令和6(行ケ)10007行政訴訟 商標権
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裁判所 |
知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所
|
裁判年月日 |
令和6年8月5日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
原告エスエスシー出版有限会社 被告特許庁長官
|
法令 |
商標権
商標法4条1項11号11回 商標法4条1項15号5回
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キーワード |
審決14回 商標権3回 拒絶査定不服審判1回 抵触1回
|
主文 |
1 特許庁が不服2023-12344号事件について令和5年12月26日
2 訴訟費用は被告の負担とする。
1 特許庁における手続の経過等(当事者間に争いがない。)
4月14日付け手続補正書を提出し、本願の指定商品を第16類「オフロー
2 本件審決の理由の要旨
1は、「Jimny」のつづりを共通にすることから、外観が類似する。
3 取消事由
1 取消事由1:本願商標と引用商標の類否(商標法4条1項11号)の判断
2 取消事由2:本願商標に係る「混同を生ずるおそれ」(商標法4条1項1520
1 商標法4条1項11号、15号と「取引の実情」について25
2 認定事実5
1年創刊)、「JIMNY CUSTOM BOOK」(平成24年創
10年以上(「JIMNY SUPER SUZY」を含めれば20年
30年以上前の自動車カタログという希少性に基礎づけられていること
5日発売した」などの記載があるものである。しかし、その内容は、ト
3 取消事由1:本願商標と引用商標の類否(商標法4条1項11号)の判断
0日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成20年9
2(2)ア参照)等に係る業務に対して、第三者の活動を側面から援助する
4 取消事由2:本願商標に係る「混同を生ずるおそれ」(商標法4条1項1
5号)の判断の誤りについて
10年以上にわたって発行していることを知悉しながら、Jimny商
5 結論
1 引用商標1(甲8)
2 引用商標2 |
事件の概要 |
1 特許庁における手続の経過等(当事者間に争いがない。)
(1) 原告は、令和5年1月17日、「Jimny Fan」の欧文字と「ジ25
ムニーファン」の片仮名を2段に書してなる別紙「本願商標」記載の商標
(本願商標)について、第16類「印刷物」を指定商品として登録出願した。 |
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判決文
令和6年8月5日判決言渡
令和6年(行ケ)第10007号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和6年6月10日
判 決
原 告 エスエスシー出版有限会社
10 同訴訟代理人弁理士 髙 橋 幸 夫
被 告 特 許 庁 長 官
同 指 定 代 理 人 岩 谷 禎 枝
同 板 谷 玲 子
15 同 真 鍋 伸 行
主 文
1 特許庁が不服2023-12344号事件について令和5年12月26日
にした審決を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
20 事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文と同旨
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経過等(当事者間に争いがない。)
25 (1) 原告は、令和5年1月17日、「Jimny Fan」の欧文字と「ジ
ムニーファン」の片仮名を2段に書してなる別紙「本願商標」記載の商標
(本願商標)について、第16類「印刷物」を指定商品として登録出願した。
(2) 原告は、令和5年3月14日付けで拒絶の理由が通知されたため、同年
4月14日付け手続補正書を提出し、本願の指定商品を第16類「オフロー
ド車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」(以下「本願補正商
5 品」という。)に補正したが、同年6月20日、拒絶査定を受けたため、同
年7月24日、拒絶査定不服審判を請求した。
特許庁は、上記請求を不服2023-12344号事件として審理を行
い、同年12月26日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(本
件審決)をし、その謄本は令和6年1月10日原告に送達された。
10 (3) 原告は、令和6年2月5日、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起
した。
2 本件審決の理由の要旨
(1) 本件審決の理由の骨子は、本願商標は、商標法4条1項11号に該当し、
仮に同号に該当しないとしても、同項15号に該当するから、登録すること
15 ができないというものである。
(2) 商標法4条1項11号該当性に関する判断の要旨
ア 本願商標の構成中の「Jimny Fan」の欧文字は、「Jimny」
の欧文字と「Fan」の欧文字の間に1文字分のスペースを有すること
から、「Jimny」の欧文字と「Fan」の欧文字は分離して観察され
