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令和6(ネ)10063不正競争等に対する損害賠償請求控訴事件

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裁判所 控訴棄却 知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所
裁判年月日 令和7年1月27日
事件種別 民事
当事者 被控訴人X
法令 不正競争
民法709条2回
キーワード 侵害8回
損害賠償6回
主文 1 本件控訴を棄却する。15
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
事件の概要 人」と、「被告」とあるのを「控訴人」と、「被告道場」とあるのを「控訴人道 場」と、「別紙」とあるのを「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。)

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判決文

令和7年1月27日判決言渡
令和6年(ネ)第10063号 不正競争等に対する損害賠償請求控訴事件(原審
東京地方裁判所令和5年(ワ)第70513号)
口頭弁論終結日 令和6年11月26日
5 判 決
控 訴 人 Y
同訴訟代理人弁護士 別 城 尚 人
10 被 控 訴 人 X
同訴訟代理人弁護士 中 澤 佑 一
同 船 越 雄 一
同 松 本 紘 明
主 文
15 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
20 2 前項の取消しに係る部分につき被控訴人の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
第2 事案の概要(略語の表記は原判決に従う。なお、
「原告」とあるのを「被控訴
人」と、「被告」とあるのを「控訴人」と、「被告道場」とあるのを「控訴人道
場」と、「別紙」とあるのを「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。)
25 1 本件は、空手道場を経営する被控訴人が、同じく空手道場を経営する控訴人
に対し、控訴人による原判決別紙投稿記事目録記載の記事(「本件各投稿」「本

件投稿1」ないし「本件投稿5」)の投稿が、被控訴人の名誉権及び名誉感情を
侵害するとともに、被控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行
為(不競法2条1項21号)に当たるとして、民法709条及び不競法4条に
基づき、損害賠償金380万円(慰謝料150万円、信用毀損による無形損害
5 200万円及び弁護士費用30万円の合計額)及びこれに対する不法行為の後
の日である令和5年9月4日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで民法所定
の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
原審が、被控訴人の請求を一部認容する判決をしたところ、控訴人が本件控
訴を提起した。
10 2 前提事実、争点及び当事者の主張は、次のとおり補正し、後記3のとおり当
審における控訴人の主な補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」
中(以下「事実及び理由」との記載を省略する。、第2の1及び2、第3(原

判決2頁8行目ないし同7頁5行目)に記載のとおりであるから、これを引用
する。
15 ⑴ 原判決2頁19行目の「回蹴り」を「回し蹴り」と改め、同頁24行目の
「2857号」の次に「。以下『別件訴訟』という。」を加える。
⑵ 原判決5頁22行目の「前記2の」の次に「摘示事実の」を加える。
3 当審における控訴人の主な補充主張
⑴ 本件各投稿には被控訴人と同定する可能性がないこと
20 ア 原判決は、ある投稿における匿名の人物が被控訴人であると同定できる
か否かについて、被控訴人と面識がある又は被控訴人に関する知識を有す
る者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきであるとしたが、誤
りである。
(ア) 一般の読者ではなく特定人を基準とすべき旨の判断基準は、判例に基
25 づくものではなく、明白な誤りであること
本件各投稿を含めた、投稿中の匿名の人物の投稿の同定可能性の判断
に関しては、投稿の一般の読者を基準とすべきであって、原判決に記載
された、ある投稿における匿名の人物が被控訴人であると同定できるか

