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令和5(行ケ)10079審決取消請求事件

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裁判所 審決取消 知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所
裁判年月日 令和5年12月26日
事件種別 民事
当事者 原告豊産業株式会社
被告株式会社エス・エス・ビー
法令 商標権
商標法4条1項10号10回
商標法4条1項19号3回
キーワード 審決14回
無効5回
無効審判1回
実施1回
商標権1回
主文 1 特許庁が無効2022-890049号事件について令和5年6月2
0日にした審決を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
事件の概要 本件は、商標登録無効審判請求に係る不成立審決の取消訴訟である。争点は、① 後記1の登録商標(以下「本件商標」という。)が商標法4条1項10号に掲げる 商標に該当するか否か、②本件商標が同項19号に掲げる商標に該当するか否かで25 ある。

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判決文

令和5年12月26日判決言渡

令和5年(行ケ)第10079号 審決取消請求事件

口頭弁論終結日 令和5年10月26日

判 決

原 告 豊 産 業 株 式 会 社

同訴訟代理人弁護士 古 家 和 典

同訴訟代理人弁理士 市 澤 道 夫

佐 々 木 奈 緒

被 告 株式会社 エス・エス・ビ ー

同訴訟代理人弁理士 箕 村 義 勝

主 文

1 特許庁が無効2022-890049号事件について令和5年6月2

0日にした審決を取り消す。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

主文1項と同旨

第2 事案の概要

本件は、商標登録無効審判請求に係る不成立審決の取消訴訟である。争点は、①後記1の登録商標(以下「本件商標」という。)が商標法4条1項10号に掲げる商標に該当するか否か、②本件商標が同項19号に掲げる商標に該当するか否かである。1 登録商標被告は、次の登録商標(本件商標)の商標権者である(甲1、弁論の全趣旨。以下、本件商標に係る商標登録を「本件商標登録」という。)。

(1) 登録番号:商標登録第6525426号

5 (2) 出願日:令和3年12月16日(以下「本件出願日」という。)

(3) 登録査定日:令和4年2月22日(以下「本件査定日」という。)

(4) 登録日:令和4年3月9日

(5) 商標の構成:「地球グミ」(標準文字)

(6) 商品及び役務の区分並びに指定商品:第30類「グミキャンディ」2 特許庁における手続の経緯等原告は、令和4年6月23日、本件商標登録を無効にすることについて審判を請求し、特許庁は、これを無効2022-890049号事件として審理した(争いがない。)。特許庁は、令和5年6月20日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月29日、原告に送達された(争いがない。)。原告は、令和5年7月25日、本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。3 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙審決のとおりである。その要旨は、次のとおりである。

(1) 引用標章及びその使用商品(原告主張に係るもの)ア 引用標章1(ア) 標章の構成:「地球グミ」の文字を書してなるもの(イ) 使用商品:グミキャンディイ 引用標章2(ア) 標章の構成:「プラネットグミ」の文字を書してなるもの(イ) 使用商品:グミキャンディ

(2) 原告の主張(引用標章1関係)について原告が販売するグミキャンディ(商品名を「Trolli Planet Gummi」などとするもの。以下「原告商品」という。)が本件出願日前において日

5 本国内又は外国で周知であったとは認め難く、原告商品の俗称である引用標章1も、原告の業務に係る商品(原告商品)を表示するものとして本件出願日前から本件査定日において日本国内又は外国の一般の需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることはできない。そうすると、引用標章1は、本件出願日及び本件査定日において原告の業務に係る商品を表示するものとして日本国内(商標法4条1項10号につき)又は日本国内若しくは外国(同項19号につき)の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。したがって、本件商標と引用標章1が同一又は類似であり、本件商標の指定商品と引用標章1の使用商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法4条1項10号に掲げる商標に該当しない。また、不正の目的について判断するまでもなく、同項19号に掲げる商標に該当しない。

