【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集 発行日 平成20年6月5日 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集のCD−ROM 発行日 平成20年6月5日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/コプロダクション設計手法開発と設計支援ツールの研究開発」に係る共同研究業務及び委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1圧縮機と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記入力端に入力される前記入力流体と、前記第1熱交換器から出力される前記出力流体との間で熱交換を行うことによって、前記入力流体を降温させる第2熱交換器と、
前記第2熱交換器と前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、
を更に備える、請求項1に記載の冷却モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記水素化脱硫装置では、混合流体を加熱器で加熱しており、加熱器で混合流体に与えた熱量と同程度の熱量が系外に排出されている。よって、上記水素化脱硫装置の省エネルギー効果は不十分である。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、省エネルギー効果の高い加熱モジュール及び冷却モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明の加熱モジュールは、入力流体が入力される入力端と、前記入力流体が入力される単位操作部から出力される出力流体を出力する出力端と、前記単位操作部と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮させることによって昇温させる第1圧縮機と、前記第1熱交換器と前記入力端との間に配置され、気体の前記入力流体を膨張させることによって降温させる膨張機と、を備える。
【0007】
本発明に係る加熱モジュールでは、膨張機によって入力流体を膨張させることにより、入力流体を降温させる。このとき、膨張機により、仕事としてエネルギーを回収することができる。
【0008】
また、第1圧縮機を用いて入力流体又は出力流体に仕事を加えることにより、入力流体又は出力流体を所定温度まで昇温させる。このため、第1熱交換器に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器から出力される入力流体の温度及び圧力よりも高くすることができる。よって、第1熱交換器における熱交換効率を向上させることができる。
【0009】
この加熱モジュールでは、第1圧縮機によって入力流体又は出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になる。しかし、入力流体を第1熱交換器に入力する前に圧縮したり、第1熱交換器から出力された入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。第1圧縮機により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの一部は、膨張機により仕事として回収できる。このため、別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーに比べて、入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な正味のエネルギーは非常に小さい。
【0010】
したがって、本発明の加熱モジュールでは、省エネルギー効果が大幅に高くなる。
【0011】
また、本発明の加熱モジュールは、入力流体が入力される入力端と、前記入力流体が入力される単位操作部から出力される出力流体を出力する出力端と、前記単位操作部と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、気体の前記出力流体を圧縮させることによって昇温させる第1圧縮機と、前記第1熱交換器と前記出力端との間に配置され、気体の前記出力流体を膨張させることによって降温させる膨張機と、を備える。
【0012】
本発明に係る加熱モジュールでは、膨張機によって出力流体を膨張させることにより、出力流体を降温させる。このとき、膨張機により、仕事としてエネルギーを回収することができる。
【0013】
また、第1圧縮機を用いて出力流体に仕事を加えることにより、出力流体を所定温度まで昇温させる。このため、第1熱交換器に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器から出力される入力流体の温度及び圧力よりも高くすることができる。よって、第1熱交換器における熱交換効率を向上させることができる。
【0014】
この加熱モジュールでは、第1圧縮機によって出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になる。しかし、入力流体を第1熱交換器に入力する前に圧縮したり、第1熱交換器から出力された入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。第1圧縮機により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの一部は、膨張機により仕事として回収できる。このため、別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーに比べて、入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な正味のエネルギーは非常に小さい。
【0015】
したがって、本発明の加熱モジュールでは、省エネルギー効果が大幅に高くなる。
【0016】
また、本発明の加熱モジュールは、入力流体が入力される入力端と、前記入力流体が入力される単位操作部から出力される出力流体を出力する出力端と、前記単位操作部と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮させることによって昇温させる第1圧縮機と、を備え、前記第1熱交換器は、液体の前記入力流体を気化させて気体の前記入力流体を出力すると共に、気体の前記出力流体を液化させて液体の前記出力流体を出力する。
【0017】
本発明に係る加熱モジュールでは、液体の入力流体が第1熱交換器を通過することによって気体の入力流体となると共に、気体の出力流体が第1熱交換器を通過することによって液体の出力流体となる。このため、第1熱交換器において、気体の出力流体が液化する際の潜熱を、入力流体によって回収することができる。
【0018】
また、本発明に係る加熱モジュールでは、第1圧縮機を用いて入力流体又は出力流体に仕事を加えることにより、入力流体又は出力流体を所定温度まで昇温させる。このため、第1熱交換器に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器から出力される入力流体の温度及び圧力よりも高くすることができる。よって、第1熱交換器における熱交換効率を向上させることができる。
【0019】
この加熱モジュールでは、第1圧縮機を用いて入力流体又は出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になる。しかし、第1熱交換器から出力された入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1圧縮機により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。
【0020】
したがって、本発明の加熱モジュールでは、省エネルギー効果が大幅に高くなる。
【0021】
上記加熱モジュールは、前記単位操作部と前記第1圧縮機との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、前記単位操作部と前記第2熱交換器との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、を更に備えることが好ましい。
【0022】
この場合、例えば第2圧縮機によって入力流体又は出力流体を僅かに圧縮して温度調整することができる。このため、第1熱交換器だけを用いた場合の熱交換効率に比べて、第1熱交換器及び第2熱交換器のトータルの熱交換効率を大きくすることができる。
【0023】
また、前記出力端から出力される前記出力流体の温度が、前記入力端に入力される前記入力流体の温度と同じであり、前記出力端から出力される前記出力流体の圧力が、前記入力端に入力される前記入力流体の圧力と同じであることが好ましい。これにより、加熱モジュールを標準化されたモジュールとすることができる。