否かについては、被控訴人と面識がある又は被控訴人に関する知識を有
する者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべき」との、読者中
5 の一部の、特定の知識を有する特定少数者に準拠した判断基準を立てる
ことは誤っている。原判決においても、本件投稿1、2、4及び5の名
誉毀損該当性の判断などでは、
「一般の読者(被控訴人を同定可能な者に
おいては当該者をいう。 の普通の注意と読み方を基準とする」
) などとし
て、一般の読者を判断基準としているところ、原判決には判断基準の一
10 貫性もない。
そもそも、原判決が同定可能性の判断基準として引用する最高裁昭和
29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決(民集10
巻8号1059頁) 「新聞記事がたとえ精読すれば別個の意味に解さ
は、
れないことはないとしても、いやしくも一般読者の普通の注意と読み方
15 を基準として解釈した意味内容に従う場合、その記事が事実に反し名誉
を毀損するものと認められる以上、これをもつて名誉毀損の記事と目す
べき」ことを判示するものであり、記事中の匿名の者の同定可能性が争
点となった判例ではなく、原判決が述べるような「ある投稿における匿
名の人物が被控訴人であると同定できるか否かについては、被控訴人と
20 面識がある又は被控訴人に関する知識を有する者の普通の注意と読み方
とを基準として判断すべきであること」を示すものではない(乙8の1
~3)。
発言や記事の内容によって摘示された事実がどのようなものであるか
という点について、記事の場合は、読者の普通の注意と読み方を基準と
25 して判断するのが相当である。そして、記事の中で特定の人物の氏名を
挙げていない場合に、当該人物が特定されるか否かについても、読者の
普通の注意と読み方を基準として決するのが相当であって、ある匿名記
事が特定の個人の名誉を毀損するか否かについては、当該記事に記載さ
れた対象人物に関する情報等を総合考慮することにより、不特定多数の
者が、匿名であってもなお当該特定人について記載されたものと認識す
5 ることが可能であるか否かとの観点から判断すべきである。
(イ) 本件各投稿の一般の読者は、控訴人のフェイスブックのフォロワー5
15名であること
本件各投稿は、一般に公開されており、不特定多数の者が閲覧可能で
あるところ、本件各投稿を含む控訴人のフェイスブックの一般の読者は、
10 控訴人のフェイスブックのフォロワー515名(甲6)である。そのた
め、本件各投稿における匿名の対象人物の同定可能性について判断する
場合には、控訴人のフェイスブックのフォロワー515名の一般読者の
普通の注意と読み方を基準として、本件各投稿に記載された被控訴人に
関する情報等を総合考慮することにより、本件各投稿の一般の読者が、
15 匿名であってもなお被控訴人について記載されたものと認識することが
可能であるか否かから判断されなければならない。
本件各投稿の読者が、本件各投稿の「道場主」が被控訴人であると特
定するためには、A の氏名から被控訴人をたどる必要があり、その前提
として、①A と面識があること、②A が所属していた道場が、本件道場
20 であったこと、③本件道場の「道場主」が被控訴人であること(以下、
控訴人の主張において「①ないし③の前提」という場合がある。)を知っ
ている必要がある。
控訴人がフェイスブック等で交流する者においても、A のことを知っ
ている者はほとんどおらず、控訴人のフェイスブックのフォロワー51
25 5名の中で、A のことを知っていたのは、B を除くと、
「C」師範(以下
「C’師範」という。、
)「D」師範(以下「D’師範」という。)及び「E」支
部長(以下「E’支部長」という。)及び F(以下「F’」という。)の4名
のみであった(甲6、乙4)。かかる4名の、控訴人のフェイスブックの
フォロワー515名の中での割合は、約0.8%に過ぎない。
イ 被控訴人と面識がある又は被控訴人が A の所属していた道場の道場主
