ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(ワ)70139 不正競争防止法違反に基づく差止等請求事件
| 裁判所 | 請求棄却 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和7年10月29日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告日本ジェネリック株式会社 被告バイエル薬品株式会社 |
| 法令 |
不正競争 特許法67条2項3回 |
| キーワード | 特許権70回 侵害45回 抵触4回 差止3回 実施1回 |
| 主文 | 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
| 事件の概要 | 本件は、 被告が製造販売する医薬品の医療用後発医薬品を製造販売する原告が、 被告に対し、被告が、そのグループ会社が保有する「置換オキサゾリジノン及び 血液凝固の分野におけるそれらの使用」に係る特許(特許第4143297号。 以下「本件特許」といい、同特許に係る特許権を「本件特許権」という。 )に関し て行った業界紙への謹告の掲載及び厚生労働省(以下「厚労省」という。 )に対す る回答が、不正競争防止法(以下「不競法」という。 )2条1項21号所定の不正 競争に当たると主張して、同法3条1項に基づく差止め及び同法14条に基づく 信用回復措置を求める事案である。 |
本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。
令和7年10月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和7年(ワ)第70139号 不正競争防止法違反に基づく差止等請求事件
口頭弁論終結日 令和7年8月6日
判 決
原 告 日 本 ジ ェ ネ リ ッ ク 株 式 会 社
同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 牧 野 知 彦
足 立 梓
被 告 バ イ エ ル 薬 品 株 式 会 社
同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 北 原 潤 一
黒 田 薫
松 田 世 理 奈
同 訴 訟 代 理 人 弁 理 士 日 野 真 美
主 文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
1 被告は、厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対し、別紙原告製品目録記載1及び2の医薬品の製造販売行為が特許第4143297号を侵害する旨の流布・告知をしてはならない。2 被告は、厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対し、別紙原告製品目録記載1及び2の医薬品の製造販売行為に対し、特許第4143297号に基づく一切の権利行使をしない旨の告知をせよ。
第2 事案の概要
本件は、被告が製造販売する医薬品の医療用後発医薬品を製造販売する原告が、被告に対し、被告が、そのグループ会社が保有する「置換オキサゾリジノン及び
5 血液凝固の分野におけるそれらの使用」に係る特許(特許第4143297号。以下「本件特許」といい、同特許に係る特許権を「本件特許権」という。)に関して行った業界紙への謹告の掲載及び厚生労働省(以下「厚労省」という。)に対する回答が、不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項21号所定の不正競争に当たると主張して、同法3条1項に基づく差止め及び同法14条に基づく信用回復措置を求める事案である。1 前提事実(当事者間に争いのない事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。なお、証拠は特記しない限り枝番を全て含む(以下同じ。)。)
⑴ 当事者原告は、製薬事業等を行う株式会社である。被告は、製薬事業等を行う株式会社であり、医薬品メーカーであるバイエルグループに属する日本法人である。
⑵ 本件特許権及び存続期間の延長登録ア 本件特許権本件特許は次のとおりの特許であり、その特許権者は、バイエルグループに属するドイツ法人である。(甲1、2)特 許 番 号 特許第4143297号発明の名称 置換オキサゾリジノン及び血液凝固の分野におけるそれらの使用登 録 日 平成20年(2008年)6月20日出 願 日 平成12年(2000年)12月11日出 願 番 号 特願2001-549389号優 先 日 平成11年(1999年)12月24日イ 本件特許の特許請求の範囲本件特許の特許請求の範囲は、別紙特許請求の範囲のとおりである(以下、請求項1記載の発明を「本件発明」という。また、請求項1の【化1】で示さ
5 れる化合物を「リバーロキサバン」ということがある。)。(甲2、乙5)ウ 本件特許権の存続期間の延長登録本件特許権は、別紙存続期間の延長登録記載のとおり、10件の存続期間の延長登録出願がされ、平成25年3月21日から令和3年3月10日までに、その延長登録がされた(以下、各延長登録を同別紙の番号に対応させて「本件延長登録1」などといい、これらを「本件延長登録」と総称する。また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(平成25年11月27日号外法律第84号による改正前の名称は薬事法)については、関係法令等で引用されている場合を除き、同改正の前後を通じて「薬機法」という。)。本件延長登録は、いずれもリバーロキサバンを有効成分とする医薬品(以下、剤型と対応させて「リバーロキサバンの普通錠」などということがある。)を特許法67条2項の政令で定める処分(以下「政令処分」という。)の対象(以下「政令処分対象物」という。)とするものである。このうち、特定された用途を「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」(以下「本件用途1」という。)とする普通錠についての延長登録(本件延長登録3及び4)の存続期間は、令和7年12月11日までである。他方、特定された用途に本件用途1を含むその余の延長登録(①特定された用途を本件用途1とする細粒分包についての延長登録(本件延長登録7及び8)、及び②特定された用途を本件用途1及び「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」(以下「本件用途2」という。)とするOD錠についての延長登録(本件延長登録9及び10))の存続期間は、後記⑸アの原告製品の製造販売の申請がされた令和5年2月より前に、満了している。(甲1、17)