(3) 原告の主張(引用標章2関係)について「Planet Gummi」の文字が付されている原告商品が日本国内又は外国において周知であったとは認められないから、引用標章2を引用標章としても、本件商標は、商標法4条1項10号又は同項19号に掲げる商標に該当しない。

(4) むすび以上のとおり、本件商標登録は、商標法4条1項10号又は同項19号の規定に違反してされたものとはいえないから、同法46条1項1号の規定に基づいて本件商標登録を無効にすべきでない。

第3 原告主張の審決取消事由

1 取消事由1(商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り)について

(1) 引用標章1について

ア 周知性について(ア) 需要者の範囲原告商品(「地球グミ」)がSNSを頻繁に利用する若年層の間で爆発的に流行していたこと、原告商品が輸入商品であることなどに照らすと、引用標章1に係る

5 需要者は、若年層を中心とする消費者及び輸入菓子の取扱業者である。

(イ) SNSにおける爆発的な流行原告商品は、平成30年頃、韓国の動画投稿者がそれを食べる様子に係る動画をSNSに投稿したことをきっかけに、多くの動画投稿者によって拡散され、我が国においても、原告商品を「地球グミ」として紹介する動画の投稿がSNSにおいて急増した。(ウ) メディアにおける紹介原告商品は、令和3年6月24日付けの毎日新聞(デジタル記事)、同年7月3日付けの毎日新聞及び同年11月12日付けの日経MJにおいて、「地球グミ」として紹介された。また、この日経MJにおいては、「地球グミ」が「SHIBUYA109lab.トレンド大賞2021」の「カフェ・グルメ部門」の第2位に選出された旨の報道がされた。原告商品は、令和3年6月25日に放映されたテレビ番組(「報道ランナー」)、同年7月5日に放映されたテレビ番組(「ヒルナンデス!」)及び同年8月12日に放映されたテレビ番組(「バイキングMORE」)において、「地球グミ」として紹介された。(エ) 原告商品は、アマゾンジャパンを始めとする全国展開の代表的な業者(輸入菓子の取扱業者)において、大人気商品として取り扱われており、販売次第即刻完売となる状況であった。(オ) 周知性についての結論以上の事情を考慮すると、引用標章1は、本件出願日及び本件査定日において、原告商品を表示するものとして需要者の間で周知性を獲得していたというべきである。イ 本件商標と引用標章1の類否について本件商標と引用標章1は、同一である。ウ 本件商標に係る指定商品と引用標章1に係る使用商品の類否について

5 本件商標に係る指定商品と引用標章1に係る使用商品は、同一(グミキャンディ)

である。

(2) 引用標章2について

ア 周知性について原告商品の正式名称は、「Planet Gummi」であるところ、「Planet Gummi」の文字は、原告商品の包装袋の前面に目立つ形で記載されており、原告商品の包装袋は、その写真がSNSにおける投稿、新聞記事、テレビ番組、原告作成のチラシ、インスタグラムにおける原告のアカウント、原告商品の取扱店舗における広告等に掲載されていた。加えて、引用標章1の周知性につき前記

(1)アにおいて主張したところも併せ考慮すると、引用標章2は、本件出願日及び

本件査定日において、原告商品を表示するものとして需要者の間で周知性を獲得していたというべきである。イ 本件商標と引用標章2の類否について「Planet Gummi」は、原告商品の正式名称であるところ、引用標章2の「プラネット」の語は、「地球」という意味を有するものであるし、地球を模した原告商品の形態及び原告商品の内容(グミキャンディ)も併せ考慮すると、「地球グミ」は、引用標章2の「プラネットグミ」の訳名にすぎないというべきである。したがって、本件商標は、引用標章2に類似する。ウ 本件商標に係る指定商品と引用標章2に係る使用商品の類否について本件商標に係る指定商品と引用標章2に係る使用商品は、同一(グミキャンディ)である。

(3) 小括

以上によると、本件商標は、商標法4条1項10号に掲げる商標に該当するから、これと異なる本件審決の判断は誤りである。

(4)

(被告の主張)

