ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(ネ)10048 損害賠償請求控訴事件
| 裁判所 | 控訴棄却 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和7年12月17日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 被控訴人LINEヤフー株式会社 |
| 対象物 | ホームページ統合サービス提供システム及び方法 |
| 法令 |
特許権 特許法36条6項1号1回 |
| キーワード | 侵害19回 特許権10回 損害賠償2回 実施2回 無効1回 |
| 主文 | 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は、控訴人の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を3 0日と定める。 |
| 事件の概要 | 「被告」を「被控訴人」と、 「別紙」を「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。) |
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令和7年12月17日判決言渡
令和7年(ネ)第10048号 損害賠償請求控訴事件(原審 東京地方裁判所令
和5年(ワ)第70265号)
口頭弁論終結日 令和7年10月6日
判 決
控 訴 人 ネオパット インコーポレーション
同訴訟代理人弁護士 村 田 真 一
同 小 松 香 織
同 竹 内 麻 琴
同訴訟代理人弁理士 越 柴 絵 里
被 控 訴 人 LINEヤフー株式会社
同訴訟代理人弁護士 塩 月 秀 平
同 松 山 智 恵
同 吉 井 将 太 郎
同 齋 藤 真 司
同補佐人弁理士 澤 井 光 一
同 阪 和 之
主 文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を3
0日と定める。
事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。2 被控訴人は、控訴人に対し、1億円及びこれに対する令和5年6月1日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。3 被控訴人は、控訴人に対し、1億円及びこれに対する令和5年11月21日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。4 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。5 仮執行宣言
第2 事案の概要(略語は原判決の表記に従う。なお、「原告」を「控訴人」と、
「被告」を「被控訴人」と、「別紙」を「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。)1 本件は、発明の名称を「ホームページ統合サービス提供システム及び方法」とする特許(特許第5096619号。本件特許。本件特許に係る特許権は本件特許権。)の特許権者である控訴人が、被控訴人がインターネットショッピングサービスである「Yahoo!ショッピング」(被控訴人サービス)の運営に当たって出店者に対して提供するシステム及び方法(①平成25年10月から令和3年2月までの被控訴人提供に係るシステム及び方法、②同月から現在までの被控訴人及び株式会社オーガランド(オーガランド。承継後は株式会社オーレックソリューションズ)提供に係るシステム及び方法)がいずれも本件特許権を侵害すると主張して、被控訴人に対し、不法行為に基づき、それぞれ損害賠償金1億円及びこれに対する①令和5年6月1日(訴状送達の日の翌日)又は②同年11月21日(訴え変更申立書送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。原審が、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人がその取消しを求めて本件控訴を提起した。2 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、当審における控訴人の補充主張にも鑑み次のとおり補正し、後記第3のとおり当審における当事者の主な補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中(原判決を引用する場合に「事実及び理由」中との記載を省略する。以下、同様である。)、第2の1、2及び第3(原判決2頁19行目から40頁2行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
⑴ 原判決3頁6行目ないし7行目の「願書に添付された明細書及び図面」を「願書に添付して提出した明細書及び図面とみなされた各翻訳文」と改める。
⑵ 原判決3頁10行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。「優先日(韓国):平成21年7月15日(以下『本件優先日』という。)」
⑶ 原判決8頁17行目の「27、」の次に「183、191、」を、同頁26行目の末尾の次に次のとおりそれぞれ加える。「ログインに当たっては、出店申請をした際に発行されるストアアカウントの入力が必要である。ストアアカウントは出店申請をする者が決めることになるが、既に同一のものの登録があれば拒絶され、半角小文字英数字とハイフンのみで3文字以上20文字以内とすることなど、制限がある。」
⑷ 原判決9頁11行目の末尾の次に「商品ページのURLには、ストアアカウントが含まれる。」を、同頁18行目の「ボタンを押すと、」の次に「一つのプレビュー画面である」をそれぞれ加える。
⑸ 原判決10頁12行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。「エ 一方、『ページレイアウト』の『カテゴリページ』をクリックすると、カテゴリページテンプレート設定画面(図2.5。赤枠は証拠(甲183)に付記)が表示され、カテゴリページ1ないし5が示される。そのうちの一つを選択し、設定画面に表示された『編集』ボタンを押すと、カテゴリページレイアウト設定画面が表示される。そこに表示された『デザイン編集ボタン』を押すと『タイトル画像』等のボタンが表示されるところ、『カテゴリリスト』のボタンを押すと、カテゴリリスト画面が表示されて、パターン選択として、タイプ1ないし5が示され、その一つを選択してプレビュー表示を押すと、プレビュー画面の画像の見本が示される。なお、被控訴人旧システムにおけるカテゴリページの作成画面については、後記⑹イのとおりである。【図2.5】」
⑹ 原判決11頁1行目の「171、」の次に「192、」を加え、同行目の「44」を「45」と改め、同頁11行目の末尾の次に次のとおりそれぞれ加える。「ログインに当たっては、出店申請をした際に被控訴人から発行される、個々のストアを識別するストアアカウントを入力するところ、この点は被控訴人旧システムにおけるのと同様である。」
⑺ 原判決11頁26行目の「4つ」を「四つ」と改め、同12頁1行目の「表示される」の次に「(なお、現在のシステムにおいては『なし』のテンプレートも表示され、五つであるが、いずれにしろこの四つないし五つのテンプレートは決まったものが常に表示される。)」を、同頁12行目の末尾の次に「リクエスト行のURLには、ストアアカウントが含まれる。」をそれぞれ加える。
⑻ 原判決13頁16行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。「エ 本件連動型システムにおけるトップページの作成においては、ストアトップページのお手本の虫メガネボタン(図5)を押すとプレビュー画面(図6)が表示され、『デザインの作成に進む』ボタンをクリックすると、デザイン作成画面が表示される。【図5】【図6】オ 本件連動型システムにおけるカスタムページの作成においては、『カスタムページを作る』のボタンを押すと、『どのテンプレートで始めますか?』と表示される画面(図7)が表示され、テンプレート右上の虫メガネボタンを押すと、プレビュー画面が表示される。その『デザインの作成へ進む』のボタンを押すと、デザイン作成画面(図8)が表示される。【図7】【図8】
⑹ 被控訴人新システムの概要並びに被控訴人旧システム及び被控訴人新システムにおけるカテゴリページア 被控訴人新システムは、被控訴人旧システムにおける、複数のホームページ製作用途別に複数のホームページテンプレートを提供する仕様から、複数のホームページ製作用途別に単数(一つ)のテンプレートを提供する仕様としたものである(甲221)。イ 被控訴人旧システム及び被控訴人新システムにおけるカテゴリページにおいては、カテゴリページプレビュー画面(図9。図9は被控訴人新システムの画像。赤枠は証拠(甲221)に付記)において、『ページ新規作成』欄の『カテゴリページの作成』ボタンを押すと、カテゴリページ編集画面が表示され、使用中のテンプレートにカテゴリページ1、カテゴリ名(必須)等と表記され、カテゴリ名を20文字以内で入力する。【図9】」
⑼ 原判決13頁17行目の「⑹」を「⑺」と、同頁18行目の「基礎出願日」を「本件優先日」とそれぞれ改める。
⑽ 原判決38頁13行目の「出願当初に添付した明細書等」を「国内書面として提出した明細書、請求の範囲及び図面の翻訳文」と改める。
⑾ 原判決40頁1行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。「控訴人は、被控訴人による消滅時効の援用につき、予備的に、金銭請求の根拠として、不当利得返還請求権を主張する(控訴理由書53頁脚注22)。」
第3 当審における当事者の主な補充主張
〔控訴人〕
1 控訴人の当審における主張及び被控訴人旧システムの侵害態様について
⑴ 控訴人の当審における主張の概要について、以下のとおりである。
控訴人は、構成要件1C及び21Cのメタデータとして、個々の商品をグループ化した「カテゴリ名」を「カテゴリページ」の製作用途と主張するほか、「商品ページ」の製作用途であると主張する。また、原審における主張に加え、新たに商品ページのURI(URL)を構成要件1C及び21Cのメタデータと主張するに至った。原判決のクレーム解釈について、控訴人は、情報提供者に関する情報の登録を主張立証していたにもかかわらず、原判決は情報提供者に関する情報とホームページ製作用途の登録が、同時に行われるべきとの解釈を前提に、サーバに送信されるHTTPリクエストについて、情報提供者に関するデータが含まれるとはいえないとの判示をした。しかし、「前記情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータ」の登録の時点について、クレームの文言に限定はないから同時に行われなくてもよく、ホームページ製作用途の有する技術的意義、本件明細書の記載に照らし、上記の判示のような考え方は採用されるべきではない。「情報提供者に関する情報」は登録されているから、構成要件1C及び21Cの充足性に問題はない。
⑵ 商品ページのURI(URL)は、例えば、ストア名が「bestsmileforyou」、
