知財判決速報/裁判例集知的財産に関する判決速報,判決データベース

ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成15(行ヒ)353 審決取消請求事件

この記事をはてなブックマークに追加

平成15(行ヒ)353審決取消請求事件

判決文PDF

▶ 最新の判決一覧に戻る

裁判所 最高裁判所第二小法廷
裁判年月日 平成17年7月11日
事件種別 民事
原審 平成14(行ケ)370 (平成15年9月29日)
法令 商標権
キーワード 無効11回
審決4回
商標権4回
主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。
判示事項 商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)4条1項15号違反を理由とする商標登録の無効の審判請求の除斥期間の遵守と審判請求書における請求の理由の記載
事件の概要 商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)4条1項15号違反を理由とする商標登録の無効の審判請求が商標法(平成8年法律第68号による改正前のもの)47条所定の除斥期間を遵守したものであるというためには,除斥期間内に提出された審判請求書に,請求の理由として,当該商標登録が上記15号の規定に違反するものである旨の主張が記載されていることをもって足りる。

▶ 前の判決 ▶ 次の判決 ▶ 商標権に関する裁判例

本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。

判決文

         主    文
       本件上告を棄却する。
       上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人遠藤隆,同野竹夏江の上告受理申立て理由第二について
 1 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
 (1) 上告人は,「RUDOLPH
VALENTINO」の欧文字を横書きして成り,指定商品を商標法施行令(平成3年政令
第299号による改正前のもの)別表第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布
製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」とする登録第23
57409号の登録商標(昭和53年7月31日商標登録出願,平成3年11月2
9日商標権の設定の登録。以下,この商標を「本件商標」といい,その商標登録を
「本件商標登録」という。)の商標権者である。
 (2) 被上告人は,平成8年11月28日,本件商標登録を無効にすることにつ
いて審判を請求した(以下,この請求を「本件審判請求」という。)。被上告人が
同日提出した審判請求書(以下「本件請求書」という。)には,請求の理由として
,本件商標登録は,商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)4条1項
15号(以下,単に「15号」という。)の規定に違反してされたものであるから
,同法46条1項の規定により無効とされるべきものである,詳細な理由は追って
補充する旨が記載されていた。本件審判請求がされたのは,本件商標登録につき商
標法(平成8年法律第68号による改正前のもの)47条(以下,単に「47条」
という。)所定の除斥期間が満了する直前であった。
 本件審判請求は,特許庁において,平成8年審判第20103号事件として審理
された。この事件を担当した審判長は,被上告人に対し,平成9年1月24日に発
送した「手続補正指令書(方式)」により,発送の日から30日以内に,請求の理
由を記載した書面を提出することを命じた。
 被上告人は,同年2月18日,請求の理由として,被上告人が婦人服,紳士服等
の被服に使用する「VALENTINO
GARAVANI」及び「VALENTINO」の各商標が本件商標の商標登録出願の日より前に著
名となっていたから,上告人が本件商標をその指定商品に使用した場合には,被上
告人の業務に係る商品であると誤解され,商品の出所に混同を生じさせるおそれが
ある旨を記載した書面を提出した。
 上告人は,除斥期間経過前に提出した審判請求書に請求の理由として適用条文し
か記載されていない場合には,その経過後に請求の具体的な理由を記載した書面を
提出しても除斥期間経過前に審判請求をしたことにはならないから,本件審判請求
は不適法なものとして却下されるべきであるなどと主張した。
 (3) 本件審判請求につき,平成14年6月14日,本件商標登録を無効にすべ
き旨の審決(以下「本件審決」という。)がされた。除斥期間に関する上告人の上
記主張については,本件請求書に無効理由として該当する条文が明記されており,
かつ,補正を命じられた期間内に具体的な理由を記載した書面が提出されたことを
理由に,本件審判請求が除斥期間を徒過した不適法なものとなることはないと判断
された。
 2 本件は,上告人が,本件審決には47条の規定の解釈適用の誤りがあるなど
と主張して,その取消しを求める訴訟である。
 3 原審は,本件請求書には,本件商標登録が15号の規定に違反する旨の記載
があるのみで,具体的な無効理由を構成する事実の主張は記載されていないが,被
上告人がその業務に係る商品に使用している「VALENTINO」,「バレンチノ」等の
表示が我が国のファッション関連分野における取引者,需要者にとって周知である
こと,本件請求書に記載された請求人(被上告人)の名称中に「バレンチノ」の語
が含まれていることなどの事情に照らせば,本件請求書には,本件商標は被上告人
の上記表示との関係で混同を生ずるおそれがある商標である旨の無効理由の記載が
あるものと同視することができるから,本件審判請求は除斥期間を徒過した不適法
なものではないと判断した。
 4 47条は,15号違反を理由とする商標登録の無効の審判は商標権の設定の
登録の日から5年の除斥期間内に請求しなければならない旨を規定する。その趣旨
は,15号の規定に違反する商標登録は無効とされるべきものであるが,商標登録
の無効の審判が請求されることなく除斥期間が経過したときは,商標登録がされた
ことにより生じた既存の継続的な状態を保護するために,商標登録の有効性を争い
得ないものとしたことにあると解される。このような規定の趣旨からすると,その
ような商標は,本来は商標登録を受けられなかったものであるから,その有効性を
早期に確定させて商標権者を保護すべき強い要請があるわけではないのであって,
除斥期間内に商標登録の無効の審判が請求され,審判請求書に当該商標登録が15
号の規定に違反する旨の記載がありさえすれば,既存の継続的な状態は覆されたと
みることができる。
 そうすると,15号違反を理由とする商標登録の無効の審判請求が除斥期間を遵
守したものであるというためには,除斥期間内に提出された審判請求書に,請求の
理由として,当該商標登録が15号の規定に違反するものである旨の主張の記載が
されていることをもって足り,15号の規定に該当すべき具体的な事実関係等に関
する主張が記載されていることまでは要しないと解するのが相当である。
 これを本件についてみると,前記事実関係によれば,本件審判請求が除斥期間を
徒過したものでないことは明らかであって,本件審決に47条の解釈適用の誤りは
ない。本件審判請求が不適法なものではないとした原審の前記判断は,結論におい
て是認することができる。論旨は採用することができない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 中川了滋 裁判官 福田 博 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野
 修 裁判官 今井 功)

