、事前に定義された終了条件が満たされているか否かが決定される。所定の終了条件には、様々な可能性、例えば、費用関数が、使用される数値的技法によって必要とされる通りに最小化若しくは最大化されること、費用関数の値が閾値と等しいか、若しくは閾値を超えること、費用関数の値が予め設定された誤差限度内に達すること、及び/又は予め設定された反復回数に達することから選択された1つ又は複数を含み得る。ステップS306において条件が満たされた場合に、この方法は終了する。ステップS306において1つ又は複数の条件が満たされていない場合、ステップS304及びS306は、所望の結果が得られるまで、反復して繰り返される。最適化は、必ずしも、1つ又は複数の設計変数の値の単一の組をもたらすとは限らず、その理由は、瞳充填率、レジストの化学的性質、スループットなどの要因によって生じる物理的制約が存在し得るからである。最適化は、1つ又は複数の設計変数及び関連した性能特徴(例えば、スループット)の値の複数の組を提供する場合があり、リソグラフィ装置のユーザが1つ又は複数の組を選択することを可能にする。
【0072】
[0089] 設計変数の異なるサブセット(例えば、照明の特徴を含む1つのサブセット、パターニングデバイスの特徴を含む1つのサブセット、及び投影光学系の特徴を含む1つのサブセット)は、選択的に最適化することができ(選択的最適化(Alternative Optimization)と呼ばれる)、又は同時に最適化することができる(同時最適化と呼ばれる)。従って、設計変数の2つのサブセットが「同時に」又は「一緒に」最適化されるとは、2つのサブセットの設計変数が同時に変化できることを意味する。設計変数の2つのサブセットが「選択的に」最適化されるとは、本明細書で使用される場合、第1の最適化においては、第2のサブセットではなく第1のサブセットの設計変数が変化でき、その後、第2の最適化においては、第1のサブセットではなく第2のサブセットの設計変数が変化できることを意味する。
【0073】
[0090]
図10では、全ての設計変数の最適化が同時に実行されている。そのようなフローは、同時フロー又は共同最適化フローと呼ばれることがある。代替的に、全ての設計変数の最適化は、
図11に示されるように、選択的に実行される。このフローでは、各ステップにおいて、一部の設計変数が固定されている一方で、他の設計変数は、費用関数を最適化するように最適化され、次いで、次のステップにおいて、変数の異なる組が固定される一方で、他の変数が、費用関数を最小化又は最大化するように最適化される。これらのステップは、収束又は特定の終了条件が満たされるまで、選択的に実行される。
図11の非限定的なフローチャートの例に示すように、まず、設計レイアウト(ステップS402)が取得され、次いで、照明最適化のステップがステップS404において実行され、ここでは、照明の1つ又は複数の設計変数(例えば、帯域幅)は、他の設計変数が固定されている間に、費用関数を最小化又は最大化するように最適化される(SO)。次いで、次のステップS406において、投影光学系最適化(LO)が行われ、ここでは、投影光学系の設計変数は、他の設計変数が固定されている間に、費用関数を最小化又は最大化するように最適化される。これらの2つのステップは、ステップS408で特定の終了条件が満たされるまで、選択的に実行される。費用関数の値が閾値に等しくなること、費用関数の値が閾値を超えること、費用関数の値が予め設定された誤差限度内に達すること、予め設定された反復回数に達することなどの1つ又は複数の様々な終了条件を使用することができる。なお、選択的フローの一例として、SO-LO-選択的最適化が使用されている。別の例として、帯域幅の変更を可能にすることなく、第1の照明-パターニングデバイス共同最適化(SMO)又は照明-パターニングデバイス-投影光学系共同最適化(SMLO)が実行され、その後に、帯域幅の変更を可能にする第2のSO又は照明-投影光学系共同最適化(SLO)が続き得る。最終的に、最適化結果の出力がステップS410で取得され、プロセスが停止する。
【0074】
[0091] 前述のように、パターン選択アルゴリズムが、同時最適化又は選択的最適化と統合されていることがある。例えば、選択的最適化が採用されている場合、まず、フルチップSOを実施することができ、1つ又は複数の「ホットスポット」及び/又は「ウォームスポット」を特定し、次いで、LOを実施する。本開示を考慮すると、所望の最適化結果を達成するために、副次的な最適化の多数の並べ換え及び組み合わせが可能である。
【0075】
[0092]
図12Aは、最適化の1つの例示的な方法を示しており、ここでは、費用関数が最小化され又は最大化される。ステップS502では、1つ又は複数の設計変数の初期値が、もしあれば1つ又は複数の関連する調節範囲を含めて、取得される。ステップS504では、多変数費用関数が設定される。ステップS506では、費用関数は、最初の反復ステップ(i=0)に関する1つ又は複数の設計変数の開始ポイント値の周りの十分に小さい近傍の中で展開される。ステップS508では、標準的な多変数最適化技法を費用関数に適用する。なお、最適化の問題は、S508における最適化プロセス中又は最適化プロセスの後の段階で、1つ又は複数の調節範囲などの制約を加えることがある。ステップS520は、リソグラフィプロセスを最適化するように選択された、特定された評価ポイントの1つ又は複数の所与のテストパターン(「ゲージ」としても知られる)に対して、各反復が行われたことを示す。ステップS510では、リソグラフィ応答が予測される。ステップS512では、ステップS510の結果が、ステップS522で得られる所望の又は理想的なリソグラフィ応答値と比較される。ステップS514で終了条件が満たされた場合、即ち、最適化により所望の値に十分に近いリソグラフィ応答値が生成された場合、設計変数の最終値がステップS518で出力される。出力ステップは、設計変数の最終値を使用して1つ又は複数の他の関数を出力すること、例えば、瞳面(又は他の面)における波面収差調節済マップ、最適化された照明マップ、及び/又は最適化された設計レイアウトなど、を出力すること、も含むことがある。終了条件が満たされていない場合、ステップS516で、1つ又は複数の設計変数の値が、i番目の反復の結果を用いて更新され、プロセスはステップS506に戻る。
図12Aのプロセスについては、以下で詳細に説明する。
【0076】
[0093] 例示的な最適化プロセスでは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)が十分に滑らかである(例えば、1次導関数
【数5】
(n=1、2、…N)が存在する)という点を除き(これは、一般的に、リソグラフィ投影装置において有効である)、設計変数(z
1、z
2、…、z
N)とf
p(z
1、z
2、…、z
N)との間には何の関係性も仮定又は近似されない。Gauss-Newtonアルゴリズム、Levenberg-Marquardtアルゴリズム、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズム、勾配降下アルゴリズム、焼きなまし法アルゴリズム、内点アルゴリズム、及び遺伝的アルゴリズムなどのアルゴリズムを、
【数6】
を求めるために適用することができる。
【0077】
[0094] ここでは、Gauss-Newtonアルゴリズムを例として使用する。Gauss-Newtonアルゴリズムは、一般的な非線形多変数最適化問題に適用できる反復的な方法である。設計変数(z1、z2、…、zN)が(z1i、z2i、…、zNi)の値を取るi番目の反復では、Gauss-Newtonアルゴリズムは、(z1i、z2i、…、zNi)の近傍でfp(z1、z2、…、zN)を線形化し、次いで、CF(z1、z2、…、zN)の最小値を与える、(z1i、z2i、…、zNi)の近傍での値(z1(i+1)、z2(i+1)、…、zN(i+1))を計算する。設計変数(z1、z2、…、zN)は、(i+1)番目の反復では、(z1(i+1)、z2(i+1)、…、zN(i+1))の値を取る。この反復は、収束する(即ち、CF(z1、z2、…、zN)がそれ以上減少しない)か、又は予め設定された反復回数に達するまで、続けられる。
【0078】
[0095] 具体的には、i番目の反復では、(z
1i、z
2i、…、z
Ni)の近傍で、
【数7】
である。
【0079】
[0096] 式3の近似の下では、費用関数は以下のようになる。
【数8】
これは、設計変数(z
1、z
2、…、z
N)の2次関数である。設計変数(z
1、z
2、…、z
N)を除いて、各項は一定である。
【0080】
[0097] 設計変数(z
1、z
2、…、z
N)がいかなる制約の下にもない場合、(z
1(i+1)、z
2(i+1)、…、z
N(i+1))は、以下のN個の1次方程式を解くことによって、導出することができる。
【数9】
、但し、n=1、2、…、Nである。
【0081】
[0098] 設計変数(z
1、z
2、…、z
N)が、J個の不等式(例えば、(z
1、z
2、…、z
N)の調節範囲)
【数10】