5 であるという知識を有する者の普通の注意と読み方とを基準とすれば、当
該知識を手掛かりにして、本件投稿1、2、4及び5における「道場主」
は、被控訴人をいうものであると十分に同定することができるとの原判決
の判断は、誤りである。
前記アのとおり、控訴人のフェイスブックのフォロワー515名の中で、
10 A のことを知っていたのは、B を除くと、C’師範、D’師範、E’支部長及び
F’の4名のみであった。この4名は、いずれも、控訴人の本件各投稿を読
んだとは認められないが、そもそも、A による元投稿の投稿前に、元投稿
被控訴人関連情報(A の元投稿の「以前、自分が道場をやめた理由として、
妻がスパーリングを行っている際に、妻の相手をした道場主である指導者
15 から上段回し蹴りをもろに食らってしまい、後遺症が残るほどの大けがを
負わされ裁判を起こしたこと」をいい、以下、控訴人の主張において、こ
の内容を「元投稿被控訴人関連情報」という。)を、A 及び B から聞いて
知っていた。
原判決は、「被控訴人と面識がある又は被控訴人が A の所属していた道
20 場の道場主であるという知識を有する者の普通の注意と読み方とを基準
とすれば、当該知識を手掛かりにして本件投稿1、2、4及び5における
『道場主』は、被控訴人をいうものであると十分に同定することができる」
と判示するが、本件各投稿の一般の読者の中で、元投稿被控訴人関連情報
から、「道場主」を被控訴人と同定することができる C’師範、D’師範、E’
25 支部長及び F’の4名は、いずれも、A 元投稿前に、元投稿被控訴人関連情
報を、A 及び B から聞いて知っていた。そのため、元投稿を引用する本件
各投稿を読んだとしても、被控訴人の権利は何ら侵害されない。
ウ 原判決が「本件各投稿の閲覧者には、被控訴人と面識がある又は被控訴
人が A の所属していた道場の道場であるという知識を有する者が多数存
在していたものと認めるのが相当である」とする点は誤りである。
5 原判決が認定したのは、
「控訴人のフェイスブックには、他の流派の空手
関係者を含む515名のフォロワーがいる。そのうち相互フォローの関係
にある『友達』には、被控訴人の『友達』と『共通の友達』が16名、A の
『友達』が7名存在しており、その中には A のほか、複数の空手関係者も
含まれている。」との内容である(原判決7頁~8頁)。
10 控訴人のフェイスブックのフォロワーにおいて、A と控訴人のフェイス
ブックの「共通の友達」は7名であるところ、B、C’師範、D’師範、E’支
部長及び F’以外の、
「G」
(以下「G’」という。)及び「H」
(以下「H’」とい
う。)の2名とも、A とは面識はなく、G’及び H’の両名とも、A が本件道
場に所属していることは知らなかった。そのような G’及び H’は、 と一度
A
15 も言葉を交わしたことがなく、①ないし③の前提についての知識のいずれ
も有していないので、
「道場主」が被控訴人であると同定することはできな
い。
なお、原判決では、控訴人のフェイスブックのフォロワー515名につ
いて、
「そのうち相互フォローの関係にある『友達』には、被控訴人の『友
20 達』と『共通の友達』が16名」いる旨が示されているが、仮に被控訴人
を知っている者であったとしても、A のことを知らず、①ないし③の前提
についての知識がない読者においては、
「道場主」を被控訴人と同定するこ
とはできない。被控訴人と控訴人のフェイスブックの「共通の友達」
(甲6)
のうち、A、C’師範、D’師範及び E’支部長以外の人物である、 、 、
「I」「J」
25 「K」「L」「M」「N」「O」「P」「Q」「R」並びに G’及び H’の12名
、 、 、 、 、 、 、
については、いずれも、A とは面識がなく、A が本件道場に所属している
ことを知らないので、元投稿被控訴人関連情報から、
「道場主」が被控訴人
であると同定することはできない。
G’及び H’は、 とフェイスブック上の友達ではあったが
A (乙4) A は、