(引用標章1の使用)について原告は、インスタグラムにおける原告のアカウントに引用標章1を付していたし、

5 取引業者との間でも引用標章1を使用していた。また、引用標章1は、報道におい

ても使用されていた。すなわち、引用標章1は、グミキャンディについての商標としての使用がされていたというべきである。

2 取消事由2(商標法4条1項19号該当性についての判断の誤り)について

(1) 引用標章1及び2の周知性について

前記1(1)ア及び(2)アのとおりであるから、引用標章1及び2は、本件出願日及び本件査定日において、いずれも原告商品を表示するものとして需要者の間で周知性を獲得していたというべきである。なお、商標法4条1項19号において求められる引用標章の周知性は、同項10号において求められる周知性よりも低いものでよいと解すべきであるから、仮に、引用標章1及び2が同号において求められる周知性を獲得していなかったとしても、これらの標章は、同項19号において求められる周知性を獲得していたものである。

(2) 本件商標と引用標章1又は2の類否について

前記1(1)イのとおり、本件商標と引用標章1は、同一である。また、前記1(2)イのとおり、本件商標は、引用標章2に類似する。

(3) 本件商標に係る「不正の目的」について

被告は、商品名を「アースグミ」とするグミキャンディ(以下「被告商品」という。)を販売している。

①被告のウェブサイトには、「世界的にブームを巻き起こしているあのグミがS

SBからアースグミとして登場」などの文言があること、②被告商品は、原告商品と同様、地球を模した形状及び色彩を有するものであり、その容器も、地球の陸地を意識したデザイン及びその形状の点で原告商品と酷似していること、③原告商品に付された「Trolli」の文字と被告商品に付された「EARTH GUMMY」の文字を比較しても、その色彩はほぼ同一であること、④我が国における被告商品の販売が開始されたのは、令和4年になってからであることからすると、被告による本件商標に係る商標登録出願及び使用は、原告商品(「地球グミ」)のブー

5 ムに便乗して被告商品(「アースグミ」)を販売し、引用標章1及び2の出所表示

機能を希釈させようとするものといえる。したがって、被告は、引用標章1又は2についての商標登録がされていないことを奇貨として本件商標に係る商標登録出願を行ったのであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用をする商標である。

(4) 小括

以上によると、本件商標は、商標法4条1項19号に掲げる商標に該当するから、これと異なる本件審決の判断は誤りである。

(5)

(被告の主張)

(引用標章1の使用)について引用標章1がインスタグラムの原告のアカウント等において使用されていたことは、前記1(4)のとおりである。

第4

(被告の主張)

(取消事由1及び2について)

1 引用標章1の使用について

引用標章1は、原告商品又はその包装に付されていないなど、グミキャンディについて、商標としての使用がされていなかった。

2 本件商標と引用標章2の類否について

本件商標と引用標章2は、称呼及び外観において明らかに異なる。また、「プラネット」の語は、惑星を意味し、地球を意味することはないから、本件商標と引用標章2は、観念においても異なる。したがって、本件商標は、引用標章2と同一でなく、また、類似しない。

3 結論

以上のとおりであるから、本件商標が商標法4条1項10号又は同項19号に掲げる商標に該当しないとした本件審決の判断に誤りはない。

第5 当裁判所の判断

1 認定事実

掲記の証拠及び弁論の全趣旨によると、次の事実が認められる。

5 (1) 原告商品は、ドイツのメーカーの関連会社がスペインにおいて製造するグ

ミキャンディである(甲6)。原告商品は、地球に見立てた球状の青色のグミキャンディにマグマをイメージしたストロベリーフィリングを詰めた菓子であり、その包装(原告商品を幾つか収容する袋状のもの。以下、「原告商品の包装」などというときは、この袋状のものを指す。)の前面上段には「Trolli」の文字が、前面中段付近には「Planet Gummi」の文字又は「Blue Planet」の文字がそれぞれ記載され、また、原告商品の個包装(球状のもの。以下、「原告商品の個包装」などというときは、この球状のものを指す。)には「Trolli」の文字が記載されているが、原告商品並びにその包装及び個包装に「地球グミ」の文字の記載はない(甲2、27の1)。

