(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】光パルスを空間的にフィルタリングするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20240312BHJP
G01N 21/47 20060101ALI20240312BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G03F9/00 Z
G01N21/47 B
G01N21/01 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547216
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022050489
(87)【国際公開番号】W WO2022167179
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(71)【出願人】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】アルサッカ、アリ
(72)【発明者】
【氏名】ユーベル、パトリック、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】テーニセン、パウルス、アントーニウス、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
2G059
2H197
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA05
2G059BB10
2G059BB16
2G059EE02
2G059EE12
2G059GG01
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2G059GG10
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2G059JJ30
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2G059NN05
2H197AA05
2H197BA11
2H197CA05
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2H197EB23
2H197GA01
2H197HA03
2H197HA05
2H197HA10
2H197JA23
(57)【要約】
【解決手段】光学フィルタ装置は、光パルスを受信し、各光パルスのパルスエネルギーに応じて光パルスを光学面上に空間的に分布させるように動作可能な光発散装置と、光学面に配置され、空間的分布の結果として生じる光学面における各光パルスの位置に基づいて、光パルスに空間フィルタリングを適用するように動作可能である空間フィルタと、を備える。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを受信し、各前記光パルスのパルスエネルギーに応じて光パルスを光学面上に空間的に分布させるように動作可能である光発散装置と、
前記光学面に配置され、空間的分布の結果として生じる前記光学面における各前記光パルスの位置に基づいて、前記光パルスに空間フィルタリングを適用するように動作可能である空間フィルタと、
を備える光学フィルタ装置。
【請求項2】
前記光発散装置は、前記光パルスを受け取り、その後反射するように構成された偏向ミラーを備え、前記偏向ミラーは、前記光パルスのそれぞれの反射のたびに偏向するようにさらに構成され、前記偏向の大きさは、前記光パルスのそれぞれのパルスエネルギーに依存し、前記偏向により、前記光学面上に前記光パルスが空間的に分布される、請求項1に記載の光学フィルタ装置。
【請求項3】
前記偏向ミラーは、所定の位置に固定された固定端と反射面内で移動可能な自由端とを有するカンチレバーを備える、請求項2に記載の光学フィルタ装置。
【請求項4】
前記偏向ミラーの偏向は、前記光パルスによる各衝撃による前記固定端に対する前記自由端の半径方向の移動を含む、請求項3に記載の光学フィルタ装置。
【請求項5】
前記偏向ミラーの幅は、1μm~1000μmの範囲内である、
前記偏向ミラーの長さは、1μm~1000μmの範囲内である、
前記偏向ミラーの厚さは、0.1μm~100μm の範囲内である、
の少なくとも1つを満たす、請求項2から4のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
【請求項6】
前記偏向ミラーは、2回目の反射時に前記光パルスのそれぞれがそのパルスエネルギーに応じた伝播方向に反射されるように構成される、請求項2~5のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
【請求項7】
前記偏向ミラーは、前記光パルスを反射するように構成された少なくとも1つの反射コーティングを備え、
任意選択で、前記少なくとも1つの反射コーティングは、前記光パルスによって規定されるスペクトル範囲において少なくとも80%の反射率を提供する、請求項2から6のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの反射コーティングがカバーするスペクトル範囲が100nmから4000nmの間である、請求項7に記載の光学フィルタ装置。
【請求項9】
前記偏向ミラーは、前記光パルスのパルスエネルギーが0.1μJ~100μJの範囲にあるときに、前記光パルスを空間的に分布させるのに十分な偏向を提供するように構成される、請求項2から8のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
【請求項10】
前記光発散装置は、前記偏向ミラーからの第1の反射を受けた後の前記光パルスに遅延時間を適用し、前記偏向ミラーによる第2の反射を受けるように前記光パルスを前記偏向ミラーに戻すように構成された光遅延装置をさらに備え、任意選択で、前記偏向ミラーの偏向が実質的に最大になるときに前記光パルスのそれぞれが2回目の反射のために前記偏向ミラーに到達するように、前記光遅延装置によって前記遅延時間が適用される、請求項項2から9のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
【請求項11】
前記光遅延装置は、設定可能な遅延時間を備える、請求項10に記載の光学フィルタ装置。
【請求項12】
ポンプ放射を受信すると、前記光パルスを含む広帯域出力放射を生成するように構成され、請求項1~11のいずれかに記載の光学フィルタ装置を備える広帯域光源装置。
【請求項13】
ポンプ放射を受信すると、前記光パルスを含む広帯域出力放射を生成するように構成され、請求項2から11のいずれかに記載された光学フィルタ装置を備え、前記光パルスのパルス分離時間は、前記偏向ミラーの偏向がゼロまたは実質的にゼロに減少するのに必要な時間と実質的に等しいか、またはそれよりも長くなるように構成される広帯域光源装置。
【請求項14】
請求項1~11のいずれかに記載の光学フィルタ装置、または請求項12または13に記載の広帯域光源装置を備える計測装置であって、任意選択で、スキャトロメータ計測装置、レベルセンサまたはアライメントセンサを備える計測装置。
【請求項15】
光パルスを空間フィルタリングする方法であって、
複数の光パルスを、各前記光パルスのパルスエネルギーに応じて光学面上に空間的に分布させることと、
空間的分布から得られる前記光学面における各前記光パルスの位置に基づいて、前記光パルスを空間的にフィルタリングすることと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、その全体が参照により本書に援用される2021年2月4日に出願された米国出願第63/145,736号および2021年3月29日に出願された欧州出願第21165646.7号の優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、光パルスを空間的にフィルタリングするための方法および装置に関し、特に、パルス放射源のノイズ低減用途に関連したそのような方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを付与するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターン(「設計レイアウト」または「設計」とも呼ばれる)を、基板(例えばウェハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている代表的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm、13.5nmである。4~20nmの範囲内、例えば6.7nmまたは13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置を用いて、例えば波長193nmの放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することができる。
【0005】
低k1リソグラフィを使用して、リソグラフィ装置の古典的な解像限界よりも小さい寸法のフィーチャを処理することができる。このようなプロセスでは、解像度の式はCD=k1×λ/NAとして表すことができる。ここで、λは使用する放射の波長、NAはリソグラフィ装置の投影光学系の開口数、CDは「限界寸法」(通常、印刷される最小のフィーチャサイズであるが、この場合はハーフピッチ)およびk1は経験的な解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的機能と性能を実現するために回路設計者が計画した形状と寸法に似たパターンを基板に再現することが難しくなる。これらの困難を克服するために、高度な微調整ステップをリソグラフィ投影装置および/または設計レイアウトに適用することができる。これらには、たとえば、NAの最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光学近接効果補正(OPC:optical proximity correction、「光学補正およびプロセス補正」とも呼ばれる)などの設計レイアウトのさまざまな最適化、または一般に「解像度向上技術」(RET:resolution enhancement techniques)として定義されている他の方法が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、リソグラフィ装置の安定性を制御するための厳しい制御ループを使用して、低k1でのパターンの再現を改善することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
計測ツールは、IC製造プロセスの多くの面で使用され、例えば、露光前に基板を適切に位置決めするためのアライメントツール、基板の表面トポロジーを測定するためのレベリングツール、たとえば、プロセス制御において露光および/またはエッチングされた製品を検査/測定するためのフォーカス制御および散乱計測ベースのツールとして使用される。いずれの場合も放射源が必要とされる。測定の堅牢性や精度などのさまざまな理由から、このような計測用途には広帯域または白色光の放射源の使用が増えている。広帯域放射発生のために現在の装置を改良することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様では、光パルスを受信し、各光パルスのパルスエネルギーに応じて光パルスを光学面上に空間的に分布させるように動作可能である光発散装置と、光学面に配置され、空間的分布の結果として生じる光学面における各光パルスの位置に基づいて、光パルスに空間フィルタリングを適用するように動作可能である空間フィルタと、を備える光学フィルタ装置が提供される。
【0008】
好ましくは、光発散装置は、光パルスを受け取り、その後反射するように構成された偏向ミラーを備え、偏向ミラーは、光パルスのそれぞれの反射のたびに偏向するようにさらに構成され、偏向の大きさは、光パルスのそれぞれのパルスエネルギーに依存し、偏向により、光学面上に前記光パルスが空間的に分布される。
【0009】
より好ましくは、光発散装置は、偏向ミラーからの第1の反射を受けた後の光パルスに遅延時間を適用し、偏向ミラーによる第2の反射を受けるように光パルスを偏向ミラーに戻すように構成された光遅延装置をさらに備える。
【0010】
本発明の第2の態様では、光パルスを空間フィルタリングする方法であって、複数の光パルスを、各光パルスのパルスエネルギーに応じて光学面上に空間的に分布させることと、空間的分布から得られる光学面における各光パルスの位置に基づいて、光パルスを空間的にフィルタリングすることと、を備える方法が提供される。
【0011】
好ましくは、光パルスの空間的分布はさらに、偏向ミラーを使用して最初に光パルスを反射することと、最初に前記偏向ミラーから反射された光パルスに遅延時間を適用し、続いてそれらを前記偏向ミラーに戻すことと、偏向ミラーを使用して遅延光パルスの第2の反射をし、前記光パルスを空間的に分布させることと、を備える。ここで、偏向ミラーは、各光パルスの反射のたびに偏向され、偏向ミラーの偏向は、各光パルスのパルスエネルギーに依存する。
【0012】
本発明の第3の態様では、第1の態様の光学フィルタ装置を備え、ポンプ放射を受け取ると光パルスを含む広帯域出力放射を生成するように構成された広帯域光源デバイスが提供される。
【0013】
本発明の他の態様は、第3の態様の広帯域光源装置を備える計測装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態は、添付の概略図を参照して、例としてのみ説明される。
【
図3】半導体製造を最適化するための3つの主要技術間の連携を表す、全体的なリソグラフィの概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る放射源を備える、計測装置として使用される散乱計測装置の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る放射源を備えるレベルセンサ装置の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る放射源を備えるアライメントセンサ装置の概略図である。
【
図7】一実施形態に係る放射源の一部を形成する中空コア光ファイバの、横断面(すなわち、光ファイバの軸に垂直)における概略断面図である。
【
図8】一実施形態に係る広帯域出力放射を提供するための放射源の概略図である。
【
図9】
図9(a)および
図9(b)は、スーパーコンティニューム生成のための中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)設計の実施例の横断面を概略的に示す図である。
【
図10】測定されたAPRをレーザ繰り返し率の関数として示すプロットである。
【
図11】
図11(a)および
図11(b)は、それぞれ光学フィルタ装置の適用前および適用後のシミュレートされたパルス振幅を示す2つのプロット例である。
【
図12】光学フィルタ装置の動作原理を概略的に示す図である。
【
