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平成26(ワ)22400著作権侵害差止等請求事件

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裁判所 請求棄却 東京地方裁判所
裁判年月日 平成27年11月30日
事件種別 民事
当事者 被告株式会社語学春秋社
原告
法令 著作権
著作権法114条2項3回
著作権法112条1項1回
著作権法2条1項1号1回
キーワード 侵害39回
損害賠償2回
差止2回
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事件の概要 1 事案の概要 本件は,別紙書籍目録記載2の書籍(以下「原告書籍」という。)の著者である 原告が,被告が発行し販売する別紙書籍目録記載1の書籍(以下「被告書籍」とい う。)に掲載されている複数の英単語の語呂合わせ(特定の英単語の発音に類似し た日本語と同英単語の日本語訳とを組み合わせて意味のある語句又は文章としたも の)は,原告が執筆した原告書籍に掲載されている複数の英単語の語呂合わせをい ずれも複製又は翻案したものであり,被告が被告書籍を発行し,販売することは, 原告が有する上記原告書籍に掲載されている各語呂合わせの著作権(複製権,翻案 権)及び著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害すると主張して,被告 に対し,著作権法112条1項,2項に基づき,被告書籍の複製及び譲渡の差止め (前記第1の1)並びに被告書籍の廃棄を求めるとともに(前記第1の2),被告 による被告書籍の平成25年7月16日から平成26年8月28日(本件訴訟の提 起日)までの販売につき,不法行為による損害賠償金129万円(著作権である複 製権又は翻案権の侵害につき著作権法114条2項により算定されるべき損害〔な お,原告は,訴状において「一部損害額」であるとしている。〕39万円又は同条

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判決文

平成27年11月30日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官
平成26年(ワ)第22400号 著作権侵害差止等請求事件
口頭弁論終結日 平成27年8月26日
判 決
千葉県柏市<以下略>
原 告 A
同訴訟代理人弁護士 大 熊 裕 司
同 大 山 京
東京都新宿区<以下略>
被 告 株 式 会 社 語 学 春 秋 社
同訴訟代理人弁護士 三 山 裕 三
同 小 山 哲
同 田 中 慎 一
同 津 島 一 登
同 佐 原 祥 太
主 文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
1 被告は,別紙書籍目録記載1の書籍を複製し,譲渡してはならない。
2 被告は,別紙書籍目録記載1の書籍を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,129万円及びこれに対する平成26年9月5日から
支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要等
1 事案の概要
本件は,別紙書籍目録記載2の書籍(以下「原告書籍」という。)の著者である
原告が,被告が発行し販売する別紙書籍目録記載1の書籍(以下「被告書籍」とい
う。)に掲載されている複数の英単語の語呂合わせ(特定の英単語の発音に類似し
た日本語と同英単語の日本語訳とを組み合わせて意味のある語句又は文章としたも
の)は,原告が執筆した原告書籍に掲載されている複数の英単語の語呂合わせをい
ずれも複製又は翻案したものであり,被告が被告書籍を発行し,販売することは,
原告が有する上記原告書籍に掲載されている各語呂合わせの著作権(複製権,翻案
権)及び著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害すると主張して,被告
に対し,著作権法112条1項,2項に基づき,被告書籍の複製及び譲渡の差止め
(前記第1の1)並びに被告書籍の廃棄を求めるとともに(前記第1の2),被告
による被告書籍の平成25年7月16日から平成26年8月28日(本件訴訟の提
起日)までの販売につき,不法行為による損害賠償金129万円(著作権である複
製権又は翻案権の侵害につき著作権法114条2項により算定されるべき損害〔な
お,原告は,訴状において「一部損害額」であるとしている。〕39万円又は同条
3項により算定される損害39万円,著作者人格権である氏名表示権及び同一性保
持権の侵害による損害〔慰謝料相当額〕50万円,弁護士費用40万円〔原告は,
著作権侵害による弁護士費用と著作者人格権侵害による弁護士費用を区別していな
いが,各被侵害利益につき按分額を主張する趣旨と解される。〕の合計額)及びこ
れに対する平成26年9月5日(不法行為後の日)から支払済みまでの民法所定年
5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(前記第1の3)事案である。
2 前提事実(証拠等を掲記しない事実は,当事者間に争いがない。)
(1) 当事者
原告は,英語塾の講師であり,原告書籍の著作者である(甲1)。
被告は,図書等の開発,制作及び販売等を業とする株式会社である。
(2) 原告書籍及び原告語呂合わせ
原告書籍は,原告が執筆し,アクティブ・ブレイン協会が平成23年10月1日
に第2版を発行した英単語集であり,2201語の英単語について,その日本語訳
を掲載するほか,語源や語呂合わせなど,当該英単語を記憶するための情報を併せ
て記載している。
原告書籍には,別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語の語呂合
わせ(以下,同対照表記載の番号に従い「原告語呂合わせ1」などといい,原告語
呂合わせ1ないし同100を併せて単に「原告語呂合わせ」という。)が掲載され
ている。例えば,原告書籍には,「beard」との英単語を記憶するための語呂合わせ
として,「ビヤーッ、どっとはえる( )。」との原告語呂合わせ1が掲載され
ている(下記画像参照)。
(以上につき,甲1)
(3) 被告書籍及び被告語呂合わせ
被告書籍は,B(以下「B」という。)が執筆し,被告が平成25年7月16日
に初版を発行した英単語集であり,2000語の英単語について,その日本語訳を
掲載するほか,語源や語呂合わせなど,当該英単語を記憶するための情報や当該英
単語を用いた例文などを併せて記載している。
被告書籍には,別紙語呂合わせ対照表の「被告書籍」欄各記載の英単語の語呂合
わせ(以下,同対照表記載の番号に従い「被告語呂合わせ1」などといい,被告語
呂合わせ1ないし同100を併せて単に「被告語呂合わせ」という。)が掲載され
ている。例えば,被告書籍には,「beard」との英単語を記憶するための語呂合わせ
.... .
として,「び ぃ あ ~ ,ど っとあごひげ伸びる」との被告語呂合わせ1が掲載されて
ビ ア ド
いる(下記画像参照)。
(以上につき,甲2)
(4) 被告の行為
被告は,平成25年7月16日に被告書籍を初版発行して以降,現在に至るまで,
その販売を継続している。
3 争点
(1) 複製権又は翻案権の侵害は成立するか(争点1)
(2) 氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか(争点2)
(3) 被告に過失があるか(争点3)
(4) 損害額(争点4)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(複製権又は翻案権の侵害は成立するか)について
【原告の主張】
ア 原告語呂合わせの具体的表現について
原告語呂合わせは,例えば原告語呂合わせ1についていえば,「ビヤーッ、どっ
とはえる( )。」などと,括弧付きの空欄部分を含む表現となっているが,原
告書籍は,英単語を記憶するための書籍であり,読者は,原告語呂合わせを参照し
て,括弧付きの空欄部分に当該英単語の日本語訳を読み込んで記憶を行う。原告語
呂合わせ1についていえば,「beard」との英単語の日本語訳である「(あご)ひげ」
を括弧付きの空欄部分に読み込み,「ビヤーッ、どっとはえる(あご)ひげ。」と
して記憶する。
したがって,原告語呂合わせの創作性や被告語呂合わせとの類似性を判断するに
際しては,対象となった英単語の日本語訳を括弧付きの空欄部分に読み込んだもの
を原告語呂合わせと把握すべきである。
イ 原告語呂合わせが創作性を有することについて
(ア) 総論
語呂合わせは,英単語を記憶しやすくする目的で表現されるもので,短文であっ
たとしても作成者の個性が発揮され得るものである。
また,英単語の語呂合わせは,誰が作成しても同様の表現になるというものでは
なく,英単語の発音をどの程度変容させるか,助詞をどのように組み合わせるか(組
み合わせ次第によっては日本語の文章内に英単語を組み入れることもできる。),
オリジナルの単語(例えば,原告語呂合わせ10の「淫売路面」など)を作成して
組み込むかなど,他の者にとって表現の選択の幅は広いから,創作性が肯定される
べきものである。
原告語呂合わせは,いずれも,英単語を記憶しやすくする目的のために作成され
た,極めて知的な創作活動の成果であって,創作性が認められる。
この点,被告は,英単語の語呂合わせについて,その性格上,①英単語の発音に
類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳を組み合わせて語句又は文章としな
くてはならないこと,②当該語句や文章は短くなくてはならないこと,③音読した
ときにリズムがよくなければならないことなど,表現上の厳格な制約に服するなど
と主張するが,被告が指摘する①ないし③の要素は,どのようにすれば英単語を効
率よく記憶できるかという観点から生み出された語呂合わせの知的創作活動の成果
というべきであって,英単語の語呂合わせに,短歌や俳句に見られるような表現上
の制約があるわけではない。
(イ) 各論
原告語呂合わせがいずれも創作性を有することは,別紙主張整理表中,「原告の
主張」の「創作性」欄に各記載のとおりである。
被告は,原告語呂合わせをそれぞれ名詞や助詞に分解して,各品詞が平凡かつあ
りふれているとか,単語及び文字の羅列にすぎないなどと主張するが,そのような
分析手法をとれば,あらゆる文章的表現が平凡かつありふれた表現になってしまう
から不当である。前述のとおり,原告語呂合わせは,極めて知的な創作活動の成果
であって,単語及び文字の羅列などではない。
ウ 被告語呂合わせは,原告語呂合わせを複製又は翻案したものであること
(ア) 別紙主張整理表中,「原告の主張」「類似性」欄に各記載のとおり,被告語
呂合わせは,いずれも,原告語呂合わせと強度に類似している。
(イ) 被告書籍を執筆したBは,平成23年10月,原告が講師を務めた「アクテ
ィブ・ブレイン全脳記憶英単語セミナー実践編」を受講し,原告書籍の配布を受け
ており,本件訴訟に先立ち,Bが上記セミナー及び原告書籍を参考に被告書籍を執
筆したことを認めている(甲3ないし5)。したがって,Bが,原告語呂合わせに
依拠して,被告語呂合わせを作成したことは明らかである。
(ウ) したがって,被告語呂合わせは,原告語呂合わせを複製又は翻案したものと
いえ,被告は,被告語呂合わせの掲載された被告書籍を発行し,販売することによ
り,原告が有する原告語呂合わせの著作権(複製権又は翻案権)を侵害している。
【被告の主張】
ア 原告語呂合わせの具体的表現について
著作物の創作性の判断に際して検討の対象とすべきは具体的表現であるが,原告
語呂合わせは,いずれも,対象となる英単語の日本語訳部分に「( )」と表現さ
れているから,当該「( )」を含む語呂合わせを具体的表現として検討の対象と
すべきであり,当該括弧付きの空欄部分に対象英単語の日本語訳を読み込んだもの
を創作性判断の対象とすべきではない。
原告は,原告書籍の読者が括弧付きの空欄部分に日本語訳を読み込んで英単語の
記憶をすることを理由に,創作性の判断対象となる原告語呂合わせの具体的表現は,
括弧付きの空欄部分に日本語訳を読み込んだものとすべき旨主張するが,読者の記
憶の便宜上括弧付きの空欄部分を設けたというのであれば,なおさら「( )」を
含むものが原告語呂合わせの具体的表現というべきである。なお,英単語は,一つ
の単語が複数の日本語訳を持つことが通常であるから,原告が主張するように括弧
付きの空欄部分に日本語訳を読み込むとすると,当該空欄部分に読み込むべき日本
語訳が一義的に明らかではなく,創作性の有無の検討ができないこととなる。
もっとも,仮に,当該括弧付きの空欄部分に英単語の日本語訳を読み込んだとし
ても,英単語の日本語訳に原告独自の創作性が認められる余地はないから,後述の
とおり,いずれにしても原告語呂合わせに創作性は認められない。
イ 原告語呂合わせには創作性が認められないこと
(ア) 総論
a 著作権法は具体的表現を保護し,アイデアを保護するものではないが,具体
的な表現であっても,当該表現が極めて短い場合や平凡かつありふれている場合な
ど,誰が表現しても同様の表現になる場合にも著作権法による保護を認めることは,
実質的に思想やアイデアの独占を許すことになって不当である。したがって,極め
て短い表現や,平凡かつありふれた表現には,創作性が認められないというべきで
ある。
原告語呂合わせは,いずれも極めて短く,また平凡かつありふれているから,創
作性は認められない。
b また,特定の表現において表現上の厳格な制約がある場合には,誰が表現し
ても同様の表現とならざるを得ないから,創作性は認められないというべきである。
英単語の語呂合わせは,その性格上,①英単語の発音に類似する日本語の語句と
当該英単語の日本語訳を組み合わせて語句又は文章としなくてはならないこと,②
当該語句や文章は短くなくてはならないこと,③音読したときにリズムがよくなけ
ればならないことなど,表現上の厳格な制約に服する。このような性質を有する英
単語の語呂合わせに安易に創作性を認めて保護するのであれば,他者が英単語の語
呂合わせを用いた学習方法を提供することが事実上困難となって不都合であるし,
情報の豊富化を目的とする著作権法の趣旨にも反するというべきである。
原告語呂合わせも,やはり英単語の語呂合わせとしての表現上の制約を受け,英
単語の発音に類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳に相当する括弧付きの
空欄を組み合わせ,最大で十数字(括弧付きの空欄部分は字数に含まない。)程度
の極めて短い語句又は文章となっているところ,その表現形式は限定されており,
全く異なる言葉や言い回しで表現することは困難であるから,原告語呂合わせに創
作性は認められないし,認めるべきではない。
c なお,原告は,原告語呂合わせが,ストーリー,リズム等の点において,学
習者において効率よく英単語を記憶する目的にかなう優れたものであって,このこ
とをもって原告語呂合わせの創作性を肯定すべきかのような主張をするが,創作性
は,表現の幅の広狭によって決せられるべきであり,英単語を効率よく記憶できる
かという点を基準に判断されるべきものではない。原告は,原告語呂合わせを作成
する際に用いたアイデアの独自性を主張しているにすぎない。
(イ) 各論
原告語呂合わせについて,いずれも創作性が認められないことは,別紙主張整理
表中,「被告の主張」の「創作性」欄に各記載のとおりである。
また,原告語呂合わせがありふれた表現であることは,別紙類書比較表に各記載
のとおり,他の英単語集において,原告語呂合わせと類似した英単語の語呂合わせ
が収録されていることからも明らかである。
ウ 被告語呂合わせは,原告語呂合わせを複製したものではないこと
仮に,原告語呂合わせに何らかの創作性が認められたとしても,被疑侵害物の具
体的表現が,著作物との比較において,単に事実のみを抽出してこれを再製した場
合や,アイデア又は表現上の創作性が認められない部分において同一性又は類似性
を有するにすぎない場合には,いずれも複製権の侵害に当たらない。
そして,原告語呂合わせと被告語呂合わせとをそれぞれ比較すると,別紙主張整
理表中,「被告の主張」の「類似性」欄に各記載のとおり,両者は,いずれも,表
現ではない部分又は表現上の創作性が認められない部分において共通しているにす
ぎないから,被告語呂合わせは,原告語呂合わせを複製したものではない。
なお,上記(2)のとおり,原告語呂合わせは,英単語の語呂合わせとしての表現上
の制約を受け,ごく短い上に平凡かつありふれた表現であることからすれば,仮に
何らかの創作性が認められたとしても,その保護範囲は極めて狭小とされるべきで
あるから,類似性の検討は厳格に行われるべきである。
エ 被告語呂合わせは,原告語呂合わせを翻案したものではないこと
原告は,被告語呂合わせが原告語呂合わせを翻案したものであるとの主張もする
が,原告語呂合わせの表現上の本質的な特徴がいかなる部分であるか,被告語呂合
わせにおいていかなる創作的表現が付加されたのかなどを具体的に主張しないから,
失当である。
オ 依拠性について
Bが,被告書籍を執筆するに際し,原告書籍を参考にしたかは知らない。
(2) 争点2(氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか)について
【原告の主張】
ア 氏名表示権侵害について
被告が,被告書籍の販売に際して,被告語呂合わせの著作者として原告の氏名を
表示しないことは,原告の氏名表示権を侵害する。
イ 同一性保持権侵害について
被告語呂合わせは,原告の意に反して原告語呂合わせを改変したものであるから,
原告の同一性保持権が侵害されている。
【被告の主張】
ア 氏名表示権侵害について
被告語呂合わせは,原告語呂合わせを複製又は翻案したものではないから,原告
は被告書籍について氏名表示権を有するものではない。
イ 同一性保持権侵害について
原告は,被告語呂合わせが原告語呂合わせのいかなる部分を改変したのか一切主
張していないし,そもそも,被告語呂合わせは,原告語呂合わせとは別個独立した
著作物であるから,同一性保持権侵害は成立しない。
(3) 争点3(被告に過失があるか)について
【原告の主張】
被告は,出版社として,出版する書籍について,著作権や著作者人格権を侵害し
ないようにする高度の注意義務を負うものであるから,被告書籍の発行及び販売に
より原告の著作権及び著作者人格権を侵害したことにつき,過失があった。
被告は,英語の学習教材を出版する専門の出版社であり,被告書籍と同種の書籍
を多数出版してきたのであるから,第三者の著作権を侵害しているか調査すべき注
意義務が軽減されることはない。
【被告の主張】
被告は,従業員8名の小規模な出版社であり,出版する書籍が第三者の著作権を
侵害しているかを調査する経営資源は限定されている。また,一般に,英単語の語
呂合わせを含む英単語集が第三者の著作権を侵害するかを調査するには,多大なコ
ストを要する。
このような中,被告は,第三者との間のトラブルを防ぐため,Bから提供された
被告書籍の原稿に掲載されていた語呂合わせと,公刊済みの著名な英単語集3冊に
掲載されていた語呂合わせの比較対象を行うこととし,類似すると考えられるもの
については,Bに指摘し,最終的に93個の語呂合わせを修正させた(乙9)。
他方,原告書籍は一般には市販されておらず,また,Bも被告に対して原告書籍
の存在を明かさなかったことから,被告は,原告書籍の存在を認識することすら困
難であった。
そうすると,被告が,原告書籍に掲載された原告語呂合わせと,Bから提供され
た原告に掲載された語呂合わせとを対照することは不可能であったといえるし,被
告は,その経営資源に応じ,被告書籍の発行により第三者の著作権を侵害しないよ
う十分に注意義務を尽くしたというべきである。
したがって,仮に,著作権及び著作者人格権の侵害が認められたとしても,被告
には過失がないから,損害賠償責任を負うことはない。
(4) 争点4(損害額)について
【原告の主張】
ア 著作権(複製権又は翻案権)侵害による損害
(ア) 書籍の出版等を業とする者ではない原告にも著作権法114条2項が適用さ
れるべきところ,被告は,平成25年7月16日から平成26年8月28日(本件
訴訟の提起日)までの間に,定価1300円の被告書籍を少なくとも3000部販
売し,利益率は10パーセントであるから,同条項により推定される損害額は少な
くとも39万円である。
(イ) 仮に,原告について著作権法114条2項が適用されないとしても,原告は,
同法3項の規定により,原告語呂合わせの著作権の行使につき受けるべき金銭相当
額を損害額として請求できる。
被告書籍の著者であるBが受ける印税は,被告書籍の売上高の8パーセントであ
るが(甲7),著作権を侵害してもなお通常受けるべき使用料のみを賠償すればよ
いとするのは権利保護の観点から妥当でない。被告書籍の売上高に対する原告語呂
合わせの寄与が大きいことからすれば,原告が受けるべき金銭相当額は,被告書籍
の売上高の10パーセントに相当する39万円とされるべきである。
イ 著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)侵害による損害
著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)の侵害により原告が受けた精神的
損害を慰謝するには,慰謝料50万円の支払を要する。
ウ 弁護士費用
本件訴訟の追行に要した弁護士費用のうち,被告の行為と相当因果関係のある額
は,40万円を下らない。
【被告の主張】
否認又は争う。
原告は,書籍の出版等を業とする者ではないから,著作権法114条2項の推定
規定は適用されないというべきである。
また,被告書籍には,1ページあたり4個の語呂合わせが掲載されており,全5
27ページからなるから,仮に,100個の原告語呂合わせ全てについて著作権侵
害が認定されたとしても,当該語呂合わせが被告書籍に占める割合は,最大でも4.
74パーセントにとどまる。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(複製権又は翻案権の侵害は成立するか)について