(2) 原告は、令和2年10月、原告商品を初めて輸入し、これを日本国内にお

いて販売し始めた(甲6)。なお、原告が作成した「Trolli 新商品のご案内」と題する書面(甲2)には、原告商品並びにその包装及び個包装の写真が掲載されるとともに、原告商品が同年秋頃に発売予定であることなどの記載があったが、「地球グミ」との記載はどこにもされていなかった。また、同書面には、「インスタ映え確実!!!YouTubeやSNSで話題のプラネットグミ!!」との記載がされていた。

(3) ロフトは、原告による原告商品の販売開始に先立つ令和2年9月29日、

当時のツイッター(以下、単に「ツイッター」という。)に係るその公式アカウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装及び原告商品を収容した個包装の画像と共に「話題の#地球グミ ロフトに上陸!!…その名はトローリ#プラネットグミ!」、「一部店舗を除く、全国のロフト118店舗とロフトネットストアに登場しますよーーー!数量限定です!」などと投稿した(甲31)。

(4) PLAZAは、令和2年10月2日、ツイッターに係るその公式アカウン

トにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品並びにその

5 包装及び個包装の画像と共に「YouTubeでも話題になった#地球グミこと

『Trolli(#トローリ)』の「プラネットグミ」が登場」などと投稿した(甲30の2)。

(5) サンキューマートは、令和3年3月31日(以下、令和3年中の日付につ

いては、年の記載を省略することがある。)、ツイッターに係るその公式アカウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品並びにその包装及び個包装等の画像と共に「お待たせしました…YouTubeで大人気「#地球グミ」ついにサンキューマートにて発売します」、「地球グミは全国のサンキューマートにて4月2日(金)より入荷順次新発売です」などと投稿した(甲39の1)。

(6) サンキューマートは、4月3日、ツイッターに係るその公式アカウントに

おいて、原告商品並びにその包装及び個包装等の画像と共に「話題の「地球グミ」本日より全国店舗にて順次新発売です…大大大人気商品ですのでお求めの方はお早めに、、!」と投稿した(甲29)。

(7) 6月24日、毎日新聞のニュースサイトに、「品切れ続出 謎のお菓子

「地球グミ」 大人が知らない理由は…」と題するウェブ記事(甲6)が掲載された。同記事の本文には、原告商品の包装の写真(「「地球グミ」の愛称でひそかなブームとなっている「トローリ プラネットグミ」=豊産業提供」との付記がされたもの)等が掲載されるとともに、①「地球グミ」と呼ばれる菓子が子供や若者を中心にSNSで人気を集め、品切れが相次いでいること、②「地球グミ」は、店舗や正規のオンラインショップでは軒並み品切れの状態であり、アマゾンではプレミアム価格が付いており、メルカリでも高額で転売されていること、③地球グミを販売している店舗は、PLAZA、ドン・キホーテ、ヴィレッジヴァンガード、カルディ、ロフト等の輸入食品を取り扱っている業者の店舗であることが多いが、PLAZAによると、令和2年秋に取扱いを始めてから、入荷後すぐに完売という状態が続き、再入荷は令和3年秋以降であること、また、他の業者の各店舗でも品切れ

5 の状態が続いていること、④原告商品の流行のきっかけは、平成30年頃に韓国の

動画投稿者が「地球グミ」を食べる様子を記録した動画を動画投稿サイトに投稿したことであり、それが多くの動画投稿者によって拡散され、その後、日本にも飛び火し、令和2年から動画投稿サイトで「地球グミ」の動画を投稿する者が急増したことなどが記載された。なお、同記事は、その掲載の日に、ツイッターに係る毎日新聞のアカウント(甲9)においても、原告商品の包装の写真を付した上で紹介された。