図13】それぞれ異なるパルスエネルギーを有する3つの光パルスの単一反射によって引き起こされる偏向ミラー(例えば、カンチレバー)のシミュレーションされた時間依存偏向を示すプロットである。
【
図14】光学フィルタ装置の一実施形態を概略的に示す図である。
【
図15】
図13に示されるシミュレーションで使用される、2つの連続する光パルスの2つの反射によって誘発される、シミュレーションされた偏向ミラー(例えば、カンチレバー)の時間依存偏向を示すプロットである。
【
図16】広帯域放射源を制御するためのコンピュータシステムのブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、「放射線」および「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、波長が365、248、193、157または126nm)およびEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含むすべてのタイプの電磁放射線を包含するために使用される。
【0016】
本明細書で使用される「レチクル」、「マスク」または「パターニングデバイス」という用語は、入射放射ビームに基板の目標部分に作成されるべきパターンに対応するパターン化された断面を与えるために使用できる一般的なパターニングデバイスを指すと広く解釈され得る。「ライトバルブ」という用語もこの文脈で使用できる。標準的なマスク(透過型または反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のこのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDアレイを含む。
【0017】
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。このリソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射またはEUV放射)を調整するよう構成される照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構築され、特定のパラメータにしたがってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするよう構成される第1位置決め装置PMに接続されるマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと;基板(例えばレジストコートされたウェハ)Wを保持するよう構築され、特定のパラメータにしたがって基板サポートを正確に位置決めするよう構成される第2位置決め装置PWに接続される基板サポート(例えばウェハテーブル)WTと;パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば一以上のダイを含む)目標部分Cに投影するよう構成される投影システム(例えば屈折型投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0018】
動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射源SOからビームを受け取る。照明システムILは、放射を方向付け、放射を成形し、および/または放射を制御するための屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型、および/または他の形式の光学素子といった各種光学素子またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。イルミネータILは、パターニングデバイスMAの平面におけるその断面において所望の空間および角度強度分布を有するように放射ビームBを調整するために使用されてもよい。
【0019】
本明細書において使用する「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、および/または液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁光学システムおよび/または静電光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0020】
リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wの間の隙間を埋めるように、基板の少なくとも一部が比較的高屈折率を有する液体(例えば水)により覆われる形式の装置であってよい。これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、米国特許第6952253号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
リソグラフィ装置LAはまた、2つ以上の基板サポートWT(「デュアルステージ」とも呼ばれる)を有するタイプのものであり得る。そのような「多段」機械では、基板サポートWTを並行して使用することができ、および/または基板Wのその後の露光の準備におけるステップを、基板サポートWTの1つに位置する基板W上で実行することができる。他の基板サポートWT上の基板Wは、他の基板W上のパターンを露光するために使用されている。
【0022】
基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを含み得る。測定ステージは、センサおよび/または洗浄装置を保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性または放射ビームBの特性を測定するように配置することができる。測定ステージは、複数のセンサを保持することができる。洗浄装置は、リソグラフィ装置の一部、例えば、投影システムPSの一部または液浸液を提供するシステムの一部を洗浄するように構成することができる。基板サポートWTが投影システムPSから離れているとき、測定ステージは投影システムPSの下に移動することができる。
【0023】
動作中、放射ビームBは、マスクサポートMTに保持されるパターニングデバイス、例えばマスクMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(デザインレイアウト)によりパターン化される。マスクMAの通過後、放射ビームBはビームを基板Wの目標部分Cに合焦させる投影システムPSを通過する。第2位置決め装置PWおよび位置測定システムIFの助けを借りて、放射ビームBの経路内の異なる目標部分Cを集束されアライメントされた位置に位置するように基板サポートWTを正確に移動できる。同様に、第1位置決め装置PMおよび場合により別の位置センサ(
図1には明示されていない)は、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めするために用いることができる。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示の基板アライメントマークP1、P2は専用の目標部分を占めるが、それらは目標部分の間のスペースに配置されてもよい。基板アライメントマークP1、P2は、これらが目標部分Cの間に配置されるとき、スクライブレーンアライメントマークとして知られている。
【0024】
図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、たまにリソセルまたは(リソ)クラスタとも称され、しばしば基板W上での露光前および露光後プロセスを実行するための装置も含むリソグラフィシセルLCの一部を形成してよい。従来、これらは、例えば基板Wの温度を調整するため、例えばレジスト層の溶剤を調整するために、レジスト層を堆積させるスピンコート装置SC、露光されたレジストを現像する現像装置DE、冷却プレートCH、およびベークプレートBKを含む。基板ハンドラまたはロボットROは、基板Wを入力/出力ポートI/O1,I/O2から取り出し、それらを異なるプロセス装置間で基板を移動させ、リソグラフィ装置LAのローディングベイLBに基板Wを運ぶ。リソセルの装置(しばしば集合的にトラックとも称される)は、通常はトラック制御ユニットTCUの制御下にあり、TCU自体は監視制御システムSCSにより制御され、SCSは例えばリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置LAを制御してもよい。
【0025】
リソグラフィ装置LAによって露光された基板Wを正確かつ一貫して露光するために、基板を検査して、後続の層間のオーバーレイエラー、線幅、限界寸法(CD)などのパターン構造の特性を測定することが望ましい。この目的のために、検査ツール(図示せず)をリソセルLCに含めることができる。エラーが検出された場合、たとえば、特に同じバッチまたはロットの他の基板Wがまだ露光または処理される前に検査がなされる場合には、後続の基板の露光または基板Wで実行される他の処理ステップを調整することができる。
【0026】
計測装置と呼ばれることもある検査装置は、基板Wの特性、特に、異なる基板Wの特性がどのように変化するか、または同じ基板Wの異なる層に関連する特性が層ごとにどのように変化するかを決定するために使用される。あるいは、検査装置は、基板W上の欠陥を特定するように構成されてもよく、例えば、リソセルLCの一部であってもよく、またはリソグラフィ装置LAに統合されてもよく、または独立型(スタンドアロン)の装置であってもよい。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層の画像)、または半潜像(後露光ベークステップPEB後のレジスト層の画像)、または現像されたレジスト画像(レジストの露光部分または非露光部分が除去された画像)、またはエッチングされた画像(エッチングなどのパターン転写ステップ後)の特性を測定することができる。
【0027】
通常、リソグラフィ装置LAでのパターニングプロセスは、基板W上の構造のディメンジョニングおよび配置の高精度を必要とする処理における最も重要なステップの1つである。この高精度を保証するために、
図3に概略的に示すように、3つのシステムをいわゆる「全体的な」統制環境で組み合わせることができる。これらのシステムの1つは、計測ツールMT(2番目のシステム)とコンピュータシステムCL(3番目のシステム)に(実質的に)接続されているリソグラフィ装置LAである。そのような「全体的な」環境の鍵は、これら3つのシステム間の連携を最適化してプロセスウィンドウ全体を強化し、リソグラフィ装置LAによって実行されるパターニングがプロセスウィンドウ内にとどまることを保証する厳密な制御ループを提供することである。プロセスウィンドウは、特定の製造プロセスが定義された結果(機能的半導体デバイスなど)を生成する一連のプロセスパラメータ(たとえば、ドーズ、フォーカス、オーバーレイ)、通常、その範囲内でリソグラフィプロセスまたはパターニングプロセスのプロセスパラメーターが変化を許可される、を定義する。
【0028】
コンピュータシステムCLは、パターン化される設計レイアウト(の一部)を使用して、どの解像度向上技術を使用するかを予測し、計算機によるリソグラフィシミュレーションおよび計算を実行して、どのマスクレイアウトおよびリソグラフィ装置設定がパターニングプロセスの最大の全体的なプロセスウィンドウを達成するかを決定することができる(
図3において第1スケールSC1の二重矢印で示されている)。通常、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニングの可能性に一致するように構成される。コンピュータシステムCLはまた、例えば次善の処理によって欠陥が存在するかどうかを予測するために、プロセスウィンドウ内のどこでリソグラフィ装置LAが現在動作しているか(例えば、計測ツールMTからの入力を使用して)を検出するために使用されてもよい(
図3において第2スケールSC2の「0」を指す矢印で示されている)。
【0029】
計測ツールMTは、コンピュータシステムCLに入力を提供して、正確なシミュレーションおよび予測を可能にすることができ、リソグラフィ装置LAにフィードバックを提供して、例えばリソグラフィ装置LAの較正状態にいて起こり得るドリフトを特定することができる(
図3において第3スケールSC3の複数の矢印で示されている)。
【0030】
リソグラフィプロセスでは、例えばプロセス制御および検証のために、作成された構造の測定を頻繁に行うことが望ましい。このような測定を行うためのツールは、通常、計測ツールMTと呼ばれる。そのような測定を行うための様々なタイプの計測ツールMT、走査型電子顕微鏡または様々な形態のスキャトロメータ計測ツールMTが含まれる、が知られている。スキャトロメータは、瞳またはスキャトロメータの対物レンズの瞳との共役面にセンサを有することにより(通常は瞳ベースの測定と呼ばれる測定)、または像平面または像平面との共役面にセンサを有することにより、リソグラフィプロセスのパラメータの測定(この場合、測定は、通常、画像またはフィールドベースの測定と呼ばれる)を可能とする汎用性の高い機器である。このようなスキャトロメータおよび関連する測定技術は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、特許出願US20100328655号、US2011102753A1号、US20120044470A号、US20110249244号、US20110026032号またはEP1,628,164A号にさらに記載されている。上述のスキャトロメータは、軟X線からの光および可視から近赤外の波長範囲の光を使用して格子を測定することができる。
【0031】
第1の実施形態では、スキャトロメータMTは、角度分解スキャトロメータである。そのようなスキャトロメータでは、回折格子の特性を再構成または計算するために、測定された信号に再構成法を適用することができる。そのような再構成は、例えば、散乱放射とターゲット構造の数学的モデルとの相互作用をシミュレーションし、シミュレーション結果を測定結果と比較することから生じ得る。数学的モデルのパラメータは、シミュレートされた相互作用が実際のターゲットから観察されたものと同様の回折パターンを生成するまで調整される。
【0032】
第2の実施形態では、スキャトロメータMTは分光スキャトロメータMTである。そのような分光スキャトロメータMTでは、放射源から放出された放射はターゲットに向けられ、ターゲットからの反射または散乱放射は、正反射性の反射放射のスペクトルを測定する(つまり、波長の関数としての強度の測定)スペクトロメータ検出器に向けられる。このデータから、例えば厳密結合波解析と非線形回帰により、またはシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較により、検出されたスペクトルを生じさせるターゲットの構造またはプロファイルを再構築できる。
【0033】