商品コード(商品ID)が「sfl0017」である場合、その中に、以下のとおり、情報提供者に関するデータである「ストアアカウント」が含まれているhttps://store.shopping.yahoo.co.jp/bestsmileforyou/sfl0017.html ス ト ア名(ストアアカウント)/商品コードこのような、ストアを構成する各ページのURI(URL)の構造をみれば、URI(URL)を呼び出すためのHTTPリクエストにも「情報提供者に関するデータ」であるストアアカウントが含まれていることは当然である。構成要件1C及び21Cの「メタデータ」は、データの意味を記述又は代表するデータを意味し、ID等の識別子も、データのデータである以上、識別対象となるデータのメタデータに当たるところ、ストアアカウントは「ストア」の、カテゴリ名は「個々のカテゴリ」の、商品コードはこれに対応した「商品」の意味を記述し、又は代表するデータであるから「メタデータ」に当たる。被控訴人旧システム、本件連動型システム及び被控訴人新システム(以下、これらを併せて「被控訴人各システム」という場合がある。)は、いずれも構成要件1C及び21Cを充足することは明らかである。
⑶ 「商品ページ」を選択すること等の行為について
被控訴人各システムは、もともと、「商品ページ」などのウェブページの製作を目的とする。中でも特に、被控訴人旧システム及び被控訴人新システムの「ツールメニュー」のうち、「ストア構築」の「ストアデザイン」「ページ編集」を選択して表示される画面が、ウェブページの製作を目的とすることは明らかである。そして、上記のようなシステム・メニューの中で、例えば、ユーザが、「商品ページ」を製作する目的をもってする、①「商品ページ」を選択すること、②「商品ページ作成ボタン」を選択することは、いずれも、「ホームページ製作用途」の選択と異ならない。上記各選択行為に基づいて、各システムに送信された上記選択結果は、URIに示されるように構造化され、永続的に記憶された上で、被控訴人各システムにおいて様々な態様で利活用されており、これは、構成要件1Cまたは21Cにおける「ホームページ製作用途」の「登録」にほかならない。
⑷ カテゴリページの作成について
上記⑴のとおり、控訴人が構成要件1C及び21Cのメタデータに当たると主張する、カテゴリページ製作用途を含むメタデータは、以下のとおりである(以下、《1》、《2》・・・のように特定する。)。ア 構成要件1Cのメタデータは、以下のとおりである。・5個のカテゴリページテンプレートのURI(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/カテゴリページテンプレート識別子)《1》・作成されるカテゴリページのURI(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/カテゴリページID)《2》・カテゴリページに登録されるカテゴリ名(ストアアカウントと関連付けられる)《3》イ 構成要件21Cのメタデータは、以下のとおりである。・5個のカテゴリページテンプレートのURI(上記《1》)・基本テンプレートとして選択・保存されたカテゴリページテンプレートのURI(.../ストアアカウント/...)《4》・基本テンプレートとして選択・保存されたカテゴリページテンプレート名(ストアアカウントと関連付けられる)《5》ウ 初めてカテゴリページを作成するときは、どのユーザにも同じように、5個のカテゴリページテンプレートが表示される。このため、カテゴリページテンプレートを読み出す前には、そのURIにストアアカウントは挿入されていないと考えられる。他方、上記のとおり、ユーザと関連付けてカスタマイズ・保存できるように、「カテゴリページ1」や「カテゴリページ2」等の名称が付された、特定のカテゴリページテンプレートを読み出すと、そのURIにストアアカウントが挿入され、一時的な記憶を経て、カスタマイズ後「保存」ボタンを押すことにより、データベースに確定的に保存される。
⑸ 商品ページの作成について
上記⑴のとおり、控訴人が当審において、構成要件1C及び21Cのメタデータに当たると主張するに至った、(個々の)商品(一般)ページ製作用途を含むメタデータは、以下のとおりである。ア 構成要件1Cのメタデータ・12個の商品ページテンプレートのURI(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/商品ページテンプレート識別子)《6》・作成される商品ページのURI(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/商品ページID)《7》・カテゴリページに登録され、サイトマップに表示される最下位カテゴリ名(ストアアカウントと関連付けられる)《8》イ 構成要件21Cのメタデータ・12個の商品ページテンプレートのURI(上記《6》)・基本テンプレート設定画面で選択・保存された商品ページテンプレート名(ストアアカウントと関連付けられる)《9》・基本テンプレート設定画面で選択・保存された商品ページテンプレートのURI(.../ストアアカウント/...)《10》
⑹ 上記のとおりの当審における主張の変更に伴い、それぞれのメタデータに
対応する「ホームページ見本」として、被控訴人旧システムにおける5タイプのカテゴリリストの表示パターン、5タイプのカテゴリリストの表示パターンのプレビュー画面、12タイプの商品基本情報の表示パターン及び12タイプの商品基本情報の表示パターンのプレビュー画面を、「ホームページ見本」に当たるものとして主張する。
⑺ 上記⑷ないし⑹について説明を補足すると、本件明細書の記載や技術常識
に照らすと、構成要件1Eの「登録されるメタデータに含まれるホームページ製作用途」は、当該メタデータそのもののほか、当該メタデータについての、細分化された製作用途の上位概念や近似する概念などの、「含意される概念」(「含意」とは、ある命題が、表面には表れない意味を内蔵していることを意味する。)を含み 、これらの概念を利用して、上記製作用途に関連するホームページ見本が読み出されてもよいと解される。すなわち、本件明細書の図4のツリー図において、最下位概念の用途として、「ビジネス用 > 飲食店 > ピザ」という製作用途を登録すると、その中に、「ビジネス用 > 飲食店」が含まれている。また、本件明細書では、段落【0113】ないし【0115】の記載のとおり、情報提供者は、製作しようとするホームページに符合する限り、複数のホームページ製作用途を登録できるし、最下位用途ではない、「飲食店」等を中間用途として登録できるとしている。本件明細書は、ホームページ製作用途の登録は、選択式の方法によるほか、「直接主観式で入力することもでき」るとしており(段落【0111】)、マニュアルによる、ホームページ製作用途の入力をも想定している。マニュアルの場合、情報提供者が、「飲食店」を、「レストラン」、「食堂」、「食事処」、「料亭」、「BBQ」と入力するなど、多様な表現でホームページ製作用途を登録することを前提として、上位概念あるいは近似する概念に係るホームページ見本を読み出さざるを得ないはずである。さらに、あるメタデータに含意される意味を利用した検索に関し、本件明細書は、一般論としても、本件発明1及び21の構成にも含まれる、メタデータの利活用方法である「インデックス」 について、段落【0193】及び図44には、厳密には意味を異にするものを含め、上位概念あるいは近似する概念により統合したメタデータの利用を開示している。すなわち、図44の統一評判インデックス名にみられるように、もとのメタデータを上位概念化したり(「一番近い」や「辺り」を「場所」に統一化したり)、意味の異なる語を近似する語で代替して(「雰囲気よい銀行」を「サービスよい銀行」に含める)、検索対象の読み出しに利活用することが行われている。このような利用態様は、メタデータ一般についての、技術常識でもある。以上によれば、本件明細書の図4のツリー図が、ユーザに選択肢として示されるかどうかにかかわらず、下位概念に係るホームページ製作用途は、当然に、上位概念のホームページ製作用途を含み、また、近似する概念をも含むと解するのが相当である。そうすると、構成要件1C及び21Cの登録される(た)「ホームページ製作用途」は、当該メタデータそのもののほか、当該メタデータについて、細分化された製作用途の上位概念や近似する概念などの、「含意される」概念を含み、構成要件1E及び21E・Gにおいては、これらの概念を介し、上記製作用途に関連するホームページ見本が読み出されてもよいことを意味すると解するのが相当である。このような意味において、カテゴリページテンプレートのURIは、カテゴリページを製作する目的(カテゴリページ製作用途)をも含意し、カテゴリページのURIは、「カテゴリページの製作用途」を含むから、カテゴリページテンプレートのURIは、「カテゴリページの製作用途」を含むメタデータに相当する。また、個々の商品ページ(商品コード)は、その総体である「商品(一般)」として管理されており、個々の商品ページ(商品コード)と、「商品(一般)」の関係は、本件明細書の図4にある、飲食店やピザ等についてみると、「ビジネス用 > 飲食店 > ピザ 」のように、下位概念と上位概念の関係にある。このため、カテゴリに属する商品ページの製作用途は、個々の商品ページの製作用途を含み、また、商品ページ一般の製作用途をも含むと理解される。これを商品ページ(一般)との関係についてみると、個々の商品は、商品一般として、管理されている。以上によれば、商品ページを帰属させる、最下位カテゴリに係るカテゴリ名は、商品ページを作成する目的(商品ページ製作用途)の意味を含み、その登録は、「商品ページ製作用途」の登録に相当する。その余の構成については、以下の点を置き換えるほか、5個の水色のカテゴリページテンプレート(前記第2の2⑸の【図2.5】参照)が「ホームページ見本」に当たるとしたのと同様である。・「カテゴリ」➡「商品」・「カテゴリページ」➡「商品ページ」・「5個の(水色の)カテゴリページテンプレート」➡「12個の(水色の)商品ページテンプレート」・「カテゴリリスト」➡「商品基本情報」
⑻ 構成要件1E、21E・Gの「ホームページ製作用途を利用して」につい
て、ウィザード(使用頻度の高いファイルにリンクを貼り、これを利用して、機械的な検索をすることなく、直接データベースからファイルを読み出すこと)などにみられるように、メタデータを利活用したシステム・デザイン(画面)設計が行われている中、登録に係るメタデータに含まれるホームページ製作用途と「同じ概念」を利用してホームページ見本が読み出されていれば、構成要件1E等を充足することは明らかである。
2 本件連動型システムの侵害態様について
⑴ Magnetシステムにおけるメタデータの利用
Magnetシステムにおいて、「商品ページ」の製作用途に係るメタデータは、本件発明が想定している態様で、①ユーザにより、入力・選択時に利用され、②システムの中で、ウィザードやイベントドリブンによる処理を含めたプロセスに組み込まれて利用される。
⑵ 商品ページの作成
構成要件1C、21Cのメタデータは、以下のとおりである。(組み合わせにより両構成要件を充足する。)・カテゴリ名の登録(Y)+商品ページのお手本テンプレートのURI(Zα)(https://・・・/ストアアカウント/カテゴリ名/商品ページテンプレート識別子)《11》・カテゴリ名の登録(Y)+商品ページのURI(Zβ)(https://・・・/ストアアカウント/カテゴリ名/商品コード)《12》
