ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和2(ワ)1667 著作権侵害損害賠償請求事件
| 裁判所 | 一部認容 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和2年10月23日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告A 被告株式会社アドエイト |
| 法令 |
著作権 著作権法23条1項2回 著作権法10条1項8号2回 著作権法23条1回 著作権法19条1項1回 著作権法114条3項1回 |
| キーワード | 侵害42回 損害賠償9回 許諾3回 |
| 主文 | 1 被告は,原告に対し,14万円及びこれに対する令和2年2月1515 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを10分し,その1を被告の負担とし,その余は原 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。20 |
| 事件の概要 | 本件は,原告が,被告の管理するウェブサイトに原告が撮影した写真が掲載 され公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたなどと主張して,被告に対し,不 法行為に基づき,損害賠償金144万円及びこれに対する不法行為の後の日で ある令和2年2月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成 29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合に よる遅延損害金の支払を求める事案である。5 |
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令和2年10月23日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官
令和2年(ワ)第1667号 著作権侵害損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 令和2年9月11日
判 決
原 告 A
同訴訟代理人弁護士 山 岡 裕 明
同 杉 本 賢 太
同 千 葉 哲 也
同 訴訟 復 代 理 人 弁護 士 長 野 英 樹
被 告 株式会社アドエイト
主 文
1 被告は,原告に対し,14万円及びこれに対する令和2年2月15
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その1を被告の負担とし,その余は原
告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告は,原告に対し,144万円及びこれに対する令和2年2月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,原告が,被告の管理するウェブサイトに原告が撮影した写真が掲載され公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたなどと主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金144万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和2年2月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合に
5 よる遅延損害金の支払を求める事案である。1 前提事実(当事者間に争いがないか,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)
⑴ 当事者ア 原告は,結婚式における写真撮影を業とするカメラマンである(甲1,2)。イ 被告は,インターネットによる情報サービス業を営む株式会社である(争いのない事実)。
⑵ 本件各写真についてア 原告は,結婚式での写真撮影の依頼を受けて,平成23年3月20日,結婚式場において,新郎新婦及びその家族の姿を撮影し,別紙写真目録記載1の写真(以下「本件写真1」という。)を作成し,原告のブログに掲載した(甲1,弁論の全趣旨)。イ 原告は,結婚式での写真撮影の依頼を受けて,平成24年10月21日,結婚式場において,ロゼット等が写っているテーブルコーディネートを撮影し,別紙写真目録記載2の写真(以下「本件写真2」といい,本件写真1と併せて「本件各写真」という。)を作成し,原告のブログに掲載した(甲2,弁論の全趣旨)。
⑶ 本件サイト売買についてア 被告は,平成28年1月末頃,訴外B(以下「B」という。)から,本件各写真を含めて多数の写真が掲載されるなどしていたウェブサイト(以下「本件サイト」と総称する。)の情報が記録されたサーバの利用権限やそのサイトのドメイン名の使用権等を255万円で購入した(以下「本件サイト売買」という。 (乙2,5〜7,9,弁論の全趣旨)) 。イ 被告は,平成28年2月3日,上記サーバの利用権限等の名義をBから被告に変更する手続を完了し,以降,被告が本件サイトを管理,運営して
5 いる(乙9,弁論の全趣旨)。