第3の実施形態では、スキャトロメータMTは、エリプソメトリックスキャトロメータである。エリプソメトリックスキャトロメータは、各偏光状態の散乱放射を測定することにより、リソグラフィプロセスのパラメータを決定することを可能にする。そのような計測装置は、例えば、計測装置の照明セクションに適切な偏光フィルタを使用することにより、(直線、円、または楕円などの)偏光を放出する。計測装置に適した放射源は、偏光放射も提供してもよい。既存のエリプソメトリックスキャトロメータの様々な実施形態は、米国特許出願第11/451,599号、第11/708,678号、第12/256,780号、第12/486,449号、第12/920,968号、第12/922,587号、第13/000,229号、第13/033,135号、第13/533,110号および第13/891,410号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
スキャトロメータMTの一実施形態では、スキャトロメータMTは、反射スペクトルおよび/または検出構成の非対称性を測定することにより、2つの正しく位置合わせされていない格子または周期構造のオーバーレイを測定するように構成される。非対称性は、オーバーレイの程度に関連する。2つの(典型的には重なり合う)格子構造は、2つの異なる層(必ずしも連続した層である必要はない)に適用されてもよく、ウェハ上の実質的に同じ位置に形成されてもよい。スキャトロメータは、例えば共同所有の特許出願EP1,628,164Aに記載されるように、非対称性を明確に区別できるよう対称的な検出構成を有することができる。これにより、回折格子のミスアライメントを簡単に測定できる。周期構造の非対称性を介して測定されるターゲットとして周期構造を含む2つの層の間のオーバーレイエラーを測定するためのさらなる例は、国際特許出願公開番号第WO2011/012624号または米国特許出願第US20160161863号に見いだすことができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
関心のある他のパラメータは、フォーカスおよびドーズであってもよい。フォーカスおよびドーズは、参照により本書にその全体が組み込まれる米国特許出願US2011-0249244に記載されるように、散乱計によって(または代替的に走査型電子顕微鏡によって)同時に決定されうる。単一の構造が用いられてもよく、それは、フォーカスエネルギーマトリックス(FEM、フォーカス露光マトリックスとも呼ばれる)の各点についてクリティカルディメンジョンおよび側壁角度の測定値の固有の組み合わせを有する。仮にこれらのクリティカルディエンジョンおよび側壁角度の固有の組み合わせが利用可能であれば、フォーカスおよびドーズの値は、これらの測定値から一意に決定されうる。
【0036】
計測ターゲットは、リソグラフィプロセスによって多くの場合レジスト内に形成されるが、例えばエッチングプロセスの後にも形成される、複合格子の集合体であってもよい。典型的に、格子内の構造のピッチおよび線幅は、計測ターゲットから来る回折次数を捕捉可能な測定光学系(特に光学系のNA)に強く依存する。先に示したように、回折された信号は、二つの層の間のシフト(「オーバレイ」とも称される)を決定するために用いられてもよいし、リソグラフィプロセスにより生成される元の格子の少なくとも部分を再構築するために用いられてもよい。この再構築は、リソグラフィプロセスの品質の指針を提供するために用いられてもよく、かつ、リソグラフィプロセスの少なくとも一部を制御するために用いられてもよい。ターゲットは、ターゲット内のデザインレイアウトの機能部分の寸法を模倣するように構成されるより小さなサブセグメンテーション(小区分)を有してもよい。このサブセグメンテーションに起因して、ターゲットは、全体的なプロセスパラメータの測定結果がデザインレイアウトの機能部分に酷似することとなるように、デザインレイアウトの機能部分により類似した振る舞いをするであろう。ターゲットは、アンダーフィルモードまたはオーバーフィルモードで測定されうる。アンダーフィルモードにおいて、測定ビームは、ターゲット全体よりも小さなスポットを生成する。オーバーフィルモードにおいて、測定ビームは、ターゲット全体よりも大きなスポットを生成する。このようなオーバーフィルモードでは、異なるターゲットを同時に測定することが可能であってもよく、したがって異なるプロセスパラメータを同時に決定する。
【0037】
特定のターゲットを用いるリソグラフィパラメータの全体的な測定品質は、このリソグラフィパラメータの測定に用いる測定レシピによって少なくとも部分的に決まる。「基板測定レシピ」の用語は、測定自体の一以上のパラメータを含んでもよいし、測定された一
以上のパターンの一以上のパラメータを含んでもよいし、または両方を含んでもよい。例えば、ある基板測定レシピに用いられる測定が回折ベースの光学測定である場合、測定の一以上のパラメータは、放射の波長、放射の偏光、基板に対する放射の入射角、基板上のパターンに対する放射の向きなどを含んでもよい。測定レシピを選択する基準の一つは、例えば、プロセスの変動に対する一つの測定パラメータの感受性であってもよい。より多くの例は、米国特許出願US2016-0161863号および公開された米国特許出願US2016/0370717に記載されており、その全体が参照により本書に組み込まれる。
【0038】
スキャトロメータなどの計測装置が
図4に示されている。それは、放射を基板6に投射する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射または散乱された放射は、スペクトロメータ検出器4に渡される。これは、鏡面反射放射のスペクトル10を測定する(すなわち、波長の関数としての強度の測定)。このデータから、例えば、厳密結合波解析と非線形回帰によって、または
図3の下部に示すようにシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較によって、検出スペクトルを生じさせる構造またはプロファイルが処理ユニットPUによって再構成され得る。一般に、再構成では、構造の一般的な形式は既知であり、いくつかのパラメータは、構造が作成されたプロセスの知識から推測され、スキャトロメトリデータから決定される構造のほんの僅かのパラメータが残る。そのようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータとして構成することができる。
【0039】
計測ターゲットの測定によるリソグラフィパラメータの全体的な測定品質は、このリソグラフィパラメータの測定に使用される測定レシピによって少なくとも部分的に決定される。「基板測定レシピ」という用語は、測定自体の1つ以上のパラメータ、測定された1つ以上のパターンの1つ以上のパラメータ、またはその両方を含み得る。たとえば、基板測定レシピで使用される測定が回折ベースの光学測定である場合、測定の1つ以上のパラメータには、放射の波長、放射の偏光、基板に対する放射の入射角、基板上のパターンに対する放射の方向などが含まれ得る。測定レシピを選択するための基準の1つは、例えば、処理変動に対する測定パラメータの1つの感度であり得る。さらなる例は、米国特許出願第2016/0161863号および公開された米国特許出願第2016/0370717A1号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
IC製造に使用される別のタイプの計測ツールは、トポグラフィ測定システム、レベルセンサまたは高さセンサである。このようなツールは、基板(又はウェハ)の上面のトポグラフィを測定するために、リソグラフィ装置内に集積され得る。基板のトポグラフィのマップは、高さマップとも称され、基板の高さを基板上の位置の関数として示すこれらの測定から生成され得る。この高さマップはその後、基板上の適正合焦位置でパターニングデバイスの空間像を提供するべく、基板へのパターンの転写の際に基板の位置を補正するために用いられ得る。この文脈において、「高さ」とは、基板に対して概して面外の寸法(Z軸とも称される)を指すことが理解されるであろう。典型的には、レベル又は高さセンサは(自身の光学系に対して)固定された場所で測定を実施し、基板とレベル又は高さセンサの光学系との間の相対移動が基板全体の各場所での高さ測定をもたらす。
【0041】
本技術分野において既知のレベル又は高さセンサLSの一例が
図5に概略的に示されている。同図は動作の原理のみを図示している。この例において、レベルセンサは、投影ユニットLSP及び検出ユニットLSDを含む光学系を備えている。投影ユニットLSPは、投影ユニットLSPの投影格子PGRによって付与される放射ビームLSBを提供する放射源LSOを備えている。放射源LSOは、例えば、スーパコンティニューム光源のような狭帯域又は広帯域光源、偏光又は非偏光レーザビームのような偏光又は非偏光、パルス又は連続であってもよい。放射源LSOは、複数のLEDなど、異なる色又は波長範囲を有する複数の放射源を含んでいてもよい。レベルセンサLSの放射源LSOは、可視放射に限定されず、追加的又は代替的にはUV及び/又はIR放射並びに基板の表面からの反射に適した任意の範囲の波長を包含し得る。
【0042】
投影格子PGRは、周期的に変化する強度を有する放射ビームBE1をもたらす周期構造を備える周期的格子である。周期的に変化する強度を有する放射ビームBE1は、入射基板表面に垂直な軸(Z軸)に対して0度から90度、典型的には70度から80度の入射角ANGをもって、基板W上の測定場所MLOの方に誘導される。測定場所MLOで、パターン形成された放射ビームBE1は、基板Wによって反射され(矢印BE2によって示される)、検出ユニットLSDの方に誘導される。
【0043】
測定場所MLOにおける高さレベルを判定するために、レベルセンサは更に、検出格子DGRと、検出器DETと、検出器DETの出力信号を処理する処理ユニット(図示しない)とを備える検出システムを備えている。検出格子DGRは投影格子PGRと同一であってもよい。検出器DETは、受光した光を示す、例えば、光検出器のように受光した光の強度を示す、又はカメラのように受光した強度の空間的分布を表す、検出器出力信号を生成する。検出器DETは1つ以上の検出器タイプの任意の組み合わせを備えていてもよい。
【0044】
三角測量技術によって、測定場所MLOにおける高さレベルを判定することができる。検出された高さレベルは、典型的には検出器DETによって測定された信号強度に関係しており、その信号強度は、とりわけ投影格子PGRの設計及び(斜め)入射角ANGに応じて決まる周期性を有する。
【0045】
投影ユニットLSP及び/又は検出ユニットLSDは、投影格子PGRと検出格子DGRとの間のパターン形成された放射ビームの経路に沿って、レンズ及び/又はミラーなど、更なる光学素子を含んでいてもよい(図示せず)。
【0046】
一実施形態においては、検出格子DGRは省略されてもよく、検出器DETは検出格子DGRがある位置に設置されてもよい。そのような構成は、投影格子PGRの像のより直接的な検出を提供する。
【0047】
基板Wの表面を効果的にカバーするために、レベルセンサLSは、測定ビームBE1のアレイを基板Wの表面上に投影し、それによってより大きな測定範囲をカバーする測定領域MLO又はスポットのアレイを生成するように構成されていてもよい。
【0048】
一般的なタイプの様々な高さセンサが、例えば、参照により組み込まれる米国特許第7265364号明細書及び米国特許第7646471号明細書に開示されている。可視又は赤外放射の代わりにUV放射を用いた高さセンサが、参照により組み込まれる米国特許出願公開第2010233600A1号明細書に開示されている。参照により組み込まれる国際公開第2016102127A1には、多素子検出器を用いて、検出格子を必要とせずに、格子像の位置を検出及び認識する小型の高さセンサが記載されている。
【0049】
IC製造で使用される別のタイプの計測ツールは、アライメントセンサである。したがって、リソグラフィ装置の性能の重要な態様は、付与されたパターンを、以前の層において(同じ装置又は異なるリソグラフィ装置によって)定められたフィーチャに関して正しくまた正確に配置するための能力である。このために、マークまたはターゲットの1つ以上のセットが基板に提供される。各マークは、その位置を、位置センサ、典型的には光学位置センサによって後に測定することが可能な構造である。位置センサは「アライメントセンサ」と呼ばれ、マークは「アライメントマーク」と呼ばれることがある。
【0050】
リソグラフィ装置は、1つまたは複数の(例えば、複数の)アライメントセンサを含むことができ、それによって、基板上に設けられたアライメントマークの位置を正確に測定することができる。アラインメント(または位置)センサは、回折や干渉などの光学現象を使用して、基板上に形成されたアラインメントマークから位置情報を取得し得る。現在のリソグラフィ装置で使用されているアライメントセンサの例は、米国特許6961115号に記載されている自己参照干渉計に基づいている。たとえば、米国特許公開2015261097A1号に開示されているように、位置センサのさまざまな拡張と変更が開発されている。これらすべての公表文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
図6は、例えば、援用により本願に含まれる米国特許6961116号に記載されているような既知のアライメントセンサASの一実施形態の概略ブロック図である。放射源RSOは、1つ以上の波長の放射ビームRBを提供し、この放射ビームRBは、誘導(diverting)光学系によって、基板W上に位置付けられたマークAMのようなマーク上へ照明スポットSPとして誘導される。この例では、誘導光学系はスポットミラーSM及び対物レンズOLを含む。マークAMを照明する照明スポットSPは、マーク自体の幅よりもわずかに小さい直径とすることができる。
【0052】
アライメントマークAMによって回折された放射は、(この例では対物レンズOLを介して)情報保持ビームIBにコリメートされる。「回折される」という用語は、マークからのゼロ次回折(反射と呼ぶことができる)を含むことが意図される。例えば上記の米国特許6961116号に開示されているタイプの自己参照干渉計SRIは、ビームIBをそれ自体と干渉させ、その後ビームは光検出器PDによって受光される。放射源RSOによって2つ以上の波長が生成される場合は、追加の光学系(図示せず)を含ませて別個のビームを提供してもよい。光検出器は単一の要素とするか、又は所望の場合は多くの画素を含むことができる。光検出器はセンサアレイを含み得る。
【0053】
この例ではスポットミラーSMを含む誘導光学系が、マークから反射したゼロ次放射を阻止するよう機能することで、情報保持ビームIBがマークAMからの高次回折放射だけを含むようにしてもよい(これは測定に必須ではないが、信号対雑音比を改善する)。
【0054】
強度信号SIが処理ユニットPUに供給される。ブロックSRIにおける光学処理とユニットPUにおける計算処理の組み合わせによって、基準フレームに対する基板上のX及びYの位置の値が出力される。
【0055】
図示されているタイプの単一測定は、マークの1つのピッチに対応する特定範囲内のマークの位置を固定するだけである。これと関連付けてもっと粗い測定技法を用い
て、このマーク位置を含む正弦波の周期を識別する。マークが作製されている材料やマークの下及び/又は上に提供されている材料とは無関係に、精度の向上及び/又はマークのロバストな検出のため、様々な波長で、粗いレベル及び/又は微細レベルで同一のプロセスを繰り返すことができる。波長は、同時に処理されるように光学的に多重化及び逆多重化すること、及び/又は時分割もしくは周波数分割によって多重化することができる。
【0056】