⑶ トップページの作成
ア 構成要件1Cのメタデータ・複数のストアトップページお手本(テンプレート)のURI(https://・・・/ストアアカウント/トップページテンプレート識別子)《13》イ 構成要件21Cのメタデータ・ストアアカウントとお手本のファイル名が含まれたストアトップページのURI(https://・・・/ストアアカウント/index.html)《14》
⑷ カスタムページの作成
ア 構成要件1Cのメタデータ・複数のカスタムページのお手本(テンプレート)のURI(https://・・・/ストアアカウント/カスタムページテンプレート識別子)《15》イ 構成要件21Cのメタデータ・ストアアカウントとカスタムページお手本ファイル名が含まれたカスタムページのURI(https://・・・/ストアアカウント/ページ ID)《16》
⑸ 当審におけるメタデータの追加主張に伴い、控訴人は、本件連動型システ
ムにおいて、横に並んだPC用及びスマホ用の商品ページの「お手本」の虫メガネボタンを押して表示されるプレビュー画面及び「デザインの作成」画面をホームページ見本に当たるものとして追加する。
⑹ 前記のとおり、被控訴人旧システムにおいて、商品ページを帰属させる最
下位カテゴリのカテゴリ名は、商品ページの製作用途を含むメタデータでURIもある。すなわち、被控訴人新システムにおいても、Magnetシステムにおいても、被控訴人旧システムと同様に、商品ページを作成するためには、必ず、カテゴリ登録を要し、帰属先のカテゴリと関連付けてから行う必要がある。被控訴人新システムでも、Magnetシステムでも、カテゴリを削除すると、その下の商品も削除されることに照らしても、カテゴリが、これに属する商品ないし商品ページにとって不可欠な前提であることがわかる(甲219)。このため、被控訴人新システム及びMagnetシステムにおける、商品ページを帰属させる最下位のカテゴリに係るカテゴリ名は、商品ページの作成目的(商品ページ製作用途)の意味をも含み、商品ページの製作用途を含むメタデータに相当する。
⑺ 上記⑹のとおり、本件連動型システムにおける、商品ページを帰属させる
最下位カテゴリのカテゴリ名は、商品ページ(一般)の作成目的(商品ページ製作用途)の意味を含む(含意する。含意については、前記1⑺のとおり。)と理解される。そして、このような含意関係を前提として設計され、各ページを製作するための画面に結び付いたメニューボタンである、①トップページ、②カスタムページなどの他の選択肢がある中で、商品ページ用の複数のお手本が読み出されている以上、これが常に同じものであっても、商品ページの製作用途に関連するものということができる。
3 被控訴人新システムの侵害態様について(被控訴人新システムによるカテゴ
リページの作成及び商品ページの作成)
⑴ 控訴人は、原審において、被控訴人新システム単体による特許権侵害の主
張は行っていなかった。しかし、控訴人は、当審において、新たに、被控訴人新システム単体による特許権侵害の主張を行う。
⑵ カテゴリページの作成及び商品ページの作成
被控訴人新システムにより、既にカテゴリや商品が登録されている場合において、新たにカテゴリページ又は商品ページを製作する場合、「ページ編集」画面のサイトマップで、カテゴリや商品を選択することにより、テンプレート(プレビュー画面)を表示することができる。
⑶ 構成要件1C、21Cの「メタデータ」のまとめ
ア カテゴリページの作成における、
①単数のカテゴリページテンプレートプレビュー画面のURI
(https://・・・/ストアアカウント/カテゴリページテンプレートの識別子)《17》、
②作成されるカテゴリページのURI(https://・・・/ストアアカウント/
カテゴリページID)《18》及び
③カテゴリページに登録されるカテゴリ名(ストアアカウントと関連付け
られる)《19》が、構成要件1Cの「メタデータ」に相当する。イ カテゴリページの作成における、
④単数のカテゴリページテンプレートのURI(https://・・・/ストアアカ
ウント/カテゴリページテンプレートの識別子)《20》が、構成要件21Cの「メタデータ」に相当する。ウ 商品ページの作成における、
⑤単数の商品ページテンプレートプレビュー画面のURI(https://・・・
/ストアアカウント/商品ページテンプレートの識別子)《21》及び
⑥作成される商品ページのURI(https://・・・/ストアアカウント/商品
コード)《22》が、構成要件1Cの「メタデータ」に相当する。エ 商品ページの作成における、
⑦単数の商品ページテンプレートのURI(https://・・・/ストアアカウン
ト/商品ページテンプレートの識別子)《23》及び
⑧カテゴリページに登録され、サイトマップに表示される商品を帰属させ
る最下位のカテゴリ名(ストアアカウントと関連付けられる)《24》が、構成要件21Cの「メタデータ」に相当する。
⑷ 被控訴人新システムにより、既にカテゴリや商品が登録されている場合に
おいて、新たにカテゴリページ又は商品ページを製作する場合、「ページ編集」画面のサイトマップで、カテゴリや商品を選択することにより、テンプレート(プレビュー画面)を表示することができ、これは、構成要件1E等の「ホームページ見本」に相当する。そして、カテゴリページのプレビュー画面は、階層を異にし、商品と直接紐づけられているかどうかにより、複数種類存在すると考えられる(甲210)。また、商品ページも存在し、階層を異にするページごとにテンプレート(プレビュー画面)が存在するから、複数の「ホームページ見本」が存在し、ユーザPCに送信・表示されるということができる。被控訴人新システムにおける商品ページを帰属させる最下位のカテゴリに係るカテゴリ名は、商品ページの作成目的(商品ページ製作用途)の意味をも含み、商品ページの製作用途を含むメタデータに相当することについて、前記のとおりである。
⑸ 本件特許の請求項24は、「抽出された前記情報提供者のホームページ製
作用途に『符合する』少なくとも一つのホームページ見本をホームページ生成データベースから抽出して前記情報提供者の情報機器に送る段階と」と規定しているところ、これは、本件発明21の構成要件21E・Gの「前記ホームページ統合サービス提供システムが、前記登録されたメタデータに含まれる前記ホームページ製作用途を利用して前記ホームページ製作用途と『関連した複数の』ホームページ見本を読み出し前記情報提供者の情報機器へ送信し、」との規定を限定するものである。このようなクレーム規定の文言に照らせば、「前記ホームページ製作用途と『関連した複数の』ホームページ見本」といった場合、「前記ホームページ製作用途と『符合する』」「ホームページ見本」は少なくとも一つあれば足りると理解される。そうすると、階層関係にあるホームページ製作用途ごとに、一つずつ、ホームページ見本が存する場合も、「ホームページ製作用途」に関連する「複数のホームページ見本」を読み出すということができ、被控訴人新システムは、このような充足態様に関するものである。
4 無効理由1について(相違点5及び5´の存在)
乙18発明において、情報発信者は入力画面テンプレートを通じて情報登録を行うことが読み取れるものの、下記(ア)ないし(ウ)に基づけば、乙18発明の入力画面テンプレートは、本件発明1及び21の「レイアウト入力用メタデータフレーム」ではない(以下、本件発明1及び21との各関係でこの相違点をそれぞれ「相違点5」及び「5´」という。)。(ア) 発明が解決しようとする課題又は発明の効果に基づく入力画面テンプレートの意義(イ) 複数の入力画面テンプレートの中からの選択を要すること(ウ) 出力画面テンプレートに応じた情報の登録でないこと相違点5及び5´に基づき、乙18の「入力画面テンプレート」を、本件発明1及び21の「レイアウト入力用メタデータフレーム」に相当させることができないことに鑑みれば、本件発明1及び21は、乙18発明に基づいて容易に推考することができたものではない。
5 被控訴人の時機に後れた攻撃防御方法の却下の申立てに対する反論
⑴ 時機に後れたものではないこと
ア 被控訴人は、控訴人による下記①ないし⑤の主張(以下、それぞれ「①の主張」等という。)について、時機に後れた攻撃防御方法の却下の申立てをする。
①原審では、被控訴人旧システムにつき「メタデータ」に相当する構成
として、「商品ボタン等」をクリックすることによって作成及び発行されるHTTPリクエスト行を主張していたのに対し、控訴審では他の構成を「メタデータ」として主張していること
②控訴審において、被控訴人旧システムに係る方法の構成として「カテ
ゴリページの作成用途」を「ホームページ製作用途」として主張したこと
③原審における令和5年11月15日付け訴えの変更申立書において、
本件連動型システムの使用等が本件特許権を侵害しているとの主張をしたこと
④控訴審において、本件連動型システムに係る方法の構成として、
「トップページの作成用途」及び「カスタムページの作成用途」を「ホームページ製作用途」として主張したこと
⑤控訴審において、被控訴人新システムが本件特許権を侵害していると
の主張をしたことイ 被控訴人の主張する①、②、④及び⑤の主張について原審では、主に「前記情報提供者に関する情報と前記情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータ」(構成要件1C及び21C)、「前記ホームページ製作用途と関連して記憶する」「複数のホームページ見本及びそれぞれのホームページ見本に対するレイアウトフレームとレイアウト入力用メタデータフレーム」(構成要件1D及び21D)及び「情報提供者の製作用途を利用して」「ホームページ生成データベースから複数のホームページ見本を読み出す」(構成要件1E及び21E・G)のクレーム解釈やそのあてはめについて、両当事者による主張・立証が行われた。①、②、
④及び⑤の主張は、かかる主張・立証を踏まえて下された原判決の内容を
精査し、検討した上で、侵害の態様(あてはめ)を追加したものであるが、控訴をして原判決の判断を覆すことを目指す控訴人として、ごく一般的な訴訟対応であって、何ら批判されるべきものではない。また、上記構成要件をどのように解釈し、かかるクレーム解釈にどの侵害態様をあてはめるかという点で、結局実質的な争点は同じであり、原審の主張・立証を僅かに補充するものにすぎないため、新たに主張・立証すべき事項が過大に増加するわけではない。例えば、本件連動型システムにおける「トップページ」や「カスタムページ」は、原審で審理された「商品ページ」と同じシステムで並列的に扱われるものであり、原審と主張立証の多くを共通にする(甲41、127、129等)。加えて、「商品ページ」のテンプレートを読み出すURIが、構成要件1C等のメタデータに当たるかどうかは、既に原審で審理されている争点である(原判決、原審における令和6年8月5日付け原告第12準備書面15頁~22頁、30頁以下参照)。特に、②の点は、原審でもカテゴリ登録を構成要件21Cにかかる構成と主張していたことから、原審の主張立証を利用できる(原審における令和5年11月15日付け原告第1準備書面45頁以下参照)。さらに、本件のように、侵害態様が多岐にわたる複雑かつ難解な事件であれば、ある程度審理に時間を要することは避けられない面もあり、それが審理の充実にもつながる点も看過されるべきではない。したがって、時機に後れて提出したとはいえない。ウ ③の主張について本件連動型システムによる侵害に関する主張は、訴状が提出されてから約6か月後に主張したものであるが、訴訟遂行に鑑み、原審係属中に訴えの変更申立がされることも通常起こり得ることであり、本件連動型システムによる侵害に関する主張は、主張・立証構造が容易ではなく直ちに主張できるものではなかったのであるから、訴え提起時に主張していなかったとしても時機に後れた提出であるとはいえない。そもそも、原審係属中には時機後れであるとの主張は被控訴人から一切されていないし、原判決もそのような判断をしていない。したがって、時機に後れて提出したとはいえない。
