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昭和33(あ)342不正競争防止法違反

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裁判所 最高裁判所大法廷
裁判年月日 昭和35年4月6日
事件種別 民事
法令 不正競争
キーワード 侵害1回
主文 本件上告を棄却する。
判示事項 一 不正競争防止法第五条第二号と憲法第二二条 二 同号にいう「不正ノ競争ノ目的」の意義 三 同号の罪は反覆継続性を要素とするか
事件の概要 一 不正競争防止法第五条第二号は憲法第二二条に違反しない。 二 同号にいう「不正ノ競争ノ目的」とは、公序良俗、信義衡平に反する手段によつて、他人の営業と同種または類似の行為をなし、その物の営業上の競争をする意図をいう。 三 同号の罪はその構成要件上、行為の一定期間内における反覆継続性を要素とするものではない。

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判決文

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人安田覚治の上告趣意第一点について。
 所論は要するに、不正競争防止法は対立競争関係にある企業者間の競争的企業活
動につき適用せらるべきものであつて、そのような競争的企業活動であつてこそは
じめてこれを規制することが、公共の福祉の名において憲法上許容せられるのであ
る、然るに、本件被告人は僅かな資本を他人より借り受け他人の店先の狭い部分を
他の業者と共同で賃借している小商人であり、被害者と称する有限会社Aに比すれ
ば、その規模において甚大な差異が存し、両者の間には対立競争関係は生じ得ない、
それ故被告人の本件行為に不正競争防止法五条二号を適用することは、公共の福祉
の要請によることなく不当に営業の自由を侵害するものであつて、憲法二二条に違
反するというのである。
 しかし、不正競争防止法五条二号にいう「不正ノ競争ノ目的」とは、公序良俗、
信義衡平に反する手段によつて、他人の営業と同種または類似の行為をなし、その
者と営業上の競争をする意図をいうものと解するを相当とする。そして、そのよう
な不公正な競争の意図をもつて、同法一条一号または二号に該当する行為がなされ
ることは、ただに被害者たる他の営業者に対する不法な行為であるに止まらず、業
界に混乱を来たし、ひいて経済生活一般を不安ならしめるおそれがあると認められ、
このことは、所論のような両者の営業規模の大小にはかかわらないものというべき
である。それ故、前記のような行為に必要な規制を加え、その違反者を処罰するこ
とは、公共の福祉を維持するために必要あるものであつて、憲法二二条に違反する
ものではない。
 これを本件についてみるに、原審の是認した第一審判決の判示によれば、、本件
被告人は、不正競争防止法五条二号にいう「不正ノ競争ノ目的」をもつて、同法一
条一号に該当する行為をしたものであるというのであつて、右判断は、挙示の証拠、
に照らし正当と認められる。所論は、ひつきよう不正競争防止法の解釈に関する前
示当裁判所の見解と異なる独自の見解または原審の認定に副わない事実関係を前提
として、原判決を非難するに帰し、違憲の主張は採るを得ない。
 同第二点について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(
なお、この点に関する原判示は正当である。)
 よつて同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
  昭和三五年四月六日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    奧   野   健   一
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    高   木   常   七
            裁判官    石   坂   修   一

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