G’とも、H’とも、面識はなく、そのような G’及び H’のいずれにおいても、
5 A が本件道場に所属していることは知らず、①ないし③の前提についての
知識をいずれも有していない。しかし、フェイスブック上における友達と
して登録された人物は、実際には面識のない場合もある。すなわち、フェ
イスブックの友達申請は、一度も言葉を交わしたことがない者に対して、
挨拶や自己紹介、相手のことを尋ねるなどのメッセージを添えることもな
10 く行われることがあり、そのような友達申請が承認されることも少なから
ずある。
G’と H’は、控訴人及び A とフェイスブック上の友達になっているが、控
訴人に対しても、A に対しても、自己紹介や、控訴人や A がどの団体に所
属しているか確認することなく、メッセージを添えることもなしに、友達
15 申請を行い、控訴人においても、A においても、特に人物確認や自己紹介
をすることなく、G’や H’の友達申請を承認した。
G’のフェイスブックの「友達」の人数は2767名であり(乙10)、H’
の同人数は4999名である(乙11) そのような極めて多人数をフェイ

スブック上の友達にするためには、実際に面識のある相手に限定せず、知
20 らない相手を含めた広範囲にわたっての「友達」申請を行うこととなる。
G’においても、H’においても、そのように相手を確認せずに広範囲にわ
たっての友達申請を行う中で、A とフェイスブック上の「友達」になった
ものであり、A とは面識がなく、前記①ないし③の前提についての知識を
いずれも有していない。
25 したがって、乙4に表示された、控訴人と A のフェイスブック上の「共
通の友達」について、B を除いた6名の、うち2名(G’及び H’)は、A と
一度も言葉を交わしたことがなく、①ないし③の前提についての知識をい
ずれも有しておらず、元投稿被控訴人関連情報から、
「道場主」が被控訴人
であると同定することは全くできない。
控訴人は、B が「S」のハンドルネームで行っていたアメーバブログ(乙
5 1)の読者であり、B やその家族がフルコンタクト空手を行っていること
はブログを読んで知っていたが、その時点では B の氏名や、どのフルコン
タクト空手の団体に所属していたかを知らず、本件道場に所属していたこ
とも知らなかった。
そして、控訴人は、令和5年6月に、B からアメーバブログの友達申請
10 を受け、 と知り合い、 から A の紹介を受け、 とも知り合うに至った。
B B A
しかし、その際においても、B や A から、所属する空手団体や所属道場に
ついての話はなされておらず、控訴人において、B の所属道場が本件道場
であることは分からず、本件道場の道場主が被控訴人であることも知らな
かった。
15 また、被控訴人が加盟する「世界総極真」(正式名称は、「国際空手道連
盟極真会館 世界総極真」であり、運営法人は一般社団法人国際空手道連盟
極真会館世界総極真である。以下「世界総極真」という。)は、いわゆる極
真空手の団体の一つである。極真空手は、正確な団体数の把握が現実的に
は不可能なほど多数の団体が存在している。そのため、B 及び A から、所
20 属団体について具体的な説明を聞かなければ、同人らがどの「極真」の団
体に所属していたかは分からず、さらにその団体のうちどの道場に所属し
ていたかも分からない。
控訴人がフェイスブック等で交流する者の中には、A のことを知ってい
る者はほとんどおらず、具体的には、控訴人のフェイスブックのフォロワ
25 ー515名の中で、A のことを知っていたのは、B を除くと、前記の4名
のみであったのが事実である。
本件で、
「本件各投稿の閲覧者には、被控訴人と面識がある又は被控訴人
が A の所属していた道場の道場主であるという知識を有する者が多数存
在したものと認めるのが相当」との原判決の認定は明白に誤っている。
エ 原判決が、
「仮に、本件各投稿の閲覧者には、被控訴人と面識がある又は
5 被控訴人が A の所属していた道場の道場主であるという知識を有する者
が特定少数であったとしても、上記者が、本件各投稿の内容を空手関係者
に流布するおそれがあることを認めることができる」とするのは誤である。
上記4名以外の本件各投稿の一般の読者は、A のことを知らず、元投稿
被控訴人関連情報の「道場主」を被控訴人と同定することができないこと
10 及び上記4名は、そもそも、元投稿前に、元投稿被控訴人関連情報を知っ
ていたので、仮に本件各投稿を読んだとしても、被控訴人の権利は侵害さ
れないことは、前述のとおりである。
上記4名は、そもそも、元投稿前に、元投稿被控訴人関連情報を知って
おり、本件各投稿によって、間接的に不特定多数の人に認識可能な状態に
15 おかれたものではない。
オ 同定可能性の判断の基準時については、名誉毀損表現が閲読可能となっ
た時点で名誉毀損が成立する以上、同定の基準時は表現時である。本件各
投稿の一般の読者が、控訴人のフェイスブックのフォロワー515名であ
ることは間違いのない事実であり、本件において、本件各投稿を読んだ読
20 者が、「道場主」が被控訴人であると同定することができた事実はない。
⑵ 本件投稿1、2、4及び5に名誉毀損が成立しないこと
ア 本件投稿1は、元投稿を受け、
「この判決っておかしくないですか?道場
内は治外法権ということでしょうか?」と記載した内容である。本件投稿
1には、被控訴人の特定や具体的な言及は全くなく、
「このままでは、空手
25 の指導者は、力の弱い子供や女性に対して自らがケガを負わせても、何ら