⑶ 被告製品の製造販売等被告は、平成24年4月から、リバーロキサバンの普通錠である別紙被告製
5 品目録記載の製品(以下「被告製品」という。)を製造販売している。また、被告は、リバーロキサバンのOD錠や細粒分包(以下、これらと被告製品を一括して「被告製品等」という。)も製造販売している。被告製品の添付文書は別紙被告製品目録記載のとおりであり、「効能又は効果」を本件用途1及び2とするものである。(甲3、23)
⑷ 業界紙への謹告の掲載被告は、別紙謹告目録記載1ないし6のとおり、令和2年12月4日から令和6年7月29日まで6回にわたり、業界紙である日刊薬業に「リバーロキサバンに関する特許権について」と題する謹告を掲載した(以下「本件謹告」と総称する。)。(甲15)
⑸ 原告の製品についての製造販売の申請等ア 原告は、令和5年2月、厚生労働大臣に対し、被告製品等の医療用後発医薬品(以下「後発医薬品」という。)である別紙原告製品目録記載1及び2の医薬品(以下「原告製品」と総称する。)について、薬機法14条1項所定の製造販売の承認申請をした。原告製品は、リバーロキサバンのOD錠であり、効能又は効果を本件用途1及び2とする医薬品である。原告は、令和6年8月、上記承認申請につき、「効能又は効果」を本件用途2とする限度で、製造販売の承認を受けた。(甲4、16)イ 原告は、効能又は効果を本件用途1とする追加承認を得るため、令和7年3月26日、厚生労働大臣に対し、上記OD錠の効能又は効果を本件用途1及び2として、薬機法14条15項所定の承認事項一部変更に係る承認申請をしたが、現在まで、同項所定の承認を受けていない。(甲19)
⑹ 後発医薬品の薬機法上の承認審査及び厚労省に対する被告の回答ア 後発医薬品の薬機法上の承認審査厚労省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」といい、厚労省と併せて「厚労省等」という。)は、後発医薬品の薬機法上の承認
5 審査に当たり、厚労省の通知(「承認審査に係る医薬品特許情報の取扱いについて」(平成6年10月4日薬審第762号厚生省薬務局審査課長通知。以下「平成6年通知」という。)及び「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて」(平成21年6月5日医政経発第0605001号、薬食審査発第0605014号厚生労働省医政局経済課長・厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知。以下「平成21年通知」という。))に基づき、後発医薬品の安定供給を確保する観点から、既承認の医療用医薬品(以下「先発医薬品」という。)の有効成分に係る物質特許又は用途特許についての情報の収集等を行い、後発医薬品について、先発医薬品に係る特許との抵触の有無を確認している(このような取扱いは、平成30年3月に署名され、同年12月に発効した「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」において、締約国に採用を義務付けられたものであり、「パテントリンケージ」などともいう。別紙関係法令等の定め参照。)。そして、平成6年通知及び平成21年通知は、先発医薬品の有効成分に係る物質特許又は用途特許(特許期間が満了しているものを除く。)の特許権者(出願人)又は当該特許に係る成分を有効成分として医薬品の承認を取得している者(以下「先発医薬品の特許権者等」という。)に対し、医薬品特許情報報告票に必要事項を記入し、PMDAに提出することを求めている。ただし、先発医薬品の特許権者等による医薬品特許情報報告票の提出は任意であり、一般に公開しないものとされている。また、平成21年通知は、先発医薬品の一部の効能・効果等に特許が存在し、その他の効能・効果等を標ぼうする医薬品の製造が可能である場合については、後発医薬品を承認できることとするものの、特許が存在する効能・効果等については承認しない方針であるとしている。(甲5ないし8)イ 厚労省に対する被告の回答厚労省は、原告製品の承認審査の過程で、前記アの各通知に基づき、先発
5 医薬品の特許権者等である被告に説明を求めた。これに対し、被告は、●(省略)●との見解を有している旨の回答をした(以下「本件回答」という。)。(甲16)2 争点
⑴ 本件謹告の掲載が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を流布するものか(争点1)
⑵ 本件回答が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を告知するものか(争点2)
⑶ 「営業上の利益を侵害されるおそれ」の有無(争点3)
⑷ 「故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した」に当たるか(争点4)
⑸ 正当な行為として違法性が阻却されるか(争点5)3 争点に対する当事者の主張
⑴ 争点1(本件謹告の掲載が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を流布するものか)について(原告の主張)ア 本件謹告は、「原告製品が本件発明の延長登録後の権利範囲に含まれるとの見解」を示したものであるから、「他人の営業上の信用を害する」(不競法2条1項21号)ものといえる。本件謹告に原告製品を特定する記載はないが、①本件特許権を含む3件の特許権について、延長登録を取得済み又は出願中であり、これらの特許権及び延長登録は有効であると共に実効性があるものと確信していること、リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業は、被告の知的財産権の侵害行為のなきよう十分留意してほしいこと等が記載されているから、リバーロキサバンを有効成分とする後発医薬品の製造販売行為は被告の保有する特許権を侵害するとの事実を含意しているとい
