ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和1(ワ)20286等 不当利得返還請求事件
| 裁判所 | 請求棄却 東京地方裁判所東京地方裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和4年6月30日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 対象物 | 片手支持可能な表示装置 |
| 法令 |
特許権 特許法126条1項37回 特許法126条5項11回 特許法104条の33回 特許法44条1項2回 特許法126条6項2回 特許法29条1項3号2回 特許法17条の21回 特許法123条1項2号1回 特許法123条1項1号1回 特許法126条1項4号1回 |
| キーワード | 実施69回 無効46回 新規性26回 進歩性18回 刊行物13回 審決10回 分割10回 無効審判7回 特許権6回 訂正審判3回 |
| 主文 | 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 1 第1事件 2 第2事件25 1 事案の要旨 36号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(平成23年8月305 10億円の合計110億円の不当利得返還請求権の一部として、110万円15 2 前提事実(当事者間に争いがない事実又は後掲の証拠(以下、書証番号は特 5262号。以下「本件原々々出願」という。)の一部を分割して新たな特10 1A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んで 1B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、 1C 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左 1D ユーザーから見て左右方向に見開きにされたときの前記「2つの 1E 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1F 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1G を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。 2A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んで 2B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、 2C 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とし15 2D 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とし 70度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するた 2E 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境とし 2F を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。 3A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んで 3B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、 3C 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右10 3D 前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにさ 3E を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。 4A 画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示板」を含んでおり、 4B 前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」 4C 前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」 4D を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。 5E 次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能 5A (a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」が、それぞれが 5B (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがそ 5C (c)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示 5D (d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示 6E 次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能5 6A (a)画面をそれぞれ出力する複数個の表示板が、それぞれが表 6B (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがそ10 6C (c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と 6D (d)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、 10A 請求項1から9までのいずれかにおいて、さらに、 10B 前記表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、 10C を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。 2次訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2及び10は、別紙 2-2特許請求の範囲(第2次訂正後)記載のとおりである(甲21)。 1A’ 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であっ 1B’ 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に 1H’ 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面10 1C’ 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左15 1D’ 「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにさ 1E’ 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1F’ 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1I’ 「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったまま 1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、 1G’ ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた 2A’ 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であっ25 2B’ 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に5 2C’ 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境と 2D’ 「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境とし15 2E’ 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境と 2G’ 「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用する 2F’ ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた 10E’ 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする情報入力 10A’ (a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」であって、 10B’ (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザー25 10C’ (c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれ 10F’ (d)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の 10G’ (e)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の 10D’ (f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に 120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの 10H’ (g)「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立っ 020-800098号。以下「本件無効審判」という。)を請求し、原告 1A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であっ10 1B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に 1H” 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面 1C” 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左 1D” 「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにさ 1E” 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1F” 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示 1I” ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」 1G” ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にし 2A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であっ15 2B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に 2C” 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境と 2D” 「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境とし5 2E” 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境と 2G” 「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用する 2F” ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にし 3A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含ん10 3B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に 3F” 前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約1820 0度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示 3C” 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左 3D” 前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きに5 3G” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表10 3H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が前記2つの表示 170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、 3E” を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ 4A” 画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユ 4B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に 4E” 「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の 4C” 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境と 0度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150 4F” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表 4D” を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ 5E” 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示15 5A” (a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」が、それぞれ 5B” (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーが 5C” (c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた 5F” (d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに5 5G” (e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平 5D” (f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見 50度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」 5H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表 5I” (g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2 0度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に 6E” 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示 6A” (a)画面をそれぞれ出力する2つの表示板が、それぞれが表 6B” (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーが25 6C” (c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分 6F” (d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに 6G” (e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平 6D” (f)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、20 6H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表 6I” (g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2 3 争点 1 争点1(被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属するか)について 2つの表示板の間には「回動中心(回転軸)を中心とする角度」は存在 180度の完全見開きの状態になった際には2つの表示板が略水平面で 1及び92ないし107及び108の、それぞれ画面が表示される 2つの「表示板」の「画面が表示される側」の面と面とが、「左右見5 105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるよう 2 争点2(無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否)について 0)による補正(以下「本件補正1」という。)は、以下の(イ)ないし(エ) 1つの画面を構成できる」(請求項2)ようにすることで、上記課題を解 180度」との記載はあるものの「120度から170度」との記載は 1月10日となる。 5】)、「この第2実施例では、前記枠体11~20が、図3(正面図)お 5aには1チャンネルの番組を表示させるとともに、LCD画面7aに 20度から180度」との記載はあるものの、「約105度から約175 70度」という数値範囲についてはなんら記載がなく、また固定手段の 0度」で固定することについての記載はない。そして、本件原出願の当 70度」とすることの効果が特に強調されていることも踏まえれば(【0 040】)、これらの点は、本件原出願の当初明細書等の記載から自明と 2(b)の折り曲げ状態」に対応する「90度から175度までの間 20度から170度までの範囲内の任意の角度」を形容し限定するも 6/13頁第1段落)等に接した当業者等が、技術常識又は周知の事 175度までの範囲内」に数値限定したものにすぎない。10 037】)に全て記載されている。 30日まで遡及したとしても、乙1文献は、同日より前の平成3年4月1 8日に頒布されているから、本件出願前に頒布された刊行物(特許法29 14とが互いに折り畳まれた折り畳み状態(図2)へと自在に折り曲げ 4)を経て、見開き状態(図1)にすることができること(図1、図2、 1a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル 12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパ 1b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折10 1c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル 12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開 1d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て 1e’ 第1のパネル12と第2のパネル14とが互いに折り畳まれた 1f’ 第1のパネル12と第2のパネル14との間の角度がユーザー 1g’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。 2a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル 12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパ 2b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折 2c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル10 12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開 2d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て 2e’ 第1のパネル12と第2のパネル14とが互いに折り畳まれた 2f’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。 3a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル 12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパ 3b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折 3c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル 12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開5 3d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て 3e’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。 4a’ 液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と液晶 4b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折 4c’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て20 4d’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。25 5e’ 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができる 5a’ (a)液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12 5b’ (b)コンピュータノート10は、片手で使用することができ 5c’ (c)第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互 5d’ (d)各液晶ディスプレイ間の角度がユーザーから見て左右方 14とを、各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間 6e’ 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができる 6a’ (a)液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル1220 6b’ (b)コンピュータノート10は、片手で使用することができ 6c’ (c)ユーザーから見て右側部分の第1のパネル12と左側部 6d’ (d)ユーザーから見て右側部分の第1のパネル12と左側部 1b’)、③「ロッキング機構」(同1c’ないし1f’)は、それぞれ、 1Cの「完全左右見開き固定手段」に相当することは明らかであるが、 714号)のマイクロフィルム(乙3。以下「乙3文献」という。)、 11号公報(乙5。以下「乙5文献」という。)に開示されているよう 1等に開示されていることは明らかである。 1文献に記載された発明であるから、新規性を欠く。 7号)に係るPCT出願は、日本国へも平成2年10月5日付けで特願平 2-515540号として国内移行されている(特表平5-501023 38を中心に回動する第2パネル14」とは、互いに独立に回動するも 38)を回転中心として、①それぞれが互いに独立に回動し(前記(イ)参 2と第1軸36との間を何らかの角度で「自動的に『固定』する機能又25 1パネルの回動又は第2パネルの回動を「ユーザーの手作業によること 2つのパネルを互いに『背中合わせ』に折り畳めるようにする」という 1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、 0、押圧体90、バネ100等)を設け、機器本体20と表示装置3 0との間の角度を、90度から140度の間の角度で固定する(回動 80、押圧体90、バネ100等)を適用することにより解決し、「耐25 1発明は技術分野が共通する。また、乙4発明は、「表示板2をある傾 1のパネル12を第2のパネル14に対してある傾斜角度で開いて停15 1発明において、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」 9-221725号公報(乙20)、特開昭62-92025号公報(乙 21)、特開平1-282587号公報(乙22)、特開平2-2303 60号公報(乙23)、実願昭58-14518号(実開昭59-122 524号)のマイクロフィルム(乙24)及び実開昭61-46640 3とを電気的に接続する信号線13を通すことができるようになってい 1等)、2つのパネル間で電気通信を可能とする手段(乙1文献7頁35 1項3号)に当たる。 1a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略 1b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、そ 1c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであっ 80度となるように固定でき、 1d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされ 0度となるように固定でき、 1e 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7とが互いに折 1f 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7との角度がユ 1g を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置 2a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略15 2b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、そ 2c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであっ 80度となるように固定でき、25 2d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされ 0度となるように固定でき、 2e 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7とが互いに折 2f を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置 3a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略 3b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、そ 3c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであっ 80度となるように固定でき、 3d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされ20 0度となるように固定できるストッパと、 3e を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置 4a 画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を表示で 4b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、そ 4c 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされ 0度となるように固定するためのストッパと、 4d を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置 5e 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるC 5a (a)画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を 5b (b)CD-ROM再生専用装置は、片手で使用することができ 5c (c)枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態に20 5d (d)LCDパネル5とLCDパネル7との間の角度がユーザー 6e 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるC 6a (a)画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を 6b (b)CD-ROM再生専用装置は、片手で使用することができ 6c (c)ユーザーから見て右側部分の枠体1と左側部分の枠体2と10 6d (d)ユーザーから見て右側部分の枠体1と左側部分の枠体2と 9年11月10日よりも前に遡及することはないから、本件出願には旧特許 8】及び【図9】)を追加するものである。 23条1項1号に該当し、無効とすべきものである。 3 争点3(訂正の再抗弁の成否(第2次訂正))について 075】中の「片手で持つときに、…容易に安定して持ち続けること 1-2は本件明細書に記載した事項の範囲内のものである。 2が「それら(2つの表示板1、2)が互いに接続されている部分」 1】中の「…電子ペン等を操作…ユーザーが指先でデータを入力で5 18】中の「また本実施例においては、…2つの枠体1と枠体2の 7】には、「…またこのような「任意の角度…」自由にその「固定 15・広辞苑第五版)ことなどからみて、前記(e)の「2つの表示板25 2-9は本件明細書に記載した事項の範囲内のものである。 2、4-7、5-1、6-1及び10-2について 8、4-2、4-7、5-1、6-1及び10-2についても、上述の 2-9、3-4ないし3-7、4-5、4-6、5-4ないし5-6、 6-5、6-6及び10-5ないし10-7について 0、2-4、2-5、2-7、2-9、3-4、3-5、3-6、3- 7、4-5、4-6、5-4、5-5、5-6、6-5、6-6、10 0-7 6及び10-7についても、上述の点が同様に当てはまる。 0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も25 0度までの範囲も含むことは明示的に記載されておらず、それは本件明 4、5-6、6-6、10-5及び10-7についても、上述の点が同 18】の「ストッパがかかって固定できるように構成するようにしても 5度から約170度まで(又は、約110度から約170度)までの間 18】の記載から、「摩擦力により任意の角度で保持できる構成」と、 10-6及び10-7は、上記各訂正事項と同様の訂正事項を含むもの 0度までの範囲も含むことになるところ、そのような角度で2つの表示板 5-6、6-6、10-5及び10-7についても、上述の点が同様に当 4 争点4(訂正の再抗弁の成否(第3次訂正))について 70度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「中間左 1つの角度」に固定する構成」は、訂正前の請求項2全体との関係で、 4全体との関係で構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の 170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約 105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下10 2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「摩 6全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の20 1-3においては、「ユーザーの任意の角度」、「任意の角度」、「ユーザ5 60度までの範囲も含むことになる。しかしながら、本件明細書の記 80度から360度までの範囲も含むようなかかる訂正は、新規事項 05度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている 2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の 3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段 105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように10 3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段15 126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、 5】の記載を参照すれば、訂正事項5-7における「画面が表示され5 5】の記載を参照すれば、訂正事項6-7における「画面が表示され 170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている部分)とそ 5 争点5(本件各発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべ15 1 本件明細書の記載事項等25 889号公報)。 1-(1)-1.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」 1-(1)-2.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」 80度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度か 1-(1)-3.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」 1-(2).画面をそれぞれ表示できる「少なくとも2つの表示板」を含20 0度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範 2-(1).画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の(複数の)表示板 5度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約1 55度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの 2-(2).画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示板」を含んでお 3-(1).次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持20 3-(2).次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持 105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から 3-(3).次の(a)~(d)のような内容を含むことを特徴とする表 0度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、摩擦力やストッパや 4-(1).本願発明(上記1、2又は3などに記載の発明)において、 4-(2).上記3の発明は、「次の(e)(f)(g)のいずれか1つ、 4-(3).上記1、2又は3の発明の表示装置であって、「偶数個の表 5.上記1、2、3又は4において、前記左右見開き固定手段は、前記 6.上記1、2、3又は4において、前記左右見開き固定手段は、前記 7.上記1から6までのいずれかにおいて、前記左右見開き固定手段は、 8.上記1から6までのいずれかにおいて、前記左右見開き固定手段は、 9.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記表示板に、「ユ 10.上記1から8のいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可能な 11.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、テレビ放送局か 12.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可 13.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可 14.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、テレビ放送局か 15.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可 05度から約170度まで(又は、約110度から約170度まで)の間 1.本発明の基本的効果. 2.上記の本発明の効果を図8を参照して説明すると、次の(1)~ 2の表示画面側(ユーザーに対向する側)の何処かの場所に当てることに 93により各表示板91、92を容易且つ安定的に支持することはできな 92の裏面側も全体として約180度の角度の略水平面となっており、「そ 92の接続部分の表示画面側(ユーザーに対向している側)に当てること25 93の存在により、前記各表示板91、92は、「図示左右方向に、ぶれる 0度の角度のままで一定ということではなく)常にブラブラ・グラグラと 91、92をユーザーが自分の手で約130度の角度に保持し続けなくて 2つの表示板(2つの表示パネル)91、92が、約180度の完全見開 2が、約130度の角度で見開かれた状態で固定されている場合」である。20 3.次に、本発明の効果について、さらに、図9を参照して説明する。15 5aを表示するための表示パネル105とを、互いに折り畳み・見開き自 8を安定的に支持するためにユーザーの親指106を掛けるための「取っ 2つの表示板を見開き状態とすることを提案するだけであるが(【000 5】)、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等の移動体通信機器に使用する 2 争点2-2-1(本件各発明についての乙1文献を引用例とする新規性欠如10 4は液晶ディスプレイを有する第2平坦な表面24と液晶ディスプレイ 37の拡開端39を嵌合させ(図6B)、ねじ切りされた端部41を第4 30 and third hinge bracket 32 and is secured by another fastening 14 can hold second panel 14 as rigidly as desired. Each hinge 2はパネル12及び14を保持するのに必要とされる摩擦を増加するた 14 are juxtaposed face to face providing protection 5 to the panel 10 side. In a folded position shown in Fig. 3 the first panel 12 4に示され、かつかなり従来のラップトップ携帯用コンピュータに似た 2のパネル14と、第1のパネル12及び第2のパネル14上の書くた 0、第3の蝶番ブラケット32及び第4の蝶番ブラケット34を含み、 39を嵌合させ(図6B)、 9と第1のパネル12との嵌合をきつくするようにされ、 0度の間の角度、120度から170度の間の角度等)で固定するよ 1と乙1文献に記載された発明との間に相違点(訂正拒絶理由通知に 14が回転」する点。」である。 9Bを形成する。上記圧接部9Aで保持される回転軸止めシャフト1 0の高さ位置は、第2図の側面略図に示すように、回転軸8の軸心8 11は脚部が二又状の可動部固定用ブラケットで、ネジ穴11Aを有25 1と表示板2に実施した要部の斜視外観図である。図面に示すように、 4行) 3頁5行) 12を設けることで、表示体ケース2を任意の位置で停止させることが 14が蝶番手段16によって接続され、ユーザーが座ったり、立ったり、 6を中心とした多数の角度において配向する」場合に、本件周知技術の 9条1項3号)。 1のパネル12及び第2のパネル14上の書くためのスタイラス18を含む 0は、本件発明1及び2と同様に進歩性を欠くものであり、本件発明3ない 3 争点3-1(第2次訂正が訂正要件を満たすか)について 2次訂正後の請求項1には特定がされていないことから、「任意」との用語 80度を超えて360度までの範囲を含むことについては記載されておら20 0度までの範囲が含まれるものと理解でき、「ユーザーの任意の角度」が1820 0度を超えて360度までの範囲を含むことについては、本件明細書に記載 10についての第2次訂正は不適法である。5 4 争点4-1(第3次訂正が訂正要件を満たすか)について 80度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、)中の 80度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、)中の 4と同様の理由で、本件発明3の構成要件3Cにおける「前記各表示板の 70度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパ 4と同様の理由で、本件発明4の構成要件4Cにおける「前記『2つの表15 4と同様の理由で、訂正前の構成要件5C「前記『2つの表示板』のそれ 5度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦 5 結論 104条の3第1項により、被告に対し本件特許権を行使することができない。 80度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、 80度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、 70度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト 05度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やス 0度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動25 120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させら 0度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動5 2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板25 80度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定 180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固 1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前 180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固 1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーに 1 請求項1の訂正事項 2 請求項2の訂正事項25 80度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から5 3 請求項10に係る訂正事項 2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するよう 1 請求項1の訂正事項 0度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させ 2 請求項2の訂正事項 80度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」を、次の 1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユー 3 請求項3の訂正事項 0度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左 170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中 4 請求項4の訂正事項5 5 請求項5の訂正事項 6 請求項6の訂正事項 1 第2次訂正について 60度」の角度の状態で固定する構成について 160度の折り曲げ状態で固定される。5 80度までの間において、ユーザーの任意の角度で折曲げ且つ見開き状 0度から360度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意 1のパネル12)が回動されて「ユーザーの任意の角度」に変化させら 2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するよ 1つの角度」になったときは、ストッパにより、前記回動をストップさせ 2 第3次訂正について 80度」(互いにほぼ平行)での見開きの状態で、固定される。 160度の折り曲げ状態で固定される。 1H”、1I”等)について 0度の角度で見開きにされた状態』から挟められて行く動作、をスト 80度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、225 1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件4C”を充足 80度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、2 80度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、2 1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件6D”を充足15 0度の範囲までの範囲内」の角度も当然含まれる))に変化させられたと 6」)及びその近傍部分に形成された「谷状部分」及び「山状部分」:25 1個の回転軸(1軸)に接続されていることなどから)ユーザーが2つの 10が「ラップトップ型パソコン」の態様としても使用され得ることが 10が「ラップトップ型パソコン」の態様としても使用され得ることが 1’ないし4’があったとしても、これらの相違点に係る構成は、乙5 1発明に乙4発明を適用することで、本件原々々出願の出願日におい 2文献ないし乙4文献から上記の具体的構成をまとめた周知技術なる |
| 事件の概要 | 1 事案の要旨 本件は、発明の名称を「片手支持可能な表示装置」とする特許第33829 36号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(平成23年8月305 日存続期間満了により消滅。以下「本件特許権」という。)の特許権者であった 原告が、別紙1被告製品目録記載の各製品(以下、併せて「被告各製品」とい う。)が本件特許に係る発明の技術的範囲に属するものであり、被告による被告 各製品の製造、販売が上記発明の実施に当たると主張して、被告に対して、以 下の不当利得返還請求をする事案である。10 (1) 第1事件の請求 被告が平成21年8月5日から平成23年8月30日までの期間における 被告各製品の製造、販売による前記発明の実施料相当額の支払を免れたこと につき、当該期間の実施料相当額100億円及びこれに対する消費税相当額 |
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令和4年6月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和元年(ワ)第20286号 不当利得返還請求事件(第1事件)
令和元年(ワ)第20835号 不当利得返還請求事件(第2事件)
口頭弁論終結日 令和4年2月14日
判 決
第1事件・第2事件原告 有限会社コロンブスの卵たち
(以下「原告」という。)
第1事件・第2事件被告 任 天 堂 株 式 会 社
(以下「被告」という。)
同訴訟代理人弁護士 塩 月 秀 平
岡 田 誠
上 野 さ や か
松 本 陸
同 補 佐 人 弁 理 士 大 石 幸 雄
髙 村 和 宗
佐 藤 宏 樹
主 文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 第1事件被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和元年8月2日から支払済みまで、年5分の割合による金員を支払え。2 第2事件被告は、原告に対し、1億円及びこれに対する令和元年8月20日から支払済みまで、年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 事案の要旨本件は、発明の名称を「片手支持可能な表示装置」とする特許第33829
5 36号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(平成23年8月30日存続期間満了により消滅。以下「本件特許権」という。)の特許権者であった原告が、別紙1被告製品目録記載の各製品(以下、併せて「被告各製品」という。)が本件特許に係る発明の技術的範囲に属するものであり、被告による被告各製品の製造、販売が上記発明の実施に当たると主張して、被告に対して、以下の不当利得返還請求をする事案である。
(1) 第1事件の請求被告が平成21年8月5日から平成23年8月30日までの期間における被告各製品の製造、販売による前記発明の実施料相当額の支払を免れたことにつき、当該期間の実施料相当額100億円及びこれに対する消費税相当額10億円の合計110億円の不当利得返還請求権の一部として、110万円及びこれに対する第1事件の訴状送達の日の翌日である令和元年8月2日から支払済みまでの平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求。
(2) 第2事件の請求被告が平成21年2月4日から同年8月4日までの期間における被告各製品の製造、販売による前記発明の実施料相当額の支払を免れたことにつき、当該期間の実施料相当額25億2000万円の不当利得返還請求権の一部として、1億円及びこれに対する第2事件の訴状送達の日の翌日である令和元年8月20日から支払済みまでの改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求。2 前提事実(当事者間に争いがない事実又は後掲の証拠(以下、書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1) 当事者ア 原告は、電気・通信・電子並びに照明器械器具等の企画、開発、設計、製造及び販売等を目的とする特例有限会社である。
5 イ 被告は、ゲーム等のコンテンツの制作、製造及び販売、ゲーム等のコンテンツに係る電子応用機器及び装置の開発、製造及び販売等を目的とする株式会社である。
(2) 本件特許ア 原告は、平成3年8月30日を出願日とする特許出願(特願平3-245262号。以下「本件原々々出願」という。)の一部を分割して新たな特許出願をした特願平9-325299号(以下「本件原々出願」という。)の一部を更に分割して新たな特許出願をした特願2000-31495号(以下「本件原出願」という。)の一部を分割して、平成14年7月5日、本件特許に係る新たな特許出願(特願2002-196984号。以下「本件出願」という。)をし、同年12月20日、本件特許権の設定登録(請求項の数12)を受けた(甲1、2、4)。イ 本件特許権は、平成23年8月30日に存続期間満了により消滅した。
(3) 第1次訂正ア 原告は、平成22年3月2日、本件出願の願書に添付した明細書における特許請求の範囲及び発明の詳細な説明を訂正することを求める旨の訂正審判請求(訂正2010-390023号。以下、この訂正審判請求に係る訂正を「第1次訂正」という。)をし、同年5月17日、第1次訂正を認める旨の審決がされ、同審決は同月28日に確定した(甲1、3。以下、
第1次訂正後の明細書と本件出願の願書に添付した図面(甲2)を併せて
「本件明細書」という。また、明細書の発明の詳細な説明に記載された段落番号及び図面については、単に【0001】 【図1】などと記載する。 。、 )イ 本件特許の第1次訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし6及び10は、別紙2-1特許請求の範囲(第1次訂正後)記載のとおりである。ウ 本件特許の第1次訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし6(以下、これらの請求項に係る発明を順に「本件発明1」 「本件発明2」などとい、
5 う。)は、次の(ア)ないし(カ)のとおり構成要件に分説することができる。また、第1次訂正後の特許請求の範囲の請求項10(以下、この請求項に係る発明を「本件発明10」といい、本件発明1ないし6と併せて「本件各発明」という。)は、次の(キ)のとおり構成要件に分説することができる。(ア) 請求項1(本件発明1)1A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、1B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、1C 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、1D ユーザーから見て左右方向に見開きにされたときの前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段であって、1E 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、1F 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度
5 の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開き固定手段と、1G を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(イ) 請求項2(本件発明2)2A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、2B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、2C 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、2D 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段であって、2E 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開き固定手段と、2F を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(ウ) 請求項3(本件発明3)3A 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んで
5 おり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、3B 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、3C 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、3D 前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段と、3E を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(エ) 請求項4(本件発明4)4A 画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、4B 前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、4C 前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザ
5 ーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と、4D を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(オ) 請求項5(本件発明5)5E 次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。5A (a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、5B (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、5C (c)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、5D (d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。(カ) 請求項6(本件発明6)
5 6E 次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。6A (a)画面をそれぞれ出力する複数個の表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、6B (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、6C (c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続するための左右見開き接続手段を備えている、6D (d)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。(キ) 請求項10(本件発明10)10A 請求項1から9までのいずれかにおいて、さらに、10B 前記表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力用手段、10C を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。
(4) 第2次訂正ア 原告は、令和2年2月28日、本件出願の願書に添付した明細書における特許請求の範囲及び発明の詳細な説明を訂正することを求める旨の訂正審判請求(訂正2020-390019号。以下、この訂正審判請求に係
5 る訂正を「第2次訂正」という。)をした(甲21、71、乙14、30)。令和3年2月4日、第2次訂正のうち、特許請求の範囲の請求項11及び12を削除する訂正及び発明の詳細な説明の訂正を認め、それ以外の訂正事項に係る訂正を認めない旨の審決がされ、当該審決のうち訂正を認める部分は同月15日に確定した(乙30)。原告は、上記審決に対して、審決取消訴訟を提起しており、口頭弁論終結時において、上記確定した部分を除いて第2次訂正に係る審決は確定していない(弁論の全趣旨)。イ 第2次訂正(令和2年2月25日付け審判請求書に記載されたものをいう。以下同じ。)における本件特許の特許請求の範囲請求項1、2及び10に係る訂正事項は、別紙3第2次訂正の訂正事項記載のとおりであり、第2次訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2及び10は、別紙2-2特許請求の範囲(第2次訂正後)記載のとおりである(甲21)。ウ 第2次訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2及び10(以下、これらの請求項に係る発明を順に「第2次訂正発明1」 「第2次訂正、発明2」及び「第2次訂正発明10」といい、これらを併せて「第2次各訂正発明」という。)は、次の(ア)ないし(ウ)のとおり構成要件に分説することができる。(ア) 請求項1(第2次訂正発明1)1A’ 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置であって、1B’ 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態に
5 も、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段と、1H’ 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段と、1C’ 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、1D’ 「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、1E’ 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、1F’ 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方
5 向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパと、を備え、1I’ 「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えた、1G’ ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。(イ) 請求項2(第2次訂正発明2)2A’ 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができる情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置であって、
5 2B’ 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段と、2C’ 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、2D’ 「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、2E’ 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパと、を備え、2G’ 「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、
5 ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えた、2F’ ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。(ウ) 請求項10(第2次訂正発明10)10E’ 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。10A’ (a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力手段が備えられている「2つの表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、10B’ (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、10C’ (c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくと
5 もいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段を備えている、10F’ (d)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段、を備えている、10G’ (e)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度になったとき、前記「2つの表示板」の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、10D’ (f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときであって、「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、10H’ (g)「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表
5 示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えている。
(5) 無効審判と第3次訂正ア 被告は、令和2年10月9日、本件特許について特許無効審判(無効2020-800098号。以下「本件無効審判」という。)を請求し、原告は、本件無効審判の手続において、令和3年5月24日付け訂正請求書によって、本件特許の特許請求の範囲を訂正することを求める訂正請求(以下、この訂正請求に係る訂正を「第3次訂正」という。)をした(甲79、乙28)。本件口頭弁論終結時において、本件無効審判に係る審決はされていない。イ 第3次訂正(令和3年5月24日付け訂正請求書に記載されたものをいう。以下同じ。)における本件特許の特許請求の範囲請求項1ないし6に係る訂正事項は別紙4第3次訂正の訂正事項記載のとおりであり、第3次訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし6は、別紙2-3特許請求の範囲(第3次訂正後)記載のとおりである(甲79)。原告が第3次訂正による訂正の再抗弁を主張するのは、請求項1ないし6に係る発明に基づく請求についてのみである(したがって、本件発明10に基づく請求については、第3次訂正による訂正の再抗弁の主張はされていない。。)
5 ウ 第3次訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし6(以下、これらの請求項に係る発明を順に「第3次訂正発明1」ないし「第3次訂正発明6」といい、これらを併せて「第3次各訂正発明」という。)は、次の(ア)ないし(カ)のとおり構成要件に分説することができる。(ア) 請求項1(第3次訂正発明1)1A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、1B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、1H” 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段であって、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板