20 る場合があるといえる。
そして、スズキ株式会社(以下「スズキ社」という。)のオフロード車
の名称である「Jimny(ジムニー) (以下「Jimny商標」とい
」
う。)は、遅くとも、本願商標の登録出願日以前より現在に至るまで、ス
ズキ社の業務に係るオフロード車の名称を表示するものとして、我が国
25 における自動車を使用する幅広い年齢層の需要者の間に知られているも
のと認められる。
イ 本願補正商品に接する需要者は、かかる情報雑誌がスズキ社のオフロー
ド車「Jimny(ジムニー)」に関する商品と認識するというのが相当
である。
ウ 「Jimny Fan」の欧文字と「ジムニーファン」の片仮名は、
5 「スズキ社のオフロード車『Jimny(ジムニー)』の愛好者」といっ
た意味合いを認識させるものである。そうすると、本願商標は、その構
成中の「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名が強く支配的
な印象を与えるものであり、引用商標との類否を判断するに当たって、
当該文字を本願商標の要部として抽出し、これを引用商標と比較して商
10 標の類否を判断することも許されるというべきである。
エ 別紙「引用商標」記載1の登録第6214256号商標(以下「引用商
標1」という。)及び同2の登録第6623643号商標(以下「引用商
標2」といい、引用商標1と併せて、単に「引用商標」という。)は、い
ずれも「ジムニー」の称呼を生じ、「スズキ社のオフロード車の名称」の
15 観念を生じるものである。
オ 本願商標の要部と引用商標1を比較すると、本願商標の要部と引用商標
1は、「Jimny」のつづりを共通にすることから、外観が類似する。
さらに 、同文字から生じる「ジムニー」の称呼及び「スズキ社のオフ
ロード車の名称」の観念を共通にすることから、本願商標と引用商標1
20 は、互いに紛らわしい類似の商標である。
また、本願商標の要部と引用商標2を比較すると、本願商標の要部の
「Jimny」と引用商標2の構成中の「JIMNY」の欧文字とは、
語頭の「J」の欧文字を共通にし、その余のつづりも大文字と小文字の
違いのみであり、「ジムニー」の片仮名を共通にするから、外観が類似し、
25 同文字から生じる「ジムニー」の称呼及び「スズキ社のオフロード車の
名称」の観念を共通にすることから、本願商標と引用商標2は、互いに
紛らわしい類似の商標である。
カ 本願補正商品と引用商標1に係る指定商品中の第16類「印刷物」並び
に引用商標2に係る指定商品及び指定役務中の第9類「電子出版物」及
び第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対す
5 る便益の提供」とは、同一又は類似する商品及び役務である。
キ 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本
願補正商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似す
るものである。したがって、本願商標は、商標法4条1項11号に該当
する。
10 (3) 商標法4条1項15号該当性に関する判断の要旨
仮に、本願商標が商標法4条1項11号に該当しないとしても、Jimn
y商標は、スズキ社のオフロード車の名称を表示するものとして、遅くとも、
本願商標の登録出願日以前より現在に至るまで、我が国における自動車を使
用する幅広い年齢層の需要者の間に知られており、本願商標の構成中の「J
15 imny」とJimny商標は、外観が類似し、「ジムニー」の称呼及び
「スズキ社のオフロード車の名称」の観念を共通にすることから、互いに紛
らわしい商標であり、類似性の程度は高いものであること、本願補正商品の
需要者は、スズキ社のオフロード車Jimnyの購入者あるいは同商品に関
心がある者であると容易に推認できるため、これらの商品の需要者は共通す
20 ること、「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名は、いずれも、
一般の辞書等に載録のない語であり、独創性の程度は高いといえることから
すると、原告(請求人)がこれを本願補正商品について使用した場合、取引
者、需要者は、その商品がスズキ社あるいは同社と経済的若しくは組織的に
何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出
25 所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、仮に、本願商標が商標法4条1項11号に該当しないとして
も、本願商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあ
る商標であるから、商標法4条1項15号に該当する。
3 取消事由
(1) 本願商標と引用商標の類否(商標法4条1項11号)の判断の誤り
5 (2) 本願商標に係る「混同を生ずるおそれ」(商標法4条1項15号)の判
断の誤り
第3 取消事由に関する当事者の主張
1 取消事由1:本願商標と引用商標の類否(商標法4条1項11号)の判断
の誤りについて
10 【原告の主張】
本願商標は、以下のとおり、その外観、称呼、観念において一体のものであ
り、取引者、需要者の点からしても、本願商標のうちの「Jimny」の欧文
字と「Fan」の欧文字、「ジムニー」の片仮名と「ファン」の片仮名は、そ