5 えること、②令和2年12月4日から令和6年7月29日までの間に合計6回も掲載されていること、③本件回答では、後発医薬品として原告製品が特定されていることに照らせば、厚労省等は本件謹告が原告製品を対象にする(少なくとも、原告製品を対象に含む)ものと当然に理解する。イ 特許権侵害の存否に関する見解も「事実」(不競法2条1項21号)に当たる。そして、以下のとおり、普通錠についての延長登録(本件延長登録3及び4)後の本件特許権の効力は、OD錠である原告製品には及ばず、その製造販売は本件特許権の侵害に当たらないから、本件謹告は「虚偽」(同号)に当たる。(ア) オキサリプラティヌム大合議判決は、医薬品として政令処分対象物と実質同一なものに存続期間が延長された特許権の効力が及ぶとした上で、医薬品の有効成分のみを特徴とするいわゆる物質特許については、「有効成分ではない「成分」に関して、対象製品が、政令処分申請時における周知・慣用技術に基づき、一部において異なる成分を付加、転換等しているような場合」(以下「第一類型」という。)のみを実質同一なものに含まれる類型として挙げているところ、同判決の判示等に照らせば、物質特許について実質同一と認められるのは第一類型に限られると解すべきである。本件特許は物質特許であるところ、本件延長登録3及び4に係る政令処分対象物(普通錠)と原告製品(OD錠)の有効成分は同一であるものの、添加剤の成分が大きく異なり、しかも、原告が本件延長登録3及び4に係る政令処分の申請後に相違する成分やその含有量に関する2件の特許権(特許第7511596号、特許第7641098号)を取得していることからすると、第一類型に当たるものとはいえない。(イ) 本件特許について、OD錠についての本件延長登録9及び10の存続期間は既に満了しており、上記OD錠はパブリックドメインになったということができるから、普通錠についての延長登録(本件延長登録3及び4)
5 後の権利範囲に上記OD錠を含めることは、特許権者と第三者の衡平を欠き、延長登録制度の趣旨に反する。(被告の主張)ア 本件謹告は、文面上、リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画している企業に対し、被告の保有する知的財産権の侵害があると認める場合には相応の手段を講じるという被告の姿勢を表明したものにすぎず、具体的な後発医薬品に係る特許権侵害の事実に言及したものではない。したがって、本件謹告は、特定の他人(原告)の財産上の義務履行について受ける社会的信頼を害するものではなく、「他人の営業上の信用を害する」ものとはいえない。イ 前記アのとおり、本件謹告は、知的財産権侵害に対する被告の姿勢を表明したものにすぎず、「事実」ではない。また、仮に本件謹告が、原告製品の製造販売が延長登録後の本件特許権の権利範囲に含まれることを示すものであるとしても、以下のとおり、本件用途1に係る普通錠についての延長登録(本件延長登録3及び4)後の本件特許権の効力は、効能又は効果に本件用途1を含む原告製品に及ぶから、本件謹告は「虚偽」ではない。●(省略)●
⑵ 争点2(本件回答が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を告知するものか)について(原告の主張)ア 被告は、厚労省に本件回答をし、厚労省はPMDAに情報提供をしたから、被告は、本件回答により、厚労省のみならずPMDAに対しても告知をしたものといえる。イ 本件回答は、原告製品について製造販売の承認申請をしている原告の営業
5 上の信用を害するものであるから、「他人の営業上の信用を害する」(不競法2条1項21号)ものといえる。ウ 特許権侵害の存否に関する見解も「事実」(不競法2条1項21号)に当たるところ、前記⑴(原告の主張)イと同様に、本件回答は「虚偽」(同号)に当たる。(被告の主張)ア 厚労省からPMDAに情報提供があったことは不知。イ 本件回答は、医薬品の承認審査の過程における厚労省の照会に対する回答であって、その他の様々な情報と共に行政機関である厚生労働大臣の判断の参考にされるにとどまり、その内容も、先発医薬品メーカーとして抽象的な法的見解を表明したものにすぎないから、原告の財産上の義務履行について受ける社会的信頼を害するものとはいえず、「他人の営業上の信用を害する」ものとはいえない。ウ 本件回答は、特許権の権利範囲に関する法的見解を表明したものにすぎないから、「事実」ではない。この点を措いても、前記⑴(被告の主張)イと同様に、本件回答は「虚偽」ではない。
⑶ 争点3(「営業上の利益を侵害されるおそれ」の有無)について(原告の主張)前記⑴及び⑵(原告の主張)によれば、原告は被告の不正競争(本件謹告の掲載及び本件回答)によって営業上の利益を侵害されたものであり、今後も「営業上の利益を侵害されるおそれ」(不競法3条1項)がある。(被告の主張)否認ないし争う。
⑷ 争点4(「故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した」に当たるか)について
5 (原告の主張)被告は故意又は過失により不正競争(本件謹告の掲載及び本件回答)を行って、原告の営業上の信用を害しており、「故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した」(不競法14条)に当たる。(被告の主張)否認ないし争う。
⑸ 争点5(正当な行為として違法性が阻却されるか)について(被告の主張)ア 特許権者が潜在的な侵害者に注意喚起を行うために業界紙に謹告を掲載することは広く一般に行われている。また、本件謹告を厚労省等が見ることがあったとしても、先発医薬品メーカーである被告が特許権侵害について厳正に対処する姿勢であることが抽象的に伝達されるにとどまる。イ 本件回答は、●(省略)●という相応の根拠に基づき、厚労省の照会に応じて、本件特許権の権利範囲について先発医薬品の特許権者等として自らの法的見解を述べたものにすぎず、具体的な後発医薬品の信用を殊更に毀損するような言説も含まれていない。ウ 以上によれば、本件謹告の掲載及び本件回答は、その具体的な内容及び態様に照らし、社会通念上必要かつ適切なものであり、情報提供に至った経緯を踏まえても相当なものであるから、正当な行為として違法性が阻却される。(原告の主張)争う。本件回答に関し、医薬品特許情報報告票を提出して厚労省に特許情報を伝えれば足り、原告製品を特定して特許権を侵害するとの虚偽の事実を告知することを正当化することはできない。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(本件謹告の掲載が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を流布
するものか)について