5 間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、任意角度保持手段と、1C” 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、1D” 「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、1E” 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、1F” 前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパと、を備え、1I” ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するよう
5 にしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えた1G” ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。(イ) 請求項2(第3次訂正発明2)2A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができる2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、2B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、2C” 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、
5 2D” 「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、2E” 前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパと、を備え、2G” 「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されるようにしながら、前記見開き角度が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2
5 つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えた2F” ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。(ウ) 請求項3(第3次訂正発明3)3A” 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、3B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、3F” 前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段と、3C” 前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、
5 3D” 前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、3G” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、3H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互い
5 に接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成と、3E” を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。(エ) 請求項4(第3次訂正発明4)4A” 画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、4B” 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、4E” 「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段と、4C” 前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、4F” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表
5 示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、4D” を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。(オ) 請求項5(第3次訂正発明5)5E” 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。5A” (a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、5B” (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、5C” (c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、
5 5F” (d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合においてユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき、前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、5G” (e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、5D” (f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、5H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、5I” (g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度
5 で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成、を備えている。(カ) 請求項6(第3次訂正発明6)6E” 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。6A” (a)画面をそれぞれ出力する2つの表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、6B” (b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、6C” (c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開き可能に接続し、且つ前記2つ
5 の表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように接続するための左右見開き接続手段を備えている、6F” (d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、6G” (e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、6D” (f)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、6H” 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの
5 範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、6I” (g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成、を備えている。
(6) 被告の行為被告は、被告各製品を、それぞれ、少なくとも別紙1被告製品目録記載の「日本国内での発売日」以降の期間において、日本国内で販売していた。なお、被告が被告各製品を日本国内で製造していたかどうかは争いがある。3 争点
(1) 被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(争点1)
5 (2) 無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否(争点2)ア 出願日遡及の有無(争点2-1)イ 出願日遡及を前提とする無効理由(争点2-2)(ア) 本件各発明についての国際公開91/05327号(以下「乙1文献」という。)を引用例とする新規性欠如(争点2-2-1)(イ) 本件各発明についての乙1文献を主引用例とする進歩性欠如(争点2-2-2)ウ 出願日繰り下がりを前提とする無効理由(争点2-3)(ア) 本件各発明についての特開平5-61423号公報(以下「乙11文献」という。)を引用例とする新規性欠如(争点2-3-1)(イ) 本件各発明についての平成14年(2002年)8月5日付けの手続補正書(以下「乙12補正書」という。)に係る補正の補正要件違反(争点2-3-2)
(3) 訂正の再抗弁の成否(第2次訂正)(争点3)ア 第2次訂正が訂正要件(独立特許要件を除く)を満たすか(争点3-1)イ 被告各製品が第2次各訂正発明の技術的範囲に属するか(争点3-2)ウ 第2次訂正による無効理由の解消の可否(争点3-3)(ア) 出願日遡及を前提とする無効理由a 第2次各訂正発明についての乙1文献を引用例とする新規性欠如(争点3-3-1)b 第2次各訂正発明についての乙1文献を主引用例とする進歩性欠如(争点3-3-2)(イ) 出願日繰り下がりを前提とする無効理由a 第2次各訂正発明についての乙11文献を引用例とする新規性欠如(争点3-3-3)b 第2次各訂正発明についての乙12補正書に係る補正の補正要件違
5 反(争点3-3-4)
(4) 訂正の再抗弁の成否(第3次訂正)(争点4)ア 第3次訂正が訂正要件を満たすか(争点4-1)イ 被告各製品が第3次各訂正発明の技術的範囲に属するか(争点4-2)ウ 第3次訂正による無効理由の解消の可否(争点4-3)(ア) 出願日遡及を前提とする無効理由a 第3次各訂正発明についての乙1文献を引用例とする新規性欠如(争点4-3-1)b 第3次各訂正発明についての乙1文献を主引用例、周知慣用技術を副引用例とする進歩性欠如(争点4-3-2)(イ) 出願日繰り下がりを前提とする無効理由a 第3次各訂正発明についての乙11文献を引用例とする新規性欠如(争点4-3-3)b 第3次各訂正発明についての乙12補正書に係る補正の補正要件違反(争点4-3-4)
(5) 本件各発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額(争点5)
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点1(被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属するか)について
(原告の主張)
(1) 被告各製品の構成等
ア 被告各製品が備える構成被告各製品は、いずれも、以下の構成を備えている(以下、符号に対応させて「構成a」などという。。)a 「2つのパネル」を備えかつ片手支持が可能な小型サイズの装置であること
5 a-2 前記表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、
データ入力用画面」を表示するためのデータ入力用手段、を備えていることb 「2つの表示パネル」を、任意の角度に見開き可能に接続する手段を備えていることc 「2つの表示パネル」を、それらの間の表示面側の角度(又は、それらをユーザーから見て縦方向の線を境としたときの右側部分と左側部分との間の表示面側の角度)が「約180度のパネル間角度」となるように、固定する構成を備えていることd 「2つの表示パネル」を、それらの間の各表示面側の角度(又は、それらをユーザーから見て縦方向の線を境としたときの右側部分と左側部分との間の表示面側の角度)が「『中間的見開き状態』である約160度のパネル間角度」となるようにストッパにより一時的に固定する構成を備えていることe 「2つの表示パネル」が開かれる方向の回動動作をストップする機能f 「2つの表示パネル」が閉じられる方向の回動動作をストップする機能g 片手支持可能な表示装置イ 構成aないしgの補足説明(ア) 構成a及びa-2についてa 構成aについて被告各製品では、並ぶように配置された「2つのパネル」に、それぞれ、文字及び画像等を表示できるディスプレイが配置されている。また、被告各製品は、エンドユーザーがその全体を片手で持つことができるような小型のサイズに構成されている。b 構成a-2について
5 被告各製品では、使用するソフトにより、被告各製品の2つの表示
板の一方に、電子ペン等で入力操作が可能な入力用画面が表示されることがある。(イ) 構成bについて被告各製品では、「2つの表示パネル」は、互いのディスプレイ側(表示面側)の角度が約0度となる折り畳まれた状態にも、また同角度が少なくとも約20度から180度までの任意の角度で見開きにされた状態にもできるように、互いの各端部がヒンジ部(蝶番に相当する)により互いに接続されている。なお、被告各製品においては、前記「2つの表示パネル」は、互いを接続する部分に生じる摩擦力により、任意の角度で「半固定」できるように構成されている(なお、ここで、上記「半固定」とは、比較的弱い力又は所定量の力を加えることにより容易に回動させることができる状態、すなわち、2つのパネルが任意の角度で一応保持されている状態をいう。。)(ウ) 構成cについて被告各製品においては、例えば「2つの表示パネル」間の各表示面側の角度(又は、それらをユーザーから見て縦方向の線を境としたときの右側部分と左側部分との間の表示面側の角度)が互いに拡大して行くように各表示パネルがヒンジ部を支点として互いに回動(相対的に回動)されている場合において、上記角度が約180度となったとき一方のパネルの端部が他方のパネルの端部に当接してそれ以上回動できなくなる構成を採用することなどにより、「2つの表示パネル」の各表示面側の間が「約180度のパネル間角度」となったとき、上記各表示面側の間が上記角度を超えないように当該回動を停止し、「2つの表示パネル」を、それらの各表示面側の間が上記「約180度のパネル間角度」となるよ
5 うに固定する構成を備えている。
(エ) 構成dについて被告各製品では、前記「2つの表示パネル」は、(ⅰ)例えば互いに折り畳まれた状態からそれらが開かれる方向に回動されて行く場合、又は(ⅱ)例えば互いに約180度に見開きにされた状態からそれらが閉じられる方向に回動されて行く場合において、「2つの表示パネル」間の各表示面側の角度(又は、それらをユーザーから見て縦方向の線を境としたときの右側部分と左側部分との間の表示面側の角度)が「約160度」になったとき、ストッパ部品により、各回動動作をクリック音・クリック感を伴って停止させ、前記各パネルの表示面側の間の角度が一時的に固定される。(オ) 構成eについて被告各製品に内蔵されている「ストッパ部品」は、「2つの表示パネル」の、それらが互いに折り畳まれた状態から開かれる方向に回動する動作を、当該動作の途中でストップする機能を有している。(カ) 構成fについて被告各製品に内蔵されている「ストッパ部品」は、「2つの表示パネル」の、それらが互いに約180度で見開きにされた状態から閉じられる方向に狭められていく方向に回動する動作を、当該動作の途中でストップする機能を有している。(キ) 構成gについて被告各製品は、いずれも、ゲームを始めとする「多種様々な用途」に使用することができ、かつエンドユーザーがその全体を片手で支持できる程度の小型のサイズに構成された装置である。
(2) 被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属すること
ア 本件発明1ないし6に係る構成要件の充足性
5 被告各製品の構成a及び構成bないしgは、本件発明1の構成要件1A
ないし1G、本件発明2の構成要件2Aないし2F、本件発明3の構成要件3Aないし3E、本件発明4の構成要件4Aないし4D、本件発明5の構成要件5Aないし5E及び本件発明6の構成要件6Aないし6Eをいずれも充足する。イ 本件発明10に係る構成要件の充足性被告各製品の構成a-2は本件発明10の構成要件10Bを充足する。また、前記アのとおり、被告各製品は本件発明1ないし6の構成要件をいずれも充足するので、本件発明10の構成要件10A及び10Cも充足する。ウ 本件各発明における、「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」等の「角度」の意義について
(被告の主張)
に対する反論)(ア) 被告は、本件発明1における「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」(構成要件1Cないし1F)、本件発明2における「2つの表示板の間の見開き角度」(構成要件2Cないし2E)、本件発明3における「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」(構成要件3C及び3D)、本件発明4における「2つの表示板の間の見開き角度」(構成要件4C)、本件発明5における「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』 (構成要件5D)及び本件発明6における「前記右側部分と左側部」分との間の見開き角度」(構成要件6D)について、いずれの「角度」についても、2つの表示板が左右見開き接続手段における「回転軸を中心に形成する角度」を指すと主張する。しかしながら、本件各発明に係る特許請求の範囲には、被告主張に係る「回転軸を中心に形成する角度」という文言は用いられておらず、このような文言は本件明細書においても存在していない。クレーム解釈に
5 おいては、クレームの記載文言に基づいて認定されるべきことが原則で
あり、本件発明1に係る特許請求の範囲の「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」等については、「2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の平面と平面との間の角度」と読むのが、通常人の立場からの素直な読み方である。そして、被告が指摘するような、表示装置において、接続された2つの「表示板」の一方の「表示板」の「画面が表示される側」の面①と、他方の「表示板」の「画面が表示される側」の面②とがあり、2つの「表示板」が見開かれる際の回転中心となる回転軸が一方の面上にはない場合であっても、例えば、一方の平面を仮想的に延長すること、又は、一方の平面を他方の平面と同一平面上となるように平行移動させることなどにより、「それぞれ画面が表示される側の平面と平面との間の角度」を観念することが社会通念上可能である。(イ) 本件原々々出願当時を含め、最近のノートパソコン、折り畳み式携帯電話などの電子機器においては、ほとんどの機器で、昔から存在する「金具の蝶番」と比較して大型の長尺筒状部材を含むヒンジ部が採用されている。そのようなヒンジにおいては、1つのヒンジ部中に「2つの表示板を互いに回動させるときの回動中心(回転軸)」は存在するが、当該「回動中心(回転軸)」は「2つの表示板」中の一方の表示板の端部(ヒンジ部側の端部)とはズレた位置に配置されており、2つの表示板の各平面が互いに直接交わるように接続されておらず、その結果として、2つの表示板の間には「回動中心(回転軸)を中心とする角度」は存在しないこととなる。このような実情を踏まえるならば、現実の電子機器においては、「各平面が実際に交差する角部」はそもそも存在しないので、本件各発明の構成要件における前記の「角度」とは、「各平面が仮想的に交差する角部」
5 の角度であると理解するのが常識的な通常人の読み方であり、社会通念
及び技術常識に沿った解釈である。以上のような考察に照らしても、本件発明1の「角度」に関して、被告主張のように「回転軸を中心とする角度」と限定解釈することが、最近の技術の実態、その1つである被告各製品の実態に即していないことは、明らかである。(ウ) 被告は、本件各発明の作用効果に鑑みると、同発明が想定する2つの表示板の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」は、当該角度が約180度の完全見開きの状態になった際には2つの表示板が略水平面で「取っ掛かり」の無い状態になることを前提とする角度として規定されており、本件発明1の「角度」を「回転軸を中心とする角度」と限定解釈しないと、2つの表示板の各平面間が180度の場合にも2つの表示板の各平面間に段差構成という取っ掛かりが存在し得ることになって、上記の前提が欠けることになる旨を主張する。しかしながら、本件各発明の作用効果の1つは、ユーザーがその片手の親指を安定的に載置できるような角度(例えば160度の角度)を有する谷状の部分(本件明細書の【図2】(b)参照)を固定的に形成できることにあり、2つの表示板の各平面間に「段差構成という取っ掛かり」が存在するかどうかは、本件各発明の作用効果の存否には関係がない。(エ) したがって、上記の各構成要件における「角度」については、「2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の平面と平面との間の角度」と解すべきであり、被告が主張するように「回転軸を中心に形成する角度」という限定解釈を行うべきではない。
(被告の主張)
(1) 被告各製品の構成等について
被告各製品が、構成a、a-2及びgを備えることはおおむね認める。
5 しかしながら、被告各製品においては、本件各発明の「2つの表示板」に
相当する下パネルと上パネルとが、本件各発明の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」を成さないため、構成bないしfに関して原告が主張する「角度」 「角度が約0度」 「同角度が少なくとも約20度から180度まで( 、の任意の角度」等)をいずれも有しない。したがって、被告各製品は、構成bないしfを備えない。
(2) 被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属しないこと
ア 本件発明1に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件1Cないし1Fについてa 本件発明1における「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」(構成要件1Cないし1F)の意義
(a) 構成要件1Cないし1Fのいずれにおいても「2つの表示板」の
「それぞれ画面が表示される側の間の角度」に係る構成が規定されている。「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」とは、字義通り、2つの「表示板」の「画面が表示される側」の面と面とが形成する角度をいうものと理解される。そして、本件各発明は、「2つの表示板」が、「左右見開き接続手段」により「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるよう」(構成要件1B)、回転可能に接続された表示装置であるから、構成要件1Cないし1Fにおける「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」も当然、2つの「表示板」の「画面が表示される側」の面と面とが、「左右見開き接続手段」における回転軸を中心に形成する角度をいうものと解される。それゆえ、表示装置において、接続された2つの「表示板」の一
5 方の「表示板」の「画面が表示される側」の面①と、他方の「表示
板」の「画面が表示される側」の面②とがあり、2つの「表示板」が見開かれる際の回転中心となる回転軸が一方の面上にはない場合、かかる表示装置においては一方の「表示板」の「画面が表示される側」の面は、他方の「表示板」の「画面が表示される側」の面との間で、「左右見開き接続手段」における回転軸を中心とする角度を形成しておらず、本件各発明の規定する「それぞれ画面が表示される側の間の角度」を備えないものと解される。
(b) このような解釈は、構成要件1Bから1Fを通じた文言との整合
性に照らして妥当であるだけでなく、本件明細書の記載からも裏付けられる。すなわち、本件明細書の【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、本件発明1の表示装置の「左右完全見開き状態」及び「左右半見開き状態」であり、ここにおいて構成要件1Cの「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」及び構成要件1Dの「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」に相当する角度は、「左右見開き接続手段」である蝶番10における回転軸を中心に表示板1及び2のそれぞれ画面が表示される側の面が形成する角度として説明されている。また、発明の効果を説明する本件明細書の【図8】及び【図9】においても、2つの表示板91と92(【図8】 、107と108)(【図9】)の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」に相当する角度は、「左右見開き接続手段」における回転軸を中心に表示板91及び92ないし107及び108の、それぞれ画面が表示される側の面が形成する角度として示されている。さらに、このことは、発明が想定する作用効果の観点からも妥当
5 する。すなわち、本件明細書によれば、2つの表示板の「それぞれ
画面が表示される側の間の角度」が約180度の角度での完全見開きにされた状態(【図8】(a)【0049】、 )では、ユーザーは各表示板裏面側(ユーザーに対向しない側)が略水平面になるため「親指以外の指又は掌を当てたときの、『取っ掛かり』になってくれる部分」が存在しないため、「図示左右方向に、ぶれやすく、移動しやすい」状態となり、強く安定的に支持できず(【0050】)ユーザーが表示装置全体を片手だけで支持する時は極めて不安定な支持しかできない(【0052】)という問題があるところ、本件各発明においては「前記各表示板の左右見開き接続部分の表面側(ユーザー側)の断面略V字状の凹状部分」を「約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている」構成とできることによって、「ユーザーの片手だけで極めて容易且つ安定的に支持しながら使用することができる」という効果が得られる(【0045】)とするものである。かかる発明の効果に鑑みると、本件発明1が想定する2つの表示板の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」は、当該角度が約180度の完全見開きの状態になった際には、2つの表示板が略水平面で“取っ掛かり”の無い状態になることを前提とする角度として規定されているものと解される。このように、発明が想定する作用効果の観点からしても、「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」は2つの「表示板」の「画面が表示される側」の面と面とが、「左右見開き接続手段」における回転軸を中心に形成する角度をいうものと解することが妥当である。b 被告各製品の構成の当てはめ
(a) 構成要件1Cについて
「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」とは、
5 2つの「表示板」の「画面が表示される側」の面と面とが、「左右見
開き接続手段」における回転軸を中心に形成する角度をいうものと解されるところ、被告各製品では、回転中心となるヒンジ部が下パネルのディスプレイ側の面の同一面上には無いため、下パネルのディスプレイ側の面と上パネルのディスプレイ側の面とは、ヒンジ部の回転軸を中心とする角度をそもそも形成していない。したがって、被告各製品において、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件1Cを充足しない。なお、被告各製品においては、下パネルのディスプレイ側の面よりも上部にヒンジの回転中心を設置し、完全見開き状態においても上パネルと下パネルの間に段差が生じる非平板上の構成とすることにより、完全見開き状態においても当該段差を“取っ掛かり”として被告各製品を保持し得るだけでなく、下パネルの当該段差部分の端部の両角に、「Rボタン」及び「Lボタン」を設置し、両画面を見開きの状態にした場合にも、これらのボタンを操作することができる仕組みとしている。このように、被告各製品はまさに、両画面を完全見開き状態にした場合にも、2つの表示板が同一水平面上に配置されないことを特徴とする製品であり、本件発明1が想定する表示装置とは、その構造が大きく異なるものといえる。
(b) 構成要件1Dについて
前記(a)のとおり、被告各製品はそもそも「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示「
5 される側の間の角度』が『約120度から約170度までの範囲の
いずれかの角度』となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段」を備えず、構成要件1Dを充足しない。
(c) 構成要件1Eについて
前記(a)のとおり、被告各製品は、そもそも「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』」を備えないから、構成要件1Eを充足しない。
(d) 構成要件1Fについて
前記(a)のとおり、被告各製品は、そもそも「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』」を備えず、当該角度が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度」になることもない。したがって、被告各製品は構成要件1Fを充足しない。(イ) 構成要件1Gについて前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件1Cないし1Fを充足しないため、構成要件1Gを充足しない。(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明1の技術的範囲に属さない。イ 本件発明2に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件2Cないし2Eについてa 本件発明2における「2つの表示板の間の見開き角度」(構成要件2Cないし2E)の意義構成要件2Cないし2Eのいずれにおいても「2つの表示板の間の見開き角度」に係る構成が規定されている。前記ア(ア)aと同様の理由で、構成要件2Cないし2Eにおける「2つの表示板の間の見開き角度」とは、「2つの表示板」が「左右見開き
5 接続手段」における回転軸を中心に形成する角度をいうものと解され
る。b 被告各製品の構成の当てはめ
(a) 構成要件2Cについて
「2つの表示板の間の見開き角度」とは、「2つの表示板」が「左右見開き接続手段」における回転軸を中心に形成する角度であるところ、被告各製品では、回転中心となるヒンジ部が下パネルと同一面上にはないため、下パネルと上パネルとは、ヒンジ部の回転軸を中心とする角度をそもそも形成していない。したがって、被告各製品は、「2つの表示板の間の見開き角度」を備えず、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が約180度となることもないため、構成要件2Cを充足しない。
(b) 構成要件2Dについて
前記(a)のとおり、被告各製品は、そもそも「2つの表示板の間の見開き角度」を備えず、「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段を備えないため、構成要件2Dを充足しない。
(c) 構成要件2Eについて
前記(a)のとおり、被告各製品は、そもそも「2つの表示板の間の見開き角度」を備えないから、構成要件2Eを充足しない。(イ) 構成要件2Fについて前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件2Cないし2Eを充足しな
5 いため、構成要件2Fを充足しない。
(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明2の技術的範囲に属さない。ウ 本件発明3に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件3C及び3Dについてa 本件発明3における「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」(構成要件3C及び3D)の意義構成要件3C及び3Dにおける「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の間の角度」の意義は、前記ア(ア)aと同様である。b 被告各製品の構成の当てはめ
(a) 構成要件3Cについて
前記ア(ア)bのとおり、被告各製品は、そもそも「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』」を備えない。したがって、被告各製品は、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段を備えず、構成要件3Cを充足しない。
(b) 構成要件3Dについて
前記ア(ア)bのとおり、被告各製品は、そもそも「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』」を備えない。したがって、被告各製品は、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段を備えず、構成要件3Dを充足しない。(イ) 構成要件3Eについて
5 前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件3C及び3Dを充足しない
ため、構成要件3Eを充足しない。(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明3の技術的範囲に属さない。エ 本件発明4に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件4Cについてa 本件発明4における「2つの表示板の間の見開き角度」(構成要件4C)の意義構成要件4Cにおける「2つの表示板の間の見開き角度」の意義は、前記イ(ア)aと同様である。b 被告各製品の構成の当てはめ前記イ(ア)bのとおり、被告各製品はそもそも「2つの表示板の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段を備えず、構成要件4Cを充足しない。(イ) 構成要件4Dについて前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件4Cを充足しないため、構成要件4Dを充足しない。(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明4の技術的範囲に属さない。オ 本件発明5に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件5Dについてa 本件発明5における「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』(構成要件5D)の意義」
5 構成要件5Dにおける「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板の
それぞれ画面が表示される側の間の角度』」の意義は、前記ア(ア)aと同様である。b 被告各製品の構成の当てはめ前記ア(ア)bのとおり、被告各製品はそもそも「前記『2つの表示板』の、『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』」を備えない。したがって、被告各製品は、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段を備えず、構成要件5Dを充足しない。(イ) 構成要件5Eについて前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件5Dを充足しないため、構成要件5Eを充足しない。(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明5の技術的範囲に属さない。カ 本件発明6に係る構成要件の充足性について(ア) 構成要件6Dについてa 本件発明6における「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」(構成要件6D)の意義構成要件6Dにおける「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」における「見開き角度」が、「左右見開き接続手段」における回転軸を中心に形成する角度をいうものと解されることは、前記イ(ア)aと同様である。b 被告各製品の構成の当てはめ前記イ(ア)bのとおり、被告各製品は、そもそも「ユーザーから見て
5 縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」
を備えない。したがって、被告各製品は、「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段を備えないから、構成要件6Dを充足しない。(イ) 構成要件6Eについて前記(ア)のとおり、被告各製品は、構成要件6Dを充足しないため、構成要件6Eを充足しない。(ウ) 小括したがって、被告各製品は、本件発明6の技術的範囲に属さない。キ 本件発明10に係る構成要件の充足性について被告各製品が構成要件10Bを充足することは認める。前記アないしカのとおり、被告各製品は本件発明1ないし6の構成要件を充足しないので、本件発明10の構成要件10A及び10Cもいずれも充足しない。
2 争点2(無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否)について
(1) 争点2-1(出願日遡及の有無)について
(被告の主張)
ア 本件原々々出願の出願日(本件原々々出願についての補正要件違反)(ア) 本件原々々出願に係る平成10年6月16日付けの手続補正書(乙10)による補正(以下「本件補正1」という。)は、以下の(イ)ないし(エ)のとおり、要旨変更に該当するから、平成5年法律第26号による改正前の特許法(以下「旧特許法」という。)40条の規定により、本件原々々出願は、同手続補正書を提出した平成10年6月16日にされたものとみなされる。
5 (イ) 本件原々々出願の願書に最初に添附した明細書又は図面(乙6。以下
「本件原々々出願の当初明細書等」という。)には、「携帯の便利さ(コンパクト化)と使用時のディスプレー画面の見やすさ(画面の大きさのある程度の確保)という2つの要請を同時に満た」す「ディスプレー装置」を提供することを課題とし、表示装置において、「第1の画面および
第2の画面を、それぞれ出力する第1のディスプレーおよび第2のディ
スプレーと、 「第1のディスプレーの端部と第2のディスプレーの端部」を、互いに折り曲げ自在に接続する接続手段」を含む(請求項1)ようにし、また、この「第1の画面および第2の画面」が「互いに協働して1つの画面を構成できる」(請求項2)ようにすることで、上記課題を解決する発明が記載されている。これに対して、本件補正1は、本件原々々出願の当初明細書等における請求項1について、(g)の記載により「前記中心線を中心として折り曲げられた前記の右半分と左半分とを任意の角度で固定するための固定手段であって、前記の右半分と左半分とが前記中心線を中心にして互いに近づく方向に折り曲げられたとき、…ユーザーが前記の右半分の画面と左半分の画面との両者を同時に見易いような角度の範囲である120度から170度までの範囲内の任意の角度で、固定するための固定手段」を新たに特定するものである。この点、本件原々々出願の当初明細書等には、「2つのディスプレー」の画面の間の角度を固定する手段として「摩擦力」と「ストッパ」の開示はあるものの、「任意の角度」で固定する手段としては「摩擦力」以外の開示はなく(補正後の請求項1の固定手段は「摩擦力」による固定についての限定はない)、また固定する角度の範囲としては「120度から180度」との記載はあるものの「120度から170度」との記載はない上、この範囲が「ユーザーが前記の右半分の画面と左半分の画面と
5 の両者を同時に見易いような角度の範囲である」ことについての記載も
一切ない。そして、これらの点が本件原々々出願の当初明細書等の記載から自明であるということもできない。よって、本件補正1は、当業者によって、本件原々々出願の当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであり、本件原々々出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内でするものではなく、要旨変更に該当する。(ウ) 本件補正1は、本件原々々出願の当初明細書等における請求項1の「表示装置」に関し、構成(a)により「複数のディスプレー」を備えるとした上で、 (f)表示装置の前記中心線に相当する部分は、表示装「置の全体をユーザーがその手で支持しやすいように又はユーザーがその手の上に載置し易いように且つユーザーが前記の右半分の画面と左半分の画面との両者を同時に見易いように、前記中心線を中心にして、前記の右半分の画面と左半分の画面とが互いに近づく方向に折り曲げ自在となっている」ことを新たに特定するものである。しかしながら、本件原々々出願の当初明細書等は、表示装置の中心線で右半分の画面と左半分の画面を互いに近づく方向に折り曲げて使用する「2つのディスプレー」について記載しているのみであり、表示装置の中心線を中心にして、右半分の画面と左半分の画面とが互いに近づく方向に折り曲げ自在となっている3つ以上の「ディスプレー」(上記のとおり、補正後の請求項1の表示装置は、「複数のディスプレー」を備えるものであり、「2つのディスプレー」に限られない)についての記載は一切ない。よって、本件補正1による補正後の請求項1の構成(f)は、当業者によって、本件原々々出願の当初明細書等の全ての記載を総合すること
5 により導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入
するものであるから、本件補正1は、本件原々々出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内でするものではなく、要旨変更に該当する。(エ) 本件補正1では、請求項1に係る発明の効果に関し、明細書の発明の詳細な説明の【0038】ないし【0041】において、大幅な追加がされており、かかる補正は、本件原々々出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内でするものではなく、要旨変更に該当する。イ 本件原々出願の出願日前記アのとおり、本件原々々出願は、平成10年6月16日にされたものとみなされるから、本件原々出願の出願日は、本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日まで遡及せず、現実の出願日である平成9年11月10日となる。ウ 本件原出願の出願日(本件原出願についての分割要件違反)(ア) 本件原出願に係る発明の技術事項本件原出願の願書に最初に添付した明細書の特許請求の範囲に記載された発明は、平成14年7月8日付け手続補正書(乙13)により補正されているが、補正後の請求項1ないし3に記載された発明に関し、少なくとも次の①ないし④に係る技術事項は、以下の(イ)ないし(オ)のとおり、本件原々出願の願書に最初に添附した明細書又は図面(乙7。以下「本件原々出願の当初明細書等」という。)に記載されておらず、またその記載から自明ということもできない。
①「見開き型表示装置」に係る技術事項(請求項1ないし3)
請求項1ないし3の「前記の『2つの表示板』を、それらがユーザーから見て上下方向又は左右方向に見開きにされた状態にも、それらが折り畳まれた状態にもできるように、互いに接続するための見開き接続手段と、
5 前記の『2つの表示板』を、それらの間の角度が、『ユーザーから見
て上下方向又は左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態と互いに折り畳まれた状態との間の角度…』となるように、…固定するための中間固定手段と…を備えたことを特徴とする見開き型表示装置」に係る技術事項(以下「本件技術事項1」という。)
②「テレビ番組情報表示手段」と「情報入力用画面表示手段」に係る技
術事項(請求項1及び2)請求項1及び2の「前記テレビ番組情報無線受信手段により受信されたテレビ番組情報を前記『2つの表示板』の双方又は一方の表示板が出力する画面の全部又は一部に表示させるためのテレビ番組情報表示手段と、前記「2つの表示板」の中の少なくとも一方の表示板が出力する画面の全部又は一部に、「ユーザーが情報を入力し記録するために使用する、情報入力用画面」を表示するための情報入力用画面表示手段」にかかる技術事項(以下「本件技術事項2」という。)
③「中間固定手段」に係る技術事項(請求項1ないし3)
請求項1ないし3の「『…約105度から約175度までの範囲内の角度』となるように、摩擦力やストッパやその他の手段により固定するための中間固定手段」に係る技術事項(以下「本件技術事項3」という。)
④「外部情報無線受信手段」に係る技術事項(請求項2及び3)
請求項2及び3の「見開き型表示装置とは離れた場所に在る磁気ディスク装置などの情報記録装置から送信されてくる外部情報であってテレビ番組情報以外の外部情報を、無線を介して受信するための外部情報無線受信手段」(以下「本件技術事項4」という。)(イ) 本件技術事項1について
5 本件原々出願の当初明細書等には、使用時においてユーザーから見て
左右方向に見開きにされた状態になる見開き型表示装置について記載されているのみであり、上下方向に見開きされた状態になる見開き型表示装置については記載も示唆も一切ない。すなわち、本件原々出願の当初明細書等の特許請求の範囲の請求項1においては、「表示装置の使用時の全体の形状は、ユーザーの視線が延びる方向とほぼ平行な中心線を中心として、ユーザーから見たときの前記中心線の右半分の平面の面積と同左半分の平面の面積とが、ハードウェアとしてはほぼ左右対称となる」「表示装置の使用時の全体の形状は、前記中心線の右半分の厚さ寸法と同左半分の厚さ寸法とが、ハードウェアとしてはほぼ左右均等となる」「ユーザーが前記の右半分の画面と左半分の画面との両者を同時に見易いような角度」として、使用時においてユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態になる見開き型表示装置が特定されており、また発明の詳細な説明及び図面に記載された見開き型表示装置も「ユーザーは、このCD-ROM再生装置をあたかも本を見開き状態にして本を読んでいるのと同じ感覚で使用できる。(」【0015】、)「この第2実施例では、前記枠体11~20が、図3(正面図)および図4(平面図)に示すように、その互いに隣合う枠体の平面同士の角度が約180度となるような見開き状態にされ」【0026】 、( )「またこの第4実施例の変形として、…各LCD画面5aと7aを合わせた1つの横長の(パノラマの)画面が実現できる」【0033】( )等、すべて、使用時にユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態になることを前提としている。そして、【発明の効果】において、ハードウェアとしてその平面や厚さ寸法がほぼ左右均等になることによる見開き型表示装置の持ちやすさ、及び、画面全体が左右均等に分けられることによる画面の見易さが特に強調されていることからすれば、本件原々出願の当初明
5 細書等に記載された見開き型表示装置は、使用時にユーザーから見て左
右方向に見開きにされることを必須の前提とするものであるということができる。以上のとおりであるから、本件技術事項1は、本件原々出願の当初明細書等には記載されておらず、またこれらの記載から自明であるということはできない。(ウ) 本件技術事項2について本件原々出願の当初明細書等には、①テレビ番組情報を一方の表示板が出力する画面の一部に表示させるテレビ番組情報表示手段、②情報入力用画面を一方の表示板が出力する画面の一部に表示する情報入力用画面表示手段、及び、③これらの手段を1つの装置で併用することについての記載も示唆も一切ない。すなわち、本件原々出願の当初明細書等においては、実施例4に携帯用TV(テレビ)が記載されているところ、「LCD画面5aには1チャンネルの番組を表示させるとともに、LCD画面7aには3チャンネルの番組を表示させる」「LCD画面5aおよび7aを合わせた1つの大きな画面に1つの番組を表示させる」 【0032】( 【0033】)とあるのみであり、テレビ番組情報を一方の表示板の画面の一部に表示させることについては記載も示唆もない。また情報入力用画面表示手段については、「本発明の表示装置は、単にCD-ROM等の記録媒体からの情報を表示するために使用するだけでなく、例えば入力ペン等により情報を入力するためにその入力ペンを操作するための操作画面の表示のために使用するディスプレー、つまり入力装置としても使用できるディスプレーを含む」【0035】( )と記載されているのみであり、情報入力用画面を一方の表示板の画面の一部に表示させることについては記載も示唆もない上、かかる入力装置を実施例4の携帯用TV(テレビ)と併用するこ
5 とについては記載も示唆もない。かえって、実施例4では、「LCD画面
5aには1チャンネルの番組を表示させるとともに、LCD画面7aには3チャンネルの番組を表示させることにより、2つの番組を同時に視聴することができるようになる」「各LCD画面5aと7aを合わせた1つの横長の(パノラマの)画面が実現できる」【0032】【0033】( 、 )として2つの画面の双方をテレビ番組情報用の「ディスプレー」とすることの効果が記載されていることからすれば、実施例4において、一方の「ディスプレー」を入力装置として用いる「ディスプレー」にすることはできないというべきである。以上のとおりであるから、本件技術事項2は、本件原々出願の当初明細書等には記載されておらず、またこれらの記載から自明であるということはできない。(エ) 本件技術事項3について本件原々出願の当初明細書等には、「120度から170度」又は「120度から180度」との記載はあるものの、「約105度から約175度」という数値範囲についてはなんら記載がなく、また固定手段の具体例としては、「摩擦力」によるものと「ストッパ」が挙げられているのみである。よって、本件原々出願の当初明細書等には、その他の手段を含む中間固定手段により、「約105度から約175度」で固定することについての記載はない。そして、本件原々出願の当初明細書等の【発明の効果】において固定角度の範囲を「120から170度」とすることの効果が特に強調されていることも踏まえれば(【0040】、これらの点は、本)件原々出願の当初明細書等の記載から自明ということもできない。(オ) 本件技術事項4について本件原々出願の当初明細書等には「また特に図1に示した第1実施例
5 では、CD-ROM駆動装置3は枠体1に内蔵させているが、本発明で
は、これを枠体1および2から分離させて別個のユニットとし、この別個のユニットであるCD-ROM駆動装置から無線電波により枠体1内の信号処理装置4に信号を送るようにしてもよい」【0037】( )と記載されているのみである。よって、本件原々出願の当初明細書等には、「CD-ROM駆動装置」以外の情報記録装置から(テレビ番組情報以外の)外部情報を無線により受信する手段についての記載はなく、またこの点が上記記載から自明であるということもできない。(カ) 以上のとおり、本件原出願は、旧特許法44条1項が適用されるとしても、同項の要件を充足する適法な分割出願ではないから(改正後の特許法においても同様である。 、本件原出願の出願日は、現実の出願日で)ある平成12年2月9日とすべきである。エ 本件出願の出願日(本件出願についての分割要件違反)(ア) 本件出願に係る発明の技術的事項本件訂正明細書の特許請求の範囲に記載された発明のうち、少なくとも次の①及び②に係る技術事項は、本件原出願の願書に最初に添附した明細書又は図面(乙8。以下「本件原出願の当初明細書等」という。)に記載されておらず、またその記載から自明ということはできない。
①「左右見開き固定手段」に係る技術事項(請求項4ないし6)
請求項4ないし6の「…約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段」に係る技術事項(以下「本件技術事項5」という。)
②「外部情報無線受信手段」に係る技術事項(請求項12)
請求項12の「前記片手支持可能な表示装置から離れた場所に存在
5 する外部の情報記録装置に記録されている外部情報を無線を介して受
信するための外部情報無線受信手段」に係る技術事項(以下「本件技術事項6」という。)(イ) 本件技術事項5について本件原出願の当初明細書等には、「約110度から約170度」又は「120度から180度」との記載はあるものの、「約105度から約170度」という数値範囲についてはなんら記載がなく、また固定手段の具体例としては、摩擦力によるものとストッパが挙げられているのみである。よって、本件原出願の当初明細書等には、少なくとも、チルト機構やその他の手段を含む左右見開き固定手段により、「約105度から約170度」で固定することについての記載はない。そして、本件原出願の当初明細書等の【発明の効果】において固定角度の範囲を「110から170度」とすることの効果が特に強調されていることも踏まえれば(【0040】 、これらの点は、本件原出願の当初明細書等の記載から自明と)いうこともできない。(ウ) 本件技術事項6について本件原出願の当初明細書等には、「また特に図1に示した第1実施例では、CD-ROM駆動装置3は枠体1に内蔵させているが、本発明では、これを枠体1および2から分離させて別個のユニットとし、この別個のユニットであるCD-ROM駆動装置から無線電波により枠体1内の信号処理装置4に信号を送るようにしてもよい。 (」 【0037】)と記載されているのみである。よって、本件原出願の当初明細書等には、CD-ROM駆動装置以外の情報記録装置から外部情報を無線により受信する手段についての記載はなく、またこの点が上記記載から自明であるということもできない。
5 (エ) 以上のとおり、本件出願は、旧特許法44条1項の要件を充足する適
法な分割出願ではないから、本件出願の出願日は、現実の出願日である平成14年7月5日となる。オ 小活以上によれば、本件原々々出願の出願日は、本件補正1にかかる手続補正書を提出した日である平成10年6月16日となり、本件原々出願の出願日は、現実の出願日である平成9年11月10日となり、本件原出願の出願日は、現実の出願日である平成12年2月9日となり、本件出願の出願日は、現実の出願日である平成14年7月5日となる。
(原告の主張)
ア 本件原々々出願の出願日(本件原々々出願についての補正要件違反がないこと)(ア)a 本件原々々出願の当初明細書等には「…ユーザーは、例えば通勤電車の中で使用する場合、両手のうち一方の手で吊り革をつかんで他方の手のみでディスプレー装置を支えているときはこれを支えやすいように150度の角度に見開いた状態で使用し、また電車の中が混雑してきたら120度の角度に見開いた状態で使用する等、周囲の状況にさらに即応したきめ細かい使用が可能になる。 (7/13頁第2段落)」などの記載があり、本件補正1に係る「(g)表示装置は、…前記の右半分と左半分とが前記中心線を中心にして互いに近づく方向に折り曲げられたとき、表示装置の全体をユーザーがその片手で支持し易いような又はユーザーがその片手の上に載置し易いような…」という部分は、本件原々々出願の当初明細書等から当業者に自明の事項である。b 本件原々々出願の当初明細書等には、「また本実施例では、…枠体1と枠体2とは、…図2の(a)の見開き状態から、同(b)の半見開き状態を経て、さらに同(c)の折り畳み状態へと、自在に折り曲げ
5 ることができるようになっている。」(4/13頁第5段落) 「また本
、実施例では、…摩擦力により、枠体1および枠体2との間は、任意の角度で…一時的に固定した状態(例えば図2の(b)の状態)で使用できるようになっている。 (4/13頁最終段落)という記載及び」【図2】の記載がある。この「図2(b)の状態」(折り曲げ状態)とは、「図2(a)の見開き状態」(180度)でも「図2(c)の折り畳み状態」(0度)でもない状態ということは明らかである。そこで、「図2(c)の状態」(0度)及び「図2(a)の状態」(180度)との間で、実際上十分に実質的に区別できる状態であることを考慮し、また、2つの表示板間が90度未満であるとき、ユーザーにとって、2つの表示板の各画面を見るのに大きな不都合があることは、通常人(当業者を含む)の経験則・技術常識上、明らかであるから、上記図2(b)の状態とは、「2つの表示板間が90度から175度までの間での見開き状態」であると解するのが自然・妥当であり当業者の通常の読み方であるということができる。したがって、「120度から170度までの範囲内の任意の角度で、固定する」とした本件補正1は、上記の「ユーザーが使用できる、図2(b)の折り曲げ状態」に対応する「90度から175度までの間での見開き状態」を「120度から170度までの間での見開き状態」に数値限定したものにすぎない。また、本件原々々出願の当初明細書等には「本発明では、…両者のディスプレーの画面の間の角度が120度から180度の間の任意の角度で固定されるように、摩擦力により固定する手段をさらに含むのがよい。(3/13頁第2段落)という記載があり、」 「120度から…」という数値が記載されているから、本件補正1中の「120度から…」
5 は当業者に自明の事項だといえる。
そして、本件補正1による上記「120度から170度までの範囲内の任意の角度で、固定する」という数値限定は、本件原々々出願の当初明細書等から把握される「周囲の状況に即応したきめ細かい使用を可能にする」という発明の作用効果・技術的意義に対し影響を与えるものではない。c 本件補正1に係る「ユーザーが前記の右半分の画面と左半分の画面との両者を同時に見易いような角度の範囲である」という文言は、「120度から170度までの範囲内の任意の角度」を形容し限定するものにすぎず、また「120度から170度までの範囲内の任意の角度」で折り曲げた場合は「ユーザーが(CD-ROM再生装置などの表示装置を)あたかも本を見開き状態にして本を読んでいるのと同じ感覚で使用できる」こと、すなわち、「ユーザーがCD-ROM再生装置などの右半分の画面と左半分の画面との両者を同時に見易いように使用できる」ことは、「あたかも本を見開き状態にして本を読んでいるのと同じ感覚で使用できる」との記載(本件原々々出願の当初明細書等の6/13頁第1段落)等に接した当業者等が、技術常識又は周知の事実(知識)に基づいて、当該記載等から即座に理解・認識する内容にすぎなかった。そして、上記「120度から170度までの範囲内の任意の角度」を上記「(2つの表示板を)同時に見易いような角度の範囲である」に限定に関する補正は、上記発明の作用効果・技術的意義に対し影響を与えるものではない。(イ) 本件原々々出願の当初明細書等には、「計10個の表示板(【図3】、【図4】の枠体11ないし20)が、見開き状態(「約180度だけ」に限定されない)にされたとき、各LCD21ないし30の各画面が互い
5 に協働して1つの大きな画面を構成するような表示装置」が開示されて
いた。また、「3つ以上又は4つ以上のディスプレー(表示板)を互いに折り畳み可能に接続、組み合わせる技術」は、当該技術の属する技術分野において周知の技術的事項であった。したがって、「表示装置の中心線を中心にして、左半分の画面と右半分の画面とが互いに近づく方向に折曲げ自在となっている、複数の(3つ以上の、を含む)表示板(ディスプレー)を備える表示装置」は、本件原々々出願の当初明細書等中に開示されていた。また、仮に、これが開示されていなかったとしても、上記のとおり、「3つ以上又は4つ以上のディスプレー(表示板)を互いに折り畳み可能に接続、組み合わせる技術」は、当該技術分野において周知の技術的事項であったから、本件原々々出願の当初明細書等中の【図2(b)】に示す「2つの表示板」を「3つ以上又は4つ以上のディスプレー(表示板)」とすることは、当業者であれば、その発明の目的からみて当然にその発明において用いることができると容易に判断することができ、その技術的事項が明細書に記載されているのと同視できるものであった。(ウ) 被告は、本件補正1において、明細書中の請求項1に係る発明の効果についての記載が大幅に追加されており、これが要旨変更に該当すると主張する。しかしながら、本件補正1において追加された発明の効果を示す記載の内容は、いずれも、請求項1の発明を具体化した1つの実施例又は1つの実施形態に相当する形態を採用した場合に生じる作用効果を述べた記載、すなわち、本件原々々出願の当初明細書等の記載から当業者ならば当然に予測できる範囲内の作用効果であって、当業者に自明の事項を述べた記載にすぎず、明細書の要旨、すなわち特許請求の範囲に記載し
5 た技術的事項を実質的に変更等させるものではないから、要旨変更とは
ならないことは明らかである。(エ) 以上より、本件補正1は、本件原々々出願の当初明細書等に記載された事項から自明な事項であって、新たな技術的事項を導入するものではないというべきである。したがって、本件原々々出願の出願日繰り下げについての
(被告の主張)
は理由がない。イ 本件原々出願の出願日本件原々々出願の出願日繰り下げに関する
(被告の主張)
が成り立たないことは前記アのとおりであるから、当該主張を前提とする本件原々出願の出願日繰下げに関する
(被告の主張)
は、その根拠を欠き、失当である。ウ 本件原出願の出願日(本件原出願についての分割要件違反がないこと)(ア) 本件技術事項1について本件原々出願の当初明細書等において、2つの表示板をユーザーが片手のみで持つ(支持する)態様としては、解釈上、(ⅰ)「ユーザーから見て左右方向に見開いた状態だけしかない」場合と、(ⅱ)「ユーザーから見て左右方向又は上下方向に見開いた状態がある」場合との2つがあり得る。そして、本件原々出願の当初明細書等においては、「ユーザーが、本発明による表示装置を、ユーザーから見て上下方向に見開いた状態で、片手のみで持つ(支持する)ようにした場合」を除くことを明記し又は示唆した記載は全く存在していない。しかも、「左右方向見開きで片手で持つ状態」と「上下方向見開きで片手で持つ状態」とは、当該ユーザーの片手の手首を約90度だけ曲げるか捻ることだけで相互に容易にかつ一瞬で移行可能である。本件原々出願の当初明細書等から把握される発明の目的及び作用効果
5 は、周囲の状況に即応したきめ細かい使用を可能にすること及び片手で
も表示装置の全体を安定的に支持することを可能にすることであるところ、ユーザーが「2つの表示板」を左右方向見開きの状態で持つか上下方向見開きの状態で持つかは、上記のような発明の目的及び作用効果等とは関係のない事項である。よって、「上下方向」に係る事項に係る補正が発明の作用効果・技術的意義等に与える影響はない。したがって、本件技術事項1は、出願時において、当業者が明細書又は図面の記載からみて自明である技術的事項に当たるといえる。(イ) 本件技術事項2について本件原々出願の当初明細書等から把握される発明の目的及び作用効果・技術的意義は、(2つの表示板から成る表示装置の)周囲の状況に即応したきめ細かい使用を可能にすること(【0021】)及び片手でも表示装置の全体を安定的に支持することを可能にすること(【0038】)であると認められる。そして、テレビ番組又は入力用画面等の情報を、「画面の全部にのみ」表示させるか、「画面の一部にのみ」表示させるか又は「画面の全部又は一部に」表示させるかは、上記発明の作用効果・技術的意義にとって関係のない事項である。上記の発明の目的から見るならば、テレビ番組又はデータ入力用画面等の情報を「画面の一部」に表示する技術は、本件原々出願の当初明細書等から把握される発明において当業者が特別な工夫を要することなく当然に用いることができるものであった。これは、表示装置の技術分野において本件原々々出願前から当業者に周知の技術的事項であり、当業者が適宜選択できる設計的事項に属するものであるということができる。以上より、本件技術事項2は、出願時において、当業者が本件原々出願の当初明細書等の記載からみて自明である技術的事項に当たるといえ
5 る。
(ウ) 本件技術事項3について本件技術事項3に係る補正は、本件原々出願の当初明細書等における「ユーザーが使用できる、図2(b)の折り曲げ・半見開き状態」に対応する「約90度から約175度までの範囲内」を、「約105度から約175度までの範囲内」に数値限定したものにすぎない。本件技術事項3中の「約105度から約175度までの範囲内の角度」に係る補正は、本件原々出願の当初明細書等から把握される周囲の状況に即応したきめ細かい使用を可能にする(【0021】)という「任意の角度」【0011】( )に係る部分の発明の作用効果・技術的意義に対し、影響等を与えるものではない。摩擦力等利用型チルト機構、ネジ式ダイヤル等は、本件原々々出願前から周知又は公知の技術及び設計的事項であり、これらを、摩擦力だけを利用する摩擦機構等の具体化等又は代替等のための手段中の1つとして、本件原々出願の当初明細書等から把握される発明に適用しても、発明の目的や作用効果に対し変更等を加えるものではないから 、 本 件原々々出願時において当業者にとって自明の技術的事項である。(エ) 本件技術事項4について本件原々出願の当初明細書等から把握される発明の目的・作用効果は、前記(イ)のとおりであるが、このような発明の目的・作用効果を達成するために、構成の一部にCD-ROM駆動装置を採用するか磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブなど)を採用するかは、当業者が適宜選択できる設計事項にすぎなかった。本件技術事項4中の「テレビ番組情報以外の外部情報を、無線を介して受信するための外部情報受信手段」は、本件原々出願の当初明細書等の「本発明では、これを枠体1および2から分離させて別個のユニット
5 とし、この別個のユニットであるCD-ROM駆動装置から無線電波に
より枠体1内の信号処理装置4に信号を送るようにしてもよい。」(【0037】)に全て記載されている。(オ) したがって、本件原出願の出願日繰り下げについての
(被告の主張)
は理由がない。エ 本件出願の出願日(本件出願についての分割要件違反がないこと)(ア) 本件技術事項5について本件原出願の当初明細書等には、本件原々出願の当初明細書等における本件技術事項3に係る記載と同様の記載があり、本件技術事項5の「約105度から約170度まで」 「摩擦力やストッパやチルト機構や、その他の手段」及び「左右見開き固定手段」は、いずれも、本件原出願の特許明細書等の記載及び本件原々々出願前の周知技術及び技術常識などから、当業者にとって自明の技術的事項に該当する。(イ) 本件技術事項6について本件原出願の当初明細書等には、本件原々出願の当初明細書等における本件技術事項4に係る記載と同様の記載があり、本件技術事項6は、当業者にとって自明の技術的事項に該当する。(ウ) したがって、本件出願についての被告の分割要件違反の主張は理由がない。オ 小活以上によれば、本件出願の出願日は、本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日に遡ると解すべきである。
(2) 争点2-2-1(本件各発明についての乙1文献を引用例とする新規性欠
如(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 乙1文献が本件出願前に頒布された刊行物に当たること
5 仮に、本件出願の出願日が本件原々々出願の出願日である平成3年8月
30日まで遡及したとしても、乙1文献は、同日より前の平成3年4月18日に頒布されているから、本件出願前に頒布された刊行物(特許法29条1項3号)に当たる。イ 乙1文献に記載された発明(ア) 乙1文献に開示されている内容乙1文献には、①コンピュータノート10は、情報表示用の液晶ディスプレイ(画面)を有する略長方形の第1のパネル12と、情報表示用の液晶ディスプレイ(画面)を有する略長方形の第2のパネル14と、を備え、第1のパネル12と第2のパネル14とは、その端部同士が蝶番16により折り曲げ自在に接続(連結)されていること(図1、図6A)、②これにより、第1のパネル12と第2のパネル14とは、各液晶ディスプレイ間の角度が左右方向に180度となる見開き状態(図1)から、半見開き状態(図4)を経て、第1のパネル12と第2のパネル14とが互いに折り畳まれた折り畳み状態(図2)へと自在に折り曲げることができ、また逆に、折り畳み状態(図2)から半見開き状態(図4)を経て、見開き状態(図1)にすることができること(図1、図2、図4)、③蝶番16にロッキング機構を設け、第1のパネル12と第2のパネル14との間の角度を、0度から360度の間の任意の角度で固定した選択位置とすることができること(図6Aないし図6D)、④これにより、例えば、ユーザーが座っているか、立っているか、又は歩いている姿勢の時、そのような選択位置の何れかで片手で保持することができることの開示があることが認められる。したがって、乙1文献には、以下の(イ)ないし(キ)の発明(以下、順に「乙1発明1」「乙1発明2」などといい、併せて「乙1発明」という。、 )が記載されている。