⑵ 控訴人に故意又は重大な過失はないこと
ア ①、②、④及び⑤の主張について
①、②、④及び⑤の主張は、原判決の内容を精査し、その検討結果を踏
まえて、より認容されやすいと思われる侵害態様を追加するものであって、控訴をして原判決の判断を覆すことを目指す控訴人として、ごく一般的な訴訟対応であって、決して、原審において、故意や重過失によりかかる主張を控えていたというものではない。被控訴人側に証拠が偏在していることから証拠の収集が難しく、被控訴人が積極否認により、被告システムの具体的態様を明らかにしてこなかったことも、①、②、④及び⑤の主張を原審で提出できなかった理由の一つである。したがって、控訴人に故意又は重過失は存在しない。イ ③の主張について原審係属中に訴えの変更申立がされることも通常起こり得ることであって、控訴人に故意又は重大な過失などないことは明らかである。
⑶ 訴訟の完結を遅延させるものではないこと
ア ①、②、④及び⑤の主張について控訴審において新しく提出した主張もあるが、被控訴人はおよそ1か月半という期間で、控訴人が提出したすべての主張に対して反論をしており、
①、②、④及び⑤の主張が追加されたからといって、現に反論に時間を要
するといった事情もないようである。そうであれば、控訴審における訴訟進行に与える影響は必ずしも大きくはなく、審理を遅延させるものとはいえない。また、上記のとおり、本件のように、侵害態様が多岐にわたる複雑かつ難解な事件であれば、ある程度審理に時間を要することは避けられない面もあり、それが審理の充実にもつながる点も看過されるべきではない。イ ③の主張について訴訟進行中に訴えの追加が行われることはしばしばあるし、本件連動型システムに関する訴えが追加されたことにより、原審において当初の審理計画より半年程度後ろ倒しになったとしても、控訴審での審理自体を遅延させるものではない。したがって、③の主張を追加されたことが、訴訟の遅延を招くとはいえない。
6 自白の撤回に当たり許さない旨の主張に対する反論
被控訴人新システムが本件発明1及び21の構成要件を満たすか否かという点は、原審では争点になっていなかった上に、事実に関する主張ではなく、評価に係るものに過ぎないから、相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の承認にはあたらない。したがって、そもそも自白は成立していないのであるから、被控訴人新システムによる侵害を主張することは適法である。〔被控訴人〕
1 時機に後れた攻撃防御方法の却下の申立て
⑴ 控訴人による①ないし⑤の主張は、時機に後れた攻撃防御方法として却下
されるべきである。
⑵ 上記主張は、いずれも訴訟経過に照らし時機に後れたものであり、これに
ついて控訴人には故意又は過失がある。
2 控訴人の被控訴人新システムの侵害態様についての主張が、自白の撤回に当
たり許されないこと控訴人は、被控訴人新システムによるカテゴリページの作成及び商品ページの作成に関する主張(控訴理由書139頁1行目ないし151頁16行目)について、原審における令和5年11月15日付け訴えの変更申立書(同月20日送達)において「被告新システムそれのみでは」「本件特許発明の構成要件」を「充足しな」い(同書7頁14行目及び15行目)と主張し、被控訴人は、その後提出した令和6年2月29日付け被控訴人準備書面⑷(訴えの変更申立書に対する充足論)において、かかる控訴人の主張を認めており(『被告新システムそれのみ』によっては本件特許発明の構成要件を『充足しな』いことは認める。同準備書面19頁21行目及び22行目)、本件発明の構成要件を充足しないことについて控訴人の自白(いわゆる先行自白)が成立している。したがって、被控訴人新システムが本件特許権を侵害するとの控訴人の主張は、自白の撤回に当たるところ、自白の撤回の要件を満たしていないから、許されない。
第4 当裁判所の判断
当裁判所も、控訴人の請求は理由がないからいずれも棄却すべきであると判
断する。その理由は、後記2において構成要件非充足性(構成要件1D、21
E・G)につき原判決の一部を補正の上で引用して補足するほかは、以下のと
おりである。
⑴ 本件発明1及び同21の内容は、前記第2の2で補正の上で引用した原判
決の第2の1⑵ウ及びエのとおりである。
⑵ 本件明細書の記載は、原判決の40頁5行目から46頁9行目のとおりで
あるから、ここに、これを引用する。ただし、以下のとおり補正する(下線
はいずれも判決で付記)。
ア 原判決41頁8行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。
「⑷ 課題を解決するための手段
『前記の目的を達成するために、本発明の実施例によるホームペー
ジ統合サービス提供システムは、ネットワーク通信を通じて情報機器
-前記情報機器は情報提供者情報機器、情報利用者情報機器、及び情報
評価者情報機器を含む-にホームページ関連サービスを統合的に提供
するためのホームページ統合サービス提供システムにおいて、前記情
報提供者情報機器及び前記情報提供者情報機器を使用する情報提供者
に対する情報を登録及び管理する情報提供者情報管理手段と、前記情
報提供者情報機器から受信されたメタデータを利用して前記情報提供
者情報機器及び前記情報利用者情報機器にディスプレイ可能なホーム
ページを自動生成するホームページ生成手段と、生成された前記ホー
ムページに対するファイルを保存して、前記ホームページを登録して
管理するホームページ登録及び管理手段と、及び生成された前記ホー
ムページから抽出されて分類されたキーワードを利用して、少なくと
も一つの情報検索用ホームページインデックスを生成して管理するイ
ンデックス生成及び管理手段と、を含む。』(段落【0048】)
『前記ホームページ統合サービス提供システムは、前記ホームペー
ジ登録及び管理手段に登録されたホームページらに対する検索を遂行
するホームページ検索手段をさらに含む。前記情報提供者情報管理手
段は、情報提供者登録用メタデータフレームを保存する情報提供者情
報管理データベースと、及び前記情報提供者登録用メタデータフレー
ムを読み出して、前記情報提供者情報機器に送って、前記情報提供者
登録用メタデータフレームに対応して前記情報提供者情報機器から受
信された情報提供者登録用メタデータを前記情報提供者情報管理デー
タベースに保存して、前記情報提供者登録用メタデータから前記情報
提供者のホームページ製作用途を抽出する情報提供者情報管理部を含
む。』(段落【0049】)
『前記ホームページ生成手段は、複数のホームページ見本と複数の
レイアウトフレーム及びレイアウト入力用メタデータフレーム-前記
複数のレイアウトフレーム及びレイアウト入力用メタデータフレーム
は、前記複数のホームページ見本それぞれに対応する-を保存するホー
ムページ生成データベースと、及び前記複数のホームページ見本のう
ちで前記情報提供者のホームページ製作用途に符合する少なくとも一
つのホームページ見本を抽出して、前記情報提供者情報機器に送って、
前記複数のレイアウトフレーム及びレイアウト入力用メタデータフレ
ームのうちで前記情報提供者によって選択されたホームページ見本に
対応するレイアウトフレーム及びレイアウト入力用メタデータフレー
ムを読み出して前記情報提供者情報機器に送って、前記情報提供者情
報機器から受信されたレイアウト入力用メタデータ-前記レイアウト
入力用メタデータは、前記ホームページに収録されるデータである-を
利用してホームページレイアウトファイルを生成して、生成された前
記ホームページレイアウトファイルを利用して前記ホームページを生
成するホームページ生成部を含む。』(段落【0050】)」
イ 原判決41頁9行目の「⑷」を「⑸」と、同頁21行目の「⑸」を「⑹」
とそれぞれ改める。
ウ 原判決42頁19行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。
「『情報提供者は、情報提供者登録用メタデータフレーム項目らに対する
メタデータを入力する(S303)。この時、情報提供者はキーボード、キー
パッドなど情報機器100で提供する入力手段を通じて文字入力を遂行
するようになる。』(段落【0110】)」
エ 原判決43頁17行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。
「『この時、情報提供者はホームページ統合サービス提供システム200に
よって提示される多様な用途メニューらを参照して、製作しようとするホ
ームページに符合する用途を選択することができる。』
(段落【0113】)
『例えば、
“議院活動”などに関する情報をホームページに提供して、ホー
ムページを有権者らとの疎通の場として利用しようとする情報提供者は、
ホームページの製作用途として“選挙広報”を選択することができるし、
個人的なブログとしてホームページを使おうとする情報提供者は、“○○
ブログ”を製作用途として選択することができる。』(段階【0114】)
『一方、用途選択時に情報提供者は、提供された選択メニューのうちで
必ず最下位用途項目のみを選択しなくても良いことは当然である。例えば、
情報提供者は“飲食店”メニューの下位用途を必ず選択する必要がないし、
中間段階用途である“飲食店”を用途として選択することができる。』(段
落【0115】)」
オ 原判決46頁9行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。
「『一方、情報提供者によってホームページが最終受諾されなければ(S3
-N)、ホームページを修正するために、見本提示段階(S306)または
レイアウトフレーム及びレイアウト入力用メタデータフレーム伝送段階
(S308)から再び始まることができる。』(段落【0134】)」
「『先ず、受動抽出510はホームページ統合サービス提供システム20
の管理者が直接ホームページレイアウトファイルに収録されたメタデ
ータらを参照して、好適なキーワードを抽出する方式である。このような
点で、受動抽出方法はキーワードの正確な抽出が可能な長所がある。』(段
落【0163】)
『次に、自動抽出520はクローラーによる抽出方式で、クローラー
(Crawler)を利用してホームページレイアウトファイルに収録されたメタ
データらから自動でキーワードを抽出する方式である。具体的に、自動抽
出520方式はホームページの技術言語であるHTMLファイルのメタ
