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昭和37(オ)1167審決取消訴訟

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裁判所 最高裁判所第二小法廷
裁判年月日 昭和38年10月18日
事件種別 民事
法令 特許権
キーワード 特許権1回
主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。
判示事項 実用新案の権利範囲確認審判請求の利益。
事件の概要 実用新案の権利範囲確認審判請求の被請求人が当該製品のカタログを印刷配布した事実から販売の意図を推測される以上、製作の具体的計画を有していたかどうかにかかわらず、審判請求の利益があると解すべきである。

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判決文

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁理士島田堅三、同弁護士高橋武の上告理由は別紙のとおりである。
 上告理由第一点について。
 論旨は、原判決が、上告人がカタログを印刷配布した事実から上告人が紫外線殺
菌消毒器を販売する意図を有していたものと推測したのを非難するのである。
 しかし、甲四号証のカタログを上告人が印刷配布した事実は、上告人も認めてい
るのであつて、かかる事実がある以上、上告人の販売の意図を推測するのは、むし
ろ当然である。もとより、かかる推測は反証によつて否定できるけれども、上告人
は、原審において、論旨主張のような事情、すなわち、カタログ上の商標が他の製
作者を示すものであるとか、単に殺菌灯の宣伝の趣旨に止まるものであるとか、か
かる事実については、何らの主張、立証をしていないのである。原判決の推測を違
法とすべき理由はなく、論旨は採ることができない。
 同第二点について。
 論旨は、原判決は、上告人が販売意図を有していたとするについて、その時点を
明らかにしていないというのであるが、かつて販売意図を有していて、廃止した事
情の認められない本件の場合において、現在なお販売の意図を有するものと推測す
べく、原判示もその趣旨と認められるから、論旨は理由がない。
 同第三点について。
 論旨は、原判決が、消毒器製作の具体的計画を持たない上告人に対し、被上告人
の権利範囲確認審判請求の利益を認めたのは、法律の解釈を誤つた違法があるとい
うのである。しかし、上告人の前述カタログの印刷配布について争がなく販売の意
図を推測できる以上、具体的計画を有していたかどうかにかかわらず、被上告人は
権利範囲確認審判を請求する利益を有するものと解すべく、この点について原判決
に法律の解釈を誤つた違法はない。なお、論旨援用の判決、学説は概ね、請求人自
身が製造販売をし、または、しようとするものが特許権者の権利範囲に属しない旨
の審判請求に関するものであつて、本件と場合を異にする。論旨は理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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