5 ⑴ 原告は、本件謹告は、「原告製品が本件発明の延長登録後の権利範囲に含ま
れるとの見解」を示すものであり、「他人の営業上の信用を害する」ものであると主張する。しかしながら、前記前提事実⑷のとおり、本件謹告は、要旨、①被告は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、本件特許権を含む5件の特許権を保有し、本件特許権を含む3件については、それぞれの製品の承認に基づき延長登録を取得済み又は出願中であって、これらの特許権(存続期間の延長に係る部分を含む。)を侵害する行為又は侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存であること、②リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業は、被告の知的財産権の侵害行為のなきよう十分留意してほしいことを内容とするものであり、原告製品に言及していないばかりか、侵害品たり得る製品の剤型や用途等の構成にも言及していない。そして、業界紙に掲載された本件謹告の読者は同業者を含む製薬業の関係者であると認められるところ、本件延長登録によって本件特許権の存続期間(当初は令和2年12月11日)が延長されたことからすると、上記のような内容の本件謹告を業界紙に掲載することで同業者に対する情報提供や注意喚起を図ることは、先発医薬品メーカーとして、後発医薬品の製造販売等による特許権侵害を防止する上で自然な対応であったと考えられる。以上によれば、読者の普通の注意と読み方とを基準にした場合に、本件謹告は、リバーロキサバンを有効成分とする後発医薬品の製造販売行為について、剤型や用途等を含むその構成によっては、先発医薬品についての本件特許権を侵害することがあり得るという当然の事項を前提に、被告がリバーロキサバンに係る特許権を侵害する行為等には権利を行使する方針であることを一般的に述べることによって、情報提供ないし注意喚起したものと理解するというべきであり、原告製品を含む特定の後発医薬品との関係での本件特許権の権利範囲
5 についての見解を示すものと理解するとは考え難い。
以上によれば、本件謹告が、「他人の営業上の信用を害する」(不競法2条1項21号)ものであるとはいえない。したがって、本件謹告の掲載は、同号所定の不正競争に当たらない。
⑵ これに対し、原告は、①本件謹告はリバーロキサバンを有効成分とする後発
医薬品の製造販売行為が被告の保有する特許権を侵害するとの事実を含意しているといえること、②令和2年12月4日から令和6年7月29日までの間に合計6回も掲載されていること、③本件回答では、後発医薬品として原告製品が特定されていることに照らせば、厚労省等は本件謹告が原告製品を対象にする(少なくとも、原告製品を対象に含む)ものと当然に理解すると主張する。しかしながら、上記①②について、本件謹告が、リバーロキサバンを有効成分とする後発医薬品の製造販売行為が先発医薬品についての本件特許権を侵害することがあり得るという当然の事項を前提に権利行使の方針を述べたものと理解できるのは前記⑴に説示したとおりであり、本件謹告から理解される内容は、その掲載回数の多寡や掲載期間の長短によって、変わるものではない。また、上記③について、厚労省等が、本件回答により、被告において、●(省略)●との見解を有している(前記前提事実⑹)ことを認識したとしても、本件謹告から理解される内容が前記⑴のとおりのものであることに変わりはない。そうすると、厚労省等が、本件謹告について、原告製品を含む特定の後発医薬品との関係での本件特許権の権利範囲についての見解を示すものと理解するとは認められない。したがって、
(原告の主張)
を採用することはできない。
2 争点2(本件回答が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を告知するも
のか)について
⑴ 不競法2条1項21号は、「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚
偽の事実を告知し、又は流布する行為」が不正競争に当たる旨規定している。
5 そして、不競法が、営業の自由の保障の下で自由競争が行われる取引社会を前
提に、経済活動を行う事業者間の競争が自由競争の範囲を逸脱して濫用的に行われ、あるいは、社会全体の公正な競争秩序を破壊するものである場合に、これを不正競争として防止しようとするものであること(最高裁平成17年(受)
第575号同18年1月20日第二小法廷判決・民集60巻1号137頁参照)
に照らせば、同号にいう「営業上の信用」とは、取引社会における事業者の経済的価値に対する社会的評価であって、当該事業者と取引を行うかの意思決定に影響を与え得るものをいうと解するのが相当である。
⑵ 医薬品の製造販売の承認は、厚生労働大臣が、医薬品等の品質、有効性及び
安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制として、薬機法により与えられた権限と責任に基づいてする行政処分であって、自由競争が行われる取引社会における取引とは性質が異なる。そして、厚労省等が、後発医薬品の承認審査に当たり、先発医薬品と後発医薬品との特許抵触の有無を確認するため、必要に応じて、先発医薬品の特許権者等に補足説明を求めることは、行政処分に先立つ情報収集行為であって、そこでは、厚労省等において、後発医薬品の申請者の経済的価値に対する社会的評価を形成することが想定されているとはうかがわれない。また、厚生労働大臣は、後発医薬品の承認審査において、先発医薬品の特許権者等からの提供情報だけでなく、諸般の事情を総合考慮し、自らの権限と責任においてその判断をするものである上に、先発医薬品の特許権者等から提供される情報は一般に公開しないとされている(前記前提事実⑹ア)のであるから、同情報が市場に伝ぱして取引社会における申請者の経済的価値に関する社会的評価が低下するおそれがあるということもできない。
⑶ 以上によると、被告が、厚労省による原告製品の承認審査の過程で、先発医
薬品の特許権者等として説明を求められたのに対し、●(省略)●との見解を有している旨の回答(本件回答)をして情報提供することは、「他人の営業上
5 の信用を害する」(不競法2条1項21号)ものであるとはいえない。
したがって、本件回答は、不競法2条1項21号所定の不正競争に当たらない。
第4 結論
よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第46部裁判長裁判官 髙 橋 彩裁判官 西 山 芳 樹裁判官 瀧 澤 惟 子別紙原告製品目録下記1及び2の医薬品
5 記
1 【販売名】リバーロキサバンOD錠10mg「JG」
【効能又は効果】
①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
【用法及び用量】〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉通常、成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。
2 【販売名】リバーロキサバンOD錠15mg「JG」
【効能又は効果】
①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
【用法及び用量】〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉通常、成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。以上別紙特許請求の範囲
1 請求項1
5 「式
【化1】で示される化合物又はその製薬学的に許容され得る塩もしくは水和物。」
2 請求項2
「式【化2】を有する請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩もしくは水和物。」
3 請求項3
「請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩もしくは水和物を有効成分として含有することを特徴とする医薬。」
4 請求項4
「抗凝固薬である請求項3に記載の医薬。」
5 請求項5
「式【化3】で示される化合物をカルボニルジイミダゾールと反応させることを特徴とする式
5 【化4】
で示される化合物の製造方法。」
6 請求項6
「式【化5】で示される化合物を式【化6】で示される化合物と反応させることを特徴とする式【化7】で示される化合物の製造方法。」別紙存続期間の延長登録
1 出願番号 2012-700072
5 登録年月日 平成25年3月21日
延長の期間 3年6月28日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
承認番号 22400AMX00041000
⑶ 処分の対象となった物
販売名 イグザレルト錠15mg一般名 リバーロキサバン
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
2 出願番号 2012-700073
登録年月日 平成25年3月21日延長の期間 3年6月28日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
承認番号 22400AMX00042000
⑶ 処分の対象となった物
販売名 イグザレルト錠10mg一般名 リバーロキサバン
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
3 出願番号 2015-700326
5 登録年月日 平成28年7月6日
延長の期間 5年特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
令和元年12月4日号外法律第63号による改正前の薬機法14条9項(以下「旧薬機法14条9項」という。)に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト錠15mg承認番号 22400AMX00041000号
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルト錠15mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制
4 出願番号 2015-700327
登録年月日 平成28年7月6日延長の期間 5年特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
旧薬機法14条9項に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト錠10mg承認番号 22400AMX00042000号
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルト錠10mg
5 ⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制
5 出願番号 2015-700328
登録年月日 平成28年7月6日延長の期間 1年8月7日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト細粒分包15mg承認番号 22700AMX01027000号
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルト細粒分包15mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
6 出願番号 2015-700329
登録年月日 平成28年7月6日延長の期間 1年8月7日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト細粒分包10mg承認番号 22700AMX01028000号
⑶ 処分の対象となったもの
5 有効成分 リバーロキサバン
販売名 イグザレルト細粒分包10mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
7 出願番号 2016-700019
登録年月日 平成28年10月26日延長の期間 1年10月11日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
旧薬機法14条9項に規定する医薬品製造販売の承認事項の一部変更に係る同項の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト細粒分包15mg承認番号 22700AMX01027000
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルト細粒分包15mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制
8 出願番号 2016-700020