(1) 判断の枠組み
ア 著作物の複製とは,既存の著作物に依拠し,その内容及び形式を覚知させる
に足りるものを再製することをいう(最高裁昭和50年(オ)第324号同53年
9月7日第一小法廷判決・民集32巻6号1145頁参照)。ここで,再製とは,
既存の著作物と同一のものを作成することをいうと解すべきであるが,同一性の程
度については,完全に同一である場合のみではなく,多少の修正増減があっても著
作物の同一性を損なうことのない,すなわち実質的に同一である場合も含むと解す
べきである。
また,著作物の翻案とは,既存の著作物に依拠し,かつ,その表現上の本質的な
特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正,増減,変更等を加えて,新たに思
想又は感情を創作的に表現することにより,これに接する者が既存の著作物の表現
上の本質的な特徴を直接感得することができる別の著作物を創作する行為をいい,
既存の著作物に依拠して創作された著作物が,思想,感情若しくはアイデア,事実
若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において
既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には翻案には当たらないと解するの
が相当である(最高裁平成11年(受)第922号同13年6月28日第一小法廷
判決・民集55巻4号837頁参照)。
イ このように,複製又は翻案に該当するためには,既存の著作物とこれに依拠
して創作された著作物との共通性を有する部分が,著作権法による保護の対象とな
る思想又は感情を創作的に表現したものであることが必要である(著作権法2条1
項1号)。そして,「創作的」に表現されたというためには,厳密な意味で独創性
が発揮されたものであることは必要ではなく,作者の何らかの個性が表現されたも
ので足りるというべきであるが,他方,文章自体がごく短く又は表現上制約がある
ため他の表現が想定できない場合や,表現が平凡かつありふれたものである場合に
は,作者の個性が表現されたものとはいえないから,創作的な表現であるというこ
とはできない。
ウ 以上の見地から,以下では,原告語呂合わせと被告語呂合わせとの共通部分
を認定した上で,同共通部分が創作的な表現といえるかについて,個別に検討する
こととする。
(2) 共通部分の検討の前提となる具体的表現について
ア ところで,原告語呂合わせと被告語呂合わせとの共通部分を認定するにあた
り,その前提として,括弧付きの空欄部分を含む原告語呂合わせを,いかなる表現
として把握すべきかについて検討する。
この点,原告は,原告語呂合わせの具体的表現について,「原告語呂合わせ」と
して主張する具体的表現を別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語
の語呂合わせ,すなわち,英単語の語呂合わせ内に括弧付きの空欄部分を含む表現
として特定しながら,他方で,対象となった英単語の日本語訳を括弧付きの空欄部
分に読み込んだものを原告語呂合わせと把握すべき旨主張する。
前記前提事実(2)のとおり,原告書籍は英単語集であって,掲載された英単語につ
いて,その日本語訳のほか,当該英単語を記憶するための情報が併せて記載されて
おり,原告語呂合わせも,上記当該英単語を記憶するための情報として記載されて
いる。そして,原告書籍の記載を具体的に見ると,例えば「beard」との英単語を記
憶するための「ビヤーッ、どっとはえる( )。」との原告語呂合わせ1が掲載
されているほか,その下部に,「bread」の日本語訳である「(あご)ひげ」が掲載
されている(下記画像参照)。
このことからすると,確かに,原告書籍に接する読者は,原告語呂合わせ中の括
弧付きの空欄部分に,同語呂合わせの下部に記載されている当該英単語の日本語訳
を適宜読み込んで認識するものといえ,当該括弧付きの空欄部分は,当該英単語の
日本語訳を読み込むことが予定されていることは明らかである。
しかしながら,上記のとおり,原告は,「原告語呂合わせ」として主張する具体
的表現を別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語の語呂合わせ,す
なわち,英単語の語呂合わせ内に括弧付きの空欄部分を含む表現として特定するに
とどまり(上記画像の赤枠部分参照),例えば括弧付きの空欄部分を含む語呂合わ
せと当該英単語の日本語訳との組み合わせがまとまりのある著作物であるなどとの
主張はしていない(当然,被告において,原告が捨象した部分も含めて具体的表現
を対比すべきとの反論は行われていない。 のであるから
) (知財高裁平成24年(ネ)
第10027号同年8月8日判決・判時2165号42頁参照),被告語呂合わせ
と対照して共通部分を認定すべき原告語呂合わせの具体的表現は,括弧付きの空欄
部分を含むものというほかなく,当該括弧付きの空欄部分に,対象となった英単語
の日本語訳を読み込んだものを具体的表現とすべきではない。
イ なお,原告語呂合わせと被告語呂合わせとは,フォント,コンマ,色,強調
点の有無,読み仮名の有無の点で相違する部分があるが,これらの点は,上記に認
定した原告書籍と被告書籍の具体的体裁の下では,共通部分の認定に直ちに影響す
るものとは認め難いので,ひとまず,これらの点を捨象して,原告語呂合わせと被
告語呂合わせの共通部分を認定することとする。
(3) 個別の語呂合わせについての検討
[1] 原告語呂合わせ1及び被告語呂合わせ1について
原告語呂合わせ1と被告語呂合わせ1とは,「びあー」様の記述に続けて「,ど
っと」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,共に「beard」という英単語とよく似
た発音を有する語句を主要な構成要素とするものであるが,特定の英単語を語呂合
わせにしようとすること自体はアイデアであって著作権法上の保護を受け得ないと
ころ,同アイデアを表現する上では,当該英単語とよく似た発音を有し,かつ,当
該英単語の日本語訳と意味が通じる日本語の語句を選択した上,この語句と,当該
英単語の日本語訳とをつなげることが不可欠な要素となり,これらの要素は,特定
の英単語を語呂合わせにしようというアイデアを表現する上で不可欠な表現上の制
約であるというべきである。そして,「beard」の発音をカタカナ読みして「ビアー
ド」とし,これと日本語訳(あごひげ)とを「どっと」というありふれた語句を付
加してつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとし
ても,上記表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を
出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ1と被告語呂合わせ1とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ1は,原告語呂合わ
せ1を複製又は翻案したものには当たらない。
[2] 原告語呂合わせ2及び被告語呂合わせ2について
原告語呂合わせ2と被告語呂合わせ2とは,
「ぶらうん」との読みの単語(brown,
ブラウン)に続けて「の」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「brow」の発音をカタカナ読みして
「ブロウ」とし,音の一部を変化させて「ブラウン」として,これに「の」との助
詞を付加して日本語訳(まゆ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表
現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定
された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてあり
ふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認め
ることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ2と被告語呂合わせ2とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ2は,原告語呂合わ
せ2を複製又は翻案したものには当たらない。
[3] 原告語呂合わせ3及び被告語呂合わせ3について
原告語呂合わせ3と被告語呂合わせ3とは,「ベリーを」と記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「bury」の発音をカタカナ読みして
「ベリー」とし,これに「を」との助詞を付加して日本語訳(埋める)とつなげる
ことは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「ベリーの種を埋める」との語呂合
わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。 ,

かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ3と被告語呂合わせ3とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ3は,原告語呂合わ
せ3を複製又は翻案したものには当たらない。
[4] 原告語呂合わせ4及び被告語呂合わせ4について
原告語呂合わせ4と被告語呂合わせ4とは,「ぶっちゃけ」「です」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「butcher」の発音をカタカナ読みし
て「ブッチャー」とし,音を付加して「ブッチャケ(ぶっちゃけ)」として,これ
に「です」との助動詞を付加して日本語訳(肉屋)とつなげることは,誰が行って
も必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約
により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かか
る意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に
表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ4と被告語呂合わせ4とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ4は,原告語呂合わ
せ4を複製又は翻案したものには当たらない。
[5] 原告語呂合わせ5及び被告語呂合わせ5について
原告語呂合わせ5と被告語呂合わせ5とは,「かなーり」又は「かなり」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「canal」の発音をカタカナ読みして
「カナル」とし,音を変化させて「カナリ(かなり)」として,これを日本語訳(運
河)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとし
ても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた
表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得
ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ5と被告語呂合わせ5とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ5は,原告語呂合わ
せ5を複製又は翻案したものには当たらない。
[6] 原告語呂合わせ6及び被告語呂合わせ6について
原告語呂合わせ6と被告語呂合わせ6とは,「このプリン変だと」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「comprehend」の発音をカタカナ読
みして「コンプリヘンド」とし,音を一部変化させて「コン」を「コノ(この)」,
「プリ」を「プリン」,「ヘンド」を「ヘンダ(変だ)」として,これに「と」と
の助詞を付加して日本語訳(理解する)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ6と被告語呂合わせ6とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ6は,原告語呂合わ
せ6を複製又は翻案したものには当たらない。
[7] 原告語呂合わせ7及び被告語呂合わせ7について
原告語呂合わせ7と被告語呂合わせ7とは,「出るじゃんと」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「diligent」の発音をカタカナ読み
して「ディリジェント」とし,音を一部変化させて「ディリ」を「デル(出る)」,
「ジェント」を「ジャント(じゃんと)」として,これを日本語訳(勤勉な,まじ
めな)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないと
しても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされ
た表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを
得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ7と被告語呂合わせ7とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ7は,原告語呂合わ
せ7を複製又は翻案したものには当たらない。
[8] 原告語呂合わせ8及び被告語呂合わせ8について
原告語呂合わせ8と被告語呂合わせ8とは,「だんまり」と記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「dumb」の発音をカタカナ読みして
「ダム」とし,これと日本語訳(口をきかない,バカな)とを「だんまり」という
ありふれた語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもので
はないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の
中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言
わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難で
ある。
したがって,原告語呂合わせ8と被告語呂合わせ8とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ8は,原告語呂合わ
せ8を複製又は翻案したものには当たらない。
[9] 原告語呂合わせ9及び被告語呂合わせ9について
原告語呂合わせ9と被告語呂合わせ9とは,「エッホと」と記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「effort」の発音をカタカナ読みし
て「エフォート」とし,音を一部変化させて「エッホト(エッホと)」として,こ
れを日本語訳(努力)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になる
ものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選
択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1,3〕に
「エッホ,エッホと努力する」「エッホエッホと努力」との語呂合わせがあること
からも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味に
おいてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現した
ものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ9と被告語呂合わせ9とは,表現上の創作性のない
部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ9は,原告語呂合わ
せ9を複製又は翻案したものには当たらない。
[10] 原告語呂合わせ10及び被告語呂合わせ10について
原告語呂合わせ10と被告語呂合わせ10とは,「淫売路面とは」,「悪い」又
は「最悪」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「environment」の発音をカタカナ読
みして「エンバイロメント」とし,「エンバイ」の音を一部変化させて「インバイ」
として「淫売」というそれ自体は一般的な語をあて,「ロメント」は音そのままに
「路面と」として,これに「悪い」ことを意味するありふれた語句を付加して日本
語訳(環境)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものでは
ないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中
でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「縁倍!路面
とっても出会いの多い環境」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢
が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言
わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難で
ある。
したがって,原告語呂合わせ10と被告語呂合わせ10とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ10は,原告語
呂合わせ10を複製又は翻案したものには当たらない。
[11] 原告語呂合わせ11及び被告語呂合わせ11について
原告語呂合わせ11と被告語呂合わせ11とは,「いーびる(いびる)のは」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「evil」の発音をカタカナ読みして
「イービル」とし,これに「のは」という助詞を付加して日本語訳(悪)とつなげ
ることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1ないし4〕に「いびる奴らは悪い奴」「い
びる邪悪な行為」「人をいーびるのは悪い」「いびるのは悪い」との語呂合わせが
あることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かか
る意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に
表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ11と被告語呂合わせ11とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ11は,原告語
呂合わせ11を複製又は翻案したものには当たらない。
[12] 原告語呂合わせ12及び被告語呂合わせ12について
原告語呂合わせ12と被告語呂合わせ12とは,「ゲイ(,)ずっと」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「gaze」の発音をカタカナ読みして
「ゲイズ」とし,これに「ずっと」というありふれた語句を付加して日本語訳(見
つめる,凝視する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるも
のではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択
肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「ゲイ
ずっと見つめる」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られて
いることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得
ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ12と被告語呂合わせ12とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ12は,原告語
呂合わせ12を複製又は翻案したものには当たらない。
[13] 原告語呂合わせ13及び被告語呂合わせ13について
原告語呂合わせ13と被告語呂合わせ13とは,「ジイ(爺)入院って」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「genuine」の発音をカタカナ読みし
て「ジニュイン」とし,音を一部変化させて「ジイニュウイン(ジイ入院)」とし
て,これに「って」との助詞を付加して日本語訳(本当の,本物の)とつなげるこ
とは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述
べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るも
のではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「爺,入院した本物の病気」との語呂合
わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。 ,

かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ13と被告語呂合わせ13とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ13は,原告語
