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平成30(行ケ)10142審決取消請求事件

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裁判所 請求棄却 知的財産高等裁判所
裁判年月日 令和1年10月10日
事件種別 民事
当事者 被告特許庁長官中木努
原告宏碁股份有限公司伊東忠重
対象物 デバイスツーデバイスオペレーションを処理する方法
法令 特許権
特許法29条1項3号1回
キーワード 実施25回
審決22回
分割5回
進歩性5回
刊行物1回
優先権1回
拒絶査定不服審判1回
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を30日と定める。
事件の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 原告は,平成27年3月18日,発明の名称を「デバイスツーデバイスオ ペレーションを処理する方法」とする発明について,外国語書面出願による 特許出願(特願2015-55175号。優先日平成26年3月19日・平 成27年3月12日,優先権主張国米国。以下「本願」という。)をした(甲 2,3)。 ⑵ 原告は,平成28年3月24日付けの拒絶理由通知(甲4)を受けたため, 同年6月2日付けで特許請求の範囲について手続補正(以下「第1次補正」 という。甲6)をしたが,同年11月25日付けで拒絶査定(甲7)を受け た。 ⑶ 原告は,平成29年2月27日付けで,拒絶査定不服審判(不服2017 -2758号事件)を請求するとともに,同日付けで,特許請求の範囲につ いて手続補正(以下「本件補正」という。甲9)をした。

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判決文

令和元年10月10日判決言渡
平成30年(行ケ)第10142号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和元年8月22日
判 決

原 告 宏 碁 股 份 有 限 公 司

訴訟代理人弁理士 伊 東 忠 彦
伊 東 忠 重
大 貫 進 介
山 口 正 博

被 告 特 許 庁 長 官
指 定 代 理 人 菅 原 道 晴
中 木 努
長 谷 川 篤 男
藤 原 直 欣
阿 曾 裕 樹
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を
30日と定める。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が不服2017-2758号事件について平成30年5月30日に

した審決を取り消す。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等
⑴ 原告は,平成27年3月18日,発明の名称を「デバイスツーデバイスオ
ペレーションを処理する方法」とする発明について,外国語書面出願による
特許出願(特願2015-55175号。優先日平成26年3月19日・平
成27年3月12日,優先権主張国米国。以下「本願」という。)をした(甲
2,3)。
⑵ 原告は,平成28年3月24日付けの拒絶理由通知(甲4)を受けたため,
同年6月2日付けで特許請求の範囲について手続補正(以下「第1次補正」
という。甲6)をしたが,同年11月25日付けで拒絶査定(甲7)を受け
た。
⑶ 原告は,平成29年2月27日付けで,拒絶査定不服審判(不服2017
-2758号事件)を請求するとともに,同日付けで,特許請求の範囲につ
いて手続補正(以下「本件補正」という。甲9)をした。
特許庁は,平成30年5月30日,本件補正を却下する決定をした上で,
「本件審判の請求は成り立たない」との審決(以下「本件審決」という。)
をし,その謄本は,同年6月12日,原告に送達された。
⑷ 原告は,平成30年10月6日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提
起した。
2 特許請求の範囲の記載
⑴ 第1次補正後
第1次補正後の特許請求の範囲は,請求項1ないし7からなり,その請求
項1の記載は,次のとおりである(以下,第1次補正後の請求項1に係る発
明を「本願発明」という。甲6)。
【請求項1】

通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを
処理する方法であって,
ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実
行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペ
レーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブ
フレームにおいて実行するステップ(304)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサ
ブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオ
ペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,
前記方法はさらに,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,第2のサブフレームが前記D2Dオペレーション
に従う前記第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,前
記第2のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするス
テップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームに
おける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって
スケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2D
オペレーションをストップするステップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,前記D2Cオペレーションが第4のサブフレーム
における前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第
1のサブフレームおよび前記第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレ

ーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,前
記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするス
テップ,を備える
方法。
⑵ 本件補正後
本件補正後の特許請求の範囲は,請求項1ないし7からなり,その請求項
1の記載は,次のとおりである(以下,本件補正後の請求項1に係る発明を
「本件補正発明」という。甲9)。なお,本件補正は,第1次補正後の請求
項1のうち,前記⑴の下線部分を削除したものである。
【請求項1】
通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを
処理する方法であって,
ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実
行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペ
レーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブ
フレームにおいて実行するステップ(304)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサ
ブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオ
ペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,
前記方法はさらに,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームに
おける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって
スケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2D

オペレーションをストップするステップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,前記D2Cオペレーションが第4のサブフレーム
における前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第
1のサブフレームおよび前記第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレ
ーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,前
記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするス
テップ,を備える
方法。
3 本件審決の要旨
⑴ 本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりである。
その要旨は,①本件補正発明は,本願の優先日前に頒布された刊行物であ
る米国特許出願公開2014/0004867号明細書(原文甲1・訳文乙
5。以下「引用例」という。)に記載された発明(以下「引用発明」という。)
と同一であり,又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることがで
きたものであるから,特許法29条1項3号又は同条2項の規定により,特
許出願の際に独立して特許を受けることはできず,本件補正は,却下すべき
ものである,②本願発明は,本件補正発明から本件補正により削除された択
一的選択肢である発明特定事項(前記2⑴の下線部分)を備えるほかは,本
件補正発明と差異はないから,本願発明も,本件補正発明と同様に,引用発
明と同一であり,又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることが
できたものであるから,同条1項3号又は同条2項の規定により,特許を受
けることができず,本願は拒絶されるべきものであるというものである。
⑵ 本件審決が認定した引用発明,本件補正発明と引用発明の一致点及び相違
点は,次のとおりである。
ア 引用発明

第1の基地局に対するUL受信成否情報を送信するためのサブフレーム
を決定し,
第1の基地局に対するUL受信成否情報の送信が決定された前記サブフ
レームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報
の受信と重なるとき,第1の基地局に対する前記送信を前記サブフレーム
において実行し,前記サブフレームにおける第2のデバイスからの前記受
信をストップし,
さらに,
第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サ
ブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否
情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデー
タの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送
信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否情
報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送
又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為さ
れ,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受
信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しない,
方法。
イ 本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点
(一致点)
「通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーション
を処理する方法であって,
ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実
行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサ

ブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオ
ペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,
前記方法はさらに,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2D
オペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームに
おける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって
スケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2D
オペレーションをストップするステップ,を備える
方法。」である点。
(相違点)
本件補正発明は,「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレーム
においてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーショ
ンを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(304)」なる構
成を有しているのに対し,引用発明は,「前記D2Cオペレーションが前記
第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき」の動
作について明示していない点
4 取消事由
本件補正発明の進歩性の判断の誤り
第3 当事者の主張
1 原告の主張
⑴ 一致点の認定の誤り及び相違点の看過
本件審決は,引用発明の「第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記
送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD
2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1の
D2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の
受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの

当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクの
データの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレー
ム後に為され,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否
情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しない」との構成は,
本件補正発明の「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにお
いて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1の
サブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング
割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにお
ける前記D2Dオペレーションをストップするステップ」の構成(以下「本
件構成E-1」という場合がある。)に相当するとして,両発明は,本件構
成E-1を備える点において一致する旨認定した。
しかしながら,引用発明は,本件構成E-1のうちの「第3のサブフレー
ムが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのス
ケジューリング割当てによってスケジュールされ」るとの構成を備えておら
ず,本件構成E-1は本件補正発明と引用発明の相違点として認定すべきで
あったから,本件審決には,一致点の認定を誤り,相違点を看過し,ひいて
は,この相違点についての容易想到性の判断をせずに,本件補正発明の進歩
性を否定した判断の誤りがある。
ア 本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおけ
る前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってス
ケジュールされているとき」の意義について
(ア) 本件補正発明の「第3のサブフレーム」の意義について
本願の願書に添付した明細書とみなされる外国語明細書の翻訳文(以
下,図面を含めて「本件明細書」という。甲3)の【0023】に「D
2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーショ
ンと衝突し,第2のサブフレームがD2Dオペレーションによる第1の

サブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,処理30におい
て通信デバイスはさらに第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーシ
ョン(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレーション
のための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないことがあり
得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブフレ
ームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。」との記載
があるとおり,本件明細書においては,「第2のサブフレーム」は「再
送サブフレーム」を意味する用語として用いられており,また,「再送
サブフレーム」について説明するときは,「第1のサブフレームに対応
する再送サブフレーム」というように,「再送」という文言を付し,「初
期送受信」のサブフレームと区別しているから,「再送」という文言が
付されていない「第1のサブフレーム」及び「第3のサブフレーム」は,
いずれも「初期送受信」のサブフレームを意味すると解すべきである。
また,本件補正発明の特許請求の範囲には,「第1のサブフレーム」
及び「第3のサブフレーム」という文言が含まれているのに,「第2の
サブフレーム」という文言が用いられていない理由は,「第2のサブフ
レーム」は,「再送サブフレーム」を意味する用語として用いられてい
るからである。
以上のとおり,本件補正発明の「第3のサブフレーム」は,「初期送
受信」のサブフレームを意味する。
(イ) 本件補正発明の「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペ
レーションのためのスケジューリング割当て」の意義について
前記(ア)のとおり,本件補正発明の「第3のサブフレーム」は,初期
送受信のサブフレームを意味するから,本件補正発明の「第3のサブフ
レームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションの
ためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき」

にいう「スケジューリング割当てによってスケジュール」された「前記
D2Dオペレーション」は,初期送受信である。
また,本件明細書の【0023】には,本件補正発明の本件構成E-
1に関し,「D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2
Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが第1のサブフレーム
におけるD2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってス
ケジュールされているとき,処理30において通信デバイスはさらに第
3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップ(例,スケ
ジュール割当てをドロップ)し得る。すなわち,第3のサブフレームに
おけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュ
ール割当てによってトリガーがかけられるので,通信デバイスは,第1
のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方においてD2Dオペレ
ーションをストップする。」との記載がある。上記記載中の「第3のサ
ブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにお
けるスケジュール割当てによってトリガーがかけられる」とは,第3の
サブフレームにおけるD2Dオペレーションが,「第1のサブフレーム
におけるスケジュール割当て」によって「スケジュールされる」ことを
意味する。
そして,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の文言,本件明
細書の【0023】の記載及び技術常識によれば,本件補正発明の「前
記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」とは,第1
のデバイスと第2のデバイスとの「初期送信」(「前記D2Dオペレー
ション」)のためのスケジューリング割当てを意味し,本件補正発明の
「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオ
ペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールさ
れているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーシ

ョンをストップする」とは,第1のデバイスが,第2のデバイスとの「初
期送信」(「前記D2Dオペレーション」)のためのスケジューリング
割当てを用意したが,そのスケジューリング割当てを「前記第1のサブ
フレーム」においてD2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送
信することをストップすることを意味する。
典型的な例としては,第1のデバイスが,第2のデバイスとの初期送
信(「前記D2Dオペレーション」)のためのスケジューリング割当て
をして,そのスケジューリング割当てを第1のサブフレームにおいてD
2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送信しようとしたところ,
第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションと衝突し,上記送信
をストップすることが存在する。
(ウ) まとめ
以上によれば,本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサ
ブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリン
グ割当てによってスケジュールされている」とは,「第3のサブフレー
ム」が「前記第1のサブフレーム」において第1のデバイスがD2Dオ
ペレーションで行った,第1のデバイスと第2のデバイスとの初期送信
(「前記D2Dオペレーション」)のための「スケジューリング割当て
によってスケジュールされている」ことを意味するというべきである。
(エ) 被告の主張について
被告は,①本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフ
レームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割
当てによってスケジュールされているとき」にいう「スケジューリング」
には,初期送受信のためのスケジューリング及び再送のためのスケジュ
ーリングのいずれも包含されると解釈するのが妥当である,②本件補正
発明の「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションの

ためのスケジューリング割当て」は,「第1のサブフレームで実行され
るD2Dオペレーション」のためのスケジューリング割当てを意味し,
D2Cオペレーションによって行われ,D2Dオペレーションで行われ
る場合は存在しない,③本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第
1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジュ
ーリング割当てによってスケジュールされているとき」とは,「第1の
サブフレームで実行されるD2Dオペレーション」のためのスケジュー
リング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケジュールされ
ているときを意味する旨主張する。
しかしながら,上記①の点については,前記(イ)で述べたとおり,「ス
ケジューリング割当てによってスケジュール」された送受信の対象 「前

記D2Dオペレーション」)は,初期送受信であるから,「スケジュー
リング」には,再送のためのスケジューリングは包含されない。
また,上記②及び③の点については,前記(イ)で述べたとおり,典型
的な例として,第1のデバイスが,第2のデバイスとの初期送信(「前
記D2Dオペレーション」)のためのスケジューリング割当てをして,
そのスケジューリング割当てを第1のサブフレームにおいてD2Dオペ
レーションで第2のデバイスに対して送信しようとしたところ,第1の
サブフレームにおいてD2Cオペレーションと衝突し,上記送信をスト
ップすることが存在する。
したがって,被告の上記主張は失当である。
イ 引用発明が本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレ
ームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当
てによってスケジュールされ」るとの構成を備えていないこと
引用例には,引用発明において,第2のデバイスへの第1のD2Dリン
クのデータの再送又は次のデータの送信(初期送信ではない)が,再送の

ためのスケジューリングに関する情報(①受信成否情報,②初期送信デー
タの送信からいくつ目のサブフレーム後に受信成否情報が送受信される
かを示す情報(例:c),③受信成否情報の受信からいくつ目のサブフレ
ーム後にデータを再送するかを示す情報(例:d))によってスケジュー
ルされていることが記載されているにすぎず([0131],[0134]~
[0137]),リソース情報をコア情報として含むべき「スケジューリン
グ割当て」によるスケジューリング(初期送信のためのスケジューリング)
については何ら記載がない。したがって,引用発明の「受信成否情報の受
信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は
次のデータの送信」が「為され」る「サブフレーム」(サブフレームml
+2d+c(1303))は,再送のスケジューリングに関する情報によ
ってスケジューリングされているサブフレームにすぎず,スケジューリン
グ割当てによってスケジュールされている「第3のサブフレーム」に該当
しない。
また,引用例には,引用発明において,「D2Dオペレーションのため
のスケジューリング割当て」が基地局とデバイスとの間のD2Cオペレー
ションとして送受信されること([0180])が記載されているにすぎず,
「D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」が,デバイス
間のD2Dオペレーションとして送受信されることについては,開示も示
唆もない。
以上によれば,引用発明が本件補正発明の「第3のサブフレームが前記
第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジ
ューリング割当てによってスケジュールされ」るとの構成を備えていると
いえないから,本件審決認定の一致点のうち,「第3のサブフレームが前
記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケ
ジューリング割当てによってスケジュールされ」るとの構成を備えている

点を一致点として認定したことは誤りであり,本件審決は,相違点を看過
したものである。
(2) 小括
以上のとおり,本件審決には,一致点の認定を誤り,相違点を看過し,こ
の相違点についての容易想到性の判断をせずに,本件補正発明の進歩性を否
定した判断の誤りがあり,その結果,本件補正を却下する決定をした誤りが
あるから,違法として取り消されるべきである。
2 被告の主張
⑴ 一致点の認定の誤り及び相違点の看過の主張に対し
ア 本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおけ
る前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってス
ケジュールされているとき」の意義について
(ア) 本件補正発明の「第3のサブフレーム」の意義について
本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載によれば,本件補
正発明の「第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」は,
「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのための
スケジューリング割当て」によってスケジュールされている,第3のサ
ブフレームにおける「D2D信号の送受信」と解釈するのが妥当である。
本件補正発明の特許請求の範囲及び本件明細書には,「第3のサブフ
レームにおける前記D2Dオペレーション」が初期送受信であることの
記載も示唆もないから,当該「スケジューリング割当て」におけるスケ
ジューリングは,初期送信のためのスケジューリング及び再送のための
スケジューリングのいずれも包含されると解釈されるべきである。
したがって,「第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーション」
を,スケジューリング割当てによってスケジュールされている「初期送
受信」であると限定解釈する原告の主張は,失当である。

(イ) 本件補正発明の「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペ
レーションのためスケジューリング割当て」の意義について
本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにお
ける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによっ
てスケジュールされているとき」にいう「前記第1のサブフレームにお
ける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」の構
成は,「前記第1のサブフレームにおける」との文言が直後の「前記D
2Dオペレーション」のみに係ることからすると,「第1のサブフレー
ムで実行されるD2Dオペレーション」のための「スケジューリング割
当て」を意味するものである。このように上記構成の「前記第1のサブ
フレームにおける前記D2Dオペレーション」の文言を「第1のサブフ
レームで実行されるD2Dオペレーション」と解することは,本件補正
発明の「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて
前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーション
を前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームに
おける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)」
の構成(以下「本件構成D」という場合がある。)にいう「前記第1の
サブフレームにおける前記D2Dオペレーション」の文言が「第1のサ
ブフレームで実行されるD2Dオペレーション」を意味することとも整
合する。
そうすると,本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブ
フレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング
割当てによってスケジュールされているとき」は,スケジューリング割
当てが「第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーション」のた
めのものであり,当該スケジューリング割当てによって,併せて第3の
サブフレームがスケジュールされているときを含むものと解するのが相