この例では、アライメントセンサ及びスポットSPは固定状態のままであり、移動するのは基板Wである。従ってアライメントセンサは、基準フレームに堅固かつ高精度に搭載されながら、実質的に基板Wの移動方向と反対の方向にマークAMをスキャンすることができる。基板Wのこの移動は、基板Wが基板サポートに搭載されると共に基板位置決めシステムが基板サポートの移動を制御することによって制御される。基板サポート位置センサ(例えば干渉計)が、基板サポート(図示せず)の位置を測定する。一実施形態では、基板サポート上に1つ以上の(アライメント)マークが設けられている。基板サポート上に設けられたマークの位置を測定することにより、位置センサで決定される基板サポートの位置を較正できる(例えばアライメントシステムが接続されているフレームに対して)。基板上に設けられたアライメントマークの位置を測定することにより、基板サポートに対して基板の位置を決定できる。
【0057】
上記のスキャトロメータ、トポグラフィ測定システム、または位置測定システムなどの計測ツールMTは、測定を実行するために放射源から発生する放射を使用することができる。計測ツールで使用される放射の特性は、実行される可能性のある測定のタイプと品質に影響を与える可能性がある。いくつかの用途では、基板を測定するために複数の放射周波数を使用することが有利な場合がある。たとえば、広帯域放射を使用できる。複数の異なる周波数が、他の周波数との干渉を無しまたは最小限に抑えて、計測ターゲットを伝搬、照射、および散乱させることができる場合がある。したがって、たとえば、異なる周波数を使用して、より多くの計測データを同時に取得することができる。異なる放射周波数はまた、計測ターゲットの異なる特性を調査し、発見することができる可能性がある。ブロードバンド放射は、たとえばレベルセンサ、アライメントマーク測定システム、スキャトロメトリツール、または検査ツールなどの計測システムMTで役立ち得る。広帯域放射源は、スーパーコンティニウム光源であり得る。
【0058】
高品質の広帯域放射、例えば、スーパーコンティニウム放射は、生成するのが難しい場合がある。広帯域放射を生成するための1つの方法は、たとえば非線形の高次効果を利用して、高出力の狭帯域または単一周波数の入力放射またはポンプ放射を広げることである。入力放射(レーザを使用して生成され得る)は、ポンプ放射と呼ばれる場合がある。あるいは、入力放射はシード放射と呼ばれることもある。効果を広げるための高出力放射を得るために、放射を小さな領域に限定して、強く局所化された高強度放射を達成することができる。これらの領域では、放射は、広帯域出力放射を生成するために、非線形媒体を形成する広がり構造および/または材料と相互作用し得る。高強度放射領域では、適切な非線形媒体を提供することによって放射の広がりを可能にし、および/または改善するために、異なる材料および/または構造を使用することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、広帯域出力放射はフォトニック結晶ファイバ(PCF)内で生成される。いくつかの実施形態では、このようなフォトニック結晶ファイバは、ファイバコアの周囲に、ファイバを通って伝わる放射線をファイバコア内に閉じ込めるのを助ける微細構造を有する。ファイバコアは、非線形特性を有し、高強度ポンプ放射がファイバコアを通って伝送されるときに広帯域放射を生成できる固体材料で作ることができる。固体コアのフォトニック結晶ファイバで広帯域放射を生成することは可能であるが、固体材料を使用する場合にはいくつかの欠点がある可能性がある。たとえば、UV放射が固体コア内で生成される場合、この放射はほとんどの固体材料によって吸収されるため、ファイバの出力スペクトルには存在しない可能性がある。
【0060】
いくつかの実装形態では、
図8を参照して以下でさらに説明するように、入力放射を広げるための方法および装置は、入力放射を閉じ込めるため、および入力放射を広げて広帯域放射を出力するためにファイバを使用し得る。ファイバは中空コアファイバであり得、ファイバ内の放射の効果的な誘導および閉じ込めを達成するための内部構造を含み得る。ファイバは、中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)であり得る。これは、主にファイバの中空コアの内側にある強力な放射閉じ込めに特に適しており、高い放射強度を実現する。ファイバの中空コアは、入力放射を広げるための広がり媒体として機能するガスで満たすことができる。このようなファイバとガスの配置は、スーパーコンティニウム放射源を作成するために使用できる。ファイバへの放射入力は、電磁放射、たとえば、赤外線、可視、UV、および極端UVスペクトルの1つまたは複数の放射であり得る。出力放射は、本明細書では白色光と呼ばれ得る広帯域放射から成るか、またはそれを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態は、光ファイバを含むそのような広帯域放射の新しい設計に関する。光ファイバは、中空コアのフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)である。特に、光ファイバは、放射を閉じ込めるための反共振構造を含むタイプの中空コアのフォトニック結晶ファイバであり得る。反共振構造を含むそのようなファイバは、当技術分野では、反共振ファイバ、管状ファイバ、単リングファイバ、負曲率ファイバ、またはインヒビットカップリングファイバ (inhibited coupling fiber)として知られている。そのようなファイバの様々な異なる設計が当技術分野で知られている。あるいは、光ファイバは、フォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBF、例えばカゴメファイバ)であり得る。
【0062】
多くのタイプのHC-PCFを操作することができ、それぞれが異なる物理的誘導機構に基づいている。このような2つのHC-PCFには、中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBF)と中空コア反共鳴反射ファイバ(HC-ARF)が含まれる。HC-PCFの設計および製造の詳細は、米国特許US2004/015085A1(HC-PBF用)および国際特許出願WO2017/032454A1(中空コア反共鳴反射ファイバ用)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
図9(a)は、カゴメ格子構造を含むカゴメファイバを示す。
【0063】
放射源に使用するための光ファイバの例を
図7を参照して説明する。
図7は、横断面における光ファイバOFの概略断面図である。
図7のファイバの実際の例と同様のさらなる実施形態が国際公開第2017/032454A1号に開示されている。
【0064】
光ファイバOFは、光ファイバOFの他の2つの寸法と比較して1つの寸法がより長い細長い本体を含む。このより長さは、軸方向と呼ばれ、光ファイバOFの軸を規定し得る。他の2つの寸法は、横断面と呼ばれる平面を定義する。
図7は、この横断面(すなわち、軸に垂直)における光ファイバOFの断面を示しており、これは、x-y平面と表示されている。光ファイバOFの横断面は、ファイバ軸に沿って実質的に一定であり得る。
【0065】
光ファイバOFはある程度の柔軟性を有し、したがって、軸の方向は、一般に、光ファイバOFの長さに沿って均一ではないことが理解されよう。光軸、横断面などの用語は、局所的な光軸、局所的な横断面などを意味すると理解される。さらに、構成要素が円筒形または管状であると説明される場合、これらの用語は、光ファイバOFが曲げられるときに歪んだような形状を包含すると理解されるであろう。
【0066】
光ファイバOFは任意の長さを有することができ、光ファイバOFの長さは用途に依存し得ることが理解されよう。光ファイバOFは、1cmから10mの間の長さを有することができ、例えば、光ファイバOFは、10cmから100cmの間の長さを有することができる。
【0067】
光ファイバOFは、中空コアHCと、中空コアHCを取り囲むクラッド部分と、クラッド部分を取り囲み、サポートするサポート部分SPと、を備える。光ファイバOFは、中空コアHCを有する本体(クラッド部分およびサポート部分SPを含む)を備えると見なすことができる。クラッド部分は、中空コアHCを通して放射を誘導するための複数の反共振要素を備える。特に、複数の反共振素子は、主に中空コアHCの内側に光ファイバOFを通って伝播する放射を閉じ込め、光ファイバOFに沿って放射を導くように配置される。光ファイバOFの中空コアHCは、実質的に光ファイバOFの中心領域に配置され得る。光ファイバOFの軸はまた、光ファイバOFの中空コアHCの軸を規定し得る。
【0068】
クラッド部分は、光ファイバOFを通って伝播する放射を誘導するための複数の反共振要素を含む。特に、この実施形態では、クラッド部分は、6つの管状キャピラリCAPの単一のリングを含む。管状キャピラリCAPのそれぞれは、反共振要素として機能する。
【0069】
キャピラリCAPは、チューブと呼ばれることもある。キャピラリCAPは、断面が円形であってもよく、または別の形状を有していてもよい。各キャピラリCAPは、光ファイバOFの中空コアHCを少なくとも部分的に規定し、中空コアHCをキャピラリキャビティCCから分離する、ほぼ円筒形の壁部分WPを備える。壁部分WPは、中空コアHCを通って伝播する(そして、かすめ入射角で壁部分WPに入射する)放射のための反射防止ファブリペロー共振器として機能し得ることが理解されよう。壁部分WPの厚さは、中空コアHCへの反射が概して増強されるのに対してキャピラリキャビティCCへの透過が概して抑制されることを確実にするように適切にされ得る。いくつかの実施形態では、キャピラリ壁部分WPは、0.01~10.0μmの間の厚さを有し得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、クラッド部分という用語は、光ファイバOFを通って伝播する放射を誘導するための光ファイバOFの一部(すなわち、前記放射を中空コアHC内に閉じ込めるキャピラリCAP)を意味することを意図していることが理解されよう。放射は横モードの形で閉じ込められ、ファイバ軸に沿って伝播する。
【0071】
サポート部分は、一般に管状であり、クラッド部分の6つのキャピラリCAPを支持する。6つのキャピラリCAPは、内側サポート部分SPの場合、内面の周りに均一に分布している。6つのキャピラリCAPは、一般に六角形のフォーメイションで配置されていると説明することができる。
【0072】
キャピラリCAPは、各キャピラリが他のキャピラリCAPのいずれとも接触しないように配置される。キャピラリCAPのそれぞれは、内側サポート部分SPと接触し、リング構造内の隣接するキャピラリCAPから離間している。そのような配置は、光ファイバOFの伝送帯域幅を増加させることができるので(例えば、キャピラリが互いに接触している配置と比較して)有益であり得る。あるいは、いくつかの実施形態では、キャピラリCAPのそれぞれは、リング構造内の隣接するキャピラリCAPと接触していてもよい。
【0073】
クラッド部分の6つのキャピラリCAPは、中空コアHCの周りにリング構造で配置されている。キャピラリCAPのリング構造の内面は、光ファイバOFの中空コアHCを少なくとも部分的に規定している。中空コアHCの直径d(対向するキャピラリ間の最小寸法として定義され得る、矢印dによって示される)は、10から1000μmの間であり得る。中空コアHCの直径dは、中空コアHC光ファイバOFのモードフィールド直径、衝突損失、分散、モード複数(modal plurality)、および非線形特性に影響を及ぼし得る。
【0074】
この実施形態では、クラッド部分は、キャピラリCAP(反共振要素として機能する)の単一のリング配列を含む。したがって、中空コアHCの中心から光ファイバOFの外側までの任意の半径方向の線は、1つのキャピラリCAPのみを通過する。
【0075】
他の実施形態は、反共振要素の異なる配置で提供され得ることが理解されるであろう。これらは、反共振要素の複数のリングを有する配置、および入れ子になった反共振要素を有する配置を含み得る。
図9(a)は、径方向に沿って互いに積み重ねられたキャピラリCAPの3つのリングを有するHC-PCFの実施形態を示す。この実施形態では、各キャピラリCAPは、同じリング内および異なるリング内の両方で、他のキャピラリと接触している。さらに、
図7に示される実施形態は、6つのキャピラリのリングを含むが、他の実施形態では、任意の数の反共振要素(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11または12のキャピラリ)を含む1つ以上のリングを、クラッド部分に設けることができる。
【0076】
図9(b)は、単一リングの管状キャピラリを備えた上記のHC-PCFの修正された実施形態を示す。
図9(b)の例では、管状キャピラリ21の2つの同軸リングがある。管状キャピラリ21の内側リングと外側リングを保持するために、支持チューブSTがHC-PCFに含まれてもよい。支持チューブはシリカで作られてもよい。
【0077】
図7および
図9(a)および(b)の例の管状キャピラリは、円形の断面形状を有し得る。管状キャピラリには、楕円形または多角形の断面などの他の形状も可能である。さらに、
図7および
図9(a)および(b)の例の管状キャピラリの固体材料は、PMAのようなプラスチック材料、シリカのようなガラス、または軟質ガラスを含み得る。
【0078】
図8は、広帯域出力放射を提供するための放射源RDSを示している。放射源RDSは、パルスポンプ放射源PRSまたは所望の長さとエネルギーレベルの短パルスを生成できる他のタイプの放射源と、中空コアHCを備えた光ファイバOF(例えば
図7に示されるタイプのもの)と、中空コアHC内に配置された作動媒体WM(例えば、ガス)と、を備える。
図8では、放射源RDSは、
図7に示される光ファイバOFを含むが、代替の実施形態では、他のタイプの中空コアHC光ファイバを使用することができる。
【0079】
パルスポンプ放射源PRSは、入力放射IRDを提供するように構成される。光ファイバOFの中空コアHCは、パルスポンプ放射源PRSからの入力放射IRDを受け取り、それを広げて出力放射ORDを提供するように構成される。作動媒体WMは、広帯域出力放射ORDを提供するように、受信された入力放射IRDの周波数範囲を広げることを可能にする。
【0080】
放射源RDSは、リザーバRSVをさらに含む。光ファイバOFは、リザーバRSVの内部に配置される。リザーバRSVは、ハウジング、コンテナまたはガスセルと呼ばれることもある。リザーバRSVは、作動媒体WMを含むように構成される。リザーバRSVは、リザーバRSVの内部で作動媒体WM(ガスであり得る)の組成を制御、調整、および/または監視するための、当技術分野で知られている1つまたは複数の特徴を備え得る。リザーバRSVは、第1の透明窓TW1を含み得る。使用中、光ファイバOFは、第1の透明窓TW1が光ファイバOFの入力端IEに近接して配置されるように、リザーバRSVの内部に配置される。第1の透明窓TW1は、リザーバRSVの壁の一部を形成することができる。第1の透明窓TW1は、少なくとも受信された入力放射周波数に対して透明であり得、その結果、受信された入力放射IRD(またはその少なくとも大部分)が、リザーバRSVの内側に配置された光ファイバOFに結合され得る。入力放射IRDを光ファイバOFに結合するために光学系(図示せず)が提供され得ることが理解されるであろう。