呂合わせ13を複製又は翻案したものには当たらない。
[14] 原告語呂合わせ14及び被告語呂合わせ14について
原告語呂合わせ14と被告語呂合わせ14とは,「ほーんとに」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「haunt」の発音をカタカナ読みして
「ホーント」とし,これに「に」との助詞を付加して日本語訳(〔霊が〕出る,し
ばしば行く)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものでは
ないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中
でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「ホーントに
よく行く」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られているこ
とがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないか
ら,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ14と被告語呂合わせ14とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ14は,原告語
呂合わせ14を複製又は翻案したものには当たらない。
[15] 原告語呂合わせ15及び被告語呂合わせ15について
原告語呂合わせ15と被告語呂合わせ15とは,「絵は」「に」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「heir」の発音をカタカナ読みして
「エア」とし,音を一部変化させて「エワ(絵は)」として,これに「に」との助
詞を付加して日本語訳(相続人)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の
表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限
定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙
4〕に「絵は相続人に」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限
られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざ
るを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ15と被告語呂合わせ15とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ15は,原告語
呂合わせ15を複製又は翻案したものには当たらない。
[16] 原告語呂合わせ16及び被告語呂合わせ16について
原告語呂合わせ16と被告語呂合わせ16とは,「グレート」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「immigrate」の発音をカタカナ読み
して「イミグレート」とし,これを日本語訳(移住する)とつなげるために発音を
一部変化させて「イミングレート(移民グレート)」とすることは,誰が行っても
必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約に
より相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる
意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表
現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ16と被告語呂合わせ16とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ16は,原告語
呂合わせ16を複製又は翻案したものには当たらない。
[17] 原告語呂合わせ17及び被告語呂合わせ17について
原告語呂合わせ17と被告語呂合わせ17とは,「インダスほとりに」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「industry」の発音をカタカナ読み
して「インダストリー」とし,「インダス」部分はそのままに「トリー」の音を変
化させて「ホトリ(ほとり)」として,これに「に」との助詞を付加して日本語訳
(産業)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではない
としても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でさ
れた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざる
を得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
[18] 原告語呂合わせ18及び被告語呂合わせ18について
原告語呂合わせ18と被告語呂合わせ18とは,「インコはいや(嫌)?と」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「inquire」の発音をカタカナ読みし
て「インクワイアー」とし,音を一部変化させて「インクワ」を「インコワ(イン
コは)」と,「イアー」を「イヤ(いや?)」として,これに「と」との助詞を付
加して日本語訳(尋ねる)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に
「インコは嫌?と尋ねる店員」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択
肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と
言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難
である。
したがって,原告語呂合わせ18と被告語呂合わせ18とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ18は,原告語
呂合わせ18を複製又は翻案したものには当たらない。
[19] 原告語呂合わせ19及び被告語呂合わせ19について
原告語呂合わせ19と被告語呂合わせ19とは,「犬」「サル」「と」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「insult」の発音をカタカナ読みし
て「インサルト」とし,音を一部変化させて「イヌサルト(犬サルと)」として,
これを日本語訳(侮辱する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現
になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定さ
れた選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕
に「犬,サルとキジを侮辱する」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選
択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現
と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困
難である。
したがって,原告語呂合わせ19と被告語呂合わせ19とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ19は,原告語
呂合わせ19を複製又は翻案したものには当たらない。
[20] 原告語呂合わせ20及び被告語呂合わせ20について
原告語呂合わせ20と被告語呂合わせ20とは,「なーす」との読みの単語に続
けて「ありの」との語句を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「nursery」の発音をカタカナ読みし
て「ナーサリー」とし,音を一部変化させて「ナースアリ(ナースあり)」として,
これに「の」との助詞を付加して日本語訳(託児所)とつなげることは,誰が行っ
ても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制
約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,か
かる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的
に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ20と被告語呂合わせ20とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ20は,原告語
呂合わせ20を複製又は翻案したものには当たらない。
[21] 原告語呂合わせ21及び被告語呂合わせ21について
原告語呂合わせ21と被告語呂合わせ21とは,「油維持する」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「oblige」の発音をカタカナ読みし
て「オブライジ」とし,音を一部変化させて「アブライジ(油維持)」として,こ
れに「する」との補助動詞を付加して日本語訳(義務づける)とつなげることは,
誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表
現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものでは
なく(語呂合わせの類書〔乙1〕に「油維持せよ義務づける」との語呂合わせがあ
ることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる
意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表
現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ21と被告語呂合わせ21とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ21は,原告語
呂合わせ21を複製又は翻案したものには当たらない。
[22] 原告語呂合わせ22及び被告語呂合わせ22について
原告語呂合わせ22と被告語呂合わせ22とは,「プレーボーイ(プレイボーイ)
の」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「prey」の発音をカタカナ読みして
「プレイ」とし,これに「ボーイの」との語句を付加して日本語訳(えじき)とつ
なげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上
記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域
を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「プレイボーイは女をえじきに
する」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることが
うかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ22と被告語呂合わせ22とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ22は,原告語
呂合わせ22を複製又は翻案したものには当たらない。
[23] 原告語呂合わせ23及び被告語呂合わせ23について
原告語呂合わせ23と被告語呂合わせ23とは,「プロ,パー」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「proper」の発音をカタカナ読みし
て「プロパー」とし,これを日本語訳(適切な)とつなげることは,誰が行っても
必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約に
より相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合
わせの類書〔乙2〕に「プロ,パートに適切な指導」との語呂合わせがあることか
らも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ23と被告語呂合わせ23とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ23は,原告語
呂合わせ23を複製又は翻案したものには当たらない。
[24] 原告語呂合わせ24及び被告語呂合わせ24について
原告語呂合わせ24と被告語呂合わせ24とは,「離婚めんどう(面倒)」と記
述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「recommend」の発音をカタカナ読み
して「リコメンド」とし,音を追加して「リコンメンドウ(離婚めんどう)」とし
て,これを日本語訳(勧める)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表
現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定
された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3,
4〕に「離婚めんどう,復縁を勧める」「離婚面倒と和解を勧める」との語呂合わ
せがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),
かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ24と被告語呂合わせ24とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ24は,原告語
呂合わせ24を複製又は翻案したものには当たらない。
[25] 原告語呂合わせ25及び被告語呂合わせ25について
原告語呂合わせ25と被告語呂合わせ25とは,「0点」と記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「retain」の発音をカタカナ読みし
て「リテイン」とし,音を一部変化させて「レイテン(0点)」として,これを日
本語訳(保持する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるも
のではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択
肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現
と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困
難である。
したがって,原告語呂合わせ25と被告語呂合わせ25とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ25は,原告語
呂合わせ25を複製又は翻案したものには当たらない。
[26] 原告語呂合わせ26及び被告語呂合わせ26について
原告語呂合わせ26と被告語呂合わせ26とは,「ルー」との単語に続けて「ど
う」から始まる語句(どうも,どうしても)を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「rude」の発音をカタカナ読みして
「ルード」とし,これを「どうも」又は「どうしても」という語を付加して日本語
訳(無作法な)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもので
はないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の
中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言
わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難で
ある。
したがって,原告語呂合わせ26と被告語呂合わせ26とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ26は,原告語
呂合わせ26を複製又は翻案したものには当たらない。
[27] 原告語呂合わせ27及び被告語呂合わせ27について
原告語呂合わせ27と被告語呂合わせ27とは,「ルイ」と記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「ruin」の発音をカタカナ読みして
「ルーイン」とし,音を落として「ルイ」として,これを日本語訳(廃墟,破滅)
とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,
上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の
域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないか
ら,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ27と被告語呂合わせ27とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ27は,原告語
呂合わせ27を複製又は翻案したものには当たらない。
[28] 原告語呂合わせ28及び被告語呂合わせ28について
原告語呂合わせ28と被告語呂合わせ28とは,「政府は」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「thief」の発音をカタカナ読みして
「シーフ」とし,音を一部変化させて「セーフ(政府)」として,これに「は」と
の助詞を付加して日本語訳(泥棒)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一
の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度
限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味において
ありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと
認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ28と被告語呂合わせ28とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ28は,原告語
呂合わせ28を複製又は翻案したものには当たらない。
[29] 原告語呂合わせ29及び被告語呂合わせ29について
原告語呂合わせ29と被告語呂合わせ29とは,「す(し)ろうと」及び「自慢」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「throat」の発音をカタカナ読みし
て「スロート」とし,音を一部変化させて「シロート(素人)」として,これを日
本語訳(のど)とつなげるためにありふれた表現である「のど自慢」との単語を付
加することは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上
記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域
を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ29と被告語呂合わせ29とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ29は,原告語
呂合わせ29を複製又は翻案したものには当たらない。
[30] 原告語呂合わせ30及び被告語呂合わせ30について
原告語呂合わせ30と被告語呂合わせ30とは,「わ~(わー)すごい」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「worth」の発音をカタカナ読みして
「ワース」とし,これと日本語訳(価値がある)とを「すごい」というありふれた
語句を付加してつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものでは
ないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中
でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1,2〕に「わぁ凄
い土器価値がある」
「わぁ!すごい価値がある」との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ30と被告語呂合わせ30とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ30は,原告語
呂合わせ30を複製又は翻案したものには当たらない。
[31] 原告語呂合わせ31及び被告語呂合わせ31について
原告語呂合わせ31と被告語呂合わせ31とは,「悪夢,霊と」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「accumulate」の発音をカタカナ読
みして「アキュムレイト」とし,音を一部変化させて「アクムレイト(悪夢霊と)」
として,これを日本語訳(積み重なる)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ31と被告語呂合わせ31とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ31は,原告語
