平成27(ネ)10045脱漏判決請求控訴事件
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裁判所 |
控訴棄却 知的財産高等裁判所 東京地方裁判所
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裁判年月日 |
平成27年7月15日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
控訴人株式会社イー・ピー・ルーム 被控訴人国
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法令 |
その他
民事訴訟法2条1回 民事訴訟法23条1項6号1回 民事訴訟法258条1項1回
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キーワード |
損害賠償1回
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主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
事件の概要 |
請求の原因は,原判決別紙訴状の写し記載のとおりであるから,これを引用す
る。 |
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判決文
平成27年7月15日判決言渡
平成27年(ネ)第10045号 脱漏判決請求控訴事件(原審・東京地方裁判所
平成26年(ワ)第32212号)
判 決
控 訴 人 株式会社イー・ピー・ルーム
被 控 訴 人 国
主 文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
別紙控訴状写しの「控訴の趣旨」記載のとおりであり,要するに,控訴人が有し
ていた特許第2640694号の特許につき特許庁が平成13年7月4日付けでし
た異議の決定(以下「本件決定」という。)が違法であると主張して,本件訴えを
却下した原判決を取り消した上で,被控訴人は,控訴人に対し,損害賠償金30万
円及びこれに対する訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金
を支払え,との判決を求めるものと解される。
第2 控訴人の主張
請求の原因は,原判決別紙訴状の写し記載のとおりであるから,これを引用す
る。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,本件訴えは,控訴人が本件訴え提起前に提起し,確定した多数
の前訴(原判決中摘示のもの。以下「本件各前訴」という。)の実質的蒸し返しで
あり,訴権の濫用に当たり,かつ,訴訟上の信義則に反する不適法なもので,その
不備を補正することができないものであると判断する。その理由は,原判決の「事
実及び理由」の2記載(ただし,原判決1頁19行目冒頭から2頁4行目末尾ま
で)のとおりであるから,これを引用する。
これに対し,控訴人は,本件各前訴の判決はいずれも給付の原因についての裁判
を脱漏したものであり,脱漏部分については既判力を生ずるものではないから,違
法な判決を援用することは民事訴訟法2条前段の規定に反し信義則に反するなどと
主張する。しかし,仮に本件各前訴における請求の一部について裁判の脱漏がある
とすれば,当該脱漏部分については,なおその裁判所に係属するのであるから(民
事訴訟法258条1項),裁判の脱漏に係る部分につき別訴を提起することはいず
れにせよ不適法である。
なお,控訴人は,本件各前訴のうち,平成25年(ワ)第22575号事件と平成
25年(ワ)第29155号事件の判決をした裁判体が同一であることが,民事訴訟
法23条1項6号の除斥事由に当たり,同事件の判決は法律により関与することが
できない裁判官が関与した違法なものであると主張する。しかし,同号が定める
「前審」の裁判への関与とは,当該事件の直接又は間接の下級審の裁判に関与した
ことをいうところ,控訴人が指摘する判決は地方裁判所が第一審として判断したも
のであり,その担当裁判官が当該事件の下級審の裁判に関与することはあり得ない
から,控訴人の主張はその前提を欠き,失当である。
控訴人はその他縷々主張するが,いずれも上記認定,判断を左右するものではな
い。
2 以上によれば,本件訴えを却下した原判決は相当であるから,主文のとおり
判決する。
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 設 楽 隆 一
裁判官 大 寄 麻 代
裁判官 岡 田 慎 吾
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