⑷ 本件訴訟に至る経緯ア 本件サイトには,「憧れの結婚式♡ 結婚式を挙げるまでに乗り越えるべき4つのこと」との標題の下に文章等が記載されたウェブページがあり,そこには結婚式を挙げるまでに考慮しなければならない事項等を述べる文章と共に複数の写真が掲載されていた。その写真の1枚は本件写真1であった。上記ウェブページは,平成27年3月3日に作成されたものであった(甲3,8)。イ 本件サイトには,「今や結婚式の定番♡ロゼットの魅力♡5選」との標題の下に文章等が記載されたウェブページがあり,そこには結婚式で使用されるロゼットの魅力を述べる文章と共に複数の写真が掲載されていた。その写真の1枚は本件写真2であった。上記ウェブページは,同年5月15日に作成されたものであった(以下,本件写真1及び2が掲載されたウェブページを併せて「本件各ページ」という。 (甲4,8)) 。ウ 原告は,平成30年12月5日頃,被告に対し,本件各ページに原告の著作物である本件各写真が掲載されており,原告の著作権及び著作者人格権を侵害するものであり,22万6000円を支払うように通知した(以下「本件通知」という。(甲9,10,弁論の全趣旨)) 。エ 原告は,令和2年1月24日,本件訴訟を提起した(顕著な事実)。オ 被告は,同年2月17日,被告が管理する本件各ページに掲載されていた本件各写真を削除した(弁論の全趣旨)。2 争点
⑴ 被告による公衆送信権侵害の有無
⑵ 被告による氏名表示権侵害の有無
⑶ 被告による条理上の作為義務違反の有無
⑷ 被告の故意又は過失の有無
5 ⑸ 損害額3 争点に対する当事者の主張
⑴ 争点⑴(公衆送信権侵害の有無)について【原告の主張】原告は,本件各写真の著作権者であるところ,被告は,本件各写真をインターネット上で公開し,本件各写真について「公衆からの求めに応じ自動的に」公衆送信を行っていたことから,少なくとも公衆送信権(著作権法23条)侵害が認められる。【被告の主張】原告の主張は争う。本件各写真をサーバにアップロードし,自動公衆送信し得る状態にしたのは,本件サイト売買の売主であり,被告ではない。したがって,被告は,送信可能化権を侵害していない。
⑵ 争点⑵(氏名表示権侵害の有無)について【原告の主張】被告は,原告が著作者であることの表示をせずに本件各写真を利用しており,原告の氏名表示権を侵害している。【被告の主張】原告の主張は争う。氏名表示権は,著作物を利用する際に,利用を許諾したが,氏名の表示がなかった場合のものであるから,本件には該当しない。
⑶ 争点⑶(作為義務違反の有無)について【原告の主張】インターネット上で公開しているウェブサイトにおいて違法な内容が掲載されている場合,仮に自身が著作権侵害行為をしていなかったとしても,ウェブサイトの運営者は,条理上,違法な内容を削除する義務がある。本件において,被告が運営するウェブサイトに本件各写真が掲載されているところ,被告は,原告が上記ウェブサイトのURLを示した平成30年12月5日に
5 は,本件サイトに著作権を侵害する内容が掲載されていることを認識できた。しかるに,被告は,令和2年2月17日まで本件各写真を削除しなかったことからすれば,被告には作為義務違反がある。【被告の主張】原告の主張は争う。
⑷ 争点⑷(故意又は過失)について【原告の主張】被告が本件サイトを購入する際に利用したウェブサイトには「サイト購入時著作権には注意すること」と記載されており,被告は,本件サイト購入時,本件サイトに著作権を侵害する写真が掲載されている可能性があることを認識していた。そして,著作権を侵害しているウェブサイトを売買しインターネット上で公開すれば,公衆送信権侵害となり,また,条理上の削除義務があることからすれば,ウェブサイトの購入者は,これらの権利侵害を未然に防ぐため,条理上,ウェブサイトを購入する際に,著作権違反の内容がないか調査すべき義務を負っている。しかるに,被告は,売主に著作権侵害の文書や画像がないか調査することなく,漫然と本件サイトを購入し,本件各ページをインターネット上で公開しており,調査義務違反の過失がある。また,原告は,平成30年12月5日,被告に対し,本件各ページが著作権及び著作者人格権を侵害している旨の通知を行っており,これにより,被告は,本件各ページが原告の著作権及び著作者人格権を侵害していることを認識・認容しており,故意が認められる。【被告の主張】原告の主張は争う。本件サイトを購入する際に利用したウェブサイトには,「買い手は基本的に著作権に触れているかどうか把握することは難しい」「一般的には損害賠償請求等は,サイトを売った人と著作権違反の警告を出した人の間で行われる」との記載があり,サイト売買の通例では買い手であ
5 る被告には損害賠償の支払義務がない。また,被告が本件サイトを購入した平成28年2月1日時点で,掲載されている画像は3万8000点以上にもおよび,買い手側がこれらの著作権の有無を確認するのは実質的に不可能であり,被告には調査義務はない。なお,原告は,被告に故意があったと主張するが,被告が本件各写真を削除するのが遅れたのは,被告の過失によるものであり,故意によるものではない。