5 (イ) 乙1発明1
1a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパネル14とを備え、片手で使用することができるコンピュータノート10であって、1b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16と、1c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が180度となるように固定でき、1d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間の任意の角度(120度から170度の間の角度を含む)となるように固定でき、1e’ 第1のパネル12と第2のパネル14とが互いに折り畳まれた状態から広げられていく動作をストップする機能と、1f’ 第1のパネル12と第2のパネル14との間の角度がユーザーから見て左右方向に180度の角度で見開きにされた状態から狭められていく動作をストップする機能とを有するロッキング機構と、1g’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。(ウ) 乙1発明22a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパ
5 ネル14とを備え、片手で使用することができるコンピュータノ
ート10であって、2b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16と、2c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が180度となるように固定でき、2d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間の任意の角度(120度から170度の間の角度を含む)となるように固定でき、2e’ 第1のパネル12と第2のパネル14とが互いに折り畳まれた状態から広げられていく動作をストップする機能を有するロッキング機構と、2f’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。(エ) 乙1発明33a’ 略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と略長方形の液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパネル14とを備え、片手で使用することができるコンピュータノート10であって、3b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16と、3c’ 蝶番16に設けられたロッキング機構であって、第1のパネル
5 12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開
きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が180度となるように固定でき、3d’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間の任意の角度(120度から170度の間の角度を含む)となるように固定できるロッキング機構と、3e’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。(オ) 乙1発明44a’ 液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパネル14とを備え、片手で使用することができるコンピュータノート10であって、4b’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16と、4c’ 第1のパネル12と第2のパネル14とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間の任意の角度(105度から170度の間の角度を含む)となるように固定するためのロッキング機構と、4d’ を備えた片手で使用することができるコンピュータノート10。(カ) 乙1発明55e’ 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるコンピュータノート10。5a’ (a)液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパネル14とが、
5 各液晶ディスプレイがユーザーに対向することができるように接
続されている、5b’ (b)コンピュータノート10は、片手で使用することができる大きさに構成されている、5c’ (c)第1のパネル12と第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16を備えている、5d’ (d)各液晶ディスプレイ間の角度がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、第1のパネル12と第2のパネル14とを、各液晶ディスプレイ間の角度が0度から360度の間の任意の角度(105度から170度の間の角度を含む)となるように固定するためのロッキング機構を備えている。(キ) 乙1発明66e’ 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるコンピュータノート10。6a’ (a)液晶ディスプレイで情報を表示できる第1のパネル12と液晶ディスプレイで情報を表示できる第2のパネル14とが、各液晶ディスプレイがユーザーに対向することができるように接続されている、6b’ (b)コンピュータノート10は、片手で使用することができる大きさに構成されている、6c’ (c)ユーザーから見て右側部分の第1のパネル12と左側部分の第2のパネル14とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための蝶番16を備えている、6d’ (d)ユーザーから見て右側部分の第1のパネル12と左側部
5 分の第2のパネル14とを、各液晶ディスプレイ間の角度が0度
から360度の間の任意の角度(105度から170度の間の角度を含む)となるように固定するためのロッキング機構を備えている。ウ 本件各発明と乙1発明との対比(ア) 本件発明1と乙1発明1との対比a 乙1発明1と本件発明1とを対比すると、乙1発明1の①「コンピュータノート10」(構成要件1a’及び1g’ 、②「蝶番16」) (同1b’ 、③「ロッキング機構」) (同1c’ないし1f’)は、それぞれ、本件発明1の①「表示装置」(構成要件1A及び1G)、②「左右見開き接続手段」(同1B)、③「完全左右見開き固定手段」(同1C)及び「中間左右見開き固定手段」(同1Dないし1F)に相当する。b 前記aの③について補足すると、乙1発明1の「ロッキング機構」は、一次軸36の両端部39及び41とセラミックジャケット40との間に生じる摩擦力及び二次軸38と半硬質ゴムワッシャ46との間に生じる摩擦力により、所定のトルク量を支持してブラケットに対するパネル(第1のパネル12及び第2のパネル14)の回転を阻止することにより、第2のパネル14に対して第1のパネル12を任意の傾斜角度(180度、105度から170度の間の角度、120度から170度の間の角度等)で固定するように機能するものである。したがって、乙1発明の「ロッキング機構」は、本件発明1の構成要件1Cの「完全左右見開き固定手段」に相当することは明らかであるが、本件発明1の「ストッパ」により固定するための中間左右見開き固定手段」に相当することも次のとおり自明である。すなわち、ヒンジ構造を有する電子機器においてヒンジに「ストッパ」(回動を阻止する機構)を備えることは、特開平2-275108号公報(乙2。以下
5 「乙2文献」という。 、実願平1-125015号(実開平3-67
)714号)のマイクロフィルム(乙3。以下「乙3文献」という。 、)実願昭63-171245号(実開平2-91874号)のマイクロフィルム(乙4。以下「乙4文献」という。)及び特開平2-268311号公報(乙5。以下「乙5文献」という。)に開示されているように、本件原々々出願の出願日時点における周知の技術であり、乙1発明1の「ロッキング機構」に係る記載に接した当業者にとって当然に想起できる事項であるから、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」は、乙1発明1の「ロッキング機構」から自明な事項であるといえる。c よって、乙1発明1は、本件発明1と同一である。(イ) 本件発明2と乙1発明2との対比乙1発明2と本件発明2とを対比すると、乙1発明2の①「コンピュータノート10」(構成要件2a’及び2f’ 、②「蝶番16」) (同2b’ 、③「ロッキング機構」) (同2c’ないし2e’)は、それぞれ、本件発明2の①「表示装置」(構成要件2A及び2F)、②「左右見開き接続手段」(同2B)、③「完全左右見開き固定手段」(同2C)及び「中間左右見開き固定手段」(同2D及び2E)に相当する。よって、乙1発明2は、本件発明2と同一である。(ウ) 本件発明3と乙1発明3との対比乙1発明3と本件発明3とを対比すると、乙1発明3の①「コンピュータノート10」(構成要件3a’及び3e’ 、②「蝶番16」) (同3b’ 、③「ロッキング機構」) (同3c’及び3d’)は、それぞれ、本件発明3の①「表示装置」(構成要件3A及び3E)、②「左右見開き接続手段」(同3B)、③「完全左右見開き固定手段」(同3C)及び「中間左右見開き固定手段」(同3D)に相当する。
5 よって、乙1発明3は、本件発明3と同一である。
(エ) 本件発明4と乙1発明4との対比乙1発明4と本件発明4とを対比すると、乙1発明4の①「コンピュータノート10」(構成要件4a’及び4d’ 、②「蝶番16」) (同4b’ 、③「ロッキング機構」) (同4c’)は、それぞれ、本件発明4の①「表示装置」(構成要件4A及び4D)、②「左右見開き接続手段」(同4B)、③「左右見開き固定手段」(同4C)に相当する。よって、乙1発明4は、本件発明4と同一である。(オ) 本件発明5と乙1発明5との対比乙1発明5と本件発明5とを対比すると、乙1発明5の①「コンピュータノート10」(構成要件5e’、②「) (a)」及び「(b)」にかかる構成(同5a’及び5b’、③「蝶番16」) (同5c’、④「ロッキング機)構」(同5d’)は、それぞれ、本件発明5の①「表示装置」(構成要件5E)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同5A及び5B)、③「左右見開き接続手段」(同5C)、④「左右見開き固定手段」(同5D)に相当する。よって、乙1発明5は、本件発明5と同一である。(カ) 本件発明6と乙1発明6との対比乙1発明6と本件発明6とを対比すると、乙1発明6の①「コンピュータノート10」(構成要件6e’、②「) (a)」及び「(b)」にかかる構成(同6a’及び6b’、③「蝶番16」) (同6c’、④「ロッキング機)構」(同6d’)は、それぞれ、本件発明6の①「表示装置」(構成要件6E)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同6A及び6B)、③「左右見開き接続手段」(同6C)、④「左右見開き固定手段」(同6D)に相当する。よって、乙1発明6は、本件発明6と同一である。
5 (キ) 本件発明10と乙1発明との対比
乙1発明と本件発明10とを対比すると、構成要件10A及び10Cに係る構成は、前記(イ)ないし(カ)のとおり、乙1発明における構成と同じである。また、構成要件10Bに係る構成についても、乙1文献の図1等に開示されていることは明らかである。よって、乙1発明は、本件発明10と同一である。エ 小括以上のとおり、本件各発明は、本件出願前に頒布された刊行物である乙1文献に記載された発明であるから、新規性を欠く。
(原告の主張)
ア 乙1文献に記載された発明について乙1文献(国際公開91/05327号)に係るPCT出願は、日本国へも平成2年10月5日付けで特願平2-515540号として国内移行されている(特表平5-501023号公報(甲20の1)を参照)。一般に、PCT出願の指定国への国内移行のために提出する翻訳文は、PCT出願明細書等の原文を忠実に翻訳したものでなければならないとされていることは、周知の事実である。よって、乙1文献の正確・忠実な和訳の内容は、特表平5-501023号公報(甲20の1)に記載された内容である。なお、被告は、乙1文献の抄訳を提出しているが、これには、特表平5-501023号公報(甲20の1)と比較した結果、多数の箇所において極めて不正確な箇所又は誤りが多数存在するので、被告提出に係る乙1文献の抄訳は、乙1文献の内容を示すものではない。そして、乙1文献の記載及びそれから当業者が読み取れる事実は、次の(ア)から(コ)までのとおりである。(ア) 「2つの互いに離れた位置にある回転軸(回転中心)」が存在すること、
5 すなわち、(1)第1軸36は第1パネル12が回転する軸を提供しかつ
第2軸38は第2パネル14が回転する軸を提供すること、及び、(2)
「2つの回転軸」である第1軸36と第2軸38とは互いに所定距離を介して配置されていること、(イ) 2つのパネルが互いに独立に回動すること、すなわち、「第1軸36を中心に回動する第1パネル12」と「第2軸38を中心に回動する第2パネル14」とは、互いに独立に回動するものであること、(ウ) 2つのパネルが互いに独立に固定されること、すなわち、(ⅰ)第1の固定手段が第1軸36と第1パネル12とを固定し、(ⅱ)第2の固定手段が第2軸38と第2パネル14とを固定すること、すなわち、第1パネル12は第1軸36を回転中心として、第2パネル14は第2軸38(上記第1軸36とは所定の距離だけ離れた第2軸38)を回転中心として、①それぞれが互いに独立に回動し(前記(イ)参照)、②それぞれが互いに独立にユーザーにより締め付けられ(後記(エ)参照)、③それぞれが互いに独立に固定されること、(エ) 「第1パネル12を第1軸36に自動的に『固定』する機能又は構成」がないこと、すなわち、乙1文献に記載された発明に係る装置には、第1パネル12と第1軸36との間を何らかの角度で「自動的に『固定』する機能又は構成」は存在していないこと、すなわち、第1パネル12と第1軸36とを固定するためには、 『つ「まみ42』を指でつまんで回すというユーザーの手作業」によるしかないこと、(オ) 「第2パネル14を第2軸38に自動的に『固定』する機能又は構成」
5 がないこと、
すなわち、乙1文献に記載された発明に係る装置には、(上記(エ)で述べた「第1パネル12を第1軸36との固定」におけると同様に)第2パネル14と第2軸38との間を何らかの角度で「自動的に固定する機能又は構成」は存在していないこと、すなわち、第2パネル14と第2軸38とを固定するためには、 『つ「まみ42』を指でつまんで回すというユーザーの手作業」によるしかないこと、(カ) 第1パネルと第2パネルとは『360度の回動・配向』が可能だが、その『360度の回動・配向』を自動的に『ストップ』させる機能がないこと、すなわち、乙1文献に記載された発明に係る装置のヒンジ部には、第1パネルの回動又は第2パネルの回動を「ユーザーの手作業によることなく自動的に『ストップ』させる機能」がないこと、(キ) 「任意の角度で『保持』(摩擦力などにより保持)する機能」がないこと、すなわち、乙1文献に記載された発明に係る装置には、第1パネルと
第2パネルとの間を任意の角度で「保持」(摩擦力などにより保持)する
機能がないこと、(ク) 「『背中合わせ』に折り畳むこと」が技術思想とされていること、すなわち、乙1文献に記載された発明は、「ユーザーが立ちながら又は歩きながらでの2つのパネルの使用を可能にするという課題・目的のための技術思想としては、(後記(ケ)の「『互いに所定距離だけ離れた2つの回転軸36、38』を備えたヒンジ部の構成」を採用することにより)2つのパネルを互いに『背中合わせ』に折り畳めるようにする」という技術思想だけしか提示されていないこと、
5 (ケ) 「2つの回転軸による、互いに独立の回動」が本質的な構成要素であ
ること、すなわち、乙1文献に記載された発明において「『第1パネル12の回転中心となる第1軸36』と、これと互いに所定距離だけ離れた『第2パネル14の回転中心となる第2軸38』との2つの回転軸を含むヒンジ部」を採用する構成は、乙1文献に記載された発明の「技術思想(『背中合わせ』の折り畳み)」において不可欠でかつ本質的な構成要素とされていたこと、(コ) 「周知又は自明の課題・目的」ではなかったこと、すなわち、乙1から乙5までの全ての引用文献を見る限り、乙1中に僅かに記載されている「ユーザーが立ちながら又は歩きながらでの2つのパネルの使用を可能にするという課題・目的」は、少なくとも本件原々々出願の出願当時において「周知又は自明の課題・目的」ではなかったこと、イ 本件各発明と乙1文献に記載された発明との対比前記アによれば、本件各発明は、いずれも乙1文献に記載された発明と同一ではないので、乙1文献を引用例とする新規性欠如の主張は理由がない。
(3) 争点2-2-2(本件各発明についての乙1文献を主引用例とする進歩性
欠如(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 本件各発明と乙1発明との相違点前記(2)
(被告の主張)
のとおり、本件各発明と乙1発明との間には相違点はないが、以下の点を仮に相違点と捉えたとしても、これらはいずれも本件原々々出願の出願日において、当業者が容易に想到し得るものである。(ア) 「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係
5 る構成について
本件発明1は、構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」を備えている。前記(2)
(被告の主張)
ウのとおり、当該構成は乙1発明の「ロッキング機構」から自明であり、本件発明1と乙1発明1との間には相違点はないが、以下では、次の点を、本件発明1と乙1発明1との相違点(以下「被告主張の相違点」という。)として主張する。(被告主張の相違点)本件発明1は、「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係る構成を備えるが、乙1発明1は備えないこと。(イ) 第2次訂正に係る審決で認定された相違点についてa 第2次訂正に対する訂正拒絶理由通知(乙17)において、審判合議体は、第2次訂正発明1と乙1文献に記載された発明との間に、次の3つの相違点があると認定した(以下、順に「訂正拒絶理由通知における相違点1」等という。。)(訂正拒絶理由通知における相違点1)「左右見開き接続手段」により「前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき」、第2次訂正発明1では、「当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動する」(構成要件1B’)のに対して、乙1文献に記載された発明では、「第1の軸36」を回動中心として「第1のパネル12が回転」し、「第2の軸38」を回動中心として「第2のパネル14が回転」する点。(訂正拒絶理由通知における相違点2)
第2次訂正発明1は、「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方
向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示
5 される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくとも
いずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパ」(構成要件1D’ないし1F’)を備えているのに対して、乙1文献に記載された発明は、そのような構成を備えていない点。(訂正拒絶理由通知における相違点3)「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成」が、
第2次訂正発明1では、「ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平
面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部
5 分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分
及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成」(構成要件1I’)でもあるのに対して、乙1文献に記載された発明では、第1のパネル12と第2のパネル14が「図3の背中合わせで折畳まれた位置では、片手で装置を運び、もう片方の手でデータを入力することが容易になる」としている点。b 被告は上記各相違点の存在を認めるものではないが、本件各発明と乙1文献との間に、訂正拒絶理由通知における相違点1及び2と同様の相違点があると仮定して以下主張する。なお、訂正拒絶理由通知における相違点3については、本件各発明と乙1文献との相違点でないことが明らかである。イ 被告主張の相違点に係る構成の容易想到性(ア) 特開平2-275108号公報(乙2文献。)に記載された発明との組合せa 乙2文献に記載された発明乙2文献には、以下の発明が記載されている(以下、この発明を「乙2発明」という。。)
①電子機器1は、機器本体2とディスプレイを有する回転部品3と
を備え、機器本体2と回転部品3とがヒンジ装置4により折り曲げ自在に接続されていること、②回転部品3は、機器本体2の上にほぼ重ね合わせられる閉位置(図7:ⓐ)から、上方に約90°開いた直立位置(図7:ⓑ)を経て、直立位置から約50°後傾した後傾位置(図7:ⓒ)へと自在に折り曲げることができ、また逆に、後傾位置から直立位置を経て閉位置にすることができること、③ヒンジ装置4にフリーストップ機構及びダンパー手段を設け、機器本体2と回転部品3との間の角度を、90°から140°の間の角度で固定する(回
5 動を阻止する)ことができること、④電子機器1のヒンジ装置4は、
従来の摩擦抵抗を利用したヒンジ装置であると耐久性に乏しく回転体の角度調整が困難であるという問題点を解決したものであること。b 乙1発明と乙2発明の組合せ乙2発明に開示された電子機器1は、乙1発明のコンピュータノート10と同様に折り畳み可能な電子機器であるから、乙2発明と乙1発明は技術分野が共通する。また、乙2発明は、「従来の電子機器に用いていたヒンジ装置は、いずれも摩擦抵抗を利用していたので、耐久性に乏しく、又、摩擦力が絶えず作用していたので、回転体の角度調節が困難であるという問題点」を、フリーストップ機構やダンパー手段を適用することにより解決し、「耐久性及び信頼性に富み、しかも回転体の角度調節が容易で…電子機器に好適なヒンジ装置を提供」するものであるから、同様に摩擦抵抗を利用した蝶番16を有する乙1発明の問題点を解決して回転体の角度調節を容易にするために、乙2発明に開示されたフリーストップ機構やダンパー手段(回動を阻止する機構)を乙1発明に適用することは、当業者が積極的に動機づけられるというべきである。したがって、乙1発明を、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係る構成とすることは、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたことである。(イ) 実願平1-125015号(実開平3-67714号)のマイクロフィルム(乙3文献)に記載された発明との組合せa 乙3文献に記載された発明乙3文献には、以下の発明が記載されている(以下、この発明を「乙3発明」という。。)
①電子機器10は、機器本体20と回転体としての表示装置30と
5 を備え、機器本体20と表示装置30とがヒンジ装置40により折り
曲げ自在に接続されていること、②表示装置30は、機器本体20の上面にほぼ重ね合わせられる重合位置から、上方に約90度開いた直立位置を経て、直立位置から約50度後傾した後傾位置へと自在に折り曲げることができ、また逆に、後傾位置から直立位置を経て重合位置にすることができること、③ヒンジ装置4にストッパ機構(カム80、押圧体90、バネ100等)を設け、機器本体20と表示装置30との間の角度を、90度から140度の間の角度で固定する(回動を阻止する)ことができること、④電子機器1のヒンジ装置40は、従来の摩擦抵抗を利用したヒンジ装置では耐久性に乏しく、シャフトを回転する際のスムーズさに欠けてしまう等の問題点を解決したものであること。b 乙1発明と乙3発明の組合せ乙3発明の電子機器10は、乙1発明のコンピュータノート10と同様に折り畳み可能な電子機器であるから、乙3発明と乙1発明は技術分野が共通する。また、乙3発明は、「従来のヒンジ装置は、いずれも摩擦抵抗を利用してシャフトの回転を阻止していたので、長期間使用すると、摩擦面が摩耗し易く、耐久性に乏しいという問題点」及び「摩擦力のみでシャフトの回転を阻止すると、シャフトを回転する際のスムーズさに欠けてしまうという問題点」を、ストッパ機構(カム80、押圧体90、バネ100等)を適用することにより解決し、「耐久性及び信頼性が高く、しかも回転体の傾斜角度調節がスムーズに行えるようにしたヒンジ装置…を提供」するものであるから、同様に摩擦抵抗を利用した蝶番16を有する乙1発明の問題点を解決して回転体の傾斜角度調節がスムーズに行えるようにするために、乙3発明に開示されたストッパ機構(カム80、押圧体90、バネ100等から
5 なる回動を阻止する機構)を乙1発明に適用することは、当業者が積
極的に動機づけられるというべきである。したがって、乙1発明において、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係る構成とすることは、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたことである。(ウ) 実願昭63-171245号(実開平2-91874号)のマイクロフィルム(乙4文献)に記載された発明との組合せa 乙4文献に記載された発明乙4文献には、以下の発明が記載されている(以下、この発明を「乙4発明」という。。)
①小型電子機器は、操作板1と表示板2とを備え、表示板2が回転
軸8を中心に操作板1に対して回転可能に構成されていること、②表示板2は、操作板1上に折畳まれた折畳位置から、上方に約90°開いた直立位置(図5:Ⅱ)を経て、直立位置から約60°後傾した後傾位置(図5:Ⅴ)へと自在に折り曲げることができ、また逆に、後傾位置から直立位置を経て折畳位置にすることができること、③回転軸8に形成した複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等から構成されるチルト機構により、操作板1と表示板2との間の角度を、約90°から約150°の間の溝aないしeに対応する所定の角度で固定することができること、④操作板1と表示板2との間の所定の角度は任意に選定できること、⑤小型電子機器の上記チルト機構は、操作板に対して表示板をある傾斜角度で開いて停止させた状態において、衝撃や振動等によって停止位置がずれるという従来の小型電子機器の表示板における問題点を解決したものであること。b 乙1発明と乙4発明の組合せ
5 乙4発明に開示された小型電子機器は、乙1発明のコンピュータノ
ート10と同様に折り畳み可能な電子機器であるから、乙4発明と乙1発明は技術分野が共通する。また、乙4発明は、「表示板2をある傾斜角度で開いた状態において、小さな衝撃、振動等があると……停止位置がずれることがある」という問題点を、操作板1と表示板2との間の角度を溝aないしeに対応する所定の角度で固定することができるチルト機構(複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等)を適用することにより解決し、「表示板の…必要な傾斜角度において、確実に固定保持できるクリック感を持たせた小型電子機器等のチルト機構を提供」するものであるから、乙1発明において第1のパネル12を第2のパネル14に対してある傾斜角度で開いて停止させた状態において、衝撃や振動等によって停止位置がずれるという問題点を解決するために、乙4発明に開示された上記チルト機構(複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等からなり操作板1と表示板2との間の角度を溝aないしeに対応する所定の角度で固定することができる機構)を乙1発明に適用することは、当業者が積極的に動機づけられるというべきである。したがって、乙1発明において、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係る構成とすることは、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたことである。(エ) 乙2文献ないし乙4文献及び特開平2-268311号公報(乙5文献)に記載された周知技術との組合せa 乙2文献ないし乙5文献に記載された周知技術乙2文献には、①ヒンジ装置4のプレート21の当接部22がコイルバネ11の一端11aに引っかかることで、回転部品3が直立位置
5 ⓑ(90度)において静止すること、及び、②ヒンジ装置4に「スト
ッパ」を設けて、回転部品3が傾斜位置ⓒ(140度)からさらに回転することを規制してもよいことが記載されている。また、乙3文献には、ヒンジ装置4の押圧体9がカム面121の窪部126にはまり込むように構成することで、表示装置30を機器本体20に対して直立位置(90度)で静止させることが記載されている。さらに、乙4文献には、従来の小型電子機器の表示板では操作板に対して表示板をある傾斜角度で開いて停止させた状態において衝撃や振動等によって停止位置がずれるという問題点を解決するためにチルト機構(複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等)を設け、操作板1と表示板2との間の角度を溝a~eに対応する所定の角度で固定することが記載されている。以上によれば、ヒンジ構造を有する電子機器において表示板の回動を所定の角度で静止するストッパを設けることは、本件原々々出願の出願日における周知技術であるといえる。なお、乙1発明のコンピュータノートのような二軸ヒンジ構造を有する電子機器において、所定角度で回動を阻止する機構についても、例えば乙5文献等に記載されているように、本件原々々出願の出願日における周知技術である。b 乙1発明への適用ヒンジ構造(蝶番16)を有する電子機器である乙1発明において、前記aの周知技術を適用することは当業者が当然に行い得るというべきであり、そうすると、乙1発明において、本件発明1の構成要件1Dないし1Fの「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に係る構成とすることは、本件原々々出願の出願日におい
5 て当業者が容易に想到することができたことである。
ウ 訂正拒絶理由通知における相違点1に係る構成の容易想到性(ア) 実願昭60-27223号(実開昭60-170858号)のマイクロフィルム(乙18。以下「乙18文献」という。)等に記載されている周知技術乙18文献には、蓋体3の円筒部9を本体2の軸受部7、7の間に位置させた状態で、円筒10を軸受部7の外側から円筒部9内に回転自在に嵌合させると共に、円筒10と軸受部7とをねじ11によって一体的に固定することにより、本体2と蓋体3とが相対的に自由に回動させ、折畳むことができる小型電子機器が記載されている。この小型電子機器の本体2と蓋体3は、左右に見開くものであり(第3図参照)、円筒10を介して互いに接続されており、蓋体3を本体2に対して回動させたとき、円筒10を回動中心として相対的に回動するものであるといえる。そうすると、小型の電子機器において、相対的に自由に回動させ、折畳むことができる2つの部材の少なくともいずれか一方をユーザーが回動させたとき、当該一方の部材と他方の部材とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段を設けることは、乙18文献に記載されているように周知の技術である(以下「周知技術1」という。。)なお、乙18文献の他にも、例えば、実願昭56-185981号(実開昭58-90437号)のマイクロフィルム(乙19)、特開昭59-221725号公報(乙20)、特開昭62-92025号公報(乙21)、特開平1-282587号公報(乙22)、特開平2-230360号公報(乙23)、実願昭58-14518号(実開昭59-122524号)のマイクロフィルム(乙24)及び実開昭61-46640号公報(乙25)など、周知技術1を示す多数の文献が挙げられる。
5 (イ) 乙1発明への適用
乙1発明は小型の電子機器に係る発明であり、乙18文献に記載された技術と共通するから、乙1発明に周知技術1を採用することにより、訂正拒絶理由通知における相違点1の構成とすることは当業者ならば容易にできたことである。補足すると、乙18文献は、「左右開き」の構成を有する小型電子機器を開示するものであり(第3図等)、この小型電子機器は、左右に配置される本体2と蓋体3とを回動自在に接続するための回動機構(軸受部7、円筒部9、円筒10等)を備えており、この回動機構は、本体2と蓋体3とを電気的に接続する信号線13を通すことができるようになっている。乙1発明のコンピュータノートもまた「左右開き」であり(FIG.1等)、2つのパネル間で電気通信を可能とする手段(乙1文献7頁35行ないし8頁1行)としてリボンコンピュータケーブル(同8頁3行ないし4行)が例示されているが、このリボンコンピュータケーブル(いわゆるフレキシブルプリント基板)を信号線に代えるために乙18文献の回動機構を採用し、その結果、訂正拒絶理由通知における相違点1に係る構成とすることは、当業者にとってきわめて容易なことである。そもそも、乙1発明は、連携した2つの別個のデジタイザの使用を可能にし、ユーザーが一方のデジタイザを入力し、それをディスプレイとしても使用される第2のデジタイザ上で見ることができ、2つのパネルを様々な選択位置に開けるようにした携帯用コンピュータを提供することを目的としており(乙1文献の3頁12行ないし21行)、2つのパネルを接続する蝶番手段はこれらのなす角度を複数の角度に配向することを可能とするものであればよく、必ずしも2軸である必要はない。乙1文献における2つのパネルを「背中合わせ」に折り畳む態様はあくまでも「特定の実施形態」にすぎないものである(同4頁27行ないし29
5 行)。むしろ、乙1文献には、一方のパネルに対して他方のパネルが、一
次軸36(又は二次軸38)を回動中心として相対的に回動することが記載されており、一次軸36(又は二次軸38)は、「それら(一方のパネル及び他方のパネル)が互いに接続されている部分」に他ならない。よって、訂正拒絶理由通知における相違点1に係る構成は、そもそも周知技術1を採用するまでもなく、乙1文献に基づいて当業者がきわめて容易に想到できるものであるといえる。エ 訂正拒絶理由通知における相違点2に係る構成の容易想到性(ア) 乙4文献及び実願昭59-104166号(実開昭61-19832号)のマイクロフィルム(乙26。以下「乙26文献」という。)に記載されている周知技術乙4文献には、使用時に表示板2を見易い傾斜角度に開くことができる折畳み式の小型電子機器において、表示板2を手で回転させると、回転軸8の溝aないしeに回転軸止め用シャフト10が弾性的に圧入され、例えば回転軸8の溝d、eのところでは、それぞれクリック音を感触させながら位置Ⅳ、Vで停止し表示板2を固定させることが開示されている。ここで、乙4文献の第5図からみて、位置Ⅳや位置Vは、それぞれ傾斜角度が約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの傾斜角度に対応した位置であると認められる。そうすると、折り畳み式の小型電子機器において、表示板2を含む2つの部材のなす角度が、ユーザーによる表示板2の回動により約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記2つの部材の間を前記予め決められた1つの角度で固定する中間ストッパであって、前記2つの部材のなす角度が折り畳まれた状態から広げられて行く動作をストップ
5 する機能と、約180度の角度にされた状態から狭められて行く動作を
ストップする機能を有する中間ストッパを設けることは、乙4文献に記載されているように周知の技術である(以下「周知技術2」という。。)なお、乙4文献の他にも、例えば、乙26文献などが周知技術2を示す文献として挙げられる。(イ) 乙1発明への適用乙1発明は小型の電子機器であり、乙4文献に開示された技術と共通するから、乙1発明に周知技術2を採用することにより、訂正拒絶理由通知における相違点2に係る構成とすることは当業者ならば容易に想到し得たことである。補足すると、乙4文献は、「表示板2をある傾斜角度で開いた状態において、小さな衝撃、振動等があると…停止位置がずれることがある」(3頁4行ないし7行)という問題点を、操作板1と表示板2との間の角度を溝aないしeに対応する所定の角度で固定することができるチルト機構(複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等)を適用することにより解決し、「表示板の……必要な傾斜角度において、確実に固定保持できるクリック感を持たせた小型電子機器等のチルト機構を提供」(3頁13行ないし17行)するものである。よって、乙1発明において第1のパネル12を第2のパネル14に対してある傾斜角度で開いて停止させた状態で衝撃や振動等によって停止位置がずれるという問題点を解決するために、乙4文献に記載された上記チルト機構(複数の溝aないしe、回転軸止め用シャフト10、圧接部9A等からなり操作板1と表示板2との間の角度を溝aないしeに対応する所定の角度で固定することができる機構)を乙1発明に適用することは、当業者が積極的に動機づけられるというべきであり、乙1発明に周知技術2を適用することによって相違点2に係る構成とすることは当業者ならば容易
5 に想到し得たことである。
オ 小活以上によれば、本件各発明と乙1発明との間に、被告主張の相違点並びに訂正拒絶理由通知における相違点1及び2と同様の相違点があるとしても、これらはいずれも本件原々々出願の出願日において、当業者が容易に想到し得るものであるから、本件各発明はいずれも進歩性を有しない。
(原告の主張)
ア 被告主張の相違点の容易想到性について(ア) 乙2文献に記載された発明との組合せについてa 乙2文献に記載された発明について「フリーストップ機構」は、あくまで「表示板などを、ユーザーの任意の角度・位置でユーザーの任意の行為(表示板から任意に手を離すなどの行為)により、任意の位置に無段階で静止・保持する装置としての、チルト機構」に含まれる一要素であり、「表示板の回動を所定角度でユーザーの任意とは関係なく停止(ストップ)させ、かつ表示板間を所定角度でユーザーの任意とは関係なく固定する装置である、ストッパ」とは全く関係がない概念である。また、「ダンパー手段」とは、一般的に、チルト機構における回転力(摩擦力などを利用して回転部材・回転軸等に加えられる力)を制御・調整するものであるから、同様に「ストッパ」とは全く関係がない部品である。したがって、乙2文献中には、「所定角度でストップさせ、所定角度で固定するという2つの構成を有する、ストッパ」については、全く記載も示唆もない。b 乙1文献に記載された発明と乙2文献に記載された発明の組合せについて
5 前記aのとおり、乙1文献に記載された発明に乙2文献に記載され
た発明を組み合わせても、被告主張の相違点に係る構成に至らない。また、「2つの表示パネルを接続させて成る」乙1文献に記載された発明と「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る」乙2文献に記載された発明との間では、(ⅰ)その技術分野、及び装置の用途・使用方法が大きく異なっていること、(ⅱ)乙1文献に記載された発明が「立っているか歩いているときでもデータ入力ができるようにするという課題・目的」(乙1文献の3頁21行ないし28行)のため、2つのパネルを互いに「背中合わせ」(back to back)で並置できるようにする構成(同10頁10ないし13行、FIG.3)を、その課題解決手段としているのに対して、乙2文献に記載された発明は「単にキーボード部を机上に載置して使用する場合にディスプレイ部のキーボード部に対する傾斜角度の調整保持を適切にするための発明」に過ぎないから、両者はその課題・目的、並びに機能・作用及び技術思想が大きく異なっていること、(ⅲ)乙2文献に記載された発明に使用されている「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る、ダンパー、カム、スプリングなどを含むヒンジ装置」を、これとは大きく異なる構成、すなわち、もともとユーザーが「つまみ」(乙 1 文献のFIG.6Cの符号42)を指でつまんで回して締め付けるという手作業を行うことにより2つの各表示パネル(同FIG.5の符号12、14)を2つの各回転軸(同FIG.6Dの符号36、同FIG.6Dの符号38)にそれぞれ固定する構成を採用している乙1文献に記載された発明に対し適用するためには格別の努力と試行錯誤が必要となること、などから、乙1文献に記載された発明に乙2文献に記載された発明を組み
5 合わせることは、当業者にとって動機付けがない。
よって、被告主張の相違点は、乙1文献に記載された発明に乙2文献に記載された発明を組み合わせることで、容易に想到できたものではない。(イ) 乙3文献に記載された発明との組合せについてa 乙3文献に記載された発明について乙3文献には、「手を離した任意の位置で静止するという構成のための、カム80、押圧体90、バネ100等」が記載されているだけであり、回動を予め決められた角度で、ユーザーの「任意」とは関係なく、ストップする構成に相当するものについて、全く記載も示唆もない。したがって、乙3文献中には、「所定角度でストップさせ、所定角度で固定するという2つの構成を有する、ストッパ」について、全く記載も示唆もないというべきである。b 乙1文献に記載された発明と乙3文献に記載された発明の組合せについて前記aのとおり、乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を組み合わせても、被告主張の相違点に係る構成に至らない。また、「2つの表示パネルを接続させて成る」乙1文献に記載された発明と「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る」乙3文献に記載された発明との間では、(ⅰ)その技術分野及び装置の用途・使用方法が大きく異なっていること、(ⅱ)乙1文献に記載された発明が「立っているか歩いているときでもデータ入力ができるようにするという課題・目的」のため、2つのパネルを互いに「背中合わせ」(backto back)で並置できるようにする構成を、その課題解決手段
5 としているのに対して、乙3文献に記載された発明は「単にキーボー
ド部を机上に載置して使用する場合にディスプレイ部のキーボード部に対する傾斜角度の調整保持を適切にするための発明」にすぎないから、両者はその課題・目的並びに機能・作用及び技術思想が大きく異なっていること、(ⅲ)乙3発明に使用されている「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る、カム、スプリングなどを含むヒンジ装置」を、これとは大きく異なる構成、すなわち、もともとユーザーが「つまみ」を指でつまんで回して締め付けるという手作業を行うことにより2つの各表示パネルを2つの各回転軸にそれぞれ固定する構成を採用している、乙1文献に記載された発明に対し適用するためには、格別の努力と試行錯誤が必要となることなどから、乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を組み合わせることは、当業者にとって動機付けがない。よって、被告主張の相違点は、乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を組み合わせることで、容易に想到できたものではない。(ウ) 乙4文献に記載された発明との組合せについてa 乙4文献に記載された発明について乙4文献には、「ポップアップ機構を備えた、チルト機構」の発明であると明記されている。したがって、乙4文献に記載された発明は、(ⅰ)「従来型の、摩擦力を利用したフリーストップ型(無段階型)のチルト機構」ではない、(ⅱ)「複数個の溝(乙4文献では溝bないしe)を利用したポップアップ型(有段階型)のチルト機構」であるとしても、いずれにせよ「チルト機構」である以上は、「回転中の表示板2を、ユーザーにとっ
5 て任意の角度・位置(ユーザーが希望する角度・位置)で保持する機
構」、乙4文献に記載の溝bないしeにより、「各溝b、c、d、eの任意のところ」で保持する機構であることは、明らかである。このように、乙4文献中には、被告主張の相違点に係る構成、すなわち、①回動中の表示板を、予め決められた角度(所定の角度)で、ユーザーの「任意」とは関係なく(すなわち、ユーザーが自分の手で回動中の表示板に対し「任意に回動を止める」又は「任意に手を離す」などのユーザー側の「任意」の行為によることなく、たとえユーザーの任意に反していても、自動的に)ストップさせ、かつ、②各表示板間を、予め決められた角度(所定の角度)で、ユーザーの「任意」とは関係なく、動かないように固定するという構成を有するストッパについて、全く記載も示唆もない。b 乙1文献に記載された発明と乙4文献に記載された発明の組合せについて前記aのとおり、乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を組み合わせても、被告主張の相違点に係る構成に至らない。また、「2つの表示パネルを接続させて成る」乙1文献に記載された発明と「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る」乙4文献に記載された発明との間では、(ⅰ)その技術分野、及び装置の用途・使用方法が大きく異なっていること、(ⅱ)乙1文献に記載された発明が「立っているか歩いているときでもデータ入力ができるようにするという課題・目的」のため、2つのパネルを互いに「背中合わせ」(backto back)で並置できるようにする構成を、その課題解決手段としているのに対して、乙4文献に記載された発明は「単にキーボード部を机上に載置して使用する場合にディスプレイ部のキーボード部
5 に対する傾斜角度の調整保持を適切にするための発明」に過ぎないか
ら、両者はその課題・目的、並びに機能・作用及び技術思想が大きく異なっていること、(ⅲ)「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る、乙4文献に記載された発明に使用されている、スプリングなどを含むヒンジ装置」を、これとは大きく異なる構成、すなわち、もともとユーザーが「つまみ」を指でつまんで回して締め付けるという手作業を行うことにより2つの各表示パネルを2つの各回転軸にそれぞれ固定する構成を採用している乙1文献に記載された発明に対し適用するためには格別の努力と試行錯誤が必要となること、などから、乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を組み合わせることは、当業者にとって動機付けがない。よって、被告主張の相違点は、乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を組み合わせることで、容易に想到できたものではない。(エ) 乙2文献ないし乙5文献に記載された周知技術との組合せについてa 乙2文献ないし乙5文献に記載された周知技術について乙2文献ないし乙4文献からは、ヒンジ構造を有する電子機器において表示板の回動を所定の角度で静止するストッパという周知技術は認定できない。また、乙5文献において第3図の状態(表示用ケース2の開き方向への回動が中間的角度で「阻止(すなわち当該角度で保持)」された状態)にある表示用ケース2は、(ⅰ)開く方向の回動に関しては、「回動を阻止する程度に『保持』できる状態」となっているだけであるから、「回動を阻止する程度に『保持』する」構成が開示されているだけで、「動かないように固定する構成」までは開示されていない、他方、
5 (ⅱ)閉じる方向の回動に関しては、「回動を阻止する程度の『保持』さ
えもできない状態」(すなわち、実質的にフリーの状態)となっていると記載されている。したがって、乙5文献から、二軸ヒンジ構造を有する電子機器において所定角度で回動を阻止する機構という周知技術を認定することもできない。したがって、被告が乙2文献ないし乙5文献から認定できると主張する周知技術の存在は認められない。b 乙1文献に記載された発明への周知技術の適用について「2つの表示パネルを接続して成る」、乙1文献に記載された発明に、「机上に載置して使用するキーボード部とこのキーボード部に対し傾斜させて使用するディスプレイ部とから成る」、乙2文献ないし乙5文献により認定されると被告が主張する周知技術を適用することには、前記(ア)ないし(ウ)で乙2文献ないし乙4文献について述べたのと同様の理由により、格別の努力と試行錯誤が必要となる。したがって、乙1文献に記載された発明に被告が主張する周知技術を適用することは、当業者にとって動機付けがなく、被告主張の相違点は、乙1文献に記載された発明に被告が主張する周知技術を組み合わせることで、容易に想到できたものではない。イ 訂正拒絶理由通知における相違点1ないし3に係る構成の容易想到性について訂正拒絶理由通知における相違点1ないし3に係る構成は当業者が容易に想到し得るものであったとの主張は争う。ウ 小活以上によれば、本件各発明についての乙1文献を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。
(4) 争点2-3-1(本件各発明についての乙11文献を引用例とする新規性
5 欠如(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 乙11文献が本件出願前に頒布された刊行物に当たること前記(1)
(被告の主張)
のとおり、本件出願の出願日は、現実の出願日である平成14年7月5日となり、少なくとも、本件原々出願の出願日である平成9年11月10日よりも前に遡及することはない。よって、平成5年3月12日を公開日とする本件原々々出願の特許公開公報である乙11文献は、本件出願前に頒布された刊行物(特許法29条1項3号)に当たる。イ 乙11文献に記載された発明乙11文献には、以下の(ア)ないし(カ)の発明(以下、順に、それぞれ「乙11発明1」 「乙11発明2」などといい、併せて「乙11発明」と、いう。)が記載されている。(ア) 乙11発明11a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略長方形の画面を表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とを備え、片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)であって、1b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための丁番9および丁番10(接続手段)と、1c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであって、枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が180度となるように固定でき、1d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされ
5 ているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が12
0度となるように固定でき、1e 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7とが互いに折り畳まれた状態から広げられていく動作をストップする機能と、1f 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7との角度がユーザーから見て左右方向に180度の角度で見開きにされた状態から狭められていく動作をストップする機能とを有するストッパと、1g を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。(イ) 乙11発明22a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略長方形の画面を表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とを備え、片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)であって、2b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための丁番9および丁番10(接続手段)と、2c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであって、枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が180度となるように固定でき、2d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が120度となるように固定でき、2e 枠体1のLCDパネル5と枠体2のLCDパネル7とが互いに折り畳まれた状態から広げられていく動作をストップする機能を有す
5 るストッパと、
2f を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。(ウ) 乙11発明33a 略長方形の画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と略長方形の画面を表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とを備え、片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)であって、3b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための丁番9および丁番10(接続手段)と、3c 丁番9および丁番10(接続手段)に設けられたストッパであって、枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が180度となるように固定でき、3d 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が120度となるように固定できるストッパと、3e を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。(エ) 乙11発明44a 画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とを備え、片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)であって、4b 枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するた
5 めの丁番9および丁番10(接続手段)と、
4c 枠体1と枠体2とを、ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときのLCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が120度となるように固定するためのストッパと、4d を備えた片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。(オ) 乙11発明55e 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。5a (a)画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とが、LCDパネル5とLCDパネル7とがユーザーに対向することができるように接続されている、5b (b)CD-ROM再生専用装置は、片手で使用することができる大きさに構成されている、5c (c)枠体1と枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための丁番9および丁番10(接続手段)を備えている、5d (d)LCDパネル5とLCDパネル7との間の角度がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、枠体1と枠体2とを、LCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が120度となるように固定するためのストッパを備えている。(カ) 乙11発明66e 次の(a)~(d)の内容を含む片手で使用することができるCD-ROM再生専用装置(表示装置)。6a (a)画面を表示できるLCDパネル5を設けた枠体1と画面を
5 表示できるLCDパネル7を設けた枠体2とが、LCDパネル5と
LCDパネル7とがユーザーに対向することができるように接続されている、6b (b)CD-ROM再生専用装置は、片手で使用することができる大きさに構成されている、6c (c)ユーザーから見て右側部分の枠体1と左側部分の枠体2とを、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらが左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための丁番9および丁番10(接続手段)を備えている、6d (d)ユーザーから見て右側部分の枠体1と左側部分の枠体2とを、LCDパネル5とLCDパネル7との間の角度が120度となるように固定するためのストッパを備えている。ウ 本件各発明と乙11発明との対比以下のとおり、本件各発明は乙11発明と同一である。(ア) 本件発明1と乙11発明1との対比乙11発明1の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件1a及び1g)、②「丁番9および丁番10(接続手段) (同1b)」 、
③「ストッパ」(同1cないし1f)は、それぞれ、本件発明1の①「表
示装置」(構成要件1A及び1G)、②「左右見開き接続手段」(同1B)、
③「完全左右見開き固定手段」(同1C)及び「中間左右見開き固定手段」
(同1Dないし1F)に相当する。よって、乙11発明1は、本件発明1と同一である。(イ) 本件発明2と乙11発明2との対比乙11発明2の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件2a及び2f)、②「丁番9および丁番10(接続手段) (同2b)」 、
③「ストッパ」(同2cないし2e)は、それぞれ、本件発明2の①「表
5 示装置」(構成要件2A及び2F)、②「左右見開き接続手段」(同2B)、
③「完全左右見開き固定手段」(同2C)及び「中間左右見開き固定手段」
(同2D及び2E)に相当する。よって、乙11発明2は、本件発明2と同一である。(ウ) 本件発明3と乙11発明3との対比乙11発明3の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件3a及び3e)、②「丁番9および丁番10(接続手段) (同3b)」 、
③「ストッパ」(同3c及び3d)は、それぞれ、本件発明3の①「表示
装置」(構成要件3A及び3E)、②「左右見開き接続手段」(同3B)、
③「完全左右見開き固定手段」(同3C)及び「中間左右見開き固定手段」
(同3D)に相当する。よって、乙11発明3は、本件発明3と同一である。(エ) 本件発明4と乙11発明4との対比乙11発明4の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件4a及び4d)、②「丁番9および丁番10(接続手段) (同4b)」 、
③「ストッパ」(同4c)は、それぞれ、本件発明4の①「表示装置」
(構成要件4A及び4D)、②「左右見開き接続手段」(同4B)、③「左右見開き固定手段」(同4C)に相当する。よって、乙11発明4は、本件発明4と同一である。(オ) 本件発明5と乙11発明5との対比乙11発明5の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件5e)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同5a及び5b)、③「丁番9および丁番10(接続手段) (同5c)」 、④「ストッパ」(同5d)は、それぞれ、本件発明5の①「表示装置」(構成要件5E)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同5A及び5B)、③「左右見開き接続手段」(同5C)、④「左右見開き固定手段」(同5D)に相当する。
5 よって、乙11発明5は、本件発明5と同一である。
(カ) 本件発明6と乙11発明6との対比乙11発明6の①「CD-ROM再生専用装置(表示装置) (構成要」件6e)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同6a及び6b)、③「丁番9および丁番10(接続手段) (同6c)」 、④「ストッパ」(同6d)は、それぞれ、本件発明6の①「表示装置」(構成要件6E)、②「(a)」及び「(b)」にかかる構成(同6A及び5B)、③「左右見開き接続手段」(同6C)、④「左右見開き固定手段」(同6D)に相当する。よって、乙11発明6は、本件発明6と同一である。(キ) 本件発明10と乙11発明との対比前記(ア)ないし(オ)からすれば、本件発明10は乙11発明と同一である。エ 小括よって、本件各発明は、本件出願前に頒布された刊行物である乙11文献に記載された発明であるから、新規性を欠く。
(原告の主張)
前記(1)
(原告の主張)
のとおり、本件出願の出願日は、本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日に遡ると解すべきであるから、乙11文献を引用例とする新規性欠如の主張は理由がない。
(5) 争点2-3-2(本件各発明についての乙12補正書に係る補正の補正要
件違反(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
前記(1)
(被告の主張)
のとおり、本件出願の出願日は、少なくとも、平成9年11月10日よりも前に遡及することはないから、本件出願には旧特許法は適用されず、平成5年法律第26号による改正後の特許法(補正の要件が厳格化され、いわゆる新規事項追加の禁止が導入されている。)が適用され
5 る。
そして、本件出願に係る平成14年8月5日付けの手続補正書(乙12補正書)による補正(以下「本件補正2」という。)は、明細書の全文を変更し、例えば、次の①ないし④を新たに追加するとともに、2つの新たな図面(【図8】及び【図9】)を追加するものである。
① 本件明細書の【0006】
② 本件明細書の【0010】及び【0011】
③ 本件明細書の【0012】のうち「7.」及び「8.」
④ 本件明細書の【0058】ないし【0063】
しかしながら、本件出願の願書に最初に添附した明細書又は図面(乙9。以下「本件出願の当初明細書等」という。)には、少なくとも、上記①ないし
④並びに図8及び図9についての記載はなく、これら追加された事項の示唆
もない。例えば、本件補正2により、「本願発明の一実施形態」として「互いに厚さ寸法の異なる2つの表示板(2つの表示パネル)91、92」が追加されるとともに(上記④)【図8】、 (c)が追加されているが、本件出願の当初明細書等には、互いに厚さ寸法の異なる表示板を用いることについての記載も示唆もない。また、例えば、本件補正2により、「タッチパネル式の表示画面を指先でタッチして操作」する場合の課題(上記①)や「タッチパネル式画面への指先の操作などの『入力操作』が大変に安定的に且つ容易にできる」(上記④)という効果が追加されているが、本件出願の当初明細書等にかかる記載はない上、そもそも「入力装置としてのディスプレー」として「タッチパネル式画面」を用いることの記載も示唆もない(本件出願の当初明細書等の【0035】には、「入力装置としても使用できるディスプレー」として、「入力ペン等により情報を入力するためにその入力ペンを操作するための操作画面の表示のために使用するディスプレー」が記載されているのみであ
5 る。 。本件補正2が、当初明細書等の全ての記載を総合して導かれる技術的
)事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであることは明白である。よって、本件補正2は、本件出願の当初明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものではなく、新規事項を追加するものであるから、本件特許は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正を行った特許出願に対してされたものである。したがって、本件特許は、特許法123条1項1号に該当し、無効とすべきものである。
(原告の主張)
前記(1)
(原告の主張)
のとおり、本件出願の出願日は、本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日に遡ると解すべきであるから、被告の補正要件違反による無効主張は、その前提を欠き、理由がない。
3 争点3(訂正の再抗弁の成否(第2次訂正))について
(1) 争点3-1(第2次訂正が訂正要件(独立特許要件を除く)を満たすか)
について
(原告の主張)
以下のとおり、請求項1、2及び10に係る第2次訂正はいずれも独立特許要件以外の訂正要件を満たす。ア 請求項1の訂正事項(別紙3第2次訂正の訂正事項記載1)について(ア) 訂正事項1-1についてa 訂正事項1-1の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-1は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-1が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、次のとおりである。
5 (a) 訂正事項1-1中の「「情報入力機能を有する画面」を表示させ
る」ことは、本件明細書の【0007】及び【0041】に記載されている。
(b) さらに、訂正事項1-1中の「少なくともいずれか一方の表示板」
については、(ⅰ)そもそも本件明細書に「2つの表示板の双方のみ」に情報入力機能が備えられている旨(すなわち、「2つの表示板の一方のみ」に情報入力機能が備えられることはない旨)を示す記載及び示唆は全く存在していないこと、(ⅱ)本件明細書の【図8】(b)ないし(d)の記載には「いずれか一方の表示板92に情報入力用画面が表示されている」ことが示唆されていることなどから、当業者に自明の事項であるといえる。(イ) 訂正事項1-2についてa 訂正事項1-2の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-2は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-2中の「片手持ち用」については、本件明細書の【0075】中の「片手で持つときに、…容易に安定して持ち続けることができる。」という記載等から、当業者に自明の事項であり、訂正事項1-2は本件明細書に記載した事項の範囲内のものである。(ウ) 訂正事項1-3についてa 訂正事項1-3の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-3は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-3が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである
5 理由は、次のとおりである。
(a) 本件明細書の【図2】(a)ないし(c)には、2つの表示板1、
2が「それら(2つの表示板1、2)が互いに接続されている部分」(符号10で示す蝶番・ジヨイント、すなわちヒンジ部)を回動中心として回動する様子が記載されており、かつ、この【図2】について【0016】に説明がある。
(b) また、【図2】に示すような1つの蝶番(ヒンジ部)10に互い
に接続されている2つの表示板1、2において、「少なくともいずれか一方を回動させたら、論理的には、当該一方についても、また他方についても、相対的に回動していることになる」ということは、本件原々々出願前からの技術水準・技術常識であり、本件明細書の記載から当業者にとって自明である。(エ) 訂正事項1-4についてa 訂正事項1-4の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-4は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 本件明細書の【0017】の記載などから、訂正事項1-4は当業者に自明であり、本件明細書に記載した事項の範囲内のものである。(オ) 訂正事項1-5についてa 訂正事項1-5の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-5は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-5が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、次のとおりである。
5 本件各発明のように「2つの表示板」が接続されている場合におけ
る「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」(特に「各表示板の間の角度」)は、「角度」が「角部(平面又は直線が交わる部分)の大きさ」を意味する(甲16・広辞苑第五版)ことから、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」(特に「前記各表示板の各平面の間の見開き角度」)と表現することが、より正確である。次に、「見開き角度」については、本件明細書の特許請求の範囲の請求項2などの中に「見開き角度」という文言が既に複数存在している。よって、訂正事項1-5は、本件明細書の記載から当業者に自明の事項である。(カ) 訂正事項1-6についてa 訂正事項1-6の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-6は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-6が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、次のとおりである。
(a) 本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)の「…画面が表示
される側の間の角度が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定する…」という記載及び本件明細書の【0017】中の「…ユーザーは、所定量以上の力を加えることにより自由にその「固定(半固定)の角度」を変化させることができるようになっている。」という記載からみて、訂正事項1-6中の「「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、…前記「予め決
5 められた1つの角度」で固定する」は、当業者に自明の事項である。
なお、上記の本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)中の「…画面が表示される側の間の角度が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように…」における「いずれかの角度」及び本件明細書の【0026】中の「…「約105度から約170度まで(又は、約110度から約170度まで)の間の所定の角度(任意の角度)」で固定できる(例えば摩擦力やストッパやチルト機構により)ようにしている。」における「所定の角度」は、訂正事項1-6中の「予め決められた1つの角度」に相当する。
(b) また、本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)中の「…広
げられて行く動作、をストップする機能と、…」という記載及び「ストッパ」とは「動きを止めるもの」及び「ドアや機械などの停止・固定装置」を意味すること(甲15・広辞苑第五版)からみて、訂正事項1-6中の「「…角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、「…角度」で固定する」は、当業者に自明の事項である。(キ) 訂正事項1-7についてa 訂正事項1-7の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-7は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-7が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、訂正事項1-5について述べたものと同じである。(ク) 訂正事項1-8についてa 訂正事項1-8の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。
5 また、訂正事項1-8は、発明の目的等を変更するものではないか
ら、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-8が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、訂正事項1-5について述べたものと同じである。(ケ) 訂正事項1-9について訂正事項1-9の訂正理由は、訂正事項1-6のうち「中間左右見開きストッパ」に関する部分と同様であるから、訂正事項1-9が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-6について述べたものと同じである。(コ) 訂正事項1-10についてa 訂正事項1-10の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-10は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-10が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、次のとおりである。
(a) 本件明細書の【0007】中の「本発明は…「…外出先(戸外)
などで、例えば立ったままでも、その一方の片手だけを使って…表示装置」を提供することを課題(目的)とするものである。」という記載、【0041】中の「…ユーザーが指先でデータを入力できるようにしたディスプレー、などでもよい。」という記載などから、訂正事項1-10中の「戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力する」は、当業者に自明の事項である。
(b) また、本件明細書の【0026】中の「…周囲の状況に応じた使
用ができるようになる。」という記載、【0027】中の「周囲の状況に即応したきめ細かい使用が可能になる。」という記載、【004
5 1】中の「…電子ペン等を操作…ユーザーが指先でデータを入力で
きる」という記載などから、訂正事項1-10中の「「様々な状況若しくは用途に応じた、…使用」を可能にする構成」は、当業者に自明の事項である。
(c) 本件明細書の【0017】中の「また本実施例では、枠体1と枠
体2との間は…摩擦力により、任意の角度で一時的に固定(半固定)でき、…るようになっている。」という記載、この記載に続く【0018】中の「また本実施例においては、…2つの枠体1と枠体2の間が…いずれかの角度で、ストッパがかかって固定できる…ようにしてもよい。」という記載などから、訂正事項1-10中の「「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら…ストッパにより、前記回動をストップさせて…「谷状の部分」…「山状の部分」を固定的に形成する」は、当業者に自明の事項である。このような【0017】及び【0018】の記載に接した当業者は、それらの記載がともに本件明細書中の連続した段落中に記載されている事実などから、文脈上、「摩擦力により任意の角度で保持できる構成」と「ストッパにより所定角度で固定できる構成」とがともに1つの実施例中で両立・並存し得ることが示唆されていると読み取るはずであり、それが通常人(当業者を含む)の読み方である。
(d) 本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)などには「ストッパ」
という用語が使用されているところ、この「ストッパ」とは「動きを止めるもの」及び「ドアや機械などの停止・固定装置」を意味する(甲15・広辞苑第五版)。また、本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)には「…画面が表示される側の間の角度が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するため
5 の中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「前
記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、…」という記載があり、本件明細書の【0017】には、「…またこのような「任意の角度…」自由にその「固定(半固定)の角度」を変化させることができるようになっている。」という記載が、【0026】には、 「…所定の角度(任意の角度)「 」で固定できる(例えば摩擦力やストッパやチルト機構により)ようにしている。」という記載があるから、訂正事項1-10中の「「…見開き角度」が広がるように…任意に変化させるとき…見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせ…る構成」は、当業者に自明の事項である。
(e) 訂正事項1-10中の「前記2つの表示板のそれらが互いに接続
されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を…形成する構成」は、本件明細書の【図2】(b)の記載などから、当業者に自明の事項である。
(f) ストッパが「ドアや機械などの停止・固定装置」を意味する(甲
15・広辞苑第五版)ことなどからみて、前記(e)の「2つの表示板が折り曲げられた場合」に現出される「谷状の部分」及び「山状の部分」が、訂正事項1-10中の「固定的に形成する構成」(一定の位置・状態にあって動かないように、形成されるもの)となることは、当業者に自明の事項である。(サ) 訂正事項1-11について
5 a 訂正事項1-11の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概
念への変更又は構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項1-11は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 訂正事項1-11が本件明細書に記載した事項の範囲内のものである理由は、訂正事項1-1について述べたものと同じである。イ 請求項2の訂正事項(別紙3第2次訂正の訂正事項記載2)について(ア) 訂正事項2-1について訂正事項1-1について述べたものと同じである。(イ) 訂正事項2-2について訂正事項1-2について述べたものと同じである。(ウ) 訂正事項2-3について訂正事項1-3について述べたものと同じである。(エ) 訂正事項2-4について訂正事項1-5について述べたものと同じである。(オ) 訂正事項2-5について訂正事項1-6について述べたものと同じである。(カ) 訂正事項2-6について訂正事項1-9中の「中間左右見開きストッパ」に関する部分について述べたものと同じである。(キ) 訂正事項2-7について訂正事項2-7は、訂正事項1-10の一部から成るものである。したがって、訂正事項1-10が訂正要件を満たすなら当然に訂正事項2-7も訂正要件を満たす。(ク) 訂正事項2-8について訂正事項1-11中の「情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた
5 片手持ち用且つ片手支持型の表示装置」に関する部分について述べたも
のと同じである。(ケ) 訂正事項2-9についてa 訂正事項2-9の訂正目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。また、訂正事項2-9は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。b 2つの表示板を「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」で保持又は固定することは、例えば、本件明細書の【0017】、【0018】 【図8】 【図9】などに記載されているから、訂正事項、 、2-9は本件明細書に記載した事項の範囲内のものである。ウ 請求項10の訂正事項(別紙3第2次訂正の訂正事項記載3)について(ア) 訂正事項10-1について従属項の引用関係を解消して独立請求項とする目的による訂正は、特許法上、認められている(特許法126条1項4号)(イ) 訂正事項10-2についてa 訂正事項10-2のうち、「次の(a)~(d)」を「次の(a)~(g)」と訂正する目的は、「特許請求の範囲の減縮」(下位概念への変更又は構成要件の直列的付加)である。当該訂正は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。また、当該訂正は、請求項の構成要素の数の変更に対応して「次の(a)~(d)」を「次の(a)~(g)」に変更するだけであるから、当業者に自明の事項である。b 訂正事項10-2のうち「片手支持可能な表示装置」を「情報入力
5 機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示
装置。」に訂正する部分は、訂正事項1-2と同様であるから、同部分が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-2について述べたものと同じである。(ウ) 訂正事項10-3について訂正事項10-3のうち、 「ユーザーによるデータ入力のために使用「される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力手段」の部分は、本件発明10に係る特許請求の範囲(請求項10)中に「データ入力用画面」を表示するためのデータ入力手段」などの記載があることから、当業者に自明の事項であり、本件明細書に記載した事項の範囲内である。訂正事項10-3のうち、それ以外の部分が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-1について述べたものと同じである。(エ) 訂正事項10-4について訂正事項10-4が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-3について述べたものと同じである。(オ) 訂正事項10-5についてa 訂正事項10-5の「(d)」に関する訂正が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-4について述べたものと同じである。b 訂正事項10-5の「(e)」中の「画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」に関する訂正について
(a) 当該訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」(構成要件の直列的
付加)である。また、当該訂正は、発明の目的等を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更する訂正ではない。
(b) 当該訂正は、本件明細書の【0026】の記載から、本件明細書
5 に記載した事項の範囲内のものであることが明らかである。
c 訂正事項10-5の「(e)」中の「約180度になったとき、前記「2つの表示板」の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段」に関する部分は、本件明細書の【0026】中の「…枠体1、2の各LCDパネル5、7間の角度が「約180度の角度」で固定できる…」という記載などから、当業者に自明の事項である。(カ) 訂正事項10-6について訂正事項10-6が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-6について述べたものと同じである。(キ) 訂正事項10-7について訂正事項10-7が訂正要件を満たす理由は、訂正事項1-10について述べたものと同じである。エ
(被告の主張)
に対する反論被告は、第2次訂正において、「任意角度保持手段」を「中間左右見開きストッパ」と併用する構成を採ることが新規事項の追加に当たると主張する。しかしながら、本件明細書の【0017】及び【0018】の記載からは、ユーザーの任意の角度で摩擦力による保持ができるように、ユーザーが、所定量以上の力を加え自由に各表示板間の角度を回動、変化させることができるようにする手段(摩擦力保持手段)が存在する実施例を前提とした上で、当該実施例において各表示板間がストッパがかかって固定されるように構成するようにしてもよいことは、当業者に自明の事項である。したがって、「任意角度保持手段」を「中間左右見開きストッパ」と併用する構成を採ることは本件明細書の記載の範囲内の事項であり、被告の上記の主張は採用することができない。
(被告の主張)
5 以下のとおり、請求項1、2及び10に係る第2次訂正は訂正要件を満た
さない。ア 訂正の目的に合致しないこと(特許法126条1項ただし書違反)(ア) 訂正事項1-2、1-11、2-2、2-8、3-2、3-8、4-2、4-7、5-1、6-1及び10-2について訂正事項1-2についてみるに、「片手持ち用」であることと「片手支持型」であることの間に構成上どのような差異があるのか不明であり、また、「片手支持型」として「型」という表現を用いていることから、何らかの類型化されたものを特定しようとしていると思われるが、それがどのようなものであるのかも不明である。そうすると、訂正事項1-2の訂正は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」という構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであり、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。また、訂正前の「片手支持可能な表示装置」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、この訂正が「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とすると考えることもできないし、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。したがって、訂正事項1-2の訂正は、特許法126条1項ただし書の規定に適合せず、訂正事項1-11、2-2、2-8、3-2、3-8、4-2、4-7、5-1、6-1及び10-2についても、上述の点が同様に当てはまる。(イ) 訂正事項1-4ないし1-8、1-10、2-4、2-5、2-7、2-9、3-4ないし3-7、4-5、4-6、5-4ないし5-6、6-5、6-6及び10-5ないし10-7について
5 訂正事項1-5についてみるに、訂正前の「2つの表示板」は「それ
らが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」から、訂正前の「2つの表示板」がそれぞれ平面であることは自明であり、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「各表示板」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項1-5の訂正は、当該訂正前に自明であった内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。また、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、この訂正が「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とすると考えることもできないし、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。したがって、訂正事項1-5の訂正は、特許法126条1項ただし書の規定に適合せず、訂正事項1-4、1-6、1-7、1-8、1-10、2-4、2-5、2-7、2-9、3-4、3-5、3-6、3-7、4-5、4-6、5-4、5-5、5-6、6-5、6-6、10-5、10-6及び10-7についても、上述の点が同様に当てはまる。(ウ) 訂正事項1-6、1-9、2-5及び2-6について訂正事項1-6についてみるに、訂正前の「中間左右見開き固定手段」は「ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段」であるから、当該「固定手段」は「ストッパ」そのものであると解するのが自然であり、訂正前の「中間左右見開き固定手段」を「中間左右見開きストッパ」とするのは、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、
5 訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、
この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。また、訂正前の「ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、この訂正が「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とすると考えることもできないし、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。したがって、訂正事項1-6の訂正は、特許法126条1項ただし書の規定に適合せず、訂正事項1-9、2-5及び2-6についても、上述の点が同様に当てはまる。(エ) 訂正事項1-10、2-7、3-7、4-6、5-6、6-6及び10-7訂正事項1-10についてみるに、 「電車の中で、戸外で若しくは外「出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成」という特定事項の「様々な状況若しくは用途」とは、「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する又は画面を介してデータを入力する」という状況や用途の他に、どのような状況や用途が考えられるのか、過度に漠然として不明であり、そのような不明な状況や用途「に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成とは、具体的にどのような構成を意味するのか明らかでない。また、「前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成」とは、訂正
5 前の「中間左右見開き固定手段」により「2つの表示板」を固定した場
合の状態を記述しているにすぎず、表示装置の手段として新たなものを特定していない。そうすると、訂正事項1-10の訂正は、訂正前の「表示装置」を、意味が不明な事項により特定しようとするものであり、また、「表示装置」の手段として新たなものを特定していないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。また、この訂正が「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とすると考えることもできないし、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。したがって、訂正事項1-10の訂正は、特許法126条1項ただし書の規定に適合せず、訂正事項2-7、3-7、4-6、5-6、6-6及び10-7についても、上述の点が同様に当てはまる。イ 新規事項の追加に当たること(特許法126条5項違反)(ア) 訂正後の任意角度保持手段における「ユーザーの任意の角度」が、0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も含むことについて訂正事項1-4の訂正では、「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により」「変化させられ」る「ユーザーの任意の角度」が、0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も含むことになるところ、本件明細書の【0017】の記載のみならずその他の記載を参照しても、「ユーザーの任意の角度」が180度から360度までの範囲も含むことは明示的に記載されておらず、それは本件明細書等の記載から自明な事項でもない。なお、本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)の「約180度
5 となるように、固定するための完全左右見開き固定手段」の「完全」と
いう文言は、左右見開き状態が完全に成立したこと(すなわち、2つの表示板が平行になること)を特定するものであって、左右見開きの角度の上限が180度であることを特定するものではないから、「完全」という文言があるからといって、訂正事項1-4の「ユーザーの任意の角度」が0度から180度の範囲に限られると解することはできない。そうすると、「ユーザーの任意の角度」が、0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も含むような訂正は、本件明細書の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえず、いわゆる新規事項を追加する訂正である。したがって、訂正事項1-4の訂正は、特許法126条5項の規定に適合せず、訂正事項1-10、2-7、3-4、3-7、4-6、5-4、5-6、6-6、10-5及び10-7についても、上述の点が同様に当てはまる。(イ) 「任意角度保持手段」を「中間左右見開きストッパ」と併用する構成を追加する点について訂正事項1-4、1-6及び1-10は、本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)に、2つの表示板の間を「摩擦力」により「任意の角度」で保持する「任意角度保持手段」を追加し、この「任意角度保持手段」を、2つの表示板の間を「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」で固定する「中間左右見開きストッパ」と併用する構成を新たに特定するものである。しかしながら、本件明細書においては、摩擦力やチルト機構による「半固定」と、ストッパによって「一時的に固定」することとは、分けて定義され(【0010】 、実施例においても、摩擦力により任意の角度)
5 で「半固定」する構成についての記載の直後で「ストッパがかかって固
定できるように構成するようにしてもよい。」とされ(【0017】及び【0018】、また、固定手段としての摩擦力及びストッパは、) 「摩擦力やストッパやチルト機構」として、全体を通して並列的に記載されている(【0012】及び【0026】。)本件明細書の上記記載に接した当業者は、「摩擦力による任意の角度での固定(半固定)」と、「ストッパによる所定の角度での固定(一時的に固定)」とは、固定手段として互いに代替する並列的な手段であると理解するのが自然であり、かかる記載から両者を併用することができるなどと理解することはない。よって、「任意角度保持手段」と「中間左右見開きストッパ」とを併用する構成を新たに特定する上記の訂正事項は、本件明細書に記載した事項の範囲内でするものではない。原告は、本件明細書の【0017】中の摩擦力により任意の角度で保持できる旨の記載及び【0018】中の「本実施例においては、…ストッパがかかって固定できるように構成するようにしてもよい。」との記載に接した当業者は、それらの記載がともに本件明細書等の連続した段落中に記載されている事実などから、文脈上、「摩擦力により任意の角度で保持できる構成」と、「ストッパにより所定角度で固定できる構成」とが、ともに1つの実施例中で両立・併存し得ることが示唆されているなどと主張する。しかしながら、上記のとおり、本件明細書においては、ストッパによる一時的な固定と摩擦力による半固定とは一貫して並列的に記載されており、他方、【0018】には、摩擦力とストッパとを両立・併存させるための具体的構成や手段の記載等がないことからすれば、【0018】の「ストッパがかかって固定できるように構成するようにしてもよい。」との記載は、【0017】の「摩擦力による任意の角度での固定
5 (半固定)」の代替手段としてのストッパについて述べていると解するの
が相当である。実際、【0018】には、2つの枠体間の角度を「約105度から約170度まで(又は、約110度から約170度)までの間の5段階の角度」でストッパにより固定することが記載されており、この場合の各段階の角度幅はせいぜい15度ないし16度程度であるから、このような小さな角度幅において更に摩擦力によって固定する合理的な理由は想定し難い。したがって、本件明細書の【0017】及び【0018】の記載から、「摩擦力により任意の角度で保持できる構成」と、「ストッパにより所定角度で固定できる構成」とが、両立・併存し得ることが示唆されているとはいえず、原告の上記主張は理由がない。以上のとおり、訂正事項1-4、1-6及び1-10の上記訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内でするものではなく、新規事項を追加するものであり、特許法126条5項の規定に適合しない。また、訂正事項3-4、3-6、3-7、5-4、5-5、5-6、10-5、10-6及び10-7は、上記各訂正事項と同様の訂正事項を含むものであり、これらの訂正事項の訂正も同様に特許法126条5項の規定に適合しない。ウ 特許請求の範囲の実質拡張又は変更に当たること(特許法126条6項違反)訂正事項1-4の訂正では、前記イ(ア)のとおり、「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により」「変化させられ」る「ユーザーの任意の角度」が、0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も含むことになるところ、そのような角度で2つの表示板を保持できる表示装置は、本件各発明の技術的範囲外のものも含むことになるから、訂正事項1-4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものである。
5 したがって、訂正事項1-4の訂正は、特許法126条6項の規定に適
合せず、訂正事項1-10、2-7、3-4、3-7、4-6、5-4、5-6、6-6、10-5及び10-7についても、上述の点が同様に当てはまる。
(2) 争点3-2ないし3-3-4について
当事者の主張は別紙5訂正の再抗弁の成否についての当事者の主張(訂正要件を除く)記載1のとおり。
4 争点4(訂正の再抗弁の成否(第3次訂正))について
(1) 争点4-1(第3次訂正が訂正要件を満たすか)について
(原告の主張)
以下のとおり、請求項1ないし6に係る第3次訂正はいずれも訂正要件を満たす。ア 請求項1の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載1)について(ア) 訂正事項1-1について訂正事項1-1中の「少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」」は、訂正前の「2つの表示板」の限定又は下位概念化であり、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(イ) 訂正事項1-2について訂正事項1-2中の「前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、」は、訂正前の「左右見開き接続手段」への直列的付加又は限定若しくは下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的と
5 する訂正である。
(ウ) 訂正事項1-3について訂正事項1-3中の「「前記2つの表示板の…任意角度保持手段と」は、訂正前の請求項全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項1-4について訂正事項1-4中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項1-5について訂正事項1-5中、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「中間左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項1-5は、全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(カ) 訂正事項1-6について訂正事項1-6中の「を備え、ユーザーが、…を固定的に形成する構成」は、訂正前の請求項全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(キ) 訂正事項1-7について訂正事項1-7中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の
5 「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請
求の範囲の減縮を目的とする訂正である。イ 請求項2の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載2)について(ア) 訂正事項2-1について訂正事項2-1中、「少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」」は、訂正前の「2つの表示板」の限定又は下位概念化、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(イ) 訂正事項2-2について訂正事項2-2中の「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、」は、訂正前の「左右見開き接続手段」に対する構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(ウ) 訂正事項2-3について訂正事項2-3中の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項2-4について訂正事項2-4中、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範
5 囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約120度から約1
70度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「中間左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項2-4は、全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項2-5について訂正事項2-5中の「を備え、「電車の中で、…前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成」は、訂正前の請求項2全体との関係で、構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(カ) 訂正事項2-6について訂正事項2-6中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。ウ 請求項3の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載3)について(ア) 訂正事項3-1について訂正事項3-1中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(イ) 訂正事項3-2について訂正事項3-2中の「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように」は、訂正前の「左右見開き接続手段」との関係で、
5 「左右見開き接続手段」の限定若しくは下位概念化又はそれへの構成要
件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(ウ) 訂正事項3-3について訂正事項3-3中の「前記2つの表示板が…摩擦力保持手段と」は、訂正前の請求項3全体との関係で、構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項3-4について訂正事項3-4中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」は、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項3-5について訂正事項3-5中、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」は、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「固定するための中間左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項3-5は全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(カ) 訂正事項3-6について
5 訂正事項3-6につき、「前記2つの表示板の…を固定的に形成する構
成」は、訂正前の請求項3全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(キ) 訂正事項3-7について訂正事項3-7中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。エ 請求項4の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載4)について(ア) 訂正事項4-1について訂正事項4-1中、「2つの表示板」は、訂正前の「2つ以上の表示板」の限定又は下位概念化、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(イ) 訂正事項4-2について訂正事項4-2中の「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」は訂正前の「ユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態」の限定又は下位概念化、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように」は訂正前の「左右見開き接続手段」に対する構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(ウ) 訂正事項4-3について訂正事項4-3中の「「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される
5 側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板
の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段と」は、訂正前の請求項4全体との関係で構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項4-4について訂正事項4-4中、「前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項4-4は、全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項4-5について訂正事項4-5中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。オ 請求項5の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載5)について(ア) 訂正事項5-1について訂正事項5-1中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
5 (イ) 訂正事項5-2について
訂正事項5-2中の「2つの表示板」は、訂正前の「複数の表示板」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(ウ) 訂正事項5-3について訂正事項5-3中、「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」は、訂正前の「ユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態」の限定又は下位概念化、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように」は、訂正前の「左右見開き接続手段」に対する構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項5-4について訂正事項5-4中の「(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合においてユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき、前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、」は、訂正前の請求項5全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項5-5について訂正事項5-5中の「(e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの
5 表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、」
は、訂正前の請求項5全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(カ) 訂正事項5-6について訂正事項5-6中、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」は、訂正前の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化、 「約150度から約170度までの範「囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項5-6は、全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(キ) 訂正事項5-7について訂正事項5-7中の「(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、…固定的に形成する構成、を備えている。」は、訂正前の請求項5全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。カ 請求項6の訂正事項(別紙4第3次訂正の訂正事項記載6)について(ア) 訂正事項6-1について訂正事項6-1中の「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして
5 片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」は、訂正前の
「片手支持可能な表示装置」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(イ) 訂正事項6-2について訂正事項6-2中の「2つの表示板」は訂正前の「複数個の表示板」の限定又は下位概念化であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(ウ) 訂正事項6-3について訂正事項6-3中、「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開き可能に接続」は、訂正前の「ユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続」の限定又は下位概念化、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように接続する」は、訂正前の「左右見開き接続手段」の限定又は下位概念化又は構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(エ) 訂正事項6-4について訂正事項6-4中の「(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から…摩擦力保持手段、を備えている、」は、訂正前の請求項6全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(オ) 訂正事項6-5について訂正事項6-5中の「(e)「前記2つの表示板の…完全見開き固定手段、を備えている、」は、訂正前の請求項6全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
5 (カ) 訂正事項6-6について
訂正事項6-6中、「前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、訂正前の「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」の限定又は下位概念化、「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」は、訂正前の「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」の限定又は下位概念化、「中間左右見開きストッパ」は訂正前の「左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化、「前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ」は、訂正前の「摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段」の限定又は下位概念化であるから、訂正事項6-6は、全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。(キ) 訂正事項6-7について訂正事項6-7中の「(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、…を固定的に形成する構成、を備えている。」は、訂正前の請求項6全体との関係において構成要件の直列的付加であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。キ 新規事項の追加の有無等について(ア) 第3次訂正における前記アないしカの訂正事項は、本件明細書の記載等から当業者に自明の事項であるから、いずれについても新規事項の追加はない。また、これらの訂正事項は、本件各発明による作用効果、特にその特徴的部分(中間左右見開きストッパ)による「ユーザーが2つの表示板を片手だけで容易に且つ安定的に支持しながら使用できるようにするなどの作用効果」に影響を与えないから、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
5 (イ) 「任意角度保持手段」を「中間左右見開きストッパ」と併用する構成
を採ることが新規事項の追加に当たらないことは、前記3(1)(原告の主張)エと同様である。
(被告の主張)
以下のとおり、請求項1ないし6に係る第3次訂正は訂正要件を満たさない。ア 請求項1の訂正事項について(ア) 訂正事項1-1について
第3次訂正前の請求項1には、「前記『2つの表示板』を…ユーザーか
ら見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段」「、『前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』が『約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段」 「ユーザーがその片手だけでも支持することができる、ような片手支持可能な表示装置」等の記載がある。そうすると、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項1-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項1-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項1-3についてa 「ユーザーの任意の角度」 「任意の角度」及び「ユーザーの任意の、折り曲げ角度」のそれぞれの用語の意味については、そもそも本件明細書には明示的に定義されておらず、明確ではない。また、訂正事項
5 1-3においては、「ユーザーの任意の角度」 「任意の角度」「ユーザ
、 、ーの任意の折り曲げ角度」等の用語が混在していることからも、尚更、それぞれの用語の意味が明確ではない。そうすると、訂正事項1-3は、訂正前の構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであって、かかる構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項1-3の訂正は、同ただし書きに違反する。b 「ユーザーの任意の角度」がどのような角度を意味するかについては、本件明細書において明示的に定義されておらず、「ユーザー」が「任意」に「変化させ」ることのできる「角度」という程度の意味に解すべきものであり、その角度は0度から360度までの範囲にあることになるから、0度から180度の範囲を超えて、180度から360度までの範囲も含むことになる。しかしながら、本件明細書の記載を参照しても、180度から360度まで回動可能であることは明示的に記載されておらず、それは本件明細書の記載から自明な事項でもない。したがって、「ユーザーの任意の角度」が180度の範囲を超えて180度から360度までの範囲も含むようなかかる訂正は、新規事項を追加する訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであって、特許法126条5項及び6項の規定に適合しない。c さらに、訂正事項1-3の訂正を含む第3次訂正後の請求項1は、「任意角度保持手段」と「中間左右見開きストッパ」とを併用するような記載となっているが、本件明細書にはこれらの両方を実現させる
5 ための構成は一切開示されていないから、訂正事項1-3は、この点
でも、新規事項を追加する訂正であって、特許法126条5項の規定に適合しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであって、同法126条6項の規定に適合しない。(ウ) 訂正事項1-4について「板」との表現には平面が存在することの意味が含まれており、第3次訂正前の「2つの表示板」は、「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」から、第3次訂正前の「2つの表示板」の「画面が表示される側」がそれぞれ平面を含むことは自明であるし、また、そもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が定義されるためには、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側」にそれぞれ平面が存在する必要がある。したがって、第3次訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「各表示板」の「画面が表示される側」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項1-4は、第3次訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項1-4の訂正は同ただし書きに違反する。(エ) 訂正事項1-5について訂正事項1-4の訂正と同様、訂正事項1-5の訂正は特許法126条1項ただし書きに違反する。(オ) 訂正事項1-6について
5 本件明細書の【0045】の記載を参照すれば、訂正事項1-6にお
ける「画面が表示される側」の「谷状の部分」や、「画面が表示されない側」の「山状の部分」とは、断面略V字状の凹状部分(すなわち、約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている部分)とその反対側の部分を指すと解するのが相当であり、2つの表示板を見開き状態で使用するときの、当該2つの表示板の折り曲げ角度によって規定されるものである。そうすると、「前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に『谷状の部分』を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に『山状の部分』を固定的に形成する構成」とは、
第3次訂正前の「中間左右見開き固定手段」により「2つの表示板」を
固定した場合の折り曲げられた状態を記述しているにすぎず、表示装置の手段として新たなものを特定していない。したがって、訂正事項1-6は、「表示装置」の手段として新たなものを特定していないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しないから、訂正事項1-6の訂正は同ただし書きに違反する。(カ) 訂正事項1-7について訂正事項1-1の訂正と同様、訂正事項1-7の訂正は特許法126条1項ただし書きに違反する。イ 請求項2の訂正事項について(ア) 訂正事項2-1について
第3次訂正前の請求項2には、「前記『2つの表示板』を…ユーザーか
ら見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段」「、『前記『2つの表示板』の間の見開き角度』が
5 『…約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となる
ように、固定するための中間左右見開き固定手段」 「ユーザーがその片、手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置」等の記載がある。そうすると、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項2-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項2-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項2-3について訂正事項1-4について述べたとおり、第3次訂正前の「2つの表示板」がそれぞれ平面を含むことは自明であることに加え、「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が定義されるためには、「前記『2つの表示板』」にはそれぞれ平面が存在する必要があるから、第3次訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が、「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側」の各平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項2-3は、第3次訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項2-3の訂正は同ただし書きに違反する。(ウ) 訂正事項2-4について
5 訂正事項2-3の訂正と同様、訂正事項2-4の訂正は特許法126
条1項ただし書きに違反する。(エ) 訂正事項2-5についてa 「電車の中で」「使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」、「戸外で」「使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」 「外出先、で」「使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」 「立ったままで、使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」とは、いずれも具体的にどのような状況であれば「適した」「使用」であるといえるのか明確ではない。また、訂正事項2-5には「ユーザーの任意の折り曲げ角度」という用語が含まれるが、訂正事項1-3について述べたとおり、かかる用語の意味も不明確である。そうすると、訂正事項2-5は、訂正前の構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであって、かかる構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項2-5の訂正は同ただし書きに違反する。b さらに、訂正事項2-5の訂正を含む第3次訂正後の請求項2は、あたかも「摩擦力」と「中間左右見開きストッパ」とを併用するような記載となっているが、本件明細書にはこれらの両方を実現させるための構成は開示されていないから、訂正事項2-5の訂正は、新規事項を追加する訂正であって、特許法126条5項の規定に適合しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであって、特許法126条6項の規定に適合しない。(オ) 訂正事項2-6について訂正事項2-1の訂正と同様、訂正事項2-6の訂正は特許法126
5 条1項ただし書きに違反する。
ウ 請求項3の訂正事項について(ア) 訂正事項3-1について
第3次訂正前の請求項3には、「前記『2つの表示板』を…ユーザーか
ら見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段」「、『前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度』が『約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように、固定するための中間左右見開き固定手段」、「ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置」等の記載がある。そうすると、「ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項3-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項3-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項3-3について訂正事項3-3を含む第3次訂正発明3は、あたかも「摩擦力保持手段」と「中間左右見開きストッパ」とを併用するような記載となっているが、本件明細書にはこれらの両方を実現させるための構成は一切開示されていないから、訂正事項3-3は、新規事項を追加する訂正であって、特許法126条5項の規定に適合しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであって、特許法126条6項の規定に適合しない。(ウ) 訂正事項3-4について
5 訂正事項1-4について述べたとおり、第3次訂正前の「2つの表示
板」がそれぞれ平面を含むことは自明であることに加え、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が定義されるためには、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側」にはそれぞれ平面が存在する必要があるから、第3次訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「各表示板」の「画面が表示される側」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項3-4は、第3次訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項3-4の訂正は同ただし書きに違反する。(エ) 訂正事項3-5について訂正事項3-4について述べたのと同様に、第3次訂正前の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「2つの表示板」の「画面が表示される側」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項3-4と同様に、訂正事項3-5の訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項3-5の訂正は同ただし書きに違反する。(オ) 訂正事項3-6について訂正事項1-6について述べたのと同様に、本件明細書の【0045】の記載を参照すれば、訂正事項3-6における「画面が表示される側」の「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」や、「画面が表示されない
5 側」の「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」とは、
断面略V字状の凹状部分(すなわち、約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている部分)とその反対側の部分を指すと解するのが相当であり、2つの表示板を見開き状態で使用するときの、当該2つの表示板の折り曲げ角度によって規定されるものである。そうすると、訂正事項3-6の「前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に『ユーザーの親指が当接され得る谷状部分』を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に『ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分』を固定的に形成する構成」とは、第3次訂正前の「中間左右見開き固定手段」により「2つの表示板」を固定した場合の折り曲げられた状態を記述しているにすぎず、表示装置の手段として新たなものを特定していない。したがって、訂正事項3-6は、「表示装置」の手段として新たなものを特定していないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。また、第2次訂正の訂正事項に含まれていない「ユーザーの親指が当接され得る」 「ユーザーの親指以外の複数の指が、当接され得る」という文言についても、何ら新たなものを特定するものではなく、いずれにしてもこの訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するものではない。また、訂正事項3-6の訂正の目的は特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しないから、この訂正は同ただし書きに違反する。(カ) 訂正事項3-7について訂正事項3-1の訂正と同様、訂正事項3-7の訂正は特許法126条1項ただし書きに違反する。
5 エ 請求項4の訂正事項について
(ア) 訂正事項4-1について
第3次訂正前の請求項4には、 『2つの表示板』を…ユーザーから見
「て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段」「、『前記『2つの表示板』の間の見開き角度』が『約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように…固定するための左右見開き固定手段」 「ユーザーがその片手だけでも、支持することができるような片手支持可能な表示装置」等の記載がある。そうすると、「ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項4-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項4-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項4-4について訂正事項1-4について述べたとおり、第3次訂正前の「2つの表示板」がそれぞれ平面を含むことは自明であることに加え、「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が定義されるためには、「前記『2つの表示板』」にはそれぞれ平面が存在する必要があるから、第3次訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「2つの表示板」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項4-4は、第3次訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該
5 当しない。したがって、訂正事項4-4の訂正は同ただし書きに違反す
る。(ウ) 訂正事項4-5について訂正事項4-1の訂正と同様、訂正事項4-5の訂正は特許法126条1項ただし書きに違反する。オ 請求項5の訂正事項について(ア) 訂正事項5-1について
第3次訂正前の請求項5には、 『2つの表示板』を…それらがユーザ
「ーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段」「、『前記『2つの表示板』のそれぞれの画面が表示される側の間の角度』が『約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように…固定するための左右見開き固定手段」「片手支持可能な表示装置」等の記載がある。、そうすると、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項5-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項5-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項5-4についてa 訂正事項5-4の訂正を含む第3次訂正後の請求項5は、あたかも「摩擦力保持手段」と「中間左右見開きストッパ」とを併用するような記載となっているが、本件明細書にはこれらの両方を実現させるための構成は開示されていない。したがって、訂正事項5-4は、新規事項を追加する訂正であって、特許法126条5項の規定に適合しな
5 いものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するもので