【0024】
本発明の冷却モジュールは、入力流体が入力される入力端と、前記入力流体が入力される単位操作部から出力される出力流体を出力する出力端と、前記単位操作部と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記第1熱交換器と前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮させることによって昇温させる第1圧縮機と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を膨張させることによって降温させる膨張機と、を備える。
【0025】
本発明に係る冷却モジュールでは、膨張機によって入力流体又は出力流体を膨張させることにより、降温させる。このため、第1熱交換器に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器から出力される入力流体の温度及び圧力よりも低くすることができる。よって、第1熱交換器における熱交換効率を向上させることができる。また、膨張機により、仕事としてエネルギーを回収することができる。
【0026】
さらに、第1圧縮機を用いて入力流体又は出力流体に仕事を加えることにより、入力流体又は出力流体を所定温度まで昇温させる。このとき、所定エネルギーの仕事が必要になる。しかし、入力流体又は出力流体を別途冷却する必要は殆どなくなる。第1圧縮機により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの一部は、膨張機により仕事として回収できる。このため、別途冷却する際に必要なエネルギーに比べて、入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な正味のエネルギーは非常に小さい。
【0027】
したがって、本発明の冷却モジュールでは、省エネルギー効果が大幅に高くなる。
【0028】
本発明の冷却モジュールは、入力流体が入力される入力端と、前記入力流体が入力される単位操作部から出力される出力流体を出力する出力端と、前記単位操作部と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記単位操作部に入力される前記入力流体と、前記単位操作部から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記第1熱交換器と前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮させることによって昇温させる第1圧縮機と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、前記単位操作部に入力される液体の前記入力流体を冷却する冷却器と、前記単位操作部と前記第1熱交換器との間に配置され、液体の前記入力流体及び液体の前記出力流体の少なくとも一方を膨張させるバルブと、を備え、前記第1熱交換器は、気体の前記入力流体を液化させて液体の前記入力流体を出力すると共に、液体の前記出力流体を気化させて気体の前記出力流体を出力する。
【0029】
本発明に係る冷却モジュールでは、気体の入力流体が第1熱交換器を通過することによって液体の入力流体となると共に、液体の出力流体が第1熱交換器を通過することによって気体の出力流体となる。このため、第1熱交換器において、気体の入力流体が液化する際の潜熱を、出力流体によって回収することができる。
【0030】
また、本発明に係る冷却モジュールでは、バルブを用いて入力流体又は出力流体を膨張させ、冷却器を用いて、第1熱交換器から出力された入力流体を冷却する。このため、第1熱交換器に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器から出力される入力流体の温度及び圧力よりも小さくすることができる。よって、第1熱交換器における熱交換効率を向上させることができる。
【0031】
この冷却モジュールでは、第1圧縮機を用いて入力流体又は出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になる。しかし、入力流体又は出力流体を別途冷却する必要は殆どなくなる。別途冷却する際に必要なエネルギーは、第1圧縮機により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。
【0032】
したがって、本発明の冷却モジュールでは、省エネルギー効果が大幅に高くなる。
【0033】
また、上記モジュールは、前記第1圧縮機と前記入力端及び前記出力端との間に配置され、前記入力端に入力される前記入力流体と、前記第1熱交換器から出力される前記出力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、前記第2熱交換器と前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方との間に配置され、気体の前記入力流体及び気体の前記出力流体の少なくとも一方を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、を更に備えることが好ましい。
【0034】
この場合、例えば第2圧縮機によって入力流体又は出力流体を僅かに圧縮して温度調整することができる。このため、第1熱交換器だけを用いた場合の熱交換効率に比べて、第1熱交換器及び第2熱交換器のトータルの熱交換効率を大きくすることができる。
【0035】
また、前記出力端から出力される前記出力流体の温度が、前記入力端に入力される前記入力流体の温度と同じであり、前記出力端から出力される前記出力流体の圧力が、前記入力端に入力される前記入力流体の圧力と同じであることが好ましい。これにより、冷却モジュールを標準化されたモジュールとすることができる。
【0036】
なお、上記構成要素を任意に組み合わせてもよいし、本発明の表現を方法、コンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムが記録された記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、省エネルギー効果の高い加熱モジュール及び冷却モジュールが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(気体を用いた加熱モジュール)
【0040】
図1(a)は、第1実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図1(b)は、第1実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図1(a)に示される加熱モジュール10は、入力端I、単位操作部X、出力端E、第1熱交換器H1、圧縮機C1(第1圧縮機)及び膨張機E1を備える。第1熱交換器H1は、入力端I及び出力端Eと単位操作部Xとの間に配置される。圧縮機C1は、単位操作部Xと第1熱交換器H1との間に配置される。膨張機E1は、第1熱交換器H1と入力端Iとの間に配置される。
【0041】
入力端Iには、入力流体が入力される。入力流体は、単一成分を含んでもよいし、複数の成分を含んでもよい。入力流体は、気体、気液混合物のいずれであってもよい。一実施例において、入力流体は気体のブタンである。
【0042】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って膨張機E1に到達する。膨張機E1は、気体の入力流体を膨張させることによって降温させる。膨張機E1は、例えばパワーリカバリータービンである。膨張機E1の膨張比は1.5〜5であることが好ましい。膨張機E1は、入力流体の温度を10〜50℃低下させることが好ましい。膨張機E1は、入力流体を断熱膨張させることができる。膨張機E1によって膨張した入力流体は、配管2を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って圧縮機C1に到達する。
【0043】
圧縮機C1は、気体の入力流体を圧縮させることによって昇温させる。圧縮機C1は、例えばターボ圧縮機である。圧縮機C1の圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。圧縮機C1は、入力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。圧縮機C1は、入力流体を断熱圧縮することができる。圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0044】
単位操作部Xは、単位操作によって入力流体から生成される出力流体を出力する。単位操作部Xとしては、例えば反応器、分離器、膜分離器、蒸留塔、抽出装置、ガス吸収装置、吸着装置、乾燥機、加熱装置、フラッシュドラム等が挙げられる。単位操作部X中の温度は、例えば100〜300℃である。