【0081】
リザーバRSVは、リザーバRSVの壁の一部を形成する第2の透明窓TW2を備える。使用中、光ファイバOFがリザーバRSVの内部に配置されるとき、第2の透明窓TW2は、出力端OEに近接して配置される。第2の透明窓TW2は、少なくとも装置120の広帯域出力放射ORDの周波数に対して透明であり得る。
【0082】
あるいは、別の実施形態では、光ファイバOFの2つの対向する端部は、異なるリザーバ内に配置され得る。光ファイバOFは、入力放射IRDを受け取るように構成された第1の端部セクションと、広帯域出力放射ORDを出力するための第2の端部セクションとを含み得る。第1の端部セクションは、作動媒体WMを含む第1のリザーバ内に配置され得る。第2の端部セクションは、第2のリザーバの内部に配置することができ、第2のリザーバはまた、作動媒体WMを含み得る。リザーバの機能は、上記の
図8に関連して説明した通りであり得る。第1のリザーバは、入力放射IRDに対して透明であるように構成された第1の透明窓を含み得る。第2のリザーバは、広帯域出力広帯域放射ORDに対して透明であるように構成された第2の透明窓を含み得る。第1および第2のリザーバはまた、光ファイバOFを部分的にリザーバの内側且つ部分的に外側に配置することを可能にし、その結果、ガスをリザーバの内側に密封することができる、密封可能な開口部を含み得る。光ファイバOFは、リザーバ内に含まれていない中間セクションをさらに含むことができる。2つの別個のガスリザーバを使用するそのような配置は、光ファイバOFが比較的長い(例えば、長さが1mを超える)実施形態にとって特に都合がよい。2つの別個のガスリザーバを使用するそのような構成の場合、2つのリザーバ(2つのリザーバー内のガスの組成を制御、調整、および/または監視するための、当技術分野で知られている1つまたは複数の特徴を含み得る)は、光ファイバOFの中空コアHC内に作動媒体WMを提供するための装置を提供すると見なすことができる。
【0083】
この文脈において、窓へのその周波数の入射放射の少なくとも50%、75%、85%、90%、95%、または99%が窓を通して透過される場合、窓はその周波数に対して透明であり得る。
【0084】
第1の透明窓TW1および第2の透明窓TW2の両方が、リザーバRSVの壁内に気密シールを形成することができ、その結果、作動媒体WM(ガスであり得る)がリザーバRSV内に含まれ得る。ガスWMは、リザーバRSVの周囲圧力とは異なる圧力でリザーバRSV内に含まれ得る。
【0085】
作動媒体WMは、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガス、水素、重水素、窒素などのラマン活性ガス、またはアルゴン/水素混合物、キセノン/重水素混合物、クリプトン/窒素混合物、または窒素/水素混合物などのガス混合物を含んでもよい。充填ガスの種類に応じて、非線形光学プロセスには、変調不安定性(MI)、ソリトン自己圧縮、ソリトン分裂、カー効果、ラマン効果および分散波発生(DWG)が含まれる場合があり、その詳細はWO2018/127266A1およびUS9160137B1に記載されている(両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。充填ガスの分散は、リザーバRSR内の作動媒体WM圧力(つまり、ガスセル圧力) を変更することで調整できるため、生成される広帯域パルスのダイナミクスと関連するスペクトル広がり特性を調整して、周波数変換を最適化できる。
【0086】
一実施形態では、作動媒体WMは、広帯域出力放射ORDを生成するために、少なくとも入力放射IRDの受け取り中に中空コアHC内に配置され得る。光ファイバOFが広帯域出力放射を生成するための入力放射IRDを受信していない間、ガスWMは、中空コアHCから完全にまたは部分的に存在しない可能性があることが理解されよう。
【0087】
周波数を広げるために、高強度の放射が望ましい場合がある。中空コアHC光ファイバOFを有することの利点は、光ファイバOFを通って伝播する放射の強力な空間的閉じ込めによって高強度の放射を達成し、高い局所的な放射強度を達成できることである。光ファイバOF内の放射強度は、例えば、高い受信入力放射強度のため、および/または光ファイバOF内の放射の強い空間的閉じ込めのために、高くあってよい。中空コア光ファイバの利点は、中実コア光ファイバよりも広い波長範囲の放射を誘導できることであり、特に、中空コア光ファイバは、紫外線と赤外線の両方の範囲の放射を誘導できることである。
【0088】
中空コアHC光ファイバOFを使用することの利点は、光ファイバOF内に導かれる放射の大部分が中空コアHCに閉じ込められることである。したがって、光ファイバOF内の放射の相互作用の大部分は、光ファイバOFの中空コアHCの内部に提供される作動媒体WMとの相互作用である。その結果、放射に対する作動媒体WMの広がり効果が増大し得る。
【0089】
受け取られた入力放射IRDは、電磁放射であり得る。入力放射IRDは、パルス放射として受け取ることができる。例えば、入力放射IRDは、例えばレーザによって生成される超高速パルスを含み得る。
【0090】
入力放射IRDは、コヒーレント放射であり得る。入力放射IRDは、コリメートされた放射であり得る。その利点は、入力放射IRDを光ファイバOFに結合する効率を促進および改善することであり得る。入力放射IRDは、単一の周波数または狭い範囲の周波数を含み得る。入力放射IRDは、レーザによって生成され得る。同様に、出力放射ORDは、コリメートされ得、および/またはコヒーレントであり得る。
【0091】
出力放射ORDの広帯域範囲は、放射周波数の連続範囲を含む連続範囲であってよい。出力放射ORDは、スーパーコンティニウム放射を含み得る。連続放射は、多くのアプリケーション、たとえば計測アプリケーションでの使用に役立つ場合があります。たとえば、周波数の連続範囲を使用して、多数の特性を調べることができる。周波数の連続範囲は、例えば、測定された特性の周波数依存性を決定および/または排除するために使用され得る。スーパーコンティニウム出力放射ORDは、例えば、100nm~4000nmの波長範囲にわたる電磁放射を含み得る。広帯域出力放射ORDの周波数範囲は、例えば、400nm~900nm、500nm~900nm、または200nm~2000nmであり得る。スーパーコンティニウム出力放射ORDは、白色光を含み得る。
【0092】
パルスポンプ放射源PRSによって提供される入力放射IRDは、パルス状であってよい。入力放射IRDは、200nmから2μmの間の1つまたは複数の周波数の電磁放射を含み得る。入力放射IRDは、例えば、1.03μmの波長を有する電磁放射を含み得る。パルス放射122の繰り返し率は、1kHzから100mMのオーダーの大きさであり得る。パルスエネルギーは、0.1μJから100μJ、たとえば1~10μJのオーダーの大きさを持ち得る。入力放射IRDのパルス持続時間は、10fsから10psの間、例えば、300fsであり得る。入力放射IRDの平均電力は、100mWから数100Wの間であり得る。入力放射IRDの平均電力は、例えば、20~50Wであり得る。
【0093】
パルスポンプ放射源PRSはレーザであってもよい。このようなレーザパルスの時空間伝送特性、例えば光ファイバOFに沿って伝送されるそのスペクトル振幅と位相は、(ポンプ)レーザパラメータ、作動媒体WM変動、および光ファイバOFパラメータの調整を通じて変更および調整することができる。前記時空間伝送特性は、出力電力、出力モードプロファイル、出力時間プロファイル、出力時間プロファイルの幅(または出力パルス幅)、出力スペクトルプロファイル、および出力スペクトルプロファイルの帯域幅(または出力スペクトル帯域幅)のうちの1つまたは複数を含み得る。前記パルスポンプ放射源PRSパラメータは、ポンプ波長、ポンプパルスエネルギー、ポンプパルス幅、ポンプパルス繰り返し率のうちの1つ以上を含み得る。前記光ファイバOFパラメータは、光ファイバの長さ、中空コアHCのサイズおよび形状、キャピラリのサイズおよび形状、中空コアHCを取り囲むキャピラリの壁の厚さのうちの1つまたは複数を含み得る。例えば充填ガスなどの前記作動媒体WMのパラメータには、ガスの種類、ガス圧力、ガス温度の1つ以上が含まれ得る。
【0094】
放射源RDSによって提供される広帯域出力放射ORDは、少なくとも1Wの平均出力電力を有し得る。平均出力電力は、少なくとも5Wであり得る。平均出力電力は、少なくとも10Wであり得る。広帯域出力放射ORDは、パルス化された広帯域出力放射ORDであり得る。広帯域出力放射ORDは、少なくとも0.01mW/nmの出力放射の全波長帯域におけるパワースペクトル密度を有し得る。広帯域出力放射の全波長帯域のパワースペクトル密度は、少なくとも3mW/nmであり得る。
【0095】
前述の計測用途など、広帯域出力放射ORDを必要とする多くの用途では、広帯域出力放射ORDのノイズをさらに低減することへの関心が高まっている。前述の中空コア(HC)光ファイバ(OF)ベースの広帯域放射源などのパルスレーザ源の場合、レーザノイズの主な発生源は、出力放射のパルスごとの変動である。このようなパルスレーザ源が例えばウェハアライメント用途に使用される場合、レーザノイズはアライメント位置再現性(APR)に直接影響を及ぼし、ひいてはオーバーレイにも直接影響を与える。レーザノイズが高くなるほど、APR(したがってオーバーレイ) も高くなる。比較的高いパルス間の変動は広帯域放射生成プロセスの基本であるため、現時点ではこの光源固有の問題に対する直接的な解決策はない。したがって、広帯域放射源の下流でレーザノイズを間接的に低減する必要がある。
【0096】
例えば、既存の方法では、アライメントマークを照明するために広帯域放射のビームが使用される。その後、アライメントマークから回折された信号ビームは2つのサブ信号に分割され、それぞれが同じレーザノイズを運ぶ。2つのサブ信号の位相が完全に異なる(または位相遅延π)ように2つのサブ信号間の相対位相遅延を制御することにより、2つのサブ信号が加算されて最終信号が形成される。同じレーザノイズを運ぶ2つのサブ信号は位相が異なるため、このような2つのサブ信号を加算すると、2つのサブ信号が打ち消され、レーザノイズが残る。一旦決定されると、レーザ信号からレーザノイズを除去できる。しかし、このような既存の方法だけでは、APRを下げたり、レーザノイズ全体を除去したりするには十分ではない。これは、測定に不完全性があると(たとえば、2つのサブ信号の位相が部分的にずれているなど)、残留レーザノイズが発生し、APRが高くなる可能性があるためである。
【0097】
図10は、測定されたAPRをレーザ繰り返し率の関数として示すプロットの例であるす。
図10に示すように、各データポイントは、選択された繰り返し率で広帯域出力放射ORDを使用して測定されたAPRILを表す。より具体的には、選択された各繰り返し率で、広帯域出力放射ORDの第1部分および第2部分を使用してアライメントマークを照射し、それぞれ第1アライメント信号および第2アライメント信号を生成する。続いて、第1および第2のアライメント信号を使用して信号差を生成する。統計的に意味のあるデータのセットを取得するために、測定は複数回繰り返される。次に、データセットを使用して、選択した繰り返し率のAPRデータポイントが生成される。ある信号を別の信号から減算すると、動的振動ノイズが相殺されるため、結果として生じるAPRは主にレーザノイズによって引き起こされる。
【0098】
この図は、最も低い繰り返し率 (つまり2.5MHz) で測定されたAPRが、最も高い繰り返し率(つまり40MHz)で測定されたAPRよりも0.12nm以上高いことを明確に示している。したがって、広帯域放射源の繰り返し率を高めることが、レーザノイズによって引き起こされるAPRを低減するための潜在的な解決策であると考えられる。しかし、多くの広帯域放射源、特に中空コアHC光ファイバOF(HC-PCFなど)ベースの放射源では、レーザの寿命はレーザの繰り返し率に反比例する。つまり、レーザの繰り返し率が高いほど、レーザの寿命は短くなる。このため、HC-PCFベースの放射源は通常、比較的低い繰り返し率、たとえば1MHzから5MHzの範囲で動作し、それによって比較的高いAPR(たとえば0.1から0.2nm)および従って高いオーバーレイを引き起こす。したがって、レーザの寿命を損なうことなく、広帯域放射源のレーザノイズを効果的に低減できる方法が非常に望まれている。
【0099】
相対強度ノイズ(RIN)は通常、パルス間の変動の程度を説明するために使用される。RINは、平均電力レベルに正規化された電力ノイズであり、次のように表すことができる。
【数1】
ここで、σとμはそれぞれパルス振幅分布の標準偏差と平均である。典型的なHC-PCFベースの広帯域放射源のRINは、測定された波長または波長範囲に応じて、例えば0.4から0.6の範囲であり得る。
【0100】
本開示では、既存の方法に関連する上述の問題を克服するための方法および装置が提案される。以下の例で具体化される提案された方法および装置は、レーザの寿命に影響を与えることなく、広帯域放射源のレーザノイズを低減する柔軟かつ効果的な方法を提供する。これは、広帯域放射源から放出されるパルスに光学フィルタ装置を適用することによって達成され、パルス振幅が安定化され、したがってパルス間の振幅またはエネルギー変動の程度が低減される。
図11(a)および
図11(b)は、それぞれ光学フィルタ装置の適用前および適用後のシミュレートされたパルス振幅を示す2つのプロット例である。
図11(a)に示されるシミュレートされたパルス振幅の場合、パルス振幅統計は、特定の分布、例えば、ポアソン分布に従う可能性がある。光学フィルタ装置をレーザパルスに適用する目的は、振幅分布を選択的にフィルタリングして、分布の所望の部分(例えば、より高い発生確率を有するパルス振幅に対応する中心部分)のみが保持されるようにすることである。
図11(b)から明らかなように、望ましくない部分を除去した後、パルス間の振幅またはエネルギー変動は、たとえば30%以上大幅に低減できる。
【0101】
提案された方法では、必ずしも広帯域出力放射ORDのスペクトル全体が同じ統計分布に従う必要はないことに留意されたい。提案された方法は、特定の光波長または波長範囲が特定の統計的分布に従い、その分布が有限の幅を含む限り適用可能である。
【0102】
図12は、光学フィルタ装置の動作原理を概略的に示している。光学フィルタ装置は、光パルスを受信し、各光パルスのパルスエネルギーに応じて光パルスを光学面上に空間的に分布させるように動作可能な光発散装置と、前記光学面に配置され、空間分布の結果として生じる光学面における各光パルスの位置に基づいて、光パルスに空間フィルタリングを適用するように動作可能である空間フィルタと、を備えてよい。
図12に概略的に示される動作原理は、光発散装置が偏向ミラーDMを備える光学フィルタ装置の実施形態に基づいていることに留意されたい。このような偏向ミラーDMは、広帯域出力放射ORDのビームを、例えば空間フィルタSFに向けて反射するために使用され得る。広帯域出力放射ORDのビームは、例えばHC-PCFベースの広帯域放射源から発せられ、特定の繰り返し率での光パルス列を含み得る。偏向ミラーの一端(または固定端)は、ミラーサポートなどの固定点に固定できるが、他端(または自由端)は、広帯域出力放射ORDのビームが反射する反射面内で自由に移動または変位できる。偏向ミラーは、固定点FPの周りで偏向可能または傾斜可能であり、偏向または傾斜角度が広帯域出力放射ORDのパルスによって及ぼされる放射圧に依存するように構成することができる。
