ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(ワ)70002 民事訴訟 特許権
| 裁判所 | 請求棄却 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和7年10月22日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告A
B 被告zSustainergy株式会社 |
| 法令 |
特許権 特許法36条1項1回 |
| キーワード | 特許権4回 実施3回 許諾1回 優先権1回 |
| 主文 | 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 |
| 事件の概要 | 1 事案の概要 本件は、原告らが、別紙特許出願目録記載の特許出願(以下、番号に従って 「本件出願1」 、 「本件出願2」などといい、 「本件各出願」と総称する。 )の出 願人である被告に対し、原告らが、本件各出願の願書に添付した特許請求の範 囲の請求項記載の各発明について、特許を受ける権利の共有持分を2分の1ず つ有することの確認を求める事案である。 |
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令和7年10月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和7年(ワ)第70002号 特許を受ける権利の確認請求事件
口頭弁論終結日 令和7年10月22日
判 決
原 告 A
(以下「原告A」という。)
原 告 B
(以下「原告B」という。)
上記両名訴訟代理人弁護士 田 中 紘 三
田 中 み ど り
田 中 み ち よ
被 告 zSustainergy株式会社
(原告Aにつき)
(原告Bにつき)
同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 溝 田 宗 司
郡 佑 太
主 文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
別紙特許出願目録記載第1、第2及び第3の各特許請求の範囲の請求項記載の各発明について、原告らがそれぞれ特許を受ける権利の共有持分を2分の1ずつ有することを確認する。
第2 事案の概要等
5 1 事案の概要本件は、原告らが、別紙特許出願目録記載の特許出願(以下、番号に従って「本件出願1」、「本件出願2」などといい、「本件各出願」と総称する。)の出願人である被告に対し、原告らが、本件各出願の願書に添付した特許請求の範囲の請求項記載の各発明について、特許を受ける権利の共有持分を2分の1ずつ有することの確認を求める事案である。2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
⑴ 当事者等ア 原告Aは、東京工業大学の名誉教授であり、エネルギー環境工学等を研究し、令和6年8月28日まで被告の技術顧問であった者である。原告Bは、令和4年3月18日に被告を設立し、令和6年9月9日までは被告の取締役であった者である。イ 被告(令和6年10月1日付け商号変更前の商号は株式会社QDジャパン)は、量子ドット技術及び各種半導体の研究開発等を行う株式会社である。被告の代表取締役は、設立時から令和4年6月7日までは原告B、同月8日から令和5年12月21日までは原告B、C及びD(以下、CとDを「Cら」という。)、同月22日からはCらである。
⑵ 被告は、別紙特許出願目録記載の特許出願(本件各出願)をした(以下、本件各出願の願書に添付した特許請求の範囲の各請求項に記載の発明について、本件各出願の番号に従って、「本件発明1」、「本件発明2」と総称し、本件発明1〜3を「本件各発明」と総称する。)。本件各出願は、以下の各特許出願(以下「本件各基礎出願」と総称する。)に基づく国内優先権の主張を伴うものである。(甲2〜4)。ア 本件出願1
5 令和4年4月28日の特許出願(特願2022-74343)(以下「本件基礎出願1」という。)イ 本件出願2令和5年8月1日の特許出願(特願2023-125665)(以下「本件基礎出願2」という。)ウ 本件出願3令和5年2月21日の特許出願(特願2023-25625)及び同年4月11日の特許出願(特願2023-64375)(以下「本件基礎出願3」といい、本件基礎出願1~3を「本件各基礎出願」と総称する。)