おとがめなしということになってしまいます。」との A の別件判決への批
判を受けて、控訴人の上記意見・論評を表示するものである。
本件投稿2は、甲4(2頁)の T のコメントを受け、控訴人が、
「その通
りだとおもいます。相手が大怪我をして後遺症に苦しんでいるにも関わら
ず開き直っている態度は武道家・格闘家以前の問題だと思います。門下生
5 たちがいずれ年老いて空手の世界から身を引いた時に空手を経験したこ
とが良い思い出にならなければ指導者としては失格だと思います。」と記
載した内容である。本件投稿2には、被控訴人の特定や具体的な言及は全
くなく、一般論として、武道家・格闘家が、門下生を万一、怪我をさせて
しまった場合には、真摯に謝罪し、誠意をもって対応すべきであることや、
10 門下生に、良い思い出が残るようにしなければならないという控訴人の意
見・論評を表示するものである。
本件投稿4は、甲4(4頁)の U のコメントを受け、「帯下の相手の技
は全て受けきるのが黒帯です。帯下の相手を後遺症が残る怪我をさせるの
は鬼畜の所業です。」と記載した内容である。本件投稿4には、被控訴人の
15 特定や具体的な言及は全くなく、一般論として、帯下の門下生に対しては、
スパーリングを含めた練習においては、危険な技は出すべきではなく、出
すふりだけで止めておくなど、怪我をさせないよう細心の注意を払うべき
であり、特に、女性や子どもに対しては注意すべきであるという控訴人の
意見・論評を表示するものである。
20 本件投稿5は、甲4(5頁)の「V」のコメントを受け、
「戦わずして勝
つが目標の武の世界で戦う前から実力差がある相手に後遺症が残る怪我
をさせたなら武の世界から身を引くべきです。完全なる故意の傷害罪で
す。」と記載した内容である。本件投稿5には、被控訴人の特定や具体的な
言及は全くなく、一般論として、実力差がある門下生を相手にして、スパ
25 ーリングを含めた練習を行うのであれば、怪我をさせないよう細心の注意
を払うべきであり、後遺症が残る怪我をさせたなら武の世界から身を引く
ことを考えるべきであるという控訴人の意見・論評を表示するものである。
投稿の表現が、事実を摘示するものであるか、意見ないし論評の表明で
あるか、いずれの範ちゅうに属するかについては、①当該表現が証拠等を
もってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を明示的
5 又は黙示的に主張するものと理解されるときは、当該表現は、上記特定の
事項についての事実を摘示するものであり、②このような証拠等による表
明になじまない物事の価値、善悪、優劣についての批評や論議などは、意
見ないし論評の表明に属するものと解するのが相当である(最高裁平成9
年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁、最高裁平成16
10 年7月15日第一小法廷判決・民集58巻5号1615頁参照)。
本件投稿1、2、4及び5は、投稿を見た一般の読者が、被控訴人につ
いて記載されたものと認識することはできず、別件判決の結果に疑義を呈
する文脈において、控訴人の意見・論評を表示するものであって、事実を
摘示するものでもない。そのため、控訴人が被控訴人の社会的評価を低下
15 させる事実を流布したものではなく、被控訴人の社会的評価の低下もない。
また、本件各投稿に被控訴人との同定可能性がなく、控訴人自身におい
ても、元投稿の「道場主」が被控訴人であることを認識していなかった本
件において、故意又は過失はなく、損害の発生や因果関係もない。
イ 平成30(2018)年7月13日に、本件道場(X 道場)のメーリン
20 グリストにおいて、被控訴人の名義で発信されたメールにおいては、 指
「B
導員の怪我の状態と経緯、昇級審査について。」として、「2017年12
月14日の一般部稽古の中スパーリングを行った際、代表(X)の上段回し
蹴りが B さんの頭部に当たり、現在 B 指導員は『頚椎損傷』と診断され、
怪我を負う以前のような元どうりになるのは難しいのと、痺れも残るだろ
マ マ
25 うと医師か診断を受けてます。その為行えなくなった動作もありますが、
当道場の指導員として昇給審査には挑戦して頂くことにしました。怪我の
為に行うだけで痛みがあり長く繰り返せば辛くなる動作もある中、指導員
として道場生に伝える為稽古に参加されて居ます。
・・・今の状態になった
怪我は代表の X が負わせてしまった事。などと記載されていた
」 (乙12)。
B は、平成29(2017)年に本件事故によって受傷したため通院が
5 始まり、5年以上経った現在もリハビリに通う生活を送ることを余儀なく
され(甲5及び乙6)、そのような生活状況等について、控訴人も読むブロ
グに記載していた(乙1、7の1ないし70)。
B が「後遺症が残る程の大けがを負った」と評価することについては合
理性があり(東京高判令和6年3月13日ウエストロー・ジャパン(令和
10 5年(ネ)第4204号)、本件投稿1、2、4及び5に記載された意見な
いし論評の前提としている事実については、重要な部分について真実であ
る。仮に投稿に記載された内容が事実摘示に当たるとしても、摘示された
事実は真実であり、また、控訴人において真実と信じるについて相当の理
由がある。
15 ウ 「後遺症」の辞書的な意味としては、
「病気やけがの主症状が治癒したあ
とに長く残存する機能障害。脳出血後の手足の麻痺、一酸化炭素中毒や脳
外傷後の精神神経障害など。比喩的にも用いる。 広辞苑第5版880頁)


