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昭和40(オ)721不正行為差止等請求

判決文PDF

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裁判所 最高裁判所第三小法廷
裁判年月日 昭和42年5月23日
事件種別 民事
原審 昭和39(ネ)768 (昭和40年3月29日)
法令 不正競争
キーワード
主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。
判示事項 商品の混同行為により営業上の信用が害されたものと認められた事例
事件の概要 (省略)

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判決文

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人小林淳三、同松岡泰雄の上告理由について。
 所論は、不正競争防止法一条ノ二、二項により裁判所が同法一条一号に該当する
行為をなした者に対し謝罪広告を命ずるためには、右行為がいわゆる混同行為に該
当するほか、より粗悪な品物を被害者の商品であるようにみせるなどして被害者の
営業上の信用が害されたことが必要であるのに、原判決は、いわゆる商品の混同行
為が存在すれば当然に営業上の信用が害されるとして上告人らに対し謝罪広告を命
じたのは、同法一条ノ二、二項の法律解釈を誤つた違法があるという。
 しかしながら、原判決引用の第一審判決の確定するところによれば、被上告会社
の製品である人工甘味料「天化糖」は、これを使用して製造した漬物が昭和三六年
三月には全国漬物展示品評会において各種の賞を獲得し、そのことが業界新聞紙に
報道され、「天化糖」を推奨する記事も掲載され、同年八月には被上告会社の「天
化糖」の生産は月産約九トンに達し、その製品はすべて株式会社Dによつて売り捌
かれ、その販路は東海地方だけでなく、北陸、関西、九州方面に及んだが、同年一
〇月ごろから行なわれ出した上告会社らの判示商品混同行為により、被上告会社は
その製品の品質の維持あるいは販売方法に欠陥があるかのように取引先の誤解を受
けるに至り、被上告会社の営業上の信用が害されたばかりでなく、昭和三六年一〇
月ごろまで確保していた漬物業界への販路を奪われ、販売量の減少による損害をも
受けるに至つたというのである。
 以上の事実関係のもとにおいては、右両者の商品の品質の比較をするまでもなく、
被上告会社は上告人らの判示商品混同行為により営業上の信用を害されたとして、
不正競争防止法一条ノ二、二項により、上告人らに判示謝罪広告を命じた原判決に
所論の法律の解釈を誤つた違法があるとはいえない。論旨は採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄

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