(8) 6月25日午後4時45分から放映されたカンテレの番組「報道ランナー」

において、原告商品が「2021上半期Z世代が選ぶランキング はやった食べ物・飲み物」として紹介された(甲12、13)。同番組において、原告商品は、「地球グミ」と呼称され、入手困難であるところ、輸入業者である原告もその在庫を全く有していない状態であるとの説明がされた。また、同番組においては、「地球グミ」が、人気動画投稿者が原告商品の個包装を噛んで開封する様子を記録した動画を投稿したことをきっかけに大流行し、同動画投稿者のまねをする者が続出し、入手困難となったなどの経緯が説明された。

(9) 7月3日付けの毎日新聞において、「大人は知らない「地球グミ」」と題

する記事(甲7)が掲載された。同記事の本文には、原告商品の包装の写真と共に前記(7)の記事とほぼ同内容の記載がされた。

(10) 7月5日午前11時55分から放映された日本テレビの番組「ヒルナンデ

ス」中、タレントのAが「20代前半がみんな知ってること」を伝えるコーナーにおいて、原告商品が「地球グミ」として紹介された(甲15、16)。また、同番組について伝える中日スポーツ東京中日スポーツの同日付けのウェブ記事(甲16)には、原告商品が「地球グミ」と呼ばれ、青い地球を模したその形状がSNSのインフルエンサーから人気を集めていることなどが記載された。なお、同日、ツイッターに係る「B」なる者のアカウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装の画像(「地球グミ 3個セット」との付記がされ

5 たもの)と共に「ヒルナンデスでやってた地球グミ楽天でみっけ!すごく気になる

w」と記載した投稿(甲17)がされた。

(11) 8月12日午前11時55分からのフジテレビの番組「バイキングMOR

E」において、SNSの投稿者である「C」なる者が「地球グミ」と呼ばれる原告商品について紹介する様子等が放映された。同番組において放映された「C」なる者が原告商品について紹介する場面の映像の右上部分には、「ヒットの理由を徹底調査 気になるランキンGO Z世代で流行…食べ物・飲み物TOP5」との記載がされた上、個包装に収容された原告商品の写真を紹介する場面では「日本より先に韓国で大ヒット」とのテロップが付され、「C」なる者が説明をする場面では「地球グミの“味”に注目」などのテロップが付された(甲19、21の1~5)。なお、「C」なる者は、同日、ツイッターに係る同人のアカウントにおいて、個包装に収容された原告商品の映像を含む同番組のスチール画像と共に「フジテレビ系列バイキングMORE 2021年上半期にヒットした地球グミについてお話しました!それにしても地球グミの人気がすごい!」と投稿した(甲21の1)。

(12) ヴィレッジヴァンガードは、8月22日、ツイッターに係るその公式アカ

ウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装の画像と共に「都会の方では1日500回問い合わせを受けると噂されてる「地球グミ…」ヴィレッジヴァンガードにあるの?あったの?値段は?次の入荷は?お客様からの問い合わせここで答えます!!」と投稿した(甲27の1)。

(13) 原告は、9月13日、インスタグラムに係る原告のアカウント(以下「原

告アカウント」という。)において、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品並びにその包装及び個包装の画像と共に「10月初旬に再販!話題となったプラネットグミが再入荷します。」などと投稿した(甲3の1)。

(14) PLAZAは、9月21日、ツイッターに係るその公式アカウントにおい

て、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装及び原告商品を収容した個包装の画像と共に「大人気の「#トローリ#プラネットグミ」が“1

5 0月上旬”に再入荷します…入荷の度に即完売する店舗が続出の大人気アイテム…

この機会にぜひゲットしてくださいね!全国のPLAZA・MINiPLA、PLAZA ONLINE STOREでお取り扱いいたします」などと投稿した(甲30の1)。

(15) 原告は、9月22日、原告アカウントにおいて、「#地球グミにムチュ

ー!」などのハッシュタグを付した上、原告商品を収容した個包装及び原告商品の包装の写真並びに「地球グミにムチュー!?ヴィレヴァンで地球グミゲッチュー!!」などの文字が記載された画像と共に「ヴィレッジヴァンガード様のアカウントにてプラネットグミ(地球グミ)プレゼントキャンペーンを実施中!!」などと投稿した(甲3の2)。