登録年月日 平成28年10月26日延長の期間 1年10月11日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
旧薬機法14条9項に規定する医薬品製造販売の承認事項の一部変更に係る同項の承認
5 ⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルト細粒分包10mg承認番号 22700AMX01028000
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルト細粒分包10mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制
9 出願番号 2020-700574
登録年月日 令和3年3月10日延長の期間 1年6月21日特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品の製造販売の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルトOD錠10mg承認番号 30200AMX00759000
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルトOD錠10mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制・深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制
10 出願番号 2020-700575
登録年月日 令和3年3月10日延長の期間 1年6月21日
5 特許法67条2項の政令で定める処分の内容
⑴ 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬機法14条1項に規定する医薬品の製造販売の承認
⑵ 処分を特定する番号
医薬品 イグザレルトOD錠15mg承認番号 30200AMX00760000
⑶ 処分の対象となったもの
有効成分 リバーロキサバン販売名 イグザレルトOD錠15mg
⑷ 処分の対象となった物について特定された用途
・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制・深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制別紙被告製品目録【販売名】
5 ①イグザレルト錠10mg
②イグザレルト錠15mg
【効能又は効果】(成人)
①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
(小児)
①静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制
②Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制
【用法及び用量】〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉(成人)通常、成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。(小児)通常、体重30kg以上の小児にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉通常、体重50kg以上の小児にはリバーロキサバンとして10mgを1日1回経口投与する。別紙謹告目録
1 令和2年12月4日 日刊薬業15520号
5 「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とす
る「イグザレルト錠10mg/15mg」、「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」を製造販売し、また、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」の製造販売を予定しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、同第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうちの3件、同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、それぞれの製品の承認に基づき、特許延長登録を取得済み、または、特許延長登録を出願中です。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。従いまして、当社は、これら特許権を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対しましては、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」
2 令和3年6月28日 日刊薬業15653号
「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とする「イグザレルト錠10mg/15mg」、「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」、および「イグザレルトドライシロップ小児51.7mg/103.4mg」を製造販売しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済み(さらに新たな特許延長登録出願も係属
5 中)です。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性
があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」
3 令和4年2月1日 日刊薬業15794号
「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とする「イグザレルト錠10mg/15mg」、「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」、および「イグザレルトドライシロップ小児51.7mg/103.4mg」を製造販売しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済みです。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。