(但し、j=1、2、…、J)、及び、K個の等式(例えば、設計変数間の相互依存性)
【数11】
(但し、k=1、2、…、K)の形をした制約下にある場合、最適化プロセスは、典型的な2次計画問題になり、ここで、A
nj、B
j、C
nk、D
kは定数である。反復毎に、追加の制約が課されることがある。例えば、式3の近似が有効であるように、「減衰係数」Δ
Dを導入して、(z
1(i+1)、z
2(i+1)、…、z
N(i+1))と(z
1i、z
2i、…、z
Ni)との間の差を制限することができる。そのような制約は、z
ni-Δ
D≦z
n≦z
ni+Δ
Dと表すことができる。(z
1(i+1)、z
2(i+1)、…、z
N(i+1))は、例えば、Jorge Nocedal and Stephen J. Wright (Berlin New York: Vandenberghe. Cambridge University Press)による、Numerical Optimization(2
nd ed.)に記載されている方法を使用して導出することができる。
【0082】
[0099] f
p(z
1、z
2、…、z
N)のRMSを最小化する代わりに、最適化プロセスは、意図した値に対する評価ポイント中の最大偏差(最も悪い欠陥)の大きさを最小化することができる。この方式では、費用関数は代替的に、以下のように表現することができる。
【数12】
ここで、CL
pは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)に対する最大許容値である。この費用関数は、評価ポイント中の最も悪い欠陥を表す。この費用関数を使用した最適化は、最も悪い欠陥の大きさを最小化する。この最適化には、反復的貪欲法を使用することができる。
【0083】
[00100] 式5の費用関数は、以下のように近似することができる。
【数13】
ここで、qは、少なくとも4、又は少なくとも10などの偶数の正の整数である。式6は、最適化を分析的に実行すること、及び最深降下法、共役勾配法などの方法を使用することにより最適化を加速させることを可能にしながら、式5の挙動を模倣する。
【0084】
[00101] 最も悪い欠陥のサイズを最小化することは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)の線形化と組み合わせることもできる。具体的には、f
p(z
1、z
2、…、z
N)は、式3のように近似される。次いで、最も悪い欠陥のサイズに対する制約は、不等式E
Lp≦f
p(z
1、z
2、…、z
N)≦E
Upと記述され、ここで、E
Lp及びE
Upは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)の最小及び最大許容偏差を規定する2つの定数である。式3を代入すると、これらの制約は、p=1、…、Pについて、以下のように変換される。
【数14】
及び
【数15】
【0085】
[00102] 式3は、一般的に、(z1、z2、…、zN)の近傍でのみ有効であるので、そのような近傍で所望の制約ELp≦fp(z1、z2、…、zN)≦EUpを達成することができない場合(これは、不等式間の何らかの矛盾によって決定され得る)、定数ELp及びEUpは、制約が達成可能になるまで、緩和され得る。この最適化プロセスは、(z1、z2、…、zN)、iの近傍で最も悪い欠陥のサイズを最小化する。このとき、各ステップは、最も悪い欠陥のサイズを徐々に縮小し、各ステップは、特定の終了条件が満たされるまで、反復して実行される。これにより、最も悪い欠陥のサイズが最適に縮小される。
【0086】
[00103] 最も悪い欠陥を最小化する別の方法は、各反復において重みwpを調節することである。例えば、i番目の反復の後で、r番目の評価ポイントが最も悪い欠陥である場合、その評価ポイントの欠陥サイズを縮小することに対して、より高い優先度が与えられるように、wrを、(i+1)番目の反復において増加させることができる。
【0087】
[00104] 更に、Lagrange未定乗数法を導入することにより、式4及び式5の費用関数を修正して、欠陥サイズのRMSの最適化と最も悪い欠陥のサイズの最適化との間で折り合いをつけることができ、即ち、
【数16】
であり、ここで、λは、欠陥サイズのRMSの最適化と最も悪い欠陥のサイズの最適化との間のトレードオフを規定する、予め設定された定数である。特に、λ=0の場合、これは式4になり、欠陥サイズのRMSだけが最小化される。一方、λ=1の場合、これは式5になり、最も悪い欠陥のサイズだけが最小化される。0<λ<1の場合、両方が、最適化において考慮に入れられる。そのような最適化は、複数の方法を使用して解決することができる。例えば、各反復における重み付けは、前述したものと同様に、調節することができる。代替的に、不等式から最も悪い欠陥のサイズを最小化するのと同様に、式6’及び式6’’の不等式は、2次計画問題の解決中の設計変数の制約と見なすことができる。次いで、最も悪い欠陥のサイズの境界は、段階的に緩和されるか、又は最も悪い欠陥のサイズの重みを段階的に増加させ、全ての実現可能な最も悪い欠陥のサイズの費用関数値を計算し、合計費用関数を最小化する設計変数値を、次のステップのための初期ポイントとして選択することができる。これを反復して行うことにより、この新しい費用関数の最小化を達成することができる。
【0088】
[00105] リソグラフィ投影装置を最適化することにより、プロセスウィンドウを拡大することができる。プロセスウィンドウがより大きいほど、プロセス設計及びチップ設計における柔軟性がより高くなる。プロセスウィンドウは、例えば、レジスト像がレジスト像の設計ターゲットの特定の限界範囲内にある強度値に固有の焦点、ドーズ量、収差、レーザ帯域幅(例えば、E95又は(λmin~λmax)、及びフェア(fare)の組として定義することができる。なお、ここで論じる全ての方法は、露光ドーズ及び焦点はずれに対して異なる又は追加の基本パラメータにより確立することができる一般化されたプロセスウィンドウ定義に拡張することもできる。これらには、NA、シグマ、収差、偏光、又はレジスト層の光学定数などの光学設定が含まれることがあるが、これらに限定はされない。例えば、前述のように、プロセスウィンドウ(PW)が異なるパターニングデバイスパターンバイアス(マスクバイアス)も含む場合、最適化は、マスクエラーエンハンスメントファクター(MEEF)の最小化を含み、MEEFは、基板エッジ配置誤差(EPE)と誘発されるパターニングデバイスパターンエッジバイアスとの間の比率として定義される。焦点及びドーズ量値に対して定義されるプロセスウィンドウは、本開示では、単なる例として機能する。
【0089】
[00106] 一実施形態による、例えばドーズ量及び焦点をパラメータとして使用してプロセスウィンドウを最大化する方法について、以下に説明する。第1のステップでは、プロセスウィンドウにおける既知の条件(f
0、ε
0)から開始し、ここで、f
0は公称焦点であり、ε
0は公称ドーズ量であり、近傍(f
0±Δf、ε
0±ε)での以下の費用関数のうちの1つを最小化する。
【数17】
又は
【数18】
又は
【数19】
【0090】
[00107] 公称焦点f0及び公称ドーズ量ε0がシフト可能である場合、それらは、設計変数(z1、z2、…、zN)と一緒に最適化することができる。次のステップでは、費用関数が予め設定された制限内にあるような(z1、z2、…、zN、f、ε)の値の組を見つけられた場合、(f0±Δf、ε0±ε)がプロセスウィンドウの一部として受け入れられる。
【0091】
[00108] 焦点及びドーズ量がシフト可能ではない場合、設計変数(z1、z2、…、zN)は、焦点及びドーズ量を公称焦点f0及び公称ドーズ量ε0に固定して、最適化される。代替実施形態では、費用関数が予め設定された制限内にあるような(z1、z2、…、zN)の値の組を見つけられた場合、(f0±Δf、ε0±ε)がプロセスウィンドウの一部として受け入れられる。
【0092】
[00109] 本開示で前述した方法を使用して、式7、式7’、又は式7’’のそれぞれの費用関数を最小化することができる。設計変数が、投影光学系の1つ又は複数の特徴、例えばZernike係数などを表す場合、式7、式7’、又は式7’’の費用関数を最小化することにより、投影光学系最適化、即ちLOに基づいてプロセスウィンドウが最大化される。設計変数が、投影光学系の特徴に加えて、照明及びパターニングデバイスの1つ又は複数の特徴を表す場合、式7、式7’、又は式7’’の費用関数を最小化することにより、
図10に示されるように、SMLOに基づいてプロセスウィンドウが最大化される。設計変数が放射源及びパターニングデバイスの1つ又は複数の特徴を表す場合、式7、式7’、又は式7’’の費用関数を最小化することにより、SMOに基づいてプロセスウィンドウが最大化される。式7、式7’、又は式7’’の費用関数は、帯域幅の関数である、本明細書に記載されるものなどの少なくとも1つのf
p(z
1、z
2、…、z
N)も含み得る。
【0093】
[00110]