れぞれ分離して観察されるべきではない。
15 (1) 本願商標の「Jimny」の欧文字と「Fan」の欧文字の間に存在す
るのは単に1文字分のスペースであり、「Jimny」の欧文字と「Fan」
の欧文字が著しく離れているとは到底いい難く、また、「ジムニー」の片仮
名と「ファン」の片仮名は同じ書体でまとまりよく続けて一体的に記載され
ている。
20 本願商標からは「ジムニーファン」という称呼が生じるが、長い読みで
はないため、淀みなく一連に称呼し得る上、本願商標の構成中、「Jimn
y」の欧文字と「Fan」の欧文字は観念上のつながりがあり、両文字は強
く結合していて、全体として一体不可分の概念を表している。
(2) 本願補正商品が「オフロード車の改造に用いる部品及び附属品に関する
25 情報雑誌」であることからしても、本願商標に接する需要者は、Jimny
の改造車の所有者及び同改造車に興味のある者である。原告は、本願補正商
品に該当する「Jimny Fan」という名称の雑誌(以下「本件雑誌」
という。)を平成24年4月以降、継続的に発行しているところ、本件雑誌
には、スズキ社が製造する「純正品」に関する情報は掲載されておらず、
「オフロード車の改造」に関心のない者、すなわちJimnyの未改造車の
5 所有者及び同未改造車だけに興味のある者が本件雑誌に興味を示すことはな
い。そして、このような需要者が本件雑誌に接した場合、Jimnyの改造
に専門的知識があるため、雑誌名全体を注意深く確認するのであり、わざわ
ざ「Jimny」の欧文字と「ジムニー」の片仮名だけを抽出して、Jim
nyに関する商品であるなどと間違った認識をすることはない。しかも、J
10 imnyの改造に用いる部品、附属品に関する情報雑誌は約25年前から市
場に流通しており、こうした情報雑誌の雑誌名に「Jimny」の欧文字及
び「ジムニー」の片仮名を含めることは、取引慣行として定着しており、需
要者が上記のような誤った認識をすることはない。
(3) 本件審決は、本願商標の構成中の「Jimny」の欧文字及び「ジム
15 ニー」の片仮名が強く支配的な印象を与えるとするが、「Fan」の欧文字
と「ファン」の片仮名の部分も、自他商品識別力があるため、決して捨象さ
れるべきではない。
そして、スズキ社は、Jimnyの改造車を扱わず、改造に用いる部品
及び附属品に関する情報雑誌を発刊することなどあり得ないから、本願商標
20 のうちの「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名の部分が支配的
な印象になることは考えられない。
【被告の主張】
(1) Jimny商標は、我が国における自動車を使用する、あるいは、自動
車に関心を有する幅広い年齢層の需要者の間に認識されるに至っており、本
25 件雑誌のタイトルと認識できる「Jimny Fan」及び「ジムニーファ
ン」に接する需要者は、「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名
より、かかる情報雑誌が、スズキ社のオフロード車であるJimnyに関す
る商品と認識するというべきである。本願商標の構成中の「Jimny」の
欧文字及び「ジムニー」の片仮名は、スズキ社のオフロード車を示すものと
して注意を惹き、取引者・需要者に対し、本願商標の構成中の「Fan」の
5 部分に比べて、出所識別標識としてより強く支配的な印象を与えるものとい
える。
よって、引用商標との類否を判断するに当たって、「Jimny」の欧文
字及び「ジムニー」の片仮名の部分を本願商標の要部として抽出し、これを
引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
10 本願商標は、その構成文字全体に相応して「ジムニーファン」の称呼を生じ
るほか、その構成中の「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名に
相応して、「ジムニー」の称呼を生じ、「スズキ社のオフロード車の名称」の
観念を生じるものである。
(2) 上記(1)で示した本願商標の要部と引用商標を比較すると、本願商標が
15 引用商標1及び引用商標2のいずれとも互いに紛らわしい類似の商標と判断
されるべきことは、本件審決の説示(前記第2の2(2)オ)するとおりであ
る。
(3) 以上のとおり、本願商標は引用商標と類似する商標であり、その旨の本
件審決の判断に誤りはない。
20 2 取消事由2:本願商標に係る「混同を生ずるおそれ」(商標法4条1項15
号)の判断の誤りについて
【原告の主張】
(1) 商標法4条1項15号の「混同を生ずるおそれがある」か否かについて
は、「他人の表示の周知著名性及び独創性の程度」に加え、「当該商標と他
25 人の表示との類似性の程度」、「商品等の取引者及び需要者の共通性」、
「当該商標の指定商品と他人の業務に係る商品との間の性質、用途又は目的
における関連性の程度」並びに「取引の実情」に照らし、「当該商標の指定
商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力」を基準として、総
合的に判断されるべきである。
上記のとおり、本願商標は分離して観察されるべきではなく、その構成
5 全体をJimny商標と対比して混同を生ずるおそれがあるかを検討すべき
であるところ、本願商標とJimny商標は、その外観、称呼及び観念のい
ずれにおいても明確に区別することができ、両者が異なるものであることは