あって、特許法126条6項の規定に適合しない。b 訂正事項5-4には「ユーザーの任意の折り曲げ角度」という用語が含まれるが、訂正事項1-3について述べたとおり、かかる用語の意味は不明確である。そうすると、訂正事項5-4は、訂正前の構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであって、かかる構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項5-4の訂正は同ただし書きに違反する。(ウ) 訂正事項5-6について訂正事項1-4について述べたとおり、第3次訂正前の「2つの表示板」がそれぞれ平面を含むことは自明であることに加え、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が定義されるためには、「前記『2つの表示板』」にはそれぞれ平面が存在する必要があるから、第3次訂正前の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「2つの表示板」のそれぞれの平面の間の見開き角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項5-6は、第3次訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項5-6の訂正は同ただし書きに違反する。(エ) 訂正事項5-7についてa 訂正事項1-6について述べたのと同様に、本件明細書の【004
5 5】の記載を参照すれば、訂正事項5-7における「画面が表示され
る側」の「谷状の部分」や、「画面が表示されない側」の「山状の部分」とは、断面略V字状の凹状部分(すなわち、約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている部分)とその反対側の部分を指すと解するのが相当であり、2つの表示板を見開き状態で使用するときの、当該2つの表示板の折り曲げ角度によって規定されるものである。そうすると、訂正事項5-7の「前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に『谷状の部分』を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に『山状の部分』を固定的に形成する構成」とは、第3次訂正前の「左右見開き固定手段」により「2つの表示板」を固定した場合の折り曲げられた状態を記述しているにすぎず、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項5-7の訂正は同ただし書きに違反する。b 訂正事項5-7には「ユーザーの任意の折り曲げ角度」という用語が含まれるが、訂正事項1-3について述べたとおり、かかる用語の意味は不明確である。そうすると、訂正事項5-7は、訂正前の構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであって、かかる構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この点からしても、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。カ 請求項6の訂正事項について(ア) 訂正事項6-1について
5 第3次訂正前の請求項6には、「ユーザーから見て縦方向の線を境にし
て、その右側部分と左側部分とを…ユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続するための左右見開き接続手段」 「ユーザーから見て縦方向、の線の右側部分と左側部分とを…『約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度』となるように…固定するための左右見開き固定手段」「片手支持可能な表示装置」等の記載がある。、そうすると、「2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」とは、第3次訂正前の上記構成から当然得られる構成であって、表示装置の手段として新たなものを特定していないから、訂正事項6-1の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項6-1の訂正は同ただし書きに違反する。(イ) 訂正事項6-4について訂正事項5-4の訂正と同様、訂正事項6-4の訂正は特許法126条1項ただし書きに違反する。(ウ) 訂正事項6-6について訂正事項1-4について述べたのと同様に、第3次訂正前の「前記右側部分と前記左側部分」(これらが「複数個の表示板」に相当することは自明である。)がそれぞれ平面を含むことは自明であるし、そもそも「前記右側部分と前記左側部分との間の見開き角度」が定義されるためには、「前記右側部分と前記左側部分」にはそれぞれ平面が存在する必要がある。したがって、第3次訂正前の「前記右側部分と前記左側部分との間の見開き角度」が「2つの表示板」のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度を意味することは、自明である。そうすると、訂正事項6-6は、第3次訂正前の内容を単に言い換え
5 たものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりする
ものではないから、この訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しない。したがって、訂正事項6-6の訂正は同ただし書きに違反する。(エ) 訂正事項6-7についてa 訂正事項1-6について述べたのと同様に、本件明細書の【0045】の記載を参照すれば、訂正事項6-7における「画面が表示される側」の「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」や、「画面が表示されない側」の「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」とは、断面略V字状の凹状部分(すなわち、約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている部分)とその反対側の部分を指すと解するのが相当であり、2つの表示板を見開き状態で使用するときの、当該2つの表示板の折り曲げ角度によって規定されるものである。そうすると、「前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に『ユーザーの親指が当接され得る谷状部分』を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に『ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分』を固定的に形成する構成」とは、第3次訂正前の「左右見開き固定手段」により「右側部分と左側部分」を固定した場合の折り曲げられた状態を記述しているにすぎず、表示装置の手段として新たなものを特定していないしたがって、訂正事項6-7の訂正の目的は、「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえず、特許法126条1項ただし書きのその他の目的にも該当しないから、この訂正は同ただし書きに違反する。
5 b 訂正事項6-7には「ユーザーの任意の折り曲げ角度」という用語
が含まれるが、訂正事項1-3について述べたとおり、かかる用語の意味は不明確である。そうすると、訂正事項6-7は、訂正前の構成を意味が不明な事項により特定しようとするものであって、かかる構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この点からしても、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。
(2) 争点4-2ないし4-3-4について
当事者の主張は別紙5訂正の再抗弁の成否についての当事者の主張(訂正要件を除く)記載2のとおり。
5 争点5(本件各発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべ
き利得の額)について
(原告の主張)
(1) 被告は、被告各製品を、それぞれ少なくとも別紙1被告製品目録記載の
「日本国内での発売日」以降の期間において、日本国内で製造、販売しており、これは本件各発明の実施に当たる。
(2) 平成21年2月4日から同年8月4日までの期間について
ア 当該期間における被告各製品の製品単価はおおむね金1万2000円を下らず、その販売個数はおおむね300万個を下らない。したがって、当該期間の被告各製品の売上高は360億円を下らない。イ 本件各発明によるストッパ機能が、被告各製品において不可欠な中核的な機能であり、代替不可能な技術であったことを考慮すれば、本件各発明を被告各製品のために実施するときの実施料率は、被告各製品の分野における平均的な実施料率(3ないし7%)の上位とすることが妥当である。したがって、被告各製品において望ましい本件各発明の実施料率は7%である。
5 ウ 以上によれば、当該期間における被告各製品の製造、販売に対する本件
各発明の実施料相当額は、売上高360億円に実施料率7%を乗じた25億22000万円を下らず、被告は、この支払を行うべきであるのに、それを免れることで同額の利得を得ており、原告は同額の損害を被っているから、被告は原告に対し同額の不当利得返還義務を負う。
(3) 平成21年8月5日から平成23年8月30日までの期間について
当該期間における被告各製品の製造、販売に対する本件各発明の実施料相当額は100億円を下らず、被告は、これに対する消費税相当額10億円を含めた110億円の支払を行うべきであるのに、それを免れることで同額の利得を得ており、原告は同額の損害を被っているから、被告は原告に対し同額の不当利得返還義務を負う。
(被告の主張)
被告が、被告各製品を、それぞれ別紙1被告製品目録の「日本国内での発売日」以降の期間において、日本国内で販売していたことは認めるが、被告が被告各製品を日本国内で製造したとの事実は否認する。被告各製品は、被告から製造委託を受けた海外の企業が海外で製造していたものであり、被告自身が国内で製造していたものではない。被告各製品の製造販売に関して、被告が原告に対して不当利得返還義務を負うとの
(原告の主張)
は否認ないし争う。
第3の蝶番ブラケット32は、締着つまみ42が時計回りに回転して、
第2の蝶番ブラケット30と第3の蝶番ブラケット32との間の第2の
パネル14にかかる引張りが第2のパネル14を所望されるほど堅く保持し得るようにねじ切りされ、各蝶番ブラケット30及び32にはパネル12及び14を保持するのに必要とされる摩擦を増加するために半硬のゴム座金46が使用され(前記ア(キ))、j 蝶番手段16は、蝶番手段16のまわりの360度の弧内のいかなる位置においても第1のパネル12及び第2のパネル14が配向されるために備えられ(前記ア(ク))、k 4つの主たる位置(閉じられた位置(図2)、一方が他方に対してほぼ垂直になる位置(図4)、平坦な位置(図1)、背中合わせで折畳まれた位置(図3))が、機能性を許容するために予め設定され、背中合わせで折畳まれた位置では、片手で装置を運び、もう片方の手でデータを入力することが容易になる(前記ア(ク))、l コンピュータノートブック10。
5 (2) 本件発明1の進歩性について
ア 本件発明1と乙1発明’との対比(ア) 一致点本件発明1と乙1発明’を対比すると、「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、を備えた片手支持可能な表示装置」である点で一致する。(イ) 相違点本件発明1と乙1発明’を対比すると、次の相違点(以下「本件相違点」という。)が認められる。(本件相違点)本件発明1は、「2つの表示板」の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作をストップする機能と、前記「2つの表示板」の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作をストップする機能を有する、「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」を備えるが、乙1発明’は当該構成を備えないこと。(ウ) 相違点の認定についての補足説明
5 a
(被告の主張)
について被告は、前記第3の2(2)
(被告の主張)
ウのとおり、乙1発明の「ロッキング機構」は、一次軸36の両端部39及び41と、セラミックジャケット40と、の間に生じる摩擦力、及び、二次軸38と半硬質ゴムワッシャ46との間に生じる摩擦力により、所定のトルク量を支持してブラケットに対するパネル(第1のパネル12及び第2のパネル14)の回転を阻止することにより、第2のパネル14に対して第1のパネル12を任意の傾斜角度(180度、105度から170度の間の角度、120度から170度の間の角度等)で固定するように機能するものであるから、本件発明1の「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に相当すると主張する。しかしながら、本件明細書の【0010】の記載によれば、「固定」には、摩擦力やチルト機構などによりユーザーがある程度強めの所定量以上の力を加えることにより状態(角度)を変更させることができるような状態である「半固定」と、ストッパ(例えば、2つの表示板を接続する蝶番の回動を所定の角度でストップさせるもの)などを使用して「一時的に固定」する場合があるとされ、両者が区別されているところ、被告が指摘する乙1発明における「ロッキング機構」の作用は、摩擦力によって、第2のパネル14に対して第1のパネル12を任意の傾斜角度で固定するように機能するというものであり、これは、摩擦力による「半固定」としての「固定」をする手段には当たるとしても、本件発明1の「ストッパ」により固定するための「中間左右見開き固定手段」に該当するとは認められない。したがって、本件発明1と乙1発明’との間には本件相違点が存在すると認めるのが相当である。b 訂正拒絶理由通知における相違点1について
5 第2次訂正に対する訂正拒絶理由通知においては、第2次訂正発明
1と乙1文献に記載された発明との間に相違点(訂正拒絶理由通知における相違点1)があると認定されているので、本件発明1と乙1発明’との間において同様の相違点が存在するか否かについて検討する。訂正拒絶理由通知における相違点1は、 「左右見開き接続手段」に「より「前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき」、第2次訂正発明1では、「当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動する」(構成要件1B’)のに対して、乙1文献に記載された発明では、「第1の軸36」を回動中心として「第1のパネル12が回転」し、「第2の軸38」を回動中心として「第2のパネル14が回転」する点。」である。しかしながら、第2次訂正発明1の構成要件1B’とは異なり、本件発明1の構成要件1Bにおいては、2つの表示板を接続する左右見開き接続手段について、「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するとの特定はないから、本件発明1は、左右見開き接続手段で接続された2つの表示板がそれぞれ異なる軸を中心として回動する場合も含み得るものである。したがって、本件発明1と乙1発明’との間に訂正拒絶理由通知における相違点1が存在するとは認められない。イ 相違点に係る構成の容易想到性について(ア) 乙4文献の記載事項本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日より前に頒布された刊行物である乙4文献には、以下の記載がある(下記記載中に引用する第1図ないし第6図は、別紙8乙4文献の図面参照)。a 考案の属する技術分野
5 「本考案は、小型電子機器等に用いられるチルト機構に関し、特にポ
ップアップ機構を備えたものである。 (明細書1頁14行ないし16」行)b 従来の技術「ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等の小型電子機器等においては、全体を小体積とするため、表示パネル部(表示板と略す)と入力キーボード部(操作板と略す)のカバー構成を折畳み式にしている。そして、使用時に表示板を見易い傾斜角度に開いたり、或いは開いた状態でスライドしうるようにして、機器全体の小型化をはかっている。(明細書1頁18行ないし2頁7行)」「例えば、第6図は、…上記スプリング5は、矢印A方向に締めつけるように巻回されているので、表示板2を操作板1から引き起こして開くと、どの回動位置でもスプリングで締めつけられ、止めることができるフリーストップ型となっている。 (明細書2頁8行ないし20」行)c 考案が解決しようとする課題「しかしながら、表示板2をある傾斜角度で開いた状態において、小さな衝撃、振動等があると、スプリング5の弾性力に打勝って停止位置がずれることがある。(明細書3頁4行ないし7行)」 。「本考案は、このような従来の不具合いを解消し、表示板のポップアップ段階および必要な傾斜角度において、確実に固定保持できるクリック感を持たせた小型電子機器等のチルト機構を提供することを目的とする。(明細書3頁13行ないし17行)」d 構成及び作用「本考案は、ロック機構を外し、操作板上に折畳まれた表示板を引き起こすと、これに取付けられた可動部固定用ブラケットとともに回転
5 軸が回転し、この回転軸に刻まれた最初の溝に沿って回転軸止め用シ
ャフトが摺動し、その凹みのところで弾性部材により圧接され、このポップアップ機構によりある傾斜角度で一旦止まる。さらに表示板を引き起こすと、例えば等間隔に刻まれた任意の回転軸の溝に回転軸止め用シャフトが弾性部材の圧接力で圧接され、クリック感を持たせて固定される。つまり、表示板は見易い傾斜角度を持った位置に確実に固定保持され、外部からの衝撃や振動により位置がずれることがない。」(明細書4頁8行ないし20行)e 実施例「第1図は本考案の一実施例の斜視外観図を示し、図において、8は回転軸で、第2図の側面略図に示すように、回転軸の相対向する周縁に溝a~eが軸方向へ数条刻まれている。この溝a~eは、この回転軸を支軸に回転する表示板を見易い位置(傾斜角度)になるように複数刻まれている。9は該回転軸受けベースで、その凹形突縁部が回転軸止め用シャフト10を保持するため、弾性部材でなる圧接部9Aを形成し、また、底面部の切り起こしプレートが回転軸8の両端支持部9Bを形成する。上記圧接部9Aで保持される回転軸止めシャフト10の高さ位置は、第2図の側面略図に示すように、回転軸8の軸心8Aとほぼ同じ高さにあって、回転軸8の対向周縁部から軸心に向って挟むようにA矢印方向から圧接するよう凹形突縁部が形成されている。11は脚部が二又状の可動部固定用ブラケットで、ネジ穴11Aを有し、ここにネジ等を通して表示板2が固定される。
第3図は、回転軸8に可動部固定用ブラケット11を取付ける一例
の拡大斜視図を示し、回転軸8の軸心に突起した角軸80に可動部固定用ブラケット11の脚部角穴11Bを嵌込み、両端支持部9Bの丸穴9bに段付ネジ12を挿入し、前記角軸80のネジ穴に螺定するこ
5 とで、可動部固定用ブラケット11の脚部が固定される。
このような取付機構により、表示板2が取付けられた可動部固定用ブラケット11は、回転軸8を支軸に回転が可能であり、回転軸止め用シャフト10は、圧接部9Aにより回転軸8の溝a~eに弾性的に圧入される。上記において、回転軸止め用シャフト10は、回転軸受けベース9と別体で形成された場合を例にとって示しているが、一体に成形しても同じ機能を持たせることができる。
第4図は、上記第1図ないし第3図に説明したチルト機構を操作板
1と表示板2に実施した要部の斜視外観図である。図面に示すように、操作板1(アンダーカバー)上の突起1Aに、回転軸受けベース9のネジ穴9Cを通してネジ13で螺着固定される。また、表示板2(アンダーカバー)上の突起2Aに、可動部固定用ブラケット11のネジ穴11Aを通してネジ14で螺着固定される。次に、表示板の開閉動作を説明すると、例えば第5図に示すように、操作板1上に折畳まれた状態の表示板2を矢印方向へ引き起こす時、図示せざるロック機構を外すと、回転軸8の溝aに沿って表示板2はIの位置までポップアップ回動する。以後、表示板2を見易い傾斜位置まで手で回転軸8を支軸に回転すると、該回転軸の各溝b、c、d、eの任意のところで夫々クリック音を感触させながらⅡ、Ⅲ、Ⅳ、Vの位置で停止し、確実に固定させることができる。上記実施例は、小型電子機器の操作板と表示板のチルト機構について述べたが、これに限定されるものでなく、他の部材間の結合機構部にも実施可能である。また、回転軸に刻む溝の間隔、数等は、開閉する部材の使用目的により任意に選定すればよい。 (明細書5頁1行な」いし7頁18行)(イ) 乙26文献の記載事項
5 本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日より前に頒布され
た刊行物である乙26文献には、以下の記載がある(下記記載中に引用する第3図及び第4図は、別紙9乙26文献の図面参照)。a 実用新案登録請求の範囲「(1) 本体ケースに配設され、バネを付属し、かつ凸凹部を有する回転軸と、前記凸凹部と係合するクリックバネのついたクリック爪と、表示体ケースに結合された前記回転軸と嵌合する回転止めを有するレバーとから構成されることを特徴とする電子機器。 (明細書1頁4行」ないし9行)b 技術分野「本発明は小型の電子機器の表示体のケースの開閉を制御するヒンジ機構を有する電子機器に関するものである。 (明細書2頁1行ないし」4行)c 目的「本考案はこのような欠点を除去する為、表示体ケースと本体との結合を容易にし、表示体ケースのトルク制御を開閉角度全体に行ない、さらに、任意の角度の位置で停止出来るヒンジ機構を有する電子機器を提供することを目的としたものである。 (明細書2頁19行ないし」3頁5行)d 実施例「第3図はヒンジ部4の側面図である。(明細書3頁19行)」「回転軸6はさらに、クリックツメ12によって押えられているので、凸凹10によって間欠的にトルクの制御を受けている。これによって、表示体ケース2を任意の位置で停止させたり、開閉の際にクリック感を与える作用がある。以上が本考案の1つの実施例であるが、第4図のようにクリックツ
5 メ12を取り付けても同様の作用をする。又、クリックツメを2ヶ所
につけても同様の作用をする。この場合、回転軸6の凸凹10が広範囲につけられないときに特に有効な手段となる。 (明細書5頁3行な」いし14行)e 効果「以上説明をして来たように、バネ9とクリックツメ12によって、表示体ケース2が軽い力で開閉が出来、任意の位置で停止することも出来る。(明細書5頁16行ないし18行)」(ウ) 中間ストッパに関する周知技術の認定前記(ア)のとおり、乙4文献には、使用時に表示板2を見易い傾斜角度に開くことができる折畳み式の小型電子機器において、表示板2を手で回転させると、回転軸8の溝aないしeに回転軸止め用シャフト10が弾性的に圧入され、回転軸8の溝b、c、d、eのところで、夫々クリック音を感触させながら位置Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴで停止して表示板2を固定させることが開示されており、第5図からは、傾斜角度が約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの傾斜角度に対応した位置で固定可能なことも理解できる。また、前記(イ)のとおり、乙26文献においても、表示体ケース2を開閉可能な小型の電子機器において、回転軸6の凸凹10とクリックツメ12を設けることで、表示体ケース2を任意の位置で停止させることができることが開示されている。そうすると、乙4文献及び乙26文献により、折り畳み式の小型電子機器において、表示板を含む2つの部材のなす角度が、ユーザーが行う表示板の回動により約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記2つの部材の間を前記予め決められた1つの角度で固定する中間ス
5 トッパであって、前記2つの部材のなす角度が折り畳まれた状態から広
げられて行く動作をストップする機能と、広げられた状態から角度を狭めて行く動作をストップする機能を有する中間ストッパを設けることは、周知の技術(以下「本件周知技術」という。)であると認めることができる。(エ) 本件相違点への本件周知技術の適用乙1発明’は、前記(1)イのとおり、第1のパネル12と第2のパネル14が蝶番手段16によって接続され、ユーザーが座ったり、立ったり、又は、歩いたりする位置にあるときに、片手でコンピュータを保持し、もう片方の手でデータを入力することを許容するコンピュータノートブック10の発明であり、これは、折り畳み式の小型電子機器に関する技術であるという点で、本件周知技術と共通する。したがって、乙1発明’において、「第1のパネル12及び第2のパネル14の両方が蝶番手段16を中心とした多数の角度において配向する」場合に、本件周知技術の中間ストッパを採用することにより、本件相違点に係る本件発明1の構成とすることは、当業者において容易に想到し得たことである。
(3) 本件発明2の進歩性について
ア 本件発明2と乙1発明’との相違点について本件発明2の構成要件には、中間左右見開き固定手段について「ストッパにより固定する」との文言はないものの、構成要件2Eにおいて「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開き固定手段」と構成要件1Eと同様の構成が設けられていることから、本件発明2と乙1発明’との間にも、本件相違点と同様の相違点があるが、その余の点は一致すると認めるのが相当である。イ 相違点に係る構成の容易想到性について
5 前記(2)イのとおり、本件相違点に係る構成は、本件原々々出願の出願日
において、当業者が容易に想到し得たものというべきであるから、本件発明2と乙1発明’との相違点に係る構成についても、本件周知技術の中間ストッパを採用することにより、当業者が容易に想到し得たものというべきである。
(4) 本件発明3ないし6の新規性について
本件発明3においては、中間左右見開き固定手段について、角度を固定する手段の限定はなく、本件発明4ないし6においては、「摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段」(構成要件4C、5D及び6D)として、摩擦力により固定する手段がこれに含まれることが明示されているから、本件発明3ないし6と乙1発明’との間には、本件相違点と同様の相違点は存在せず、その他の相違点があるとも認められない。したがって、本件発明3ないし6は、いずれも、本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日より前に頒布された刊行物に記載された発明である乙1発明’と同一の発明であるから、新規性を欠くものである(特許法29条1項3号)。
(5) 本件発明10の進歩性について
本件発明10と乙1発明’とを対比すると、本件発明10の構成要件10B(「前記表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力用手段、 )及び構成要件10Cの」うち「片手支持可能な表示装置」に係る構成は、乙1発明’の「主にデータ入力パネルである第1のパネル12と、主にディスプレイパネルとして役立ち、かつ第2のデータ入力パネルとしても兼務する第2のパネル14と、第1のパネル12及び第2のパネル14上の書くためのスタイラス18を含むコンピュータノートブック10であって、ユーザーが座ったり、立ったり、
5 又は、歩いたりする位置にあるときに、片手でコンピュータを保持し、もう
片方の手でデータを入力することを許容するものであり」との構成と一致するものと認められる。そして、本件発明10の構成要件10Aが「請求項1から9までのいずれかにおいて、」と規定されていることから、本件発明10に係る請求項10は本件発明1ないし6に係る各請求項(請求項1ないし6)の従属項となっている。したがって、本件発明1及び2(請求項1及び2)を引用する本件発明10は、本件発明1及び2と同様に進歩性を欠くものであり、本件発明3ないし6(請求項3ないし6)を引用する本件発明10は、本件発明3ないし6と同様に新規性を欠くものである。
(6) 小括
よって、本件各発明は、いずれも新規性ないし進歩性を欠くものであるから、その余の無効理由について判断するまでもなく、本件各発明に係る特許は特許法123条1項2号に基づいて特許無効審判において無効とされるべきものであるから、無効の抗弁(特許法104条の3第1項)が成立する。
3 争点3-1(第2次訂正が訂正要件を満たすか)について
(1) 訂正事項1-4について
事案に鑑み、第2次訂正の訂正要件の充足については、訂正事項1-4の訂正による新規事項の追加の有無から判断する。ア 本件発明1は、「2つの表示板」(構成要件1A等) 「左右見開き接続手、段」(構成要件1B) 「完全左右見開き固定手段」、 (構成要件1C) 「中間、左右見開き固定手段」(構成要件1Dないし1F)を備える片手支持可能な表示装置の発明であるところ、訂正事項1-4は、これらの構成要素のほかに、第2次訂正発明1の構成要件1H’に係る「「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーに
5 よる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角
度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段」を設けるとするものである。ここで上記の「ユーザーの任意の角度」の「任意の角度」について、第2次訂正後の請求項1には特定がされていないことから、「任意」との用語の意義に照らし、任意角度保持手段の「任意の角度」には0度から360度までの範囲が含まれるものと理解すべきものである。そして、「ユーザーの任意の角度」が180度を超えて360度までの範囲を含むことについては、本件明細書(前記1参照)に明示的に記載されておらず、本件明細書の記載から自明な事項ともいえない。イ 原告は、訂正事項1-4について、本件明細書の【0017】の記載などから自明であると主張する。しかしながら、【0017】においては、「枠体1と枠体2との間」を「蝶番9及び10を構成する部材間の摩擦力により、任意の角度で一時的に固定(半固定)」することが記載されているものの、その任意の角度が180度を超えて360度までの範囲を含むことについては記載されておらず、【0017】が参照する【図2】においても、任意の角度が180度を超え得ることは示されていない。したがって、原告の上記主張は採用することができない。ウ 以上からすると、訂正事項1-4の訂正は、本件発明1について、2つの表示板の間を、180度を超えて360度までの範囲を含む「ユーザーの任意の角度」において一時的に固定するものを含む構成となるように訂正するものとなるところ、このような構成は本件明細書に記載されていない。したがって、訂正事項1-4の訂正は、訂正前の明細書の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事
5 項を導入しないものであるとはいえないから、新規事項を追加する訂正と
して、特許法126条5項の規定に違反するものである。
(2) 訂正事項10-5について
訂正事項10-5は、第1次訂正後の請求項10について、請求項5のみに従属する請求項とするとともに独立項の型式に改めること(訂正事項10-1)を前提に、(d)「 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段、を備えている、(e)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度になったとき、前記「2つの表示板」の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、」を加えるものである。そして、「第2次訂正後の請求項10においても、「ユーザーの任意の角度」の「任意の角度」は特定されておらず、この角度については、0度から360度までの範囲が含まれるものと理解でき、「ユーザーの任意の角度」が180度を超えて360度までの範囲を含むことについては、本件明細書に記載されていない。そうすると、前記(1)と同様に、このような「任意の角度」で保持する「任意角度保持手段」を加えることは、訂正前の明細書の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえないから、新規事項追加に該当する。したがって、訂正事項10-5についても、新規事項を追加する訂正として、特許法126条5項の規定に違反するものである。
(3) 小括
前記(2)のとおり、訂正事項10-5は訂正要件を満たさないから、請求項
5 10についての第2次訂正は不適法である。
そうすると、請求項10を別の訂正単位とする訂正(訂正事項10-1)は認められず、その結果、請求項10は請求項1ないし9を引用するままであって、請求項1ないし10は一群の請求項を構成するから、当該一群の請求項1ないし10の訂正はいずれも不適法となる。したがって、請求項1、2及び10に係る第2次訂正はいずれも訂正要件を満たさないから、その余の点について判断するまでもなく、第2次訂正に係る原告の訂正の再抗弁は理由がない。
4 争点4-1(第3次訂正が訂正要件を満たすか)について
(1) 請求項1の訂正について
ア 訂正事項1-4について訂正事項1-4の訂正は、本件発明1の構成要件1C(前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、)中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を、第3次訂正発明1の構成要件1C”のとおり「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」と訂正するものである。原告は、上記の訂正について、第3次訂正発明1の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、本件発明1の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を限定し、又は、下位概念化したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、「板」との表現には平面が存在することの意味を含んでいること及び本件発明1の「2つの表示板」は「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態に
5 もできる」(構成要件1B)ものであることに照らし、本件発明1の構成要
件1Cの「2つの表示板」の「画面が表示される側」がそれぞれ平面を含むことは自明である。また、そもそも、構成要件1Cの「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を定義するためには、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側」にそれぞれ平面が存在する必要があるといえる。したがって、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が各表示板のそれぞれ画面が表示される側の「各平面の間の」見開き角度を意味することは自明であり、訂正事項1-4の訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的が「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項1-4の訂正は「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるともいえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項1-4の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものであり、同ただし書きの規定に違反する。イ 小括したがって、請求項1についての第3次訂正は、その余の訂正事項について判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
(2) 請求項2の訂正について
ア 訂正事項2-3について訂正事項2-3の訂正は、本件発明2の構成要件2C(前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』
5 の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右
見開き固定手段と、)中の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」を、
第3次訂正発明2の構成要件2C”のとおり「前記『2つの表示板』のそ
れぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」と訂正するものである。原告は、上記の訂正について、第3次訂正発明2の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」は、本件発明2の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」を限定し、又は、下位概念化したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、「板」との表現には平面が存在することの意味を含んでいること及び本件発明2の「2つの表示板」は、「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」(構成要件2B)ものであることに照らし、本件発明2の構成要件2Cの「2つの表示板」が平面を含むことは自明である。そして、2つの表示板は、「略長方形の画面をそれぞれ表示できる」(構成要件2A)ものであり、「ユーザから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」(構成要件2B)ことから、構成要件2Cの「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が2つの表示板の「それぞれ画面が表示される側」の「各平面の間の」見開き角度を意味することは自明である。したがって、訂正事項2-3の訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項2-3の訂正は
5 「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるとも
いえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項2-3の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものであり、同ただし書きの規定に違反する。イ 小括したがって、請求項2についての第3次訂正は、その余の訂正事項について判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
(3) 請求項3の訂正について
ア 訂正事項3-4について訂正事項3-4の訂正は、本件発明3の構成要件3C(前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、)中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を、第3次訂正発明3の構成要件3C”のとおり「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」と訂正するものである。原告は、上記の訂正について、第3次訂正発明3の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」は、本件発明3の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を限定し、又は、下位概念化したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、本件発明3の「2つの表示板」は「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」(構成要件3B)ものであり、前記(1)アの訂正事項1-4と同様の理由で、本件発明3の構成要件3Cにおける「前記各表示板の
5 それぞれ画面が表示される側の間の角度」が各表示板のそれぞれ画面が表
示される側の「各平面の間の」角度を意味することは自明である。したがって、訂正事項3-4の訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項3-4の訂正は「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるともいえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項3-4の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものであり、同ただし書きの規定に違反する。イ 小括したがって、請求項3についての第3次訂正は、その余の訂正事項について判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
(4) 請求項4の訂正について
ア 訂正事項4-4について訂正事項4-4の訂正は、本件発明4の構成要件4C(前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と、)中の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」を、第3次訂正発明4の
5 構成要件4C”のとおり「前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角
度」と訂正することを、訂正内容として含むものである。原告は、上記の訂正内容について、第3次訂正発明4の「前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角度」は、本件発明4の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」を限定し、又は、下位概念化したものであると主張し、訂正事項4-4の訂正は全体として特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、本件発明4の「2つの表示板」は「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」(構成要件4B)ものであり、前記(1)アの訂正事項1-4と同様の理由で、本件発明4の構成要件4Cにおける「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が2つの表示板の「各平面の間の」見開き角度を意味することは自明である。したがって、訂正事項4-4中の上記訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項4-4中の上記訂正は「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるともいえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項4-4の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものであり、同ただし書きの規定に違反する。イ 小括したがって、請求項4についての第3次訂正は、その余の訂正事項につ
5 いて判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
(5) 請求項5の訂正について
ア 訂正事項5-6について訂正事項5-6の訂正は、本件発明5の構成要件5D((d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。)中の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を、第3次訂正発明5の構成要件5D”のとおり「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」と訂正することを、訂正内容として含むものである。原告は、上記の訂正内容について、第3次訂正発明5の「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」は、本件発明5の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を限定し、又は、下位概念化したものであると主張し、訂正事項5-6の訂正は全体として特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、本件発明5の「2つの表示板」は「それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできる」(構成要件5C)ものであり、前記(1)アの訂正事項1-4と同様の理由で、訂正前の構成要件5C「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の「各平面の間の」角度を意味することは自明である。したがって、訂正事項5-6中の上記訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定した
5 りするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に
該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項5-6中の上記訂正は「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるともいえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項5-6の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものであり、同ただし書きの規定に違反する。イ 小括したがって、請求項5についての第3次訂正は、その余の訂正事項について判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
(6) 請求項6の訂正について
ア 訂正事項6-6について訂正事項6-6の訂正は、本件発明6の構成要件6D((d)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。)中の「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」を、第3次訂正発明6の構成要件6D”のとおり「前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」と訂正することを、訂正内容として含むものである。原告は、上記の訂正内容について、第3次訂正発明6の「前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」
5 は、本件発明6の「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」を限定
し、又は、下位概念化したものであると主張し、訂正事項6-6の訂正は全体として特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である旨主張する。しかしながら、本件発明6の表示装置は、「画面をそれぞれ出力する複数個の表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続され」(構成要件6A)「ユーザーから見て縦方向の線を、境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に見開き可能」(構成要件6C)なものであり、加えて、「板」との表現には平面が存在するという意味が含まれていることからすれば、本件発明6の構成要件6Dにおける「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を意味することは自明である。したがって、訂正事項6-6中の上記訂正は、当該訂正前の内容を単に言い換えたものにすぎず、訂正前の構成を限定したり下位概念で特定したりするものではないから、この訂正の目的は「特許請求の範囲の減縮」に該当するとはいえない。さらに、訂正前の「前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」に誤記や明瞭でない記載があるとは認められないから、訂正事項6-6中の上記訂正は「誤記の訂正」や「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるともいえず、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」にも該当しない。以上によれば、訂正事項6-6の訂正は、特許法126条1項ただし書きの目的に該当しないものを含むものであり、同ただし書きに違反する。イ 小括したがって、請求項6についての第3次訂正は、その余の訂正事項について判断するまでもなく、訂正要件を満たさない。
5 (7) 小活
以上によれば、請求項1ないし6に係る第3次訂正はいずれも訂正要件を満たさないから、その余の要件について判断するまでもなく、第3次訂正に係る原告の訂正の再抗弁は理由がない。
5 結論
前記2のとおり、本件各発明に係る特許については無効の抗弁が成立するところ、前記3及び4のとおり、これに対する訂正の再抗弁は理由がないから、本件特許は特許無効審判により無効とされるべきものであり、原告は、特許法104条の3第1項により、被告に対し本件特許権を行使することができない。よって、その余の点について判断するまでもなく、被告が本件各発明の実施について原告に対して不当利得返還義務を負うことはなく、原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第29部裁判長裁判官國 分 隆 文裁判官矢野紀夫及び裁判官佐々木亮は、転補につき、署名押印することができない。裁判長裁判官國 分 隆 文別紙一覧別紙1 被告製品目録別紙2-1 特許請求の範囲(第1次訂正後)
5 別紙2-2 特許請求の範囲(第2次訂正後)
別紙2-3 特許請求の範囲(第3次訂正後)別紙3 第2次訂正の訂正事項別紙4 第3次訂正の訂正事項別紙5 訂正の再抗弁の成否についての当事者の主張(訂正要件を除く)別紙6 本件明細書の図面別紙7 乙1文献の図面別紙8 乙4文献の図面別紙9 乙26文献の図面以上別紙1 被告製品目録製品名称 日本国内での発売日被告製品1 ニンテンドーDS 平成 16 年(2004 年)12 月 2 日被告製品2 ニンテンドーDS Lite 平成 18 年(2006 年)3 月 2 日被告製品3 ニンテンドーDSi 平成 20 年(2008 年)11 月 1 日被告製品4 ニンテンドーDSi LL 平成 21 年(2009 年)11 月 21 日被告製品5 ニンテンドー3DS 平成 23 年(2011 年)2 月 26 日以上別紙2-1 特許請求の範囲(第1次訂正後)【請求項1】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザー
5 がその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、
前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、ユーザーから見て左右方向に見開きにされたときの前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。【請求項2】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つ
5 の表示板』の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左
右見開き固定手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。【請求項3】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。【請求項4】
5 画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示板」を含んでおり、ユーザーがその
片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。【請求項5】次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。
5 【請求項6】
次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する複数個の表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。【請求項10】請求項1から9までのいずれかにおいて、さらに、前記表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力用手段、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。以上別紙2-2 特許請求の範囲(第2次訂正後)別紙2-1の特許請求の範囲(第1次訂正後)からの訂正箇所は下線部である。【請求項1】
5 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともい
ずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段と、「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間
5 の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされ
た状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパと、を備え、「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えた、ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。【請求項2】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができる情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として
5 相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段と、
前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパと、を備え、「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えた、ことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。【請求項10】
5 次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示
機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力手段が備えられている「2つの表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動できるように接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段、を備えている、(e)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度になったとき、前記「2つの表示板」の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、(f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときであって、「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、
5 (g)「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又
は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えている。以上別紙2-3 特許請求の範囲(第3次訂正後)別紙2-1の特許請求の範囲(第1次訂正後)からの訂正箇所は下線部である。【請求項1】
5 略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともい
ずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段であって、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、任意角度保持手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約150度から約17
5 0度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動
をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパと、を備え、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。【請求項2】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができる2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、
5 前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユー
ザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパと、を備え、「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為
5 されるようにしながら、前記見開き角度が前記「約150度から約170度までの
範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。【請求項3】略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記
5 「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平
面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成と、を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。【請求項4】画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つ
5 の表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することがで
きる表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、を備えたことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。【請求項5】次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。
5 (a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」が、それぞれが表示する各画面が
ユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合においてユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき、前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、(e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、(f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表
5 示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予
め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成、を備えている。【請求項6】次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する2つの表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開き可能に接続し、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続され
5 ている部分」を回動中心として相対的に回動するように接続するための左右見開き
接続手段を備えている、(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、(e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、(f)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為
5 されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平
面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成、を備えている。以上別紙3 第2次訂正の訂正事項
1 請求項1の訂正事項
(1) 訂正事項1-1
5 第1次訂正後の請求項1の「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つ
の表示板」」の次に、「であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」」を挿入する。
(2) 訂正事項1-2
第1次訂正後の請求項1の「ユーザーがその片手だけでも支持することが
できるような片手支持可能な表示装置であって」中の「片手支持可能な表示装置」を、「情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置」に訂正する。
(3) 訂正事項1-3
第1次訂正後の請求項1の「それらがユーザーから見て左右方向に見開き
にされた状態にもできるように、」の次に、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、」を挿入する。
(4) 訂正事項1-4
第1次訂正後の請求項1の「左右見開き接続手段と、」の次に、「前記2つ
「の表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段と、」を挿入する。
(5) 訂正事項1-5
第1次訂正後の請求項1中の「前記「2つの表示板」を、「前記各表示板が
ユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表
5 示される側の間の角度」を、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の
各平面の間の見開き角度」に訂正する。
(6) 訂正事項1-6
第1次訂正後の請求項1の「ユーザーから見て左右方向に見開きにされた
ときの前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段」を、 「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きに「されているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパ」に訂正する。
(7) 訂正事項1-7
第1次訂正後の請求項1の「「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側
の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から」中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」に訂正する。
(8) 訂正事項1-8
第1次訂正後の請求項1の「「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側
の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から」中の「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」を、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」に訂正する。
(9) 訂正事項1-9
5 第1次訂正後の請求項1の「中間左右見開き固定手段」を、「中間左右見開
きストッパ」に訂正する。
(10) 訂正事項1-10
第1次訂正後の請求項1の「中間左右見開き固定手段と、を備え」の次に、
「、「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えた、」を挿入する。
(11) 訂正事項1-11
第1次訂正後の請求項1の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置」
中の「片手支持可能な表示装置」を、「情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置」に訂正する。
2 請求項2の訂正事項
(1) 訂正事項2-1
第1次訂正後の請求項2の「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つ
の表示板」」の次に、「であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」」を挿入する。
5 (2) 訂正事項2-2
第1次訂正後の請求項2の「ユーザーがその片手だけでも支持することが
できるような片手支持可能な表示装置であって」中の「ような片手支持可能な表示装置」を、「情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置」に訂正する。
(3) 訂正事項2-3
第1次訂正後の請求項2の「それらがユーザーから見て左右方向に見開き
にされた状態にもできるように、」の次に、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、」を挿入する。
(4) 訂正事項2-4
第1次訂正後の請求項2中の「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、
前記『2つの表示板』の間の見開き角度」中の「前記『2つの表示板』の間の見開き角度」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」に訂正する。
(5) 訂正事項2-5
第1次訂正後の請求項2の「前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て
縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段」を、 「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を「境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約1
5 80度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から
約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパ」に訂正する。
(6) 訂正事項2-6
第1次訂正後の請求項2の「広げられて行く動作、をストップする機能を
有する中間左右見開き固定手段」中の「中間左右見開き固定手段」を、「中間左右見開きストッパ」に訂正する。