当である。このように解釈すれば,本件補正発明においては,本件構成
Dによって「D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行」
し,「第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーション」はストップ
され,本件構成E-1によって,当該「第1のサブフレームにおけるD
2Dオペレーション」のための「スケジューリング割当て」によって,
併せて第3のサブフレームがスケジュールされているとき,第3のサブ
フレームにおけるD2Dオペレーションもストップすることにより,D
2DオペレーションとD2Cオペレーションを規則的に実行することが
できるから,「D2DオペレーションとD2Cオペレーションを規則的
に実行されないことがあり得る」という本件補正発明の課題を解決する
ことができる。
したがって,本件補正発明の「前記第1のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」が,「前記第
1のサブフレームにおいて」,デバイス間のD2Dオペレーションで行
われる旨の原告の主張は失当である。
イ 引用発明が本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレ
ームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て
によってスケジュールされ」るとの構成を備えていること
引用例の記載([0082], [0178]~ [0184], [0194]
~[0198], [0202], [0204]~ [0207],図8)によれば,
引用例には,送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指示と,
上位レイヤシグナリングによるデータの送信(再送又は初期送信)及びD
2Dリンク受信成否情報の受信のためのサブフレーム間隔(a1,b1,
c,d)の指示とによって,第1のデバイスは,データの送信(再送又は
初期送信)及びD2Dリンク受信成否情報の受信のためのサブフレームを
確保し,データの送信(再送又は初期送信)及びD2Dリンク受信成否情

報の受信を,送信解除割当て情報を受信するまで,繰り返し行うのである
から,送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指示と,上位
レイヤシグナリングによるサブフレーム間隔(a1,b1,c,d)の指
示はいずれも,データの送信及び受信成否情報の受信に係るサブフレーム
をスケジューリングすること(第1のデバイスに無線リソースを割り当て
ること)及び/又はそのための情報であり,スケジューリング割当てとい
える。そして,データの送信及び受信成否情報の受信に係るサブフレーム
は,スケジューリング割当てによってスケジュールされているといえるも
のであり,また,当該スケジューリング割当ては,再送のためのスケジュ
ーリングに関する情報ではなく,再送と初期送信の両方のためのスケジュ
ーリング割当てである。
したがって,引用例では,データの送信及び受信成否情報の受信に係る
サブフレームは,送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指
示と,上位レイヤシグナリングによるサブフレーム間隔(a1,b1,c,
d)の指示によるスケジューリング割当てによってスケジュールされてい
るといえる。そして,受信成否情報の受信のためのサブフレームml+d
+c(1302)が当該スケジューリング割当てによってスケジュールさ
れると,そのdサブフレーム後の,データの再送又は次のデータの送信が
なされるサブフレームml+2d+c(1303)も,受信成否情報の受
信のためのスケジューリング割当てがトリガとなって併せてスケジュール
されており,データの再送又は次のデータの送信がなされるサブフレーム
ml+2d+c(1303)は,受信成否情報の受信のためのスケジュー
リング割当てによってスケジュールされているといえるから,引用発明の
「受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクの
データの再送又は次のデータの送信」が「為され」る「サブフレーム」(サ
ブフレームml+2d+c(1303))は,受信成否情報の受信のため

のスケジューリング割当てによってスケジュールされている「第3のサブ
フレーム」に該当するということができる。
この点に関し原告は,引用発明の「受信成否情報の受信に基づく第2の
デバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信」
が「為され」る「サブフレーム」(サブフレームml+2d+c(130
3))は,再送のスケジューリングに関する情報によってスケジューリン
グされているサブフレームにすぎず,スケジューリング割当てによってス
ケジュールされている「第3のサブフレーム」に該当しない旨主張するが,
引用発明の「次のデータの送信」は明らかに再送ではないから,原告の上
記主張は失当である。
ウ まとめ
以上によれば,引用発明の「第1の基地局に対するUL受信成否情報の
前記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの
第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイス
への第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの
受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2
のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの
第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情
報の受信からdサブフレーム後に為され,これらの動作が繰り返されると
き,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデー
タを送信しない」との構成は,本件補正発明の「前記D2Cオペレーショ
ンが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突
し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオ
ペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールさ
れているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーショ
ンをストップするステップ」に相当するというべきである。

したがって,本件補正発明と引用発明が「第3のサブフレームが前記第
1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジュ
ーリング割当てによってスケジュールされ」るとの構成を備えている点で
一致するとした本件審決の認定に誤りはない。
(2) 小括
以上のとおり,本件審決には,原告主張の一致点の認定の誤り及び相違点
の看過はないから,本件補正発明の進歩性を否定した判断に誤りがあり,そ
の結果,本件補正を却下する決定をした誤りがあるとの原告の主張は理由が
ない。
したがって,原告主張の取消事由は,理由がない。
第4 当裁判所の判断
1 本件明細書の記載事項について
(1) 本件明細書(甲3)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する
図1及び図3については別紙1を参照)。
ア 【技術分野】
【0001】
本発明は,デバイスツーデバイスオペレーションを処理する方法に関す
る。
【0004】
デバイスツーデバイス(D2D)通信は,(例,eNBによって手伝わ
れて)初期化(例,接続確立,および/または,ピア発見)が実行された
後に実現され得る。そして,一群のUEが,D2D通信に従ってお互いに
直接通信(例,パケットを送受信)し得,eNBは,通信デバイス間で送
信されるパケットを転送する必要がない。D2D通信に従って,UEは,
ULリソース(例,eNBによって構成されるULサブフレーム)を介し
て,お互いに通信し得る。一般的に,D2D通信は,D2Dサービス(す

なわち,近接サービス(ProSe))として理解され得る。加えて,D
2Dサブフレーム,D2D伝送,D2D通信およびD2Dディスカバリー
は,それぞれ,サイドリンクサブフレーム,サイドリンク伝送,サイドリ
ンク通信およびサイドリンクディスカバリーとして称され得る。
【0005】
UEは,D2Dオペレーションとデバイスツーセルラ(D2C)オペレ
ーションを同時に(例,同じ時間間隔中に)実行し得る。その状況は,U
EがeNBのセルのカバレージエリア内に有り,D2D通信とD2C通信
の両方が当該セルによってサポートされている状況であり得る。しかし,
D2DオペレーションはD2Cオペレーションによって影響され得る。例
えば,UEは,ULサブフレームがD2Dオペレーションのためにスケジ
ュールされているとき,D2C通信の所定のルールに従ってそのULサブ
フレームにおいてハイブリッド自動リピート要求(HARQ)をどのよう
に送信するかを知らないことがあり得る。この問題は,D2C通信の,時
分割複信(TDD)モードまたは周波数分割複信(FDD)モードにおい
て発生し得る。この問題はまた,D2C通信のための他の伝送(例,UL
制御情報および/またはULデータ)が実行されるべきときに発生し得る。
D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され
ないことがあり得る。
【0006】
このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝
突は,解決されるべき重要な問題である。
イ 【発明の概要】
【0007】
本発明は,したがって,上述の問題を解決するために,デバイスツーデ
バイスオペレーションを処理するための方法を提供する。

【0009】
通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーション
を処理する方法は,ネットワークに対してデバイスツーセルラ(D2C)
オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ
と,D2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突しないとき,第
1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行するステップと,
第1のサブフレームにおいてD2CオペレーションがD2Dオペレーショ
ンと衝突するとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを
実行し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップす
るステップと,を含む。
ウ 【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は,本発明の一例による無線通信システム10の概略図である。無
線通信システム10は,簡潔に,ネットワークおよび複数の通信デバイス
によって構成される。図1において,ネットワークおよび通信デバイスは,
単純に,無線通信システム10の構造を示すために利用されている。通信
デバイスは,第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)等の通
信標準において規定されたデバイスツーセルラ(D2C)通信に従って,
ネットワークと通信し得る。実際には,ネットワークは,ユニバーサル移
動通信システム(UMTS)における複数のノードB(NB)を含むユニ
バーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)であり得る。他の
例において,ネットワークは,ロングタームエボリューション(LTE)
システム,LTE-アドバンスト(LTE-A)システムまたはLTE-
Aシステムの進化形における複数の進化型NB(eNB)および/または
リレーを含む進化型UTRAN(E-UTRAN)であり得る。
【0013】