図13は、同時SMLOプロセスがどのように勾配ベースの最適化(例えば、準ニュートン又はGauss Newtonアルゴリズム)を使用することができるかの特定の例の1つを示す。ステップS702では、1つ又は複数の設計変数の開始値が識別される。変数毎の調節範囲も識別され得る。ステップS704では、1つ又は複数の設計変数を使用して費用関数が定義される。ステップS706では、費用関数が、設計レイアウト内の全ての評価ポイントの開始値の周りで展開される。ステップS708では、費用関数を最小化又は最大化するために、適切な最適化技術が適用される。オプションのステップS710では、フルチップ設計レイアウト内の全てのクリティカルパターンをカバーするために、フルチップシミュレーションが実行される。所望のリソグラフィ応答メトリック(CD、EPE、又はEPE及びPPEなど)がステップS714で取得され、ステップS712でそれらの量の予測値と比較される。ステップS716では、プロセスウィンドウが決定される。ステップS718、S720、及びS722は、
図12Aに関して説明したような、対応するステップS514、S516、及びS518と同様である。前述のように、最終的な出力は、例えば、所望の結像性能を生み出すように最適化された、瞳面における波面収差マップであり得る。最終的な出力は、例えば、最適化された照明マップ及び/又は最適化された設計レイアウトであり得る。
【0094】
[00111]
図12Bは、設計変数(z
1、z
2、…、z
N)が離散値のみを想定し得る設計変数を含む、費用関数を最適化するための例示的な方法を示す。
【0095】
[00112] この方法は、照明のピクセルグループ及びパターニングデバイスのパターニングデバイスタイルを定義することにより、開始する(ステップS802)。一般的に、ピクセルグループ又はパターニングデバイスタイルは、リソグラフィプロセスコンポーネントの分割と呼ばれることもある。1つの例示的な方式では、実質的には上記のように、照明は117個のピクセルグループに分割され、パターニングデバイスについては94個のパターニングデバイスタイルが定義され、合計で211個の分割をもたらす。
【0096】
[00113] ステップS804では、リソグラフィシミュレーションの基礎としてリソグラフィモデルが選択される。リソグラフィシミュレーションは、1つ又は複数のリソグラフィメトリック又は応答の計算で使用される結果を生成する。特定のリソグラフィメトリックが、最適化されることになる性能メトリックであると定義される(ステップS806)。ステップS808では、照明及びパターニングデバイスの初期(最適化前)条件が設定される。初期条件には、初期の照明形状及び初期のパターニングデバイスパターンを参照できるように、照明のピクセルグループ及びパターニングデバイスのパターニングデバイスタイルの初期状態が含まれる。初期条件には、パターニングデバイスパターンバイアス(時にマスクバイアスと呼ばれる)、NA、及び/又は焦点ランプ範囲も含まれ得る。ステップS802、S804、S806、及びS808は連続したステップとして示されているが、他の実施形態では、これらのステップは他の順序で実施され得ることが理解されるだろう。
【0097】
[00114] ステップS810では、ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルがランク付けされる。ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルは、ランク付けの中でインターリーブされることがある。様々なランク付け方法が、ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルの物理的な位置に従って(例えば、照明の中心により近いピクセルグループをより高くランク付けする)、及び/又はピクセルグループ又はパターニングデバイスタイルを変更すると、どれ位性能メトリックに影響が出るかに従って、順を追って(例えば、ピクセルグループ1からピクセルグループ117まで、及びパターニングデバイスタイル1からパターニングデバイスタイル94まで)、ランダムに、を含めて、用いられることがある。
【0098】
[00115] 一旦、ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルがランク付けされると、照明及びパターニングデバイスは、性能メトリックを改善するように調節される(ステップS812)。ステップS812では、ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルのそれぞれを、ランク順に分析して、ピクセルグループ又はパターニングデバイスタイルの変更が、性能メトリックの改善につながるかどうかを判断する。性能メトリックが改善されると判断された場合、ピクセルグループ又はパターニングデバイスタイルは呼応して変更され、結果として得られる改善された性能メトリック及び修正された照明形状又は修正されたパターニングデバイスパターンは、後に続く、より低くランク付けされたピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルの分析に対する比較のベースラインを形成する。言い換えると、性能メトリックを改善する変更が保持される。ピクセルグループ及びパターニングデバイスタイルの状態への変更が行われ保持されると、初期照明形状及び初期パターニングデバイスパターンが呼応して変化し、その結果、修正された照明形状及び修正されたパターニングデバイスパターンが、ステップS812の最適化プロセスから生じる。
【0099】
[00116] 他の方式では、パターニングデバイス多角形形状の調節、並びにピクセルグループ及び/又はパターニングデバイスタイルの二つをペアにしたポーリングも、S812の最適化プロセス内で実施される。
【0100】
[00117] 一実施形態では、インターリーブされた同時最適化手順は、照明のピクセルグループを変更することを含むことがあり、性能メトリックの改善が見られる場合、更なる改善を探してドーズ量又は強度が上げられ及び/又は下げられる。更なる実施形態では、ドーズ量又は強度の上がり及び/又は下がりは、同時最適化手順における更なる改善を探すために、パターニングデバイスパターンのバイアス変化によって、置き換えられることがある。
【0101】
[00118] ステップS814では、性能メトリックが収束したかだどうかに関する決定が行われる。性能メトリックは、例えば、ステップS810及びS812の最後の数回の反復において性能メトリックへの改善が殆ど又は全く見られない場合に、収束したとみなされることがある。性能メトリックが収束しなかった場合、S810及びS812のステップが次の反復で繰り返され、そこでは、現在の反復からの修正された照明形状及び修正されたパターニングデバイスが、次の反復のための初期照明形状及び初期パターニングデバイスとして使用される(ステップS816)。
【0102】
[00119] 上記の最適化方法を使用して、リソグラフィ投影装置のスループットを高めることができる。例えば、費用関数は、露光時間の関数であるfp(z1、z2、…、zN)を含み得る。一実施形態では、そのような費用関数の最適化は、帯域幅の測度又は他のメトリックによって制約を受けるか又は影響される。
【0103】
[00120]
図14は、本明細書に開示する最適化方法及びフローの実施を支援し得るコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、バス102又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを含む。コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、プロセッサ104によって実行される情報及び命令を保存するためにバス102に結合されたメインメモリ106も含む。メインメモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を保存するためにも使用されてもよい。コンピュータシステム100は、リードオンリーメモリ(ROM)108、又はプロセッサ104のための静的情報及び命令を保存するためにバス102に結合された他の静的ストレージデバイスをさらに含む。情報及び命令を保存するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス110が設けられると共に、バス102に結合される。
【0104】
[00121] コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114が、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ112上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
【0105】