⑶ 原告らは、上記⑵の本件各出願及び本件各基礎出願の時点までに、各出願に係る発明をした。3 争点(特許を受ける権利の共有持分の譲渡の有無)に関する当事者の主張(被告の主張)本件各出願当時、原告Bは被告の代表取締役として、原告Aは被告の技術顧問として、本件各出願の出願人を被告とすることを決定しているから、原告らと被告が、本件各出願の時までに、原告らが被告に対し、本件各発明に係る特許を受ける権利の各共有持分を譲渡する旨合意したことは明らかである。(原告らの主張)原告らと被告との間で、本件各発明に係る特許を受ける権利の各共有持分を譲渡する旨の合意には至っていない。すなわち、原告らは、令和4年4月28日(本件基礎出願1の日)、原告らが特許を受ける権利を譲渡する条件を同日付け契約書案(甲5。以下「本件契約書案」という。)のとおりとすることを協議したが、契約書の調印には至らなかった。原告Bが、本件各出願に係る特許を受ける権利について本件契約書案と同じ条件の契約書の調印を行うとの約束をしたため、原告Aは、これを信じ、本件各出願の出願人を被告として出願することに異議を述べず、本件各発
5 明の実施による事業の立上げに関する技術面からの無償協力を申し出ていた。ところが、Cらは、本件契約書案と同じ条件で特許を受ける権利を取得する意思を有しておらず、原告Bが被告代表者として単独で契約を締結するわけにもいかなかったため、原告らは、令和6年8月18日までに、原告らと被告の間での契約の締結を断念したものである。原告らが、原告Aの研究の成果である本件各発明に係る特許を受ける権利を無償で譲渡するはずがなく、この点からも、本件各発明に係る特許を受ける権利の譲渡がされていないことは明らかである。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
前記前提事実に加え、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
⑴ 原告Bは被告(当時の商号は株式会社QDジャパン)の代表取締役であり、
原告Aは被告の技術顧問であったが、原告らは、令和4年3月頃までに、本件基礎出願1の出願についてE特許事務所(以下「本件事務所」という。)に相談した。本件事務所は、同年4月26日、原告らに対し、本件基礎出願1の出願書類案の確認を依頼した。同案の願書の出願人欄には被告が記載されていたところ、原告Bは発明者欄の記載の訂正を、原告Aは明細書の記載の修正を依頼したが、出願人欄の記載については異議を述べなかった。被告は、本件事務所の弁理士らに対し、本件基礎出願1の手続を委任し、同弁理士らは、令和4年4月28日、本件基礎出願1に係る出願をした。(甲2、乙2、4~11)
⑵ 原告Bは、原告らが被告に本件基礎出願1に係る特許を受ける権利を譲渡
する旨の令和4年4月28日付け「特許を受ける権利の譲渡契約書」の案(本件契約書案。甲5)を起案した。本件契約書案には、特許を受ける権利
5 の対価として、①被告の新株予約権の割当て、②本特許権活用製品の売上
(税別)×0.5%×20年(ただし特許期間を上限とする)に相当する金額の支払、③本特許権の実施許諾に関わる売上(税別)×5%に相当する金額の支払が記載されていた。
⑶ 原告Bは、Cらに本件基礎出願1に係る発明等に関する事業のための資金
の調達を依頼し、令和4年6月7日までに、Cらに本件契約書案を提示したが、本件契約書案に基づく契約書の作成には至らなかった。Cらは、同月8日付けで被告の代表取締役に就任した。(甲1(乙3)、乙18)
⑷ 原告らは、令和4年10月頃から本件出願1の準備を開始し、本件事務所
は、同年11月2日、原告らに対し、本件出願1の出願書類案の確認を依頼した。同案の願書の出願人欄には被告が記載されていたが、原告らは、この点について異議を述べなかった。被告は、本件事務所の弁理士らに対し、本件出願1の手続を委任し、同弁理士らは、同月15日、本件出願1に係る出願をした。(乙1、13)
⑸ 被告は、本件事務所の弁理士らに委任し、令和4年11月16日、発明の
名称を「太陽追尾装置」とする発明について特許出願をし(特願2022-183732。以下「別件出願」という。)、令和5年1月26日に特許登録を受けた(特許第7217567号)。別件出願の出願人は被告、発明者は原告らであるが、原告らと被告との間で、原告らが被告に特許を受ける権利を譲渡する旨の契約書は作成されなかった。(乙14)