【0103】
例えば、偏向ミラーDMにパルスが入射しない場合、偏向ミラーDMはデフォルトの偏向位置P0に留まり得る。比較すると、特定のパルスエネルギーまたは振幅を有するパルスが偏向ミラーDMに入射する場合、それは、放射圧によって、
図12に示す第1、第2、および第3の偏向位置P1、P2、P3などの特定の偏向位置に偏向される可能性がある。3つの偏向位置P1、P2、P3は、それぞれ、デフォルトの偏向位置P0に対して形成される第1、第2、および第3の偏向角DA1、DA2、DA3、および第1、 第2および第3のパルスエネルギーPE1、PE2、PE3に対応する。第3のパルスエネルギーまたは振幅PE3は、第2のパルスエネルギーまたは振幅PE2よりも高くてもよく、第2のパルスエネルギーまたは振幅PE2は、第1のパルスエネルギーまたは振幅PE1よりも高くてもよい。偏向角は作用する放射圧、従って入射パルスエネルギーに比例するので、第3偏向角DA3は第2偏向角DA2より大きくなり、第2偏向角DA2は第1偏向角DA1より大きくなり得る。各偏向角(例えば、第2の偏向角DA2)は、偏向ミラーの自由端のエッジの対応する垂直変位(例えば、d2)を偏向ミラーDMの長さLで割ったもの、すなわち、DA2=d2/Lによって近似することができる。以下の説明では、偏向ミラーの偏向(deflection)を、ミラーの自由端のエッジの垂直方向の変位によって評価することに留意する。
【0104】
簡単にするために、
図12では3つの異なるシナリオのみを示しており、それぞれが異なるパルスエネルギーを持つパルスに対応していることに留意されたい。実際には、広帯域出力放射のパルス列は、複数のパルスエネルギーを有する複数のパルスを含む。反射すると、依然として時間的には分離されているが、反射パルスの一部(例えば、ポアソン分布のほぼ中心にあるパルスエネルギーまたは振幅を有するパルス)は、少なくとも部分的に空間的に重なり、したがって空間的に発散する反射ビームDRBを形成する。広帯域出力放射ORDが偏向ミラーDMとの相互作用の前に十分に平行化されていると仮定すると、反射ビームDRBの空間的発散は主に様々な異なる反射角でのミラー反射によって引き起こされ、したがって反射ビームDRBは主に反射面内で発散する。その結果、反射ビームDRBは、長軸LAが反射面内にある楕円ビームプロファイルを含む。所望の範囲外のパルス振幅またはエネルギー(例えば、低すぎるまたは高すぎるパルス振幅またはエネルギー)を有する他の反射パルスは、空間的に発散する反射ビームDRBの長軸に沿った2つのエッジの周囲に位置し、場合によっては、空間的に発散する反射ビームからも空間的に分離される。空間フィルタSFを使用して、空間的に発散する反射ビームDRBの望ましくない部分を空間的にフィルタリングして除去することにより、反射ビームDRBの残りの部分は、より一貫したパルス振幅またはエネルギーを有するパルスで構成され、その結果、パルス間変動またはRINが低くなる。
【0105】
参考文献、H.-J. Butt et al.、Surface Science Reports 59 (2005) 1?152 (参照により本明細書に組み込まれる) によれば、入射放射ビームによって加えられる力は次の式で与えられる。
【数2】
ここで、P
Rは反射パワー、P
Aは吸収パワー、θは入射角、c
0は光の速度である。偏向ミラーDMが反射コーティングでコーティングされていると仮定すると、P
A=0となる。反射による (瞬間的な) パワーは、パルスエネルギーεとパルス幅τに次のように関係する。
【数3】
【0106】
静的解析では、特定の力に対する偏向ミラーDMの偏向は次の式で与えられる。
【数4】
ここで、kはバネ定数、Zは偏向である。偏向ミラーDMのバネ定数kは次の式で与えられる。
【数5】
ここで、Eはヤング率、w、tおよびLは、それぞれ偏向ミラーの幅、厚さ、および長さである。
【0107】
ただし、ここでは各パルスが独立して処理されるため、動的な処理が必要になる。偏向ミラーは質量バネシステムとして機能するため、単振動に従う。したがって、各偏向ミラーは2次の運動方程式に従う。参考文献『Fundamentals of Vibrations』(Leonard Meirovitch、McGraw-Hill、2001 年) によれば、2次の運動方程式は次のように与えられる。
【数6】
ここで、mは偏向ミラーDMの(有効)質量、cは粘性減衰係数である。運用されているレジームは、アンダーダンプ(underdamped)の2次システムをもたらすようなものである。このシステムの解決策は既知である。特に、初期条件を受けるアンダーダンプの2次システムの応答は次のようになる。
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【0108】
上記の運動方程式、つまり方程式[6]とその解、つまり方程式[7]は、適用される力がゼロであると仮定していることに留意されたい。我々のケースでは、力はゼロではなく、各入射パルスによって引き起こされる「衝撃」が存在する。 衝撃力は次の式で与えられる初速度を生成することが知られている。
【数12】
ここで、力-時間曲線の下の単位面積を持つインパルスの場合、I=1キログラム-メートル/秒(kg・m/s) となる。ただし、使用されるパルスは、たとえば半値全幅 (FWHM)によって特徴付けられる有限のパルス幅を持つガウス形パルスであるため、Iは1ではなく、導出する必要がある。これを行うために、入力パルスが方形であると仮定できる。パルスのガウス特性を考慮すると、これは適切な仮定である。 また、入射角はゼロと仮定する。そのとき:
【数13】
【数14】
【数15】
【0109】
したがって、エネルギーεのパルスに対する偏向ミラーDMの応答は完全に決定される。パルス幅は実際には偏向ミラーDMの応答に影響を与えないことに留意されたい (上記で使用した近似の範囲内で)。
【0110】
上記の方程式、すなわち、方程式[4]から[15]は、関連パラメータとともに、偏向ミラーベースの質量バネシステムをシミュレートするために使用することができる。シミュレーションを容易にするために、市販の原子間力顕微鏡(AFM)のカンチレバー例のパラメータを使用することができる。AFMカンチレバーは、偏向ミラーとして使用すると多くの利点がある。第一に、AFMカンチレバーは既知の技術であり、市販されている。第二に、さまざまな異なるパラメータ(さまざまな剛性など)を備えた多くの異なるカンチレバーがすでに市場で入手可能であるため、さまざまな使用例が可能になる。第三に、すべてではないにしてもほとんどの市販の AFMカンチレバーは、AFMでレーザ光を反射するために 1つ以上の光学コーティングですでにコーティングされているため、それらを直接使用できる可能性がある。AFMカンチレバーの既存のコーティングが入射広帯域出力放射ORDに適していない場合、カンチレバーに異なる反射コーティングを適用することができ、反射コーティングは入射広帯域出力放射ORDのスペクトルプロファイルに従って最適化される。
【0111】
以下のパラメータを上の方程式に適用することによって、所与のエネルギーの入射パルスに対する偏向ミラー(例えば、AFMカンチレバー)の応答を決定することができる。以下に示すパラメータ値は実装例に基づいていることに留意されたい。異なる実装に基づく他の異なるパラメータ値も同様に適用できる。
dt = 1e-9; %時間ステップ
t = (0 : dt : 0.6e-6); %時間
c = 80e-7; %粘性減衰係数
w = 20e-6; %カンチレバーの幅
L = 25e-6; %カンチレバーの長さ
thick = 1.25e-6; %カンチレバーの厚さ
E = 100e9; %シリコンのヤング率
rh = 2329; %シリコンの密度
m = 0.2427*w*thick*L*rho; %カンチレバーの有効質量
z0 = 0e-6; %初期変位
e = 0.5*5e-6; %入射パルスエネルギー
【0112】
図13は、それぞれ異なるパルスエネルギーを有する3つの光パルスの単一反射によって引き起こされるカンチレバーのシミュレートされた時間依存偏向を示すプロットである。シミュレーションでは、カンチレバーの材質はシリコンであり、カンチレバーの幅、長さ、厚さはそれぞれ20μm、25μm、1.25μmである。全てのパルスの入射角は0度または略0度に近い値に設定される。偏向ミラーの偏向はナノメートルの単位であり、各光パルスが当たった後の偏向ミラーDMの自由端が固定端に対して半径方向に移動する結果である。
図13に示すように、最大偏向はパルスエネルギーとともに増加し、3偏向曲線すべてで、最大偏向点M1、M2、M3は、カンチレバーに広帯域出力放射ORDのパルスが照射されてから約80ns後に位置する。応答がどのくらい早く減衰するかは、カンチレバーの形状に依存する。
図13に示すこの特定のシミュレーションでは、カンチレバーは、入射パルスによって引き起こされる応答を減衰させるのに少なくとも400nsを必要とする。換言すれば、カンチレバーの偏向は、広帯域出力放射ORDのパルスがカンチレバーに照射されてから約400nsでゼロに戻る。400nsの応答時間は、2.5MHzのパルス繰り返し率に相当する。したがって、次のパルスがカンチレバーに到着するときに、前のパルスによって生じたカンチレバーの偏向が少なくとも実質的にゼロに戻っていることを保証するために、広帯域出力放射のパルス繰り返し率を2.5MHz未満に維持することができる。前述したように、一般に繰り返し率が高くなるとレーザーノイズが低くなり、本発明はそれほど必要なくなるため、これは制限ではない。さらに、カンチレバーの周囲の環境を変更することで400nsという数値を変更し、減衰がより速く起こるようにすることができる。
【0113】
広帯域出力放射線ORDのパルスは、偏向ミラーの顕著な偏向の前に反射を受けることを理解されたい。これは、
図13に示すシミュレーションデータで明らかである。そこでは、カンチレバーの最大偏向は、パルスがカンチレバーによって反射される時点に対して約 80nsの遅延時間で記録されている。このような遅延応答は主に、偏向ミラー (カンチレバーなど) ベースの質量バネシステムが有限のイナート質量(inert mass)を持ち、これは、入射光パルス(たとえば、HC-PCFベースの広帯域放射源から生成される出力放射のパルス)の持続時間よりもはるかに長い加速時間を示す。偏向ミラーに運動量を伝達しながら、単一パルスは本質的に偏向されていないミラーから反射する。ミラーの偏向が大きくなると、異なるパルスエネルギーを持つパルスのより良い空間分離が可能になり、その結果、不要な振幅やエネルギーを持つパルスをより効果的に除去できるようになるため、1回目の反射ですでに偏向ミラーDMを偏向させていた反射パルスが、偏向ミラーの偏向が最大に達すると2回目の反射のために偏向ミラーDMに戻されるように、光学フィルタ装置OFAを構成することが望ましい。偏向ミラーDM上での2回目の反射のための各光パルスの方向転換は、例えば光遅延線(オプティカル・ディレイライン)によって達成することができる。
【0114】
図14は、光学フィルタ装置OFAの一実施形態を概略的に示す。この実施形態では、光学フィルタ装置OFAは、偏向ミラーDM、光遅延装置ODA、および空間フィルタを備えてよい。光パルス列を含む広帯域出力放射ORDのビームは、偏向ミラーDMに斜めに入射してよい。広帯域出力放射ORDは、例えば中空コア光ファイバベースの広帯域放射源によって生成され得る。したがって、関連するレーザパラメータの値は、上の段落で説明した典型的なパラメータ範囲内に収まり得る。提案された方法および装置は、広帯域放射のレーザノイズを低減することに限定されないことに留意されたい。これらは、狭スペクトル帯域幅の放射のレーザノイズを低減するのにも同様に適用できる。
【0115】
偏向ミラーDMは、入射レーザパルスの反射時に偏向ミラーDMの固定点FPの周りで偏向または傾斜できる任意のミラーであってよい。偏向ミラーDMの偏向または傾斜は、広帯域出力放射ORDが偏向ミラーDMによって反射される反射面で発生してよい。
図14の実施形態では、偏向ミラーはカンチレバーを備えることができ、その一端は固定点FPで例えばミラーサポート(図示せず)に固定され、他端は移動または変位可能である。例示的なカンチレバーはシリコンで作製され得る。カンチレバーの寸法は、
図13に示すシミュレーションで使用したものと同じである。
【0116】
異なる実施形態では、シリコン以外の異なる材料で作られた他のタイプの偏向ミラーDMが使用されてもよい。さらに、偏向ミラーDMの寸法は、さまざまな用途のニーズを満たすように柔軟に選択することができる。いくつかの実施形態では、偏向ミラーは、1μm~1000μm、1μm~500μm、1μm~100μm、または1μm~10μmの範囲の幅および長さの一方または両方を含んでもよい。そして、1μm~5μm、1μm~10μm、または1μm~100μmの範囲の厚さを含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏向ミラーDMは、所望のスペクトル範囲、例えば入射光パルスのスペクトル範囲で高い反射率を提供するように構成された1つまたは複数の反射コーティングを備え得る。所望のスペクトル範囲における高い反射率は、少なくとも80%、または少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%であり得る。反射コーティングがカバーするスペクトル範囲は、100nm~4000nm、400nm~900nm、500nm~900nmまたは200nm~2000nmであってもよい。いくつかの実施形態では、偏向ミラーDMは、0.1μJから100μJの間の範囲のパルスエネルギーを有する光パルスを受けた後、十分な偏向を提供することができる。
【0117】
偏向ミラーDM(例えば、カンチレバー)からの最初の反射の際、入射光パルスは光遅延装置ODAに反射され得る。簡単にするために、広帯域出力放射ORDの光パルスは同じパルスエネルギーを含み、したがって、偏向ミラーDM(偏向または非偏向のいずれか)からの反射のたびに、すべてのパルスが同じ軌道をたどると仮定されることに留意されたい。これが、
図14において反射光パルスが単一の実線で表されている理由である。しかしながら、実際には、光パルスは異なるパルスエネルギーを含み、したがって偏向ミラーDMに異なる放射圧を及ぼすことになる。その結果、光パルスは偏向ミラーからの反射時に異なる軌道をたどることになり、その結果、
図12に示す空間発散反射ビームDRBなどの空間発散ビームが形成される。最初の反射中に入射光パルスによって及ぼされる放射圧によって駆動され、偏向ミラーDMは、デフォルト位置P0から、最初の反射によって引き起こされる偏向が最大に達する第1の新しい位置P1’に向かって徐々に移動し得る。
【0118】