[00122] ある実施形態によれば、最適化プロセスの部分は、メインメモリ106に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって行われてもよい。このような命令は、ストレージデバイス110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に本明細書に記載のプロセスステップを行わせる。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられてもよい。ある代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と一緒に、ハードワイヤード回路が用いられてもよい。従って、本明細書の記載は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0106】
[00123] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス110などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バス102を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態もとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができるその他の媒体を含む。
【0107】
[00124] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ104に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス102にのせることができる。バス102は、データをメインメモリ106に搬送し、そこからプロセッサ104が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ106によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ104による実行の前又は後に、ストレージデバイス110に保存されてもよい。
【0108】
[00125] コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118も含み得る。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されたネットワークリンク120に結合する双方向データ通信も提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実施されてもよい。このような実施において、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送信及び受信を行う。
【0109】
[00126] ネットワークリンク120は、一般的に、1つ又は複数のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を通して、ホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126によって操作されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、次に、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」128と呼ばれる)によるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100に対して、及びコンピュータシステム100からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、及びネットワークリンク120上の、及び通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の形態例である。
【0110】
[00127] コンピュータシステム100は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を通して、メッセージを送信すること、及びプログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネット例では、サーバ130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされたアプリケーションの1つは、例えば、その実施形態の照明最適化を提供することができる。受け取られたコードは、受け取られるとプロセッサ104によって実行され、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス110若しくは他の不揮発性のストレージ内に記憶されることがある。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形式でアプリケーションコードを取得することができる。
【0111】
[00128]
図15は、例示的なリソグラフィ投影装置を概略的に示しており、この装置の照明は、本明細書で説明する方法を利用して、最適化することができる。この装置は、以下を含む:
-放射のビームBを調整するための、照明システムIL。この特定の場合には、照明システムは放射源SOも含む。
-第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MTであって、パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためにパターニングデバイスホルダーを備え、アイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするために第1のポジショナに接続された、第1のオブジェクトテーブルMT。
-第2のオブジェクトテーブル(基板テーブル)WTであって、基板W(例えば、レジストコーティングされたシリコンウェーハ)を保持するために基板ホルダーを備え、アイテムPSに対して基板を正確に位置決めするために第2のポジショナに接続された、第2のオブジェクトテーブルWT。
-パターニングデバイスMAの照射された部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像させるための、投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型の光学系)。
【0112】
[00129] 本明細書に示すように、装置は、透過型のものである(即ち、透過型パターニングデバイスを有する)。しかしながら、一般的に、装置は、例えば反射型(反射パターニングデバイスを備える)のものであってもよい。装置は、典型的なマスクに、異なる種類のパターニングデバイスを利用することがある。例としては、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリクスが挙げられる。
【0113】
[00130] ソースSO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUV源)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに対して、そのまま、又は例えばビームエキスパンダExなどの調節手段を横断した後に、供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含み得る。さらにそれは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
【0114】
[00131]
図15に関して、ソースSOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内に位置してもよいが(大抵の場合、ソースSOが、例えば水銀ランプのとき)、リソグラフィ投影装置から離れた位置にあり、それが生成する放射ビームが装置内に導き入れられてもよい(例えば、適宜の誘導ミラーを用いて)ことに留意されたい。この後者のシナリオは、ソースSOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づく)であるケースが多い。
【0115】
[00132] 続いて、ビームPBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差する。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過する。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームPBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、
図15には明示的に描かれない、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現される。但しステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0116】
[00133] 描かれたツールは、2つの異なるモードで使用され得る:
-ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは、基本的に静止したままであり、及びパターニングデバイス像全体が、一回(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。次いで、異なるターゲット部分CがビームPBによって照射され得るように、基板テーブルWTが、x及び/又はy方向にシフトされる;
-スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが、単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオが当てはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBがパターニングデバイス像上をスキャンさせられるように、速度vで、所与の方向(いわゆる「スキャン方向」、例えば、y方向)に移動可能である。並行して、基板テーブルWTが、速度V=Mv(Mは、レンズPLの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ又は反対方向に同時に移動される。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光させることができる。
【0117】
[00134]
図16は、その照明を本明細書に記載される方法を利用して最適化することができる別の例示的リソグラフィ投影装置1000を模式的に示す。
【0118】
[00135] リソグラフィ投影装置1000は、以下を含む:
-ソースコレクタモジュールSO
-放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL。
-パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT;
-基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT;及び
-パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射型投影システム)PS。
【0119】
[00136] ここで描かれるように、装置1000は、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを用いる)である。ほとんどの材料が、EUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、マルチスタックリフレクタは、各層の厚さが4分の1波長である、モリブデン及びシリコンの40層ペアを有する。さらに小さな波長が、X線リソグラフィを用いて生成され得る。ほとんどの材料が、EUV及びx線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターン付き吸収材料(例えば、多層リフレクタ上のTaNアブゾーバ)は、どこにフィーチャが印刷され(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)を定義する。
【0120】
[00137]
図16を参照すると、イルミネータILが、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲において1つ又は複数の輝線を備えた少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム、又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、プラズマは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成され得る。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(
図16では不図示)を含むEUV放射システムの一部でもよい。その結果生じるプラズマが、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、別個のエンティティでもよい。
【0121】
[00138] このようなケースでは、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、及び放射ビームは、例えば、適宜の誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールへと渡される。他のケースでは、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマEUVジェネレータである場合に、ソースは、ソースコレクタモジュールの一体化部分でもよい。
【0122】
[00139] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が、調節され得る。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して、断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整することができる。
【0123】
[00140] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、及びパターニングデバイスによってパターン付けされる。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0124】
[00141] 描かれた装置1000は、以下のモードの少なくとも1つで使用され得る:
1.ステップモードでは、放射ビームに付与されたパターン全体が、一回でターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止したままである(すなわち、単一静的露光)。次いで、異なるターゲット部分Cが露光され得るように、基板テーブルWTが、X及び/又はY方向にシフトされる。
2.スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特性によって決定され得る。
3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、基板テーブルWTは、移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、及びプログラマブルパターニングデバイスが、基板テーブルWTの各移動後に、又はスキャン中の連続する放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0125】
[00142]
図17は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含む装置1000をより詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように、構築及び配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、超高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気)によって生成され得る。超高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。Xe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適宜のガス若しくは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされ得る。ある実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマは、EUV放射を生成するために提供される。
【0126】
[00143] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口内、又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、コレクタチャンバ212内へと渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリア及びチャネル構造の組み合わせも含み得る。本明細書にさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当該技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
【0127】
[00144] コレクタチャンバ211は、いわゆる斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240に反射して、一点鎖線「O」によって示される光軸に沿った仮想光源点IFに焦点を合わせることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、及びソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0128】