⑹ 被告は、弁理士法人F(以下「本件弁理士法人」という。)に委任して、
令和5年2月21日及び同年4月11日に本件基礎出願3、同年8月1日に本件基礎出願2、同月30日に本件出願2、同月31日に本件出願3に係る出願をした。原告らは、上記各出願の時点で、同各出願の出願人を被告とすることを認識していた。(乙16)
5 ⑺ 被告は、令和5年10月10日に取締役会設置会社となり、原告Bは、同
年12月21日に被告の代表取締役を辞任した。原告Aは、令和6年5月頃までには、Cらに対する不信感を抱くようになった。原告Bは、その頃、Dに対し、本件契約書案に原告Aは捺印していないが原告Bの持ち分だけでもできると認識していたこと、今原告Aが離れて訴訟したら被告が負けると思うので、原告Aがそう動かないように穏便にお付き合いをお願いしたいことなどを記載したメッセージをLINEで送った。これに対し、Dは、ちゃんと契約を成立させ原告らの努力に対してしっかり権利を保護しておいた方が良いとのメッセージを送った。(甲1(乙3)、甲6)
⑻ 原告Aは、令和6年8月18日に被告の技術顧問を辞任し、原告Bは、同
年9月9日、会社資金の頻繁な目的外使用があったことなどを理由として、被告の取締役を解任された。原告らは、令和7年1月7日、本件訴えを提起した。また、原告Aが代表者を務める合同会社は、同じ頃、被告に対し、被告の創業資金として3300万円を貸し付けたと主張して、貸金返還訴訟を提起した(東京地方裁判所令和7年(ワ)第50号)。(甲1(乙3)、甲7)
2 争点(特許を受ける権利の共有持分の譲渡の有無)について
⑴ 前記前提事実⑶並びに前記認定事実⑴及び⑷によれば、被告の代表取締役
であった原告B及び被告の技術顧問であった原告Aは、本件基礎出願1に係る発明及び本件出願1に係る発明をし、本件事務所の弁理士らに依頼して被告を出願人とする本件出願1及び本件基礎出願1の手続を進めたことが認められ、これによれば、原告らと被告は、本件基礎出願1及び本件出願1において被告を出願人とすることについて合意していたものというべきである。そして、特許出願は、特許を受ける権利を有する者が出願人となって、特許を受ける意思を客観的な表示として特許庁長官に対して特許査定を求めて
5 願書を提出する行為であり、特許出願時には出願人の氏名又は名称を願書に
記載すべきものとされ(特許法36条1項)、特許出願は特許出願前における特許を受ける権利の承継の第三者対抗要件でもあり(同法34条1項)、特許権の設定登録により特許権を取得するのは出願人である。以上によれば、発明者が、特許を受ける権利を譲渡していないのに、他人を出願人とすることに同意することは通常考え難いものといえる。そうすると、原告らと被告は、遅くとも本件出願1の時までに、原告らが被告に対し、本件発明1に係る特許を受ける権利の共有持分を譲渡することを合意したものと推認することができる。また、前記認定事実⑹によれば、原告らと被告は、本件基礎出願2及び3並びに本件出願2及び3についても、これらの出願において被告を出願人とすることを合意していたものということができ、同様に、遅くとも本件出願2及び3の時までに、原告らが被告に対し、本件発明2及び3に係る特許を受ける権利の共有持分を譲渡することを合意したものと推認することができる。
⑵ 原告らの主張について
ア 原告らは、原告Aは、本件各発明に係る特許を受ける権利について本件契約書案と同じ条件の契約書を調印するとの原告Bの約束を信じ、本件各出願の出願人を被告とすることに異議を述べなかったが、Cらにおいて、本件契約書案と同じ条件で特許を受ける権利を譲り受ける意思を有していなかったため、令和6年8月18日までに契約の締結を断念したのであって、本件各発明に係る特許を受ける権利の譲渡の合意の成立には至っていないと主張する。しかし、Cらが本件契約書案と同じ条件で特許を受ける権利を譲り受ける意思を有していなかったことを含め原告らの主張する事実経過を裏付ける証拠は見当たらない。かえって、Dは、原告Bに対する令和6年5
5 月のLINEで本件契約書案に基づく契約書の作成を勧めており(前記