通信デバイスは,ユーザ装置(UE),低コストデバイス(例,マシン
タイプ通信(MTC)デバイス),デバイスツーデバイス(D2D)デバ
イス,携帯電話,ラップトップ,タブレットコンピュータ,電子ブック,
ポータブルコンピュータシステム,または,これらの組合せであり得る。
加えて,D2C通信について,ネットワークおよび通信デバイスは,方向
(即ち,伝送方向)に従って送信機または受信機として理解され得,例え
ば,上りリンクについて,通信デバイスは送信機であり,ネットワークは
受信機であり,下りリンクについて,ネットワークは送信機であり,通信
デバイスは受信機である。
【0014】
加えて,2つの通信デバイスは,初期化(例,接続確立および/または
ピア発見)が実行された後,互いに直接通信し得る。例えば,初期化は,
ネットワークによって手伝われ得る。すなわち,通信デバイスは,3GP
P標準等の通信規格において規定されたD2D通信に従って,お互いに通
信(例,信号/パケットを送信および/または受信)し得る。通信デバイ
スは,周波数分割複信(FDD)構成および/または時分割複信(TDD)
構成に従って決定されたULサブフレームを介して,お互いに通信し得る。
通信デバイスは,他の通信デバイスおよびネットワークと同時に通信し得,
すなわち,D2D通信およびD2C通信が同時に実現される。
【0016】
図3は,本発明の一例による処理30のフローチャートである。処理3
0は,D2Dオペレーションを処理するために通信デバイスにおいて利用
され得る。処理30は,コンパイルされてプログラムコード214となり
得,以下のステップを含む。
【0017】
ステップ300:開始

ステップ302:ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行す
るための第1のサブフレームを決定する。
【0018】
ステップ304:D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいて
D2Dオペレーションと衝突しないとき,D2Cオペレーションを第1の
サブフレームにおいて実行する。
【0019】
ステップ306:D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいて
D2Dオペレーションと衝突するとき,D2Cオペレーションを第1のサ
ブフレームにおいて実行し,D2Dオペレーションを第1のサブフレーム
においてストップする。
【0020】
ステップ308:終了
処理30に従って,通信デバイスは,ネットワークに対してD2Cオペ
レーションを実行するための第1のサブフレームを決定し得る。次に,通
信デバイスは,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2
Dオペレーションと衝突しないとき,D2Cオペレーションを第1のサブ
フレームにおいて実行し得る。第1のサブフレームは,発見,通信および
/または同期のためのD2Dサブフレームとして,ネットワークによって
構成され得る。加えて,通信デバイスは,D2Cオペレーションが第1の
サブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突するとき,D2Cオペ
レーションを第1のサブフレームにおいて実行し得,D2Dオペレーショ
ンを第1のサブフレームにおいてストップし得る。言い換えると,D2C
オペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの優先度よりも高い。
もし,D2Cオペレーションが,(例えば,キャリアアグリゲーション(C
A)がサポートされているときに,例えば,同じセル(例,同じサービン

グセル)の,または,異なるセル(例,異なるサービングセル)の)同じ
サブフレームにおいて実行されるようにスケジュールされているならば,
D2Dオペレーションはサブフレームにおいて実行されないことがあり得
る。D2Cオペレーションは,ハイブリッド自動繰り返し要求(HARQ)
フィードバックおよび/または物理UL共有チャネル(PUSCH)の送
信を含み得る。一例において,HARQフィードバックは,物理UL制御
チャネル(PUCCH)を介して送信され得る。一例において,ULパッ
ケージ(例,UL共有チャネル(UL-SCH))と乗算された(mul
tiplied with)HARQフィードバックがPUSCHを介し
て送信され得る。D2Dオペレーションは,D2D信号(例,パッケージ)
の送信を含み得,または,D2D信号(例,パッケージ)の受信を含み得
る。このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の
衝突は,上述に従って解決される。その結果,D2Dオペレーションおよ
びD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。
【0021】
本発明の実現は,上述に限定されない。
エ 【0022】
プロセス30におけるD2DオペレーションとD2Cオペレーションと
の間の衝突の定義は限定されない。一例において,もし,D2Dオペレー
ションが第1のサブフレームにおいて(例,通信デバイス自身によって,
他の通信デバイスによって,または,ネットワークによって)スケジュー
ルされていないならば,D2Cオペレーションは第1のサブフレームにお
いてD2Dオペレーションと衝突せず,もし,D2Dオペレーションが第
1のサブフレームにおいてスケジュールされているならば,D2Cオペレ
ーションは第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突する。
【0023】

一例において,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD
2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームがD2Dオペレーショ
ンによる第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,処
理30において通信デバイスはさらに第2のサブフレームにおけるD2D
オペレーション(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレ
ーションのための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないこと
があり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブ
フレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例にお
いて,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレ
ーションと衝突し,第3のサブフレームが第1のサブフレームにおけるD
2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールさ
れているとき,処理30において通信デバイスはさらに第3のサブフレー
ムにおけるD2Dオペレーションをストップ(例,スケジュール割当てを
ドロップ)し得る。すなわち,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレ
ーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってト
リガーがかけられるので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第
3のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。
一例において,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2
Dオペレーションと衝突し,D2Cオペレーションが第4のサブフレーム
においてD2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが,第1の
サブフレームおよび第4のサブフレームにおけるD2Dオペレーションの
ためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,処理30に
おいて通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレー
ションをストップし得る。すなわち,もし,衝突が,スケジュール割当て
を運ぶ第1のサブフレームおよび第4のサブフレームにおいて発生するな
らば,通信デバイスは,第3のサブフレームにおいてD2Dオペレーショ

ンをストップする。
【0024】
このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝
突は,上述に従って解決される。その結果,D2Dオペレーションおよび
D2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。
オ 【0057】
図14は,本発明の一例による処理140のフローチャートである。処
理140は,D2Dオペレーションを処理するために通信デバイスにおい
て利用され得る。処理140は,コンパイルされてプログラムコード21
4となり得,以下のステップを含む。
【0058】
ステップ1400:開始
ステップ1402:ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行
するための第1のサブフレームを決定する。
【0059】
ステップ1404:第1のサブフレームがD2D送信サブフレームでな
いとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションの実行をスト
ップする。
【0060】
ステップ1406:第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであ
るとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションを実行し,第
1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップする。
【0061】
ステップ1408:終了
処理140によれば,通信デバイスは,ネットワークに対してD2Cオ
ペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定し得る。次に,

通信デバイスは,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームでないと
き,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションの実行をストップ
し得る。第1のサブフレームは,発見,通信および/または同期のための
D2D送信サブフレームとして,ネットワークによって構成され得る。加
えて,通信デバイスは,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームで
あるとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションを実行し得,
第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップし得る。言
い換えると,D2Cオペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの
優先度よりも高い。もし,D2Cオペレーションが,(例えば,キャリア
アグリゲーション(CA)がサポートされているときに,例えば, (例,
同じ
サービング)セルの,または異なる(例,サービング)セルの)同じサブ
フレームにおいて実行されるようにスケジュールされているならば,D2
Dオペレーションはサブフレームにおいて実行されないことがあり得る。
D2Cオペレーションは,HARQフィードバックおよび/またはPUS
CHの送信を含み得る。一例において,HARQフィードバックは,物理
UL制御チャネル(PUCCH)を介して送信され得る。一例において,
ULパッケージ(例,UL-SCH)と乗算されたHARQフィードバッ
クがPUSCHを介して送信され得る。D2Dオペレーションは,D2D
信号(例,パッケージ)の送信を含み得る。このように,D2Dオペレー
ションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,上述に従って解決される。
その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的
に実行され得る。
【0062】
本発明の実現は,上述に限定されない。
【0063】
一例において,処理140において通信デバイスは,第1のサブフレー

ムが,D2Dオペレーションが何もないD2D送信サブフレームであると
き,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行し得る。一
例において,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであり,第2
のサブフレームがD2Dオペレーションに従う第1のサブフレームに対応
する再送サブフレームであるとき,通信デバイスはさらに,第2のサブフ
レームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。す
なわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにおい
て必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレ
ームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをス
トップする。一例において,第1のサブフレームがD2D送信サブフレー
ムであり,第3のサブフレームが第1のサブフレームにおけるD2Dオペ
レーションのためにスケジュール割当てによってスケジュールされている
とき,処理140において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにお
けるD2Dオペレーションをストップ(例,スケジュール割当てをドロッ
プ)し得る。すなわち,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーショ
ンは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガー
がかけられるので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第3のサ
ブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例に
おいて,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであり,第4のサ
ブフレームがD2D送信サブフレームであり(このD2Dオペレーション
もストップされる),第3のサブフレームが,第1のサブフレームおよび
第4のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジュール
割当てによってスケジュールされるとき,処理140において通信デバイ
スはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップ
し得る。すなわち,もし,衝突が,スケジュール割当てを運ぶ第1のサブ
フレームおよび第4のサブフレームにおいて発生するならば,通信デバイ