[00145] 続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を包含し得る照明システムILを横断する。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、及びパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
【0129】
[00146] 一般に、図示されるよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在し得る。格子スペクトルフィルタ240が、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に存在してもよい。さらに、図面に示されるミラーよりも多くのミラーが存在してもよく、例えば、
図17に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が、投影システムPSに存在してもよい。
【0130】
[00147]
図17に示されるようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれる。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置され、及びこのタイプのコレクタ系COは、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用されてもよい。
【0131】
[00148] 代替的に、ソースコレクタモジュールSOは、
図18に示すように、LPP放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に堆積させ、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を生成するように配置される。脱励起及びこれらのイオンの再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、及び閉鎖構造220の開口221上に焦点が合わせられる。
【0132】
[00149] 米国特許出願公開第2013-0179847号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
[00150] 実施形態については、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、媒体が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
多変数費用関数を計算することであって、多変数費用関数が、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、
終了条件が満たされるまで、設計変数の1つ又は複数を調節することにより、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することであって、終了条件が、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、スペックル特徴が放射帯域幅の関数である、再構成することと、
を含む動作を引き起こす、中に保存された命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
2.再構成時に放射帯域幅が変化する、条項1に記載の媒体。
3.スペックル特徴が、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルが局所ドーズ量変動を示す、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
4.スペックル特徴が、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストが、再構成時に低減又は最小化される、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
5.放射に関連するスペックルコントラストが、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減が、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む、条項4に記載の媒体。
6.スペックルコントラストが、
【数20】
によって計算され、ここで、λが放射の波長であり、A
beamが放射源サイズであり、Ω
divergenceが放射源発散度であり、TISがパルス持続時間であり、BWが帯域幅である、条項5に記載の媒体。
7.特徴が、
リソグラフィプロセス中に生成される像の像コントラスト、
リソグラフィプロセスのプロセスウィンドウ、
放射源特徴、
リソグラフィプロセスに関連する性能指標、又は
スペックル特徴及び放射源の帯域幅範囲
のうちの1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
8.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、
リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、多変量費用関数を使用する放射源最適化を行うことを含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
9.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、
リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、多変量費用関数を使用する放射源マスク共同最適化を行うことを含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
10.放射帯域幅が半値全幅(FWHM)帯域幅である、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
11.放射帯域幅がE95帯域幅である、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
12.放射帯域幅が、放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大される、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
13.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、設計レイアウトの一部に関連する像コントラストを、最も良い像コントラストの所望の範囲内に維持する、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
14.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、設計変数の少なくとも1つの寛容度を高める、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
15.寛容度が、焦点深度又は露光寛容度である、条項14に記載の媒体。
16.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、プロセスウィンドウのサイズを拡大する、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
17.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、終了条件が満たされるまで、放射源の放射帯域幅を最適化する、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
18.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、反復プロセスであり、各反復が、
(i)1つ又は複数の設計変数に摂動を起こさせることにより、リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルをシミュレートすることと、
(ii)設計変数の値及びシミュレーション結果を用いて多変量費用関数を計算することと、
(iii)終了条件が満たされるか否かを多変量費用関数に基づいて決定することと、
(iv)終了条件が満たされないことに応答して、1つ又は複数の設計変数に更に摂動を起こさせて、ステップ(i)~(iv)を行うことと、
を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
19.費用関数が、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