明白である。
(2) また、本願商標に接する本件雑誌の需要者は、上記のとおり、Jimn
10 yの改造車の所有者及び同改造車に興味のある者であり、Jimnyの未改
造車の所有者及び同未改造車だけに興味のある者は含まれない。こうした本
件雑誌の需要者は、その専門的知識の高さや注意深さ、趣味性や嗜好性の高
さを踏まえると、本願商標とJimny商標を混同することなどあり得ない。
そして、取引の実情からしても、本願補正商品とスズキ社が製造するJ
15 imnyの未改造車との間には、製品の性能、需要者、価値などが異なり、
両製品は混じり合うことなく、スズキ社は、純正品は取り扱うが社外品は取
り扱わないことから、関連性はない。さらに、「ジムニー」の片仮名又は
「Jimny」若しくは「JIMNY」の欧文字が存在する「ジムニー」の
改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌は、第三者によって多数発刊
20 され、混乱をきたすことなく明確に棲み分けられている。そして、スズキ社
がこうした情報雑誌を発刊することもあり得ず、上記の本件雑誌の需要者も
このことを熟知している。
【被告の主張】
仮に、本願商標が商標法4条1項11号に該当しないとしても、本願商標は、
25 同項15号に該当する。
すなわち、Jimny商標は、スズキ社のオフロード車の名称を表示するも
のとして、遅くとも、本願商標の登録出願日以前より審決時に至るまで、我が
国における自動車を使用する、あるいは、自動車に関心を有する幅広い年齢層
の需要者の間に認識されていた。そして、本願商標の要部とJimny商標は、
外観が類似し、「ジムニー」の称呼及び「スズキ社のオフロード車の名称」の
5 観念を共通にすることから、互いに紛らわしい類似の商標であり、類似性の程
度は極めて高いものである。仮に、本願商標が一連一体として判断されたとし
ても、本願商標は、その構成中に「スズキ社のオフロード車の名称」を表示す
る周知著名なJimny商標を含むことからすると、本願商標とJimny商
標との類似性の程度は高いものである。そして、本願補正商品とスズキ社のオ
10 フロード車Jimnyとは関連性を有するといえ、本願補正商品の需要者は、
スズキ社のオフロード車Jimnyの購入者あるいは同商品に関心がある者で
あると容易に推認できるから、本願補正商品とJimny商標の使用に係る商
品「自動車」の需要者は共通し、その需要者には、スズキ社のオフロード車J
imnyに関心のある幅広い一般消費者が含まれ、特段注意力が高いとはいえ
15 ない。また、「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名は、いずれも、
一般の辞書等に載録のない語であり、独創性の程度は高いものである。
これらを総合的に考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「Ji
mny」の文字部分に着目して、Jimny商標又はスズキ社の取扱いに係る
商品であることを連想又は想起させるといえるものであるから、原告がこれを
20 本願補正商品に使用した場合、取引者・需要者は、その商品がスズキ社あるい
は同社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るもので
あるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべ
きである。
第4 当裁判所の判断
25 1 商標法4条1項11号、15号と「取引の実情」について
(1) 商標法4条1項11号の商標の類否は、対比される両商標が同一又は類
似の商品・役務に使用された場合に、商品・役務の出所につき誤認混同を生
ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような
商品・役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与
える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察する必要があり、しかも、
5 その商品・役務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況
に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法
廷判決・民集22巻2号399頁)。
(2) 商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商
標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程
10 度や、当該商標の指定商品・役務と他人の業務に係る商品・役務との間の関
連性の程度、取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、上
記指定商品・役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準
として、総合的に判断すべきである(最高裁平成12年7月11日第三小法
廷判決・民集54巻6号1848頁)。
15 (3) ところで、一般に、自動車メーカーが、自ら又は系列ディーラー等(自
動車メーカーのいわゆる親子会社関係や系列会社等の緊密な営業上の関係又