とされており、日常用語としても用いられている。
一方、
「後遺障害」とは、自賠責保険制度や労災補償の場面において、
「傷
20 害が治ったとき身体に存する障害」(自動車損害賠償保障法施行令2条1
項2号。労働基準法77条、労災補償保険法12条の8、同法22条の3
の「障害」も同義とされている。)をいい、詳細には、「傷または疾病が治
ったときに残存する当該疾病と相当因果関係を有し、かつ将来においても
回復が困難と見込まれる精神的または身体的な毀損状態であって、その存
25 在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うもの」『労災補償障害認定

必携』69頁(一般財団法人労災サポートセンター、令和2年、第17版))
と説明されている。
したがって、「後遺症」のうち、「その存在が医学的に認められ、労働能
力の喪失を伴うもの」が、
「後遺障害」に当たり、損害賠償等による補償の
対象となるといえる。そのような「後遺症」と「後遺障害」は、別物であ
5 り(乙8)、医師から「後遺症」の存在が指摘された場合であっても、等級
認定や損害賠償請求の場面において「後遺障害」が認められない場合もあ
るなど、判断が分かれることも珍しいものではない。
後遺症については評価的なものであるから、B が「後遺症が残る程の大
けがを負った」と評価することについては合理性があり、本件投稿1、2、
10 4及び5に記載された意見ないし論評の前提としている事実は重要な部
分について真実である。
⑶ 本件投稿1、2、4及び5が不競法2条1項21号の不正競争に該当しな
いこと
本件投稿1、2、4及び5のいずれの投稿も、被控訴人との同定可能性が
15 ないことは、これまでの控訴人の主張のとおりである。そのため、不競法2
条1項21号の「他人」として被控訴人が特定されておらず、
「営業上の信用
を毀損する虚偽の事実」の流布には該当しない。
不競法2条1項21号の「競争関係」は、市場における競合が生じるおそ
れのあることが必要とされており、現在は異なる地域で営業をしている場合
20 に「競争関係」に立つのは、相互に相手の営業地域において営業活動を行う
客観的能力を十分有している場合に限られる。
埼玉県さいたま市で世界総極真の空手ルールの競技のために指導を行う被
控訴人と、大阪府阪南市で、競技ではなく沖縄剛柔流空手拳法の技術の伝承
のための指導を行う控訴人は、相互に相手の営業地域において営業活動を行
25 う客観的能力は全くなく、市場における競合が生じるおそれは存在しない。
したがって、被控訴人と控訴人とは「競争関係」にない。
⑷ 本件投稿3及び4が被控訴人の名誉感情を侵害するものではないこと
本件投稿3及び4は、いずれも、被控訴人との同定可能性がなく、投稿当
時、控訴人は、被控訴人のことについて全く知らず、本件投稿3及び4を被
控訴人に直接伝達したものでもない。
5 B
控訴人は、 のブログ(乙1、7の1ないし70)の読者であったところ、
一般論として、武道・格闘技の指導者は、帯下の門下生に対しては、スパー
リングを含めた練習において、危険な技は出すべきではなく、出すふりだけ
で止めておくなど、怪我をさせないよう細心の注意を払うべきであり、特に、
女性や子どもに対しては注意すべきであると考えていた。そして、万一、怪
10 我をさせてしまった場合には、真摯に謝罪し、誠意をもって対応すべきであ
って、門下生に、良い思い出が残るようにしなければならないとも考えてい
た。そのような考えの下、控訴人は、別件訴訟における請求が認められるよ
う、B を応援していた。
裁判例においても、意見ないし論評の対象については、特定され、同定可
15 能性があった事案においても、名誉感情侵害の不法行為の成立は否定されて
いる。慰謝料及び弁護士費用の合計1万1000円の損害のみが認められた
裁判例の事案と比較しても、本件で違法性が認められるものではないことは
明らかである。
本件投稿3及び4は、友人間での会話の中で、控訴人の主観的な意見・論
20 評を表明したものであって、被控訴人に直接伝達したものではなく、被控訴
人に伝える意図で投稿したものでもないところ、他の裁判例との比較からも、
社会通念上許される限度を超えて被控訴人の名誉感情を著しく侵害するもの
ではないので、不法行為として成り立つものではない。
第3 当裁判所の判断
25 1 当裁判所も、被控訴人の請求については、原判決が認容した限度で理由があ
り、その余は理由がないものと判断する。その理由は、当審における控訴人の
主な補充主張も踏まえ、次のとおり補正し、後記2のとおり当審における控訴
人の主な補充主張に対する判断を付加するほかは、原判決の第4の1ないし7
(原判決7頁7行目ないし17頁13行目)に記載のとおりであるから、これ
を引用する。
5 ⑴ 原判決7頁21行目の「A は、」の次に「本件事故後の」を加える。
⑵ 原判決8頁4行目の「W 医師」の次に「(以下『W’医師』という。)」を、