(16) 原告は、10月1日、原告アカウントにおいて、「#地球グミ」などのハ

ッシュタグを付した上、原告商品の包装、「Trolli」の文字等が記載された画像と共に「大変お待たせいたしました!大人気のあの地球グミと、新商品のポップアイがまもなく販売開始です!!お店で見かけたらぜひお早めにゲットしてください!!」などと投稿した(甲3の3)。

(17) サンキューマートは、10月1日、ツイッターに係るその公式アカウント

において、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品並びにその包装及び個包装等の画像と共に「あのグミが帰ってきた!「#地球グミ」再販に加えて「#目玉グミ」が新登場…全国サンキューマートにて、10月2日(土)より順次入荷した店舗から発売スタート!」などと投稿した(甲39の2)。

(18) WEGOキャナルシティ博多店は、10月3日、ツイッターに係る同店の

アカウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、「大人気で問い合わせの多かった地球グミ再入荷しました」などと投稿した(甲26の2)。

(19) ヴィレッジヴァンガードは、10月14日、ツイッターに係るその公式ア

カウントにおいて、「#地球グミにムチュー」などのハッシュタグを付した上、原告商品並びにその包装及び個包装等の画像と共に「販売開始後、即完してしまって

5 いた…地球グミ…店舗によっては、再入荷!再販がはじまってます~!!是非お近

くのヴィレヴァン店舗のTwitterをフォローして、最新情報を入手してください!!」と投稿した(甲27の2)。

(20) WEGOららぽーと和泉店は、11月3日、ツイッターに係る同店のアカ

ウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装等の画像と共に「大人気!!地球グミが再入荷致しました…数量限定ですのでお早めにご来店くださいませ」などと投稿した(甲26の5)。

(21) 「WEGO広島エリア」なる者は、11月3日、ツイッターに係るそのア

カウントにおいて、「#地球グミ」などのハッシュタグを付した上、原告商品の包装等の画像と共に「SNSで人気沸騰の…地球グミ…が本日11/3再入荷致しました…大!大!大!人気商品なのでぜひ店頭にてCheckして下さい」と投稿した(甲26の3)。

(22) 11月4日、BABYDOTのウェブサイトに、「念願の地球グミゲッ

ト!カルディで品切れ続出プラネットグミ!なんと次回入荷は...!?」と題する記事(甲28)が掲載された。同記事の本文には、原告商品並びにその包装及び個包装等の写真が掲載されるとともに、「数か月の再販を待ってやっと買えたと思ったらあっという間に完売!なんと次回入荷は年明けだそうです!!!そんな大人気商品!奇跡的に購入できたので食べてみました」、「この前カルディに行ったら『大人気地球グミ発売お一人様3個まで』と書いてあったので、つい購入。沢山箱で積んであったけど、昨日見たらもう売り切れていた」、「SNSで流行っているいわゆる「地球グミ」…我が家もずいぶん前から子どもが欲しがっていたのですが、全く手に入らず...夏前ごろにカルディに入荷したと聞きすぐに行ったのですが、すでに完売に・・。次回入荷は10月と書いてありました。3か月以上、まだかな、そろそろかな・・と、通って通ってやっと出会えました!…そして先日またカルディを訪れると、「次回入荷は年明けです」!!」、「SNSでは、このパッケージごと口の中に入れて、軽く噛むと中からぐにゅっとグミが飛び出てくると言うのが

5 バズっているのですが・・」、「最近?の流行りに乗りました!とゆーか乗ること

ができました!」などの記載がされた。

(23) 「WEGO札幌エリア」なる者は、11月5日、旧ツイッターに係るその

アカウントにおいて、原告商品の包装等の画像と共に「お待たせ致しました~~!!人気の地球グミと目玉グミ再入荷しました…入荷から数時間でさっそく売れまくってます!人気なので、買い求めはお早めに」などと投稿した(甲26の4)。