は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主を
いう。以下同じ。)を通じて、その製造販売する自動車の関連グッズ(キー
ホルダー、Tシャツ、帽子等)を販売したり、付随するサービス(自動車の
20 メンテナンス、カーライフを楽しむ情報発信等)を提供することは珍しくな
いと解される。
しかし、本願商標の指定商品(本願補正商品)は、第16類「オフロー
ド車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」という極めて狭い市
場において流通すると考えられる(いわゆるニッチな)商品である点に特徴
25 があり、そのような本願補正商品についても、自動車の関連グッズや付随
サービスに関する上記の一般論が妥当するのか等につき、取引の実情を明ら
かにした上、当該取引の実情に基づいて、商標法4条1項11号及び15号
該当性の判断をする必要がある。
当裁判所は、このような観点から、原告代表者尋問を職権で採用するな
ど必要な証拠調べを行ったところ、その結果は下記2のとおりである。
5 2 認定事実
後掲の証拠に弁論の全趣旨を総合すれば、下記(1)、(2)の事実が認められ
る(下記(3)で事実認定の補足説明を加える。)。
(1) スズキ社のオフロード車ジムニーについて(甲8、9、乙1~12、原
告代表者)
10 ア スズキ社は、昭和45年にオフロード車「Jimny(ジムニー)」
(以下、単に「ジムニー」という。)の販売を開始した。ジムニーは、
その後、現在に至るまで50年以上にわたり、悪路走破性の高い軽四輪
駆動車して量産され、世界累計販売台数は令和2年に300万台を突破
した。同年、初代ジムニーは日本自動車殿堂「歴史遺産車」に選定され、
15 「多様な用途に対応するロングセラーモデル」、「新たな軽自動車の道
を切り拓いた歴史的名車」などと評価された。平成30年に20年ぶり
にフルモデルチェンジしたジムニー(現行モデル)は、グッドデザイン
金賞を受賞するなど、近年、特に人気が高まっており、令和5年11月
の軽四輪車の新車販売速報で乗用車ベスト15の第12位にランキング
20 されている。
イ スズキ社は、引用商標1(令和2年1月8日登録)及び引用商標2(令
和4年10月5日登録)の商標権者であるが、これら引用商標の登録以
前から、その製造販売に係るジムニーにJimny商標を使用してきた。
Jimny商標は、本願商標の出願時(令和5年1月17日)以前から
25 現在に至るまで、スズキ社の製造販売するオフロード車の名称を表示す
るものとして、我が国の幅広い年齢層の自動車ユーザー等の間で広く知
られるに至っていた。
(2) オフロード車の改造に関する取引の実情(甲1、7、原告代表者)
ア オフロード車の改造とは
オフロード車の改造(カスタマイズ)は、例えば、正規品のタイヤを
5 大径タイヤに交換する、サスペンションに手を加え車高を上げる(下げ
る)、オフロード性能の向上のためにエンジンギア等の駆動系を変更す
る、前後のバンパーを変更して外観の印象を変えるなど、目的も手法も
極めて多様なものが含まれる。
ジムニーは、車体価格が比較的安いこと、簡素で頑丈な構造ながら改
10 造の余地が大きいこと、純正部品以外のものを含めカスタムパーツが豊
富であること等から、改造のベースとなるオフロード車として特に人気
が高い。そうした改造車のユーザーにあっては、本体の購入価格を大幅
に超えて、数百万円もの費用をかけて改造を行うという事例も珍しくな
い。そのようなユーザーを相手に改造車やその部品を専門的に取り扱う
15 ショップも全国に相当数存在しており、また、ジムニー改造車のオー
ナー同士の交流も活発で、ジムニーのカスタマイズ市場というべき特異
なマーケットが成立している(原告代表者の表現によると、ユーザーが
濃く、すごく深いところでビジネスとして成り立っているとされる。)。
イ ジムニーの改造に関する情報雑誌
20 上記のような特異なマーケットを意識した情報雑誌はかなり以前から
存在しており、いずれも原告が発行主体となっている「JIMNY S
UPER SUZY」(平成10年創刊)及び本件雑誌(「Jimny
Fan」、平成24年創刊)のほか、「ジムニー天国」(平成9年創
刊)、「jimny plus」(平成16年創刊)、「ジムニー ス
25 タイル」(平成17年創刊)、「JIMNY REPORT」(平成2
1年創刊)、「JIMNY CUSTOM BOOK」(平成24年創
刊)、「JIMNY Turning」(平成27年創刊)がある。
これらの中でも特に販売実績があるのは本件雑誌であり、令和5年ま
でに第13号までが発行され、最初の第1号~第3号は毎号3万部を発
行し、そのうちの2万8000部を全国の書店やコンビニエンスストア
5 に配本した。書店数が全国的に減少している近時の配本数は8000部
台にとどまっているが、それでも業界内では高い部数を維持していると
いえる。
本件雑誌の最新号(第13号、甲1)は、①表紙に、引用商標1と同
じ字体を用いた「Jimny Fan」の題名と、「大好きなジムニー
10 だから/オンリーワンに仕上げたい/そんなヒントが溢れる一冊!!」と
いうキャッチコピーが大書されており、②本文は、ジムニーの改造車を
取り扱うショップ及び取扱商品の紹介、個人オーナーに係るジムニー改
造車の紹介(オーナーの顔写真付き。なお、紹介されている個人オー
ナーは全部で約450名に上る。)、改造部品の紹介が中心であるが、
15 「林道走行の極意」といったオフロード車ユーザー向け関連記事も含ま