同頁21行目の「参照」の次に「。以下『昭和31年最高裁判決』という。」
をそれぞれ加える。
⑶ 原判決13頁21行目の「されていること、」の次に「別件訴訟は控訴審
10 において和解により終了しているものの、上記認定に反する事情が存するこ
とを示す証拠はないこと、」を加える。
⑷ 原判決15頁18行目の「758頁」の次に「。以下『平成22年最高裁
判決』という。」を加える。
⑸ 原判決16頁16行目の末尾の次に「(民法709条)」と、24行目の
15 末尾の次に「(不競法4条)」と、17頁2行目の末尾の次に「(民法70
9条)」と、7行目のの末尾の次に「(民法709条、不競法4条)」とそ
れぞれ加える。
2 当審における控訴人の主な補充主張に対する判断は、以下のとおりである。
⑴ 控訴人は、前記第2の3⑴のとおり、本件各投稿には被控訴人との同定可
20 能性がない旨を主張する。
補正の上で引用した原判決第4の2⑴及び⑵のとおり、ある投稿における
匿名の人物が被控訴人であると同定できるか否かについては、昭和31年最
高裁判決を踏まえ、不特定多数の者を基準として判断すべきものではなく、
被控訴人と面識がある又は被控訴人の属性に関する知識を有する者の普通の
25 注意と読みとを基準として判断すれば足りる。
また、補正の上で引用した原判決第4の2⑴のとおり、本件各投稿は誰で
も閲覧可能な公開の設定で投稿されていて一般に公開されており、ウェブ検
索の方法によっても本件各投稿に到達することが可能である。加えて、本件
各投稿にリアクションやコメント投稿を行った者とフェイスブック上でつな
がりのある者のフェイスブック・アカウントには、フェイスブックの機能に
5 より通知がなされる場合もある(弁論の全趣旨)。そして、本件各投稿は、A
の投稿をシェア機能を用いて引用して生成されたものであり、シェア機能が
実行されると、シェア元の投稿にシェア件数が表示され、その件数部分から
シェア先の投稿へのハイパーリンクも設定されるところ、実際に、A の元投
稿に「シェア6件」との表記がなされており(甲20)、本件各投稿へのハイ
10 パーリンクがなされている。A とフェイスブック上でやり取りをする A のフ
ォロワーにおいても、シェアした人物の意見に興味を持ち、本件各投稿を閲
覧する動機もある。
これら事実によれば、本件各投稿を閲覧する者は、控訴人のフェイスブッ
クのフォロワーだけとはいえないから、控訴人のフェイスブックのフォロワ
15 ー515名について、控訴人との同定可能性を検討する控訴人の主張は前提
を欠くものである。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
⑵ 控訴人は、前記第2の3⑵のとおり、本件投稿1、2、4及び5は意見な
いし論評の表明であり、真実相当性も認められるから、名誉棄損は成立しな
20 い旨を主張する。
しかし、補正の上で引用した原判決第4の3⑴のとおり、元投稿の内容及
びこれを引用した一連の上記各投稿の内容を総合考慮すれば、本件投稿1を
含め、本件投稿1、2、4及び5は、本件摘示事実を含む事実も併せて摘示
したものと解するのが相当であるから、本件摘示事実が被控訴人の名誉を毀
25 損すると認められる以上、控訴人の主張は、名誉毀損の成否を左右するもの
とはいえない。
また、控訴人は、本件摘示事実については重要な部分につき真実であり、
本件摘示事実を真実と信じたことにつき相当な理由があるとし、当審におい
て、それを裏付ける証拠として乙12ないし14を提出する。
しかし、補正の上で引用した原判決第4の3⑴のとおり、本件摘示事実は、
5 A の妻が道場主である指導者から上段回し蹴りを受けて後遺症が残るほどの
大けがを負ったという事実を含むものであるところ、「後遺症」の語につき、
医師が患者の訴えに基づき、
「後遺症は残るだろうな。重い物を持ったり、同
じ姿勢で座り続けたりすれば、腰痛や肩凝り程度は・・・」とするような(乙
13)
、比喩的に用いる(前記広辞苑)、日常用語としての後遺症の意に用い
10 られる場合があるとしても、本件事故に係る損害賠償訴訟における判決が前
提とされる本件摘示事実にいうところの後遺症が、傷害が治った後に残存す
る機能障害である、控訴人のいうところの「後遺障害」を意味するか、少な
くともその意味を含むものであることは明らかであるから、控訴人の主張は、
直ちに本件摘示事実に係る名誉棄損の成否に影響を与えるものではない。実
15 際、 Z 「Y
本件投稿1に対し、 は、 先生、義弟が弁護士なので忌憚なく聞けば、
判例に基づく場合が殆どで、とどのつまり空手や格闘技は、この様な事例が
多い証明だと。哀しい現実です。後遺障害に悩まれる女性や御家族の立場を
思うと心傷みます。」と返信し、本件投稿1にいう「後遺症」を「後遺障害」
の意に解しているところであり(甲4、3頁目)控訴人もこれを前提として、