⑸ 争点⑸(損害額)について【原告の主張】原告は,被告による著作権及び著作者人格権侵害により,以下の損害を被った。ア 著作権侵害に基づく損害額 64万円原告は,写真1点の利用料を8万円としているところ,これは,あらかじめ使用許諾を得るための金額であり,本件のように5年間もの間,無断で著作物を使用され続けていた場合には,少なくともその4倍の金銭を受け取ることができるというべきであり,64万円の損害が生じている。これは,協同組合日本写真家ユニオン作成の使用料規程(甲7。以下「本件規程」という。)において,「HPセカンダリーページ」における「商用広告目的」での「インタラクティブ配信」の写真使用料は,12か月以内の場合に5万円となっており,そのため,約5年の場合には25万円,約5年半の場合には,27万5000円となり,本件各写真の利用で合計52万5000円となるが,上記損害額とかい離するものではない。したがって,本件各写真の著作権侵害により,原告には64万円の損害が生じている。イ 著作者人格権侵害に基づく慰謝料 60万円原告は,約5年間又は約5年半もの長期間,不特定かつ多数の者が閲覧
5 可能な本件サイト上において,その氏名表示なく本件各写真が利用されたことで多大な精神的苦痛を被った。原告が被告による著作者人格権侵害により被った精神的苦痛を慰謝するための慰謝料は総額60万円が相当である。ウ 弁護士費用 20万円【被告の主張】原告の主張は争う。大手の写真販売サイトでは本件各写真と同様の精密度の写真が税込み550円から8800円で販売されており,これらの写真の使用期間は永久使用であること,さらに,本件通知の際に本件各写真の削除依頼もなかったことからすれば,お詫び金額として1枚1万円の合計2万円が妥当である。なお,原告は,本件規程の「広告写真使用料」を前提に算定しているが,これは本件サイトのようなブログ掲載時の使用料金には妥当しない。
第3 当裁判所の判断
1 争点⑴(公衆送信権侵害)及び争点⑵(氏名表示権侵害)について
⑴ 本件各写真の著作物性
本件各写真は,別紙写真目録記載のとおりであり,結婚式場における新郎新婦及びその家族の姿(本件写真1)並びにテーブルコーディネート(本件写真2)を被写体とするものであり(前記前提事実⑵),その被写体につき構図や撮影角度,被写体との距離,シャッターチャンスの捕捉,被写体と光線との関係等について撮影者の個性・独自性が表れているといえ,「写真の著作物」(著作権法10条1項8号)に当たると認めることができ,原告は,本件各写真の著作権者といえる。
⑵ 原告の公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害について
前記前提事実,証拠(後掲)及び弁論の全趣旨によれば,①本件サイトには,平成27年5月15日頃までには本件各ページがあり,そこには本件各
5 写真が掲載されて,インターネット上で公開されていたこと,②被告は,平
成28年1月末頃,本件サイトの情報が記録されたサーバの利用権限等を購入し,遅くとも同年2月3日以降,本件各写真が掲載された本件各ページを管理,運営するようになったこと(前提事実⑶ア,同イ,甲3,4),③被告は上記管理,運営等に当たり本件各写真が著作権,著作者人格権を侵害していないかについて調査,確認をしなかったこと(弁論の全趣旨),④原告は,本件各ページを閲覧し本件各写真がインターネット上で公開されていることを把握し,平成30年12月5日頃,被告に対し,本件通知をしたこと(前提事実⑷ウ,甲9,弁論の全趣旨),⑤被告は,令和2年2月17日,本件各ページから本件各写真を削除したが,それまでの間,本件各写真が掲載された本件各ページには,原告の氏名又は変名は記載されていなかったこと(前提事実⑷オ,甲3,4,弁論の全趣旨)を認めることができる。これらの事実に照らせば,平成28年2月3日より前から,本件各写真は公衆からの求めに応じて自動的に公衆送信することができる状態であったと認められる。そして,被告は,同日以降,本件各ページを管理,運営していたところ,原告が本件各写真が本件各ページに掲載されていることを確認して平成30年12月5日頃に被告に本件通知をしていることに照らせば,遅くとも同日頃までには,被告は,公衆からの求めに応じて本件各写真を自動公衆送信したと推認するのが相当である。以上によれば,平成28年2月3日より前に本件各写真を被告が送信可能化したとはいえないが,被告は,遅くとも平成30年12月5日頃までには原告の公衆送信権(著作権法23条1項)を侵害したと認めることができる。また,被告は,本件各写真を原告の氏名又は変名を記載せずに本件各ページで公開しており,上記のとおり遅くとも同日頃までにはこれを公衆に提供したといえ,遅くとも同日頃までには原告の氏名表示権(著作権法19条1項)を侵害したと認めることができる。
5 以上によれば,被告は,原告の公衆送信権及び氏名表示権を侵害したとい
える。
2 争点⑷(被告の故意又は過失)について
⑴ 証拠(乙2)及び弁論の全趣旨によれば,本件サイトには本件各写真を含
め多数の写真が掲載されており,これらの写真は,「写真の著作物」(著作権法10条1項8号)又はそれに該当し得るものであったと認めることができる。そして,被告は,本件各写真を含めた写真をインターネット上で公開する以上,その著作権又は著作者人格権を侵害していないことについて調査,確認する義務があったといえる。ところが被告は,本件各写真が著作権,著作者人格権を侵害していないかについて調査,確認をせずに本件各写真をインターネット上に公開して公衆送信等しており,被告には,少なくとも過失があったといえる。
⑵ 被告は,本件サイト売買を行ったウェブサイトには,「買い手は基本的に