れている。また、③裏表紙には、スズキ社提供のジムニーの全面広告が
掲載されている。
本件雑誌以外の上記各情報雑誌の多くも、上記②と似通った内容のも
のであり、いずれも本願補正商品に該当するものといえる。これら情報
20 雑誌の発行主体は、いずれも、スズキ社その他の自動車メーカー又はそ
の系列ディーラー等とは直接関係のない第三者である。
ウ 自動車メーカー等の本願補正商品への関わり
スズキ社が系例ディーラー等を通じて、ストライプ、サンバイザー、
マット等のいわゆる純正部品を提供することはあり、本件雑誌において
25 も、そうした純正部品を紹介することがある(このことは原告代表者も
自認している。)。
しかし、スズキ社を含む自動車メーカーが自ら又は系列ディーラー等
を通じて、「オフロード車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報
雑誌」を現に発行している事実はなく、近い将来そのような情報雑誌の
発行を予定しているといった事実もない(この点、下記(3)の事実認定の
5 補足説明を参照)。
スズキ社は、原告が「Jimny Fan」という題名の本件雑誌を
10年以上(「JIMNY SUPER SUZY」を含めれば20年
以上)にわたって発行していることを知悉しながら、引用商標の無断使
用であるとか、Jimny商標との関係での誤認混同を生じさせると
10 いった警告、クレームを原告に伝えたことはない。むしろ、原告に広告
料を支払って本件雑誌にジムニーの広告を掲載し、本件雑誌を購入する
(ただし定価の7掛け)などして、本件雑誌の発行を援助している。
(3) 事実認定の補足説明
被告は、自動車メーカーが自動車に関する印刷物を作成、頒布している
15 ことを示す証拠として、乙14~17を提出するが、以下に述べるとおり、
上記(2)ウの認定を左右するものではない。
ア 乙14、15は、ジムニーを販売する際に使用されるカタログであり、
ジムニーの主要装備、主要諸元、走行性能や安全性能に関するアピール
ポイント等が記載されているものである。しかし、このカタログ自体が
20 商品として取引されている実情があるとは認められないし、そもそも
「改造」については全く触れられていない。スズキ社又は系列ディー
ラー等がこのようなカタログを頒布している事実があるとしても、本願
補正商品との関連性は認められない。
イ 乙16は、昭和63年2月発行のジムニーのカタログが古本屋で800
25 円で売りに出されていることを示す証拠である。しかし、その商品性が、
30年以上前の自動車カタログという希少性に基礎づけられていること
は明らかであり、また、そもそも「改造」については全く触れられてい
ないことは上記アと同様である。これについても、本願補正商品との関
連性は認められない。
ウ 乙17は、令和3年2月25日発行の「トヨタイムズマガジン」で、
5 「トヨタイムズは初の雑誌版となる『トヨタイムズ magazine』を2月2
5日発売した」などの記載があるものである。しかし、その内容は、ト
ヨタ社の経営に関する●●●●社長のメッセージ等であって、オフロー
ド車を含む自動車の「改造」や、その部品、附属品については全く触れ
られていない。これについても、本願補正商品との関連性は認められな
10 い。
3 取消事由1:本願商標と引用商標の類否(商標法4条1項11号)の判断
の誤りについて
(1) 本願商標について
ア 本願商標は、「Jimny Fan」の欧文字と「ジムニーファン」の
15 片仮名を2段に書してなる結合商標であるところ、その構成文字全体に
相応して「ジムニーファン」の呼称を生じる。
その構成部分中、「Jimny」の欧文字及び「ジムニー」の片仮名
の部分にのみ着目すれば、周知のスズキ社のオフロード車ジムニーを表
すものであり(上記2(1)イ)、また、「Fan」の欧文字及び「ファン」
20 の片仮名の部分に着目すれば、「スポーツ・演劇・映画・音楽などで、
ある分野・団体・個人をひいきにする人。」の意味を有する語(乙13)
である。そうすると、本願商標を全体としてみれば、「スズキ社のオフ
ロード車ジムニーの愛好者」といった観念を生じさせるものといえる。
イ そして、本願商標上段の「Jimny」と「Fan」の欧文字は同じ字
25 体であり、その字の大きさも同じものであるから、両者は同格の印象を
受けるものである。また、両欧文字の間には中1字分の空白が存在する
ものの、前者の「Jimny」がアルファベット5文字、後者の「Fa
n」がアルファベット3文字で構成されていることからすると、全体と
して冗長なものともいえず、中1字分の空白があるからといって両欧文
字は別個独立の構成である との印象が生じるわけでもな い。そして、
5 「ジムニーファン」の片仮名の部分に関していえば、欧文字文の部分に
相応する空白もない。そうすると、本願商標の外観上、「Jimny」、
「ジムニー」の部分と「Fan」、「ファン」の部分を分離して観察す
る根拠はないというべきである。
ウ ところで、結合商標の構成部分の一部が、取引者・需要者に対して商
10 品・役務の出所の識別標識として強く支配的な印象を与える場合、当該
一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類
否を判断するという手法が妥当することはある(最高裁平成5年9月1
0日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成20年9