5 リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されてい
る企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」
4 令和4年7月22日 日刊薬業15908号
「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とする「イグザレルト錠10mg/15mg」、「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」、および「イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg/103.4mg」を製造販売するとともに「イグザレルト錠2.5mg」の製造販売承認を取得しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済み(さらに新たな特許延長登録出願も係属中)です。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」
5 令和5年2月1日 日刊薬業16032号
「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とす
5 る「イグザレルト錠2.5mg/10mg/15mg」、
「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」、および「イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg/103.4mg」を製造販売しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、同第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済みです。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」
6 令和6年7月29日 日刊薬業16390号
「バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とする「イグザレルト錠2.5mg/10mg/15mg」、「イグザレルト細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルトOD錠10mg/15mg」、および「イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg/103.4mg」を製造販売しております。当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、同第4852423号、同第5147703号、同第
5 5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、
そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済みです。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。」別紙関係法令等の定め
第1 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)
5 1条1項により組み込まれた環太平洋パートナーシップ協定
第十八・五十三条 特定の医薬品の販売に関する措置
1 締約国は、医薬品の販売を承認する条件として、安全性及び有効性に関する情
報を最初に提出した者以外の者が、以前に承認された製品の安全性又は有効性に関する証拠又は情報(例えば、先行する販売承認であって、当該締約国によるもの又は他の国若しくは地域の領域におけるもの)に依拠することを認める場合には、次のものを定める。
(a) 当該最初に提出した者以外の者が当該承認された製品又はその承認された使
用の方法が請求の範囲に記載されている適用される特許の期間中に当該医薬品を販売しようとしていることについて、当該医薬品が販売される前に、特許権者(注)に通知し、又は特許権者が通知を受けられるようにする制度注 (省略)
(b) 特許権者が、侵害しているとされる製品の販売(注)前に、(c)に規定する
利用可能な救済手段を求めるための十分な期間及び機会注 (省略)
(c) 承認された医薬品又はその承認された使用の方法が請求の範囲に記載されて
いる適用される特許の有効性又は侵害に関する紛争を適時に解決するための手続(司法上又は行政上の手続等)及び迅速な救済措置(予備的差止命令又はこれと同等の効果的な暫定措置等)
2 締約国は、1の規定の実施に代えて、特許権者若しくは販売承認の申請者によ
り販売承認を行う当局に提出された特許に関連する情報に基づき又は販売承認を行う当局と特許官庁との間の直接の調整に基づき、当該特許権者の承諾又は黙認を得ない限り、請求の範囲に記載されている特許の対象である医薬品を販売しようとする第三者に販売承認を与えない司法上の手続以外の制度を採用し、又は維持する。
第2 承認審査に係る医薬品特許情報の取扱いについて(平成6年10月4日薬審第
5 762号厚生省薬務局審査課長通知)
医薬品の承認審査段階における特許情報の考慮については、平成5年5月「21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会」報告において提言があったところであるが、医薬品の安定供給を確保する観点から先発品と後発品との特許抵触の有無について確認するため、本年11月1日より下記により医療用医薬品に係る特許情報の収集等を行うこととしたので貴管下関係業者に対する指導方御配慮願いたい。記
1 収集する特許情報の対象については、当面、既承認の医療用医薬品(体外診断
用医薬品を除く。以下同じ。)の有効成分に係る物質特許(ただし、特許期間が満了しているものを除く。)についての情報とすること。
2 上記1に係る特許権者(特許出願人)又は当該特許に係る成分を有効成分とし
て医薬品の承認を取得している者は、再審査の調査期間終了前(既に再審査の調査期間が終了しているものであっても特許期間が満了していない場合には本年12月末日まで)に、別紙の医薬品特許情報報告票に必要事項を記入し、当課あて直接提出すること。ただし、提出は任意とし、一般には公開しないものとする。