呂合わせ31を複製又は翻案したものには当たらない。
[32] 原告語呂合わせ32及び被告語呂合わせ32について
原告語呂合わせ32と被告語呂合わせ32とは,「アドばらすと」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「adverse」の発音をカタカナ読みし
て「アドバース」とし,音を一部変化させて「アドバラス(アドばらす)」として,
これに「と」との助詞を付加して日本語訳(敵意に満ちた)とつなげることは,誰
が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現
上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではな
く,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を
創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ32と被告語呂合わせ32とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ32は,原告語
呂合わせ32を複製又は翻案したものには当たらない。
[33] 原告語呂合わせ33及び被告語呂合わせ33について
原告語呂合わせ33と被告語呂合わせ33とは,「あ,プリン変だ」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「apprehend」の発音をカタカナ読み
して「アプリヘンド」とし,音を一部変化させて「アプリ」を「アプリン(あ,プ
リン)」,「ヘンド」を「ヘンダ(変だ)」として,これを日本語訳(心配する,
理解する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではな
いとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中で
された表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざ
るを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ33と被告語呂合わせ33とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ33は,原告語
呂合わせ33を複製又は翻案したものには当たらない。
[34] 原告語呂合わせ34及び被告語呂合わせ34について
原告語呂合わせ34と被告語呂合わせ34とは,「飽きてきちゃう」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「architecture」の発音をカタカナ
読みして「アーキテクチャ」とし,音を一部変化させて「アキテキチャウ(飽きて
きちゃう)」として,これを日本語訳(建築)とつなげることは,誰が行っても必
然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約によ
り相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意
味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現
したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ34と被告語呂合わせ34とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ34は,原告語
呂合わせ34を複製又は翻案したものには当たらない。
[35] 原告語呂合わせ35及び被告語呂合わせ35について
原告語呂合わせ35と被告語呂合わせ35とは,「あー(あぁ)電灯」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「ardent」の発音をカタカナ読みし
て「アーデント」とし,音を付加して「アーデントウ(あー電灯)」として,これ
を日本語訳(熱心だ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になる
ものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選
択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表
現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは
困難である。
したがって,原告語呂合わせ35と被告語呂合わせ35とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ35は,原告語
呂合わせ35を複製又は翻案したものには当たらない。
[36] 原告語呂合わせ36及び被告語呂合わせ36について
原告語呂合わせ36と被告語呂合わせ36とは,「あー(あぁ)船頭多くして船
山に」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「ascend」の発音をカタカナ読みし
て「アーセンド」とし,これに「船頭多くして船山に登る」との古くからあるあり
ふれたことわざを組み込み,日本語訳(のぼる)とつなげることは,誰が行っても
必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約に
より相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる
意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表
現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ36と被告語呂合わせ36とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ36は,原告語
呂合わせ36を複製又は翻案したものには当たらない。
[37] 原告語呂合わせ37及び被告語呂合わせ37について
原告語呂合わせ37と被告語呂合わせ37とは,「安倍いると」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「avail」の発音をカタカナ読みして
「アヴェイル」とし,音を一部変化させて「アベイル(安倍いる)」として,これ
を日本語訳(役に立つ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現にな
るものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された
選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた
表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めること
は困難である。
したがって,原告語呂合わせ37と被告語呂合わせ37とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ37は,原告語
呂合わせ37を複製又は翻案したものには当たらない。
[38] 原告語呂合わせ38及び被告語呂合わせ38について
原告語呂合わせ38と被告語呂合わせ38とは,「おー(オー)震え」との語句
の後に「ほど」との語を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「awful」の発音をカタカナ読みして
「オーフル」とし,音を付加して「オーフルエ(おー震え)」として,これに「ほ
ど」との語句を付加して日本語訳(恐ろしい)とつなげることは,誰が行っても必
然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約によ
り相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意
味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現
したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ38と被告語呂合わせ38とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ38は,原告語
呂合わせ38を複製又は翻案したものには当たらない。
[39] 原告語呂合わせ39及び被告語呂合わせ39について
原告語呂合わせ39と被告語呂合わせ39とは,「悪死す,悪の」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「axis」の発音をカタカナ読みして
「アクシス(悪死す)」とし,これと日本語訳(枢軸)とを「悪の」というありふ
れた語句を付加してつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもの
ではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢
の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕 「悪死す,

日独伊枢軸国のファシスト滅亡」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選
択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現
と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困
難である。
したがって,原告語呂合わせ39と被告語呂合わせ39とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ39は,原告語
呂合わせ39を複製又は翻案したものには当たらない。
[40] 原告語呂合わせ40及び被告語呂合わせ40について
原告語呂合わせ40と被告語呂合わせ40とは,「バーンと」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「barn」の発音をカタカナ読みして
「バーン」とし,これに「と」との助詞を付加して日本語訳(納屋)とつなげるこ
とは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述
べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るも
のではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又
は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ40と被告語呂合わせ40とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ40は,原告語
呂合わせ40を複製又は翻案したものには当たらない。
[41] 原告語呂合わせ41及び被告語呂合わせ41について
原告語呂合わせ41と被告語呂合わせ41とは,「眩むジイ」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「clumsy」の発音をカタカナ読みし
て「クラムジィ(眩むジイ)」とし,これを日本語訳(ぎこちない)とつなげるこ
とは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述
べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るも
のではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又
は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ41と被告語呂合わせ41とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ41は,原告語
呂合わせ41を複製又は翻案したものには当たらない。
[42] 原告語呂合わせ42及び被告語呂合わせ42について
原告語呂合わせ42と被告語呂合わせ42とは,「子も出て」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「commodity」の発音をカタカナ読み
して「コモディティ」とし,音を一部変化させて「コモデテ(子も出て)」として,
これを日本語訳(日用品)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれ
た表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めるこ
とは困難である。
したがって,原告語呂合わせ42と被告語呂合わせ42とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ42は,原告語
呂合わせ42を複製又は翻案したものには当たらない。
[43] 原告語呂合わせ43及び被告語呂合わせ43について
原告語呂合わせ43と被告語呂合わせ43とは,「コンパ担当」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「competent」の発音をカタカナ読み
して「コンピテント」とし,音を一部変化させて「コンピ」を「コンパ」と,「テ
ント」を「タントウ(担当)」として,これを日本語訳(有能な)とつなげること
は,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べ
た表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るもの
ではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は
感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ43と被告語呂合わせ43とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ43は,原告語
呂合わせ43を複製又は翻案したものには当たらない。
[44] 原告語呂合わせ44及び被告語呂合わせ44について
原告語呂合わせ44と被告語呂合わせ44とは,「コンパ理系とで」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「complicated」の発音をカタカナ読
みして「コンプリケイテッド」とし,音を一部変化させて「コンプ」を「コンパ」
と,「リケイテッド」を「リケイトデ(理系とで)」として,これを日本語訳(複
雑な)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないと
しても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされ
た表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを
得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ44と被告語呂合わせ44とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ44は,原告語
呂合わせ44を複製又は翻案したものには当たらない。
[45] 原告語呂合わせ45及び被告語呂合わせ45について
原告語呂合わせ45と被告語呂合わせ45とは,「これスッポンだと」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「correspond」の発音をカタカナ読
みして「コレスポンド」とし,音を一部変化させて「コレスッポンダ(これスッポ
ンだ)」として,これに「と」との助詞を付加して日本語訳(一致する)とつなげ
ることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2,3〕に「これスッポンだ!形が一致す
る」「これスッポンと一致する」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選
択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現
と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困
難である。
したがって,原告語呂合わせ45と被告語呂合わせ45とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ45は,原告語
呂合わせ45を複製又は翻案したものには当たらない。
[46] 原告語呂合わせ46及び被告語呂合わせ46について
原告語呂合わせ46と被告語呂合わせ46とは「持さ~ん金(持参金)を」と記
述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「discern」の発音をカタカナ読みし
て「ディサーン」とし,音を一部変化させて「ジサーン(持参)」として,これに
「持参金を」というありふれた語句を付加して日本語訳(見極める)とつなげるこ
とは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述
べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るも
のではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又
は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ46と被告語呂合わせ46とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ46は,原告語
呂合わせ46を複製又は翻案したものには当たらない。
[47] 原告語呂合わせ47及び被告語呂合わせ47について
原告語呂合わせ47と被告語呂合わせ47とは,「じっくりーと(じっくりと)」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「discrete」の発音をカタカナ読み
して「ディスクリート」とし,音を一部変化させて「ジックリート(じっくりと)」
として,これを日本語訳(慎重だ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一
の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度
限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味において
ありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと
認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ47と被告語呂合わせ47とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ47は,原告語
呂合わせ47を複製又は翻案したものには当たらない。
[48] 原告語呂合わせ48及び被告語呂合わせ48について
原告語呂合わせ48と被告語呂合わせ48とは,「えらい」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,
「era」の発音をローマ字読みして「エ
ラ」とし,これと日本語訳(時代)を「えらい」というありふれた語句でつなげる
ことは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1〕に「偉い人たち出た時代」との語呂合
わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。 ,

かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ48と被告語呂合わせ48とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ48は,原告語
呂合わせ48を複製又は翻案したものには当たらない。
[49] 原告語呂合わせ49及び被告語呂合わせ49について
原告語呂合わせ49と被告語呂合わせ49とは,「触れると」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「frail」の発音をカタカナ読みして
「フレイル」とし,音を一部省略して「フレル(触れる)」として,これに「と」
との助詞を付加して日本語訳(もろい)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ49と被告語呂合わせ49とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ49は,原告語
呂合わせ49を複製又は翻案したものには当たらない。
[50] 原告語呂合わせ50及び被告語呂合わせ50について
原告語呂合わせ50と被告語呂合わせ50とは,「腐乱死体に」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「frown」の発音をカタカナ読みして
「フラウン」とし,音を一部省略して「フラン(腐乱)」として,これと日本語訳
(まゆをひそめる)とを「腐乱死体に」というありふれた語句を付加してつなげる
ことは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思