データらのうちでTAG要素である“Keyword”または“Desc
ription”などの部分に定義または記述されている文字列を抽出し
て解釈するソフトウェアであるクローラーを通じてキーワードを抽出す
る方式である。』(段落【0164】)
『一方、キーワードはホームページファイル保存DB232に保存され
たホームページレイアウトファイルだけではなく、情報提供者情報管理D
B212に保存された情報提供者情報からも抽出されることができる。』
(段落【0165】)
『情報提供者情報管理DB212には上述したところのように情報提供
者登録用フレームを通じて情報提供者が直接入力したメタデータらが保
存されているが、このメタデータには情報提供者の人的情報を含めてホー
ムページの製作用途、UA、特徴なども含まれている。よって、このよう
な情報らは受動または自動で抽出されてキーワードで使用されることが
できる。』(段落【0166】)
『検索語辞書252は、一例が示された図44を参照すれば、検索用単
語/句、統一評判インデックス名、関連インデックス、インデックス保存場
所に対する情報を含む。
“統一評判インデックス名”とは、類似な意味の“検
索用単語/ 句”らを一つで代表する意味として、例えば、
“おいしい焼肉”、
“美味しい焼肉“、
“うまい焼肉”など多くの検索句に対する共通意味、す
なわち統一評判インデックス名として“おいしい焼肉”が設定されること
ができるし、
“サービス良い銀行”、
“親切な銀行”、
“良い銀行”、
“雰囲気良
い銀行”などの検索句に対する統一評判インデックス名は“サービス良い
銀行”に設定されることができる。』(段落【0193】)
【図44】
」
⑶ 上記⑴(補正の上で引用した原判決の第2の1⑵ウ記載の本件発明1の内
容(特許請求の範囲の記載))によれば、本件発明1における「メタデータ」
(構成要件1C)は、ホームページ統合サービス提供システム(以下「本シ
ステム」という場合がある。)である本件発明1において(同1M)、同シス
テムが備える情報提供者情報登録手段に登録されるものである(同1C)。こ
の「登録されるメタデータ」に含まれるホームページ製作用途を利用して、
その用途と関連する複数のホームページ見本が読み出されることになる(同
E)。この読み出された複数のホームページ見本は、情報提供者の情報機器
に送信され(同1G)、情報提供者が選択したホームページ見本に関する情報
を本システムが受け取った後(同1H)、この見本に対するレイアウト入力用
メタデータフレームが情報提供者の情報機器に送信される(同1I)。
これに対し、情報提供者の情報機器からは、レイアウト入力用メタデータ
フレームの各項目について入力されたメタデータ(同1J)が送信されて本
システムがこれを受信し(同1J)、この「入力されたメタデータ」を用いて
ホームページレイアウトファイルが生成され(同1K)、同ファイルからキー
ワードを抽出してこれを分類し、情報検索用ホームページインデックスが作
成される(同1L)ものである。
ここで、明細書における用語は、明細書全体を通じて統一して使用するこ
とが求められ、本件明細書においてもこれに沿った記載がされているものと
解されるから(特許法36条6項4号、特許法施行規則24条、様式第29
備考8、控訴理由書154頁24行目ないし25行目)、構成要件1Cの「・・・
情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータ」及び同1Jの「入力
されたメタデータ」に関し、その「メタデータ」の語については、同一の意
味に解される。
このうち、構成要件1Cの「メタデータ」は、情報提供者のホームページ
製作用途を含むものである(同1C、同1E)ことが明らかである。
また、「入力されたメタデータ」(同1J)は、少なくとも、情報提供者の
情報機器に送信された、レイアウト入力用メタデータフレームの各項目につ
いて入力されたものであり(同1I、同1J)、同情報機器から、本件発明1
のサービス提供システムの受信手段が受け取るものである(同1K)ことが
理解される。
⑷ しかし、特許請求の範囲の記載からは、構成要件1Cの「メタデータ」は、
情報提供者の情報機器から、本システムがどのように取得(手段としては構
成要件1Aによるネットワーク通信による受信が想定される)するのか、そ
もそも、そのメタデータは誰が何をきっかけにどのようにデータ化(入力)
した(された)ものなのか、本システムが取得(受信)した後に、どのよう
に「登録」
(構成要件1C、1E)されるのか、については、明らかではない。
また、本件発明1の特許請求の範囲には、
「前記情報提供者に関する情報と
前記情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータを登録する情報提
供者情報登録手段と、」(構成要件1C)と記載されているところ、その記載
からは、情報提供者情報登録手段に登録される対象が、①情報提供者に関す
る情報、及び、情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータ、であ
るのか、②情報提供者に関する情報及び情報提供者のホームページ製作用途
を含む、メタデータ、のいずれであるのか明らかではなく、他の部分の特許
請求の範囲の記載からも明らかではない。
⑸ア そこで、これらの点につき、本件明細書を参照すると、本件明細書には、
前記⑵のとおり、補正の上で引用した原判決の第4の1のとおりの記載が
ある。これらによれば、情報提供者登録用メタデータフレームが情報提供
者の情報機器に送られ(段落【0108】)、同フレームは、情報提供者を
登録するために必要なメタデータ項目らで構成され、ホームページ製作用
途を含む、名前・住所などの入力フォームが含まれている(同【0109】)。
そして、
「情報提供者は、情報提供者登録用メタデータフレーム項目らに対
するメタデータを入力する」
(同【0110】)ところ、
「情報提供者登録用
メタデータフレーム項目らが情報提供者によってすべて入力されれば」、
入力されたメタデータ情報提供者登録用メタデータらが本システムに伝
送される(同【0116】)。受信された情報提供者登録用メタデータを、
「情報提供者情報管理DB212に保存して情報提供者を登録して、情報
提供者登録用メタデータから情報提供者のホームページ製作用途を抽出
する。」(同【0117】)、とされているところ、これら以外に、構成要件
Cの「メタデータ」を誰が入力し、本システムがこれをどのように取得
し「登録」(構成要件1C)するのかについての記載はない。
そうすると、本件発明1は発明の詳細な説明に記載された発明であり(特
許法36条6項1号)、発明の詳細な説明は当業者が実施できる程度に明
確かつ十分に記載されている(同法36条4項1号)ものとして特許請求
の範囲及び明細書等が記載されていることを前提に、前記⑷の、特許請求
の範囲の記載から明らかでない事項を解釈すると、構成要件1Cの「メタ
データ」は、情報提供者の情報機器に本システムから送信された入力フォ
ームである情報提供者登録用メタデータフレームに、情報提供者が入力し
たデータを本システムが受信したものであり、ホームページ製作用途を含
むものであると解することができる。
イ また、情報提供者登録用メタデータフレームは、情報提供者を登録する
ために必要なメタデータ項目らで構成され、ホームページ製作用途を含む、
名前・住所などの入力フォームが含まれている(段落【0109】)との記
載に照らすと、本件発明1の特許請求の範囲の、
「前記情報提供者に関する
情報と前記情報提供者のホームページ製作用途を含むメタデータを登録す
る情報提供者情報登録手段と、」(構成要件1C)との記載は、上記⑷の②
の意味、すなわち、情報提供者に関する情報及び情報提供者のホームペー
ジ製作用途を含む、メタデータと解され、そこにいうメタデータには、情
報提供者の情報も含むものである。これと異なり、上記⑷の①の意味に解
する根拠となる本件明細書の記載は見出せない。
そして、このメタデータは、本システムによる受信後、データベースに
保存することにより登録される(段落【0117】)。なお、情報提供者に
よりホームページが最終受諾されなければ、ホームページを修正するため
再び見本提示段階ないしレイアウト入力用メタデータフレーム伝送段階
から再試行されるため(段落【0134】)、構成要件1Cの「メタデータ」
は、レイアウト入力用メタデータフレームの送信までに保存・登録されて
いる必要があり、情報提供者登録用メタデータフレームからシステムに伝
送された後に保存・登録され、このメタデータからホームページ製作用途
が抽出される(【図3】、S304、S305)。
ウ また、
「レイアウト入力用メタデータとは、レイアウトフレームそれぞれ
に収録されてホームページを構成するためのデータを意味する。」
(段落【0
】)との記載によれば、「メタデータ」はデータであるから、本件発
明1の「メタデータ」(構成要件1C)とは、「情報提供者に関する情報及
び情報提供者のホームページ製作用途を含む情報であり、情報提供者が入
力したデータ」であると解される。このように解することは、本件明細書
の「情報提供者情報管理DB212には上述したところのように情報提供
者登録用フレームを通じて情報提供者が直接入力したメタデータらが保存
されているが、このメタデータには情報提供者の人的情報を含めてホーム
ページの製作用途、UA、特徴なども含まれている。」との記載(段落【0
】。下線は判決で付記)にも沿うものである。
そして、このメタデータは情報提供者情報登録手段に登録され、そのメ
タデータに含まれるホームページ製作用途を「利用してこれと関連した」
複数のホームページ見本が読み出される関係にあるものである(構成要件
E)。なお、構成要件1Eの記載は「登録されるメタデータ」であるが、
前記のとおり、最終受諾されない場合の再試行及び図3のS305の記載
から、ホームページ製作用途抽出段階までに登録することをいうものと認
められる(ホームページ製作用途はこの段階までに情報提供者による入力
を終え、確定されることについては後記⑺参照)。この点について、特許請
求の範囲には、登録がされずにホームページ製作用途を参照することを可
能とすることについての記載が全くないことからも明らかである。
そして、前記⑶のとおり、この構成要件1Cの「メタデータ」に含まれ
るホームページ製作用途を利用して、これと関連した複数のホームページ
見本が読み出され、情報提供者の情報機器に送信されることが構成要件1
E、1Gから明らかである。
エ そうすると、本件発明1の「メタデータ」(構成要件1C)とは、「情報
提供者に関する情報及び情報提供者のホームページ製作用途を含む情報に
つき、情報提供者が入力したデータであって、情報提供者情報登録手段に
登録され、そこに含まれるホームページ製作用途を利用し、これと関連す
るものとされた複数のホームページ見本が読み出されて、同見本が情報提
供者の情報機器に送信されることになるもの」(このうち、「ホームページ
製作用途を利用して、これと関連するホームページ見本が読み出され」る
との点は構成要件1Eに係るものであるが、構成要件1Eに「前記ホーム
ページ製作用途」とあり、そのホームページ製作用途は構成要件1Cの「メ
タデータ」と関連するものであるから、ここに記載するものである。関連