20 「Z さん、悲しい現実ですね。
・・・故意でも故意でなくても相手を大怪我さ
せれば謝罪と補償をするのが一般常識だと思います。 と返信しており
」 (同4
頁目)
、本件各投稿における後遺症について、上記の「後遺障害」の意である
ことを前提にやりとりがなされているものである。 の主治医である W’医師
B
作成の意見書(乙14)において、B につき医学的リハビリテーションを継
25 続しているところ、この医学的リハビリテーションには他覚的所見がない症
マ マ
状も扱っているとした上で、B には「治療後においても後遺障が残って」い
るとしていることを踏まえても、上記認定は左右されるものではない。
また、B は、本件摘示事実に係る受傷以前の平成26年(2014年)1
0月にはメニエール病の既往症を有しており(甲14) 介護ヘルパーの仕事

をしながらリハビリを続けているとしているところ(乙7の17) 介護ヘル

5 パーとして稼働していることに関しても本件摘示事実に係る受傷の影響は大
きかったとは言い難いとされており(甲3〔別件判決〕・12頁)、B が本件
事故の後遺症である旨をブログに記載していることをもって、直ちに本件摘
示事実を真実と信じたことに相当の理由があるといえないことは明らかであ
る。
10 したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
⑶ 控訴人は、前記第2の3⑶のとおり、本件投稿1、2、4及び5は不正競
争に該当しない旨を主張する。
しかし、本件投稿1、2、4及び5について、控訴人との同定可能性があ
ること、本件摘示事実は真実と認めることができないことについては既に述
15 べたとおりであり、本件摘示事実は被控訴人の道場主ないし空手指導家とし
ての資質及び道場の安全性等に関する信用を損なう内容のものであるから、
本件投稿1、2、4及び5は、被控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実
に当たる。また、補正の上で引用した原判決第4の4⑵のとおり、控訴人道
場と本件道場とが流派や所在地を異にするものとしても、いずれも空手の道
20 場で、空手に習熟している者、空手を習っており若しくは習おうとしている
者又は空手に興味のある者等を需要者又は取引者としている。そして、控訴
人は、これらの需要者又は取引者との関係で、被控訴人の営業上の信用を害
する虚偽の事実を告知し、又は流布することにより、自らについては被控訴
人とは異なり営業上の信用を害する事実がないことを暗に示し、自己の営業
25 を有利にすることができる。すなわち、本件に即していうと、被控訴人の道
場主ないし空手指導家としての資質及び道場の安全性等に関する信用を損な
う内容を示すことにより、控訴人は、被控訴人のような資質に問題がある者
とは異なり、道場の安全性等に配慮していることを暗に示し、自己の営業を
有利にすることができる。このような点を考慮すると、控訴人と被控訴人と
は競争関係にあると認められる。
5 したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
⑷ 控訴人は、前記第2の3⑷のとおり、本件投稿3及び4は名誉感情を侵害
するものではない旨を主張する。
しかし、補正の上で引用した原判決第4の5⑴及び⑵のとおり、本件投稿
3及び4は、
「鬼畜道場主」「鬼畜の所業」などの表現で被控訴人を批判する

10 ものであり、平成22年最高裁判決を踏まえれば、社会通念上許容される限
度を超えて被控訴人を侮辱するものとして、名誉感情を侵害するものといえ
る。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
3 以上に認定判断したところは、当審における控訴人のその余の補充主張によ
15 っても、左右されるものではない。
4 よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから棄却することと
して、主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官
中 平 健
裁判官
今 井 弘 晃
裁判官
10 水 野 正 則

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