認定事実⑺)、原告らの主張と整合しない。また、本件において原告らを出願人とすることができなかった事情も見当たらないから、前記⑴に説示したところに照らし、原告らの主張する事実経過は不自然である。イ また、原告らは、本件各発明に係る特許を受ける権利を譲渡する旨の契約書が作成されていないことを指摘する。しかし、特許を受ける権利の譲渡について契約書を作成することは必須ではないし、原告らと被告との間で、同時期に出願された別件出願についても、特許を受ける権利を譲渡する旨の契約書が作成されていなかったこと(前記認定事実⑸)からすれば、本件各発明に係る特許を受ける権利の譲渡について契約書が作成されなかったことは必ずしも不自然ではない。ウ さらに、原告らは、原告らが、原告Aの研究の成果である本件各発明に係る特許を受ける権利を無償で譲渡するはずがなく、この点からも、本件各発明に係る特許を受ける権利の譲渡がされていないことは明らかであると主張する。しかし、本件各出願の時点で原告らとCらの関係が悪化していたことはうかがわれず、かえって、原告Aが、当時、本件各発明の実施による被告の事業の立上げに関する技術面からの無償協力を申し出ていたというのであるから(弁論の全趣旨)、原告らが、本件各出願の時点では、被告との間で対価に関する合意をせずに、まずは特許を受ける権利を被告に譲渡することは十分に考えられるのであり、原告らの主張する点は、前記⑴の認定を左右するには足りない。エ したがって、原告らの主張はいずれも採用することができない。
3 以上によれば、原告らが被告に対し、本件各出願の時までに、本件各発明に
係る特許を受ける権利の共有持分を譲渡したと認められるから、原告らが本件各発明に係る特許を受ける権利の共有持分を有しているとはいえない。
5 第4 結論
よって、原告らの請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第46部裁判長裁判官 髙 橋 彩裁判官 西 山 芳 樹裁判官 瀧 澤 惟 子(別紙)特許出願目録
第1 出願番号 特願2022-182940
5 出願日 令和4年11月15日
出願人 株式会社QDジャパン発明の名称 量子ドットを有するナノ複合体及びその製造方法発明者 AB特許請求の範囲【請求項1】量子ドットを有するナノ複合体の製造方法であって、複数の直線状伝導体が1nm以上100μm以下の間隔で並んだ隙間を反応場として、前記ナノ複合体のコアであるナノ粒子と、前記ナノ粒子の表面に付着した量子ドットとからなるナノ複合体を、前記直線状伝導体上に析出又は担持させ、複数の前記ナノ複合体が相互に離散もしくは集合して吸着もしくは結合した状態で存在するように合成することを特徴とする量子ドットを有するナノ複合体の製造方法。【請求項2】前記直線状伝導体を直鎖高分子とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項3】前記直鎖高分子をポリアニリンとすることを特徴とする請求項2に記載の方法。【請求項4】前記量子ドットを可視光域にバンドギャップを持つ酸化鉄、硫化鉄、CdSe、PbS、PbSeの少なくともいずれか一種からなるものとすることを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項5】前記ナノ粒子を無機半導体とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項6】
5 前記直線状伝導体を直鎖高分子とし、前記ナノ粒子及び前記量子ドットの少
なくともいずれか一方を、水溶液中の反応もしくは電析反応によって合成し、反応物濃度、反応pH、反応温度、反応時間の少なくともいずれか一つのパラメータを制御することにより前記直鎖高分子間の隙間に合成することを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項7】前記直線状伝導体を直鎖高分子とし、前記ナノ粒子を酸化鉄もしくはTiO
2 からなるものとし、前記量子ドットをFeS 2 からなるものとすることを特