するとの点について後記のとおりである。)をいうものと解される。
なお、ここにいう「入力」には、情報提供者がホームページ製作用途を
直接その主観に基づいて入力するほか、メニュー提示を通じた選択方式の
いずれも可能である(段落【0111】)。
また、構成要件1E、21E・Gに係る「ホームページ製作用途を利用
して・・・ホームページ生成データベースから・・・ホームページ製作用
途と関連した複数のホームページ見本を読み出」すについて、この複数の
ホームページ見本はホームページ生成データベースから読み出されるも
のであるところ、データベースから、情報提供者のホームページ製作用途
と「関連した」複数のホームページ見本を「読み出す」とする手段につい
ても特許請求の範囲には記載がなく、不明である。この点につき、本件明
細書の【図3】のS305に「情報提供者登録及びホームページ製作用途
抽出」と、S306に「抽出された用途に符合するホームページ見本らを
情報提供者情報機器に伝送」と、同段落【0118】に、
「・・・抽出され
た情報提供者のホームページ製作用途に符合するホームページ見本らを
情報提供者の情報機器100に送る・・・ホームページ生成部221はこ
のようなホームページ生成DB222に保存されているホームページ見
本らのうちで情報提供者の用途に符合するホームページ見本らを検索し
た後読み出して送るようになる。」(下線は判決で付記)とそれぞれ記載さ
れていること、本件明細書には、ホームページ製作用途と「関連(した)」
(構成要件1E等)の語の意味するところについての具体的な記載がない
ことに照らせば、構成要件1E、21E・Gに係る「ホームページ製作用
途と関連した複数のホームページ見本(を読み出す)」について、データベ
ースを検索するなどの方法によりホームページ製作用途と関連するもの
とされて、読み出されたホームページ見本をいうものと解される(「複数の」
に係る点については後記2のとおりである。)。
この解釈は、特許請求の範囲の記載にホームページ製作用途の入力方法
について限定がなく、上記本件明細書の段落【0111】の記載にある情
報提供者の主観入力によって、用途選択に用意された選択肢と異なる入力
がされた場合を想定すれば、容易に理解可能である。
⑹ 本件発明21の構成要件21Cについても、本件発明1の構成要件1Cの
「情報提供者情報登録手段」を「情報提供者情報登録段階」とし、その他ホ
ームページ見本等をデータベースから読み出すこと、メタデータの登録(メ
タデータが「登録される」とあるか(構成要件1E)、「登録された」とある
か(構成要件21E・G)について、文言の差異に意味がないことについて
は控訴人も認めている(控訴理由書70頁19行目)。)及びホームページ見
本の記憶に関する違いがあるのみで、本件発明21は本件発明1のホームペ
ージ統合サービス提供システムをホームページ統合サービス提供方法とする
だけの違いによるものであるから、構成要件21Cの解釈も、上記構成要件
Cの解釈と同様に解される。
⑺ 次に、上記「メタデータ」に係る「情報提供者のホームページ製作用途」
(構成要件1C、1D、1E、21C及び21E・G)の内容についてみる
と、本件発明1及び21は、いずれも「複数の情報機器にホームページ関連
サービスを統合的に提供するためのホームページ統合サービス」の提供に係
るものであり(同1A、21A)、「上記複数の情報機器は、前記ホームペー
ジ統合サービス提供システムを用いて生成されるホームページを利用して情
報を提供する」
(同1B、21B)ものであることが各特許請求の範囲の記載
から明らかである。そうすると、特許請求の範囲の記載によれば、情報利用
者により利用されることとなる情報提供者の「ホームページ」
(同1B、21
B)は、本件発明1、21に係るホームページ統合サービス提供システムに
より生成されたホームページをいうものであるから、上記「ホームページ製
作用途」は、情報提供者が製作しようとするホームページの用途をいうもの
と解される。
この点に関し、本件明細書には、この「ホームページ製作用途」に関し、
「情報提供者はホームページ統合サービス提供システム200によって提示
される多様な用途メニューらを参照して、製作しようとするホームページに
符合する用途を選択することができる」
(段落【0113】)、
「“議院活動”な
どに関する情報をホームページに提供して、ホームページを有権者らとの疎
通の場として利用しようとする情報提供者は、ホームページの製作用途とし
て“選挙広報”を選択することができるし、個人的なブログとしてホームペ
ージを使おうとする情報提供者は、
“○○ブログ”を製作用途として選択する
ことができる」(段落【0114】。下線はいずれも判決で付記)との記載が
あり、図4(上記⑵(補正の上で引用した原判決の第4の1⑹))の記載も参
照すれば、
「ホームページ製作用途」とは、前記のとおり、情報提供者が「製
作しようとするホームページの用途」と解される。そして、この「ホームペ
ージ製作用途」については、本件明細書の段落【0115】の記載によれば、
最下位用途項目(例として中国料理、韓食、和食等(【図4】))のみを選択し
なくてもよく、中間段階用途(例として飲食店(段落【0115】))を選択
することも可能であるが、本件明細書の段落【0116】
(上記⑵(補正の上
で引用した原判決の第4の1⑹))に「このような過程を経って情報提供者登
録用メタデータフレーム項目らが情報提供者によってすべて入力されれ
ば・・・伝送される」とあるところからすれば、情報提供者のホームページ
製作用途は、この入力・送信の段階で、どの用途段階のものを選択しあるい
は直接入力したにせよ、確定されたものとなる。
⑻ 構成要件1C及び21Cに係る被控訴人各システムとの対比(被控訴人に
よる時機に後れた攻撃防御方法の却下の申立てについて及び自白の撤回につ
いての判断は後記3及び4で行う。)について
ア(ア) 被控訴人旧システムにおいては、前記(補正の上で引用した原判決の
第2の1⑷(被控訴人旧システムによる出店者ページの作成))のとお
り、カテゴリページボタンを押すと読み出されるカテゴリページテンプ
レート設定画面(図2.5)に表示される「5個のカテゴリページテン
プレート」や、商品ページを押すと読み出される商品ページテンプレー
ト設定画面(図1)に表示される「12個の商品ページテンプレート」
は、いずれも、そのリクエストに係るURI、カテゴリ名、テンプレー
ト名等の内容の相違に関わらず同一である。
そうすると、被控訴人旧システムの「5個のカテゴリページテンプレ
ート」や「12個の商品ページテンプレート」は、いずれも情報提供者
のホームページ製作用途と関連するものとして読み出されたホームペー
ジ見本ではなく、前記⑸エのとおりの構成要件1C及び21Cに係る「メ
タデータ」に関し、そのURI等に係る「そこに含まれるホームページ
製作用途を利用し、これと関連するものとされた複数のホームページ見
本が読み出され」たものに該当しないから、構成要件1E及び21E・
Gを充足せず、そのURIについても構成要件1C及び21Cを充足し
ない。
「5タイプのカテゴリリストの表示パターン」、「5タイプのカテゴリ
リストの表示パターンのプレビュー画面」、「12タイプの商品基本情報
の表示パターン」及び「12タイプの商品基本情報の表示パターンのプ
レビュー画面」についても、同一又は一定の表示がなされるものである
から、同様に「そこに含まれるホームページ製作用途を利用し、これと
関連するものとされた複数のホームページ見本が読み出され」たもので
はなく、そのため、構成要件1E及び21E・Gを充足せず、それと関
係して主張されるURIについても前記⑸エのとおりの「メタデータ」
に該当しないから、構成要件1C及び21Cを充足しない。
(イ) 本件連動型システムにおいて、控訴人が商品ページの「ホームページ
見本」に当たると主張する商品ページの「お手本」
(横に並んだPC用及
びスマホ用の商品ページの「お手本」)は、そのリクエストに係るURI、
カテゴリ名、テンプレート名等の内容の相違に関わらず同一の四つない
し五つのお手本画像が表示されるものであるから、構成要件1C及び2
Cに係る「メタデータ」に関し、そのURI等に係る「そこに含まれ
るホームページ製作用途を利用し、これと関連するものとされた複数の
ホームページ見本が読み出され」たものではなく、そのため、構成要件
E及び21E・Gを充足せず、そのURIについても構成要件1C及
び21Cを充足しない。
また、トップページの「ホームページ見本」に当たると主張する商品
ページの13種類の「お手本」についても、そのリクエストに係るUR
I、カテゴリ名、テンプレート名等の内容の相違に関わらず同一のお手
本画像が表示されるものであるから(乙45)、構成要件1C及び21C
に係る「メタデータ」に関し、そのURI等に係る「そこに含まれるホ
ームページ製作用途を利用し、これと関連するものとされた複数のホー
ムページ見本が読み出され」たものではなく、そのため、構成要件1E
及び21E・Gを充足せず、そのURIについても構成要件1C及び2
Cを充足しない。
カスタムページの「ホームページ見本」に当たると主張する複数のP
C用カスタムページの「お手本」も、そのリクエストに係るURI、カ
テゴリ名、テンプレート名等の内容の相違に関わらず同じ複数のお手本
画像が表示されるものであるから(乙45)、構成要件1C及び21Cに
係る「メタデータ」に関し、そのURI等に係る「そこに含まれるホー
ムページ製作用途を利用し、これと関連するものとされた複数のホーム
ページ見本が読み出され」たものではなく、そのため、構成要件1E及
び21E・Gを充足せず、そのURIについても構成要件1C及び21
Cを充足しない。
「プレビュー画面」についても、上記「お手本」に対して表示される
ものであり、同画面の読み出しの過程において情報提供者に係る情報を
利用しているものではなく、各「お手本」の虫メガネボタンを押すごと
に一つ表示されるものであるから、
「そこに含まれるホームページ製作用
途を利用し、これと関連するものとされた複数のホームページ見本が読
み出され」たものではなく、そのため、構成要件1E及び21E・Gを
充足せず、そのURIについても構成要件1C及び21Cを充足しない。
「デザインの作成画面」についても同様に、同画面は、
「デザインの作
成」のボタンを押すごとに一つ表示されるものであり、情報提供者に係
る情報を利用してもいないから、
「そこに含まれるホームページ製作用途
を利用し、これと関連するものとされた複数のホームページ見本が読み
出され」たものではなく、そのため、構成要件1E及び21E・Gを充
足せず、そのURIについても構成要件1C及び21Cを充足しない。
イ 控訴人は、被控訴人旧システム及び被控訴人新システムのいずれにおい
ても、製作するページに係る選択肢の中から「商品ページ」というボタン
を押して、サーバに送信される情報は、リクエスト行の文字列が具体的に
どのようなものであっても、「商品ページ」の製作用途を読み取れるから、
「商品ページ」の製作用途を含むメタデータを登録したといえると主張す
る。
しかし、前記⑺のとおり、構成要件1C及び21C等にいう「ホームペ
ージ製作用途」は、情報提供者が製作しようとするホームページの用途を
いうものであって、選択肢に示された個々の商品ページについての製作用