月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
15 これを本件について見るに、確かに、Jimny商標(「Jimny
(ジムニー)」)がスズキ社の製造販売するオフロード車の名称を表示
するものとして、我が国の幅広い年齢層の自動車ユーザー等の間で広く
知られていたことは上記のとおりであり、したがって、仮に、Jimn
y商標が「自動車」に使用された場合を想定すれば、商品の出所識別標
20 識として強く支配的な印象を与えると判断することには十分な理由があ
るといえる。しかし、本件で問題とすべきは、本願商標を本願補正商品
に使用したときに、取引者・需要者が出所識別標識としていかなる認識
を有するかということである。
このような観点から考えると、まず、客観的な事実として、スズキ社
25 を含む自動車メーカー が自ら又は系列ディーラー等 を通じて 、「オフ
ロード車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」を発行して
いる事実は認められない。のみならず、原告代表者によれば、スズキ社
を含む自動車メーカーは、前述したジムニーのカスタマイズ市場(上記
2(2)ア参照)等に係る業務に対して、第三者の活動を側面から援助する
ことはあっても、主体的に関わることは避けていることがうかがわれる。
5 このような中、本願商標を使用した本願補正商品に接した取引者・需要
者において、スズキ社を含む自動車メーカー又はその系列ディーラー等
が発行主体となっている(可能性がある)と認識するとは考え難い(そ
のような認識を基礎づける証拠は一切提出されていない。)。
なお、オフロード車の改造に関心を有しているであろう本願補正商品
10 の取引者・需要者が本願商標に接した場合、本願商標中の「Jimny」
及び「ジムニー」の部分が、改造のベースとなる車両として強く支配的
な印象を与えることは想像に難くないが(実際、本件雑誌がそれを意図
していることは明らかである。)、それは「出所識別標識」とは次元の
異なる問題であり、「Jimny」及び「ジムニー」の部分を結合商標
15 の要部として抽出する根拠となるものではない。
本件審決が、「本願商標は、その構成中の『Jimny』の欧文字及
び『ジムニー』の片仮名が強く支配的な印象を与えるものであり、引用
商標との類否を判断するに当たって、当該文字を本願商標の要部として
抽出し、これを引用商標と比較して商標の類否を判断することも許され
20 る」とした判断は、「商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を
与える場合」に結合商標の要部認定を認める前記最判の趣旨を正解しな
いものといわざるを得ない。
(2) 本願商標と引用商標との類否
上記(1)で判断したとおり、本願商標の構成中の「Jimny」の欧文字
25 及び「ジムニー」の片仮名を要部として抽出し、これを引用商標と比較して
商標の類否を判断した本件審決の手法は誤りであり、他に本願商標の「Ji
mny」の欧文字及び「ジムニー」片仮名の部分を要部として抽出すべき根
拠は見いだせない。そうすると、本願商標の全体観察を前提に引用商標との
比較をすべきところ、引用商標1及び引用商標2のいずれも、本願商標の構
成部分である「Fan」及び「ファン」に相当する構成を欠いている。その
5 結果、本願商標と引用商標1及び引用商標2は、商標全体としての外観が異
なることはもとより、下表のとおり、称呼及び観念も異なっており、両者の
類似性を肯定することはできない。
称 呼 観 念
本願商標 ジムニーファン スズキ社のオフロード車ジムニー
の愛好者
引用商標1 ジムニー スズキ社のオフロード車の名称
引用商標2 ジムニー スズキ社のオフロード車の名称
(3) まとめ
以上によれば、本願商標は商標法4条1項11号に該当するものではな
10 く、取消事由1は理由がある。
4 取消事由2:本願商標に係る「混同を生ずるおそれ」(商標法4条1項1
5号)の判断の誤りについて
(1) 上記1(2)の枠組みに従って判断するに、まず、Jimny商標がスズ
キ社の製造販売するオフロード車の名称を表示するものとして、我が国の幅
15 広い年齢層の自動車ユーザー等の間で広く知られていたことは上記のとおり
であり、また、「Jimny(ジムニー)」は普通名詞に由来しない造語と
理解されるものである。したがって、Jimny商標の周知著名性及び独創
性の程度は、いずれも高いものと評価される。
(2) そこで、次に、本願商標の指定商品(本願補正商品)とスズキ社の業務
20 に係る商品・役務との関連性について検討する。
ア 上記1(3)でも述べたように、自動車メーカーが自ら又は系列ディー
ラー等を通じて自動車の関連グッズを販売したり付随サービスを提供し
たりすることは珍しくないと解され、スズキ社においても、オフロード
車(ジムニー)そのものにとどまらない一定の商品・役務につき、周知
のJimny商標に係る信用を利用して、ジムニー関連ビジネスという
5 べき業務を展開することは十分考えられる。
イ しかし、本願商標の指定商品(本願補正商品)は、第16類「オフロー
ド車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」 という極めて
ニッチな商品であるところ、取引の実情として先に認定したとおり、ス
ズキ社を含む自動車メーカー が自ら 又は系列ディーラー等 を通じて 、