【0045】
単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1では、単位操作部Xに入力される入力流体と、単位操作部Xから出力される出力流体との間で熱交換を行う。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って冷却装置CWに到達する。出力流体は、冷却装置CWによって例えば標準温度(環境温度)まで冷却される。冷却装置CWは、例えば冷却水により流体を冷却する。冷却装置CWによって冷却された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。出力端Eは出力流体を出力する。
【0046】
ここで、入力端Iに入力される入力流体のエネルギーと、出力端Eから出力される出力流体のエネルギーとは、略同じであることが好ましい。例えば、出力端Eから出力された出力流体の流量、温度、圧力は、入力端Iに入力される入力流体の流量、温度、圧力と略同じであることが好ましい。これにより、加熱モジュール10を標準化されたモジュールとすることができる。
【0047】
本実施形態に係る加熱モジュール10では、
図1(b)に示されるように、温度T
0の入力流体が入力端Iに入力される。その後、膨張機E1によって入力流体を膨張させることにより、入力流体を降温させる。このとき、膨張機E1により、仕事W
E1としてエネルギーを回収することができる。例えば、膨張機E1としてパワーリカバリータービンを用いれば、電力を回収することができる。次に、入力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、昇温される。続いて、圧縮機C1を用いて入力流体に仕事W
c1を加えることにより、入力流体を温度T
sまで昇温させる。このため、第1熱交換器H1に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器H1から出力される入力流体の温度及び圧力よりも高くすることができる。よって、第1熱交換器H1における熱交換効率を向上させることができる。さらに、出力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、降温される。続いて、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。その結果、出力流体は温度T
0まで降温される。
【0048】
上述のように、加熱モジュール10では、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。しかし、入力流体を第1熱交換器H1に入力する前に圧縮したり、第1熱交換器H1から出力された入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。
【0049】
図20(a)は、第1比較例に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図20(b)は、第1比較例に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図20(a)に示される加熱モジュール100は、圧縮機C1及び膨張機E1を備えず、加熱炉FHを備える点で加熱モジュール10と相違している。したがって、配管3を通った入力流体は、加熱炉FHに到達し、加熱炉FHにおいて加熱された入力流体が単位操作部Xに入力される。
【0050】
加熱モジュール100では、入力流体及び出力流体を圧縮せず、膨張させてもいない。このため、
図20(b)に示されるように、入力流体を十分に昇温するために、加熱炉FHにおいて入力流体に熱量Q
FHが加えられる。この熱量Q
FHと同程度の熱量Q
CWは冷却装置CWにおいて放出される。加熱炉FHで加熱する際に必要な熱量は、圧縮機C1により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な正味のエネルギー(W
c1―W
E1)に比べて非常に大きい。
【0051】
したがって、本実施形態に係る加熱モジュール10では、省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール10では、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0052】
図1(c)は、第2実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図1(d)は、第2実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図1(c)に示される加熱モジュール10Aは、圧縮機C1及び膨張機E1の配置を変えたこと以外は加熱モジュール10と同様の構成を有する。圧縮機C1は、単位操作部Xから出力された出力流体を圧縮する。膨張機E1は、第1熱交換器H1と出力端Eとの間に配置される。
【0053】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1は、気体の出力流体を圧縮させることによって昇温させる。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管8を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って膨張機E1に到達する。膨張機E1は、気体の出力流体を膨張させることによって降温させる。膨張機E1によって膨張した出力流体は、配管9を通って冷却装置CWに到達する。冷却装置CWによって冷却された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。
【0054】
加熱モジュール10Aでは、
図1に示される加熱モジュール10と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール10Aでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0055】
図2(a)は、第3実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図2(b)は、第3実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図2(a)に示される加熱モジュール10Bは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は加熱モジュール10と同様の構成を有する。圧縮機C1は、単位操作部Xから出力された出力流体を圧縮する。
【0056】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管8を通って第1熱交換器H1に到達する。
【0057】
加熱モジュール10Bでは、
図1に示される加熱モジュール10と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール10Bでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも小さくすることができる。したがって、減圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0058】
図3(a)は、第4実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図3(b)は、第4実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図3(a)に示される加熱モジュール10Cは、加熱モジュール10の構成に加えて、圧縮機C2及び膨張機E2を備える。加熱モジュール10Cは、加熱モジュール10と加熱モジュール10Aとを組み合わせたような構成を有している。圧縮機C2は、圧縮機C1と同様のものであり、出力流体を圧縮して昇温させる。膨張機E2は、膨張機E1と同様のものであり、第1熱交換器H1と出力端Eとの間に配置され、出力流体を膨張させて降温させる。
【0059】
本実施形態に係る加熱モジュール10Cでは、
図3(b)に示されるように、膨張機E1により仕事W
E1としてエネルギーを回収すると共に膨張機E2により仕事W
E2としてエネルギーを回収することができる。一方、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、圧縮機C2によって出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c2が必要になる。さらに、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。
【0060】
加熱モジュール10Cでは、
