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昭和38(オ)469審決取消請求

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裁判所 最高裁判所第三小法廷
裁判年月日 昭和42年5月2日
事件種別 民事
原審 昭和37(行ナ)52 (昭和38年1月29日)
法令 商標権
キーワード
主文 本件各上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。
判示事項 商標権者は原登録商標の指定商品に類似する商品について連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するか
事件の概要 商標権者は、原登録商標の指定商品に類似する商品について、連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するものではない。

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判決文

         主    文
     本件各上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人古賀規矩之名義の上告理由について。
 論旨は、要するに、本願各商標の登録を拒絶すべきものであるとした原審の判断
が商標法の解釈適用を誤り、判例違反の違法をおかしたものである、という。
 しかし、出願に係る商標が原登録商標の連合商標として出願されたものであって
も、引用登録商標と商標及び指定商品において類似している以上、その登録を拒絶
すべきことは、当裁判所の判例とするところである(昭和三三年(オ)第一一〇四
号昭和三六年六月二七日第三小法廷判決、民集一五巻六号一七三〇頁参照)。そし
て、本願各商標は、清酒及び模造清酒を指定商品とする登録商標「玉の光」の連合
商標として登録出願されたものであるが、本願商標「玉乃光」又は「玉光」が引用
登録商標「玉乃光」と同一又は類似であり、しかも、本願商標の指定商品清酒及び
合成清酒が引用登録商標の指定商品焼酎と類似であることは、原判決の確定すると
ころである。それ故、本願商標「玉乃光」及び「玉光」は、引用登録商標「玉乃光」
と商標及び指定商品において互いに類似するものであるから、商標法四条一一号に
よつて、登録を受けることができない、といわなければならない。
 上告人は、「類似商品例集」の下では、清酒及び模造清酒と焼酎とは非類似であ
るとされており、右の「類似商品例集」は法的性質のものであり、従つて、上告人
は原登録商標の指定商品たる清酒及び模造清酒に類似する商品について連合商標の
商標登録を受け得る既得権を有するのであるから、その後「類似商品例集」が改訂
され、新らたに設けられた「類似商品審査基準」では清酒及び模造清酒ないし合成
清酒と焼酎とが類似商品であるとされているとしても、本願各商標につき連合商標
の商標登録を拒絶すべきではない、と抗争する。しかしながら、所論「類似商品例
集」は、商標審査官の主観を排して商品類否の判定を統一し、かつ、商標出願人の
便宜を図るため特許庁によつて設けられた基準であるが、指定商品としての商品の
類否は、かかる基準の規定如何にかかわらず、取引事情の推移に伴つて変遷するも
のである。そして、連合商標となる商標は、それ自体独立の商標であつて、原登録
商標に附随するものではないから、それが登録されるためには、前叙のごとく、登
録時において、当該商標又は指定商品が他人の登録商標又はその指定商品と同一若
しくは類似でないことを必要とする。それ故、所論のごとき連合商標の商標登録を
受け得る既得権なるものの成立を認める余地はないのである。また、所論引用の大
審院昭和一〇年一二月一四日判決は、旧々商標法(明治四二年法律第二五号)によ
つて登録された商標に係るものであつて、本件には適切でない。
 されば、叙上と同趣旨に出た原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法は
なく、論旨は、これに反する独自の見解に立脚してその違法をいうにすぎないもの
であり、採用の限りでない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄

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