光遅延装置ODAは、反射光パルスRPに遅延時間を適用し、その後、反射光パルスRPを偏向ミラーDMに戻すように構成され得る。光遅延装置ODAによって反射光パルスRPに適用されるこのような遅延時間は、調整可能であってもよい。一実施形態では、光遅延装置ODAは、並進ステージTS上に配置された2つのミラーR1、R2を備えることができる。並進ステージTSを移動させることにより、光遅延装置ODAの2つのミラーR1、R2と偏向ミラーDMとの間の移動距離を変化させることができ、その結果、光パルスに適用される遅延時間が変化することになる。偏向ミラーDMの最大偏向を最大限に利用するために、偏向ミラーDM上での反射光パルスRPの2回目の反射が偏向ミラーDMの最大偏向、例えば、第1の新しい位置P1’と実質的に同時に起こるように、光遅延時間を最適化することができる。最大偏向と実質的に同時とは、例えば、偏向ミラーがその最大偏向の1%、3%、5%、10%、15%または20%以内にあるときに偏向ミラーに到達すると定義することができる。
【0119】
上述したように、最大偏向は、入射光パルスによって及ぼされる放射圧の強度に依存し、放射圧は、入射光パルスのパルスエネルギーに依存する。最大偏向は入射パルスエネルギーに依存するが、これが発生する時点はパルスエネルギーとは無関係であり、偏向ミラーの特性(形状、材質など)および環境(減衰係数など)によって決まることに留意されたい。いくつかの実施形態では、光遅延装置ODAによって反射パルスRPに適用される遅延時間は、1ns~100ns、1ns~200ns、1ns~500ns、または1ns~1000nsの範囲であってもよい。
【0120】
偏向ミラーDMからの2回目の反射の際、反射された光パルスRPは、偏向ミラーDMの偏向に依存するパルスエネルギーによって決定される新たな伝播方向をたどることができる。例えば、
図14の実施形態では、反射光パルスRPの2回目の反射は、偏向ミラーDMが第1の新しい位置P1’に移動したときに発生し得る。反射光パルスRPの2回目の反射は、同じパルスの1回目の反射によって引き起こされた既存の偏向に加えて、さらなるミラー偏向を引き起こす可能性がある。2回目の反射中に反射光パルスRPによって及ぼされる放射圧によって駆動されて、偏向ミラーDMは偏向を続け、第1の新しい位置P1’から第2の反射による偏向が最大に達する第2の新しい位置P2’まで移動し得る。したがって、偏向ミラーDMの合計累積偏向、すなわちP0からP2’までは、第1の反射によって引き起こされる最大偏向と第2の反射によって引き起こされる最大偏向の合計であり得る。
【0121】
図15は、
図13に示されるシミュレーションで使用される、2つの連続入射光パルスの2つの反射によって引き起こされる、シミュレーションされた偏向ミラー(例えば、カンチレバー)の時間依存偏向を示すプロットである。
図15に示すシミュレーションは、
図13に示すシミュレーションの拡張である。これは、
図13に示すシミュレーションで使用されるほとんどのパラメーター値 (偏向ミラーDM および光パルスに関連するパラメーター値など) が
図15に示すシミュレーションでも使用されることを意味する。2つのシミュレーションの主な違いは、
図15に示すシミュレーションでは光パルスの2回目の反射に遅延時間を適用できるため、同じ光パルスの2回目の反射によって引き起こされる追加のミラー偏向を実証できることである。
【0122】
図15に示すように、第1のパルスの最初の反射により、偏向ミラーDMは、偏向がゼロのデフォルト位置(例えば、
図14に示すデフォルト位置P0)から、ミラーの偏向が80nsの初回のインスタンスT1で第1の偏向点D1に到達する(例えば、
図14に示す第1の新しい位置P1’)第1の新しい位置に移動する。このシミュレーションでは、第1の偏向点D1は、最初の反射中に光パルスによって及ぼされる放射圧で達成可能な最大偏向となるように選択される。反射された光パルスRPに80nsの遅延時間(
図13に示すシミュレーションと同じ)を適用することにより、同じパルスの2回目の反射は、偏向ミラーDMの偏向が第1の偏向点D1に到達したときと正確にまたはほぼ同時に発生する。2回目の反射の際、偏向ミラーDMは偏向を続け、第1の新しい位置から、偏向が130nsの2回目のインスタンスT2で第2の偏向点D2に到達する第2の新しい位置(例えば、
図14に示す第2の新しい位置P2’)に移動する。このシミュレーションでは、第2の偏向点D2は、2回目の反射中に光パルスによって及ぼされる放射圧で達成可能な最大の偏向となるように選択される。したがって、第2の偏向点D2は、偏向曲線の最初のピークの最大偏向点であり、最初の反射によって引き起こされる最大偏向1.75nmと2回目の反射によって引き起こされる最大偏向1.3nmの合計に等しい3.05nmの値を有する。
【0123】
偏向ミラーDMの偏向が130nsの2回目のインスタンスで第2の偏向D2に到達するまでに、偏向がゼロであるデフォルト位置に戻り始める。残留ミラー偏向の影響を軽減または回避するには、偏向ミラーDMの偏向がゼロまたは実質的にゼロに近いときに、後続の光パルスが偏向ミラーDMに到達することが望ましい。
図15に示すシミュレーションでは、ミラーの偏向が0.2nmの残留偏向を有する残留偏向点D0まで減少する400nsの第3のインスタンスT3で第2のパルスが偏向ミラーDMに当たる。このような残留偏向は、第2の偏向点D2における最大偏向、すなわち3.05nmよりも一桁以上小さいため、後続の光パルスへの影響は無視できる。
【0124】
少なくとも400nsのパルス分離時間を確保するために、入射光パルスの繰り返し率は2.5MHz以下に維持され得る。上述の値は、
図15に示すシミュレーションで採用された光学フィルタ装置OFAの構成例に基づいていることに留意されたい。光学フィルタ装置OFAが異なる方法で構成されている場合には、異なる値が得られる可能性がある。
【0125】
図15に示すように、第2のパルスの2回の反射から生じる偏向曲線の第2のピークは、偏向ミラーDM偏向が、残留偏向点D0から第1偏向点D1’(80nsの遅延時間後) まで増加し、その後、第2偏向点D2’に到達するという点で、第1のパルスの2回の反射から生じる偏向曲線の第1のピークと類似している。ここで、第2偏向点D2’は、偏向曲線の第2ピークの最大偏向点でもある。第1偏向点D1での偏向は、第2のパルスの 1回目の反射によって引き起こされる最大偏向であり、第2偏向点D2’での偏向は、第2のパルスの2回の反射でそれぞれ引き起こされる最大偏向の合計である。偏向ミラーDMの偏向が最大値、すなわち第2偏向点D2’に達すると、再びゼロまで減少し始める。
【0126】
図14に戻って参照すると、偏向ミラーDMからの2回の反射の後、各反射光パルスは、パルスエネルギーに依存する軌道をたどることによって空間フィルタSFに向けられ得る。空間フィルタSFは、望ましくないパルスエネルギー、例えば、特定の範囲外のパルスエネルギーを有する光パルスを含む空間的に発散する光ビームの一部(例えば、周辺領域)を少なくとも部分的に遮断するために使用され得る。したがって、空間フィルタSFを透過する光パルスのエネルギー分布はより均一になる、言い換えれば、パルス間の振幅またはエネルギーの変動が減少する。パルスエネルギー範囲は、光パルスの平均エネルギーの±5%、±10%、または±15%以内であってもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、空間フィルタSFは、吸収性、散乱性、および/または反射性の、孔を含む基板を含む開口を備え得る。好ましい実施形態では、空間フィルタSFは、ソフトアパーチャを備えることができ、その基板は、光パルスに対する透過率が徐々に変化する材料(例えば、適切なガラス)を備える。異なる実施形態では、空間フィルタSFは、動的に調整可能であるように構成され得る。例えば、空間フィルタSFの開口の位置および/またはサイズは、空間フィルタSFが偏向ミラーDMと常に良好に位置合わせされ、空間フィルタSFの開口サイズを変更することによってレーザノイズ低減の程度が能動的に制御できるように、動的に調整可能であってもよい。異なる実施形態では、空間フィルタSFは反射構成で動作してもよい。例えば、空間フィルタは、空間的に発散する光ビームの一部(例えば、中央領域)を選択的に反射する一方、光ビームの選択されていない部分(例えば、周辺領域)を吸収または透過する反射ミラーを備えてもよい。
【0128】
上記の実施形態は説明のために提供されており、限定するものではなく、異なる偏向ミラーおよび/または異なる空間フィルタを備える他の実施形態も可能であることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、偏向ミラーDMは、空気以外の異なる媒体(例えば、水、ガス、油)中で動作することができ、その結果、光パルスに対する偏向ミラーDMの応答が異なることがある。これは、異なる媒質中で動作する偏向ミラーDMが、空気中とは異なる粘性減衰係数、すなわち式[11]のcの値を有する可能性があるという事実によるものと考えられる。異なる実施形態では、偏向ミラーDMの物理的寸法の要件を緩和することができるように、1つまたは複数の光学レンズを使用して、入射放射、例えば広帯域出力放射ORDのビーム直径を制御(例えば増加または減少)してもよい。また、上記の実施形態は、広帯域パルス放射のレーザノイズを低減するという文脈で説明されているが、光学フィルタ装置OFAは、異なる時間特性およびスペクトル特性(例えば、パルス幅、スペクトル帯域幅、中心波長)を有するパルス放射のノイズ性能を改善できるツールとして理解されるべきであることに留意されたい。
【0129】
図16は、本明細書に開示される方法およびフローの実装を支援することができるコンピュータシステム1600を示すブロック図である。コンピュータシステム1600は、情報を通信するためのバス1602または他の通信機構と、情報を処理するためにバス1602に結合されたプロセッサ1604(または複数のプロセッサ1604および1605)を含む。コンピュータシステム1600はまた、プロセッサ1604によって実行される情報および命令を記憶するためにバス1602に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶装置などのメインメモリ1606を含む。メインメモリ1606はまた、プロセッサ1604によって実行される命令の実行中に、一時変数または他の中間情報を格納するために使用されてもよい。コンピュータシステム1600は、プロセッサ1604のための静的情報および命令を記憶するために、バス1602に結合された読み取り専用メモリ(ROM)1608または他の静的記憶装置をさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置1610が提供され、情報および命令を記憶するためにバス1602に結合される。
【0130】
コンピュータシステム1600は、バス1602を介して、コンピュータユーザに情報を表示する陰極線管(CRT)またはフラットパネルまたはタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ1612に結合され得る。英数字キーおよび他のキーを含む入力デバイス1614は、情報およびコマンド選択をプロセッサ1604に伝達するためにバス1602に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ1604に伝達し、ディスプレイ1612上のカーソルの動きを制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御1616である。この入力デバイスは通常、第1軸 (xなど) と第2軸 (yなど) の2つの軸に2つの自由度を備えており、これによりデバイスは平面内の位置を指定できる。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイを入力装置として使用することもできる。
【0131】
本明細書に記載される方法のうちの1つまたは複数は、メインメモリ1606に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサ1604に応答して、コンピュータシステム1600によって実行され得る。このような命令は、記憶装置1610などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ1606に読み込むことができる。メインメモリ1606に含まれる一連の命令の実行により、プロセッサ1604は本明細書に記載のプロセスステップを実行する。マルチプロセッシング構成内の1つまたは複数のプロセッサを使用して、メインメモリ1606に含まれる一連の命令を実行することもできる。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路を、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。したがって、ここでの説明は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0132】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ1604に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形式をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、記憶装置1610などの光ディスクまたは磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリ1606などのダイナミックメモリが含まれる。伝送媒体には、バス1602を構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線および光ファイバが含まれる。伝送媒体は、無線周波数 (RF) および赤外線 (IR) データ通信中に生成される音響波または光波の形をとることもある。コンピュータ可読媒体の一般的な形式には、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを備えた他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、その他のメモリチップまたはカートリッジ、以下に説明する搬送波、またはコンピュータが読み取ることができるその他の媒体が含まれる。
【0133】
コンピュータ可読媒体の様々な形態は、実行のために1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ1604に運ぶことに関与し得る。たとえば、命令は最初はリモートコンピュータの磁気ディスク上に保存される場合がある。リモートコンピュータは命令を動的メモリにロードし、モデムを使用して電話回線経由で命令を送信できる。コンピュータシステム1600にローカルなモデムは、電話回線上のデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス1602に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、そのデータをバス1602上に置くことができる。バス1602はデータをメインメモリ1606に搬送し、プロセッサ1604はそこから命令を取り出して実行する。メインメモリ1606によって受信された命令は、オプションで、プロセッサ1604による実行の前または後のいずれかに記憶装置1610に記憶され得る。
【0134】