途をいうものではなく、個々の商品ページの製作用途はホームページの製
作用途とはいえないから、本件発明1の構成要件1C、本件発明21の構
成要件21Cの「ホームページ製作用途」には該当せず、構成要件1E及
び21E・Gも充足しない。
ウ 控訴人は、被控訴人各システムにおいて、カテゴリページ(一般)、カテ
ゴリ一般、商品ページ(一般)、トップページ、カスタムページを製作する
用途が、
「ホームページ製作用途」に該当することを前提に、各URI及び
カテゴリ名等が構成要件1C及び21Cの「メタデータ」に該当する旨主
張する。
しかし、上記カテゴリページ等を製作する用途は、前記イと同様、情報
提供者が製作しようとするホームページの用途とはいえず、控訴人の主張
する上記カテゴリページ等を製作する用途は、いずれも情報提供者により
入力される情報提供者のホームページ製作用途ではないから、各URI等
は、本件発明1の構成要件1C、本件発明21の構成要件21Cの「メタ
データ」には該当せず、構成要件1E及び21E・Gも充足しない。
⑼ 被控訴人旧システムについての対比のまとめ
各URIについてみると、控訴人が構成要件1C及び21Cの「メタデー
タ」に当たると主張するもののうち、
・5個のカテゴリページテンプレートのURI
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/カテゴリページテ
ンプレート識別子)《1》
・作成されるカテゴリページのURI
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/カテゴリページI
D)《2》
・基本テンプレートとして選択・保存されたカテゴリページテンプレートの
URI(.../ストアアカウント/...)《4》
・12個の商品ページテンプレートのURI
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/商品ページテンプ
レート識別子)《6》
・作成される商品ページのURI
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ストアアカウント/商品ページID)
《7》
・基本テンプレート設定画面で選択・保存された商品ページテンプレートの
URI(.../ストアアカウント/...)《10》
について、これらURIは、前記⑻のとおり、いずれも情報提供者のホーム
ページ製作用途を含む情報であるメタデータに該当しない。
また、控訴人が構成要件1Cのメタデータに当たると主張する、
・カテゴリページに登録されるカテゴリ名(ストアアカウントと関連付けら
れる)《3》
・基本テンプレートとして選択・保存されたカテゴリページテンプレート名
(ストアアカウントと関連付けられる)《5》
・カテゴリページに登録され、サイトマップに表示される最下位カテゴリ名
(ストアアカウントと関連付けられる)《8》
構成要件21Cのメタデータに当たると主張する、
・基本テンプレート設定画面で選択・保存された商品ページテンプレート名
(ストアアカウントと関連付けられる)《9》
について、これらは、「(最下位)カテゴリ名」、「カテゴリページテンプレー
ト名」又は「商品ページテンプレート名」であって、いずれも情報提供者の
ホームページ製作用途を含む情報であるメタデータに該当しない。
⑽ 本件連動型システムについての対比のまとめ
本件連動型システムにおいて、構成要件1C及び21Cのメタデータに該
当すると主張する構成(控訴人は組み合わせにより両構成要件を充足すると
する)のうち、
・カテゴリ名の登録(Y)+商品ページのお手本テンプレートのURI(Zα)
(https://・・・/ストアアカウント/カテゴリ名/商品ページテンプレート識
別子)《11》
・カテゴリ名の登録(Y)+商品ページのURI(Zβ)
(https://・・・/スト
アアカウント/カテゴリ名/商品コード)《12》
について、これらはいずれもカテゴリ名や「商品ページテンプレート識別子」
に過ぎず、いずれも情報提供者のホームページ製作用途を含む情報であるメ
タデータに該当しない。
また、各URIについての、
・複数のストアトップページお手本(テンプレート)のURI(https://・・・
/ストアアカウント/トップページテンプレート識別子)《13》
・ストアアカウントとお手本のファイル名が含まれたストアトップページの
URI(https://・・・/ストアアカウント/index.html)《14》
・複数のカスタムページのお手本(テンプレート)のURI(https://・・・
/ストアアカウント/カスタムページテンプレート識別子)《15》
・ストアアカウントとカスタムページお手本ファイル名が含まれたカスタム
ページのURI(https://・・・/ストアアカウント/ページ ID)《16》
について、これら各URIに付された識別子等は、いずれも上記同様、情報
提供者のホームページ製作用途を含む情報であるメタデータに該当しない。
⑾ 被控訴人新システムについての対比のまとめ
被控訴人新システムについて、控訴人は、単数のカテゴリページテンプレ
ート(プレビュー画面)及び単数の商品ページテンプレート(プレビュー画
面)がいずれも、
「ホームページ見本」であるとし、既にカテゴリや商品が登
録されている場合において、新たにカテゴリページ又は商品ページを製作す
る場合、
「ページ編集」画面のサイトマップで、カテゴリや商品を選択するこ
とによりテンプレート(プレビュー画面)を表示することができ、階層関係
にあるホームページ製作用途ごとに、一つずつホームページ製作見本が存在
する場合にもホームページ製作用途に関連する複数のホームページ見本を読
み出すということができるから、これが構成要件21E・Gの「ホームペー
ジ見本」に相当する旨を主張する。
控訴人が被控訴人新システムにおいてホームページ見本に該当すると主張
する、単数のカテゴリページテンプレート及び単数の商品ページテンプレー
トは、これらはいずれも単数であって「複数のホームページ見本」を充足し
ない。
また、前記⑺のとおり、ホームページ製作用途は、ホームページ製作用途
と関連するものとされたホームページ見本が読み出される前段階のホームペ
ージ製作用途抽出段階までに登録されるものであるから、ホームページ見本
として控訴人が主張する単数のカテゴリページテンプレート画面等が情報提
供者に示された後において、これと同一でないホームページ製作用途を読み
出してこれと関連するホームページ見本を提示するとされるものは、構成要
件1C及び21C並びに同1E及び21E・Gを充足せず、本件特許の技術
的範囲には含まれない。
なお、本件特許において、概念の階層関係ごとに複数の用途が登録される
とする控訴人の主張が根拠を欠くことについては、後記5⑵のとおりである。
さらに、前記⑻ウのとおり、カテゴリページ等を製作する用途は、情報提
供者が製作しようとするホームページの用途とはいえず、控訴人の主張する
カテゴリページ等を製作する用途は、
「ホームページ製作用途」に該当しない
から、構成要件1C及び21Cを充足しない。
控訴人がメタデータに当たると主張する、
・単数のカテゴリページテンプレートプレビュー画面のURI(https://・・・
/ストアアカウント/カテゴリページテンプレートの識別子)《17》
・作成されるカテゴリページのURI(https://・・・/ストアアカウント/カ
テゴリページID)《18》
・単数のカテゴリページテンプレートのURI(https://・・・/ストアアカウ
ント/カテゴリページテンプレートの識別子)《20》
・単数の商品ページテンプレートプレビュー画面のURI(https://・・・/ス
トアアカウント/商品ページテンプレートの識別子)《21》
・作成される商品ページのURI(https://・・・/ストアアカウント/商品コ
ード)《22》
・単数の商品ページテンプレートのURI(https://・・・/ストアアカウント
/商品ページテンプレートの識別子)《23》
について、これらURIに付されたストアアカウントは、いずれも上記同様、
情報提供者のホームページ製作用途を含む情報であるメタデータに該当しな
い。
また、
・カテゴリページに登録されるカテゴリ名(ストアアカウントと関連付けら
れる)《19》
・カテゴリページに登録され、サイトマップに表示される商品を帰属させる
最下位のカテゴリ名(ストアアカウントと関連付けられる)《24》
についても、これらは、「(最下位)カテゴリ名」であって、いずれも上記同
様、情報提供者のホームページ製作用途を含む情報であるメタデータに該当
しない。
構成要件1D、21E・G(複数のホームページ見本)の非充足について
⑴ 構成要件1D、21E・G(複数のホームページ見本)についての被控訴
人旧システム及び本件連動型システムの非充足性については、原判決50頁
行目ないし52頁19行目の記載を引用する。ただし、以下のとおり補正
する。
ア 原判決50頁9行目の「⑵」を「⑴」と、同頁26行目の「⑶」を
「⑵」と、原判決52頁16行目の「⑷」を「⑶」とそれぞれ改める。
イ 原判決50頁10行目の「上記認定事実(前記1)」を「補正の上で引
用した原判決第4の1」と改め、同頁20行目ないし21行目の「メタデ
ータを利用して」を削る。
ウ 原判決50頁22行目の「目的とするものであり、」の次に以下のとおり
加える。
「前記1⑸ウのとおり、ホームページ製作用途は、情報提供者による入力
及びその登録が、ホームページ製作用途抽出段階までに行われて、ホーム
ページ製作用途は確定しているものであることや、」
エ 原判決50頁23行目の「示唆もないこと」の次に「(なお、ホームペー
ジ見本とその他画面の区別について、前記参照)」を加える。
オ 原判決52頁15行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。
「ウ 上記によれば、控訴人がホームページ見本に該当すると主張する、
被控訴人旧システムにおける5タイプのカテゴリリストの表示パタ
ーン、5タイプのカテゴリリストの表示パターンのプレビュー画面、
タイプの商品基本情報の表示パターン及び12タイプの商品基
本情報の表示パターンのプレビュー画面は、いずれも情報提供者によ
る編集を経た後のものであるから、構成要件1E及び21E・Gの『複
数のホームページ見本』に該当しない。
エ また、控訴人が被控訴人新システムにおいてホームページ見本に該
当すると主張する、単数のカテゴリページテンプレート及び単数の商
品ページテンプレートは、いずれも横に並んだPC用及びスマホ用の
商品ページの『お手本』の虫メガネボタンを押して表示されるプレビ
ュー画面及び『デザインの作成』画面、並びに、PC用トップページ
及びPC用カスタムページの『お手本』の虫メガネボタンを押して表
示されるプレビュー画面及び『デザインの作成』画面であって、いず
れも情報提供者による編集を経た後のものであるから、構成要件1D
及び21E・Gの『複数のホームページ見本』に該当しない。」
⑵ 控訴人は、被控訴人新システムについて、既にカテゴリや商品が登録され
ている場合において、新たにカテゴリページ又は商品ページを製作する場合、
「ページ編集」画面のサイトマップで、カテゴリや商品を選択することによ
り、テンプレート(プレビュー画面)を表示することができ、これが構成要