最新の判決一覧に戻る

法域

特許裁判例 実用新案裁判例
意匠裁判例 商標裁判例
不正競争裁判例 著作権裁判例

最高裁判例

特許判例 実用新案判例
意匠判例 商標判例
不正競争判例 著作権判例

特許事務所の求人知財の求人一覧

千葉大学 医療系知財担当特任教員募集

千葉市 千葉大学 医療系知財担当特任教員募集

特許業務法人 広江アソシエイツ特許事務所

岐阜県 岐阜市 求人 特許業務法人 広江アソシエイツ特許事務所 弁理士・特許技術者・意匠商標補助者・事務担当者 募集中

今週の知財セミナー (11月20日~11月26日)

来週の知財セミナー (11月27日~12月3日)

11月28日(火) - 東京 港区

特許情報活用のためのEXCEL講座

11月29日(水) - 東京 港区

損害賠償請求

11月30日(木) - 東京 港区

新興国の特許調査

特許事務所紹介 IP Force 特許事務所紹介

IP-Creation特許商標事務所

東京都練馬区豊玉北6-11-3 長田ビル3階 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 鑑定 

日本知財サービス 特許出願・商標登録事務所

〒106-6111 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー 11階 横浜駅前オフィス:  〒220-0004  神奈川県横浜市西区北幸1丁目11ー1 水信ビル 7階 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

牛田特許商標事務所

東京都板橋区東新町1-50-1 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許