コンピュータシステム1600はまた、バス1602に結合された通信インタフェース1618を含むことが好ましい。通信インタフェース1618は、ローカルネットワーク1622に接続されたネットワークリンク1620に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェース1618は、対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供するサービス総合デジタル網(ISDN)カードまたはモデムであってよい。別の例として、通信インタフェース1618は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクが実装されてもよい。このような実装形態では、通信インタフェース1618は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号を送受信する。
【0135】
ネットワークリンク1620は、通常、1つまたは複数のネットワークを介して他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1620は、ローカルネットワーク1622を介して、ホストコンピュータ1624、またはインターネットサービスプロバイダ(ISP)1626によって運営されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP1626は、次々に、世界規模のパケットデータ通信ネットワークを介してデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク1622およびインターネット1628は両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号を使用する。コンピュータシステム1600との間でデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを介する信号、ネットワークリンク1620および通信インタフェース1618を介する信号は、情報を搬送する搬送波の例示的な形態である。
【0136】
コンピュータシステム1600は、ネットワーク、ネットワークリンク1620、および通信インタフェース1618を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ1630は、インターネット1628、ISP1626、ローカルネットワーク1622、および通信インタフェース1618を介して、アプリケーションプログラムの要求されたコードを送信することができる。1つのそのようなダウンロードされたアプリケーションは、例えば、本明細書に記載される1つ以上の技術を提供することができる。受信されたコードは、受信されたときにプロセッサ1604によって実行され、および/または後で実行するために記憶装置1610または他の不揮発性記憶装置に記憶され得る。このようにして、コンピュータシステム1600は、搬送波の形態でアプリケーションコードを取得することができる。
【0137】
さらなる実施形態は、以下の番号が付けられた項に開示されている。
1.光パルスを受信し、各前記光パルスのパルスエネルギーに応じて光パルスを光学面上に空間的に分布させるように動作可能である光発散装置と、
前記光学面に配置され、空間的分布の結果として生じる前記光学面における各前記光パルスの位置に基づいて、前記光パルスに空間フィルタリングを適用するように動作可能である空間フィルタと、
を備える光学フィルタ装置。
2.前記光発散装置は、前記光パルスを受け取り、その後反射するように構成された偏向ミラーを備え、前記偏向ミラーは、前記光パルスのそれぞれの反射のたびに偏向するようにさらに構成され、前記偏向の大きさは、前記光パルスのそれぞれのパルスエネルギーに依存し、前記偏向により、前記光学面上に前記光パルスが空間的に分布される、項1に記載の光学フィルタ装置。
3.前記偏向ミラーは、所定の位置に固定された固定端と反射面内で移動可能な自由端とを有するカンチレバーを備える、項2に記載の光学フィルタ装置。
4.前記偏向ミラーの偏向は、前記光パルスによる各衝撃による前記固定端に対する前記自由端の半径方向の移動を含む、項3に記載の光学フィルタ装置。
5.前記偏向ミラーはシリコンから成る、項2から4のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
6.前記偏向ミラーは、1μm~1000μmの範囲の幅を有する、項2から5のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
7.前記偏向ミラーは、1μm~1000μmの範囲の長さを有する、項2から6のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
8.前記偏向ミラーは、0.1μm~100μmの範囲の厚さを有する、項2から7のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
9.前記偏向ミラーは、2回目の反射時に前記光パルスのそれぞれがそのパルスエネルギーに応じた伝播方向に反射されるように構成される、項2から8のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
10.前記偏向ミラーは、前記光パルスを反射するように構成された少なくとも1つの反射コーティングを備える、項2から9のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
11.前記少なくとも1つの反射コーティングは、前記光パルスによって規定されるスペクトル範囲において少なくとも80%の反射率を提供する、項10に記載の光学フィルタ装置。
12.前記少なくとも1つの反射コーティングがカバーするスペクトル範囲は、100nmから4000nmの間である、項11に記載の光学フィルタ装置。
13.前記光パルスの前記パルスエネルギーが0.1μJ~100μJの範囲にある場合に、前記偏向ミラーは、前記光パルスを空間的に分布させるのに十分な偏向を提供するように構成される、項2から12のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
14.前記光発散装置は、前記偏向ミラーからの第1の反射を受けた後の前記光パルスに遅延時間を適用し、前記偏向ミラーによる第2の反射を受けるように前記光パルスを前記偏向ミラーに戻すように構成された光遅延装置をさらに備える、項2から13のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
15.前記偏向ミラーの偏向が実質的に最大になるときに前記光パルスのそれぞれが2回目の反射のために前記偏向ミラーに到達するように、前記光遅延装置によって前記遅延時間が適用される、項14に記載の光学フィルタ装置。
16.前記光遅延装置は、設定可能な遅延時間を備える、項14または15に記載の光学フィルタ装置。
17.前記光遅延装置は、並進ステージ上に配置された少なくとも2つの光学ミラーを備えるように構成され、前記並進ステージは、前記光遅延装置と前記偏向ミラーとの間の距離を変えるために移動可能である、項14から16のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
18.前記空間フィルタは、前記光パルスの第1の部分を選択するように構成された第1の領域と、前記光パルスの第2の部分を少なくとも部分的に遮断するように構成された第2の領域と、を備え、前記第1の部分の位置が前記第1の領域に含まれ、前記第2の部分の位置が前記第2の領域に含まれる、項1から17のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
19.前記空間フィルタは、開口を備える基板を備える、項18に記載の光学フィルタ装置。
20.前記空間フィルタは、前記第1の領域が反射領域を含み、前記第2の領域が吸収領域を含むように反射性である、項18に記載の光学フィルタ装置。
21.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから5%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項18から20のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
22.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから10%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項18から20のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
23.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから15%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項18から20のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
24.前記空間フィルタは、前記第1の領域のサイズおよび/または位置が調整可能であるように構成される、項18~23のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
25.前記空間フィルタと光発散装置との間の距離が調整可能である、項1から24のいずれかに記載の光学フィルタ装置。
26.前記光発散装置による前記光パルスの受信に先立って、前記光パルスのビーム径を制御するように構成された1つまたは複数の光学レンズをさらに備える、項1~25のいずれかに記載の光フィルタ装置。
27.ポンプ放射を受け取ると前記光パルスを含む広帯域出力放射を生成するように構成された、項1から26のいずれかに記載された光学フィルタ装置を備える広帯域光源装置。
28.ポンプ放射を受信すると、前記光パルスを含む広帯域出力放射を生成するように構成され、項2から17のいずれかに記載された光学フィルタ装置を備え、光パルスのパルス分離時間は、前記偏向ミラーの偏向がゼロまたはほぼゼロに減少するのに必要な時間以上となるように構成される、広帯域光源装置。
29.広帯域出力放射が中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)内で生成される、項27または28に記載の広帯域光源装置。
30.項26から28のいずれかに記載された広帯域光源装置を備える計測装置。
31.スキャトロメータ計測装置、レベルセンサ、またはアライメントセンサを備える、項30に記載の計測装置。
32.光パルスを空間フィルタリングする方法であって、
複数の光パルスを、各前記光パルスのパルスエネルギーに応じて光学面上に空間的に分布させることと、
空間的分布から得られる前記光学面における各前記光パルスの位置に基づいて、前記光パルスを空間的にフィルタリングすることと、
を備える方法。
33.前記光パルスの空間的分布がさらに、
偏向ミラーを使用して最初に光パルスを反射することと、
最初に前記偏向ミラーから反射された光パルスに遅延時間を適用し、続いてそれらを前記偏向ミラーに戻すことと、
前記偏向ミラーを使用して遅延光パルスの第2の反射をし、前記光パルスを空間的に分布させることと、を備え、
前記偏向ミラーは、各前記光パルスの反射のたびに偏向され、前記偏向ミラーの偏向は、各前記光パルスのパルスエネルギーに依存する、項32に記載の方法。
34.前記偏向ミラーの偏向が実質的に最大であるときに、前記光パルスのそれぞれが第2の反射のために前記偏向ミラーに到達するように、前記遅延時間が適用される、項33に記載の方法。
35.前記光パルスの少なくとも1つのパルス分離時間は、前記偏向ミラーの偏向がゼロまたはほぼゼロに戻るのに必要な時間と実質的に等しいか、それよりも長い、項33または34に記載の方法。
36.前記空間フィルタリングは、前記光学面で空間的に分布する前記光パルスの一部を少なくとも部分的に遮断することを含む、項32から35のいずれかに記載の方法。
37.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから5%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項36に記載の方法。
38.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから10%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項37に記載の方法。
39.前記少なくとも部分的に遮断された光パルスは、前記光パルスの平均エネルギーから15%を超えて逸脱したパルスエネルギーを有する光パルスを含む、項38に記載の方法。
40.前記光パルスの前記光学面上の空間分布に先立って、前記光パルスのビーム径を制御することをさらに含む、項32から39のいずれかに記載の方法。
【0138】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特定の言及がなされ得るが、本明細書に記載されるリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることを理解するべきである。他の可能な用途には、統合光学システム、磁区メモリ、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどのガイダンスと検出パターンの製造が含まれる。
【0139】
本明細書では、リソグラフィ装置との関連で本発明の実施形態を具体的に参照することができるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用することができる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、またはウェハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)などの物体を測定または処理する任意の装置の一部を形成することができる。これらの装置は、一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。そのようなリソグラフィツールは、真空条件または周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0140】
上記では、光学リソグラフィの文脈での本発明の実施形態の使用について具体的に言及してきたが、文脈が許せば、本発明は光学リソグラフィに限定されず、その他のアプリケーション、たとえばインプリントリソグラフィでも使用することができる。
【0141】
本発明の特定の実施形態が上記で説明されたが、本発明は、説明された以外の方法で実施されてもよいことが理解されよう。上記の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。したがって、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に変更を加えることができることが当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】