著作権に触れているかどうか把握することは難しい」「一般的には損害賠償,請求等は,サイトを売った人と著作権違反の警告を出した人の間で行われる」との記載があり,サイト売買の通例では買い手である被告には損害賠償の支払義務がなく,また,被告が本件サイトを購入した平成28年2月1日時点で,掲載されている画像は3万8000点以上にも及び,これらの著作権の有無を確認するのは実質的に不可能であり,被告には調査義務はないと主張する。しかし,他人の写真を利用する場合にはその著作権又は著作者人格権を侵害する可能性があるから,被告は,本件各写真を公衆送信等する以上,前記の調査,確認をする義務があったといえる。被告が指摘する記載等がウェブサイトにあったことや本件サイトに多数の写真が掲載されていたことなど被告が指摘する事情によってこのことは左右されず,被告の上記主張は採用することはできない。なお,被告が本件サイト売買を行ったウェブサイトには,
5 「サイト購入時,著作権には注意すること」 「サイトを購入する時あるいは
,売却する時もそうですが,著作権が問題となってトラブルになることがあります。使用されている文章や画像,イラスト,アイディアが他の人のマネをしていることがあります。」などと記載され(乙1),サイト売買の対象となるウェブサイトには著作権法上の問題があるものが含まれ得ることが明記されていた。
3 争点⑸(損害額)について
⑴ 公衆送信権侵害について
ア 証拠(甲7)によれば,協同組合日本写真家ユニオン作成の使用料規程である本件規程は,同組合が管理の委託を受けた写真の著作物の利用にかかわる使用料を定めるものであり,一般利用目的(宣伝広告を目的とせず,記事と共に,事柄を説明するために写真の著作物を利用する場合)でウェブページの最初のページ以降のページに写真を掲載する使用料は,12か月以内で2万5000円,1年を超える場合の次年度以降の使用料は1年当たり1万円とされている。原告は結婚式における写真撮影を業とするカメラマンであり,本件各写真は,原告が,依頼を受けて結婚式場において撮影したものであり(前記前提事実⑴ア,同⑵),カメラマンである原告が業務により作成したものといえる。そうすると,原告が本件各写真の著作権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額(著作権法114条3項)の算定に当たっては,本件規程の内容を参酌するのが相当である。そして,本件規程の内容に加えて,被告が遅くとも平成30年12月5日頃までには本件各写真の原告の公衆送信権(著作権法23条1項)を侵害したこと,本件各写真は令和2年2月17日に本件各ページから削除されたことその他の本件各写真の使用態様等に鑑みれば,原告が本件各写真の公衆送信につき受けるべき金銭の額(著作権法114条3項)は,本件各写真1枚当たり4万円と認め
5 るのが相当である。
イ この点について,原告は,①撮影した写真1枚当たり8万円で売却しており(甲6),本件のような長期間の無断使用はその4倍が相当であること,②本件規程の商用広告目的の写真の使用料が12か月以内で5万円であることを考慮して損害額を算定すべきであるなどと主張する。しかしながら,「ご請求書」と題する甲6号証には,「広告写真使用料」として8万円と記載されているが,当該写真がどのような写真か明らかではない上に,この1件の利用許諾例の外に原告の写真の使用料を裏付ける証拠は見当たらないことなどからすれば,本件各写真の使用料が1枚当たり8万円であると認めることはできず,他に原告の上記①の主張を認めるに足りる証拠はない。また,本件規程の「商用広告目的」とは,「写真に写された物品等を宣伝するために広告として利用する場合」をいうとされている(本件規程の
第3条)ところ,本件各写真は,結婚式に関係する文章が記載されるなど
した本件各ページに掲載されたものであり(前記前提事実 ア,イ),いずれも本件各写真に写された物品等を宣伝するために広告として本件各ページに掲載されたものとはいえず,本件各写真の使用は,上記「商用広告目的」には当たらず,原告の上記②の主張も採用することはできない。したがって,原告の上記主張はいずれも採用することはできない。ウ なお,原告は,被告の作為義務違反に基づき損害賠償を請求するが,本件全証拠によっても,当該請求に係る損害額が前記公衆送信権侵害に基づく損害賠償請求の損害額を超えるものとは認められない。
⑵ 氏名表示権侵害について
被告による氏名表示権侵害の態様やその他本件に現れた一切の事情を考慮すれば,氏名表示権侵害によって原告に生じた慰謝料としては4万円と認めるのが相当である。
5 ⑶ 弁護士費用について
本件事案の性質・内容,本件訴訟に至る経過,本件審理の経過等諸般の事情に鑑みれば,被告の著作権侵害行為及び著作者人格権侵害行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害は,2万円と認めるのが相当である。
4 結論
以上によれば,原告の請求は,損害賠償金14万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和2年2月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第46部裁判長裁判官 柴 田 義 明裁判官 棚 井 啓裁判官 佐 藤 雅 浩(別紙省略)
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