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昭和31(オ)226審決取消請求

判決文PDF

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裁判所 最高裁判所第一小法廷
裁判年月日 昭和37年7月12日
事件種別 民事
法令 特許権
キーワード 実用新案権2回
特許権1回
抵触1回
主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。
判示事項 二つの実用新案が抵触しないとされた事例。
事件の概要

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判決文

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人熊谷福一の上告理由第一点ないし第六点について。
 実用新案権は物品の形状、構造又は組合わせに関する新規の工業的新案を保護す
る権利であつて、特許権のように、新規の工業的効果を生じさせることを目的とす
るものではないから、実用新案権が互に抵触するか否かを判断するには単にその物
品の形状、構造又は組合わせに関する外形的考案の同一であるか否かによつてこれ
を判定すべきであつて、考案の効果の差異を標準とすべきものではない(大正八年
三月一七日大審院判決参照)。
 されば、所論中本件両者の考案の作用、効果がどのように異るかを判断しなけれ
ばならないのにかかわらず、この点につき何ら言及するところない原判決は理由不
備の瑕瑾あるを免れないものであるという点は謬見というを憚らない。そして、本
件両者の考案を検分考査するに、両者の間には構造上において類似性を有する部分
のあることは一見疑がなく、また一方形状において異るところのあることも原判示
のとおりである。しかし、実用新案法の目的は前示判決の趣旨によつても窺われる
ように専ら型に関する考案の保護に重点をおくべきものとせられてある以上、本件
実用新案が判示のような点を考案上の重要要件としているものであれば、(イ)号
をもつて類似しないとし右実用新案の権利範囲に属しないものと認められないわけ
のものでもない。しからばこれと同趣旨に出た原判決の判断は正当というの外なく、
そこに所論違法のかどありというを得ない。それ故所論はすべて理由なく採用し難
い。
 よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官
全員の一致で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    入   江   俊   郎
 裁判官斎藤悠輔は退職につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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