図1に示される加熱モジュール10と
図1(c)に示される加熱モジュール10Aの両方の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール10Cでは、加熱モジュール10,10Aと同様に、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0061】
図4は、第5実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図4に示される加熱モジュール10Dは、加熱モジュール10の構成に加えて、第2熱交換器H2及び圧縮機C3(第2圧縮機)を更に備える。圧縮機C3は、圧縮機C1と同様のものであり、入力流体を圧縮して昇温させる。
【0062】
第2熱交換器H2は、単位操作部Xと圧縮機C1との間に配置され、単位操作部Xに入力される入力流体と、単位操作部Xから出力される出力流体との間で熱交換を行う。圧縮機C3は、単位操作部Xと第2熱交換器H2との間に配置され、気体の入力流体を圧縮することによって昇温させる。圧縮機C3を配管5の途中に配置して、気体の出力流体を圧縮することによって昇温させてもよい。
【0063】
圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管4を通って第2熱交換器H2に入力される。第2熱交換器H2を通過した入力流体は、配管11を通って圧縮機C3に入力される。圧縮機C3によって圧縮された入力流体は、配管12を通って単位操作部Xに入力される。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第2熱交換器H2に入力される。第2熱交換器H2を通過した出力流体は、配管13を通って第1熱交換器H1に入力される。
【0064】
加熱モジュール10Dでは、
図1に示される加熱モジュール10と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、例えば圧縮機C3によって入力流体を僅かに圧縮して温度調整することができる。このため、第1熱交換器H1だけを用いた場合の熱交換効率に比べて、第1熱交換器H1及び第2熱交換器H2のトータルの熱交換効率を大きくすることができる。
【0065】
より具体的には、
図1(b)において、第1熱交換器H1中で入力流体の温度が上昇するに連れて、入力流体と出力流体との温度差ΔTが徐々に大きくなっていく場合に、圧縮機C3によって入力流体を圧縮すると、温度差ΔTを小さくすることができる。そのため、第1熱交換器H1及び第2熱交換器H2中において、入力流体の温度上昇線と出力流体の温度下降線とを略平行にすることができる。よって、熱交換効率が向上する。
(気体を用いた冷却モジュール)
【0066】
図5(a)は、第1実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図5(b)は、第1実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図5(a)に示される冷却モジュール20は、入力端I、単位操作部X、出力端E、第1熱交換器H1、圧縮機C1及び膨張機E1を備える。圧縮機C1は、入力端Iと第1熱交換器H1との間に配置される。膨張機E1は、第1熱交換器H1と単位操作部Xとの間に配置される。
【0067】
入力端Iには、入力流体が入力される。入力流体は、単一成分を含んでもよいし、複数の成分を含んでもよい。入力流体は、気体、気液混合物のいずれであってもよい。一実施例において、入力流体は気体のブタンである。
【0068】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管2を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って単位操作部Xに到達する。
【0069】
単位操作部Xは、単位操作によって入力流体から生成される出力流体を出力する。単位操作部Xとしては、例えば反応器、分離器、膜分離器、抽出装置、ガス吸収装置、吸着装置、冷却器、フラッシュドラム等が挙げられる。
【0070】
単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って膨張機E1に到達する。膨張機E1によって膨張した出力流体は、配管8を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って冷却装置CWに到達する。冷却装置CWによって冷却された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。出力端Eは出力流体を出力する。
【0071】
ここで、入力端Iに入力される入力流体のエネルギーと、出力端Eから出力される出力流体のエネルギーとは、略同じであることが好ましい。例えば、出力端Eから出力された出力流体の流量、温度、圧力は、入力端Iに入力される入力流体の流量、温度、圧力と略同じであることが好ましい。これにより、冷却モジュール20を標準化されたモジュールとすることができる。
【0072】
本実施形態に係る冷却モジュール20では、
図5(b)に示されるように、温度T
0の入力流体が入力端Iに入力される。その後、圧縮機C1を用いて仕事W
c1を加えることにより、入力流体を圧縮する。これにより、入力流体を昇温させる。次に、入力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、降温される。続いて、膨張機E1を用いて出力流体を膨張させることにより、出力流体を温度T
sまで降温させる。このため、第1熱交換器H1に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器H1から出力される入力流体の温度及び圧力よりも低くすることができる。よって、第1熱交換器H1における熱交換効率を向上させることができる。なお、膨張機E1により、仕事W
E1としてエネルギーを回収することができる。さらに、出力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、昇温される。続いて、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。その結果、出力流体は温度T
0まで降温される。
【0073】
上述のように、冷却モジュール20では、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。しかし、第1熱交換器H1から出力された入力流体を別途冷却器で冷却したり、第1熱交換器H1から出力された出力流体を別途冷却する必要は殆どなくなる。別途冷却する際に必要なエネルギーは、圧縮機C1により入力流体を圧縮する際に必要な正味のエネルギー(W
c1―W
E1)に比べて非常に大きい。
【0074】
したがって、冷却モジュール20では、省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール20では、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも大きくすることができる。したがって、昇圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0075】
図6(a)は、第2実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図6(b)は、第2実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図6(a)に示される冷却モジュール20Aは、膨張機E1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール20と同様の構成を有する。膨張機E1は、単位操作部Xから出力された出力流体を膨張させる。
【0076】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って膨張機E1に到達する。膨張機E1は、気体の入力流体を膨張させることによって降温させる。膨張機E1によって膨張した入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に到達する。
【0077】
冷却モジュール20Aでは、
図5(a)に示される冷却モジュール20と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール20Aでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0078】
図6(c)は、第3実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図6(d)は、第3実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図6(c)に示される冷却モジュール20Bは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール20と同様の構成を有する。圧縮機C1は、第1熱交換器H1と出力端Eとの間に配置される。
【0079】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1は、気体の出力流体を圧縮することによって昇温させる。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管9を通って冷却装置CWに到達する。
【0080】
冷却モジュール20Bでは、
図5(a)に示される冷却モジュール20と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール20Bでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0081】
図7(a)は、第4実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図7(b)は、第4実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図7(a)に示される冷却モジュール20Cは、膨張機E1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール20Bと同様の構成を有する。膨張機E1は、第1熱交換器H1から出力された入力流体を膨張させる。
【0082】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って膨張機E1に到達する。膨張機E1は、気体の入力流体を膨張させることによって降温させる。膨張機E1によって膨張した入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に到達する。
【0083】
冷却モジュール20Cでは、
図5(a)に示される冷却モジュール20と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール20Cでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも小さくすることができる。したがって、減圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0084】
図8(a)は、第5実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図8(b)は、第5実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図8(a)に示される冷却モジュール20Dは、冷却モジュール20Aの構成に加えて、圧縮機C2及び膨張機E2を備える。冷却モジュール20Dは、冷却モジュール20Aと冷却モジュール20Bとを組み合わせたような構成を有している。
【0085】
本実施形態に係る冷却モジュール20Dでは、
図8(b)に示されるように、膨張機E1により仕事W
E1としてエネルギーを回収すると共に膨張機E2により仕事W
E2としてエネルギーを回収することができる。一方、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、圧縮機C2によって出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c2が必要になる。さらに、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。
【0086】
冷却モジュール20Dでは、
図6(a)に示される冷却モジュール20Aと
図6(c)に示される冷却モジュール20Bの両方の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール20Dでは、冷却モジュール20A,20Bと同様に、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0087】
図9(a)は、第6実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図9(b)は、第6実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図9(a)に示される冷却モジュール20Eは、冷却モジュール20の構成に加えて、冷却器CLを更に備え、冷却装置CWを備えていない。冷却器CLは、第1熱交換器H1と単位操作部Xとの間に配置される。
【0088】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLは、液体の入力流体を温度T
sまで冷却する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って出力端Eに到達する。
【0089】
冷却モジュール20Eでは、
図5(a)に示される冷却モジュール20と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。また、冷却装置CWによる熱量Q
CWが放出されずに、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。さらに、冷却モジュール20Eでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも大きくすることができる。したがって、昇圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0090】
図10(a)は、第7実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図10(b)は、第7実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図10(a)に示される冷却モジュール20Fは、冷却モジュール20Aの構成に加えて、冷却器CLを更に備え、冷却装置CWを備えていない。冷却器CLは、膨張機E1と単位操作部Xとの間に配置される。
【0091】
膨張機E1によって圧縮された入力流体は、配管14を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLは、液体の入力流体を温度T
sまで冷却する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0092】
冷却モジュール20Fでは、
図6(a)に示される冷却モジュール20Aと同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。また、冷却装置CWによる熱量Q
CWが放出されずに、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。さらに、冷却モジュール20Fでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0093】
図10(c)は、第8実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図10(d)は、第8実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図10(c)に示される冷却モジュール20Gは、冷却モジュール20Bの構成に加えて、冷却器CLを更に備え、冷却装置CWを備えていない。冷却器CLは、第1熱交換器H1と単位操作部Xとの間に配置される。
【0094】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLは、液体の入力流体を温度T
sまで冷却する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0095】
冷却モジュール20Gでは、
図6(b)に示される冷却モジュール20Bと同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。また、冷却装置CWによる熱量Q
CWが放出されずに、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。さらに、冷却モジュール20Gでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。したがって、略定圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0096】
図11(a)は、第9実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図11(b)は、第9実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図11(a)に示される冷却モジュール20Hは、冷却モジュール20Cの構成に加えて、冷却器CLを更に備え、冷却装置CWを備えていない。冷却器CLは、膨張機E1と単位操作部Xとの間に配置される。