想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ50と被告語呂合わせ50とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ50は,原告語
呂合わせ50を複製又は翻案したものには当たらない。
[51] 原告語呂合わせ51及び被告語呂合わせ51について
原告語呂合わせ51と被告語呂合わせ51とは,「グリーン」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「grin」の発音をカタカナ読みして
「グリン」とし,音を一部伸ばして「グリーン」として,これを日本語訳(にやり
と笑う)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではない
としても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でさ
れた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざる
を得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ51と被告語呂合わせ51とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ51は,原告語
呂合わせ51を複製又は翻案したものには当たらない。
[52] 原告語呂合わせ52及び被告語呂合わせ52について
原告語呂合わせ52と被告語呂合わせ52とは,「愚弄に」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「groan」の発音をカタカナ読みして
「グロウン」とし,音を一部省略して「グロウ(愚弄)」として,これに「に」と
の助詞を付加して日本語訳(うめく)とつなげることは,誰が行っても必然的に同
一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程
度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味におい
てありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したもの
と認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ52と被告語呂合わせ52とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ52は,原告語
呂合わせ52を複製又は翻案したものには当たらない。
[53] 原告語呂合わせ53及び被告語呂合わせ53について
原告語呂合わせ53と被告語呂合わせ53とは,「入れたらしい」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「illiteracy」の発音をカタカナ読
みして「イリテラシイ」とし,音を一部変更させて「イレタラシイ(入れたらしい)」
として,これを日本語訳(字が読めないこと)とつなげることは,誰が行っても必
然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約によ
り相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意
味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現
したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ53と被告語呂合わせ53とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ53は,原告語
呂合わせ53を複製又は翻案したものには当たらない。
[54] 原告語呂合わせ54及び被告語呂合わせ54について
原告語呂合わせ54と被告語呂合わせ54とは,「院生さんとは」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「incessant」の発音をカタカナ読み
して「インセサント」とし,音を付加して「インセイサント(院生さんと)」とし
て,これに「は」との助詞を付加して日本語訳(絶え間ない)とつなげることは,
誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表
現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものでは
なく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情
を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ54と被告語呂合わせ54とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ54は,原告語
呂合わせ54を複製又は翻案したものには当たらない。
[55] 原告語呂合わせ55及び被告語呂合わせ55について
原告語呂合わせ55と被告語呂合わせ55とは,「0時(零時)endの」と記述す
る点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「legend」の発音をカタカナ読みし
て「レジェンド」とし,音を一部変化させて「レイジエンド(0時end)」として,
これに「の」との助詞を付加して日本語訳(伝説)とつなげることは,誰が行って
も必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約
により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かか
る意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に
表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ55と被告語呂合わせ55とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ55は,原告語
呂合わせ55を複製又は翻案したものには当たらない。
[56] 原告語呂合わせ56及び被告語呂合わせ56について
原告語呂合わせ56と被告語呂合わせ56とは,「待ちゅわ(待つわ)」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「mature」の発音をカタカナ読みし
て「マチュア」とし,音を一部変化させて「マチュワ(待ちゅわ)」として,これ
を日本語訳(成熟した)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現にな
るものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された
選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕 「待

ちゅわ,成熟した日まで」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が
限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わ
ざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難であ
る。
したがって,原告語呂合わせ56と被告語呂合わせ56とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ56は,原告語
呂合わせ56を複製又は翻案したものには当たらない。
[57] 原告語呂合わせ57及び被告語呂合わせ57について
原告語呂合わせ57と被告語呂合わせ57とは,「『もう好き』と」及び「寄っ
てくる」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「mosquito」の発音をカタカナ読み
して「モスキート」とし,音を一部変化させて「モウスキト(もう好き)」として,
これと日本語訳(蚊)とを「寄ってくる」というありふれた語句でつなげることは,
誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表
現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものでは
なく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情
を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ57と被告語呂合わせ57とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ57は,原告語
呂合わせ57を複製又は翻案したものには当たらない。
[58] 原告語呂合わせ58及び被告語呂合わせ58について
原告語呂合わせ58と被告語呂合わせ58とは,「ニース」及び「甥は寝冬」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「niece」の発音をカタカナ読みして
「ニース」とし,これを日本語訳(姪)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類
書〔乙4〕に「ニース(南仏)に住んでるめい」との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),「nephew」の発音をカ
タカナ読みして「ネフュー」とし,音を一部変化させて「ネフユ」として,これに
「寝」「冬」という一般的な漢字を充てて日本語訳(甥)とつなげることも,同様
に上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現
の域を出るものではないから,いずれもかかる意味においてありふれた表現と言わ
ざるを得ず,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
次に,1つの語呂合わせに「niece」を記憶するための「ニース」と,「nephew」
を記憶するための「甥は寝冬」という2つの語句を組み合わせている点については,
英単語帳において,対義語・関連語を同時に掲載して記憶の定着を図ることは,多
用されるごくありふれた手法であると認められるところ(甲1, 乙1ないし4,
2,
弁論の全趣旨),「niece」と「nephew」は,「姪」と「甥」という対義語の典型的
な例であることが明らかであるから,この2つの英単語を記憶するための語句を1
つの語呂合わせに組み合わせた点にも格別に創作性を認めることはできない。
したがって,原告語呂合わせ58と被告語呂合わせ58とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ58は,原告語
呂合わせ58を複製又は翻案したものには当たらない。
[59] 原告語呂合わせ59及び被告語呂合わせ59について
原告語呂合わせ59と被告語呂合わせ59とは,「おー,(おう!)なめ(ナメ)
んといて」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「ornament」の発音をカタカナ読み
して「オーナメント」とし,これと日本語訳(装飾品)とを「なめんといて」とい
うありふれた語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもの
ではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢
の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と
言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難
である。
したがって,原告語呂合わせ59と被告語呂合わせ59とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ59は,原告語
呂合わせ59を複製又は翻案したものには当たらない。
[60] 原告語呂合わせ60及び被告語呂合わせ60について
原告語呂合わせ60と被告語呂合わせ60とは,「ぷらんぷらんと」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「plump」の発音をカタカナ読みして
「プランプ」とし,これに「らんと」を付加して「ぷらんぷらんと」というありふ
れた語句として日本語訳(太った,ふくよかな)とつなげることは,誰が行っても
必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約に
より相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる
意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表
現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ60と被告語呂合わせ60とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ60は,原告語
呂合わせ60を複製又は翻案したものには当たらない。
[61] 原告語呂合わせ61及び被告語呂合わせ61について
原告語呂合わせ61と被告語呂合わせ61とは,「プー」及び「リッチ」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「preach」の発音をカタカナ読みし
て「プリーチ」とし,音を一部変化させて「プーリッチ」として,これを日本語訳
(説教する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものでは
ないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中
でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わ
ざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難であ
る。
したがって,原告語呂合わせ61と被告語呂合わせ61とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ61は,原告語
呂合わせ61を複製又は翻案したものには当たらない。
[62] 原告語呂合わせ62及び被告語呂合わせ62について
原告語呂合わせ62と被告語呂合わせ62とは,「プリズムのぞいて(覗いて)」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「presume」の発音をカタカナ読みし
て「プリジューム」とし,音を一部変化させて「プリズム」として,これに「のぞ
いて(覗いて)」とのありふれた動詞を付加して日本語訳(推定する)とつなげる
ことは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]
で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出
るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思
想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ62と被告語呂合わせ62とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ62は,原告語
呂合わせ62を複製又は翻案したものには当たらない。
[63] 原告語呂合わせ63及び被告語呂合わせ63について
原告語呂合わせ63と被告語呂合わせ63とは,「パンク」,「チャリ」及び「着
けません」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「punctually」の発音をカタカナ読
みして「パンクチュアリ」とし,音を一部変化させて「パンクチャリ」として,こ
れに日本語訳(時間どおりに)をつなげて「着けません」とのありふれた語句を付
加することは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上
記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域
を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ63と被告語呂合わせ63とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ63は,原告語
呂合わせ63を複製又は翻案したものには当たらない。
[64] 原告語呂合わせ64及び被告語呂合わせ64について
原告語呂合わせ64と被告語呂合わせ64とは,「ラグビーで」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,
「rag」の発音をカタカナ読みして「ラ
グ」とし,これと日本語訳(ボロ)とを「ラグビーで」というありふれた語句でつ
なげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上
記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域
を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ64と被告語呂合わせ64とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ64は,原告語
呂合わせ64を複製又は翻案したものには当たらない。
[65] 原告語呂合わせ65及び被告語呂合わせ65について
原告語呂合わせ65と被告語呂合わせ65とは,「理事ど」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「rigid」の発音をカタカナ読みして
「リジッド」とし,音を一部変化させて「リジド(理事ど)」として,これを日本
語訳(厳しい)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもので
はないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の
中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3,4〕に「厳格
な理事ども」「理事どうしの堅い話」との語呂合わせがあることからも,他の表現
の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた
表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めること
は困難である。
したがって,原告語呂合わせ65と被告語呂合わせ65とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ65は,原告語
呂合わせ65を複製又は翻案したものには当たらない。
[66] 原告語呂合わせ66及び被告語呂合わせ66について
原告語呂合わせ66と被告語呂合わせ66とは,「聖火」及び「れっど」との読
みの単語を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「sacred」の発音をカタカナ読みし
て「セイクリッド」とし,音を一部変化させて「セイカレッド(聖火レッド)」と
して,これを日本語訳(神聖な)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の
表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限
定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ66と被告語呂合わせ66とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ66は,原告語
呂合わせ66を複製又は翻案したものには当たらない。
[67] 原告語呂合わせ67及び被告語呂合わせ67について
原告語呂合わせ67と被告語呂合わせ67とは,「祖母を偲んで」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,
「sob」の発音をカタカナ読みして「ソ
ブ」とし,音を一部変化させて「ソボ(祖母)」として,これに「を偲んで」とい
うありふれた語句を付加して日本語訳(むせび泣く)とつなげることは,誰が行っ
ても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制
約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語
呂合わせの類書〔乙4〕に「祖母すすり泣く」との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ67と被告語呂合わせ67とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ67は,原告語
呂合わせ57を複製又は翻案したものには当たらない。
[68] 原告語呂合わせ68及び被告語呂合わせ68について
原告語呂合わせ68と被告語呂合わせ68とは,「スッポン手に汗」と記述する
点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「spontaneous」の発音をカタカナ読
みして「スポンテイニアス」とし,音を一部変化させて「スポン」を「スッポン」
と,「テイニアス」を「テニアセ(手に汗)」として,これを日本語訳(自然に起