スは,第3のサブフレームにおいてD2Dオペレーションをストップする。
【0064】
当業者は,上記の説明および実施例についての組合せ,修正および/ま
たは変更を容易に行い得る。推奨されたステップを含む上記の説明,ステ
ップおよび/または処理は,ハードウェア,ソフトウェア,(ハードウェ
アデバイスと,コンピュータ命令と,ハードウェアデバイス上のリードオ
ンリーソフトウェアとして存在するデータと,の組合せとして知られる)
ファームウェア,電子システム,またはそれらの組み合わせであり得る手
段によって実現され得る。上記手段の一例は,通信デバイス20であり得
る。
カ 【0068】
まとめると,本発明は,D2Dオペレーションを処理する方法を提供す
る。このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の
衝突は,上述に従って解決される。その結果,D2Dオペレーションおよ
びD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。
(2) 前記(1)の記載事項によれば,本件明細書の発明の詳細には,次のような
開示があることが認められる。
ア UEがeNBのセルのカバレージエリア内にあり,一群のUEがULリ
ソース(例,eNBによって構成されるULサブフレーム)を介してお互
いに通信し得るデバイスツーデバイス(D2D)通信とデバイスツーセル
ラ(D2C)通信の両方が当該セルによってサポートされている状況にお
いては,UEはデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションとデバイ
スツーセルラ(D2C)オペレーションを同時に実行し得るが,D2Dオ
ペレーションがD2Cオペレーションによって影響され,D2Dオペレー
ション及びD2Cオペレーションが規則的に実行されないことがあり得る
ところ,このようなD2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間

の衝突は,解決されるべき重要な問題である(【0004】ないし【00
06】)。
イ 「本発明」は,上記問題を解決するため,ネットワークに対してデバイ
スツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレ
ームを決定するステップと,D2CオペレーションがD2Dオペレーショ
ンと衝突しないとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーション
を実行するステップと,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーショ
ンがD2Dオペレーションと衝突するとき,第1のサブフレームにおいて
D2Cオペレーションを実行し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペ
レーションをストップするステップと,を含む通信デバイスのためのデバ
イスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法を提供するも
のである(【0009】,【0011】)。このように第1のサブフレー
ムにおいてD2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突するとき
に,D2Cオペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの優先度よ
りも高くすることにより,上記衝突が解決され,その結果,D2Dオペレ
ーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る(【00
20】)。
2 引用例の記載事項について
(1) 引用例(米国特許出願公開第2014/0004867号明細書。原文甲
1・訳文乙5)には,次のような記載があることが認められる(下記記載中
に引用する図8及び図13については別紙2を参照)。
ア [0003] 本発明の例示的な実施形態は,一般に,デバイスツーデバ
イス(D2D)通信方法に関し,より詳細には,セルラーベースの無線移
動通信システムにおいてD2D通信を実行するために必要なチャネル状態
測定,データ送信/受信,及び電力制御方法に関する。
[0005] D2D通信は,基地局を介さずに隣接する2つの機器間で直

接データ送信/受信が行われる通信方式である。すなわち,そのうちの一
方がデータソース及びデータ宛先としてそれぞれ機能し,互いに通信する。
[0006] D2D通信が効率的に使用され得るユースケースについて
様々な議論がなされ得る。例えば,D2D通信は,ロックコンサートなど
で観客に大量のデータ(例えば,ロックコンサートの番組及びミュージシ
ャンに関する情報)を提供するローカルメディアサーバで使用され得る。
[0007] このとき,サービングセルに接続されたデバイスは既存のセ
ルラーリンクを用いて電話通信やインターネットアクセスなどを行うこと
ができるが,D2D方式に従いD2D通信の通信相手として動作するロー
カルメディアサーバからの上述した大量のデータを直接送信/受信する。
一方,D2Dリンクは,異なるサービングセル内のデバイス間,及び同じ
サービングセル内のデバイス間で確立され得る。
[0008] 上述したD2D通信におけるセルラーネットワークベースの
D2D通信方式は,他のデバイスと通信することを望むデバイスが,制御
を行う中央ノード(セルラーネットワークの基地局) にリンク確立を要求
し,中央ノードが,通信相手のデバイスが前記デバイスの周辺に位置して
いる場合に,D2D通信のための無線リソースを割り当てることによって
前記デバイスが通信相手デバイスとD2D通信を行うことを可能にする方
式である。
[0009] このとき,デバイスの全般的な動作は中央ノードによって管
理され,セルラーリンク又は別のD2Dリンクに割り当てられたD2D通
信用の無線リソースは再利用することができる。
[0010] 従来技術の既存のセルラー方式の通信及び上述したD2D通
信には,多くの利点及び欠点が共存する。したがって,セルラー方式の移
動通信と上述のD2D通信とを組み合わせた通信システムが,最終的に普
及することが予想される。

[0011] しかしながら,上述したD2D通信を行うために必要なD2
D通信の適応送信,スケジューリング,及び電力制御のような多くの技術
は,現在のセルラーネットワークではサポートされない。
[0012] したがって,本発明の例示的な実施形態は,関連技術の制限
及び不都合による1つ又は複数の問題を実質的に回避するために提供され
る。
イ [0126] D2D通信のデータ送信/受信方法
[0127] 以下,D2D通信のデータ送信/受信方法について説明する。
以下の説明では,デバイスと基地局との間の通信は周波数分割に基づいて
おり,D2D通信はデバイスと基地局との間の通信に使用されるUL周波
数帯域を使用すると仮定する。しかしながら,本発明の基本概念は他の方
式にも適用可能である。
[0128] 以下の実施形態では,第1のデバイスから第2のデバイスへ
のリンク(第1のD2Dリンク)に基づいてデータの送信/受信方法を説
明する。すなわち,以下の説明では,第1デバイスはD2D通信の送信デ
バイスであり,第2デバイスはD2D通信の受信デバイスである。他に定
義されない限り,後述するように,第1デバイスから第2デバイスへのリ
ンクのデータ送信/受信方式は,第2デバイスから第1デバイスへのリン
ク(第2のD2Dリンク)のデータ送信/受信にも同様に適用できる。
[0129] 基本的に,第1のD2Dリンクと第2のD2Dリンクは独立
して動作し得る。しかしながら,第1のデバイスから第2のデバイスへの
リンク(第1のD2Dリンク)が存在する状態で,第2のデバイスから第
1のデバイスへのリンク(第2のD2Dリンク)が追加される場合のリン
ク間の接続動作,又は第1のD2Dリンクと第2のD2Dリンクが存在す
る状態でD2Dリンクが解放される場合のリンク間の接続動作については,
以下の実施形態のうちの第5及び第6の実施形態で説明する。

[0130] 第1のデバイスから第2のデバイスへのリンクに対して,複
数のハイブリッド自動再送要求(HARQ)処理が存在し得る。HARQ
処理の動作手順は同じであり,互いに独立して動作する。他に定義されな
い限り,1つのHARQ処理がここに説明される。
[0131] スケジューリングは,初送のためのスケジューリングと再送
のためのスケジューリングとに分けられ得る。ここで,再送は,初送を介
して送信されたデータを再送するオペレーションであり,再送の送信フォ
ーマットは,初送の送信フォーマットと同一又は異なり得る。
[0133] ここで,送信フォーマットは,リソース割当て情報,変調及
び符号化情報,冗長バージョン情報,プリコーディング情報等の組合せを
含み得る。データが複数のトランスポートブロックを含むとき,上述した
プロセスがそれぞれのトランスポートブロックに適用され得る。
ウ 「3) 第3の実施形態」
[0178] 次に,本発明に係るデータ送信/受信方法の第3の実施形態
について説明する。
[0179] 図8は,本発明に係るD2D通信のデータ送信/受信方法の
第3の実施形態を示すサブフレームタイミング図である。
[0180] 第3の実施形態では,第1の基地局810により第1のデバ
イス811に送信される2種類の送信割当て情報831がある。1つのタ
イプはスケジューリング開始を示す送信活性化割当て情報であり,もう1
つのタイプはスケジューリング終了を表す送信解除割当て情報である。
[0181] 第1のデバイス811が送信割当て情報(活性化又は解除)
を受信すると,第1のデバイスはa1サブフレーム後に第1の基地局にU
L受信成否情報832を送信する。a1の値は特定の値に予め設定しても
よいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1
のデバイスに通知してもよい。第1の基地局は,送信割当て情報の送信後,