20.設計レイアウトの一部が、設計レイアウト全体、クリップ、クリティカルフィーチャを有することが知られている設計レイアウトのセクション、ホットスポット若しくはウォームスポットが識別された設計レイアウトのセクション、又はクリティカルフィーチャが識別された設計レイアウトのセクションから選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
21.終了条件が、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
22.設計変数が、
リソグラフィ装置の照明、
設計レイアウトの幾何学的特性、
リソグラフィ装置の投影光学系、
基板のレジスト、又は
リソグラフィプロセス中に生成された空間像若しくはレジスト像
に関連する1つ又は複数の変数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
23.空間像又はレジスト像がシミュレートされた像である、条項22に記載の媒体。
24.費用関数が、Gauss-Newtonアルゴリズム、Levenberg-Marquardtアルゴリズム、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズム、勾配降下アルゴリズム、焼きなまし法アルゴリズム、内点アルゴリズム、及び遺伝的アルゴリズムから成る群から選択された方法によって最小化又は最大化される、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
25.放射源が、リソグラフィプロセスで使用される放射を生成するリソグラフィ装置のコンポーネントである、条項1~23の何れか一項に記載の媒体。
26.放射源が、リソグラフィプロセスで使用される放射を模倣するように構成された放射源モデルである、条項1~23の何れか一項に記載の媒体。
27.放射帯域幅が、
放射帯域幅の範囲、
帯域幅の関数である変数の関数、又は
帯域幅に影響を与える変数の関数であって、変数がリソグラフィプロセスの1つ又は複数の特徴を表す複数の設計変数のうちの1つ又は複数の関数である、関数
の少なくとも1つによって特徴付けられる、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
28.リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するための方法であって、方法が、
ハードウェアコンピュータシステムによって多変数費用関数を計算することであって、多変数費用関数が、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、
ハードウェアコンピュータシステムによって、終了条件が満たされるまで設計変数の1つ又は複数を調節することにより、リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することであって、終了条件が、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、スペックル特徴が放射帯域幅の関数である、再構成することと、
を含む、方法。
29.再構成時に放射帯域幅が変化する、条項28に記載の方法。
30.スペックル特徴が、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルが局所ドーズ量変動を示す、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
31.スペックル特徴が、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストが、再構成時に低減又は最小化される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
32.放射に関連するスペックルコントラストが、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減が、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む、条項31に記載の方法。
33.スペックルコントラストが、
【数21】
によって計算され、ここで、λが放射の波長であり、A
beamが放射源サイズであり、Ω
divergenceが放射源発散度であり、TISがパルス持続時間であり、BWが帯域幅である、条項32に記載の方法。
34.特徴が、
リソグラフィプロセス中に生成される像の像コントラスト、
リソグラフィプロセスのプロセスウィンドウ、
放射源特徴、
リソグラフィプロセスに関連する性能指標、又は
スペックル特徴及び放射源の帯域幅範囲
のうちの1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
35.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、
リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、多変量費用関数を使用する放射源最適化を行うこと、又は
リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルを用いて、多変量費用関数を使用する放射源マスク共同最適化を行うこと、
を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
36.放射帯域幅が半値全幅(FWHM)帯域幅である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
37.放射帯域幅がE95帯域幅である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
38.放射帯域幅が、放射源のハードウェアが許容する最小値よりも大きい値まで拡大される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
39.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、設計レイアウトの一部に関連する像コントラストを、最も良い像コントラストの所望の範囲内に維持する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
40.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、設計変数の少なくとも1つの寛容度を高める、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
41.寛容度が、焦点深度又は露光寛容度である、条項40に記載の方法。
42.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、プロセスウィンドウのサイズを拡大する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
43.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、終了条件が満たされるまで、放射源の放射帯域幅を最適化する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
44.リソグラフィプロセスの特徴の1つ又は複数を再構成することが、反復プロセスであり、各反復が、
(i)1つ又は複数の設計変数に摂動を起こさせることにより、リソグラフィプロセスに関連する1つ又は複数のプロセスモデルをシミュレートすることと、
(ii)設計変数の値及びシミュレーション結果を用いて多変量費用関数を計算することと、
(iii)終了条件が満たされるか否かを多変量費用関数に基づいて決定することと、
(iv)終了条件が満たされないことに応答して、1つ又は複数の設計変数に更に摂動を起こさせて、ステップ(i)~(iv)を行うことと、
を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
45.費用関数が、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
46.設計レイアウトの一部が、設計レイアウト全体、クリップ、クリティカルフィーチャを有することが知られている設計レイアウトのセクション、ホットスポット若しくはウォームスポットが識別された設計レイアウトのセクション、又はクリティカルフィーチャが識別された設計レイアウトのセクションから選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
47.終了条件が、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
48.設計変数が、
リソグラフィ装置の照明、
設計レイアウトの幾何学的特性、
リソグラフィ装置の投影光学系、
基板のレジスト、又は
リソグラフィプロセス中に生成された空間像若しくはレジスト像
に関連する1つ又は複数の変数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