こる)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないと
しても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされ
た表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを
得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ68と被告語呂合わせ68とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ68は,原告語
呂合わせ68を複製又は翻案したものには当たらない。
[69] 原告語呂合わせ69及び被告語呂合わせ69について
原告語呂合わせ69と被告語呂合わせ69とは,「うれちいど」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「wretched」の発音をカタカナ読み
して「レッチド」とし,音を一部変化させて「ウレチイド(嬉ちいど)」として,
これを日本語訳(惨めな)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれ
た表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めるこ
とは困難である。
したがって,原告語呂合わせ69と被告語呂合わせ69とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ69は,原告語
呂合わせ69を複製又は翻案したものには当たらない。
[70] 原告語呂合わせ70及び被告語呂合わせ70について
原告語呂合わせ70と被告語呂合わせ70とは,「茶来ると」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「chuckle」の発音をカタカナ読みし
て「チャックル」とし,音を省略して「チャクル(茶来る)」として,これに「と」
との助詞を付加して日本語訳(くすくす笑う)とつなげることは,誰が行っても必
然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約によ
り相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意
味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現
したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ70と被告語呂合わせ70とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ70は,原告語
呂合わせ70を複製又は翻案したものには当たらない。
[71] 原告語呂合わせ71及び被告語呂合わせ71について
原告語呂合わせ71と被告語呂合わせ71とは,「暗い手利用」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「criterion」の発音をカタカナ読み
して「クライテリオン」とし,音を一部変化させて「クライテリヨウ(暗い手利用)」
として,これを日本語訳(標準,基準)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ71と被告語呂合わせ71とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ71は,原告語
呂合わせ71を複製又は翻案したものには当たらない。
[72] 原告語呂合わせ72及び被告語呂合わせ72について
原告語呂合わせ72と被告語呂合わせ72とは,「カーブで」及び「乗り上げた」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「curb」の発音をカタカナ読みして
「カーブ」とし,これと日本語訳(縁石)とを「乗り上げた」というありふれた語
句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとして
も,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表
現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得な
いから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ72と被告語呂合わせ72とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ72は,原告語
呂合わせ72を複製又は翻案したものには当たらない。
[73] 原告語呂合わせ73及び被告語呂合わせ73について
原告語呂合わせ73と被告語呂合わせ73とは,「デブ会うと」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「devout」の発音をカタカナ読みし
て「デヴァウト」とし,音を一部変化させて「デブアウト(デブ会うと)」として,
これを日本語訳(信心深い,敬虔だ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同
一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程
度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書
〔乙3〕に「デブ会うと真心こめてデート」との語呂合わせがあることからも,他
の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあり
ふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認め
ることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ73と被告語呂合わせ73とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ73は,原告語
呂合わせ73を複製又は翻案したものには当たらない。
[74] 原告語呂合わせ74及び被告語呂合わせ74について
原告語呂合わせ74と被告語呂合わせ74とは,「ダイアナ(ダイアン)が脳死
すると」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「diagnosis」の発音をカタカナ読み
して「ダイアグノウシス」とし,音を一部変化させて「ダイアナノウシス(ダイア
ナ脳死す)」として,これを日本語訳(診断する)とつなげることは,誰が行って
も必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約
により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂
合わせの類書〔乙3〕 「大あご脳死すと診断」
に との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ74と被告語呂合わせ74とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ74は,原告語
呂合わせ74を複製又は翻案したものには当たらない。
[75] 原告語呂合わせ75及び被告語呂合わせ75について
原告語呂合わせ75と被告語呂合わせ75とは,「封土ある」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「feudal」の発音をカタカナ読みし
て「フューダル」とし,音を一部変化させて「ホウドアル(封土ある)」として,
これを日本語訳(封建制度の)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表
現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定
された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕
に「冬だ!ある封建的な国」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢
が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言
わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難で
ある。
したがって,原告語呂合わせ75と被告語呂合わせ75とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ75は,原告語
呂合わせ75を複製又は翻案したものには当たらない。
[76] 原告語呂合わせ76及び被告語呂合わせ76について
原告語呂合わせ76と被告語呂合わせ76とは,「風呂がある」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「frugal」の発音をカタカナ読みし
て「フルーガル」とし,音を一部変化させて「フロガアル(風呂がある)」として,
これを日本語訳(倹約だ)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれ
た表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めるこ
とは困難である。
したがって,原告語呂合わせ76と被告語呂合わせ76とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ76は,原告語
呂合わせ76を複製又は翻案したものには当たらない。
[77] 原告語呂合わせ77及び被告語呂合わせ77について
原告語呂合わせ77と被告語呂合わせ77とは,「腹出て」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「heredity」の発音をカタカナ読み
して「ハレディティ」とし,音を一部変化させて「ハラデテ(腹出て)」として,
これを日本語訳(遺伝)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現にな
るものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された
選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1,3〕
に「ヒレ出てるのは遺伝です」「ヒレ出て遺伝」との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ77と被告語呂合わせ77とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ77は,原告語
呂合わせ77を複製又は翻案したものには当たらない。
[78] 原告語呂合わせ78及び被告語呂合わせ78について
原告語呂合わせ78と被告語呂合わせ78とは,「淫婦で~んと(でんと)」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「impudent」の発音をローマ字読み
して「インプデント」とし,音を一部変化させて「インプデーント(淫婦でーんと)」
として,これを日本語訳(厚かましい)とつなげることは,誰が行っても必然的に
同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当
程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味にお
いてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したも
のと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ78と被告語呂合わせ78とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ78は,原告語
呂合わせ78を複製又は翻案したものには当たらない。
[79] 原告語呂合わせ79及び被告語呂合わせ79について
原告語呂合わせ79と被告語呂合わせ79とは,「入れ(入り)ゲート」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「irrigate」の発音をカタカナ読み
して「イリゲート」とし,音を一部変化させて「イレゲート(入れゲート)」とし
て,これを日本語訳(灌漑する)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の
表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限
定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ79と被告語呂合わせ79とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ79は,原告語
呂合わせ79を複製又は翻案したものには当たらない。
[80] 原告語呂合わせ80及び被告語呂合わせ80について
原告語呂合わせ80と被告語呂合わせ80とは,「めとはを」との読みの語句及
び「表現す」又は「表す」との語句を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「metaphor」の発音をカタカナ読み
して「メタファー」とし,音を一部変化させて「メトハ」として,これと日本語訳
(比喩)とを「表現す(表す)」というありふれた動詞でつなげることは,誰が行
っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の
制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,
かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ80と被告語呂合わせ80とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ80は,原告語
呂合わせ80を複製又は翻案したものには当たらない。
[81] 原告語呂合わせ81及び被告語呂合わせ81について
原告語呂合わせ81と被告語呂合わせ81とは,「もう」「目ん玉」「飛び出す
(飛び出る)」と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「momentum」の発音をカタカナ読み
して「モウメンタム」とし,音を一部変化させて「モウメンタマ(もう目ん玉)」
として,これと日本語訳(勢い)とを「飛び出す(飛び出る)」というありふれた
動詞でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとし
ても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた
表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得
ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ81と被告語呂合わせ81とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ81は,原告語
呂合わせ81を複製又は翻案したものには当たらない。
[82] 原告語呂合わせ82及び被告語呂合わせ82について
原告語呂合わせ82と被告語呂合わせ82とは,「なんも」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「numb」の発音をカタカナ読みして
「ナン」とし,これと日本語訳(感じない,無感覚の)とを「なんも」というあり
ふれた語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではな
いとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中で
された表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざ
るを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ82と被告語呂合わせ82とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ82は,原告語
呂合わせ82を複製又は翻案したものには当たらない。
[83] 原告語呂合わせ83及び被告語呂合わせ83について
原告語呂合わせ83と被告語呂合わせ83とは,「ポロンと出」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「prone」の発音をカタカナ読みして
「プロウン」とし,音を一部変化させて「ポロン」として,これと日本語訳(~し
がちである)とを「ポロンと出る」というありふれた語句でつなげることは,誰が
行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上
の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,
かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ83と被告語呂合わせ83とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ83は,原告語
呂合わせ83を複製又は翻案したものには当たらない。
[84] 原告語呂合わせ84及び被告語呂合わせ84について
原告語呂合わせ84と被告語呂合わせ84とは,「しばーれて(しばれて)」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「shiver」の発音をカタカナ読みし
て「シヴァー」とし,音を一部変化させて「シバー」として,これと日本語訳(震
える)とを「しばれて」という語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一
の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度
限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味において
ありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと
認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ84と被告語呂合わせ84とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ84は,原告語
呂合わせ84を複製又は翻案したものには当たらない。
[85] 原告語呂合わせ85及び被告語呂合わせ85について
原告語呂合わせ85と被告語呂合わせ85とは,「スラックスが」と記述する点
において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「slack」の発音をカタカナ読みして
「スラック」とし,これと日本語訳(たるんでる)とを「スラックスが」というあ
りふれた語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものでは
ないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中
でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わ
ざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難であ
る。
したがって,原告語呂合わせ85と被告語呂合わせ85とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ85は,原告語
呂合わせ85を複製又は翻案したものには当たらない。
[86] 原告語呂合わせ86及び被告語呂合わせ86について
原告語呂合わせ86と被告語呂合わせ86とは,「そろった」と記述する点にお
いて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「slaughter」の発音をカタカナ読み
して「スローター」とし,音を一部変化させて「ソロッタ(そろった)」として,
これを日本語訳(大虐殺)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれ
た表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めるこ
とは困難である。
したがって,原告語呂合わせ86と被告語呂合わせ86とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ86は,原告語
呂合わせ86を複製又は翻案したものには当たらない。
[87] 原告語呂合わせ87及び被告語呂合わせ87について
原告語呂合わせ87と被告語呂合わせ87とは,「すーず(すぅ~ず)」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「soothe」の発音をカタカナ読みし
て「スーズ」とし,これと日本語訳(静かにさせる,なだめる)とを「すーずかに」
という語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではな
いとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中で