(7) 訂正事項2-7
第1次訂正後の請求項2の「中間左右見開き固定手段と、を備え」の次に、
「、「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えた、」を挿入する。
(8) 訂正事項2-8
第1次訂正後の請求項2の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置」
中の「片手支持可能な表示装置」を、「情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置」に訂正する。
(9) 訂正事項2-9
第1次訂正後の請求項2の「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前
記『2つの表示板』の間の見開き角度」を、「ユーザーから見て縦方向の線を
5 境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の
見開き角度」に訂正する。
3 請求項10に係る訂正事項
(1) 訂正事項10-1
第1次訂正後の請求項10を、第1次訂正後の請求項5のみに従属する請
求項に訂正するとともに、請求項5との引用関係を解消して独立請求項とする訂正を行う。
(2) 訂正事項10-2
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。」を、「次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする情報入力機能付き画面の表示機能をも備えた片手持ち用且つ片手支持型の表示装置。」に訂正する。
(3) 訂正事項10-3
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「(a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」」を、(a)画面をそれぞれ出力す「る「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板に「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」を表示するためのデータ入力手段が備えられている「2つの表示板」」に訂正する。
(4) 訂正事項10-4
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、」の次に、「且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、」を挿入する。
(5) 訂正事項10-5
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「左右
5 見開き接続手段を備えている、」の次に、 (d)
「 「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段、を備えている、(e)「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度になったとき、前記「2つの表示板」の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、」を挿入する。
(6) 訂正事項10-6
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「(d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。」を、(f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て「左右方向に見開きにされているときであって、「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、」に訂正する。
(7) 訂正事項10-7
前記(1)の訂正事項10-1の訂正が認められた場合の請求項10の「(d)…左右見開き固定手段、を備えている。」の次に、 (g)「 「電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデ
5 ータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板
の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えている。」を挿入する。以上別紙4 第3次訂正の訂正事項
1 請求項1の訂正事項
(1) 訂正事項1-1
5 第1次訂正後の請求項1の「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つ
の表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、」を、次のとおり訂正する。「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、」
(2) 訂正事項1-2
第1次訂正後の請求項1中の「前記「2つの表示板」を、それらが互いに
折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、」
(3) 訂正事項1-3
第1次訂正後の請求項1中の「左右見開き接続手段と、」の次に、次の一文
を挿入する。「「前記2つの表示板の、それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記「任意の角度」で保持する任意角度保持手段であって、
5 前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で
見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、任意角度保持手段と、」
(4) 訂正事項1-4
第1次訂正後の請求項1の「前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユ
ーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」
(5) 訂正事項1-5
第1次訂正後の請求項1の「ユーザーから見て左右方向に見開きにされた
ときの前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開き固定手段と、」を、
5 次のとおり訂正する。
「「前記2つの表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの、前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパと、」
(6) 訂正事項1-6
第1次訂正後の請求項1の「を備えた」(第1次訂正後の請求項1中の「こ
とを特徴とする片手支持可能な表示装置。」の直前の部分)を、次のとおり訂正する。「を備え、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が広がるように前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて前記見開き角度を任意に変化させるとき、前記2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、前記見開き角度が前記「予め決められた1つの角度」になったときは、前記中間左右見開きストッパにより、前記回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」
5 を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近
傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成を備えた」
(7) 訂正事項1-7
第1次訂正後の請求項1の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。」
を、次のとおり訂正する。「ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」
2 請求項2の訂正事項
(1) 訂正事項2-1
第1次訂正後の請求項2の「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つ
の表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、」を、次のとおり訂正する。「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」であって、少なくともいずれか一方の表示板が「情報入力機能を有する画面」を表示させるものである「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができる2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、」
(2) 訂正事項2-2
第1次訂正後の請求項2中の「前記「2つの表示板」を、それらが互いに
折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させ
5 たとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されてい
る部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、」
(3) 訂正事項2-3
第1次訂正後の請求項2中の「前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見
て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」
(4) 訂正事項2-4
第1次訂正後の請求項2の「前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て
縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開き固定手段と、」を、次のとおり訂正する。「「前記2つの表示板の、ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により、「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範
5 囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記ユーザーに
よる回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められた1つの角度」で固定する中間左右見開きストッパであって、前記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境としたときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパと、」
(5) 訂正事項2-5
第1次訂正後の請求項2の「を備えた」を、次のとおり訂正する。
「を備え、「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にする構成であって、ユーザーが、「前記2つの表示板の前記各平面の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広がるように、前記「2つの表示板」の少なくともいずれか一方を回動させて、前記見開き角度を任意に変化させる場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されるようにしながら、前記見開き角度が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各表示板の間を前記「予め決められた1つの角度」に固定する構成を備えた」
(6) 訂正事項2-6
第1次訂正後の請求項2の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。」
を、次のとおり訂正する。
5 「ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけ
で持ちながら使用することができる表示装置。」
3 請求項3の訂正事項
(1) 訂正事項3-1
第1次訂正後の請求項3の「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つ
の表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、」を、次のとおり訂正する。「略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、」
(2) 訂正事項3-2
第1次訂正後の請求項3中の「前記「2つの表示板」を、それらが互いに
折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、」
(3) 訂正事項3-3
第1次訂正後の請求項3中の「左右見開き接続手段と、」の次に、次の一文
を挿入する。「前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいず
5 れか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前
記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段と、」
(4) 訂正事項3-4
第1次訂正後の請求項3の「前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユ
ーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、」
(5) 訂正事項3-5
第1次訂正後の請求項3の「前記「2つの表示板」がユーザーから見て左
右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、
5 「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が
「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、」
(6) 訂正事項3-6
第1次訂正後の請求項3の「を備えた」を、次のとおり訂正する。
「前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成と、を備えた」
(7) 訂正事項3-7
第1次訂正後の請求項3の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。」
を、次のとおり訂正する。「ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」
5 4 請求項4の訂正事項
(1) 訂正事項4-1
第1次訂正後の請求項4の「画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示
板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、」を、次のとおり訂正する。「画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーが前記2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置であって、」
(2) 訂正事項4-2
第1次訂正後の請求項4中の「前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部
である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段と、」
(3) 訂正事項4-3
第1次訂正後の請求項4中の「左右見開き接続手段と、」の次に、次の一文
を挿入する。「「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段と、」
(4) 訂正事項4-4
5 第1次訂正後の請求項4の「前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部で
ある「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と」を、次のとおり訂正する。「前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の各平面の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパと、」
(5) 訂正事項4-5
第1次訂正後の請求項4の「ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。」
を、次のとおり訂正する。「ことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」
5 請求項5の訂正事項
(1) 訂正事項5-1
5 第1次訂正後の請求項5の「次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴
とする片手支持可能な表示装置。」を、次のとおり訂正する。「次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」
(2) 訂正事項5-2
第1次訂正後の請求項5中の「(a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示
板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、」を、次のとおり訂正する。「(a)画面をそれぞれ出力する「2つの表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、」
(3) 訂正事項5-3
第1次訂正後の請求項5中の「(c)前記「複数の表示板」の全部又は一部
である「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、」を、次のとおり訂正する。「(c)前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態にもできるように、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、」
(4) 訂正事項5-4
第1次訂正後の請求項5の「(c)…左右見開き接続手段を備えている、」
の次に、次の一文を挿入する。「(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の
5 角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくとも
いずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合においてユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき、前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、」
(5) 訂正事項5-5
第1次訂正後の請求項5の「(c)…左右見開き接続手段を備えている、」
の後の、上記訂正事項5-4に係る「(d)…摩擦力保持手段、を備えている、」の次に、次の一文を挿入する。「(e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、」
(6) 訂正事項5-6
第1次訂正後の請求項5の「(d)前記「複数の表示板」の全部又は一部で
ある「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。」を、次のとおり訂正する。「(f)前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、
5 前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに
折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、」
(7) 訂正事項5-7
第1次訂正後の請求項5の「(d)…左右見開き固定手段、を備えている。」
の次に、次の一文を挿入する。「(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成する構成、を備えている。」
6 請求項6の訂正事項
(1) 訂正事項6-1
第1次訂正後の請求項6の「次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴
5 とする片手支持可能な表示装置。」を、次のとおり訂正する。
「次の(a)~(g)の内容を含むことを特徴とする2つの表示板を見開き且つ折り曲げ状態にして片手だけで持ちながら使用することができる表示装置。」
(2) 訂正事項6-2
第1次訂正後の請求項6中の「(a)画面をそれぞれ出力する複数個の表示
板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、」を、次のとおり訂正する。「(a)画面をそれぞれ出力する2つの表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、」
(3) 訂正事項6-3
第1次訂正後の請求項6中の「(c)ユーザーから見て縦方向の線を境にし
て、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続するための左右見開き接続手段を備えている、」を、次のとおり訂正する。「(c)ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とを、互いに折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開き可能に接続し、且つ前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板をユーザーが回動させたとき当該一方の表示板と他方の表示板とが「それらが互いに接続されている部分」を回動中心として相対的に回動するように接続するための左右見開き接続手段を備えている、」
(4) 訂正事項6-4
第1次訂正後の請求項6の「(c)…左右見開き接続手段を備えている、」
の次に、次の一文を挿入する。「(d)前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくとも
5 いずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザー
が前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする、摩擦力保持手段、を備えている、」
(5) 訂正事項6-5
第1次訂正後の請求項6の「(c)…左右見開き接続手段を備えている、」
の後の上記訂正事項6-4の「(d)…摩擦力保持手段と、を備えている、」の次に、次の一文を挿入する。「(e)「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が約180度となったとき、前記2つの表示板の間を前記角度で固定する完全見開き固定手段、を備えている、」
(6) 訂正事項6-6
第1次訂正後の請求項6の「(d)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分
と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。」を、次のとおり訂正する。「(f)ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分とのそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となるように、固定するための中間左右見開きストッパであって、前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように、ユーザーにより回動されて
5 いる場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平
面の間の角度」が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、前記ユーザーによる回動をストップし且つ前記2つの表示板間を固定する中間左右見開きストッパ、を備えている、」
(7) 訂正事項6-7
第1次訂正後の請求項6の「(d)…左右見開き固定手段、を備えている。」
の次に、次の一文を挿入する。「(g)前記2つの表示板の少なくともいずれか一方が、前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうようにユーザーにより回動されている場合であって、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持されるように前記ユーザーによる回動が為されている場合において、「前記2つの表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」が前記「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」になったとき、前記中間左右見開きストッパにより、前記ユーザーによる回動をストップさせて、前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「ユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を、且つ前記2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成、を備えている。」以上別紙5 訂正の再抗弁の成否についての当事者の主張(訂正要件を除く)
1 第2次訂正について
(1) 争点3-2(被告各製品が第2次各訂正発明の技術的範囲に属するか)に
ついて5
(原告の主張)
ア 小型サイズの2つの表示板(一方の表示板は入力用画面表示機能付き)を「相対的回動」可能に接続する構成について(ア) 被告各製品の構成被告各製品はいずれも以下の構成を備える。a 被告各製品は、その全体をユーザーがその片手のみで支持できる小型のサイズである。b 被告各製品は、2つの表示板が(ⅰ)互いに約180度に(互いの各平面間がほぼ平行に)見開き可能、(ⅱ)互いに折り畳み(互いの各平面間の角度が約0度)可能、及び互いに折り曲げ状態(上記(ⅰ)と(ⅱ)の間の状態)での見開き可能に接続されている。c 被告各製品においては、各表示板は、ヒンジ部(各表示板の接続部分)を回動中心として、双方を同時に回動することも、一方のみを回動することもできる。d 被告各製品においては、各表示板の一方はそのままにして他方を回動したときでも、当該一方ではない他方をそのままにして当該一方を回動したときでも、回動後の状態は同じであり、その意味で各表示板はヒンジ部を回動中心として相対的に回動可能に接続されている。e 使用するソフトにより、被告各製品の2つの表示板の一方に、電子ペン等で入力操作が可能な入力用画面が表示されることがある。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の各構成は、次の各構成要件を充足する。
第2次訂正発明1の構成要件1A’、1B’及び1G’
第2次訂正発明2の構成要件2A’、2B’及び2F’
第2次訂正発明10の構成要件10E’、10A’、10B’及び10
C’
5 イ 2つの表示板間を摩擦力により任意の角度で保持する任意角度保持手段
について(ア) 被告各製品の構成被告各製品は、2つの表示板が折り曲げ状態にあるとき、摩擦力(摩擦機構)により、任意の角度で保持される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第2次訂正発明1の構成要件1H’
第2次訂正発明10の構成要件10F’
ウ 2つの表示板を「各平面間が約180度(互いにほぼ平行)の状態」で固定する完全見開き固定手段について(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、「2つの表示板」の各画面が表示される側の各平面の間の角度が「約180度」(互いにほぼ平行)の状態になったとき、ヒンジ部の構成により、上記「約180度」を超える角度への見開きが阻止(ストップ)され、「2つの表示板」が、上記「約180度」(互いにほぼ平行)での見開きの状態で、固定される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。訂正請求項1の構成要件1C’訂正請求項2の構成要件2C’訂正請求項10の構成要件10G’エ 2つの表示板を「各平面間が約160度の折り曲げ状態」で固定する中間見開き固定ストッパについて(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、例えば「2つの表示板」が、それらの各画面が表示
5 される側の各平面の間の角度が上記各平面(画面が表示される側)間を
広げるように回動されている過程において、上記各平面間が約160度の折り曲げ状態になったとき、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第2次訂正発明1の構成要件1D’
第2次訂正発明2の構成要件2D’
第2次訂正発明10の構成要件10D’
オ 2つの表示板の各平面間の角度が広げられて行く回動動作をストップする機能について(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、「2つの表示板」が、例えば、折り畳み状態から各平面(画面が表示される側)間の角度が広げられて行くように回動している過程で、上記各平面間の角度が約160度の折り曲げ状態まで回動した(状態が変化した)とき、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第2次訂正発明1の構成要件1E’
第2次訂正発明2の構成要件2E’
カ 2つの表示板の各平面間の角度が狭められて行く回動動作をストップする機能について(ア) 被告各製品の構成
5 被告各製品では、「2つの表示板」が、例えば、それらの各平面(画面
が表示される側)間の角度が約180度見開きの状態から狭められて行くように回動している過程で、上記各平面間の角度が約160度の折り曲げ状態まで回動した(状態が変化した)とき、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、第2次訂正発明1の構成要件1F’を充足する。キ 摩擦力により「2つの表示板」の各平面間の角度を「任意の角度」で保持するようにしながら、「2つの表示板」が互いに回動されている過程において上記各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)とき、上記状態で上記回動をストップさせて上記「2つの表示板」間を上記「約160度」の角度の状態で固定する構成について(ア) 被告各製品の構成被告各製品はいずれも以下の構成を備える。a 被告各製品は、例えば、(ⅰ)電車の中、戸外、又は外出先で使用する、(ⅱ)立ったまま使用する、及び(ⅲ)画面を介してデータ入力するなどの様々な状況、態様、用途で使用できる。b ユーザーが被告各製品の各表示板をその各平面間の角度が変化するように回動させたとき、2つの表示板は、摩擦力により各平面間の角度が任意の角度で保持される。c ユーザーが被告各製品の「2つの表示板」をその各平面間の角度が変化するように回動させる過程で、上記各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)ときは、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間は上記約
5 160度の折り曲げ状態で固定される。
d 前記「2つの表示板」の各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)ときは、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間が上記約160度の折り曲げ状態で固定されるが、そのとき、上記「2つの表示板」の各画面が表示される側には「ユーザーが片手の親指を載置する取っ掛かりとなり得る『谷状部分』」が形成されると共に、画面が表示されない側には「ユーザーが当該片手の他の指及び掌に被告各製品を載置し易い『山状部分』」が形成される。e 前記『谷状部分』と『山状部分』は、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、容易に動かないように(固定的に)形成される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の各構成は、次の各構成要件を充足する。
第2次訂正発明1の構成要件1I’
第2次訂正発明2の構成要件2G’
第2次訂正発明10の構成要件10H’
ク 小括前記アないしキによれば、被告各製品は、第2次各訂正発明の各構成要件の全てを充足している。ケ
(被告の主張)
に対する反論(ア) 「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」(構成要件1C’ないし1F’、1H’、1I’等)について本件発明1についての第3の1
(原告の主張)
(2)ウと同様に、被告が
主張するような「回転軸を中心に形成する角度」という限定解釈を行うべきではない。(イ) 「ユーザーの任意の角度」(構成要件1H’、1I’等)について
5 被告は、「ユーザーの任意の角度」とは、0度から360度のあらゆる
角度から無作為に選択し得る角度を意味すると主張しているが、そもそも、第2次各訂正発明は「2つの表示板を、ユーザーが『本を開いて読むとき』のように折曲げ且つ見開き状態にして片手だけで安定的に支持できるようにする」ことを課題とするものであるから、「2つの表示板を、本を開いて読むときのように、例えば約0度(折り畳み状態)から約180度までの間において、ユーザーの任意の角度で折曲げ且つ見開き状態」にできれば十分であり、それを超えて「約180度から約360度まで回動させる」必要性は、全くない。「任意」の一般的・辞書的な意味、「任意」に関する本件明細書中の記載、「2つの表示板を回動させる構成」に関する本件明細書中の記載、本件原々々出願当時における当業者の技術常識などからは、「ユーザーの任意の角度」とは、任意角度保持手段又は摩擦力保持手段が適用される電子機器がもともと有している「約180度から約360度の範囲内は回動できないという構造」を当然の前提とした、すなわち当該電子機器の構造上回動が可能とされている範囲内(例えば、約0度から約180度までの回動範囲内)における、「ユーザーの自由意思に基づく角度、すなわちユーザーがその自由意思により変化させることのできる所望の角度」を意味する。(ウ) 「谷状の部分」及び「山状の部分」(構成要件1I’等)について本件明細書中で発明の作用効果に関して説明されている「中間ストッパにより形成される取っ掛かり」とは、「回動される2つの表示板の間が『予め決められた1つの角度』で回動がストップされて固定されたときに固定的に作出・形成される取っ掛かりであって、2つの表示板をユーザーが片手だけで安定的に持って使用することを容易にできるように、ユーザーがその指等を安定的に当接する際の取っ掛かり」であり、中間
5 ストッパにより固定的に作出・形成される「谷状部分」又は「山状部分」
を意味する。そして、被告各製品においては、このような「谷状部分」及び「山状部分」が存在している。
(被告の主張)
ア 被告各製品の構成について(ア) 小型サイズの2つの表示板(一方の表示板は入力用画面表示機能付き)を「相対的回動」可能に接続する構成についてa
(原告の主張)
ア(ア)aは概ね認める。b
(原告の主張)
ア(ア)bは否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、本件訂正発明の規定する「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を成さないため、
(原告の主張)
(「約180度」 「角度が約0度」等)における「角度」を、備えない。c
(原告の主張)
ア(ア)cについて、被告各製品における各表示板は、双方を同時に回動することも、一方のみを回動することもできる点については認めるが、その余は否認する。被告各製品はヒンジ部の回転軸を中心とする構成を採用していない。d
(原告の主張)
ア(ア)dは否認する。被告各製品はヒンジ部の回転軸を中心とする構成を採用していない。e
(原告の主張)
ア(ア)eは概ね認める。(イ) 2つの表示板間を摩擦力により任意の角度で保持する任意角度保持手段について
(原告の主張)
イ(ア)は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。また、被告
5 各製品においては、各表示パネルが一定の相対的位置関係にある場合に
は摩擦力による固定が働かず、「摩擦力により任意の角度で保持」する手段を備えない。(ウ) 2つの表示板を「各平面間が約180度(互いにほぼ平行)の状態」で固定する完全見開き固定手段について
(原告の主張)
ウ(ア)は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。(エ) 2つの表示板を「各平面間が約160度の折り曲げ状態」で固定する中間見開き固定ストッパについて
(原告の主張)
エ(ア)のうち、被告各製品が、第1パネル(一方の表示板)側に固定される部分と、第2パネル(他方の表示板)側に固定される部分とが、相対的に回動可能に組み合わされて構成されているストッパ部品を備える事実、当該ストッパ部品がヒンジ部に内蔵されていることについては認めるが、その余は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。(オ) 2つの表示板の各平面間の角度が広げられて行く回動動作をストップする機能について
(原告の主張)
オ(ア)のうち、被告各製品において、第1パネル(一方の表示板)側に固定される部分と、第2パネル(他方の表示板)側に固定される部分とが、相対的に回動可能に組み合わされて構成されているストッパ部品を備える事実、当該ストッパ部品がヒンジ部に内蔵されていることについては認めるが、その余は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。(カ) 2つの表示板の各平面間の角度が狭められて行く回動動作をストップする機能について
(原告の主張)
カ(ア)のうち、被告各製品において、第1パネル(一方
5 の表示板)側に固定される部分と、第2パネル(他方の表示板)側に固
定される部分とが、相対的に回動可能に組み合わされて構成されているストッパ部品を備える事実、当該ストッパ部品がヒンジ部に内蔵されていることについては認めるが、その余は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。(キ) 摩擦力により「2つの表示板」の各平面間の角度を「任意の角度」で保持するようにしながら、「2つの表示板」が互いに回動されている過程において上記各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)とき、上記状態で上記回動をストップさせて上記「2つの表示板」間を上記「約160度」の角度の状態で固定する構成についてa
(原告の主張)
キ(ア)aは概ね認める。b
(原告の主張)
キ(ア)bないしeについて、第1パネル(一方の表示板)側に固定される部分と、第2パネル(他方の表示板)側に固定される部分とが、相対的に回動可能に組み合わされて構成されているストッパ部品を備える事実、当該ストッパ部品がヒンジ部に内蔵されていることについては認めるが、その余は否認する。被告各製品は、
(原告の主張)
における「角度」を備えない。また、被告各製品においては、各表示パネルが一定の相対的位置関係にある場合には摩擦力による固定が働かず、「摩擦力により」「任意の角度で保持」することができない。さらに、被告各製品においては、「谷状部分」及び「山状部分」が形成されない。イ 構成要件充足性について(ア) 第2次訂正発明1に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
(a) 「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間
の見開き角度」(構成要件1C’ないし1F’、1H’及び1I’)の
5 意義
特許請求の範囲の文言上、「各平面」は「表示板」の構成要素として規定されており、表示板の画面が表示される側の物理的な平面部分のみを指すのであって、かかる表示板の平面を更に延長して観念される仮想的な延長平面については含まれない。そして、本件発明1についての第3の1
(被告の主張)
(2)ア(ア)
aと同様の理由で、「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」については、画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度のことを指すと理解される。したがって、表示装置において、接続された2つの「表示板」の一方の「表示板」における「画面が表示される側」の平面と、他方の「表示板」の「画面が表示される側」の平面とが回動中に接触しない場合においては、「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。
(b) 「ユーザーの任意の角度」(構成要件1H’及び1I’)の意義
「任意の」とは、無作為に選ばせることを意味する用語である。この点、第2次訂正発明1の特許請求の範囲の文言上、「ユーザーの任意の角度」を特定の範囲内での角度とする旨の限定は何ら設けられていない以上、「ユーザーの任意の角度」とは、その字義どおり、0度から360度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意味すると解される。
(c) 「谷状の部分」及び「山状の部分」(構成要件1I’)の意義
「谷状」とは、谷の地形を形容する用語であるから、一般的な解釈に基づけば、2つの面の形成する角度が180度未満となる凹状態のことを意味すると解される。また、「山状」についても、山の地形を形用する用語であるから、一般的な解釈に従えば、2つの面の
5 形成する角度が180度を超える凸状態のことを意味すると解され
る。b 構成要件1H’の充足性について被告各製品では、下パネルの画面が表示される側の面と上パネルの画面が表示される側の面同士が回動中に交わることは無いため、下パネルの画面が表示される側の面と上パネルの画面が表示される側の面同士が交わることで形成される角度は存在しない。また、被告各製品においては、下パネルを置いた地面に対する上パネルの角度によっては、摩擦力によって上パネルと下パネルを任意の相対的位置関係に固定しておくことができない場合がある。また、被告各製品においては、上パネルと下パネルの形成する角度は180度を超えて360度までとなるように、上パネルと下パネルを回動することはできず、この範囲内においても摩擦力により任意の角度で固定することはできない。したがって、被告各製品は構成要件1H’を充足しない。c 構成要件1C’の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品において、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件1C’を充足しない。d 構成要件1D’の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により『約120度から約170度までの範囲内の
5 予め決められた1つの角度』」を成すことはなく、被告各製品は構成要
件1D’を充足しない。e 構成要件1E’の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記各表示板のそれぞれ画面が表示「される側の各平面の間の見開き角度』が『前記各表示板が互いに折り畳まれた状態』から広げられて行く動作、をストップする機能」を備えず、被告各製品は構成要件1E’を充足しない。f 構成要件1F’の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記各表示板のそれぞれ画面が表示「される側の各平面の間の見開き角度』が『ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態』から挟められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパ」を備えず、被告各製品は構成要件1F’を充足しない。g 構成要件1I’の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が前記「予め決められた1つの角度」になることもない。また、前記bのとおり、被告各製品は、摩擦力により2つの表示板をユーザーの任意の角度で保持する構成を備えない。さらに、被告各製品において「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があり得るとすれば、当該部分は山状を形成しており、「谷状の部分」を固定的に
5 形成しない。また同様に、被告各製品における「2つの表示板のそれ
らが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側」があり得るとすれば、当該部分は谷状を形成しており、「山状の部分」を固定的に形成しない。したがって、被告各製品は構成要件1I’を充足しない。h 構成要件1G’の充足性について被告各製品は、構成要件1C’ないし1F’、1H’及び1I’を充足しないため、構成要件1G’を充足しない。(イ) 第2次訂正発明2に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
第2次訂正発明2における「2つの表示板」の「それぞれ画面が表
示される側の各平面の間の見開き角度」(構成要件2C’ないし2E及び2G’)の意義は、前記(ア)aと同様である。b 構成要件2C’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」が約180度を成すことはなく、構成要件2C’を充足しない。c 構成要件2D’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は、構成要件2D’を充足しない。
5 d 構成要件2E’の充足性について
前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度が『前記各表示板が互いに折り畳まれた状態』から広げられて行く動作、をストップする機能を有する中間左右見開きストッパ」を備えず、被告各製品は構成要件2E’を充足しない。e 構成要件2G’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「予め決められた1つの角度」になることもなく、被告各製品は構成要件2G’を充足しない。f 構成要件2F’の充足性について被告各製品は、構成要件2C’ないし2E’及び2G’を充足しないため、構成要件2F’を充足しない。(ウ) 第2次訂正発明10に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
第2次訂正発明10における、「2つの表示板」の「それぞれ画面が
表示される側の各平面の間の見開き角度」(構成要件10D’、10F’ないし10H’)の意義、「ユーザーの任意の角度」(構成要件10F’及び10H’)の意義及び「谷状の部分」及び「山状の部分」(構成要件10H’)の意義は、前記(ア)aと同様である。b 構成要件10F’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。
5 また、前記(ア)のとおり、被告各製品は「摩擦力により」2つの表示
板を「ユーザーの任意の角度」で保持する手段を備えず、被告各製品は「摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記『任意の角度』で保持する任意角度保持手段」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記2つの表示板の、それぞれ画面「が表示される側の各平面の間の見開き角度』が、ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により『ユーザーの任意の角度』に変化させられたとき、摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記『任意の角度』で保持する任意角度保持手段」を備えず、被告各製品は構成要件10F’を充足しない。c 構成要件10G’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が約180度を成すこともなく、被告各製品は構成要件10G’を充足しない。d 構成要件10D’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により『約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度』」を備えず、被告各製品は構成要件10D’を充足しない。e 構成要件10H’の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「予め決められた1つの角度」を成すこともない。
5 また、前記(ア)のとおり、被告各製品は「2つの表示板のそれらが互
いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があるとしても「谷状の部分」を固定的に形成せず、また、「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側」があるとしても「山状の部分」を固定的に形成しない。また、前記(ア)のとおり、被告各製品は2つの表示板を「ユーザーの任意の角度」で「摩擦力により保持するように」する構成を備えず、「摩擦力により、前記2つの表示板の間を前記『任意の角度』で保持する任意角度保持手段」を備えない。したがって、被告各製品は構成要件10H’を充足しない。f 構成要件10E’の充足性について被告各製品は、10D’、10F’ないし10H’を充足しないため、構成要件10E’を充足しない。
(2) 争点3-3-1(第2次各訂正発明についての乙1文献を引用例とする新
規性欠如の解消(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 第2次各訂正発明と乙1発明との対比(ア) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点1について乙1文献には、2つのパネルの少なくともいずれか一方(例えば第1のパネル12)をユーザーが回動させたとき、その一方のパネル(第1のパネル12)と他方のパネル(第2のパネル12)とがそれらが互いに接続されている部分(蝶番16の一次軸36又は二次軸38)を回動中心として相対的に回動するように、2つのパネルを接続する接続手段(蝶番16)を備えていることが開示されている。よって、原告相違点1は第2次各訂正発明との乙1発明との相違点ではない。
5 (イ) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点2等について乙1文献には、①2つのパネルの少なくともいずれか一方(例えば第1のパネル12)が回動されて「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により2つのパネルの間を当該「任意の角度」で保持する任意角度保持手段(蝶番16の「ロッキング機構」 、②2つのパネ)ルの各平面の間の見開き角度が約180度(図1の「平坦位置」)となったとき、2つのパネルの間を当該角度で固定する完全見開き固定手段(蝶番16の「ロッキング機構」 、③2つのパネルが回動されてそれら)の各平面の間の見開き角度が「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」(図4の「部分的に開いた位置」)となったとき、当該回動をストップさせて、2つのパネルの間を当該角度で固定する中間見開きストッパ(蝶番16の「ロッキング機構」)及び④電車の中で、戸外で若しくは外出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、2つのパネルの使用を可能にするため、2つのパネルの少なくとも一方が回動されているとき、2つのパネルの間を「ユーザーの任意の角度」で蝶番16の「ロッキング機構」の摩擦力により保持するようにしながら、2つのパネルの各表面間の見開き角度が「予め決められた1つの角度」になったときは、ストッパ(蝶番16の「ロッキング機構」)により、前記回動をストップさせて、2つのパネル間を前記角度で固定し、さらに、2つのパネルの各画面が表示される側に「谷状の部分」を、且つ2つのパネルの各画面が表示されない側に「山状の部分」を固定的に形成すること(図4の「部分的に開いた位置」)が開示されている。よって、原告相違点2、原告相違点3、原告相違点4、原告相違点5-1及び原告相違点5-2は、第2次各訂正発明と乙1発明との相違点ではない。
5 イ 小括
したがって、第2次各訂正発明は、本件原々々出願より前に頒布された刊行物である乙1文献に記載された発明であるから、いずれも新規性を欠く。
(原告の主張)
ア 第2次各訂正発明と乙1文献に記載された発明との対比乙1文献に記載された発明は、前記第3の2(2)
(原告の主張)
アのとおりであり、第2次各訂正発明との間には、以下の相違点がある。(原告相違点1)
第2次各訂正発明においては、「2つの表示板の少なくともいずれか一方
の表示板をユーザーが回動させたとき、当該一方の表示板と他方の表示板とがそれらが互いに接続されている部分を回動中心として相対的に回動するように、2つの表示板を接続する接続手段」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)。(原告相違点2)
第2次訂正発明1及び10においては、「2つの表示板の少なくともいず
れか一方の表示板が回動されて「ユーザーの任意の角度」に変化させられたとき、摩擦力により2つの表示板の間を当該「任意の角度」で保持する任意角度保持手段」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)。(原告相違点3)
第2次各訂正発明においては、「2つの表示板の各平面の間の見開き角度
が約180度となったとき、又は2つの表示板の各平面が互いにほぼ平行な状態となったとき、2つの表示板の間を当該角度又は状態で固定する完全見開き固定手段」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)
5 (原告相違点4)
第2次各訂正発明においては、「2つの表示板が回動されてそれらの各平
面の間の見開き角度が「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」となったとき、当該回動をストップさせて、2つの表示板の間を当該角度で固定する中間見開きストッパ」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)(原告相違点5-1)
第2次訂正発明1及び10においては、「電車の中で、戸外で若しくは外
出先で使用する、立ったままで使用する、又は画面を介してデータを入力するなどの様々な状況若しくは用途に応じた、前記2つの表示板の使用」を可能にするため、2つの表示板の少なくとも一方が回動されているとき、2つの表示板の間を「ユーザーの任意の角度」で摩擦力により保持するようにしながら、2つの表示板の各表面間の見開き角度が「予め決められた1つの角度」になったときは、ストッパにより、前記回動をストップさせて、2つの表示板間を前記角度で固定し、さらに、2つの表示板の各画面が表示される側に「谷状の部分」(図2(b)参照)を、且つ2つの表示板の各画面が表示されない側に「山状の部分」(図2(b)参照)を固定的に形成するという構成」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)。(原告相違点5-2)
第2次訂正発明2においては、「電車の中で、戸外で、外出先で、又は立
ったままで使用するのに適した、前記2つの表示板の使用」を可能にするため、2つの表示板の少なくとも一方が回動されている場合において、2つの表示板の各表面間の見開き角度が「予め決められた1つの角度」になったとき、ストッパにより、前記回動をストップさせて、2つの表示板間
5 を前記角度で固定する〔その結果として、2つの表示板の各画面が表示さ
れる側に「谷状の部分」(図2(b)参照)が、且つ2つの表示板の各画面が表示されない側に「山状の部分」(図2(b)参照)が固定的に形成される〕という構成」を備えている点(これに対し乙1文献に記載された発明にはこのような構成は記載も示唆もない)。イ 小括以上のとおり、原告相違点1ないし5-2の内容は、乙1文献には全く記載も示唆もないから、第2次各訂正発明には、新規性欠如の無効理由は存在しない。
(3) 争点3-3-2(第2次各訂正発明についての乙1文献を主引用例とする
進歩性欠如の解消(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 第2次各訂正発明と乙1発明との相違点前記(2)
(被告の主張)
のとおり、第2次各訂正発明と乙1発明との間には相違点はない。訂正拒絶理由通知における相違点1ないし3(前記第3の2(3)(被告の主張)ア(イ))を仮に相違点と捉えたとしても、以下のとおり、これらはいずれも本件原々々出願の出願日において、当業者が容易に想到し得るものである。イ 訂正拒絶理由通知における相違点1に係る構成の容易想到性前記第3の2(3)
(被告の主張)
ウのとおり。ウ 訂正拒絶理由通知における相違点2に係る構成の容易想到性前記第3の2(3)
(被告の主張)
エのとおり。なお、訂正拒絶理由通知における相違点2における「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「約120度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」に変化させられたとき、前記
5 回動をストップさせて、前記「2つの表示板」の間を前記「予め決められ
た1つの角度」で固定する」という事項は、例えば、本件原々々出願の出願日より前に頒布された刊行物である英国特許出願公開第2052389号明細書(乙27)に記載されており、周知である。エ 訂正拒絶理由通知における相違点3に係る構成の容易想到性乙1発明において、周知技術1を採用することにより訂正拒絶理由通知における相違点1に係る構成とするとともに、周知技術2を採用することにより訂正拒絶理由通知における相違点2に係る構成とした場合には、訂正拒絶理由通知における相違点3に係る構成は当然得られるものにすぎない。オ 小活以上によれば、第2次各訂正発明と乙1発明との間に、訂正拒絶理由通知における相違点1ないし3があるとしても、これらはいずれも本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到し得るものであるから、
第2次各訂正発明はいずれも進歩性を欠く。
(原告の主張)
ア 第2次各訂正発明と乙1発明との相違点前記(2)
(原告の主張)
のとおり、第2次各訂正発明と乙1発明との間には原告相違点1ないし5-2がある。イ 原告相違点1に係る構成の容易想到性について乙2文献ないし乙5文献に記載された発明又はこれらの文献によって認められる周知技術の「『机上に動かないように載置される操作板(キーボード部)』と『机上に載置された操作板(キーボード部)に対して斜め方向に配置される表示板(ディスプレイ部)』とを、相対的に回動可能に接続するヒンジ装置」を乙1文献に記載された発明に適用して、原告相違点1の構成に到達することには、動機付けがない。
5 ウ 原告相違点2に係る構成の容易想到性について
乙2文献ないし乙5文献に記載された発明又はこれらの文献によって認められる周知技術の「『机上に動かないように載置された操作板(キーボード部)』に対して、ユーザーが表示板を回動させているときに、所定の角度範囲内で、ユーザーがその『任意』で表示板の回動を止めた(例えば表示板から任意で『手』を離した)ときの角度(すなわち、ユーザーにとって任意の角度)で静止・保持できるようにした、ヒンジ装置」を乙1文献に記載された発明に適用して、原告相違点2の構成に到達することには、動機付けがない。エ 原告相違点3に係る構成の容易想到性について乙2文献ないし乙5文献に記載された発明又はこれらの文献によって認められる周知技術の「『机上に動かないように載置された操作板(キーボード部)』に対して、ユーザーにより回動させられている表示板(ディスプレイ部)を、その最大後傾角度(最大限後傾できる範囲の角度。操作板との関係で約180度が多い)で、回動停止させるようにした、ヒンジ装置」を乙1文献に記載された発明に適用して、原告相違点2の構成に到達することには、動機付けがない。オ 原告相違点4に係る構成の容易想到性について前記第3の2(3)
(原告の主張)
アと同様に、原告相違点4は、乙1文献に記載された発明に、乙2文献ないし乙5文献に記載された発明又はこれらの文献により認められる周知技術から、容易に想到できたものではない。カ 原告相違点5-1及び5-2に係る構成の容易想到性について原告相違点4の構成は、原告相違点5-1及び5-2の構成にも含まれているから、前記オは、原告相違点5-1及び5-2の容易想到性についても同様に当てはまる。キ 小活
5 以上によれば、第2次各訂正発明について、乙1文献を主引用例とする
進歩性欠如の無効理由は存在しない。
(4) 争点3-3-3(第2次各訂正発明についての乙11文献を引用例とする
新規性欠如の解消(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
第2次各訂正発明は、本件各発明と同様に、乙11文献に記載された発明
であって新規性を欠くものであるから、第2次訂正によってこの点の無効理由は解消されない。
(原告の主張)
(被告の主張)
は争う。
(5) 争点3-3-4(第2次各訂正発明についての乙12補正書に係る補正の
補正要件違反の解消(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
第2次訂正は、本件補正2による新規事項の追加を治癒するものではない
から、第2次訂正によっても、この点の無効理由は解消しない。
(原告の主張)
(被告の主張)
は争う。
2 第3次訂正について
(1) 争点4-2(被告各製品が第3次各訂正発明の技術的範囲に属するか)に
ついて
(原告の主張)
ア 小型サイズの2つの表示板(一方の表示板は入力用画面表示機能付き)を「相対的に回動」可能に接続する構成について(ア) 被告各製品の構成被告各製品はいずれも以下の構成を備える。a 被告各製品は、2つの表示板の全体を、「本を開いて読むとき」のよ
5 うに見開きかつ折り曲げ状態にして、ユーザーがその片手のみで安定
的に支持できる小型のサイズの電子機器である。b 被告各製品は、2つの表示板が(ⅰ)互いに約180度に(互いの各平面間がほぼ平行に)見開き可能、(ⅱ)互いに折り畳み(互いの各平面間の角度が約0度)可能、及び互いに折り曲げ状態(上記(ⅰ)と(ⅱ)の間の状態)での見開き可能に接続されている。c 被告各製品においては、各表示板は、ヒンジ部(各表示板の接続部分)を回動中心として、双方を同時に回動することも、一方のみを回動することもできる。d 被告各製品においては、各表示板の一方はそのままにして他方を回動したときでも、当該一方ではない他方をそのままにして当該一方を回動したときでも、回動後の状態は同じであり、その意味で各表示板はヒンジ部を回動中心として相対的に回動できるように接続されている。なお、このような相対的回動は、被告各製品における、2つの表示板が1個の回転軸のみで互いに接続されており(2個の接続軸でそれぞれ接続されているのではない)かつ当該接続部分においては各表示板の端部同士間で摩擦力が作用しているという構成から導かれる機能である。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の各構成は、次の各構成要件を充足する。
第3次訂正発明1の構成要件1A”、1B”及び1G”
第3次訂正発明2の構成要件2A”、2B”及び2F”
第3次訂正発明3の構成要件3A”、3B”及び3E”
第3次訂正発明4の構成要件4A”、4B”及び4D”
第3次訂正発明5の構成要件5E”、5A”、5B”及び5C”
第3次訂正発明6の構成要件6E”、6A”、6B”及び6C”
5 イ 2つの表示板間をユーザーが回動を任意に止めたときの折り曲げ角度で
そのまま摩擦力により保持する摩擦力保持手段について(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、2つの表示板の少なくとも一方をユーザーが回動させている過程において、ユーザーが当該回動を任意の折り曲げ角度でストップしたとき、「2つの表示板の間」が、当該の「ユーザーが任意に回動をストップしたときの折り曲げ角度」でそのまま摩擦力(接続部分における、各表示板の端部同士の間の摩擦力)により保持されるように、前記ユーザーによる回動がされる。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第3次訂正発明1の構成要件1H”
第3次訂正発明3の構成要件3F”
第3次訂正発明5の構成要件5F”
第3次訂正発明6の構成要件6F”
ウ 2つの表示板を「各平面間が約180度(互いにほぼ平行)の状態」で固定する完全見開き固定手段について(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、「2つの表示板」の各画面が表示される側の各平面の間の角度が「約180度」(互いにほぼ平行)の状態になったとき、ヒンジ部(甲12、甲13の2等参照)の構成により、すなわち2つの表示板の互いの各端部(一方の表示板と一体に成形されたヒンジ部の一部を含む)とが互いに当接することにより、上記「約180度」を超える角度への見開きが阻止(ストップ)され、「2つの表示板」が、上記「約180度」(互いにほぼ平行)での見開きの状態で、固定される。(イ) 構成要件の充足性
5 被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第3次訂正発明1の構成要件1C”
第3次訂正発明2の構成要件2C”
第3次訂正発明3の構成要件3C”
第3次訂正発明4の構成要件4E”
第3次訂正発明5の構成要件5G”
第3次訂正発明6の構成要件6G”
エ 2つの表示板を「各平面間が約160度の折り曲げ状態」で固定する中間見開き固定ストッパ(又は中間見開き固定手段)について(ア) 被告各製品の構成被告各製品では、例えば「2つの表示板」が、それらの各画面が表示される側の各平面の間の角度が上記各平面(画面が表示される側)間を折り畳み状態から広げるように回動されている過程において、上記各平面間が約160度の折り曲げ状態になったとき、ヒンジ部に内蔵されたストッパ部品により、上記回動はストップされかつ上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。また、被告各製品では、「2つの表示板」が、それらの各平面(画面が表示される側)間の角度が約180度見開きの状態から狭められて行くように回動している過程で、上記各平面間の角度が約160度の折り曲げ状態まで回動した(状態が変化した)とき、上記と同様に、ヒンジ部に内蔵されたストッパ部品により、上記回動はストップされかつ上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の構成は、次の各構成要件を充足する。
第3次訂正発明1の構成要件1D”、1E”及び1F”
第3次訂正発明2の構成要件2D”及び2E”
5 第3次訂正発明3の構成要件3D”及び3G”
第3次訂正発明4の構成要件4C”及び4F”
第3次訂正発明5の構成要件5D”及び5H”
第3次訂正発明6の構成要件6D”及び6H”