3 新有効成分含有医薬品の再審査の調査期間終了後に同一有効成分の医療用医薬
品の製造(輸入)承認申請を行う者は、当該有効成分に係る物質特許の有無及び物質特許がある場合には承認後速やかに製造又は輸入販売できることを示す資料を添付すること。
第3 医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱
いについて(平成21年6月5日医政経発第0605001号、薬食審査発第0605014号厚生労働省医政局経済課長・厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)医療用後発医薬品(以下、「後発医薬品」という。)の薬事法上の承認審査に係る特許情報については、平成6年10月4日付け薬審第762号審査課長通知
5 「承認審査に係る医薬品特許情報の取扱いについて」に示したとおり、医薬品の
安定供給を図る観点から、承認審査の中で、先発医薬品と後発医薬品との特許抵触の有無について確認を行っているところである。今般、後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて、下記のとおり定めたので、貴管下関係事業者に対し指導方、よろしくお願いいたしたい。また、併せて、平成6年10月4日付け薬審第762号審査課長通知「承認審査に係る医薬品特許情報の取扱いについて」の一部改正を行うこととする。記
1 後発医薬品の薬事法上の承認審査にあたっては次のとおり取り扱うこと。な
お、以下について、特許の存否は承認予定日で判断するものであること。
(1) 先発医薬品の有効成分に特許が存在することによって、当該有効成分の製造
そのものができない場合には、後発医薬品を承認しないこと。
(2) 先発医薬品の一部の効能・効果、用法・用量(以下、「効能・効果等」とい
う。)に特許が存在し、その他の効能・効果等を標ぼうする医薬品の製造が可能である場合については、後発医薬品を承認できることとすること。この場合、特許が存在する効能・効果等については承認しない方針であるので、後発医薬品の申請者は事前に十分確認を行うこと。
(3) (省略)
2 (省略)
3 その他
(1) (省略)
(2) 平成6年10月4日付け薬審第762号審査課長通知「承認審査に係る医薬
品特許情報の取扱いについて」は以下のアからコのとおり改正する。ア 記の1及び3中の「物質特許」を「物質特許又は用途特許」とする。イ 記の2の「本年12月末日まで」、「当課あて直接」をそれぞれ「特許期間満了まで」、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部あてに」とする。
| 特許裁判例 実用新案裁判例 |
| 意匠裁判例 商標裁判例 |
| 不正競争裁判例 著作権裁判例 |
| 特許判例 実用新案判例 |
| 意匠判例 商標判例 |
| 不正競争判例 著作権判例 |
10月19日(月) - 大阪 中央区
生成AIを活用した技術&知財戦略の策定方法-生成AIを活用したアイデア発想とパテントマップ作成による勝てる技術&知財戦略の実践方法-
10月19日(月) - オンライン
10月19日(月) - オンライン
10月19日(月) - オンライン
10月20日(火) - オンライン
10月20日(火) - オンライン
10月20日(火) - 大阪 大阪市
10月20日(火) - オンライン
10月20日(火) - オンライン
10月21日(水) - オンライン
〜発明が生まれる開発現場の知財力を強化する~一枚図解でわかる 新規性・進歩性 ──発明とは何なのかを理解して、その先のイノベーションへ!
10月21日(水) - オンライン
10月21日(水) - オンライン
公正取引委員会 も注視する“不当なノウハウ流出”の現場と対策セミナー 「電子公証サービス」で証拠を残す 共同研究や取引交渉で負けない知財戦略
10月21日(水) - オンライン
10月22日(木) - オンライン
10月22日(木) - オンライン
10月22日(木) - オンライン
10月22日(木) - 東京 町田市
10月22日(木) - オンライン
10月22日(木) - オンライン
10月23日(金) - 大阪 大阪市
10月23日(金) - 大阪 大阪市
10月23日(金) - オンライン
10月23日(金) - オンライン
10月19日(月) - 大阪 中央区
生成AIを活用した技術&知財戦略の策定方法-生成AIを活用したアイデア発想とパテントマップ作成による勝てる技術&知財戦略の実践方法-
10月26日(月) - オンライン
10月26日(月) - オンライン
商標的使用論・商標機能論・商標法26条・権利濫用論等の違いからみた『商標権侵害と対応策』 ~どのように攻め、どのように守るか~
10月26日(月) - オンライン
10月26日(月) - オンライン
10月27日(火) - 東京 千代田
10月27日(火) - 千葉 千葉市
10月27日(火) - 東京 港区
10月28日(水) - オンライン
英文契約の実務(基礎から読解・作成のポイントまで)―日本語契約との違いや起こりやすいトラブル、悩ましい英文も解説します―
10月28日(水) - オンライン
最新の制度改正を反映 海外の特許制度と実務上の留意点(米国・欧州(EPC)・中国) ~米国ならびに EPC (欧州特許条約)・中国の各制度の下でのグローバル特許取得の基本的な知識と留意点を解説します~
10月28日(水) - 東京 千代田
10月28日(水) - オンライン
10月28日(水) - オンライン
10月29日(木) - オンライン
10月29日(木) - オンライン
10月29日(木) - オンライン
10月30日(金) - オンライン
10月26日(月) - オンライン
東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目35-14-202 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 鑑定 コンサルティング
〒543-0014 大阪市天王寺区玉造元町2番32-1301 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング
〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町3-205 ABCビル401 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング