令和3(ワ)7374発信者情報開示請求事件
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裁判所 |
東京地方裁判所
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裁判年月日 |
令和3年5月28日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
原告X 被告有限会社ケイ・コーポレーション
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法令 |
著作権
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キーワード |
侵害3回 損害賠償2回
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主文 |
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各発信者情報を開示
2 訴訟費用は被告の負担とする。
4条1項に基づき,別紙発信者情報目録記載の発信者情報(以下「本件発信者情
1 請求原因
2 請求原因に対する認否
1 証拠(甲1,3,5。以下,証拠のうち枝番のあるものは枝番を全て含む。)
2 請求原因(2)及び(3)は当事者間に争いがない。
3 証拠(甲1,3~6)及び弁論の全趣旨によれば,本件画像は,本件発信者が,
4 証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(5)の事実が認められるの
5 以上によれば,原告は,開示関係役務提供者である被告に対し,プロバイダ責15
6 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のと
1 氏名又は名称
2 住所5
3 電話番号
4 電子メールアドレス |
事件の概要 |
本件は,イラストレーターである原告が,コンテンツプロバイダである被告に
対し,被告の管理するウェブサイトに掲載された別紙宣伝画像目録記載の宣伝画20
像(以下「本件画像」という。)が,別紙著作物目録記載のイラスト(以下「本
件著作物」という。)に係る原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人
格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害するものであり,発信者の情報の開示
を受ける必要があると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限
及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)25
4条1項に基づき,別紙発信者情報目録記載の発信者情報(以下「本件発信者情
報」という。)の開示を求める事案である。 |
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判決文
令和3年5月28日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和3年(ワ)第7374号 発信者情報開示請求事件
口頭弁論終結日 令和3年4月28日
判 決
5 原 告 X
同訴訟代理人弁護士 笠 木 貴 裕
平 野 敬
髙 井 雅 秀
被 告 有限会社ケイ・コーポレーション
10 同訴訟代理人弁護士 武 田 健 太 郎
主 文
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各発信者情報を開示
せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
15 事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文同旨
第2 事案の概要
本件は,イラストレーターである原告が,コンテンツプロバイダである被告に
20 対し,被告の管理するウェブサイトに掲載された別紙宣伝画像目録記載の宣伝画
像(以下「本件画像」という。)が,別紙著作物目録記載のイラスト(以下「本
件著作物」という。)に係る原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人
格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害するものであり,発信者の情報の開示
を受ける必要があると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限
25 及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)
4条1項に基づき,別紙発信者情報目録記載の発信者情報(以下「本件発信者情
報」という。)の開示を求める事案である。
第3 当事者の主張
1 請求原因
(1) 原告は,「X’」などの筆名で活動するイラストレーターである。原告は,
5 平成30年6月30日頃,本件著作物を創作し,ツイッターのアカウント名を
「X’’」とするアカウントにおいて,本件著作物を投稿した。
(2) 被告は,同人誌販売等のイベント企画,制作及び運営等を行い,自己の運営
するウェブサイト上で,イベント出展者の情報を提供するサービスを提供する
者であり,プロバイダ責任制限法2条3号の特定電気通信役務提供者に該当す
10 る。被告は,本件発信者情報を保有している。
(3) 氏名不詳の発信者(以下「本件発信者」という。)は,令和3年3月3日頃,
被告の管理するウェブサイトに,本件画像を掲載した。
(4) 本件画像は,本件発信者が,本件著作物を無断複製し,原告の意に反して改
変し,著作者名の表示をせずに,送信可能化したものである。
15 したがって,本件発信者が,上記掲載により,本件著作物に係る原告の著作
権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を
侵害したことは明らかである。
(5) 原告は,本件発信者に対し,損害賠償を請求すべく準備しており,かかる請
求を行うには,本件発信者情報の開示を受けることが必要である。
20 (6) よって,原告は,開示関係役務提供者である被告に対し,プロバイダ責任制
限法4条1項に基づき,本件発信者情報の開示を求める。
2 請求原因に対する認否
請求原因(1)及び(5)は不知。同(2)及び(3)は認める。同(4)は否認ないし争い,
同(6)は争う。
25 第4 当裁判所の判断
1 証拠(甲1,3,5。以下,証拠のうち枝番のあるものは枝番を全て含む。)
及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(1)の事実が認められる。
2 請求原因(2)及び(3)は当事者間に争いがない。
3 証拠(甲1,3~6)及び弁論の全趣旨によれば,本件画像は,本件発信者が,
原告に無断で本件著作物を複製した上で,頭にフードを被り,前髪が目までかか
5 った細身の若い男性が,流し目で右前方を見ているという本件著作物の表現上の
本質的特徴を維持しつつ,複製した画像の一部をトリミングし,
「なまらわや」,
「レオラギ多めグッズ」との文字をイラストに重ね,男性のシャツの色や髪の長
さなどに変更を加え,著作者名の表示をせずに,ウェブサイトに掲載したものと
認められる。
10 そうすると,本件画像のウェブサイトへの掲載が,本件著作物に係る原告の著
作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を
侵害するものであることは明らかである。
4 証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(5)の事実が認められるの
で,原告には,本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある。
15 5 以上によれば,原告は,開示関係役務提供者である被告に対し,プロバイダ責
任制限法4条1項に基づき,本件発信者情報の開示を求めることができる。
6 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のと
おり判決する。
東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
佐 藤 達 文
25 裁判官
小 田 誉 太 郎
裁判官
5 齊 藤 敦
(別紙)
発信者情報目録
別紙宣伝画像目録記載の宣伝画像の発信者情報であって,以下に掲げるもの。
1 氏名又は名称
5 2 住所
3 電話番号
4 電子メールアドレス
(別紙)
宣伝画像目録
URL https:// 以下省略
投稿日 令和3年3月3日頃
宣伝画像 (省 略)
(別紙)
著作物目録
(省 略)
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