【0097】
膨張機E1によって圧縮された入力流体は、配管14を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLは、液体の入力流体を温度T
sまで冷却する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0098】
冷却モジュール20Hでは、
図7(a)に示される冷却モジュール20Cと同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。また、冷却装置CWによる熱量Q
CWが放出されずに、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。さらに、冷却モジュール20Hでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも小さくすることができる。したがって、減圧状態で、単位操作部Xにおいて単位操作を行うことができる。
【0099】
なお、
図8に示される冷却モジュール20Dの構成に冷却器CLを加えて、冷却装置CWを除去してもよい。この場合、冷却器CLは、膨張機E1と単位操作部Xとの間に配置される。
(液体から気体への相変化を用いた加熱モジュール)
【0100】
図12(a)は、第6実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図12(b)は、第6実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図12(a)に示される加熱モジュール30は、入力端I、単位操作部X、出力端E、第1熱交換器H1及び圧縮機C1を備える。圧縮機C1は、単位操作部Xと第1熱交換器H1との間に配置される。
【0101】
入力端Iには、入力流体が入力される。入力流体は、単一成分を含んでもよいし、複数の成分を含んでもよい。入力流体は、液体、気液混合物のいずれであってもよい。一実施例において、入力流体は液体のベンゼンである。
【0102】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1は、気体の入力流体を圧縮させることによって昇温させる。圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0103】
単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、第1熱交換器H1と出力端Eとの間に配置されており、液体の出力流体を膨張させる。バルブV1によって膨張した液体の出力流体は、配管9を通って冷却装置CWに到達する。出力流体は、冷却装置CWによって例えば標準温度(環境温度)まで冷却される。冷却装置CWによって冷却された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。出力端Eは出力流体を出力する。
【0104】
第1熱交換器H1は、液体の入力流体を気化させて気体の入力流体を出力すると共に、気体の出力流体を液化させて液体の出力流体を出力する。
【0105】
ここで、入力端Iに入力される入力流体のエネルギーと、出力端Eから出力される出力流体のエネルギーとは、略同じであることが好ましい。例えば、出力端Eから出力された出力流体の流量、温度、圧力は、入力端Iに入力される入力流体の流量、温度、圧力と略同じであることが好ましい。これにより、加熱モジュール30を標準化されたモジュールとすることができる。
【0106】
本実施形態に係る加熱モジュール30では、第6実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図12(b)は、第6実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。(b)に示されるように、温度T
0の液体の入力流体が入力端Iに入力される。その後、入力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、沸点T
bよりも高い温度まで昇温される。その結果、気体の入力流体が第1熱交換器H1から出力される。続いて、圧縮機C1を用いて入力流体に仕事W
c1を加えることにより、入力流体を温度T
sまで昇温させる。このため、第1熱交換器H1に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器H1から出力される入力流体の温度及び圧力よりも高くすることができる。よって、第1熱交換器H1における熱交換効率を向上させることができる。さらに、出力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、沸点T
bよりも低い温度まで降温される。その結果、液体の出力流体が第1熱交換器H1から出力される。続いて、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。その結果、出力流体は温度T
0まで降温される。
【0107】
上述のように、加熱モジュール30では、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。しかし、入力流体を第1熱交換器H1に入力する前に圧縮したり、第1熱交換器H1から出力された入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。さらに、加熱モジュール30では、第1熱交換器H1において、気体の出力流体が液化する際の潜熱を、入力流体によって回収することができる。
【0108】
図21(a)は、第2比較例に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図21(b)は、第2比較例に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図21(a)に示される加熱モジュール100Aは、圧縮機C1及びバルブV1を備えず、加熱炉FHを備える点で加熱モジュール30と相違している。したがって、配管3を通った入力流体は、加熱炉FHに到達し、加熱炉FHにおいて加熱された入力流体が単位操作部Xに入力される。
【0109】
加熱モジュール100Aでは、入力流体及び出力流体を圧縮せず、膨張させてもいない。このため、
図21(b)に示されるように、入力流体を十分に昇温するために、加熱炉FHにおいて入力流体に熱量Q
FHが加えられる。この熱量Q
FHと同程度の熱量Q
CWは冷却装置CWにおいて放出される。加熱炉FHで加熱する際に必要な熱量は、圧縮機C1により入力流体又は出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの仕事W
c1に比べて非常に大きい。さらに、加熱モジュール100Aでは、第1熱交換器H1において、気体の出力流体が液化する際の潜熱を、殆ど回収することができない。
【0110】
したがって、加熱モジュール30では、省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール30では、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される液体の入力流体の圧力P2よりも大きくすることができる。
【0111】
図13(a)は、第7実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図13(b)は、第7実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図13(a)に示される加熱モジュール30Aは、バルブV1の配置を変えたこと以外は加熱モジュール30と同様の構成を有する。バルブV1は、第1熱交換器H1と入力端Iとの間に配置される。
【0112】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、液体の入力流体を膨張させる。バルブV1から出力された入力流体は、配管2を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って冷却装置CWに到達する。
【0113】
加熱モジュール30Aでは、
図12(a)に示される加熱モジュール30と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール30Aでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される液体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0114】