(24) WEGO郡山店は、11月5日、ツイッターに係る同店のアカウントにお

いて、原告商品の包装等の画像と共に「お待たせ致しました大人気!!地球グミ、目玉グミが入荷いたしました」などと投稿した(甲26の1)。

(25) 原告は、11月9日、原告アカウントにおいて、「#地球グミ」などのハ

ッシュタグを付した上、原告商品を収容した個包装及び原告商品の包装の写真、「TikTok流行語大賞2021『地球グミ』がノミネートされました!!」の文字等が記載された画像と共に「『地球グミ』がTikTok流行語大賞2021にノミネートされました!!」などと投稿した(甲3の4)。

(26) 11月12日付けの日経MJにおいて、「TikTok大人が重宝」など

と題する記事(甲8の1)が掲載された。同記事には、幅広い世代で動画投稿アプリ「TikTok」の存在感が高まっていること、TikTokへの投稿がきっかけとなって人気となる商品やサービスも相次いでいること、TikTokがヒットを生むメディアとして注目を集めていることなどが記載されるとともに、「「TikTok売れ」した作品・商品の例」として、「「トローリ プラネットグミ」(地球グミ)独メデラー」がDの小説「残像に口紅を」、Eの楽曲「香水」、アース製薬の商品「らくハピ マッハ泡バブルーン」及び大塚製薬の商品「ファイブミニ」と共に挙げられている。

(27) 前記(26)の日経MJにおいて、「15~24歳女性 今年のトレンド」、

「「東リベ」や地球グミ」などと題する記事(甲8の2)が掲載された。同記事には、SHIBUYA109の運営会社の研究機関が15歳から24歳までの女性5

5 45名に対する調査を行った結果として「SHIBUYA109lab.トレンド

大賞2021」を発表したこと、その「カフェ・グルメ部門」の2位に「地球グミ」が入賞したこと、「地球グミ」の個包装を噛んで開ける様子が動画として映えるため、まねする者が多かったことなどの記載がされた。

(28) 本件出願日の後である令和4年1月1日、「現代用語の基礎知識2022」

(甲36)が発行されたが、同書籍中の「この1年、注目されたこと/モノ」の「食の動向」欄には、「ヒット商品の分野ではドイツ製の『トローリ プラネットグミ』がその見た目から地球グミの俗称で話題に。」との記載がある(なお、同記載中の「地球グミ」の文字は、同欄の他の用語(「ノンアルコール飲料」、「ノンアル」等)の場合と同様、ゴシック体で強調して表記されている。)。

2 取消事由1(商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り)について

(1) 引用標章1の周知性について

ア 前記1において認定した事実によると、引用標章1の周知性に関し、次の事情が認められるというべきである。すなわち、原告商品は、外国の会社が製造する菓子であり、その名称を「Trolli Planet Gummi」、「Planet Gummi」などとするものであって、原告商品又はその包装若しくは個包装には、日本語からなる「地球グミ」との文字は記載されていない。しかしながら、原告商品は、平成30年頃、動画投稿者及びその閲覧者を中心に韓国において大流行したところ、この流行が日本にも飛び火し、原告商品は、令和2年頃からは、日本においても、動画投稿者及びその閲覧者を中心に大流行し、遅くとも原告が原告商品の輸入販売を開始した同年10月までには、全国に店舗を展開する小売業者の中に、原告商品を「地球グミ」と称してこれを宣伝する者が現れるようになった。原告が原告商品の輸入販売を開始した後についてみても、原告商品は、大人気を誇り、小売業者の店舗における販売開始後すぐに完売となるという事態が相次ぎ、その入手が極めて困難な商品となった。原告が原告商品の輸入販売を開始して以来、全国に店舗を展開する小売業者