オ ユーザーが回動を任意に止めたときは、2つの表示板の間が、前記ユーザーが回動を任意に(ユーザーの自由意思で)止めたときの折り曲げ角度のまま摩擦力により保持されるように、ユーザーによる回動がされている場合において、2つの表示板の各平面間の角度が約160度になったとき、ユーザーによる回動をストップさせて、2つの表示板中のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「見開き使用時にユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を形成し、かつ、2つの表示板中のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「見開き使用時にユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成について(ア) 被告各製品の構成被告各製品はいずれも以下の構成を備える。a ユーザーが被告各製品の各表示板をその各平面間の角度が変化するように回動させたとき、2つの表示板は、摩擦力により各平面間の角度が任意の角度で保持される。b ユーザーが被告各製品の「2つの表示板」をその各平面間の角度が変化するように回動させる過程で、上記各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)ときは、ヒンジ部に内蔵されたストッパにより、上記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間は上記約160度の折り曲げ状態で固定される。c 前記「2つの表示板」の各平面間の角度が「約160度」になった(変化した)ときは、ヒンジ部に内蔵されたストッパ部品により、上
5 記回動はストップされて、上記「2つの表示板」間が上記約160度
の折り曲げ状態で固定されるが、そのとき、上記「2つの表示板」の各画面が表示される側には「ユーザーが片手の親指を載置する取っ掛かりとなり得る『谷状部分』」が形成されると共に、画面が表示されない側には「ユーザーが当該片手の他の指(及び/又は掌)の上に被告各製品を載置(当接)し易い『山状部分』」が形成される。d 前記『谷状部分』と『山状部分』は、ヒンジ部に内蔵されたストッパ部品により、容易に動かないように(すなわち固定的に)形成される。e 前記aないしdの構成は、ユーザーが電車の中で、戸外で、外出先で、又は立ったまま使用する場合に、ユーザーが2つの表示板を片手だけで安定的に支持しながら、他方の片手では電車の吊革を持つ、タッチパネルに指を接触させてデータ入力をするなどの他の動作をすることを容易にするものである(よって、前記aないしdの構成は、上記各場合におけるユーザーの使用に適したものである。。)(イ) 構成要件の充足性被告各製品における前記(ア)の各構成は、次の各構成要件を充足する。
第3次訂正発明1の構成要件1I”
第3次訂正発明2の構成要件2G”
第3次訂正発明3の構成要件3H”
第3次訂正発明5の構成要件5I”
第3次訂正発明6の構成要件6I”
カ 小括前記アないしオによれば、被告各製品は、第3次各訂正発明の各構成要件の全てを充足している。キ
(被告の主張)
に対する反論
5 (ア) 「2つの表示板の各平面の間の角度」(構成要件1C”ないし1F”、
1H”、1I”等)について「2つの表示板の画面が表示される側の各平面の間の角度」としては、「画面が表示される側の実際の面同士が交わることで形成される角度」だけではなく、「2つの表示板の各平面の一方が仮想的に延長(又は仮想的に平行移動)されたときにできる仮想的な角度」をも含めて、観念することが社会通念上可能であり、かつ、そのような「2つの表示板の各平面の一方が仮想的に延長(又は仮想的に平行移動)されたときにできる仮想的な角度」を想定して議論することは当業者の間で通常に行われている。よって、被告各製品には「各平面の間の角度(上記のような仮想的な角度をも含む)」が存在する。(イ) 「ユーザーの任意の角度」(構成要件1H”、1I”等)について
第2次訂正発明についての前記1(1)
(原告の主張)
ケ(イ)と同様であある。(ウ) 「谷状の部分」及び「山状の部分」ないし「谷状部分」及び「山状部分(構成要件1I”、1G”等)について
第2次訂正発明についての前記1(1)
(原告の主張)
ケ(ウ)と同様であある。
(被告の主張)
ア 被告各製品の構成について(ア) 小型サイズの2つの表示板(一方の表示板は入力用画面表示機能付き)を「相対的に回動」可能に接続する構成についてa
(原告の主張)
ア(ア)aは概ね認める。b
(原告の主張)
ア(ア)bは否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パ
5 ネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示
板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、
(原告の主張)
(「2つの表示板が(ⅰ)互いに約180度に」「互い、の各平面間の角度が約0度」等)における「角度」をいずれも有しない。c
(原告の主張)
ア(ア)cについて、被告各製品において、「各表示板」に相当する上パネルと下パネルの双方を同時に回動し得ること、及び、一方のみを回動することもできることについては認めるが、その余は否認ないし争う。被告各製品では、ヒンジ部が下パネルのディスプレイ側の面の同一面上には無いため、下パネルのディスプレイ側の面と上パネルのディスプレイ側の面がヒンジ部の回転軸を中心とする構成を採用しておらず、「ヒンジ部(各表示板の接続部分)」を回動中心としていない。d
(原告の主張)
ア(ア)dは否認する。被告各製品では、ヒンジ部が下パネルのディスプレイ側の面の同一面上には無いため、下パネルのディスプレイ側の面と上パネルのディスプレイ側の面がヒンジ部の回転軸を中心とする構成を採用しておらず、「ヒンジ部(各表示板の接続部分)」を回動中心としていない。e
(原告の主張)
ア(ア)eは概ね認める。(イ) 2つの表示板間をユーザーが回動を任意に止めたときの折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持する摩擦力保持手段について
(原告の主張)
イ(ア)は否認する。被告各製品においては、各表示パネルが一定の相対的位置関係にある場合には摩擦力による固定が働かず、「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとを「摩擦力により」「任意の角度」又は「任意の折り曲げ
5 角度」で保持する手段を備えない。
(ウ) 2つの表示板を「各平面間が約180度(互いにほぼ平行)の状態」で固定する完全見開き固定手段について
(原告の主張)
ウ(ア)は否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、原告の主張における「角度」をいずれも有しない。(エ) 2つの表示板を「各平面間が約160度の折り曲げ状態」で固定する中間見開き固定ストッパ(又は中間見開き固定手段)について
(原告の主張)
エ(ア)は否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、原告の主張における「角度」をいずれも有しない。(オ) ユーザーが回動を任意に止めたときは、2つの表示板の間が、ユーザーが回動を任意に(ユーザーの自由意思で)止めたときの折り曲げ角度のまま摩擦力により保持されるように、ユーザーによる回動が為されている場合において、2つの表示板の各平面間の角度が約160度になったとき、ユーザーによる回動をストップさせて、2つの表示板中のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側に「見開き使用時にユーザーの親指が当接され得る谷状部分」を形成し、かつ、2つの表示板中のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側に「見開き使用時にユーザーの親指以外
5 の複数の指が当接され得る山状部分」を固定的に形成する構成について
a
(原告の主張)
オ(ア)aは否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、
(原告の主張)
における「角度」をいずれも有しない。また、被告各製品においては、各表示パネルが一定の相対的位置関係にある場合には摩擦力による固定が働かず、「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとを「摩擦力により」「任意の角度」又は「任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えない。b
(原告の主張)
オ(ア)bは否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、
(原告の主張)
における「角度」をいずれも有しない。c
(原告の主張)
オ(ア)cは否認する。被告各製品においては、そもそも「2つの表示板」に相当する下パネルと上パネルとが、第3次各訂正発明の規定する「前記2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を成さないため、
(原告の主張)
における「角度」をいずれも有しない。また、被告各製品は、「上記『2つの表示板』の各画面が表示される側」に「谷状」部分を形成せず、「画面が表示されない側」に「山状」部分を形成しない。
5 d
(原告の主張)
オ(ア)dは否認する。被告各製品は、「上記『2つの表示板』の各画面が表示される側」に「谷状」部分を形成せず、「画面が表示されない側」に「山状」部分を形成しない。イ 構成要件充足性について(ア) 第3次訂正発明1に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
(a) 「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間
の見開き角度」(構成要件1C”ないし1F”、1H”及び1I”)の意義
第2次訂正発明1についての前記1(1)
(被告の主張)
イ(ア)a(a)と同様の理由で、第3次訂正発明1における「各平面」とは画面が表示される実際の物理的な平面部分のみを指し、かつ、「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」とは画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度を指すことは明らかである。
(b) 「ユーザーの任意の角度」及び「ユーザーの任意の折り曲げ角度」
(構成要件1H”及び1I”)の意義「任意の」とは、無作為に選ばせることを意味する用語である。また、「ユーザーの任意の角度」については、本件明細書には明示的に定義されておらず、せいぜい「ユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により」「ユーザー」が「任意」に「変化させ」ることのできる「角度」という程度の意味に解すべきものである。そして、「ユーザー」が「任意」に「変化させ」ることのできる「角度」の任意性に着目すると、その角度は0度から360度までの範囲にあることになるから、構成要件1H”及び1I”における「ユ
5 ーザーの任意の角度」とは、0度から360度のあらゆる角度から
無作為に選択し得る角度を意味すると解される。他方で、構成要件1H”の「ユーザーの任意の折り曲げ角度」については、構成要件1H”は「前記2つの表示板が互いに折り畳まれた状態から互いに約180度の角度で見開きにされた状態へと向かうように前記2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板がユーザーにより回動される場合において、ユーザーが前記回動をユーザーの任意の折り曲げ角度で止めたとき前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持される」という事項を含む。かかる事項は、2つの表示板の少なくともいずれか一方の表示板を「(0度から360度までの範囲のうち)0度から180度まで」において回動させる場合に2つの表示板の間を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で摩擦力により保持することを規定するものである。すると、「ユーザーの任意の折り曲げ角度」とは、(0度から360度までの範囲のうち)0度から180度までの範囲にあることになるから、0度から180度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意味すると解される。
(c) 「谷状の部分」及び「山状の部分」(構成要件1I”及び1G”)
の意義
第2次訂正発明1についての前記1(1)
(被告の主張)
イ(ア)a(c)と同様の理由で、一般的な解釈に基づけば、「谷状」とは2つの面の形成する角度が180度未満となる凹状態のことを意味すると解され、「山状」とは2つの面の形成する角度が180度を超える凸状態のことを意味すると解される。b 構成要件1H”の充足性について被告各製品では、下パネルの画面が表示される側の面と上パネルの
5 画面が表示される側の面同士が回動中に交わることはないため、下パ
ネルの画面が表示される側の面と上パネルの画面が表示される側の面同士が交わることで形成される角度は存在しない。また、被告各製品においては、下パネルを置いた地面に対する上パネルの角度によっては、摩擦力によって上パネルと下パネルを任意の相対的位置関係に固定しておくことができない場合がある。また、被告各製品においては、上パネルと下パネルの形成する角度は180度を超えて360度までとなるように、上パネルと下パネルを回動することはできず、この範囲内においても摩擦力により任意の角度で固定することはできない。したがって、被告各製品は構成要件1H”を充足しない。c 構成要件1C”の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品においては、当該角度が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件1C”を充足しない。d 構成要件1D”の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品においては、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すことはなく、被告各製品は構成要件1D”を充足しない。e 構成要件1E”の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側「
5 の各平面の間の見開き角度』が『前記各表示板が互いに折り畳まれた
状態』から広げられて行く動作、をストップする機能」を備えず、被告各製品は構成要件1E”を充足しない。f 構成要件1F”の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側「の各平面の間の見開き角度』が『ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態』から挟められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開きストッパ」を備えず、被告各製品は構成要件1F”を充足しない。g 構成要件1I”の充足性について前記bのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「前記『予め決められた1つの角度』」になることもない。また、前記bのとおり、被告各製品は「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の角度」で保持する構成を備えない。さらに、被告各製品においては、「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があるとしても「谷状の部分」を形成せず、また、「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側」があるとしても「山状の部分」を形成しない。したがって、被告各製品は構成要件1I”を充足しない。h 構成要件1G”の充足性について被告各製品は、構成要件1C”ないし1F”、1H”及び1I”を充足しないため、構成要件1G”を充足しない。
5 (イ) 第3次訂正発明2に係る構成要件の充足性について
a 構成要件の文言の解釈について
第3次訂正発明2における、「2つの表示板」の「それぞれ画面が表
示される側の各平面の間の見開き角度」(構成要件2C”ないし2E”及び2G”)の意義、「ユーザーの任意の折り曲げ角度」(構成要件2G”)の意義は、前記(ア)aと同様である。b 構成要件2C”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品においては、当該角度が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件2C”を充足しない。c 構成要件2D”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品においては、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すことはなく、被告各製品は構成要件2D”を充足しない。d 構成要件2E”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えない。したがって、被告各製品は、 『…前記各表示板のそれぞれ画面が表示される「側の各平面の間の見開き角度』が『前記各表示板が互いに折り畳まれた状態』から広げられて行く動作、をストップする機能」を備えず、被告各製品は構成要件2E”を充足しない。e 構成要件2G”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ
5 画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当
該角度が「前記『予め決められた1つの角度』」になることもない。また、前記(ア)のとおり、被告各製品は、「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の角度」又は「任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えず、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えていない。したがって、被告各製品は構成要件2G”を充足しない。f 構成要件2F”の充足性について被告各製品は、構成要件2C”ないし2E”及び2G”を充足しないため、構成要件2F”を充足しない。(ウ) 第3次訂正発明3に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
(a) 「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間
の角度」(構成要件3C”、3D”、3G”及び3H”)の意義前記(ア)aの「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」と同様に、「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」も画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度を指すと解釈される。
(b) 「谷状部分」及び「山状部分」(構成要件3H”)の意義
前記(ア)aのとおり、「谷状」とは、2つの面の形成する角度が180度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、2つの面の形成する角度が180度を超える状態のことを意味すると解される。なお、構成要件3H”においては、第3次訂正により新たに「ユーザーの親指が当接され得る」 「ユーザーの親指以外の複数の指が、当接され得る」との文言が追加されているが、「谷状部分」及び「山
5 状部分」の意義は、ユーザーの指が当接され得るか否かにより左右
されるものではないため、「ユーザーの親指が当接され得る」及び「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る」との文言の存在は、「谷状部分」及び「山状部分」の上記解釈を何ら妨げるものではない。
(c) 「ユーザーの任意の折り曲げ角度」(構成要件3F”及び3H”)
の意義前記(ア)aと同様の理由で、「ユーザーの任意の折り曲げ角度」とは、0度から180度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意味すると解される。b 構成要件3F”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品は、「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えない。したがって、被告各製品は、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えておらず、構成要件3F”を充足しない。c 構成要件3C”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品では、下パネルの画面が表示される側の面と上パネルの画面が表示される側の面同士が回動中に交わることはないため、下パネルの画面が表示される側の面と上パネルの画面が表示される側の面同士が交わることで形成される角度は存在しない。したがって、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、被告各製品において、当該角度が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件3C”を充足しない。d 構成要件3D”及び3G”の充足性について
5 前記cのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ
画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件3D”及び3G”を充足しない。e 構成要件3H”の充足性について前記cのとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともない。また、前記(ア)のとおり、被告各製品においては「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があるとしても「谷状部分」を形成せず、また、「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側」があるとしても「山状部分」を形成しない。さらに、前記(ア)のとおり、被告各製品は「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えず、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えていない。したがって、被告各製品は構成要件3H”を充足しない。f 構成要件3E”の充足性について被告各製品は、構成要件3C”、3D”、3F”、3G”及び3H”を充足しないため、構成要件3E”を充足しない。(エ) 第3次訂正発明4に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について前記(ア)aと同様の理由で、構成要件4E”及び4F”の「それぞれ
5 画面が表示される側の各平面の間の角度」とは画面が表示される実際
の面同士が交わることで形成される角度を指すと解釈される。また、構成要件4C”の「2つの表示板」の「各平面の間の見開き角度」も画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度を指すことは明らかである。b 構成要件4E”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、被告各製品において、当該角度が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件4E”を充足しない。c 構成要件4C”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件4C”を充足しない。d 構成要件4F”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件4F”を充足しない。e 構成要件4D”の充足性について被告各製品は、構成要件4C”、4E”及び4F”を充足しないため、構成要件4D”を充足しない。(オ) 第3次訂正発明5に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
5 (a) 「2つの表示板」の「それぞれ画面が表示される側の各平面の間
の角度」の意義前記(ウ)aのとおり、「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」とは画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度を指す。
(b) 「谷状の部分」及び「山状の部分」の意義
前記(ア)aのとおり、「谷状」とは、2つの面の形成する角度が180度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、2つの面の形成する角度が180度を超える状態のことを意味すると解される。
(c) 「ユーザーの任意の折り曲げ角度」の意義
前記(ア)aと同様の理由で、「ユーザーの任意の折り曲げ角度」とは、0度から180度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意味すると解される。b 構成要件5F”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品は、「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えない。したがって、被告各製品は、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えておらず、構成要件5F”を充足しない。c 構成要件5G”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が約180度を成すこともなく、被告各製品は構成要件5G”を充足しない。d 構成要件5D”及び5H”の充足性について
5 前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ
画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件5D”及び5H”を充足しない。e 構成要件5I”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともない。また、前記(ア)のとおり、被告各製品においては「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があるとしても「谷状の部分」を形成せず、また、「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示されない側」があるとしても「山状の部分」を形成しない。さらに、前記(ア)のとおり、被告各製品は「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の角度」又は「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えない。したがって、被告各製品は「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えていない。したがって、被告各製品は構成要件5I”を充足しない。f 構成要件5E”の充足性について被告各製品は、構成要件5D”、5F”ないし5H”及び5I”を充足しないため、構成要件5E”を充足しない。(カ) 第3次訂正発明6に係る構成要件の充足性についてa 構成要件の文言の解釈について
5 (a) 第3次訂正発明6における「2つの表示板」の「それぞれ画面が
表示される側の各平面の間の見開き角度」及び「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」の意義前記(ア)aと同様の理由で、構成要件6D”における「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」とは、画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度をいうものと解される。また、前記(ウ)aと同様の理由で、構成要件6G”ないし6I”における「それぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」とは画面が表示される実際の面同士が交わることで形成される角度を指す。
(b) 「谷状部分」及び「山状部分」の意義
前記(ウ)aのとおり、「谷状」とは、2つの面の形成する角度が180度未満となる状態のことを意味すると解され、「山状」とは、2つの面の形成する角度が180度を超える状態のことを意味すると解される。なお、「ユーザーの親指が当接され得る」及び「ユーザーの親指以外の複数の指が当接され得る」との文言の存在は「谷状部分」及び「山状部分」の上記解釈を妨げるものではない。
(c) 「ユーザーの任意の折り曲げ角度」の意義
前記(ア)aと同様の理由で、「ユーザーの任意の折り曲げ角度」とは、0度から180度のあらゆる角度から無作為に選択し得る角度を意味すると解される。b 構成要件6F”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品は、「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えない。したがって、被告各製品は、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えておらず、
5 構成要件6F”を充足しない。
c 構成要件6G”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、被告各製品において、当該角度が約180度を成すことはなく、被告各製品は構成要件6G”を充足しない。d 構成要件6D”の充足性について前記(ア)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の見開き角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件6D”を充足しない。e 構成要件6H”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、被告各製品において、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともなく、被告各製品は構成要件6H”を充足しない。f 構成要件6I”の充足性について前記(ウ)のとおり、被告各製品はそもそも「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の各平面の間の角度」を備えないため、当該角度が「約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度」を成すこともない。また、前記(ア)のとおり、被告各製品においては「2つの表示板のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示される側」があるとしても「谷状部分」を形成せず、また、「2つの表示板
5 のそれらが互いに接続されている部分及びその近傍部分の画面が表示
されない側」があるとしても「山状部分」を形成しない。さらに、前記(ア)のとおり、被告各製品は「摩擦力により」2つの表示板を「ユーザーの任意の折り曲げ角度」で保持する手段を備えず、「前記2つの表示板間が前記ユーザーの任意の折り曲げ角度でそのまま摩擦力により保持」する構成を備えていない。したがって、被告各製品は構成要件6I”を充足しない。g 構成要件6E”の充足性について被告各製品は、構成要件6D”及び6F”ないし6I”を充足しないため、構成要件6E”を充足しない。
(2) 争点4-3-1(第3次各訂正発明についての乙1文献を引用例とする新
規性欠如の解消(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 第3次各訂正発明と乙1発明との対比(ア) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点1’について
第3次訂正後の特許請求の範囲の各請求項には、「一方の表示板と他方
の表示板とが『それらが互いに接続されている部分』を回動中心として相対的に回動する」としか記載されていない。そして、ここでいう「それらが互いに接続されている部分」とは、「複数の回転軸」を含む広い意味を有する構成である。乙1文献には、「一方の表示板(第1のパネル12)と他方の表示板(第2のパネル14)とが『それらが互いに接続されている部分』(蝶番手段16)を回動中心として相対的に回動する」という技術的事項が記載されている。蝶番手段16は一次軸36及び二次軸38を有しているが、一方の表示板(第1のパネル12)は、他方の表示板(第2のパネル14)に対して、一次軸36を回動中心としても、二次軸38を回動
5 中心としても、何れにしても相対的に回動するように構成されている。
したがって、原告相違点1’は第3次各訂正発明と乙1発明との相違点ではない。(イ) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点2’について乙1文献においては、ユーザーが回動している2つの表示板の一方(「第1のパネル12」)からユーザーが任意に(ユーザーの自由意思により)手指を離したとき、当該ユーザーが任意に(ユーザーの自由意思により)手指を離した位置・角度で2つの表示板(「第1のパネル12」及び「第2のパネル14」)の間がそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする摩擦力保持手段(又は任意角度保持手段)(蝶番16の「ロッキング機構」」を備えている。)したがって、原告相違点2’は第3次各訂正発明と乙1発明との相違点ではない。(ウ) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点3’についてそもそも、第3次訂正後の特許請求の範囲の各請求項には、「2つの表示板」の「見開き角度」がユーザーによる少なくともいずれか一方の表示板の回動により「1つの角度」に変化させられたとき、「回動をストップ」させるとしか記載されておらず、「ユーザーが2つの表示板の一方を回動させている過程において、2つの表示板間が『……1つの角度』になったとき、ユーザーの任意に(ユーザーの自由意思)にかかわらず、当該ユーザーによる回動をストップさせ」ることは、どこにも記載されていない。原告は、第3次訂正後の特許請求の範囲の各請求項に記載されていない内容に基づいて原告相違点3’の主張を行っており、そもそもこの点において失当である。また、乙1文献では、2つの表示板(「第1のパネル12」及び「第2のパネル14」)の見開き角度が、ユーザーによる少なくともいずれか一
5 方の表示板(例えば「第2のパネル14」)の回動により「1つの角度」
(「任意の角度」「360度の弧内」であるから「約150度から約17(0度の範囲までの範囲内」の角度も当然含まれる))に変化させられたとき、中間ストッパ(蝶番16の「ロッキング機構」)により「回動をストップ」させることが開示されている。したがって、原告相違点3’は第3次各訂正発明と乙1発明との相違点ではない。(エ) 後記
(原告の主張)
アの原告相違点4’について乙1文献には、2つの表示板(「第1のパネル12」及び「第2のパネル14」)中の一方(例えば「第2のパネル14」)をユーザーが回動している場合において、ユーザーが当該一方の表示板から任意に手指を離したときは2つの表示板間が当該任意の角度でそのまま蝶番16の「ロッキング機構」の摩擦力により保持されるように当該ユーザーによる回動が為されるようにしながら、当該2つの表示板間が『約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度』 「任意の角度」((「360度の弧内」であるから「約150度から約170度の範囲までの範囲内」の角度も当然含まれる))になったときは蝶番16の「ロッキング機構」の摩擦力により当該2つの表示板間の接続部分及びその近傍部分に『ユーザーの手指を当接することができる谷状部分及び山状部分』(「第1のパネル12」と「第2のパネル14」との接続部分(「蝶番16」)及びその近傍部分に形成された「谷状部分」及び「山状部分」:「FIG._4」参照)を固定的に形成する構成が開示されている。したがって、原告相違点4’は第3次各訂正発明と乙1発明との相違点ではない。イ 小括したがって、第3次各訂正発明は、本件原々々出願より前に頒布された
5 刊行物である乙1文献に記載された発明であるから、いずれも新規性を欠
く。
(原告の主張)
ア 第3次各訂正発明と乙1文献に記載された発明との対比乙1文献に記載された発明と第3次各訂正発明との間には、以下の相違点がある。(原告相違点1’)
第3次各訂正発明においては「(2つの表示板が摩擦力が介在するように
1個の回転軸(1軸)に接続されていることなどから)ユーザーが2つの表示板の一方を回動させるとき、2つの表示板を当該回転軸(接続部分)を回転中心として互いに相対的に回動させる接続手段」を備えているのに対し、乙1文献に記載された発明においては「(2の表示板が少なくとも回動時には摩擦力が介在することがないように2個の回転軸(2軸)にそれぞれ接続されていることなどから)、ユーザーが2つの表示板の一方を回動させるとき、2つの表示板が互いにそれぞれ独立に回動する接続手段」しか備えていない点。(原告相違点2’)
第3次訂正発明1、3、5及び6においては「(2つの表示板が摩擦力が
介在するように1個の回転軸(1軸)に接続されていることなどから)、ユーザーが回動している2つの表示板中の一方からユーザーが任意に(ユーザーの自由意思により)手指を離したとき、当該ユーザーが任意に(ユーザーの自由意思により)手指を離した位置・角度で2つの表示板の間がそのまま摩擦力により保持されるように、前記ユーザーによる回動が為されるようにする摩擦力保持手段(又は任意角度保持手段)」を備えているのに対し、乙1文献に記載された発明においては「(2の表示板が少なくとも回動時には摩擦力が介在することがないように2個の回転軸(2軸)にそれ
5 ぞれ接続されていることなどから)、ユーザーが回動している2つの表示板
中の一方からユーザーが任意に(ユーザーの自由意思により)手指を離したとき、2つの表示板の間がそのまま摩擦力などにより保持させる構成」は記載も示唆もない点。(原告相違点3’)
第3次各訂正発明においては「ユーザーが2つの表示板中の一方を回動
させている過程において、2つの表示板間が『約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度』になったとき、ユーザーの任意に(ユーザーの自由意思)にかかわらず、当該ユーザーによる回動をストップさせ且つ当該2つの表示板間を当該角度で固定する中間ストッパ」を備えているのに対し、乙1文献に記載された発明においては「少なくともユーザーが2つの表示板中の一方を回動させている過程においては、ユーザーの任意に(ユーザーの自由意思)にかかわらず、当該ユーザーによる回動をストップさせ、又は当該2つの表示板間を当該角度で固定する構成」は記載も示唆もない点。(原告相違点4’)
第3次各訂正発明1ないし3、5及び6においては「2つの表示板中の
一方をユーザーが回動している場合において、ユーザーが当該一方の表示板から任意に手指を離したときは2つの表示板間が当該任意の角度でそのまま摩擦力により保持されるように当該ユーザーによる回動が為されるようにしながら、当該2つの表示板間が『約150度から約170度までの範囲内の予め決められた1つの角度』になったときは当該2つの表示板間の接続部分及びその近傍部分に『ユーザーの手指を当接することができる谷状部分及び山状部分』を固定的に形成する構成」を備えているのに対し、乙1文献に記載された発明においてはそのような構成は記載も示唆もない点。
5 イ 小括
以上のとおり、原告相違点1’ないし4’に係る構成は、乙1文献には全く記載も示唆もないから、第3次各訂正発明には、新規性欠如の無効理由は存在しない。
(3) 争点4-3-2(第3次各訂正発明についての乙1文献を主引用例とする
進歩性欠如の解消(出願日遡及を前提とする無効理由))について
(被告の主張)
ア 原告相違点1’ないし4’に係る構成の容易想到性(ア) 乙2発明との組合せ乙2発明の電子機器は、乙1発明のコンピュータノート10と同様に「折り畳み可能な電子機器」であるから、乙2発明と乙1発明は技術分野が明らかに共通する。乙1文献には、乙1発明のコンピュータノート10が「ラップトップ型パソコン」の態様としても使用され得ることが明確に開示されており、この点において特に乙2発明の技術分野と共通する。また、乙1発明のコンピュータノート10は2つの回動軸を有するものであり、「ロッキング機構」も2つ存在する。これら2つの「ロッキング機構」のそれぞれに乙2発明の「(ダンパー手段とコイルバネ等からなる)チルト機構」を追加するか、若しくは、何れか一方の「ロッキング機構」を乙2発明の「チルト機構」で置換することにより、任意角度保持手段と中間左右見開きストッパとの双方を備える単一の表示装置を構築することは容易である。したがって、仮に第3次訂正発明と乙1発明との間に原告相違点1’ないし4’があったとしても、これらの相違点に係る構成は、乙1発明に乙2発明を適用することで、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたものである。
5 (イ) 乙3発明との組合せ
乙3発明の電子機器は、乙1発明のコンピュータノート10と同様に「折り畳み可能な電子機器」であるから、乙3発明と乙1発明は技術分野が明らかに共通する。乙1文献には、乙1発明のコンピュータノート10が「ラップトップ型パソコン」の態様としても使用され得ることが明確に開示されており、この点において特に乙3発明の技術分野と共通する。また、乙1発明のコンピュータノート10は2つの回動軸を有するものであり、「ロッキング機構」も2つ存在する。これら2つの「ロッキング機構」のそれぞれに乙3発明の「(カム手段とコイルバネ等からなる)チルト機構」を追加するか、若しくは、何れか一方の「ロッキング機構」を乙3発明の「チルト機構」で置換することにより、任意角度保持手段と中間左右見開きストッパとの双方を備える単一の表示装置を構築することは容易である。したがって、仮に第3次訂正発明と乙1発明との間に原告相違点1’ないし4’があったとしても、これらの相違点に係る構成は、乙1発明に乙3発明を適用することで、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたものである。(ウ) 乙4発明との組合せa 動機付けについて乙4発明は、「小型電子機器」に係るものであり、なおかつ、乙1発明のコンピュータノート10と同様に「折り畳み可能な電子機器」に係るものであるから、乙4発明と乙1発明は技術分野が明らかに共通する。乙1文献には、乙1発明のコンピュータノート10が「ラップトップ型パソコン」の態様としても使用され得ることが明確に開示されており、この点において特に乙4発明の技術分野と共通する。
5 原告は、乙1発明に乙4発明を適用するためには、乙1文献の請求
項15に記載された「第1及び第2の固定手段」を実現するための具体的構成として唯一記載された「第1及び第2のロッキング機構」という主たる構成を除外すること(又は主たる構成を大幅に変更すること)が必要になる等と主張するが、乙1発明の内容は請求項15に記載された内容に限定されるものではないから、そもそもこの点において
(原告の主張)
は適切ではない。また、乙1発明における「ロッキング機構」は、乙4文献の図6に示される従来の折り畳み式小型電子機器と同様にフリーストップ型の機構であり、そのような機構においては、乙4文献に記載されたような、パネルを「ある傾斜角度で開いた状態」において「小さな衝撃、振動」等があると「停止位置がずれる」という技術的課題は当然発生し得る。乙4発明は、まさにかかる技術的課題を解決するためにされたものであるから、乙1発明におけるフリーストップ型の「ロッキング機構」の上記技術的課題を解決するために、乙4発明を適用することは、何ら困難なことではない。そして、乙1発明のコンピュータノート10は2つの回動軸を有するものであり、「ロッキング機構」も2つ存在する。これら2つの「ロッキング機構」のそれぞれに乙4発明の「ポップアップ機構」を追加するか、若しくは、何れか一方の「ロッキング機構」を乙4発明の「ポップアップ機構」で置換することは充分にあり得ることである。よって、乙1発明に乙4発明を適用するためには乙1発明の「第1及び第2のロッキング機構」を除外する(又は大幅に変更する)必要がある、という
(原告の主張)
は失当である。したがって、当業者において乙1発明に乙4発明を適用する動機付けがある。
5 b 阻害要因について
乙1発明のコンピュータノート10における「背中合わせ」の態様は、あくまでも、4つの代表的な態様のうちの1つにすぎないものである。仮に、乙1発明に乙4発明のポップアップ機構を適用した結果、「背中合わせ」の態様が実現できなくなったとしても、乙1発明の目的である「2つのパネルの表示部」(デジタイザ)を「連携」させて「ユーザーが同時に」見ることができるようにすることは達成される。したがって、乙1発明に乙4発明のポップアップ機構を適用すると「背中合わせ」の並置ができなくなるから当該適用について阻害要因があるとの
(原告の主張)
は失当である。また、原告は、乙1発明に乙4発明を適用すると装置全体が大型化するから、当該適用については阻害要因があると主張している。しかし、この主張も、乙1発明のコンピュータノート10を「360度」回転させて「背中合わせ」にすることを前提としたものであるから、そもそもこの前提が誤っている上、乙1発明に乙4発明を組み合わせても回転軸が手持ちできなくなるほど大径となることはあり得ない。そして、前記aのとおり、乙1発明のコンピュータノート10は2つの回動軸を有するものであり、「ロッキング機構」も2つ存在する。これら2つの「ロッキング機構」のそれぞれに乙4発明の「ポップアップ機構」を追加するか、若しくは、何れか一方の「ロッキング機構」を乙4発明の「ポップアップ機構」で置換することにより、任意角度保持手段と中間左右見開きストッパとの双方を備える装置を想到することは容易である。したがって、当業者において乙1発明に乙4発明を適用することに阻害要因はない。c 以上のとおり、仮に第3次訂正発明と乙1発明との間に原告相違点
5 1’ないし4’があったとしても、これらの相違点に係る構成は、乙
1発明に乙4発明を適用することで、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたものである。(エ) 乙2文献ないし乙4文献に記載された周知技術との組合せ前記(ア)ないし(ウ)のとおり、乙2文献ないし乙4文献に開示されている電子機器は、乙1発明のコンピュータノート10と同様に「折り畳み可能な電子機器」であるから、乙2文献ないし乙4文献に開示されている電子機器と乙1発明は技術分野が明らかに共通する。また、乙1発明のコンピュータノート10は2つの回動軸を有するものであり、「ロッキング機構」も2つ存在する。これら2つの「ロッキング機構」のそれぞれに、乙2文献又は乙3文献の「チルト機構」や乙4文献の「ポップアップ機構」を追加するか、若しくは、何れか一方の「ロッキング機構」を上記の「チルト機構」や「ポップアップ機構」で置換することにより、任意角度保持手段と中間左右見開きストッパとの双方を備える単一の表示装置を構築することは容易である。したがって、仮に第3次訂正発明と乙1発明との間に原告相違点1’ないし4’があったとしても、これらの相違点に係る構成は、乙1発明に乙2文献ないし乙4文献に記載されている周知技術を適用することで、本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到することができたものである。イ 小活以上によれば、第3次各訂正発明と乙1発明との間に原告相違点1’ないし4’があるとしても、これらはいずれも本件原々々出願の出願日において当業者が容易に想到し得たものであるから、第3次各訂正発明はいずれも進歩性を有しない。
(原告の主張)
5 ア 原告相違点1’ないし4’に係る構成の容易想到性について
(ア) 乙2文献に記載された発明との組合せについて乙2文献に記載された発明は、机上に据え置いて使用するキーボード側本体に対して、ユーザーが手指で表示パネルを持ち上げて回動させるとき、所定角度範囲内において、ユーザーが任意に(ユーザーの自由意思で)表示パネルから手指を離したとき、当該手指を離した位置・角度で、表示パネルが静止・保持できるようにするチルト機構を、ダンパー手段とコイルバネ等により構成したものであるから、仮に乙1文献に記載された発明に乙2文献に記載された発明を適用しても、原告相違点3’に係る構成(中間ストッパ)に到達しない。また、乙1文献に記載された発明と乙2文献に記載された発明とは、その技術分野、課題及び作用効果が大きく異なっており、乙1文献には乙2文献に記載された発明のような摩擦力を利用したチルト機構を適用できることを示唆する記載もない。よって、当業者において乙1文献に記載された発明に乙2文献に記載された発明を適用する動機付けはなく、前者に後者を適用することによって当業者が原告相違点1’ないし4’に係る構成を容易に想到できたとはいえない。(イ) 乙3文献に記載された発明との組合せについて乙3文献に記載された発明は、机上に据え置いて使用するキーボード側本体に対して、ユーザーが手指で表示パネルを持ち上げて回動させるとき、所定角度範囲内において、ユーザーが任意に(ユーザーの自由意思で)表示パネルから手指を離したとき、当該手指を離した位置・角度で、表示パネルが静止・保持できるようにするチルト機構を、カム手段とコイルバネ等により構成したものであるから、仮に乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を適用しても、原告相違点3’に係る構成(中間ストッパ)に到達しない。
5 また、乙1文献に記載された発明と乙3文献に記載された発明とは、
その技術分野、課題及び作用効果が大きく異なっており、乙1文献には乙3文献に記載された発明のような摩擦力を利用したチルト機構を適用できることを示唆する記載もない。よって、当業者において乙1文献に記載された発明に乙3文献に記載された発明を適用する動機付けはなく、前者に後者を適用することによって当業者が原告相違点1’ないし4’に係る構成を容易に想到できたとはいえない。(ウ) 乙4文献に記載された発明との組合せについてa 副引用発明を適用しても相違点に到達できないこと乙4文献に記載された発明は、机上に据え置いて使用するキーボード側本体に対して、ユーザーが手指で表示パネルを持ち上げて回動させるとき、所定角度範囲内において、外周面に形成された複数個(例えば5個)の溝の位置で、表示パネルが静止・保持できるようにするポップアップ型チルト機構を備えたヒンジ部(蝶番手段)であるから、仮に乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を適用しても、原告相違点3’に係る構成(中間ストッパ)に到達しない。b 動機付けについて乙1文献に記載された発明と乙4文献に記載された発明とは、その技術分野、課題、及び作用効果が大きく異なっており、乙1文献中には乙4文献に記載された発明のようなポップアップ型チルト機構を備えたヒンジ部(蝶番手段)を適用できることを示唆する記載もなく、乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を適用するためには、乙1文献に記載された発明において、請求項15に記載された「第1及び第2の固定手段」を実現するための具体的構成として唯一記載された「第1及び第2のロッキング機構」という主たる構成を除外すること又はそのような主たる構成を大幅に変更することが必要
5 になってしまう。
よって、当業者において乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を適用する動機付けはなく、前者に後者を適用することによって当業者が原告相違点1’ないし4’に係る構成を容易に想到できたとはいえない。c 阻害要因について仮に乙1文献に記載された発明の「第1及び第2のロッキング機構」に乙4文献に記載された発明の「ポップアップ型チルト機構」を適用(置換等)すると、「360度の回動」及び「背中合わせの並置」ができなくなり、また、装置全体を「薄型かつ軽量」にすることができず、「片手でコンピュータを保持しもう片方の手でデータを入力する」という目的に反する結果となる。さらに、原告相違点3’については、上記「第1及び第2のロッキング機構」に対して「ポップアップ型チルト機構」を適用すると、「任意角度保持手段」に当たると被告が主張する「第1及び第2のロッキング機構」が失われることになる。このように、乙1文献に記載された発明に乙4文献に記載された発明を適用すると、前者の課題及び作用効果を損なう結果になってしまうから、前者に後者を適用することには阻害要因がある。(エ) 乙2文献ないし乙4文献に記載された周知技術との組合せについてa 周知技術の認定について乙2文献ないし乙4文献においては、机上に据え置いて使用するキーボード側本体と表示パネルとを、ユーザーが表示パネルを手指で掴んでキーボード側本体に対し回動できるように、互いに接続した机上据置型の電子機器において、ユーザーが回動途中で表示パネルから任意に(ユーザーの自由意思で)手指を離したとき、そのユーザーが表
5 示パネルから任意に(ユーザーの自由意思で)手指を離した位置・角
度で表示パネルを静止させ保持(半固定)されるようにしたヒンジ部(蝶番)が記載されているが、その具体的な構成は、互いに全く異なる内容であるから、当業者は、本件原々々出願の出願日において、乙2文献ないし乙4文献から上記の具体的構成をまとめた周知技術なるものを導き出すことはできなかった。b 乙1文献に記載された発明への周知技術の適用について乙2文献ないし乙4文献から抽出される周知技術なるものは、机上に据え置いて使用するキーボード側本体に対して、ユーザーが手指で表示パネルを持ち上げて回動させるに際し、所定角度範囲内において、ユーザーが任意に(ユーザーの自由意思で)表示パネルから手指を離したとき、当該手指を離した位置・角度で、表示パネルが静止・保持できるようにする、ダンパー手段、カム手段などによる摩擦力によるチルト機構又は外周面に複数個の溝を形成した大径回転軸を備えたポップアップ型チルト機構を有するヒンジ部に係るものであるから、仮に乙1文献に記載された発明にこのような周知技術を適用しても、原告相違点3’に係る構成(中間ストッパ)に到達しない。また、乙1文献に記載された発明と上記の周知技術とは、その技術分野、課題及び作用効果が大きく異なっており、乙1文献中には上記の周知技術に係るチルト機構を適用できることを示唆する記載もない。よって、当業者に乙1文献に記載された発明に上記の周知技術を適用する動機付けはなく、前者に後者を適用することによって当業者が原告相違点1’ないし4’に係る構成を容易に想到できたとはいえない。イ 小活以上によれば、第3次各訂正発明について、乙1文献を主引用例とする進歩性欠如の無効理由は存在しない。
5 (4) 争点4-3-3(第3次各訂正発明についての乙11文献を引用例とする
新規性欠如の解消(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
第3次各訂正発明は、本件各発明と同様に、乙11文献の記載に基づいて
新規性を欠くものであるから、第3次訂正によってこの点の無効理由は解消しない。
(原告の主張)
(被告の主張)
は争う。
(5) 争点4-3-4(第3次各訂正発明についての乙12補正書に係る補正の
補正要件違反の解消(出願日繰り下がりを前提とする無効理由))について
(被告の主張)
第3次訂正は、本件補正2による新規事項の追加を治癒するものではない
から、第3次訂正によっても、この点の無効理由は解消しない。
(原告の主張)
(被告の主張)
は争う。以上別紙6 本件明細書の図面【図1】【図2】【図8】【図9】別紙7 乙1文献の図面【図1】【図2】【図3】【図4】【図5】【図6A】【図6B】【図6C】【図6D】【図6E】別紙8 乙4文献の図面
第1図
第2図
第3図
第4図
第5図
第6図
別紙9 乙26文献の図面
第3図
第4図
第4 当裁判所の判断
1 本件明細書の記載事項等
(1) 本件明細書(甲2、3)には、以下のような記載がある(下記記載中に引用する【図1】 【図2】 【図8】及び【図9】については、別紙6本件明細、 、書の図面参照)。ア 【0001】【産業上の利用分野】
5 本発明は、複数の表示板を備えた表示装置に係り、特に携帯時には携帯に便利なコンパクト・サイズでありながら使用時には比較的大きな見やすい表示画面を提供できる、あるいは使用時に複数の表示画面を提供できる、片手支持可能な表示装置に関する。イ 【0002】【従来の技術】近年の情報化の進展に伴い、携帯用のコンパクト・サイズの電子情報機器、例えばCD-ROM再生専用装置(例えばソニー株式会社の商品名「データディスクマン」、VTR(ビデオテープレコーダー)) 、TV(テレビ)、A4版ファイル・サイズのノートブックパソコン(パーソナルコンピュータ)、電子手帳、などの携帯型電子情報機器が続々と製品化されている。【0003】これらの携帯型電子情報機器においては、その画面の出力のためのディスプレーパネルとしてLCD(液晶ディスプレー)パネルなどを使用した薄型ディスプレーが使用されている。そして、従来のノート型パソコンなどにおいては、一般に、この薄型ディスプレーとキーボードとが、周知の手段により、互いに折り曲げ自在に、且つ折り畳み自在に接続されている。そしてユーザーは、携帯時には、前記薄型ディスプレーとキーボードとを折り畳んだ状態で持ち運び、使用時には、これらのディスプレーとキーボードとを互いに上下方向に見開き状態にして使用するのが一般である。ウ 【0004】【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の携帯型電子情報機器においては、携帯の便利さを追求すればディスプレー装置などのサイズは小さいほどよいが、他方、ユーザーが使用するときの便宜を考えればディスプレー画面のサイズは見ずらくならない程度には大きくしておく必要がある、という二律背反の問題があ
5 った。そして、近年、このような二律背反の課題に着目して、携帯の便利さ(コンパクト化)と使用時のディスプレー画面の見やすさ(画面の大きさのある程度の確保)という2つの要請を同時に満たし、前記の二律背反の問題を一挙に解決することができる表示装置として、2つの表示板を接続し、不使用時には2つの表示板を収納又は携帯しやすいように折り畳み状態とし、使用時には2つの表示板を見開き状態とするような「折り畳み・見開き型の表示装置」が提案されている(例えば、特開平3-103889号公報)。【0005】しかしながら、このような従来から提案されている「折り畳み・見開き型の表示装置」においては、単に、不使用時には2つの表示板を収納又は携帯しやすいように折り畳み状態とし、使用時には2つの表示板を見開き状態とすることを提案するだけであり、「ユーザーが、外出先(戸外)などで、例えば立ったままで、その一方の片手だけを使って表示装置全体を容易且つ安定的に支持しながら、その他方の片手は、表示装置を支持すること以外の他の様々な動作を行うために(例えば電車の吊り革を掴むために)使用することができるようにできないか。」という問題意識(ニーズ)は、全く窺うことができない(前記公報などの先行技術文献には、このような問題意識については、何らの記載も示唆も無い)。【0006】携帯情報端末(PDA)や携帯電話などの移動体通信機器に使用するための表示装置を考えるときは、ユーザーが、外出先(戸外)などで、例えば立ったままで、その両手の一方の片手だけで容易且つ安定的に表示装置を支持しながら使用できること、そして、表示装置を支持していない他方の片手は、例えば、ユーザーが、電子ペンで表示画面に文字を手書き入力したり、タッチパネル式の表示画面を指先でタッチして操作したり、テン
5 キーを押して数字や文字を入力したり、トラックボール・マウス・パッド・ジョイスティクなどのポインティングデバイスを操作したり、他の操作キーやジョグ・ダイヤルなどを操作したり、通勤電車の吊り革を掴んだり、隣の人と握手したり、などのような様々な動作を行うために使用できるようにすることが、極めて重要なはずである。【0007】本発明は、このような従来技術に関する問題意識から構想されたものであって、「ユーザーが、例えば外出先(戸外)などで、例えば立ったままでも、その一方の片手だけを使って表示装置全体を極めて容易且つ安定的に支持することができる、片手支持可能な表示装置」を提供することを課題(目的)とするものである。さらに、本発明は、「ユーザーが、例えば外出先(戸外)などで、例えば立ったままでも、その一方の片手だけを使って表示装置全体を極めて容易且つ安定的に支持しながら、その他方の片手は、(例えば文字入力動作や電車の吊り革を掴む動作などのような)表示装置を支持すること以外の他の様々な動作を行うために使うことができる、片手支持可能な表示装置」を提供することを課題(目的)とするものである。【0008】このような本発明の課題は、従来の先行技術文献の中には全く記載も示唆も無く、従来技術からは容易に予想・認識することができない「新規な課題」である。エ 【0010】【課題を解決するための手段】(用語説明)本明細書において、「固定」には、(a)摩擦力やチルト機構などにより「半固定」する場合(ここで、「半固定」とは、「固定」の一形態であって、ユーザーがある程度強めの所定量以上の力を加えることにより状態を変更させる(すなわち、固定状態を解除して、前記各表示板(各
5 表示パネル)間の角度を変更させる)ことができるような状態、を言う)や、(b)ストッパ(例えば、2つの表示板を接続する蝶番の回動を所定の角度でストップさせるもの)などを使用して「一時的に固定」する場合、なども含まれる。【0011】なお、上記の「固定手段」の一例としての「チルト機構」とは、2つの部材を接続するヒンジ部(蝶番)に装着・固定した軸とその軸に装着したコイルスプリングとにより前記2つの部材を任意の回転角度で保持できるようにした機構である。このような「チルト機構」は、従来より、例えばキーボードと薄型ディスプレイとを接続するノート型(ブック型)電子機器のヒンジ部(蝶番)などに設けられている周知の技術であって、例えば、実願平1-54228号(実開平2-145423号公報)のマイクロフィルム(この中の明細書の第4ページの第7-14行及び第4図参照)には、キーボードが備えられた本体側の固定金具と薄型ディスプレイが備えられた蓋体側の固定金具との間に装着された軸にコイルスプリングを装着すること等により、前記蓋体を前記本体に対して任意の回転角度で保持できるようにしたチルト機構が開示されている。【0012】(本発明の内容)1-(1)-1.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定
5 手段と、ユーザーから見て左右方向に見開きにされたときの前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、ストッパにより固定するための中間左右見開き固定手段であって、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、をストップする機能と、前記「2つの表示板」の、「前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「ユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態」から狭められて行く動作、をストップする機能と、を有する中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。1-(1)-2.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段であって、記「2つの表示板」の、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「前記各表示板が互いに折り畳まれた状態」から広げられて行く動作、
5 をストップする機能を有する中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。1-(1)-3.略長方形の画面をそれぞれ表示できる「2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「前記各表示板がユーザーから見て左右方向に見開きにされているときの前記各表示板のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が約180度となるように、固定するための完全左右見開き固定手段と、前記「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約120度から約170度までの範囲内のいずれかの角度」となるように、固定するための中間左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。1-(2).画面をそれぞれ表示できる「少なくとも2つの表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つの表示板」を、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にも、それらが互いに折り畳まれた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105
5 度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。2-(1).画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の(複数の)表示板(2つ以上の表示パネル)」を含んでおり、ユーザーがその片手の上に載せてその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記の「2つ以上の(複数の)表示板」の中の「2つの表示板」を、それらが互いに折り畳まれた状態にも、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つ以上の(複数の)表示板」の中の「2つの表示板」がユーザーから見て左右方向に見開きにされたとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、固定するための左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。2-(2).画面をそれぞれ表示できる「2つ以上の表示板」を含んでおり、ユーザーがその片手だけでも支持することができるような片手支持可能な表示装置であって、前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である
5 「2つの表示板」を、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にも、それらが互いに折り畳まれた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段と、前記「2つ以上の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。3-(1).次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、それらがユーザーから見て左右方向に見開きにされた状態にも、それらが互いに折り畳まれた状態にもできるように、接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」が