UL受信成否情報のサブフレームを復調する。
[0182] 第1のデバイスが送信活性化割当て情報を受信すると,第1
のデバイスは,送信活性化割当て情報に基づいてデータ833を生成し,
第2のデバイス821にデータ833を送信する。第1のデバイスが新し
い送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスは,以前に受信さ
れた送信活性化割当て情報を無視して,新たな送信活性化割当て情報に基
づいてデータを生成し,第2のデバイスに生成されたデータを送信するよ
うに構成することができる。
[0183] 送信活性化割当て情報は,リソース割当て情報,変調及び符
号化情報,送信プリコーディングマトリクス情報,巡回シフト情報,電力
制御情報,HARQ処理番号情報,キャリア指示情報,周波数ホッピング
指示情報,ULインデックス情報,DL割当てインデックス情報,チャネ
ル状態要求情報,リソース割当てフォーム情報,SRS要求情報,プリコ
ーディングマトリクス決定情報,DL電力オフセット情報,プリコーディ
ング情報,スクランブル情報,レイヤ数情報,アンテナポート情報等の組
み合わせを含んでもよい。第1の実施形態の送信割当て情報に関連して言
及したように,送信活性化割当て情報は,システム構成及び送信フォーマ
ットに従って,リソース割当て情報や変調及び符号化情報等のコア情報を
除いた残りの情報を選択的に含むように構成することができる。
[0184] 第1のデバイスが送信解除割当て情報を受信すると,送信解
除割当て情報に対するUL受信成否情報を送信したサブフレームの後,第
1のデバイスは第2のデバイスにもはやデータを送信しない。
[0185] 送信活性化割当て情報は,リソース割当て情報,変調及び符
号化情報,送信プリコーディングマトリクス情報,巡回シフト情報,電力
制御情報,HARQ処理番号情報,キャリア指示情報,周波数ホッピング
指示情報,ULインデックス情報,DL割当てインデックス情報,チャネ

ル状態要求情報,リソース割当てフォーム情報,SRS要求情報,プリコ
ーディングマトリクス決定情報,DL電力オフセット情報,プリコーディ
ング情報,スクランブル情報,レイヤ数情報,アンテナポート情報等の組
み合わせを含んでもよい。上述した情報のうち一部の情報の値が特定の値
に設定することができる。第1の実施形態の送信割当て情報に関連して言
及したように,送信解除割当て情報は,システム構成及び送信フォーマッ
トに従って,リソース割当て情報や変調及び符号化情報等のコア情報を除
いた残りの情報を選択的に含むように構成することができる。
[0194] 第2のデバイスは,第1のデバイスによって送信されたデー
タ833が成功裏に復調されたかどうかに従って,D2Dリンク受信成否
情報843を第1のデバイスに直接送信する。D2Dリンク受信成否情報
は,ACKとNACKの2つの状態を指示する。
[0195] 第2のデバイスが,第1のデバイスによって送信されたデー
タ833を成功裏に復調した場合,D2Dリンク受信成否情報843はA
CKである。第2のデバイスが,第1のデバイスによって送信されたデー
タ833を成功裏に復調しなかった場合,D2Dリンク受信成否情報84
3はNACKである。データが複数のトランスポートブロックを含むとき,
D2Dリンク受信成否情報はそれぞれのトランスポートブロックに対して
ACKとNACKの2つの状態を指示する。
[0196] 第1のデバイスが第2のデバイスから受信した最新のD2D
リンク受信成否情報がACKである場合,第1のデバイスは初送データを
第2のデバイスへ送信する。第1のデバイスが第2のデバイスから受信し
た最新のD2Dリンク受信成否情報がNACKである場合,第1のデバイ
スは再送データを第2のデバイスへ送信する。ここで,再送は,冗長バー
ジョン情報の変更と,最新の受信した送信活性化割当て情報を使用してデ
ータを生成するオペレーションである。ここで,冗長バージョン情報は何

回再送がなされたかに応じて特定の値に予め設定される。第1のデバイス
は,送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスが送信活性化割
当て情報を受信した後に送信される,最初のデータに関して,データは,
初送データとしていつも生成され送信される。あるいは,第1のデバイス
は,送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスが送信活性化割
当て情報を受信した後に送信される,最初のデータを,初送データ又は再
送データとして決定し,決定された初送データ又は再送データをNDI情
報によって指示し,データを生成して送信し得る。ここ,第1のデバイス
が初送か再送かを決定するとき,第1のデバイスは,最新の受信したD2
Dリンク受信成否情報を使用し得る。
[0202] 第1の基地局はサブフレームm1において送信活性化割当て
情報831を第1のデバイスに送信し得る。第1のデバイスがサブフレー
ムm1において送信活性化割当て情報831を受信すると,第1のデバイ
スはサブフレームm1+a1においてUL受信成否情報832を第1の基
地局に送信する。第1のデバイスはUL受信成否情報を送信したサブフレ
ームのb1サブフレーム後に(サブフレームm1+a1+b1において)
最新の受信した送信活性化割当て情報に従ってデータを生成し,データ8
33とNDI情報834を第2のデバイスに送信する。ここで,b1の値
は特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリ
ングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。ここで,デー
タが初送データか再送データかをNDI情報を介して区別する手法として
トグルスキームが想定され,送信活性化割当て情報が受信された後の最初
のデータが送信されるとき,NDI情報は0と想定される。
[0204] 第1のデバイスは,データ及びNDI情報が送信されたサブ
フレームm1+a1+b1からcサブフレーム後(サブフレームm1+a
1+b1+c)にD2Dリンク受信成否情報843を復調する。ここで,

cの値は,特定の値に予め設定されていてもよいし,第1の基地局が,上
位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよ
い。第1のデバイスは,D2Dリンク受信成否情報が受信されたサブフレ
ームm1+a1+b1+cからdサブフレーム後に(サブフレームm1+
a1+b1+c+dで)データ835及びNDI情報836を第2のデバ
イスに送信する。ここで,dの値は,特定の値に予め設定してもよいし,
第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイ
スに通知してもよい。ここで,第1のデバイスによって受信されたD2D
リンク受信成否情報の状態はNACKであると想定される。それに応じて,
第1のデバイスは再送データを生成し,NDI情報をトグルさせずにデー
タ及びNDI情報を第2のデバイスに送信する。
[0205] 第2のデバイスは,D2Dリンク受信成否情報が送信された
サブフレームm2+a2+b2+cからdサブフレーム後(サブフレーム
m2+a2+b2+c+d)にデータ835及びNDI情報836を復調
する。ここで,dの値は特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局
が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知して
もよい。第2のデバイスは,データ及びNDI情報を受信したcサブフレ
ーム後に(サブフレームm2+a2+b2+2c+dにおいて)D2Dリ
ンク受信成否情報844を第1のデバイスに送信する。ここで,D2Dリ
ンク受信成否情報の状態はACKであると仮定する。
[0206] 第1のデバイスは上記のプロセス(844,837,838,
及び845)を,最新の受信した送信活性化割当て情報に従って,送信解
除割当て情報を受信するまで繰り返す。第2のデバイスは上記のプロセス
(837,838及び845)を最新の受信した受信活性化割当て情報に
従って,受信解除割当て情報を受信するまで繰り返す。
[0207] 第3の実施形態において,第1の基地局は第1のデバイスに

a1,b,c及びdの値を上位レイヤシグナリングを介して通知してもよ
い。さらに,a1,b,c及びdの各値の通知は上位レイヤシグナリング
を介して直接提供されてもよく,a1,b,c及びdの各値は上位レイヤ
シグナルされた値から導出されてもよい。例えば,第1の基地局は第1の
デバイスにデータ再送間隔を上位レイヤシグナリングを介して通知しても
よいし,a1,b,c及びdの各値はデータ再送間隔の半分に設定されて
もよい。
エ 「5)第5の実施形態」
[0226] 次に,本発明に係るデータ送信/受信方法の第5実施形態に
ついて説明する。
[0227] 第5の実施形態では,第3の実施形態に従い,第1のデバイ
スが第2のデバイスにD2Dデータを送信する状態(D2Dのデータ送信
が第1のD2Dリンクを介して行われる状態)で,第2のデバイスが第1
のデバイスにD2Dデータを送信するリンク(第2のD2Dリンク)が追
加的に活性化される処理が説明される。第5の実施形態は,基本的に第3
実施形態の処理を踏襲するので,第5実施形態と第3実施形態の相違点を
中心に説明する。
[0228] 図12及び図13は,本発明に係るD2D通信のデータ送信
/受信方法の第5の実施形態を示すサブフレームタイミング図である。
[0232] まず,第1のデバイスが第1の基地局から受信された第2の
D2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信す
るサブフレームと,第1のD2Dリンクのデータが送信されるサブフレー
ムとが重なる場合,あるいは,第2のデバイスが第2の基地局から受信さ
れた第2のD2Dリンクの送信活性化割当て情報に対するUL受信成否情
報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンクのデータが受信される
サブフレームとが重なる場合の,第2のD2Dリンク及び第1のD2Dリ

