平成24(ワ)25483損害賠償等請求事件
判決文PDF
▶ 最新の判決一覧に戻る
裁判所 |
認容 東京地方裁判所
|
裁判年月日 |
平成24年12月25日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
被告有限会社フォープラス 原告丸善出版株式会社佐々木奏
|
法令 |
著作権
著作権法114条2項1回
|
キーワード |
損害賠償3回 分割2回 侵害1回 差止1回
|
主文 |
1 被告は,別紙被告商品目録記載のDVD商品を複製し,頒布してはならない。
2 被告は,前項記載の商品の在庫品及びその原版を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,2671万5700円及びこれに対する平成24年10月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,仮に執行することができる。 |
事件の概要 |
|
▶ 前の判決 ▶ 次の判決 ▶ 著作権に関する裁判例
本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。
判決文
平成24年12月25日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成24年(ワ)第25483号 損害賠償等請求事件
口頭弁論の終結の日 平成24年10月30日
判 決
東京都千代田区<以下略>
原 告 丸 善 出 版 株 式 会 社
同訴訟代理人弁護士 吉 羽 真 一 郎
佐 々 木 奏
愛知県春日井市<以下略>
被 告 有限会社フォープラス
主 文
1 被告は,別紙被告商品目録記載のDVD商品を複製し,頒布してはならない。
2 被告は,前項記載の商品の在庫品及びその原版を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,2671万5700円及びこれに対する平成24年1
0月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
1 原告訴訟代理人は,主文第1ないし第4項と同旨の判決及び仮執行の宣言を
求め,請求の原因として,次のとおり述べた。
(1) 丸善株式会社(以下「丸善」という。)は,平成13年から平成14年に
かけて,DVDに収録された映像コンテンツである別紙作品目録記載の作品
(以下「本件作品」という。)を制作して,その著作権を有していた。
(2) 丸善は,出版事業部の書籍,雑誌の出版等の事業を分社化するために新
設分割をし,原告は,平成23年2月1日,上記新設分割により設立されて,
本件作品の著作権を,その侵害に基づく損害賠償請求権を含めて承継した。
(3) 被告は,平成14年ころから平成24年7月までの間,本件作品を複製
した別紙被告商品目録記載のDVD商品(以下「被告商品」という。)を少
なくとも163セット制作し,販売した。
(4) 被告は,被告商品を1セット当たり15万円で販売したところ,被告商
品1セット当たりの製造原価は1000円を超えないから,被告は,被告商
品の制作販売行為により,少なくとも2428万7000円(14万900
0円×163セット)の利益を得た。
(5) 被告による被告商品の制作販売行為と相当因果関係がある弁護士費用の
額は,242万8700円である。
よって,原告は,被告に対し,著作権法112条に基づき,被告商品の複製,
頒布の差止め並びに被告商品の在庫品及びその原版の廃棄を求めるとともに,
民法709条,著作権法114条2項に基づき,損害賠償として2671万5
700円及びこれに対する不法行為の後の日である訴状送達の日の翌日から
支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
2 被告代表者は,本件口頭弁論期日に出頭しないが,陳述したものとみなした
答弁書に記載された事項によれば,被告は,「原告の請求を棄却する。訴訟費
用は原告の負担とする。」との裁判を求め,請求の原因に対し,
「請求の原因(1)
のうち,丸善が本件作品の著作権を有していたことは知らないが,その余の事
実は認める。同(2)の事実は知らない。同(3)ないし(5)の各事実は否認する。
被告は丸善の了解を得て被告商品を販売した。」と認否したものである。
3 丸善が平成13年から平成14年にかけて本件作品を制作したことは,当事
者間に争いがなく,証拠(甲1ないし9)及び弁論の全趣旨によれば,請求の
原因(1)のその余の部分及び請求の原因(2)ないし(5)の各事実が認められる。
なお,被告は,丸善の了解を得て被告商品を販売したと主張するが,被告が
販売した163セットの被告商品について,被告が丸善から了解を得たことを
認めるに足りる証拠はない。
以上によれば,原告の請求は全て理由がある(訴状送達の日の翌日が平成2
4年10月18日であることは,記録上明らかである。 。
)
4 よって,原告の請求をいずれも認容することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 高 野 輝 久
裁判官 三 井 大 有
裁判官 小 川 卓 逸
被 告 商 品 目 録
題 名 これからの吹奏楽 楽器編(全16巻)
木管楽器 1:フルート/ピッコロ
木管楽器 2:クラリネット(B♭)
木管楽器 3:E♭/アルト/バス/コントラアルト
コントラバスクラリネット
木管楽器 4:オーボエ/イングリッシュホルン
木管楽器 5:ファゴット
木管楽器 6:サキソフォン①ソプラノ/アルト
木管楽器 7:サキソフォン②テナー/バリトン
金管楽器 1:トランペット①
コルネット/フリューゲルホルン
金管楽器 2:トランペット②
コルネット/フリューゲルホルン
金管楽器 3:トロンボーン/バストロンボーン
金管楽器 4:ホルン
金管楽器 5:ユーフォニアム
金管楽器 6:テューバ
打楽器・弦楽器 1:打楽器①
打楽器・弦楽器 2:打楽器②
打楽器・弦楽器 3:コントラバス/ハープ
作 品 目 録
題 名 これからの吹奏楽 楽器編(全16巻)
木管楽器 1:フルート/ピッコロ
木管楽器 2:クラリネット(B♭)
木管楽器 3:E♭/アルト/バス/コントラアルト
コントラバスクラリネット
木管楽器 4:オーボエ/イングリッシュホルン
木管楽器 5:ファゴット
木管楽器 6:サキソフォン①ソプラノ/アルト
木管楽器 7:サキソフォン②テナー/バリトン
金管楽器 1:トランペット①
コルネット/フリューゲルホルン
金管楽器 2:トランペット②
コルネット/フリューゲルホルン
金管楽器 3:トロンボーン/バストロンボーン
金管楽器 4:ホルン
金管楽器 5:ユーフォニアム
金管楽器 6:テューバ
打楽器・弦楽器 1:打楽器①
打楽器・弦楽器 2:打楽器②
打楽器・弦楽器 3:コントラバス/ハープ
製作年 平成13年から平成14年
最新の判決一覧に戻る