49.空間像又はレジスト像がシミュレートされた像である、条項48に記載の方法。
50.費用関数が、Gauss-Newtonアルゴリズム、Levenberg-Marquardtアルゴリズム、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズム、勾配降下アルゴリズム、焼きなまし法アルゴリズム、内点アルゴリズム、及び遺伝的アルゴリズムから成る群から選択された方法によって最小化又は最大化される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
51.放射源が、リソグラフィプロセスで使用される放射を生成するリソグラフィ装置のコンポーネントである、条項27~50の何れか一項に記載の方法。
52.放射源が、リソグラフィプロセスで使用される放射を模倣するように構成された放射源モデルである、条項27~50の何れか一項に記載の方法。
53.放射帯域幅が、
放射帯域幅の範囲、
帯域幅の関数である変数の関数、又は
帯域幅に影響を与える変数の関数であって、変数がリソグラフィプロセスの1つ又は複数の特徴を表す複数の設計変数のうちの1つ又は複数の関数である、関数
の少なくとも1つによって特徴付けられる、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
54.リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するために最適な放射帯域幅を決定するための方法であって、方法が、
ハードウェアコンピュータシステムによって多変数費用関数を計算することであって、多変数費用関数が、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、
ハードウェアコンピュータシステムによって、終了条件が満たされるまで1つ又は複数の設計変数を調節することにより、最適な放射帯域幅を決定することであって、終了条件が、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、スペックル特徴が放射帯域幅の関数である、決定することと、
を含む、方法。
55.スペックル特徴が、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルが局所ドーズ量変動を示す、条項54に記載の方法。
56.スペックル特徴が、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストが、最適な帯域幅の決定時に低減又は最小化させられる、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
57.放射に関連するスペックルコントラストが、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減が、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む、条項56に記載の方法。
58.スペックルコントラストが、
【数22】
によって計算され、ここで、λが放射の波長であり、A
beamが放射源サイズであり、Ω
divergenceが放射源発散度であり、TISがパルス持続時間であり、BWが帯域幅である、条項57に記載の方法。
59.費用関数が、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
60.終了条件が、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
61.設計変数が、
リソグラフィ装置の照明、
設計レイアウトの幾何学的特性、
リソグラフィ装置の投影光学系、
基板のレジスト、又は
リソグラフィプロセス中に生成された空間像若しくはレジスト像
に関連する1つ又は複数の変数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
62.リソグラフィ装置を用いて設計レイアウトの一部を基板上に結像するリソグラフィプロセスを改善するために最適な放射帯域幅を決定するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、媒体が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
多変数費用関数を計算することであって、多変数費用関数が、(i)リソグラフィプロセスの特徴に影響を与える複数の設計変数、及び(ii)リソグラフィ装置の放射源の放射帯域幅の関数である、計算することと、
終了条件が満たされるまで1つ又は複数の設計変数を調節することにより、最適な放射帯域幅を決定することであって、終了条件が、リソグラフィプロセスに関連する像コントラストを所望の範囲内に維持しながら、スペックル特徴が放射源による放射生成に関連するスペックル仕様内にあることを含み、スペックル特徴が放射帯域幅の関数である、決定することと、
を含む動作を引き起こす、中に保存された命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
63.スペックル特徴が、放射源のコヒーレントな波面の組の相互干渉によって生じるスペックルに関連するメトリックであり、スペックルが局所ドーズ量変動を示す、条項62に記載の媒体。
64.スペックル特徴が、放射源によって生成された放射に関連するスペックルコントラストであり、スペックルコントラストが、最適な帯域幅の決定時に低減又は最小化させられる、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
65.放射に関連するスペックルコントラストが、空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスの両方からの寄与によって特徴付けられ、スペックルコントラストの低減が、時間的コヒーレンス及び/又は空間的コヒーレンスを低減させることを含む、条項64に記載の媒体。
66.スペックルコントラストが、
【数23】
によって計算され、ここで、λが放射の波長であり、A
beamが放射源サイズであり、Ω
divergenceが放射源発散度であり、TISがパルス持続時間であり、BWが帯域幅である、条項65に記載の媒体。
67.費用関数が、エッジ配置誤差、パターン配置誤差、クリティカルディメンジョン(CD)、スペックル特徴の関数としての局所CD均一性、レジストコンター距離、最も悪い欠陥サイズ、最も良い焦点シフト、又はマスクルールチェックから選択された1つ又は複数である、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
68.終了条件が、費用関数の最小化、費用関数の最大化、特定の反復回数に達すること、費用関数の値が特定の閾値以上に達すること、特定の計算時間に達すること、費用関数の値が許容可能誤差限度内に達すること、又はリソグラフィプロセスにおける露光時間の最小化から選択された1つ又は複数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
69.設計変数が、
リソグラフィ装置の照明、
設計レイアウトの幾何学的特性、
リソグラフィ装置の投影光学系、
基板のレジスト、又は
リソグラフィプロセス中に生成された空間像若しくはレジスト像
に関連する1つ又は複数の変数を含む、先行する条項の何れか一項に記載の媒体。
【0134】
[00151] 本明細書に開示する概念は、サブ波長フィーチャを結像するための一般的結像システムのシミュレーション又は数学的モデル化を行うことができ、及び特に、ますます短くなる波長を生成することが可能な新しい結像技術にとって有用となり得る。既に使用されている新しい技術には、EUV(極端紫外線)、ArFレーザを使用して193nmの波長、及びフッ素レーザを使用して157nmの波長さえ生成可能なDUVリソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内で光子を生成するために、シンクロトロンを使用することによって、又は材料(固体又はプラズマ)に高エネルギー電子をぶつけることによって、この範囲内の波長を生成することが可能である。
【0135】
[00152] 本明細書に開示する概念は、シリコンウェーハなどの基板上の結像のために使用され得るが、開示した概念は、あらゆるタイプのリソグラフィ結像システム(例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の結像に使用されるもの)に使用され得ることが理解されるものとする。
【0136】
[00153] 「又は」という単語は、文脈上必要な場合を除き、列挙された項目のいかなる組み合わせも除外するものと見なされるべきものではない。
【0137】
[00154] 上記の記載は、説明のためのものであり、限定するものではないことが意図される。従って、当業者には、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明したように、変更が行われ得ることが明らかとなるだろう。
【国際調査報告】