徴とする請求項1に記載の方法。【請求項8】前記直鎖高分子をポリアニリンとし、水溶液中の反応及び電析反応によって前記酸化鉄もしくは前記TiO 2 からなるナノ粒子に前記FeS 2 からなる量子ドットを析出又は担持させることを特徴とする請求項7に記載の方法。【請求項9】前記酸化鉄もしくはTiO 2 からなるナノ粒子の形成のプロセスと、前記酸化鉄もしくはTiO 2 からなるナノ粒子に前記FeS 2 からなる量子ドットを析出又は担持させるプロセスとを、繰り返して前記酸化鉄もしくはTiO 2からなるナノ粒子と前記FeS 2 からなる量子ドットからなるナノ複合体を、前記ポリアニリンの高分子直鎖方向に連結させて合成することを特徴とする請求項8に記載の方法。【請求項10】前記酸化鉄もしくはTiO 2 からなるナノ粒子及び前記FeS 2 からなる量子ドットの少なくともいずれか一方を、水溶液中の反応もしくは電析反応によって合成し、反応物濃度、反応pH、反応温度、反応時間の少なくともいずれか一つのパラメータを制御することにより前記ポリアニリンの隙間に合成することを特徴とする請求項7に記載の方法。
5 【請求項11】
前記直鎖高分子を透明電極表面に垂直方向に、かつ、前記直鎖高分子が互いに平行になるように成長させた高分子束が形成する該高分子束間の隙間を反応場とすることを特徴とする請求項2に記載の方法。【請求項12】請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法により製造した量子ドットを有するナノ複合体を、色素増感太陽電池又は有機太陽電池の製造に用いることを特徴とする太陽電池の製造方法。【請求項13】前記直線状伝導体を直鎖有機高分子として、該直鎖有機高分子を電池の電極にほぼ垂直方向に成長させ、前記直線状伝導体間の隙間を反応場として前記ナノ粒子及び前記量子ドットを形成した直鎖有機高分子を正極とすることを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造方法。【請求項14】前記複数の前記ナノ複合体が相互に離散もしくは集合して吸着もしくは結合した状態で存在するように合成した後、さらに、前記ナノ複合体を前記直線状伝導体から遊離回収することを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項15】請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法により、前記複数の前記ナノ複合体が相互に離散もしくは集合して吸着もしくは結合した状態で存在するように合成した後、さらに、前記ナノ複合体を構成する前記量子ドットを前記直線状伝導体から遊離回収することを特徴とする量子ドットの製造方法。【請求項16】量子ドットを有するナノ複合体であって、複数の直線状伝導体が1nm以上100μm以下の間隔で並んだ隙間に、前記ナノ複合体のコアであるナノ粒子と、前記ナノ粒子の表面に付着した量子ドットとからなるナノ複合体を有し、
5 複数の前記ナノ複合体が相互に離散もしくは集合して吸着もしくは結合した状
態で存在することを特徴とする量子ドットを有するナノ複合体。
第2 出願番号 特願2023-140361
出願日 令和5年8月30日出願人 株式会社QDジャパン発明の名称 半導体基板、その製造方法及び半導体の製造方法発明者 AB特許請求の範囲【請求項1】可撓性を有する基板の上に、ZnS及びFeS 2 を含むp型半導体層を積層させて含むことを特徴とする半導体基板。【請求項2】前記p型半導体層はZnS及びFeS 2 の固溶体からなることを特徴とする請求項1記載の半導体基板。【請求項3】前記p型半導体層の上にはZnOからなるn型半導体層を積層させて含むことを特徴とする請求項1記載の半導体基板。【請求項4】前記n型半導体層の上には透明電極を積層させて含むことを特徴とする請求項3記載の半導体基板。【請求項5】前記基板と前記p型半導体層との間には、Alからなる金属電極層を挿入されていることを特徴とする請求項4記載の半導体基板。【請求項6】
5 前記基板はPETからなることを特徴とする請求項4記載の半導体基板。
【請求項7】可撓性を有する基板の上に、ZnS及びFeS 2 からなるp型半導体層を積層させた半導体基板の製造方法であって、前記基板の上に形成された亜鉛フェライトめっき層を、水素ガスに曝して水素還元処理の後に、硫化水素ガスに曝してZnS及びFeS 2 からなるp型半導体である前記p型半導体層を形成する工程を備えることを特徴とする半導体基板の製造方法。【請求項8】前記p型半導体層はZnS及びFeS 2 の固溶体からなることを特徴とする請求項7記載の半導体基板の製造方法。【請求項9】帯状の前記基板を長手方向に送りつつ反応室を通過させて前記基板の上にZn1-x Fe2+xFe 3+ 2O4(x=0~1)からなる前記亜鉛フェライトめっき層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項7記載の半導体基板の製造方法。