された表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「すーずかにと
なだめる」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られているこ
とがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないか
ら,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ87と被告語呂合わせ87とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ87は,原告語
呂合わせ87を複製又は翻案したものには当たらない。
[88] 原告語呂合わせ88及び被告語呂合わせ88について
原告語呂合わせ88と被告語呂合わせ88とは,「捨て~る(捨てる)」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「stale」の発音をカタカナ読みして
「ステイル」とし,音を一部変化させて「ステール(捨てる)」として,これを日
本語訳(古くなった)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になる
ものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選
択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表
現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは
困難である。
したがって,原告語呂合わせ88と被告語呂合わせ88とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ88は,原告語
呂合わせ88を複製又は翻案したものには当たらない。
[89] 原告語呂合わせ89及び被告語呂合わせ89について
原告語呂合わせ89と被告語呂合わせ89とは,「捨てんジイ」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「stingy」の発音をカタカナ読みし
て「スティンジィ」とし,音を一部変化させて「ステンジイ(捨てんジイ)」とし
て,これを日本語訳(けちくさい)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一
の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度
限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味において
ありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと
認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ89と被告語呂合わせ89とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ89は,原告語
呂合わせ89を複製又は翻案したものには当たらない。
[90] 原告語呂合わせ90及び被告語呂合わせ90について
原告語呂合わせ90と被告語呂合わせ90とは,「サボるでない(でね~っ)」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「subordinate」の発音をカタカナ読
みして「サボーディネイト」とし,音を一部変化させて「サボルデナイト(サボる
でないと)」として,これを日本語訳(部下)とつなげることは,誰が行っても必
然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約によ
り相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わ
せの類書〔乙1,4〕に「サボるでねぇと部下叱る」「さぼるでネェ!と従属させ
る」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがう
かがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思
想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ90と被告語呂合わせ90とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ90は,原告語
呂合わせ90を複製又は翻案したものには当たらない。
[91] 原告語呂合わせ91及び被告語呂合わせ91について
原告語呂合わせ91と被告語呂合わせ91とは,「サックを」及び「くせ(癖)」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「suck」の発音をカタカナ読みして
「サック」とし,これと日本語訳(吸う)とを「くせ」というありふれた語句でつ
なげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上
記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域
を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,
思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ91と被告語呂合わせ91とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ91は,原告語
呂合わせ91を複製又は翻案したものには当たらない。
[92] 原告語呂合わせ92及び被告語呂合わせ92について
原告語呂合わせ92と被告語呂合わせ92とは,「飢えー(飢え)で」との語句
及び「食べる」ことを意味する語句(食いました,食らう)を記述する点において
共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「weed」の発音をローマ字読みして
「ウエエド」とし,音を一部変化させて「ウエーデ(飢えで)」として,これと日
本語訳(雑草)とを「食べる」というありふれた動詞でつなげることは,誰が行っ
ても必然的に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制
約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,か
かる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的
に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ92と被告語呂合わせ92とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ92は,原告語
呂合わせ92を複製又は翻案したものには当たらない。
[93] 原告語呂合わせ93及び被告語呂合わせ93について
原告語呂合わせ93と被告語呂合わせ93とは,「う,いやだ(うわ~やだ)」
と記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「weird」の発音をカタカナ読みして
「ウィアード」とし,音を一部変化させて「ウイヤダ(う,いやだ)」として,こ
れを日本語訳(変な,奇妙な,不思議な)とつなげることは,誰が行っても必然的
に同一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相
当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味に
おいてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現した
ものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ93と被告語呂合わせ93とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ93は,原告語
呂合わせ93を複製又は翻案したものには当たらない。
[94] 原告語呂合わせ94及び被告語呂合わせ94について
原告語呂合わせ94と被告語呂合わせ94とは,「りんご(リンゴ)を」と記述
する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「wring」の発音をカタカナ読みして
「リング」とし,音を一部変化させて「リンゴ」として,これを日本語訳(絞る)
とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても,
上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の
域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないか
ら,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ94と被告語呂合わせ94とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ94は,原告語
呂合わせ94を複製又は翻案したものには当たらない。
[95] 原告語呂合わせ95及び被告語呂合わせ95について
原告語呂合わせ95と被告語呂合わせ95とは,「下衆(げす)の勘ぐり」と記
述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「guess」の発音をカタカナ読みして
「ゲス」とし,これに「下衆の勘ぐり」との古くからあるありふれたことわざを組
み込み,日本語訳(推測する,思う)とつなげることは,誰が行っても必然的に同
一の表現になるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程
度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書
〔乙1,4〕に「ゲスの勘ぐり推測し」「ゲスの勘ぐりと推測する」との語呂合わ
せがあることからも,他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),
かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作
的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ95と被告語呂合わせ95とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ95は,原告語
呂合わせ95を複製又は翻案したものには当たらない。
[96] 原告語呂合わせ96及び被告語呂合わせ96について
原告語呂合わせ96と被告語呂合わせ96とは,「欧米に」と記述する点におい
て共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「obey」の発音をカタカナ読みして
「オベイ」とし,音を一部変化させて「オウベイ(欧米)」として,これを日本語
訳(従う)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではな
いとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中で
された表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1,3,4〕に「欧米
にだけ従うよ」「欧米に従う」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択
肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と
言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難
である。
したがって,原告語呂合わせ96と被告語呂合わせ96とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ96は,原告語
呂合わせ96を複製又は翻案したものには当たらない。
[97] 原告語呂合わせ97及び被告語呂合わせ97について
原告語呂合わせ97と被告語呂合わせ97とは,「0時(零時)」との語句及び
「帰る」ことを意味する語句(帰って,帰宅)を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「rage」の発音をカタカナ読みして
「レイジ」とし,これと日本語訳(激怒する)とを「帰る」ことを意味するありふ
れた語句でつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるものではない
としても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でさ
れた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1,4〕に「0時に帰り
ゃ妻激怒!」「0時にもなって!と激怒する」との語呂合わせがあることからも,
他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてあ
りふれた表現と言わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認
めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ97と被告語呂合わせ97とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ97は,原告語
呂合わせ97を複製又は翻案したものには当たらない。
[98] 原告語呂合わせ98及び被告語呂合わせ98について
原告語呂合わせ98と被告語呂合わせ98とは,「ルールある」と記述する点に
おいて共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「rural」の発音をカタカナ読みして
「ルーラル」とし,音を一部変化させて「ルールアル(ルールある)」として,こ
れを日本語訳(いなかの)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に
「ルールある田舎の町」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が限
られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わざ
るを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。
したがって,原告語呂合わせ98と被告語呂合わせ98とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ98は,原告語
呂合わせ98を複製又は翻案したものには当たらない。
[99] 原告語呂合わせ99及び被告語呂合わせ99について
原告語呂合わせ99と被告語呂合わせ99とは,「ビク(びく)ともしない」と
記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「victim」の発音をカタカナ読みし
て「ヴィクティム」とし,音を一部変化させて「ビクトモ(ビクとも)」として,
これを日本語訳(被害者)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現に
なるものではないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定され
た選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に
「びくちむしない被害者」との語呂合わせがあることからも,他の表現の選択肢が
限られていることがうかがわれる。),かかる意味においてありふれた表現と言わ
ざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難であ
る。
したがって,原告語呂合わせ99と被告語呂合わせ99とは,表現上の創作性の
ない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ99は,原告語
呂合わせ99を複製又は翻案したものには当たらない。
[100] 原告語呂合わせ100及び被告語呂合わせ100について
原告語呂合わせ100と被告語呂合わせ100とは,「冷麺」との単語及び「作
る」ことを意味する語句(作れます,作る)を記述する点において共通している。
しかしながら,上記共通部分はごく短い上,「layman」の発音をカタカナ読みし
て「レイマン」とし,音を一部変化させて「レイメン(冷麺)」として,これを日
本語訳(素人)とつなげることは,誰が行っても必然的に同一の表現になるもので
はないとしても,上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の
中でされた表現の域を出るものではなく,かかる意味においてありふれた表現と言
わざるを得ないから,思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難で
ある。
したがって,原告語呂合わせ100と被告語呂合わせ100とは,表現上の創作
性のない部分において同一性を有するにすぎないから,被告語呂合わせ100は,
原告語呂合わせ100を複製又は翻案したものには当たらない。
(4) 小括
以上によれば,被告語呂合わせは,いずれも,原告語呂合わせを複製又は翻案し
たものに当たらないから,被告が,被告語呂合わせの掲載された被告書籍を発行し,
販売することは,原告の著作権(複製権又は翻案権)を侵害するものではない。
2 争点2(氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか)について
前記1のとおり,被告語呂合わせは,いずれも,原告語呂合わせを複製又は翻案
したものではなく,したがって,原告が,その意に反して原告語呂合わせの変更,
切除その他の改変を受けたとはいえないから,原告語呂合わせについての同一性保
持権の侵害は認められないし,被告が,被告語呂合わせの掲載された被告書籍を販
売するに際して,原告の氏名を表示しなかったとしても,原告の氏名表示権を侵害
するものではない。
3 結論
以上によれば,その余の争点につき判断するまでもなく,本件請求は理由がない。
なお,本件では,被告書籍を執筆したBが原告語呂合わせに依拠して被告語呂合
わせを作成したことは,優に認められるところ(甲1ないし5,弁論の全趣旨),
Bにおいて,著作権等の侵害を否定しつつも,被告から同人に支払われる印税の半
分を原告及びアクティブ・ブレイン協会に支払う旨の申し出をし,合意書の案まで
作成していたという経緯が存在する(甲6,7,弁論の全趣旨)。しかるに,被告
は,被告書籍の発行に先立って,被告書籍が原告書籍と類似しているとして,訴訟
など何らかの措置をとる可能性があることを示唆する手紙を原告から受領した後(乙
11,14),単に被告書籍の発行を中止しなかったにとどまらず,Bが原告との
間で合意書を取り交わした場合には,Bに法的手段をとることを辞さない構えであ
ること等を通知したのであって(甲8,乙13,14),原告がかような被告の対
応を心外に感じ,法的手続をとるに至ったことにも無理からぬところがあると思わ
れるが,著作権法に基づく原告の請求を認めることが困難であることは,上述した
とおりである。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官
嶋 末 和 秀
裁判官
鈴 木 千 帆
裁判官
天 野 研 司
(別紙)
書 籍 目 録
1 題 名 イメタン
著 者 B
発 行 所 被告
発行年月日 平成25年7月16日初版発行
2 題 名 全脳記憶英単語2201 実践編
著 者 原告
発 行 所 アクティブ・ブレイン協会
発行年月日 平成23年10月1日第2版発行
以 上
(別紙)
語 呂 合 わ せ 対 照 表
1 原告書籍 ビヤーッ、どっとはえる( )。
.... .
被告書籍 び ぃ あ ~ ,ど っとあごひげ伸びる
ビ ア ド
2 原告書籍 brownの( )を描く。
... は や
被告書籍 ブラウ ンのまゆ流行 ってる
ブ ラ ウ
3 原告書籍 ベリーを( )
.. .
被告書籍 (ブルー) ベリ ー を埋める
ベ リ
4 原告書籍 ぶっちゃけ( )です。
....
被告書籍 ぶっちゃ け肉屋ですから
ブ チ ヤ
5 原告書籍 かなーりの( )だ、スエズ運河。
...
被告書籍 かなり 運河はでかいです
カ ナ ル
6 原告書籍 このプリン変だと( )。
.. ... . .
被告書籍 この プリン 変 だ と理解する
カ ンプ リ ヘン ド
7 原告書籍 出るじゃんと( )生徒は知っている。
.. ... .
被告書籍 「 出る じゃん 」 と 真面目な彼が予想する
デ ィリ ヂ ェン ト
8 原告書籍 だんまりで( )。
...
被告書籍 だんま りを続ける
ダ ム
9 原告書籍 エッホエッホと( )する。
... .
被告書籍 エッホ と 努力
エ フ ァト
10 原告書籍 淫売路面とは悪い( )。
. .. ..
被告書籍 淫 売 路 面 と は環境最悪(+_+;)
インヴァイ ロンメン ト
11 原告書籍 いーびるのは( )。
...
被告書籍 いびる のは悪
イ ー ヴ ル
12 原告書籍 ゲイ、ずっと( )。
.. .
被告書籍 ゲイ ず っと見つめてる
ゲ イズ
13 原告書籍 ジイ入院って( )?
.. .
被告書籍 爺 入 院 って本当の話?
ヂェ ニュイン
14 原告書籍 ほーんとに( )の?
. . ..
被告書籍 ほ ー んと に出るの幽霊が?
ホ ー ン ト
15 原告書籍 絵は( )に。
..