5 らは、原告商品を「地球グミ」と称してこれを繰り返し宣伝し、また、原告商品は、

動画投稿サイトにおいても、「地球グミ」と称する商品として大人気を博していた。そのような原告商品は、令和3年6月、「地球グミ」と称する大人気商品として、全国紙による新聞報道及び在阪の準キー局によるテレビ報道がされるまでに至り、同テレビ報道においては、同年上半期にはやった飲食物としてZ世代が選ぶランキングにランクインした。原告商品は、翌7月、同様の人気商品として、在京のキー局によるテレビ報道がされるに至り、20代前半の若者が皆知っていることとして紹介された(なお、原告は、遅くとも同年6月には、テレビ番組において、原告商品を「地球グミ」と称しており、また、遅くとも同年9月には、原告商品を「地球グミ」と称する宣伝をするようになった。)。さらに、「地球グミ」と称する原告商品は、同年11月、動画投稿サイトへの投稿がきっかけで人気となった作品又は商品の例として、著名作家の小説、有名シンガーソングライターの楽曲等と並べて紹介されるとともに、渋谷区にある著名な商業施設の運営会社による調査(15歳から24歳までの女性545名を対象としたもの)の結果である「SHIBUYA109lab.トレンド大賞2021」なる賞においても、その「カフェ・グルメ部門」の2位に入賞した。このような「地球グミ」と称する原告商品の令和3年までの動向を踏まえ、令和4年1月に発行された「現代用語の基礎知識2022」においては、令和3年中に注目された物(食に係るヒット商品)として、原告商品の俗称たる「地球グミ」の語が取り上げられるに至った。以上の事情に照らすと、「地球グミ」の語(引用標章1)は、遅くとも本件査定日(令和4年2月22日)までには、原告又は原告商品の製造業者の業務に係る商品(原告商品)を表示するものとして、需要者(引用標章1が使用される商品の内容及び性質並びに前記1の事実に照らすと、若者を始めとするグミキャンディの消費者であると認められる。)の間に広く認識されている商標に該当していたものと認めるのが相当である。イ なお、被告は、引用標章1は商標として使用されていなかったと主張するが、

5 前記1(13)、(15)、(16)及び(25)によると、原告は、原告商品に関する広告を内容

とする情報に引用標章1を付して電磁的方法により提供していたと認められるから、

(被告の主張)

を採用することはできない。

(2) 本件商標と引用標章1の類否

前記第2の1(5)のとおり、本件商標は、「地球グミ」の文字を標準文字で表してなるものである。これに対し、前記第2の3(1)ア(ア)のとおり、引用標章1は、「地球グミ」の文字を書してなるものである。このように、本件商標と引用標章1は、その外観において、極めて相紛らわしいものである。また、本件商標及び引用標章1からは、いずれも「チキュウグミ」の称呼が生じるから、両者は、称呼を同じくする。さらに、前記(1)アにおいて説示したところに照らすと、「地球グミ」は、需要者の間において原告商品を指す語であると認識されるといえるから、本件商標及び引用標章1からは、いずれも、「地球のグミキャンディ」などの観念のほか、「原告商品」(商品名を「Trolli Planet Gummi」、「Planet Gummi」などとするグミキャンディ)の観念が生じるといえ、両者は、観念を同じくする。以上によると、本件商標は、引用標章1と称呼及び観念を同じくし、外観において極めて相紛らわしいから、引用標章1に類似する商標であると認めるのが相当である。

(3) 商品の類否

前記第2の1(6)及び3(1)ア(イ)のとおり、本件商標に係る指定商品と引用標章1に係る使用商品は、いずれも「グミキャンディ」であるから、本件商標に係る指定商品は、引用標章1に係る使用商品と同一である。

(4) 小括

以上のとおり、本件商標は、商標法4条1項10号に掲げる商標に該当するとこ

5 ろ(なお、本件出願日において本件商標が同号に掲げる商標に該当しなかった旨の

主張立証(商標法4条3項)はない。)、これと異なる本件審決の判断は誤りであり、取消事由1は理由がある。

3 結論

以上の次第であるから、取消事由2について判断するまでもなく、原告の請求は理由がある。知的財産高等裁判所第2部裁判長裁判官清 水 響裁判官浅 井 憲裁判官勝 又 来 未 子

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