図13(c)は、第8実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図13(d)は、第8実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図13(c)に示される加熱モジュール30Bは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は加熱モジュール30と同様の構成を有する。圧縮機C1は、単位操作部Xから出力された出力流体を圧縮する。
【0115】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に到達する。
【0116】
加熱モジュール30Bでは、
図12(a)に示される加熱モジュール30と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール30Bでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される液体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0117】
図14(a)は、第9実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図14(b)は、第9実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図14(a)に示される加熱モジュール30Cは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は加熱モジュール30Aと同様の構成を有する。圧縮機C1は、単位操作部Xから出力された出力流体を圧縮する。
【0118】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って単位操作部Xに到達する。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管8を通って第1熱交換器H1に到達する。
【0119】
加熱モジュール30Cでは、
図13(a)に示される加熱モジュール30Aと同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール30Cでは、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される液体の入力流体の圧力P2よりも小さくすることができる。
【0120】
図15(a)は、第10実施形態に係る加熱モジュールを模式的に示す図である。
図15(b)は、第10実施形態に係る加熱モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図15(a)に示される加熱モジュール30Dは、加熱モジュール30Aの構成に加えて、圧縮機C2及びバルブV2を備える。加熱モジュール30Dは、加熱モジュール30Aと加熱モジュール30Bとを組み合わせたような構成を有している。バルブV2は、バルブV1と同様のものであり、出力流体を膨張させる。
【0121】
本実施形態に係る加熱モジュール30Dでは、
図15(b)に示されるように、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、圧縮機C2によって出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c2が必要になる。さらに、冷却装置CWによって熱量Q
CWが放出される。
【0122】
加熱モジュール30Dでは、
図13(a)に示される加熱モジュール30Aと
図13(c)に示される加熱モジュール30Bの両方の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール30Dでは、加熱モジュール30A,30Bと同様に、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
(気体から液体への相変化を用いた冷却モジュール)
【0123】
図16(a)は、第10実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図16(b)は、第10実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図16(a)に示される冷却モジュール40は、入力端I、単位操作部X、出力端E、第1熱交換器H1、圧縮機C1、冷却器CL及びバルブV1を備える。圧縮機C1は、入力端Iと第1熱交換器H1との間に配置される。冷却器CLは、単位操作部Xと第1熱交換器H1との間に配置され、液体の入力流体を冷却する。バルブV1は、単位操作部Xと第1熱交換器H1との間に配置され、液体の出力流体を膨張させる。
【0124】
入力端Iには、入力流体が入力される。入力流体は、単一成分を含んでもよいし、複数の成分を含んでもよい。入力流体は、気体、気液混合物のいずれであってもよい。一実施例において、入力流体は気体のベンゼンである。
【0125】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1は、気体の入力流体を圧縮させることによって昇温させる。圧縮機C1によって圧縮された入力流体は、配管2を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLは、液体の入力流体を温度T
sまで冷却する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに到達する。
【0126】
単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通ってバルブV1に到達する。バルブV1によって膨張された液体の出力流体は、配管8を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って出力端Eに到達する。
【0127】
第1熱交換器H1は、気体の入力流体を液化させて液体の入力流体を出力すると共に、液体の出力流体を気化させて気体の出力流体を出力する。
【0128】
ここで、入力端Iに入力される入力流体のエネルギーと、出力端Eから出力される出力流体のエネルギーとは、略同じであることが好ましい。例えば、出力端Eから出力された出力流体の流量、温度、圧力は、入力端Iに入力される入力流体の流量、温度、圧力と略同じであることが好ましい。これにより、冷却モジュール40を標準化されたモジュールとすることができる。
【0129】
本実施形態に係る冷却モジュール40では、
図16(b)に示されるように、温度T
0の気体の入力流体が入力端Iに入力される。その後、圧縮機C1を用いて入力流体に仕事W
c1を加えることにより、入力流体を昇温させる。さらに、入力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、沸点T
bよりも低い温度まで降温される。その結果、液体の入力流体が第1熱交換器H1から出力される。第1熱交換器H1から出力された液体の入力流体は、冷却器CLによって温度T
sまで冷却される。このとき、熱量Q
CLが放出される。続いて、単位操作部Xから出力された液体の出力流体をバルブV1により膨張させる。このため、第1熱交換器H1に入力される出力流体の温度及び圧力を、第1熱交換器H1から出力される入力流体の温度及び圧力よりも低くすることができる。よって、第1熱交換器H1における熱交換効率を向上させることができる。さらに、出力流体が第1熱交換器H1を通過することによって、沸点T
bよりも高い温度T
0まで昇温される。その結果、気体の出力流体が第1熱交換器H1から出力される。
【0130】
上述のように、加熱モジュール40では、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。しかし、加熱モジュール40では、第1熱交換器H1において、気体の入力流体が液化する際の潜熱を、出力流体によって回収することができる。
【0131】
したがって、加熱モジュール40では、省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、加熱モジュール40では、単位操作部Xに入力される気体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される液体の入力流体の圧力P2よりも大きくすることができる。
【0132】
図17(a)は、第11実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図17(b)は、第11実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図17(a)に示される冷却モジュール40Aは、バルブV1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール40と同様の構成を有する。バルブV1は、第1熱交換器H1と冷却器CLとの間に配置され、液体の入力流体を膨張させる。