ンクのデータ送信/受信処理が,図12を参照して説明される。
[0246] 次に,第1のデバイスが第1の基地局から受信された第2の
D2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信す
るサブフレームと,第1のD2Dリンク受信成否情報を受信するサブフレ
ームとが重なる場合,あるいは,第2のデバイスが第2の基地局から受信
された第2のD2Dリンクの送信活性化割当て情報に対するUL受信成否
情報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンク受信成否情報が送信
されるサブフレームとが重なる場合の,第2のD2Dリンク及び第1のD
2Dリンクのデータ送信/受信処理が,図13を参照して説明される。
[0247] 図13では,第1のD2DリンクのNDI情報及び第2のD
2DリンクのNDI情報に対して割当てスキームが使用されると仮定する。
[0248] 第1の基地局は,サブフレームm1+d+c-a1 (130
1)にて第1のデバイスに第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報を
送信してもよい。第1のデバイスがサブフレームm1+d+c-a1にて
第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイ
スはサブフレームm1+d+c (1302)にて第2のD2Dリンクの受
信活性化割当て情報に対応するUL受信成否情報を第1の基地局に送信す
る。この時点で,前記サブフレームm1+d+c (1302)は,上述の第
3の実施形態によれば,第1のD2Dリンクの受信成否情報が第2のデバ
イスから受信すべきサブフレームと重なることがある。すなわち,第2の
D2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報が第1の
基地局から受信される(判決注・「第1の基地局から受信される」は,「第
1の基地局に送信される」の誤記と認める。)サブフレームが,第1のD
2Dリンクを介して送信されるデータの受信成否情報が第2のデバイスか
ら受信されるサブフレームと重なった場合,第1のデバイスは,前記第2
のデバイスから受信成否情報を受信するよりも,第2の基地局(判決注・

「第2の基地局」は「第1の基地局」の誤記と認める。)から受信された
第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報の
送信を優先的に行う。
[0249] 第1のデバイスは,サブフレームm1+dで第2のデバイス
から(判決注・「第2のデバイスから」は,「第1のデバイスから」の誤
記と認める。)第2のデバイスへと送信された第1のD2Dリンクのデー
タについての受信成否情報を受信していないため,無駄な電力消費を防止
するため,第1のデバイスは,UL受信成否情報が送信されたサブフレー
ムからdサブフレーム後のサブフレームm1+2d+c (1303)では
第1のD2Dリンクのデータを送信しなくてもよい。第1のデバイスは,
第1のD2Dリンクのデータについての受信成否情報をサブフレームm1
+2d+2cにて受信した後,第1のD2Dリンクのデータについての受
信成否情報に基づいて,サブフレームm1+3d+2cにおいて第1のD
2Dリンクのデータを第2のデバイスに送信してもよい。
[0250] さらに,第1のデバイスはサブフレームm1+2d+c (1
303)において第1のD2Dリンクのデータを送信してもよい。このとき,
第1のデバイスは第1のD2Dリンクのデータ(すなわち,サブフレーム
1303のデータ)を初送又は再送し,第2のD2Dリンクの受信活性化
割当て情報を受信した後の最初の送信となる。すなわち,第1のデバイス
は,新規の受信活性化割当て情報(第2のD2Dリンクの受信活性化割当
て情報)が受信された後に最初に送信される第1のD2Dリンクのデータ
が常に初送又は再送にて送信されるように構成されてもよい。
(2) 前記(1)の記載事項によれば,引用例には,次のような開示があることが
認められる。
ア 従来技術の既存のセルラー方式の移動通信とD2D通信(他のデバイス
と通信することを望むデバイスが,制御を行う中央ノード(セルラーネッ

トワークの基地局) にリンク確立を要求し,中央ノードが,通信相手のデ
バイスが前記デバイスの周辺に位置している場合に,D2D通信のための
無線リソースを割り当てることによって前記デバイスが通信相手デバイス
とD2D通信を行うことを可能にするD2D通信方式によるD2D通信)
とを組み合わせた通信システムにおいては,D2D通信を行うために必要
なD2D通信の適応送信,スケジューリング及び電力制御のような多くの
技術が,現在のセルラーネットワークではサポートされないという問題が
ある([0008], [0010],[0012])。
イ 「本発明の例示的な実施形態」は,関連技術の制限及び不都合による1
つ又は複数の問題を実質的に回避するために提供される( [0012])。
3 一致点の認定の誤り及び相違点の看過について
原告は,引用発明は,本件補正発明の「前記D2Cオペレーションが前記第
1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフ
レームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのための
スケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサ
ブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ」の構
成(本件構成E-1)を備えていないから,本件審決認定の一致点のうち,両
発明が上記構成を備える点で一致すると認定したのは誤りであり,本件審決に
は相違点の看過がある旨主張するので,以下において判断する。
(1) 本件補正発明の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける
前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジ
ュールされているとき」の意義について
ア(ア) 本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載によれば,本件
補正発明は,「ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オ
ペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ
(302)」と,「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレー

ムにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレ
ーションを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(30
4)」と,「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにお
いて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーシ
ョンを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレー
ムにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(30
6)」(本件構成D)と,を備え,「前記方法はさらに,前記D2Cオ
ペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーシ
ョンと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける
前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってス
ケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2
Dオペレーションをストップするステップ」(本件構成E-1)を備え
る「通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーシ
ョンを処理する方法」を含むことの記載がある。
上記記載から,本件構成E-1は,「前記D2Cオペレーションが前
記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突すると
き,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行
し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをスト
ップするステップ」(本件構成D)を前提とし,「さらに」付加された
ステップであると理解できるから,本件構成Dと本件構成E-1とは関
連付けて解釈すべきものである。
そうすると,本件構成E-1の「前記D2Cオペレーションが前記第
1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3の
サブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーシ
ョンのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされている
とき」とは,本件構成Dの「前記D2Cオペレーションが前記第1のサ

ブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,前記D2Cオ
ペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサ
ブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップ」するステッ
プが行われた場合において,「第3のサブフレームが前記第1のサブフ
レームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割
当てによってスケジュールされているとき」を意味するものであり,本
件構成E-1は,このときに,「前記第3のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションをストップするステップ」を備えることを規定し
たものと解される。このように本件構成E-1のステップでは,「前記
第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」及び「前記第
3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」のいずれもがス
トップされると解される。
このような解釈は,本件明細書の【0023】における「第3のサブ
フレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけ
るスケジュール割当てによってトリガーがかけられるので」,通信デバ
イスは,「第1のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方におい
てD2Dオペレーションをストップする。」との記載と整合するもので
ある。
以上の本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の文言及び本件明
細書の上記記載から,本件構成E-1の「前記第1のサブフレームにお
ける前記D2Dオペレーション」は「前記第1のサブフレームで実行さ
れるD2Dオペレーション」を意味するものと解されるから,本件構成
E-1の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジ
ュールされているとき」とは,スケジューリング割当てが「第1のサブ
フレームで実行されるD2Dオペレーション」のためのものであり,当

該スケジューリング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケ
ジュールされているときを含むものと解するのが相当である。
(イ) 次に,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)には,本件構成
E-1の「前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」
の内容を規定する記載はない。
また,本件明細書には,「D2Cオペレーションが第1のサブフレー
ムにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームがD2
Dオペレーションによる第1のサブフレームに対応する再送サブフレー
ムであるとき,処理30において通信デバイスはさらに第2のサブフレ
ームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。す
なわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにお
いて必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブ
フレームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーショ
ンをストップする。」(【0023】)との記載があり,この記載は,
「第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーション」は,「(例,再
送)」の送受信であることを示すものといえる。一方で,「第3のサブ
フレームにおけるD2Dオペレーション」については,本件明細書全体
をみても,「再送」の送受信を除外する記載も示唆もない。
そうすると,本件構成E―1の「前記第3のサブフレームにおける前
記D2Dオペレーション」は,「前記第1のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」によって,併
せてスケジュールされている「初期送受信」又は「再送」の送受信の双
方が含まれるものと解するのが相当である。
イ これに対し原告は,①本件補正発明の特許請求の範囲の記載及び本件明
細書の記載においては,初期送受信のサブフレームと再送サブフレームを
区別しており,「再送」という文言が用いられていない「第3のサブフレ