10 「オフロード車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」を発
行している事実はなく、また、本願商標を使用した本願補正商品に接し
た取引者・需要者において、スズキ社を含む自動車メーカー又はその系
列ディーラー等が発行主体となっている(可能性がある)と認識すると
も考え難い。
15 加えて、スズキ社は、原告が本願商標の構成と同じ題名の本件雑誌を
10年以上にわたって発行していることを知悉しながら、Jimny商
標との関係での誤認混同を生じさせるといった警告、クレームを原告に
伝えたこと がない ばかりか、原告に広告料を支払って本件雑誌にジム
ニーの広告を掲載するなどして本件雑誌の発行を援助していることも前
20 述のとおりである。
ウ 以上の事実関係に原告代表者の供述を総合すると、スズキ社がJimn
y商標の下で展開する業務としては、オフロード車(ジムニー)そのも
のにとどまらない関連グッズ、付随サービスを含み得るものではあるが、
「オフロード車の改造に用いる部品及び附属品に関する情報雑誌」に係
25 る業務は、スズキ社又はその系列ディーラー等とは直接関係のない第三
者によって提供されているのが実情であり、スズキ社とは抵触関係に立
たない「棲み分け」が成立していると認められる。
(3) 以上によれば、本願商標を本願補正商品に使用したとしても、スズキ社
のJimny商標に係る商品・役務との混同を生ずるおそれは認められない
というべきである。よって、本願商標は、商標法4条1項15号に該当する
5 ものではない。
なお、Jimny商標に係る商品(オフロード車)と本願商標の指定商品
(本願補正商品)の取引者・需要者は、相当程度共通していると推認される
が、そうだとしても、上記判断が左右されるものではない。
5 結論
10 以上によれば、本願商標が商標法4条1項11号又は同項15号に該当する
とした本件審決の判断には誤りがあり、原告の請求は理由がある。よって、本
件審決を取り消すこととして、主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第4部
15 裁判長裁判官
宮 坂 昌 利
裁判官
本 吉 弘 行
裁判官
岩 井 直 幸
別紙
本願商標
指定商品(本願補正商品):第16類「オフロード車の改造に用いる部品及び附属
10 品に関する情報雑誌」
別紙
引用商標
1 引用商標1(甲8)
登録第6214256号
10 【設定登録】令和2年1月8日(現に有効に存続)
【指定商品】
第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二
輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,電動四輪車並びにその部品及び
附属品,車いす,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の
15 機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」
第14類「キーホルダー,記念カップ,記念たて,身飾品,時計」
第16類「紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,印刷物,書画,写真,写真
立て」
第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」
20 第21類「化粧用具,プラスチック製の包装用瓶,台所用品(「ガス湯沸かし器・
加熱器・調理台・流し台」を除く。),食器類,清掃用具及び洗濯用具,貯金箱,
お守り」
第24類「織物,布製身の回り品」
第25類「被服,履物,帽子」
25 第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,運動用具」
【商標権者】スズキ社
2 引用商標2
登録第6623643号商標
【設定登録】令和4年10月5日(現に有効に存続)
【指定商品】
10 第9類「盗難警報器,業務用テレビゲーム機用プログラム,乗物運転技能訓練用シ
ミュレーター,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,眼鏡,運動用保護ヘ
ルメット,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイ
ル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」
第35類「自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提
15 供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子
出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,インターネットを利用して行う
映像の提供,インターネットを利用して行う画像の提供,興行の企画・運営又は開
催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型
20 自動車競走の興行に関するものを除く。),小型自動車競走の企画・運営又は開
催」
【商標権者】スズキ社
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