被告書籍 絵 は 相続人に引き取られ
エ ア
16 原告書籍 ( )グレート。
.. ....
被告書籍 移民 グレート な夢見て移住する
イ ミグ レ イ ト
17 原告書籍 インダスほとりに( )が。
.... ... おこ
被告書籍 インダス ほとり に産業興 り
イ ン ダ スト リ
18 原告書籍 インコはいや?と( )。
... . .
被告書籍 インコ は 嫌 ?と尋ねる
イ ン ク ワイ ア
19 原告書籍 犬!サル!と( )。
. .. . ぶじょく
被告書籍 「 犬 サル と 同じ」と侮辱 する
イン サ ルト
20 原告書籍 nurse ありの( )。
... .. た く じ し ょ
被告書籍 ナース あり の託児所 人気
ナ ー サリ
21 原告書籍 油維持する( )がある。
. ..
被告書籍 油 維持 する義務を負わせる
オブラ イ ヂ
22 原告書籍 プレーボーイの( )にされる。
...
被告書籍 プレイ ボーイの餌食になった
プ レ イ
23 原告書籍 プロ、パーが( )。
.. ..
被告書籍 プ ロ , パ ー 5で適切な
プ ラ パ
24 原告書籍 離婚めんどう、するなと( )。
.. .. わ か い すす
被告書籍 離婚 面倒 と和解 を勧 める
レ コメ ン ド
25 原告書籍 0点をカバンに( )。
..
被告書籍 0 点 保持するランドセル
リテイン
26 原告書籍 ルーどうも( )。
.. .
被告書籍 ルー ど うしても無作法な
ル ード
27 原告書籍 ルイの時代に( )です。
..
被告書籍 ルイ (王朝)が破滅させる
ル イ ン
28 原告書籍 政府は( )金返せ。
..
被告書籍 政 府 は泥棒!!
スィーフ
29 原告書籍 すろーと(素人)( )自慢。
... .
被告書籍 しろう と のど自慢に出ましてナ
ス ロ ウト
30 原告書籍 わ~、すごい( )。
...
被告書籍 わ ー す ごい価値ある一品
ワ ー ス
31 原告書籍 悪夢、霊と悪事は( )。
.. . .
被告書籍 悪夢 , 霊 と 積み重なる
ア キ ュ ーミ ュレイ ト
32 原告書籍 アドばらすと( )ストーカー。
.. ...
被告書籍 アド ばらす とは敵意満ち
ア ドヴ ァ ー ス
33 原告書籍 あ、プリン変だ?と( )。
. ... . .
被告書籍 「 あ , プリン 変 だ !」と心配する
ア プ リ ヘン ド
34 原告書籍 飽きてきちゃう、( )ばかりの修学旅行。
... ...
被告書籍 飽きて きちゃ う建築も
ア ー キテ ク チ ャ
35 原告書籍 あー電灯の下で( )。
.. ..
被告書籍 あぁ 電灯 で勉強とは熱心な
ア ーデ ン ト
36 原告書籍 あー、船頭多くして船山に( )。
.. ..
被告書籍 あぁ 船頭 多くして船山に登る
ア セン ド
37 原告書籍 安倍いると( )。
.. ..
被告書籍 安倍 いる と役に立つ
ア ヴ ェイ ル
38 原告書籍 おー、震えるほど( )。
.. .
被告書籍 オー 震 えが来るほど恐ろしい
オ ー フル
39 原告書籍 悪死す、悪の( )の。
. ..
被告書籍 悪 死す ,悪の枢軸ついに崩壊
アク ス ィ ス
40 原告書籍 バーンと( )にぶつかった。
...
被告書籍 バーン と納屋に激突
バ ー ン
41 原告書籍 眩むジイは( )。
.. ..
被告書籍 眩む ジイ さんぎこちない
ク ラ ムズ ィ
42 原告書籍 子も出て買うよ( )。
. . ..
被告書籍 子 も 出て 商品探し
コマ デ ィ テ ィ
43 原告書籍 コンパ担当の( )幹事。
... ..
被告書籍 コンパ 担当 有能だ
コ ン ピテ ン ト
44 原告書籍 コンパ理系とで( )。
... .. . .
被告書籍 コンパ 理系 と で 複雑だ
カ ン プリ ケ イテ ド
45 原告書籍 これスッポンだと( )。
.. .... .
被告書籍 これ スッポン だ と一致する
コ ーレ ス パ ンド
46 原告書籍 持さ~ん金を( )。
. .
被告書籍 持 参 金を見極める
ディサーン
47 原告書籍 じっくりーと( )。
.... .
被告書籍 じっくり と は慎重な
デ ィ ス ク リ ート
48 原告書籍 えらい( )になっちゃった。
..
被告書籍 えら い時代に生まれたもんや
イ ー ラ
49 原告書籍 触れると( )。
...
被告書籍 触れる ともろいっ!ボロボロと
フ レ イ ル
50 原告書籍 腐乱死体に( )。
..
被告書籍 腐 乱 死体にまゆをひそめる
フラウン
51 原告書籍 グリーンにのって( )。
....
被告書籍 グリーン でにやっと笑う
グ リ ン
52 原告書籍 愚弄に( )。
.. た
被告書籍 愚 弄 に耐 えかねうめく
グロウン
53 原告書籍 入れたらしい、( )やつ入れたらしい。
... ...
被告書籍 入れた らしい ,読み書きできない学生を!
イ リ タラ ス ィ
54 原告書籍 院生さんとは( )ぬ研究。
.. .. .
被告書籍 院生 さん と は(ノ゜o゜)ノ!!絶え間ない学業人生思いやる
イ ン セス ント
55 原告書籍 0時endの( )。
..
被告書籍 零時 end の伝説
レ ヂ ェン ド
56 原告書籍 待ちゅわ、( )する日まで。
.. .
被告書籍 待つ わ ,成熟するまで♡
マ ト ゥア
57 原告書籍 「もう、好き♡」と( )が寄ってくる。
.. .. .
被告書籍 「 もう 好き 」 と ばかりに蚊が寄ってくる
モ スキ ート ウ
58 原告書籍 ニースへ( )は、甥は寝冬。
... .. つた
被告書籍 ニース の姪に電話し「甥は 寝 冬 」と伝 え
ニ ー ス ネフュー
59 原告書籍 おー、なめんといてよ首( )。
.. .. ..
被告書籍 おぅ ! ナメ んと いてヤ装飾品ヾ(。`Д´。)ノ
オ ーナ メ ント
60 原告書籍 ぷらんぷらんと( )おなか。
....
被告書籍 ぷらんぷ らんと太ってる
プ ラ ン プ
61 原告書籍 プー、リッチに( )す。
.. .. .
被告書籍 プ ー ( 太郎), リッ チ マンに説教す
プ リ ー チ
62 原告書籍 プリズムのぞいて( )す。
.... のぞ
被告書籍 プリズム 覗 いて推測す
プ リ ズ ュ ー ム
63 原告書籍 パンクチャリ、( )着けません。
... ... .
被告書籍 パンク ! チャリ が …時間通りに着けませんっ!
パ ン ク チ ュ アリ
64 原告書籍 ラグビーで( )になる。
..
被告書籍 ラグ ビーで服ボロボロ
ラ グ
65 原告書籍 理事ど( )。
.. .
被告書籍 理事 ど 厳しい
リ ヂド
66 原告書籍 聖火redで( )。
.. .. .
被告書籍 聖火 , レッ ド が神聖な
セ イク リ ド
67 原告書籍 祖母を偲んで( )。
.. しの
被告書籍 祖母 を偲 んですすり泣く
サ ブ
68 原告書籍 スッポン手に汗( )。
..... . .
被告書籍 スッポン手 に 汗 自然に起こる
ス パ ン テ ィ ニィアス
69 原告書籍 嬉ちいど、( )でなくなりゃ嬉ちいど。
.. ...
被告書籍 うれ ちいど !惨めな暮らし抜け出せた
ウ レチ ド
70 原告書籍 茶来ると( )。
. ..
被告書籍 茶 来る とクスクス笑う
チャ ク ル
71 原告書籍 暗い手利用がヤクザの( )。
.. . ..
被告書籍 暗い 手 利用 はマフィアの標準
ク ラ イ ティア リ オ ン
72 原告書籍 カーブで( )に乗り上げた。
...
被告書籍 カーブ で縁石乗り上げた
カ ー ブ
73 原告書籍 デブ会うと( )。
.. .. .
被告書籍 デブ 会う と 誠実な人柄で
デ ィヴ ァ ウト
74 原告書籍 ダイアナが脳死すという( )。
.... . . ..
被告書籍 ダイアン が 脳 死す と診断下る
ダ イ ア グノ ウスィ ス
75 原告書籍 封土(ほうど)ある、( )時代には。
.. ..
被告書籍 封土 ある のが封建制度
フ ュ ード ル
76 原告書籍 風呂があるけど( )。
.. . ..
被告書籍 風呂 が ある のに質素な暮らし
フ ルー グ ル
77 原告書籍 腹出てくるのも( )かな。
.. .
被告書籍 腹 出 て いるのは遺伝です
ヒレ ディティ
78 原告書籍 淫婦で~んと( )。
.. ...
被告書籍 淫婦 でんと 居座りずうずうしい
イ ン ピュ デ ン ト
79 原告書籍 水入れゲートでイレゲート(= する)。
.. ...
被告書籍 入り ゲート から水を引き入れる
イ リゲ イ ト
80 原告書籍 目と歯を( )で表現す。
. ..
被告書籍 芽 と 葉 を隠喩で表す

メタ フ ァー
81 原告書籍 もう、目ん玉飛び出す( )。
.. . . .
被告書籍 もう 目 ん 玉 飛び出る勢い
モ ウ メン タ ム
82 原告書籍 なんも( )。
.. .
被告書籍 なん も 感覚がない
ナ ム
83 原告書籍 ポロンと出( )。
...
被告書籍 ポロン と出がちな小さめビキニ
プ ロ ウ ン
84 原告書籍 しばーれて( )。
..
被告書籍 しば れて手が震え
シ ヴ ァ
85 原告書籍 スラックスが( )。
....
被告書籍 スラック スがゆるい
ス ラ ク
86 原告書籍 そろった人を( )。
....
被告書籍 そろった ところで大虐殺
ス ロ ー タ
87 原告書籍 すーず( )。
.. . .
被告書籍 「 すぅ ~ ず かに」となだめ,落ち着かす
ス ー ズ
88 原告書籍 捨て~る( )牡蠣(かき)。
.. .
被告書籍 捨て る !古くなった食べものは
ス テ イ ル
89 原告書籍 捨てんジイは( )。
... .
被告書籍 捨てん ジ イさんけち臭い!
ス テ ィ ンヂ
90 原告書籍 サボるでないと( )に言い。
... .. . . . かつ
被告書籍 「 サボる でね ~ っ !」と 部下に喝 !
サ ボ ーデ ィナ ト
91 原告書籍 サックを( )くせ。
...
被告書籍 (指) サック を吸う癖がある
サ ク
92 原告書籍 飢えーで( )食いました。
.. . ざっそう く
被告書籍 飢え で 雑草 食 らう
ウ ィ ード
93 原告書籍 う、いやだ、( )人。
.. . . .
被告書籍 ぅわ ~ や だ ,気味が悪い(>_<)
ウ ィ ア ド
94 原告書籍 りんごを( )。
...
被告書籍 リンゴ 絞ってジュースを作る
リ ン グ
95 原告書籍 下衆の勘ぐり。勘ぐるとは( )こと。
.. かん
被告書籍 げす の勘 ぐり君の推測
ゲ ス
96 原告書籍 欧米に( )。
.. なさ
被告書籍 欧米 に従う日本情 けない
オ ベ イ
97 原告書籍 0時に帰って( )。
.. き た く
被告書籍 零時 の帰宅 に母激怒
レ イヂ
98 原告書籍 ルールある、( )にゃルールある。
... ..
被告書籍 ルール ある のが田舎の暮らし
ル アラ ル
99 原告書籍 ビクともしない( )ら。
....
被告書籍 びくとも しない犠牲者哀れ
ヴ ィ ク テ ィ ム
100 原告書籍 冷麺は( )だって作れます。
..
被告書籍 冷 麺 ,素人も作る韓国じゃ
レイ マン
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