【0133】
第1熱交換器H1から出力された入力流体は、配管3を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、液体の入力流体を膨張させる。バルブV1から出力された入力流体は、配管14を通って冷却器CLに到達する。冷却器CLによって冷却された入力流体は、配管4を通って単位操作部Xに入力される。単位操作部Xから出力された出力流体は、配管5を通って第1熱交換器H1に入力される。
【0134】
冷却モジュール40Aでは、
図16(a)に示される冷却モジュール40と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール40Aでは、単位操作部Xに入力される液体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0135】
図17(c)は、第12実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図17(d)は、第12実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図17(c)に示される冷却モジュール40Bは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール40と同様の構成を有する。圧縮機C1は、第1熱交換器H1と出力端Eとの間に配置される。
【0136】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。
【0137】
冷却モジュール40Bでは、
図16(a)に示される冷却モジュール40と同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール40Bでは、単位操作部Xに入力される液体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0138】
図18(a)は、第13実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図18(b)は、第13実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図18(a)に示される冷却モジュール40Cは、圧縮機C1の配置を変えたこと以外は冷却モジュール40Aと同様の構成を有する。圧縮機C1は、第1熱交換器H1から出力された出力流体を圧縮する。
【0139】
入力端Iから出力された入力流体は、配管1を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1から出力された出力流体は、配管6を通って圧縮機C1に到達する。圧縮機C1によって圧縮された出力流体は、配管7を通って出力端Eに到達する。
【0140】
冷却モジュール40Cでは、
図17(a)に示される冷却モジュール40Aと同様の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール40Cでは、単位操作部Xに入力される液体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2よりも小さくすることができる。
【0141】
図19(a)は、第14実施形態に係る冷却モジュールを模式的に示す図である。
図19(b)は、第14実施形態に係る冷却モジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
図19(a)に示される冷却モジュール40Dは、冷却モジュール40Aの構成に加えて、圧縮機C2及びバルブV2を備える。冷却モジュール40Dは、冷却モジュール40Aと冷却モジュール40Bとを組み合わせたような構成を有している。
【0142】
本実施形態に係る冷却モジュール40Dでは、
図19(b)に示されるように、圧縮機C1によって入力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c1が必要になり、圧縮機C2によって出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事W
c2が必要になる。さらに、冷却器CLによって熱量Q
CLが放出される。
【0143】
冷却モジュール40Dでは、
図17(a)に示される冷却モジュール40Aと
図17(c)に示される冷却モジュール40Bの両方の作用効果が得られるので省エネルギー効果が大幅に高くなる。さらに、冷却モジュール40Dでは、冷却モジュール40A,40Bと同様に、単位操作部Xに入力される液体の入力流体の圧力P1を、入力端Iに入力される気体の入力流体の圧力P2と略同じにすることができる。
【0144】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0145】
例えば、加熱モジュール10だけでなく、加熱モジュール10A〜10C,30,30A〜30Dの構成に、第2熱交換器H2及び圧縮機C3を追加してもよい。また、冷却モジュール20,20A〜20H,40,40A〜40Dの構成に、第2熱交換器H2及び圧縮機C3を追加してもよい。
【0146】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
【0147】
図1(c)に示される加熱モジュール10Aについて、プロセスシミュレータ(PRO/II
TM)を用いてシミュレーションを行った。全ての熱交換器内の最小近接温度差は10度とした。実在気体の状態方程式として、Soave-Redlich-Kwong式を用いた。入力端Iに入力される入力流体として、気体のブタンを用いた。入力端I及び出力端Eにおけるブタンの流量を100kg・mol/時間、温度(T
0)を300K、圧力を100kPaとした。単位操作部Xにおける温度(T
s)を400Kとした。
【0148】
シミュレーションの結果、圧縮機C1により圧縮された出力流体(配管8中)の圧力は144kPa、温度は410Kであった。第1熱交換器H1から出力された出力流体(配管6中)の温度は313Kであった。膨張機E1により膨張した出力流体(配管9中)の圧力は144kPa、温度は303Kであった。
【0149】
また、圧縮機C1において必要な仕事は33.9kWであった。また、膨張機E1により回収できる仕事は25.4kWであった。よって、実施例1の加熱モジュールに必要なエネルギー量は8.5kWであった。
(比較例1)
【0150】
図20(a)に示される加熱モジュール100について、プロセスシミュレータ(PRO/II
TM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。
【0151】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の温度は390Kであり、配管6を通る出力流体の温度は313Kであった。加熱炉FHにおいて必要な熱量は34.6kWであった。
【0152】
実施例1の結果と比較例1の結果とを比較すると、実施例1では比較例1に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例2)
【0153】
図13(a)に示される加熱モジュール30Aについて、プロセスシミュレータ(PRO/II
TM)を用いて、入力端Iに入力される入力流体として液体のベンゼンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。
【0154】
シミュレーションの結果、バルブV1により膨張した入力流体(配管2中)の圧力は64.7kPa、温度は300Kであった。第1熱交換器H1から出力された入力流体(配管3中)の圧力は64.7kPa、温度は390Kであった。圧縮機C1により圧縮された入力流体(配管4中)の圧力は100kPa、温度は400Kであった。第1熱交換器H1から出力された出力流体(配管6中)の圧力は100kPa、温度は311Kであった。
【0155】
また、圧縮機C1において必要な仕事は38.9kWであった。よって、実施例2の加熱モジュールに必要なエネルギー量は38.9kWであった。
(比較例2)
【0156】
図21(a)に示される加熱モジュール100Aについて、プロセスシミュレータ(PRO/II
TM)を用いて、実施例2と同様にシミュレーションを行った。
【0157】
シミュレーションの結果、第1熱交換器H1から出力された入力流体(配管3中)の温度は353Kであり、第1熱交換器H1から出力された出力流体(配管6中)の温度は353Kであった。加熱炉FHにおいて必要な熱量は897.3kWであった。
【0158】
実施例2の結果と比較例2の結果とを比較すると、実施例2では比較例2に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。