【請求項10】前記基板の膜形成部を上流から下流に送って平皿の上面開口の上に配置し、前記基板の前記膜形成部を前記平皿の内部に配置させる工程、前記平皿内にFe及びZnを含む反応液を充填し金属膜を形成させる工程、及び、前記反応液を酸化液に変えて前記金属膜を酸化させて亜鉛フェライトめっき層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項9記載の半導体基板の製造方法。【請求項11】前記金属膜を形成させる工程と、前記金属膜を酸化させて亜鉛フェライトめっき層を形成する工程とを繰り返すことを特徴とする請求項10記載の半導体基板の製造方法。
5 【請求項12】
前記反応液はFeCl 2 及びZnCl 2 の混合液であることを特徴とする請求項10記載の半導体基板の製造方法。【請求項13】前記酸化液はNaNO 2であることを特徴とする請求項12記載の半導体基板の製造方法。【請求項14】前記亜鉛フェライトめっき層を形成する工程において、加熱ブロックにより前記基板の背面を接触加熱して前記膜形成部の温度を100℃以上で制御することを特徴とする請求項10記載の半導体基板の製造方法。【請求項15】前記反応液及び前記酸化液はそれぞれ前記基板の送り方向に沿って前記平皿の内部を流通させることを特徴とする請求項10記載の半導体基板の製造方法。【請求項16】ZnS及びFeS 2 を含む半導体の製造方法であって、亜鉛フェライトを還元処理する工程、及び、前記還元処理を受けた亜鉛フェライトを硫化水素ガスに曝露する工程、を備えることを特徴とするZnS及びFeS 2を含む半導体の製造方法。【請求項17】前記亜鉛フェライトを還元処理する工程が、前記亜鉛フェライトを水素を含むガスに曝露する工程であることを特徴とする請求項16記載の半導体の製造方法。【請求項18】前記ZnS及びFeS 2 を含む半導体が、ZnS及びFeS 2 の固溶体からなるp型半導体であることを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体
5 の製造方法。
第3 出願番号 特願2023-141755
出願日 令和5年8月31日出願人 株式会社QDジャパン発明の名称 半導体組成物、これを含む薄膜及び該薄膜の製造方法発明者 AB特許請求の範囲【請求項1】ZnS及びFeS 2の固溶体からなることを特徴とする半導体組成物。【請求項2】Zn1-x Fe 2+xFe3+ 2O 4からなる亜鉛フェライト層の一部に、ZnS及びFeS 2 の固溶体からなる半導体層が形成されていることを特徴とする半導体薄膜。【請求項3】前記半導体層は前記固溶体とは別にFeS及び/又はFeS 2 を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体薄膜。【請求項4】Zn1-x Fe 2+xFe3+ 2O 4からなる亜鉛フェライト層の表面に水素ガスを接触させて還元処理しつつ、前記表面に硫化水素ガスを接触させてS 2- イオンを前記表面から内部に拡散させて前記表面近傍にFeS及びFeS 2 を形成させる硫化水素処理工程と、前記硫化水素ガスの供給を停止して保持しFeS及びFeS 2 をZnS及びFeS 2 の固溶体とする保持工程と、を含むことを特徴とする半導体薄膜の製造方法。【請求項5】
5 前記硫化水素処理工程は、水素ガスによる還元処理工程後に、水素ガスの
供給を停止し該水素ガスを硫化水素に置換して処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項4記載の半導体薄膜の製造方法。【請求項6】前記亜鉛フェライト層を基板上に水溶液反応にて与える亜鉛フェライト膜形成工程を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体薄膜の製造方法。【請求項7】前記亜鉛フェライト膜形成工程、前記硫化水素処理工程、及び前記保持工程の一連の工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項6記載の半導体薄膜の製造方法。以 上
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