ーム」は,初期送受信のサブフレームを意味するものであるから,本件構
成E-1の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュ
ールされているとき」にいう「スケジューリング割当てによってスケジュ
ール」された「前記D2Dオペレーション」は,初期送受信であること,
②本件明細書の【0023】記載の「第3のサブフレームにおけるD2D
オペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによ
ってトリガーがかけられる」とは,第3のサブフレームにおけるD2Dオ
ペレーションが,「第1のサブフレームにおけるスケジュール割当て」に
よって「スケジュールされる」ことを意味すること,③本件補正発明の特
許請求の範囲の文言,本件明細書の【0023】の記載及び技術常識によ
れば,本件構成E-1の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレーム
における前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによ
ってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記
D2Dオペレーションをストップする」とは,第1のデバイスが,第2の
デバイスとの「初期送信」(「前記D2Dオペレーション」)のためのス
ケジューリング割当てを用意したが,そのスケジューリング割当てを「前
記第1のサブフレーム」においてD2Dオペレーションで第2のデバイス
に対して送信することをストップすることを意味することからすれば,本
件構成E-1の「第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける
前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケ
ジュールされている」とは,「第3のサブフレーム」が「前記第1のサブ
フレーム」において第1のデバイスがD2Dオペレーションで行った,第
1のデバイスと第2のデバイスとの初期送信(「前記D2Dオペレーショ
ン」)のための「スケジューリング割当てによってスケジュールされてい
る」ことを意味する旨主張する。

しかしながら,上記①の点については,前記ア(イ)のとおり,本件構成
E―1の「前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」
は,「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのため
のスケジューリング割当て」によって,併せてスケジュールされている「初
期送受信」又は「再送」の送受信の双方が含まれるものと解するのが相当
であり,これを「再送」の送受信に限定する理由はない。
次に,上記②及び③の点については,本件補正発明の特許請求の範囲及
び本件明細書のいずれにおいても,本件構成E-1の「第3のサブフレー
ムが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのための
スケジューリング割当て」がデバイス間のD2Dオペレーションで行われ
ることや,「スケジューリング割当て」を行う主体が第1のデバイスであ
ることについては記載も示唆もないから,理由がない。かえって,前記ア
(ア)のとおり,本件構成Dと本件構成E-1とは関連付けて解釈すべきも
のであり,本件構成E-1の「前記第1のサブフレームにおける前記D2
Dオペレーション」は「第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレー
ション」を意味するものと解され,しかも,本件補正発明においては,本
件構成Dにより,当該「第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレー
ション」「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション」
( )
はストップされているのであるから,第1のサブフレームにおいて,「第
3のサブフレームにおけるD2Dオペレーション」が「スケジューリング
割当て」によって「スケジュールされている」という事態を想定すること
ができない。原告がいうような「第1のデバイスが,第2のデバイスとの
「初期送信」(「前記D2Dオペレーション」)のためのスケジューリン
グ割当てを用意した」というだけでは,「前記第3のサブフレームにおけ
る前記D2Dオペレーション」が「スケジューリング割当てによってスケ
ジュールされている」とまではいえない。

したがって,原告の上記主張は,採用することはできない。
(2) 引用発明における本件構成E-1に相当する構成の有無について
ア 引用例の記載 ([0181],[0207] ,[0248],[0249]及
び図13)によれば,引用発明においては,図13に示すように,上位レ
イヤシグナリングとして基地局から受信するサブフレームの間隔であるc
及びdに基づいて,「第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情
報を送信するためのサブフレーム(m1+d+c(1302) を決定し,

第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報の送信が決定された
前記サブフレーム(m1+d+c(1302))において第2のデバイス
(1321)からの第1のD2Dリンクの受信成否情報の受信と重なると
き,第1の基地局に対する前記送信を前記サブフレーム(m1+d+c(1
302) において実行し,
) 前記サブフレーム(m1+d+c(1302))
における第2のデバイス(1321)からの前記受信をストップし」,さ
らに,「第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報の前記送信
が決定された前記サブフレーム(m1+d+c(1302))において第
2のデバイス(1321)からの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前
記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信
(m1+d,m1+2d+c,m1+3d+2c)に対する第2のデバイ
スからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為さ
れ(m1+d+c,m1+2d+2c,m1+3d+3c),第2のデバ
イス(1321)からの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイス
への第1のD2Dリンクのデータの再送(NACKの場合,NDI=1)
又は次のデータの送信(ACKの場合,NDI=0)が受信成否情報の受
信(m1+d+c,m1+2d+2c,m1+3d+3c)からdサブフ
レーム後に為され(m1+2d+c,m1+3d+2c,m1+4d+3
c),これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の

受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信(再送(NACKの場合)
又は次のデータの送信(ACKの場合)をしない」ことが開示されている
ことが認められる。また,引用例の[0181]には,引用発明の「第1の
基地局(1310)に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前
記サブフレーム(m1+d+c(1302))」は,第1のデバイスにお
いてプリセット又は上位レイヤシグナリングを介して通知されたa1の値
に基づいて決定されることが開示されていることが認められる。
そうすると,引用発明の「第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデ
ータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの
送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否
情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再
送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為
され,これらの動作が繰り返されるとき」においては,上位レイヤシグナ
リングとして基地局から受信するサブフレームの間隔であるc及びdに基
づいて,データの送信(再送又は次のデータの送信)が,前回のデータの
送信の受信成否情報の受信のdサブフレーム後としてスケジュールされて
おり,受信成否情報の受信が当該受信成否情報に係るデータの送信のcサ
ブフレーム後としてスケジュールされているということができるから,引
用発明の「第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2の
デバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信」
と「第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の受信」と
は,一方に対するスケジューリング割当てにより,そのcサブフレーム後
あるいはdサブフレーム後に,他方がスケジュールされている関係にある
ものと認められる。
ここで,本件補正発明の本件構成E-1のうち「第3のサブフレームが
前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケ

ジューリング割当てによってスケジュールされているとき」は,第3のサ
ブフレームが「前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーショ
ンのためのスケジューリング割当て」によって,併せてスケジュールされ
ているときを含み,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションの
ためのスケジューリングは,初期送信のためのスケジューリング及び再送
のためのスケジューリングの双方が含まれることは前記(1)アのとおりで
あるから,引用発明の「第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に
基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデ
ータの送信」は,本件構成E-1の「第3のサブフレームが前記第1のサ
ブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング
割当てによってスケジュールされているとき」の「第3のサブフレームに
おけるD2Dオペレーション」に相当するといえる。そして,引用発明の
「受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータ
を送信しない」ことは,本件構成E-1の「前記第3のサブフレームにお
ける前記D2Dオペレーションをストップする」ことに相当するといえる。
したがって,引用発明の「第1の基地局に対するUL受信成否情報の前
記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1
のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの
第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成
否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後にされ,第2のデバイ
スからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2
Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信から
dサブフレーム後にされ,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなか
った受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しな
い」は,本件構成E-1の「前記D2Cオペレーションが前記第1のサブ
フレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレー

ムが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのための
スケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3
のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステッ
プ」に相当するということができるから,引用発明は,本件構成E-1に
相当する構成を備えていることが認められる。
イ これに対し原告は,①引用例には,リソース情報をコア情報として含む
べき「スケジューリング割当て」によるスケジューリング(初期送信のた
めのスケジューリング)については何ら記載がないから,引用発明の「受
信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデー
タの再送又は次のデータの送信」が「為され」る「サブフレーム」(サブ
フレームml+2d+c(1303))は,再送のスケジューリングに関
する情報によってスケジューリングされているサブフレームにすぎず,ス
ケジューリング割当てによってスケジュールされている「第3のサブフレ
ーム」に該当しないこと,②引用例には,引用発明において,「D2Dオ
ペレーションのためのスケジューリング割当て」が基地局とデバイスとの
間のD2Cオペレーションとして送受信されることが記載されているにす
ぎず,「D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当て」が,デ
バイス間のD2Dオペレーションとして送受信されることについては,開
示も示唆もないことによれば,引用発明が本件構成E-1の「第3のサブ
フレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションの
ためのスケジューリング割当てによってスケジュールされ」るとの構成を
備えているといえない旨主張する。
しかしながら,上記①の点については,第3のサブフレームにおけるD
2Dオペレーションのためのスケジューリングは,初期送信のためのスケ
ジューリング及び再送のためのスケジューリングの双方が含まれることは
前記(1)ア(イ)のとおりであるから,その前提において理由がない。

また,上記②の点については,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項
1)の記載中には,「D2Dオペレーションのためのスケジューリング割
当て」が基地局とデバイスとの間のD2Cオペレーションとして送受信さ
れることを除外する記載はない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(3) 小括
以上によれば,本件審決の一致点の認定に誤りはないから,本件審決にお
ける一致点の認定の誤り及び相違点の看過を理由に本件補正発明の進歩性を
否定した本件審決の判断に誤りがあるとの原告主張の取消事由は,その前提
において,理由がない。
4 結論
以上のとおり,原告主張の取消事由は理由がないから,本件審決を取り消す
べき違法は認められない。
したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。

知的財産高等裁判所第4部

裁判長裁判官 大 鷹 一 郎


裁判官 古 河 謙 一


裁判官 岡 山 忠 広


(別紙1)

図1


図3


(別紙2)

図8


図13

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