5 ユーザーから見て左右方向に見開きにされているとき、前記「2つの表示板」を、「前記『2つの表示板』のそれぞれ画面が表示される側の間の角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、固定するための左右見開き固定手段、を備えている。3-(2).次の(a)~(d)の内容を含むことを特徴とする片手支持可能な表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する「複数の表示板」が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、折り畳み可能で且つユーザーから見て左右方向に見開き可能に接続するための左右見開き接続手段を備えている、(d)前記「複数の表示板」の全部又は一部である「2つの表示板」を、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記『2つの表示板』の間の見開き角度」が「それらが互いに折り畳まれた状態とユーザーから見て左右方向に約180度の角度で見開きにされた状態との間の角度であって、約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内の
5 いずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。3-(3).次の(a)~(d)のような内容を含むことを特徴とする表示装置。(a)画面をそれぞれ出力する複数個の表示板が、それぞれが表示する各画面がユーザーに対向することができるように、接続されている、(b)表示装置の使用時の全体の大きさは、それをユーザーがその片手のみでも支持することができるような小型のサイズに構成されている、(c)表示装置は、ユーザーから見て縦方向の線を境にして、その右側部分と左側部分とが、折り曲げ・折り畳み可能で且つユーザーから見て左右に見開き可能となっている、(d)表示装置は、その使用時に、ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分とを、「ユーザーから見て縦方向の線を境とした、前記右側部分と左側部分との間の見開き角度」が「約105度から約170度までの範囲内のいずれかの角度(あるいは、約105度から約165度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約160度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約155度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約150度までの範囲内のいずれかの角度、約105度から約145度までの範囲内のいずれかの角度、又は約105度から約140度までの範囲内のいずれかの角度)」となるように、摩擦力やストッパやチルト機構やその他の手段により固定するための左右見開き固定手段、を備えている。4-(1).本願発明(上記1、2又は3などに記載の発明)において、前記左右見開き固定手段が固定する「2つの表示板のそれぞれ画面が表示
5 される側の間の角度」又は「ユーザーから見て縦方向の線の右側部分と左側部分との間の角度」は、表示装置の全体をユーザーがその片手で支持し易いような角度又はユーザーがその片手の上に載置し易いような角度であることが望ましい。4-(2).上記3の発明は、「次の(e)(f)(g)のいずれか1つ、いずれか2つ、又は、全て」を含むことが望ましい。(e)表示装置の使用時の表示画面は、ユーザーから見て縦方向の線から右側部分の画面の形状(又は、画面の面積及び形状)と、同左側部分の画面の形状(又は、画面の面積及び形状)とが、ユーザーから見たときにほぼ左右均等で且つほぼ左右対称となるように、構成されている。(f)表示装置の使用時の全体の形状は、ユーザーから見て縦方向の線の右側部分の平面の面積と同左側部分の平面の面積とが、ハードウェアとしてほぼ左右均等となるように、構成されている。(g)表示装置を構成する表示板は偶数個であり、表示装置の使用時の全体の形状は、ユーザーから見て縦方向の線の右側部分の厚さ(又は、厚さ及び平面の面積)と同左側部分の厚さ(又は、厚さ及び平面の面積)とが、ハードウェアとしてほぼ左右均等となるように、構成されている。4-(3).上記1、2又は3の発明の表示装置であって、「偶数個の表示板」から構成されており、この「偶数個の表示板」の全部である偶数個の表示板又はその一部である偶数個の表示板が左右見開き状態で使用される場合における表示装置の全体は、その全体のほぼ中央部の「ユーザーから見て縦方向の線」を境として、ユーザーから見たときの前記線の右側部分の平面の面積及び厚さ寸法と、同左側部分の平面の面積及び厚さ寸法とが、ハードウェアとしてほぼ左右均等となるように構成されている、ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。5.上記1、2、3又は4において、前記左右見開き固定手段は、前記
5 の「2つの表示板」の接続部分に、「ユーザーがその片手の親指を安定的に置くことを可能にするための、断面略V字状の凹状(谷状)部分」を形成する作用を有している、ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。6.上記1、2、3又は4において、前記左右見開き固定手段は、前記の「2つの表示板」の接続部分に、「ユーザーが、前記表示装置を、その片手の親指以外の指又は掌の上に安定的に載置することを可能にするための、断面略V字状の凸状(山状)部分」を形成する作用を有している、ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。7.上記1から6までのいずれかにおいて、前記左右見開き固定手段は、前記左右見開き接続手段と一体的に構成されている(ハードウェア的に一体化されている)、ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。なお、本発明において、「左右見開き固定手段が、左右見開き接続手段と一体的に構成されている(ハードウェア的に一体化されている)」ような場合とは、例えば、(1)前記左右見開き接続手段を構成する「ヒンジ部(蝶番)」の各部材に摩擦係数の高い素材を使用することにより、ヒンジ部(蝶番。接続部分)の摩擦係数を高めて、2つの表示板の間の角度が一時的に固定できるようにする場合(蝶番の接続面の摩擦係数を高くして、2つの表示板の間が所定の折り曲げ角度で一時的に固定できるようにしたもの、など) (2)前記左右見開き固定手段を構成するストッパ部分と前記左右、見開き接続手段とをプラスチック素材や金属素材などで一体成形する場合、などである。8.上記1から6までのいずれかにおいて、前記左右見開き固定手段は、前記左右見開き接続手段又は前記表示板と容易に分離できないように構成されている、ことを特徴とする片手支持可能な表示装置。なお、本発明において、「左右見開き固定手段が、左右見開き接続手段又は表示板と容易に分離できないように構成されている」ような場合とは、
5 例えば、(1)前記左右見開き固定手段と前記左右見開き接続手段(又は前記表示板)とが、プラスチック素材や金属素材などで一体成型されてハードウェア的に一体化されている場合(この場合は当然に「容易に分離できない」状態である) (2)接着剤や溶接や係止用フックなどの手段を使用、して、前記左右見開き固定手段を構成するストッパ部分を、前記左右見開き接続手段(又は前記表示板)に対して、容易に分離できないように固定している場合、(3)前記チルト機構(軸及びコイルスプリングなど)を2つの表示板の接続部分(ヒンジ部)に内蔵させた場合、などである。9.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記表示板に、「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を表示するためのデータ入力用画面表示手段、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。10.上記1から8のいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可能な表示装置から離れた場所に在る外部の情報記録装置に記録されている外部情報を無線を介して受信するための外部情報無線受信手段と、前記外部情報無線受信手段が受信した外部情報を前記表示板に表示させるための外部情報表示手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。11.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、テレビ放送局から電波又は有線により送信されるテレビ番組情報を無線を介して受信するためのテレビ番組情報無線受信手段と、前記テレビ番組情報無線受信手段により受信されたテレビ番組情報を前記表示板に表示させるためのテレビ番組情報表示手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。12.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可能な表示装置から離れた場所に在る外部の情報記録装置に記録されている外部情報を無線を介して受信するための外部情報無線受信手段と、前記外
5 部情報無線受信手段が受信した外部情報を前記表示板に表示させるための外部情報表示手段と、テレビ放送局から電波又は有線により送信されるテレビ番組情報を無線を介して受信するためのテレビ番組情報無線受信手段と、前記テレビ番組情報無線受信手段により受信されたテレビ番組情報を前記表示板に表示させるためのテレビ番組情報表示手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。この場合、ユーザーは、前記表示装置に、受信した「テレビ番組」と前記無線受信手段からの「外部情報」を表示させることができる。13.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可能な表示装置から離れた場所に在る外部の情報記録装置に記録されている外部情報を無線を介して受信するための外部情報無線受信手段と、前記外部情報無線受信手段が受信した外部情報を前記表示板に表示させるための外部情報表示手段と、前記表示板に、「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を表示するためのデータ入力用画面表示手段と、を備えていることを特徴とする片手支持可能な表示装置。この場合、ユーザーは、前記表示装置に、「離れた場所にある情報記録装置からの情報(外部情報)」と「データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を表示させることができる。14.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、テレビ放送局から電波又は有線により送信されるテレビ番組情報を無線を介して受信するためのテレビ番組情報無線受信手段と、前記テレビ番組情報無線受信手段により受信されたテレビ番組情報を前記表示板に表示させるためのテレビ番組情報表示手段と、前記表示板に、「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を表示するためのデータ入力用画面表示手段と、
5 を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。この場合、ユーザーは、前記表示装置に、受信した「テレビ番組」と、様々な情報を入力するための「データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を、表示することができる。15.上記1から8までのいずれかにおいて、さらに、前記片手支持可能な表示装置から離れた場所に在る外部の情報記録装置に記録されている外部情報を無線を介して受信するための外部情報無線受信手段と、前記外部情報無線受信手段が受信した外部情報を前記表示板に表示させるための外部情報表示手段と、テレビ放送局から電波又は有線により送信されるテレビ番組情報を無線を介して受信するためのテレビ番組情報無線受信手段と、前記テレビ番組情報無線受信手段により受信されたテレビ番組情報を前記表示板に表示させるためのテレビ番組情報表示手段と、前記表示板に、「ユーザーによるデータ入力のために使用される、データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を表示するためのデータ入力用画面表示手段と、を備えたことを特徴とする片手支持可能な表示装置。この場合、ユーザーは、前記表示装置に、「テレビ番組」と「外部情報」と「データ入力用画面」すなわち「データ入力装置(の一部)としても使用され得る画面」を、表示させることができる。オ 【0013】【発明の実施の形態】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例に係る、CD-ROM再生専用装置を示す概略正面図である。なおこの図1には、本発明に強く関連する部分のみを示してあり、従来公知の部分、例えば電源を入れるためのキーや再生・停止・早送り・巻戻し・検索等を指示するためのキー、検索のためのキーワードを入力するためのキーなどは、図示を省略している。
5 【0014】図1において、符号1は枠体(筐体)である。この枠体1の中には、CD-ROM駆動装置3、このCD-ROM駆動装置3からの信号を処理する信号処理装置4、前記信号処理装置4からの信号を受けてLCD(液晶ディスプレイ)画面を表示するためのLCD駆動装置6、電源などが収納されている。またこの枠体1は、前記LCD駆動装置6によりLCD画面が出力されるLCDパネル(表示板)5(本明細書では、符号5を、LCDパネルとLCD画面との両者を示すために用いている)を備えている。なお図1では、図示の便宜上CD-ROM駆動装置3は枠体1の外側に記載されているが、実際には枠体1の中の例えばLCD画面5を出力するLCDパネル5の裏側に収納されている。【0015】また符号2も枠体(筐体)で、この枠体2には、LCD画面7を表示するためのLCD駆動装置8などが収納され、またこのLCD駆動装置8によりLCD画面が出力されるLCDパネル(表示板)7(本明細書では、この符号7を、LCDパネルとLCD画面との両者を示すために用いている)が備えられている。【0016】また本実施例では、前記の枠体1と枠体2とは、図示のように、その端部同士が、3つの比較的小さい蝶番9と1つの比較的大きい蝶番10とにより、折り曲げ自在に接続(連結)されている。これにより、枠体1と枠体2とは、本実施例の平面図である図2に示すように、図2の(a)に示す約180度に見開かれた「左右完全見開き状態」から、図2(b)のような「左右半見開き状態」(図2(a)のように約180度に見開きにされた状態と、図2(c)のように各枠体1、2がそれぞれ画面が表示される側が互いに向き合うように折り畳まれた状態との間の状態)を経て、さら
5 に図2(c)の「折り畳み状態」へと、自在に折り曲げることができるようになっている。また本実施例では、上記と逆に、図2(c)の状態から図2(b)の状態を経て図2(a)の状態にすることもできる。【0017】また本実施例では、枠体1と枠体2との間は、蝶番9及び10を構成する部材間の摩擦力により、任意の角度で一時的に固定(半固定)でき、その一時的に固定(半固定)した状態(例えば図2の(b)に示す状態で固定(半固定)した状態)で使用できるようになっている。またこのような「任意の角度での固定(半固定)」が前述のように単に摩擦力によるものであるときは、ユーザーは、所定量以上の力を加えることにより自由にその「固定(半固定)の角度」を変化させることができるようになっている。なお本実施例での前記蝶番9及び10については、従来周知のもの(例えばノート型パソコンのキーボードとディスプレイとを折り畳み・折り曲げ自在に接続する蝶番であって、摩擦力などにより、前記のキーボードとディスプレイとが「両者間の角度が少し折れ曲がっている状態」となるように保持できるようになっている蝶番など)を使用できる。【0018】また本実施例においては、蝶番9及び10の構造を従来周知の方法で工夫すること(例えば、ストッパを設けること等)により、2つの枠体1と枠体2の間が、例えば約105度から約170度まで(又は、約110度から約170度まで)の間の5段階の角度のいずれかの角度で、ストッパがかかって固定できるように構成するようにしてもよい。【0019】また本実施例では、図1に示すように、LCD画面5と枠体1の図示右側の端部との間隔、及びLCD画面7と枠体2の図示左側の端部との間隔は、極めて小さいものとなっている。そして、枠体1と枠体2を接続する
5 蝶番のうち、2つのLCD5及び7に対向する端部の間を接続する3つの蝶番9は、比較的小さいものを使用している。したがって、本実施例においては、LCD画面5とLCD画面7との間の間隔は、「極めて小さいもの」となっている。そのため、ユーザーにとっては、LCD画面5とLCD画面7との間の間隔は「ほとんど無視できるもの」となっており、ユーザーにとっては、この「2つのLCD画面5及び7が合わさった、あたかも一つの大きな画面」として見ることができるようになっている。【0020】なお前記枠体2内のLCD駆動装置8と枠体1内の信号処理装置4とは、比較的大きい蝶番(ジョイント)10の中を通る信号線により接続されている(なお、このような、蝶番の中を通る信号線を介してLCD駆動装置と信号処理装置とを接続するという構成は、市販のノート型パソコン等において既に周知である)。そのため、1枚のCD-ROMを再生するとき、この再生信号は、信号処理装置4から2つのLCD駆動装置6及び8の双方に送られるので、2つのLCD画面5及び7は、互いに協働して1つの画面を表示できるようになっている。つまり、例えば、ユーザーがある百科事典を記録したCD-ROMを使用して「鯛」という魚を調べようとするとき、この鯛を検索して、鯛の写真をLCD画面5及び7に表示させるときは、一つの鯛の写真の映像がLCD画面5及び7の両方にまたがって大きく表示されることになる。【0021】また本実施例のLCD画面5及び7によって表示できる情報は、前述の鯛の写真のような映像だけでなく、文字などのデータでもよい。例えば、本などの書籍のそれぞれの1ページ分の文字データを一つの情報ブロックとしてCD-ROMに記憶させておき、ある1ページ分の文字データの情報ブロックをLCD画面5に表示するとともに、その次のページの1ペー
5 ジ分の文字データの情報ブロックをLCD画面7に表示するようにしてもよい。こうすれば、ユーザーは、このCD-ROM再生装置をあたかも本を見開き状態にして本を読んでいるのと同じ感覚で使用できる。【0022】以上のように、本実施例においては、2つのLCD画面5及び7を、一つの信号処理装置4からの信号が入力されるLCD駆動装置6及び8によりそれぞれ駆動されるようにして、この2つのLCD画面5及び7が協働して「合わせて一つの大きな画面」を形成できるようにすると共に、2つのLCD画面5及び7をそれぞれ含む枠体1及び2を、互いに折り曲げ・折り畳み自在に接続するようにしている。【0023】したがって、ユーザーは、このCD-ROM再生装置を使用するときは、図1及び図2(a)に示すように、2つの枠体1及び2を見開きの状態にして、LCD画面5及び7の2つの画面を合わせた大きな面積の画面に、情報を表示させることができる。【0024】またユーザーは、例えば通勤電車の中などにおいて、立ったまま、片手でこのCD-ROM再生装置を使用しようとするときは、図2の(b)に示すように、2つの枠体1及び2の間の角度を例えば約150度程度に折り曲げた状態(「半折り曲げ状態=半見開き状態」)でLCD画面5、7を見るようにすることもできる。また混雑した通勤電車内では、この2つの枠体1及び2の間の角度をさらに例えば約120度程度に折り曲げた状態(「半折り曲げ状態=半見開き状態」)に保持して使用することもできる。【0025】さらにユーザーは、このCD-ROM再生装置を戸外の移動時に携帯しようとするときは、図2の(c)に示すように、2つの枠体1及び2を折
5 り畳み状態にすることにより、全体として、使用時の正面の面積の約半分であるコンパクトなサイズにして持ち運ぶことができる。【0026】また、この実施例においては、前記第1の枠体1と第2の枠体2を見開き状態にしたとき、これらの2つの枠体を、その両者の枠体1、2の各LCDパネル5、7の間の角度が「約180度の角度」で固定できるだけでなく、その両者の枠体1、2の各LCDパネル5、7の間の角度が「約105度から約170度まで(又は、約110度から約170度まで)の間の所定の角度(任意の角度)」で固定できる(例えば摩擦力やストッパやチルト機構により)ようにしている。よって、ユーザーは、本実施例による表示装置を、例えば、会社のデスクの上では約180度の角度に見開いた「完全見開き状態」で使用し、混雑している通勤電車の中では(他人に本実施例の装置が当たって迷惑がかかることのないように)例えば約105度~約120度の角度に見開いた「半見開き状態」で使用する等、周囲の状況に応じた使用ができるようになる。【0027】また、さらに、ユーザーは、例えば、通勤電車の中で立ったまま、本実施例の表示装置を使用する場合、両手のうち一方の手で電車の吊り革を掴みながら他方の手のみで表示装置を支持するときは、本実施例の表示装置を片手のみでも支えやすいように例えば約150度の角度に見開いた「半見開き状態=半折り曲げ状態」で使用し、また電車の中が混雑してきたら(他人に本実施例の表示装置が当たって迷惑がかかることのないように)例えば約105度~120度の角度に見開いた「半見開き状態=半折り曲げ状態」で使用する等、周囲の状況に即応したきめ細かい使用が可能になる。【0041】
5 また本発明の表示装置は、単にCD-ROM等の記録媒体からの情報を表示するために使用するだけでなく、「ユーザーが情報を入力するときに使用する、情報入力用画面」を表示することができるディスプレー、例えば、「ユーザーが電子ペン等を使用して手書き文字などの情報を入力するための、電子ペン等を操作するための操作画面」を表示することができるディスプレー、タッチパネル機能を備えたディスプレー(タッチパネルを兼ねるディスプレー)であってユーザーが指先でデータを入力できるようにしたディスプレー、などでもよい。以上のように、本発明の表示装置は、「入力装置(入力装置の一部)としても使用できるディスプレー」をも含むものである。カ 【0044】【発明の効果】1.本発明の基本的効果.本発明では、「少なくとも2つの表示板(2つの表示パネル)を約105度から約170度までの間のいずれかの角度で固定するための左右見開き固定手段」を備えている。したがって、本発明では、ユーザーが、表示装置全体をその一方の片手のみで支持しようとするとき、前記左右見開き固定手段により形成される「断面略V字状の凹状部分(裏側から見ると、凸状部分)」又はその近傍の部分を、前記片手による支持の「取っ掛かり」とすることができる。よって、本発明によれば、ユーザーは、外出先(戸外)などで、例えば立ったままでも、2つの表示板を含む表示装置全体を、その一方の片手のみで容易且つ安定的に支持することができるようになる。【0045】すなわち、本発明では、前記の「ユーザーが、その片手の上に載せて、その片手だけで支持しながら使用できる(あるいは、小型の表示装置である)」という構成と、前記の「左右見開き固定手段」という構成とにより、
5 「少なくとも2つ以上の表示板を見開き状態で使用するとき、ユーザーが、その片手の親指を、前記各表示板の左右見開き接続部分の表面側(ユーザー側)の断面略V字状の凹状部分(すなわち、約105度から約170度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている谷状部分)に当てることにより、又は/及び、その片手の親指以外の指又は掌を、前記各表示板の見開き接続部分の裏面側(ユーザーに対向していない側)の山状の部分に当てることにより、ユーザーは、前記の表示板の全体を、ユーザーの片手だけで極めて容易且つ安定的に支持しながら使用することができる」という効果が得られる。【0046】また、本発明において、2つの表示板を含む表示装置がユーザーから見て左右見開き状態にされているときの、ユーザーから見て縦方向の線から左側の部分と右側の部分とのそれぞれの表示画面の形状をほぼ左右均等・左右対称に構成するようにしたとき(又は、ユーザーから見て縦方向の線から左側の部分と右側の部分とのそれぞれの平面の面積をほぼ左右均等に構成するようにしたとき)は、ユーザーは、前記左側部分の画面(又はその平面)と右側部分の画面(又はその平面)との全体を、その両眼からほぼ左右均等に見渡すことができるので、前記の2つの表示板による左右見開きの画面の全体が、ユーザーにとって大変に見やすいものとなる。【0047】さらに、本発明の「偶数個の表示板を備えた表示装置」において、前記の各表示板が左右見開き状態にされたときの、ユーザーから見て縦方向の線から見て左側の部分と右側の部分とのそれぞれの平面の面積と厚さ寸法をハードウェアとしてほぼ左右均等に構成するようにしたときは、ユーザーがその片手の親指を前記各表示板の接続部分の表面側(ユーザーに対向している側)すなわち断面略V字状の凹状部分(約105度から約170
5 度までの間のいずれかの角度に折り曲げられている谷状部分)に当てた場合、又は/及び、その片手の親指以外の指又は掌を前記各表示板の接続部分の裏面側(ユーザーに対向していない側)の山状部分及びその周辺部分に当てるようにした場合、表示装置全体が、「前記線近傍の谷状部分又は/及び山状部分」を支点として(前記線の位置を支点として)、左右の均衡(バランス)が取れた状態(「ヤジロベエ」のような状態)となるので、片手だけでも極めて容易且つ安定的に各表示板を支持できるようになる。【0048】2.上記の本発明の効果を図8を参照して説明すると、次の(1)~(4)のとおりである。【0049】(1)図8(a)の場合の作用図8(a)は、「互いに厚さ寸法が同一ではない2つの表示板(2つの表示パネル)91、92を、約180度の角度での完全見開きの状態に固定して成る表示装置を、ユーザーが片手で支持している場合」(本発明の範囲外)を示している。【0050】この場合は、ユーザーは、片手の親指93を前記2つの表示板91、92の表示画面側(ユーザーに対向する側)の何処かの場所に当てることになるが、その表示画面側は全体として約180度の水平面となっており、「親指を当てるときの、『取っ掛かり』となってくれるような部分(例えば、本発明における前記「断面略V字状の凹状部分」のような谷の部分)」が存在しないため、前記親指93の存在にも拘わらず前記各表示板91、92は「図示左右方向に、ぶれやすく、移動しやすい」状態となり、前記親指93により各表示板91、92を容易且つ安定的に支持することはできない。
5 【0051】また、前記の片手の親指以外の指又は掌は、前記各表示板91、92の裏面側(ユーザーに対向しない側)に当てられるが、前記各表示板91、92の裏面側も全体として約180度の角度の略水平面となっており、「その親指以外の指又は掌を当てたときの、『取っ掛かり』になってくれる部分」が存在しないので、前記各表示板91、92は「図示左右方向に、ぶれやすく、移動しやすい」状態となり、前記親指以外の指又は掌により各表示板91、92を強く安定的に支持することはできない。【0052】以上より、この図8(a)の場合は、ユーザーが表示装置全体を片手だけで支持するときは、極めて不安定な支持しかできない。【0053】
(2)図8(b)の場合の作用次に、図8(b)は、「互いに厚さ寸法が異なる2つの表示板(2つの表示パネル)91、92を、ユーザーが自分の手で約130度くらいの角度で見開き状態にした(但し、前記2つの表示板を『前記約130度の左右見開き状態で固定(半固定を含む)すること』は、為されていない)まま、ユーザーが片手で支持している場合」(本発明の範囲外)を示している。【0054】この場合は、ユーザーは、片手の親指93を前記2つの表示板91及び92の接続部分の表示画面側(ユーザーに対向している側)に当てることになるので、この「断面略V字状の凹状の谷状部分(図8(b)の矢印Aで示す部分)」が「親指93を当てるときの、『取っ掛かり』のような部分」に一応はなってくれる。そのため、この「取っ掛かり」に当てられる親指93の存在により、前記各表示板91、92は、「図示左右方向に、ぶれること、移動すること」が少しは防止されるようになる。
5 【0055】また、前記各表示板91、92の裏面側(ユーザーに対向していない側)は、前記各表示板91及び92が約130度の角度に突出する山状になっており、この「山状部分」が「前記親指以外の指又は掌を当てるに際しての『取っ掛かり』のような部分」に一応はなってくれるので、前記各表示板91、92が「図示左右方向に、ぶれること、移動すること」が、少しは防止されるようになっている。【0056】しかし、この図8(b)の場合は、前記の各表示板91と92との間の約130度くらいの角度での見開き状態が「固定(半固定を含む)」されてはいない(ユーザーが自分の手の力だけで約130度くらいの角度になるように支持しているだけである)。したがって、この図8(b)の場合は、各表示板91と92との間の角度は、図の矢印Bで示すように、 (約13「0度の角度のままで一定ということではなく)常にブラブラ・グラグラと不安定に変動してしまう状態」にある。よって、この図8(b)の場合は、各表示板91、92は、ユーザーが片手で支持している間、ずっと、図の矢印Bのように互いの接続部分の角度がブラブラと不安定に変動してしまう(前記の「各表示板91と92との間の角度(約130度)」が固定されておらず、一定していない)ので、ユーザーは、到底、片手のみで各表示板91、92を容易且つ安定的に支持することはできない。【0057】よって、ユーザーが各表示板91、92に表示された情報を見ようとしても、各表示板91、92が図の矢印Bのように常にブラブラ・グラグラと動いてしまうので、大変に見難く読み難くなってしまう(目も疲れてしまう)。また、本来的にブラブラと前記角度が変動してしまう2つの表示板91、92をユーザーが自分の手で約130度の角度に保持し続けなくて
5 はならないので、ユーザーは手に不自然な力を入れ続ける必要があり、疲れてしまう。また、電子ペン94(図8(b)参照)を使用して文字を手書き入力するなどのペン入力操作や指先入力操作(タッチパネル方式での入力操作)をしようとする場合でも、入力操作時に発生するペン先又は指先からの押圧力により表示板92の位置が図の矢印Bのようにブラブラと大きく変動してしまい、大変に不安定であるため、手書き入力などのペン入力操作やタッチパネル式画面への指先の押圧操作などの「入力操作」が極めて難しくなってしまう。【0058】
(3)図8(c)の場合の作用次に、図8(c)は、本願発明の一実施形態で、「互いに厚さ寸法の異なる2つの表示板(2つの表示パネル)91、92が、約180度の完全見開き状態と折り畳み状態との間の、例えば約130度の角度で固定されている場合」である。【0059】この場合は、ユーザーは、片手の親指93を、前記2つの表示板91及び92の接続部分の表示画面側(ユーザーに対向している側)の「(2つの表示板91、92の接続部分の)断面略V字状の凹状に固定された谷状部分」 (図8(c)の矢印A参照)に当てることになるので、この「断面略(V字状の凹状に固定された谷状部分」が「親指93を当てるときの、『取っ掛かり』のような部分」となってくれる。そのため、この「取っ掛かりのような部分(谷状部分)」に当てられた親指93の存在により、前記各表示板91、92は、「図示左右方向に、ぶれること、移動すること」がほぼ完全に防止される。【0060】また、この場合は、ユーザーの前記片手の親指以外の指又は掌は、前記
5 各表示板91、92の裏面側(ユーザーに対向していない側)に当てられるが、この裏面側は、前記各表示板91及び92が約130度の角度で固定されているため、「断面略V字状に突出・固定された山状部分」となっている(2つの表示板の接続部分のユーザーに対向する側が断面略V字状の凹状の谷状部分となっている場合は、その反対側(裏側)は、当然に、断面が略V字状の突状の山状部分となる)。そこで、この場合は、この裏面側の「断面が略V字状の突状に固定された山状部分」が、「前記の片手の親指以外の指又は掌を当てるときの『取っ掛かり』のような部分」となってくれる。そのため、前記の親指93の存在によるだけでなく、この「取っ掛かりのような部分(山状部分)」に当てられた親指以外の指又は掌の存在によっても、前記各表示板91、92が「図示左右方向に、ぶれること、移動すること」が、ほぼ完全に防止される。【0061】そして、この場合は、各表示板91、92が約130度の角度で見開き「固定(半固定を含む)」されているため、各表示板91、92の裏面側(ユーザーに対向しない側)の全体形状が、ユーザーの片手の「掌(手のひら)」の自然な形にフィットしやすい状態となる(なぜなら、人間の手をリラックスさせたときの自然な形とは、ちょうど「卵をつかむ」ときのような形であるが、このときの「掌(手のひら)」の形は、ちょうど「断面が略V字状の凹状」となるから)。【0062】そして、前記谷状部分を「取っ掛かり」として表面側(ユーザーに対向している側)に掛けられたユーザーの親指94と、その裏側の前記山状部分を「取っ掛かり」として裏面側(ユーザーに対向していない側)に掛けられたユーザーの親指以外の指又は掌とが、前記2つの表示板91、92を、その表面側と裏面側とからそれぞれ強固に安定的に支持するようにな
5 るので、表示装置をユーザーの片手の上に載せれば、ユーザーの片手のみでも、表示装置が全体として極めて容易且つ安定的に支持されるようになる。【0063】特に、電子ペン94による文字の手書き入力や指先による入力(タッチパネル方式)などの入力操作をするときでも、前記のように、2つの表示板91と92の間の角度が固定(半固定を含む)されているので、ペン先や指先から所定の押圧力を表示板92に与えても、表示板92が「ブラブラ・グラグラとぐらつく」ことはなく、入力ペンによる手書き入力などの入力操作やタッチパネル式画面への指先の操作などの「入力操作」が大変に安定的に且つ容易にできるようになる。【0064】
(4)図8(d)の場合の作用次に、図8(d)は、本願発明の一実施形態を示すもので、「互いに平面の面積と厚さ寸法がほぼ同一の2つの表示板(2つの表示パネル)91、92が、約130度の角度で見開かれた状態で固定されている場合」である。【0065】この場合も、図8(c)で前述したのと同様に、ユーザーは、片手のみでも極めて容易且つ安定的に表示装置を支持することができる。さらに、特に、この例では、前記各表示板91と92は、それらの各平面の面積と各厚さ寸法とが互いにハードウェアとしてほぼ左右均等となっているので、図8(d)に示すように、ユーザーが片手の親指を前記表面側の「断面略V字状の凹状部分=谷状部分=デルタ状部分(図の矢印Aで指示する部分)」に当てて、親指以外の指又は掌を各表示板91、92の裏面側の「断面略V字状に突出した山状部分」に当てたとき、表示装置全体が、前記の谷状部分と山状部分とを支点として、その左右の均衡(バランス)が保たれた
5 「ヤジロベエ」のような状態になり、その結果、片手だけでも極めて「左右に安定した状態」で支持できるようになる。【0066】すなわち、この図8(d)の場合は、前記「断面略V字状の凹状部分=谷状部分(図の矢印Aで指示する部分)」を通る線(ユーザーから見て縦方向の線)を境として、表示装置の右側部分と左側部分とが、ハードウェアとしてその平面や厚さ寸法がほぼ左右均等にバランスするように構成されているので、ユーザーが片手のみでも大変に左右にバランス良く支持できるようになる。【0067】3.次に、本発明の効果について、さらに、図9を参照して説明する。図9(a)に示すように、従来より、「キーボード104と、表示画面105aを表示するための表示パネル105とを、互いに折り畳み・見開き自在に接続したノート型パソコン」が販売されている。図9(a)は、この従来のノート型パソコンを元に、それをユーザーの片手の「掌(手のひら)」だけで支持できるように小型化したものを、本発明との比較のために特別に仮想的に用意して、それをユーザーが一方の片手だけで支持したときの動作を仮想的に示したものである。【0068】この場合は、ユーザーの親指101と小指102と掌103とにより、キーボード104の左右両側面と下面とを、それぞれ左右両側から及び下方向から支持することになる。そして、ユーザーは、他方の片手で、キーボード104を操作することができる。【0069】しかし、このような小型のノート型パソコンは、キーボード104と表示板105とが「ユーザーから見て左右方向(横方向)の線(図9(a)
5 の一点鎖線Q参照)」を境にして折り曲げられている点で、2つの表示板が「ユーザーから見て上下方向(縦方向)の線(図9(b)の一点鎖線R参照)」を境にして折り曲げられている本発明とは、根本的に、その課題・構成・作用・効果を異にしている。【0070】すなわち、本発明では、図9(b)に示すように、2つの表示板(表示パネル)107、108が、「ユーザーから見て上下方向(縦方向)の線(図9(b)の一点鎖線R参照)」を境にして折り曲げ固定されている。【0071】そして、本発明では、この「ユーザーから見て上下方向(縦方向)の線R」に沿って、前記「断面略V字状の凹状部分(谷状部分)」が形成されている(図9(b)及び図9(c)の符号P参照)。そして、この「断面略V字状の凹状の谷状部分」Pが、ユーザーが前記2つの表示板107、108を安定的に支持するためにユーザーの親指106を掛けるための「取っ掛かり」となってくれている。また、本発明では、前記「断面略V字状の凹状の谷状部分」Pの裏側の「山状部分」が、ユーザーが前記2つの表示板107、108の裏面(ユーザーと対向していない側)にユーザーの親指以外の指又は掌を当てるための「取っ掛かり」となってくれている。【0072】以上のように、本発明では、図9(b)の符号Rで示す「ユーザーから見て上下方向(縦方向)の線」を境として、表示装置の右側部分と左側部分とを、前記の折り曲げられた任意の角度で(すなわち、断面が略V字状になった状態で)固定することが、可能になっている。【0073】したがって、本発明では、ユーザーがその片手で表示装置全体を支持するとき(又は、ユーザーが表示装置全体を片手の上に載置するとき)、ユー
5 ザーは、前記の折り曲げられた部分(「ユーザーから見て上下方向(縦方向)の線」又はその近傍の部分)に形成される「断面略V字状の凹状の谷状部分」に親指を掛けてそこを「取っ掛かり」にして表示装置を支持すること(又は、前記の断面略V字状の凹状の谷状部分の反対側の山状部分を「取っ掛かり」にして、表示装置を片手の親指以外の指又は掌の上に置くこと)により、前記表示装置の全体を極めて容易且つ安定的に支持することが可能になる。【0079】以上のように、本発明によれば、前記左右見開き固定手段により、ユーザーが表示装置の全体を片手だけで支持すること又は片手の掌の上に載置することが、極めて容易になる。よって、本発明によれば、ユーザーが、外出中(戸外で)、例えば通勤電車内や路上などの様々な場所で、立ったままでも、表示装置を片手だけで支持しながら、又は表示装置を片手の掌の上に載置・支持しながら、安定的に使用し続けることが極めて容易になる。(2) 前記(1)の記載事項及び本件各発明に係る特許請求の範囲(別紙2-1)によれば、本件明細書には、本件各発明に関し、次のとおりの開示があることが認められる。ア 本件各発明は、複数の表示板を備えた表示装置に係り、特に携帯時には携帯に便利なコンパクト・サイズでありながら使用時には比較的大きな見やすい表示画面を提供できる、あるいは使用時に複数の表示画面を提供できる片手支持可能な表示装置に関するものである(【0001】。)従来の携帯型電子情報機器において、携帯の便利さ(コンパクト化)と使用時のディスプレー画面の見やすさ(画面の大きさのある程度の確保)という2つの要請を同時に満たすよう、2つの表示板を接続し、不使用時には2つの表示板を収納又は携帯しやすいように折り畳み状態とし、使用時には2つの表示板を見開き状態とするような表示装置が提案されている
5 (【0004】。)このような従来から提案されている表示装置は、単に、不使用時には2つの表示板を収納又は携帯しやすいように折り畳み状態とし、使用時には2つの表示板を見開き状態とすることを提案するだけであるが(【0005】 、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等の移動体通信機器に使用する)ための表示装置を考えるときは、ユーザーが、外出先(戸外)等で、一方の片手だけで容易かつ安定的に表示装置を支持しながら使用できること、そして、表示装置を支持していない他方の片手は、電子ペンで表示画面に文字を手書き入力する等、様々な動作を行うために使用できるようにすることが重要である(【0006】。)イ 本件各発明は、このような従来技術に関する問題意識から構想されたものであって、ユーザーが、外出先(戸外)等で、その一方の片手だけを使って表示装置全体を極めて容易かつ安定的に支持することができる片手支持可能な表示装置を提供することを課題(目的)とするものである。さらに、本件各発明は、ユーザーが、他方の片手が表示装置を支持すること以外の他の様々な動作を行うために使うことができる片手支持可能な表示装置を提供することを課題(目的)とするものである(【0007】。)そして、本件各発明は、前記課題を解決するために、別紙2-1特許請求の範囲(第1次訂正後)記載の構成を採った(【0012】。)その結果、本件各発明では、ユーザーが、表示装置全体をその一方の片手のみで支持しようとするとき、左右見開き固定手段により形成される断面略V字状の凹状部分(裏側から見ると、凸状部分)又はその近傍の部分を、片手による支持の取っ掛かりとすることができ、ユーザーは、外出先(戸外)等で、2つの表示板を含む表示装置全体を、その一方の片手のみで容易かつ安定的に支持することができ、また、電子ペンによる文字の手書き入力や指先による入力(タッチパネル方式)等の入力操作をするとき
5 でも、2つの表示板の間の角度が固定(半固定を含む。)されているので、ペン先や指先から所定の押圧力を表示板に与えても、表示板がブラブラ・グラグラとぐらつくことはなく、入力ペンによる手書き入力等の入力操作やタッチパネル式画面への指先の操作等の入力操作が安定的にかつ容易にできるようになるという効果を奏する(【0044】及び【0063】。)
2 争点2-2-1(本件各発明についての乙1文献を引用例とする新規性欠如(出願日遡及を前提とする無効理由))及び争点2-2-2(本件各発明についての乙1文献を主引用例とする進歩性欠如(出願日遡及を前提とする無効理由))について事案に鑑み、争点2-2-1及び2-2-2から判断する。(1) 乙1文献の記載事項等ア 本件原々々出願の出願日である平成3年8月30日より前に頒布された刊行物である乙1文献には次のような記載がある(下記記載中に引用する【図1】 【図2】 【図8】及び【図9】については、別紙7乙1文献の図、 、面参照)。なお、乙1文献の日本語訳については、第2次訂正に係る審決(乙30)において、審判合議体が乙1文献の日本語ファミリー文献である特表平5-501023号公報(甲20の1)を参考にして作成した訳文を使用していることに照らし、当該訳文を使用するのが相当であると判断した。(ア) 3頁21ないし28行「Another objective of the present invention is to provide a systemthat allows one digitizer to be rotated with respect to the secondso that the computer aided notebook can be opened to a variety ofselected positions and where one of such positions allows a userto hold the computer in one hand while data is entered with theother while the user is in a sitting, standing or walking position.」
5 (日本語訳)「この発明の別の目的は、コンピュータ援助ノートブックが様々な選択された位置に開かれ得るように1つのデジタイザが第2のデジタイザを基準にして回転することを許容し、かつこのような位置の1つは、ユーザが座ったり、立ったり、又は、歩いたりする位置にあるときに、片手でコンピュータを保持し、もう片方の手でデータを入力することを許容するシステムを提供することである。」(イ) 5頁10行ないし6頁6行「Brief Description of the Drawings:Fig.1 illustrates a portable computer according to the inventionin a flat open position;Fig. 2 is a perspective view of a portable computer according tothe invention in a closed position;Fig. 3 is a perspective view of a portable computer according tothe invention in a compact open position folded back to back havinga screen orientation upside down as compared to Fig. 1;Fig. 4 is a perspective view of a portable computer according tothe invention in a partially folded open position having a screenorientation oriented sideways as compared to Fig. l;Fig. 5 is a top plan view of a portable computer according to theinvention in a position separated at the hinge;Fig. 6A is an exploded illustration of a hinge in accordance withthe invention;Fig. 6B is an exploded illustration of the hinge showing the primaryaxis in accordance with the invention;Fig. 6C is another exploded illustration of the hinge showing the
5 primary axis in accordance with the invention;Fig. 6D is an exploded illustration of the hinge showing thesecondary axis in accordance with the invention;Fig. 6E is an exploded illustration of the hinge showing theanchoring means in accordance with the invention;」(日本語訳)「図面の簡単な説明図1は平坦な開いた位置におけるこの発明に従った携帯用コンピュータを示す。図2は閉じた位置におけるこの発明に従った携帯用コンピュータの斜視図である。図3は図1と比較するとスクリーンの配向が逆さまである、背中合わせで折畳まれたコンパクトな開いた位置にあるこの発明に従った携帯用コンピュータの斜視図である。図4は、図1と比較すると横に配向されたスクリーン配向を有する部分的に折畳まれた開いた位置におけるこの発明に従った携帯用コンピュータの斜視図である。図5は蝶番で分離された位置におけるこの発明に従った携帯用コンピュータの上面図である。図6Aはこの発明に従った蝶番の分解図である。図6Bはこの発明に従った第1の軸を示す蝶番の分解された図である。図6Cはこの発明に従った第1の軸を示す蝶番の別の展開された図である。図6Dはこの発明に従った第2の軸を示す蝶番の分解図である。図6Eはこの発明に従った保留手段を示す蝶番の分解図である。」(ウ) 6頁32行ないし7頁4行
5 「Description of the Specific Embodiments:Fig. 1 shows a perspective view of a computer notebook 10 accordingto the present invention. Notebook 10 includes a first panel 12, asecond panel 14 connected to first panel 12 by a hinge means 16that allows both first panel 12 and second panel 14 to orient in amultitude of angles about hinge means 16, and a stylus 18 forwriting on first panel 12 and second panel 14.」(日本語訳)「好ましい実施例の説明図1はこの発明に従ったコンピュータノートブック10の斜視図を示す。ノートブック10は第1のパネル12と、第1のパネル12及び第2のパネル14の両方が蝶番手段16を中心とした多数の角度において配向することを許容する蝶番手段16によって第1のパネル12に接続される第2のパネル14と、第1のパネル12及び第2のパネル14上に書くためのスタイラス18を含む。」(エ) 7頁5ないし16行「First panel 12 has a first flat surface 20 with an opaque firstdigitizer tablet 22 and allows placement of standard templates,pads of single-sheet hard copy forms or a thin pad of forms. Adigitizer tablet includes a digitizer and the backing for mountingthe digitizer; hereinafter, "digitizer" will be used instead ofdigitizer tablet. First panel 12 also has selected liquid-crystaldisplays for acknowledging data entered upon first digitizer 22.Second panel 14 includes a second flat surface 24 with a liquidcrystal display and includes a transparent second digitizer 26overlaying the liquid crystal display.」
5 (日本語訳)「第1のパネル12は不透明な第1のデジタイザタブレット22を有する第1の平坦な表面20を有し、かつ標準のテンプレート、単一シートハードコピーフォームのパッド又は書式の薄いパッドの配置を許容する。デジタイザタブレットはデジタイザとデジタイザを装着するための裏当てとを含み、これ以降、「デジタイザ」がデジタイザタブレットの代わりに使用されるであろう。
第1のパネル12はまた第1のデジタイザ22上へ入力されるデータに
応答するための選択された液晶ディスプレイを有する。第2のパネル14は液晶ディスプレイを有する第2平坦な表面24と液晶ディスプレイの上に置かれる透明な第2のデジタイザ26を含む。」(オ) 7頁17行ないし8頁5行「First panel 12 is primarily the data entry panel and houses themajor electronics of the invention, namely the logic, memory, andpower supply, as well as peripheral ports for a printer, modem, andother like peripheral devices. Second panel 14 serves primarily asa display panel and doubles as a secondary data entry panel. Eachpanel is connected to the other by means of hinge 16. Hinge 16allows one panel to be set at any angle position relative to theother. In one specific embodiment, the panels will have at leastfour distinct settings including closed (Fig. 2), initial orpartially opened (Fig. 4), flat (Fig, 1), and folded (Fig. 3)positions that will allow each panel to support a nominal amountof torque without movement. The configuration shown in Fig. 1 mayalso be rotated 180° in the plane of the figure, and the paperform the display correspondingly inverted with respect to the frame
5 of the computer, for the convenience of left-handed, users. Alsoincluded is means to allow electrical communication between the twopanels, where the first panel 12 has the logic, memory, and powersupply and second panel 14 provides a display and secondary dataentry device. One such means of communication is a ribbon computercable and is well known in the art.」(日本語訳)「第1のパネル12は主にデータ入力パネルであり、かつこの発明の主要な電子回路、すなわち、論理と、メモリと、電源と、プリンタ、モデム、他の同様な周辺装置のための周辺ポートとを収容する。第2のパネル14は主にディスプレイパネルとして役立ち、かつ第2のデータ入力パネルとしても兼務する。各パネルは蝶番16によって他方に接続される。蝶番16は1つのパネルが他方に対していかなる角度位置においても設定されることを許容する。1つの特定の実施例では、パネルは、各パネルが動かずに定格のトルク量を支えることを許容するであろう、閉じられた(図2)、最初の又は部分的に開かれた(図4)、平坦な(図1)、かつ閉じられた(図3)位置を含む少なくとも4つの明確な設定を有するであろう。図1において示されている構成は図の平面において180度回転されてもよく、かつ左利きのユーザの便宜のために、コンピュータのフレームに対してディスプレイ書式が相応して反転される。また、2つのパネル間の電気通信を許容する手段も含み、第1のパネル12は論理、メモリ、電源を有するし、かつ第2のパネル14はディスプレイ及び第2のデータ入力装置を傭える。1つのこのような通信の手段はリボンコンピュータケーブルであり、技術においてよく知られている。」(カ) 8頁6ないし31行「Referring to Fig. 6A, hinge 16 includes a first hinge bracket 28,
5 a second hinge bracket 30, a third hinge bracket 32 and a fourthhinge bracket 34 through which are threaded a primary axis 36 anda secondary axis 38 for holding first panel 12 and second panel 14together. The primary axis 36 provides the axis about which firstpanel 12 revolves and secondary axis 38 provides the axis aboutwhich second panel 14 revolves. Each axis has a distinctly differentlocking mechanism with secondary axis 38 locking system permittinggreater ease of movement than that of primary axis 36.The locking mechanism of primary axis 36 includes a shaft 37threaded at one end, and flared at the other. Primary axis 36 fitsthe flared end 39 of shaft 37 in first hinge bracket 28 (Fig. 6B)and its threaded end 41 through fourth hinge bracket 34 as fasteningknob 42 mounts thereon (Fig. 6C). Fastening knob 42 turns toselectively fasten primary axis 36 and the increased tensiontightens the fit of the flared end 39 on first hinge bracket 28and first panel 12. In addition, a ceramic jacket 40 is used as aspacer at both ends 39 and 41 of primary axis 36 where in contactwith first hinge bracket 28 and fourth hinge bracket 34 to provideimproved friction to allow the first panel 12 to support a nominalamount of torque without movement and to reduce wear on the plasticparts.」(日本語訳)「図6Aを参照して、蝶番16は第1の蝶番ブラケット28、第2の蝶番ブラケット30、第3の蝶番ブラケット32及び第4の蝶番ブラケット34を含み、第1のパネル12及び第2のパネル14をともに保持するための第1の軸36及び第2の軸38がそれらを介して通る。第1の
5 軸36は第1のパネル12が回転する軸を提供し、かつ第2の軸38は
第2のパネル14が回転する軸を提供する。各軸は、第2の軸38のロ
ッキングシステムが第1の軸36のそれよりもより大きい動きのゆとりを許容して、明らかに異なったロッキング機構を有する。第1の軸36のロッキング機構は一方がねじ切りされ、かつ他方が拡開されたシャフト37を含む。第1の軸36は、第1の蝶番ブラケット28にシャフト37の拡開端39を嵌合させ(図6B)、ねじ切りされた端部41を第4の蝶番ブラケット34に通して、締着つまみ42を装着して嵌合する(図6C)。締着つまみ42は選択的に第1の軸36を締めるために回され、かつ増加された引張りが、第1の蝶番ブラケット28に接している拡開端39と第1のパネル12との嵌合をきつくする。さらに、セラミックジャケット40が第1の蝶番ブラケット28と第4の蝶番ブラケット34とに接触する第1の軸36の両端39及び41におけるスペーサとして使用され、第1のパネル12が動かずに定格のトルク量を支持することを許容する改良された摩擦を提供するため、かつ、プラスチック部分における摩耗を減少させるために用いられる。」(キ) 8頁32行ないし9頁7行「The locking mechanism of second panel 14 includes a threadedshaft secondary axis 38 which interacts with second hinge bracket
30 and third hinge bracket 32 and is secured by another fasteningknob 42(Fig. 6D). Third hinge bracket 32 is also threaded so thatas fastening knob 42 is turned clockwise, the tension between secondhinge bracket 30 and third hinge bracket 32 exerted on second panel
14 can hold second panel 14 as rigidly as desired. Each hingebracket 30 and 32 uses a semi-hard rubber washer 46・to increasethe friction needed to hold the panels 12 and 14.」
5 (日本語訳)「第2のパネル14のロッキング機構は、第2の蝶番ブラケット30及び第3の蝶番ブラケット32と相互作用するねじ切りされたシャフトの
第2の軸38を含み、かつ別の締着つまみ42によって固定する(図6
D)。第3の蝶番ブラケット32もまた、締着つまみ42が時計回りに回転して、第2の蝶番ブラケット30と第3の蝶番ブラケット32との間の第2のパネル14にかかる引張りが第2のパネル14を所望されるほど堅く保持し得るようにねじ切りされる。各蝶番ブラケット30及び32はパネル12及び14を保持するのに必要とされる摩擦を増加するために半硬のゴム座金46を使用する。」(ク) 9頁32行ないし10頁13行「This embodiment of the hinge 16 provides for first panel 12 andsecond panel 14 to be oriented in any position within a 360° arcabout hinge 16. Ideally, four main positions will be preset toallow functionability. These four positions are: closed, initialor partially opened, flat and folded. The closed position is shownin Fig. 2 and occurs when the first panel 12 and the second panel
14 are juxtaposed face to face providing protection 5 to the panelsurfaces when the apparatus is not in use. The initial position isillustrated in Fig. 4 and has one panel approximately perpendicularto the other, much like a conventional laptop portable computer.The flat position has both panels lying in the same plane side by
10 side. In a folded position shown in Fig. 3 the first panel 12and second panel 14 are juxtaposed back to back in order tofacilitate carrying the apparatus in one hand and entering datawith the other.」
5 (日本語訳)「蝶番16のこの実施例は蝶番16のまわりの360度の弧内のいかなる位置においても第1のパネル12及び第2のパネル14が配向されるために備えられる。理想的には、4つの主たる位置が機能性を許容するために予め設定されるであろう。これらの4つの位置は閉じられたもの、最初の、又は部分的に開かれたもの、平坦なもの及び折畳まれたものである。閉じられた位置は、図2において示されており、装置が使用されていないときパネルの表面を保護するために第1のパネル12及び第2のパネル14が面を合わせて並置されるときに起こる。最初の位置は図4に示され、かつかなり従来のラップトップ携帯用コンピュータに似たような、一方のパネルがほぼ他方に対して垂直になるようになる。平坦な位置は同一の面において並んで横たわる両方のパネルを有する。図3において示されている折畳まれた位置では、片手で装置を運び、もう片方の手でデータを入力することを容易にするために第1のパネル12と
第2のパネル14が背中合わせて並置される。」
イ 前記アの記載事項によれば、乙1文献には、次の発明(以下「乙1発明’」という。)が記載されていると認められる。a 主にデータ入力パネルである第1のパネル12と、主にディスプレイパネルとして役立ち、かつ第2のデータ入力パネルとしても兼務する第2のパネル14と、第1のパネル12及び第2のパネル14上の書くためのスタイラス18を含むコンピュータノートブック10であって(前記ア(ウ)、(オ))、b ユーザーが座ったり、立ったり、又は、歩いたりする位置にあるときに、片手でコンピュータを保持し、もう片方の手でデータを入力することを許容するものであり(前記ア(ア))、c 第1のパネル12と第2のパネル14は蝶番手段16によって接続さ
5 れており、蝶番手段16は1つのパネルが他方に対していかなる角度位置においても設定されることを許容するものであり、パネルは、各パネルが動かずに定格のトルク量を支えることを許容するであろう少なくとも4つの明確な設定を有するものであり(前記ア(オ))、d 第1のパネル12及び第2のパネル14の両方が蝶番手段16を中心とした多数の角度において配向することが許容されており(前記ア(ウ))、e 第1のパネル12は、不透明な第1のデジタイザ22を有する第1の平坦な表面20を有し、第1のデジタイザ22上へ入力されるデータに応答するための選択された液晶ディスプレイを有するものであり(前記ア(エ))、f 第2のパネル14は、液晶ディスプレイを有する第2平坦な表面24と液晶ディスプレイの上に置かれる透明な第2のデジタイザ26を含み(前記ア(エ))、g 蝶番手段16は第1の蝶番ブラケット28、第2の蝶番ブラケット30、第3の蝶番ブラケット32及び第4の蝶番ブラケット34を含み、
第1のパネル12及び第2のパネル14をともに保持するための第1
の軸36及び第2の軸38がそれらを介して通り、
第1の軸36は第1のパネル12が回転する軸を提供し、
第2の軸38は第2のパネル14が回転する軸を提供し(前記ア(カ))、
h 第1の軸36のロッキング機構は、一方がねじ切りされ、かつ他方が拡開されたシャフト37を含み、
第1の軸36は、第1の蝶番ブラケット28にシャフト37の拡開端
39を嵌合させ(図6B)、ねじ切りされた端部41を第4の蝶番ブラケット34に通して、締着つまみ42を装着して嵌合し(図6C)、締着つまみ42は選択的に第1の軸36を締めるために回され、かつ
5 増加された引張りが、第1の蝶番ブラケット28に接している拡開端39と第1のパネル12との嵌合をきつくするようにされ、セラミックジャケット40が第1の蝶番ブラケット28と第4の蝶番ブラケット34とに接触する第1の軸36の両端39及び41におけるスペーサとして使用され、第1のパネル12が動かずに定格のトルク量を支持することを許容する改良された摩擦を提供するため、かつ、プラスチック部分における摩耗を減少させるために用いられ(前記ア(カ))、i 第2のパネル14のロッキング機構は、第2の蝶番ブラケット30及び第3の蝶番ブラケット32と相互作用するねじ切りされたシャフトの
第2の軸38を含み、別の締着つまみ42によって固定されるものであ
り(図6D)、
| 特許裁判例 実用新案裁判例 |
| 意匠裁判例 商標裁判例 |
| 不正競争裁判例 著作権裁判例 |
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