件1D等の「ホームページ見本」に相当する旨を主張する。
しかし、上記テンプレート(プレビュー画面)に表示されるのは一つの見
本であり(補正の上で引用した原判決第2の1⑹ア)、上記⑴の構成要件1D、
E・G(複数のホームページ見本)の解釈に照らせば、被控訴人新シス
テムは、複数のホームページ見本を有しておらず、同構成要件を充足しない
ことが明らかである。
この点につき控訴人は、カテゴリページのプレビュー画面は、階層を異に
するページごとにテンプレート(プレビュー画面)が存在するから、複数の
「ホームページ見本」が存在し、ユーザPCに送信・表示されるということ
ができるとする。
しかし、補正の上で引用した原判決第4の3⑴の説示のとおり、カテゴリ
や商品を選択した後の画面は「ホームページ見本」には含まれないから、失
当である。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
被控訴人の時機に後れた攻撃防御方法の却下の申立てについての判断
被控訴人は、①ないし⑤の主張につき、時機に後れた攻撃防御方法に当たる
ものとして却下すべきと主張する。
これら主張については、原審における長期にわたる主張整理の経過、特に、
原判決において「被告旧システムにおける原告主張に係る『メタデータ』の構
成は、直ちに明らかではなかったところ、裁判所による繰り返しの釈明(第3
回弁論準備手続調書参照)を踏まえ、原告は、本件HTTPリクエスト行(『ペ
ージレイアウト』の『商品ページ』ボタンをクリックすることによって作成・
発行されるもの)が、構成要件1C及び21Cの『メタデータ』に相当する構
成であると特定した。」(原判決47頁4行目ないし9行目)と指摘されたこと
等にも照らすと、①、②、④及び⑤の主張については、時機に後れたものと主
張することについて相応の理由があるものと思料されるが、当審における審理
は、第1回の口頭弁論期日で弁論を終結するに至っており、これによれば訴訟
の完結を遅延させるものとは必ずしも認め難いことから、被控訴人による時機
に後れた攻撃防御方法の却下の申立てについては、いずれも却下することとす
る。なお、③の主張に関しては、原審により、訴え提起の約6か月後にされた
訴え変更(民訴法143条1項)が認められており、それをもって不適法又は
不当とする理由はないから、この点に関する被控訴人の申立ても却下する。
被控訴人の、控訴人の主張が自白の撤回に当たり許されない旨の主張に対す
る判断
被控訴人新システムによるカテゴリページの作成及び商品ページの作成に関
する控訴人の主張(控訴理由書139頁1行目ないし同151頁16行目)に
ついて、被控訴人は、控訴人が、原審における令和5年11月15日付け訴え
の変更申立書(同月20日送達)において「被告新システムそれのみでは」
「本
件特許発明の構成要件」を「充足しな」い(同書7頁14行目及び15行目)
と主張し、被控訴人が、その後提出した令和6年2月29日付け被控訴人準備
書面⑷(訴えの変更申立書に対する充足論)において、かかる控訴人の主張を
認めた(『被告新システムそれのみ』によっては本件特許発明の構成要件を『充
足しな』いことは認める。同準備書面19頁21行目及び22行目)ことをも
って、本件発明の構成要件を充足しないことについて控訴人の自白が成立して
おり、被控訴人新システムが本件特許権を侵害するとの控訴人の主張は自白の
撤回に当たるところ、自白の撤回の要件を満たしていないから許されない旨主
張する。
控訴人の上記主張は、原審における訴訟経過や被控訴人旧システムについて
の構成要件充足性についてのやりとりに照らせば、事実に関する自白と解する
余地が全くないわけではないものの、自白の撤回に当たるか否かとする観点か
らは、構成要件への当てはめについて、評価を根拠づける事実に対する規範的
な評価の結果である法的主張であるとして、事実についての自白と同様の拘束
力が直ちに及ぶものではないと解される。
したがって、被控訴人の、控訴人の主張が自白の撤回に当たり許されない旨
の主張は採用することができない。
当審における控訴人の主な補充主張に対する判断
⑴ 控訴人は、構成要件1C及び21Cの「メタデータ」について、データの
意味を記述又は代表するデータを意味し、ID等の識別子も、データのデー
タである以上、識別対象となるデータのメタデータに当たるところ、ストア
アカウントは「ストア」の、カテゴリ名は「個々のカテゴリ」の、商品コー
ドはこれに対応した「商品」の意味を記述し、又は代表するデータであるか
ら「メタデータ」に当たる旨を主張する。
しかし、本件特許の特許請求の範囲の記載及び本件明細書の記載に照らし
た「メタデータ」の解釈は既に述べたとおりであり、控訴人の主張はこれら
特許請求の範囲及び本件明細書の記載に基づかないものというほかなく、採
用の限りではない。本件明細書の記載に照らせば、構成要件1C及び21C
に係る「メタデータ」の意は既に述べたとおり明らかであるところ、これは
「メタデータ」の語について、甲75及び乙13に「データの意味を記述あ
るいは代表するデータ」と、甲76に「データの意味を表すデータ」と、甲
に「メタデータとは記述対象となる情報資源に関して、決められた属
性についてその属性値を書き表したものです。」、「メタデータはあらゆると
ころに存在します。」、
「店の看板などもメタデータです。」、
「様々な目的を持
った多種多様なメタデータが利用されている状況」などと記載された内容と
齟齬するものでもない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
⑵ 控訴人は、下位概念に係るホームページ製作用途は、当然に、上位概念の
ホームページ製作用途を含み、また、
「雰囲気よい銀行」を「サービスよい銀
行」と代替するなど、近似する概念も含み登録できるとしていると主張する。
控訴人は、その根拠として、本件明細書の段落【0113】ないし【01
】に記載のとおり複数のホームページ製作用途を登録できるなどと主張
するが、同段落の記載は前記のとおりであり、同段落には製作用途について
階層の異なる用途の中から「選択」できることについての記載はあっても、
複数の用途を「登録」できる旨の記載はなく、図4についても、
「ツリー構造
の用途メニューを提示して」、「用途メニューのツリー構造は、上位構造‐下
位構造を有するように用意されることができる」
(段落【0111】、
【011
】)とあるツリー構造の上位下位関係を示すものに過ぎず、いずれにも、上
位概念と下位概念、ましてやそれらを複数の用途として登録することに関す
る記載はないから、控訴人の主張には根拠がない。
また、控訴人は、本件明細書の段落【0193】及び図44も挙げるとこ
ろ、その記載が控訴人の主張するような上位概念と下位概念に当たる旨の説
明は一切されていないどころか、段落【0193】の記載は、
「類似な意味の
“検索用単語/ 句”らを一つで代表する意味として」、例えば、「“おいしい
焼肉”、
“美味しい焼肉“、
“うまい焼肉”など多くの検索句に対する共通意味、
すなわち統一評判インデックス名として“おいしい焼肉”が設定されること
ができるし、
“サービス良い銀行”、
“親切な銀行”、
“良い銀行”、
“雰囲気良い
銀行”などの検索句に対する統一評判インデックス名は“サービス良い銀行”
に設定されることができる。」とするものであるとし、そもそもその記載も情
報利用者が入力する検索の場面(構成要件1L)についてであって、情報提
供者のホームページ製作用途とは関連しないものである。そして、情報利用
者の検索における検索パターンにおいては、2個以上の単語の組み合わせで
なる場合があり(段落【0191】)、本件明細書の段落【0177】、【01
】は、このうち控訴人の上記指摘の場合を「形容詞+キーワード」であ
るとして、こうした語について「評判インデックスを利用すれば、
“美味しい
食べ物”、
“親切な代行運転”などのような“形容詞+キーワード”でなされた
検索がより早くて正確で容易になる。」(段落【0188】)と説明しており、
控訴人が根拠とする本件明細書の記載は、語の組み合わせによる検索語が情
報利用者により入力された場合の検索の容易性について述べたものに過ぎな
いから、控訴人の主張は前提を欠く。
控訴人は、階層関係にあるホームページ製作用途ごとに一つずつホームペ
ージ見本が存する場合も、
「ホームページ製作用途」に関連する「複数のホー
ムページ見本」を読み出すということができるから、被控訴人新システムは
このような充足態様に関するものである旨を主張する。
しかし、本件明細書に、控訴人の主張するような階層関係についての記載
はない。
かえって、本件明細書には、中間段階用途である「飲食店」
(段落【011
】)について、「製作用途が“飲食店”に該当する場合」に、情報提供者に
提示されるホームページ見本らの例を示す図面が図5ないし10であると記
載されているところ(段落【0119】)、
「図5ないし図7は、多様な形態の
初期画面を示す図面であり、図8ないし図10は図7のホームページに対す
る詳細ページらを示す図面である。すなわち、図7のホームページで“メニ
ュー紹介”項目を選択すれば図8の画面が提示されて、
“訪問後記”項目を選
択すれば図9の画面に提示されて、
“いらっしゃる道”項目を選択すれば図1
の画面が提示されることが分かる。」
(段落【0120】)と記載されている
とおり、本件明細書において、図7の「ホームページ」に示された「メニュ
ー紹介」を情報提供者が選択すると、さらに他の「画面」が表示されて、サ
ムギョプサルなどのメニューを紹介する画面が表示され、同様に「訪問後記」
や「いらっしゃる道」等も選択でき、画面が表示されるが、これらは中間段
階用途である「飲食店」が明確に「ホームページ製作用途」とされているの
とは区別されている。また、図8ないし10は、
「図7のホームページに対す
る詳細ページらを示す図面」として、図7のホームページとは区別されてお
り、この「詳細ページを示す図面」は詳細項目についての図面(画面)を示
すものであって、そこから入力することはできず、入力は別途情報提供者に
送信されるレイアウト入力用メタデータフレームから入力されることとなる
(構成要件1I、段落【0121】、【0122】)。
このように、本件明細書においては、ホームページ製作用途は、ホームペ
ージにおける詳細項目とは明確に区別され、ホームページ用として示される
画面とそれ以外の詳細ページの画面についても同様に区別され、詳細項目と
レイアウト入力用メタデータフレームについても区別されている。
控訴人は、上記のとおり被控訴人各システムについての構成要件充足性を
主張するところ、本件明細書の記載は、上記のとおり控訴人の主張に沿うも
のではない。
そして、既に詳細について検討したとおり、情報提供者によりいかなる段
階のものとして選択ないし入力された場合であっても、ホームページ製作用
途はこれにより確定されるものであり、本件明細書の上記記載はそれに沿う
ものである一方、控訴人の上記主張は、これと反するものである。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
⑶ また、控訴人は、構成要件1E等の充足に関し、ウィザード(使用頻度の
高いファイルにリンクを貼り、これを利用して、機械的な検索をすることな
く、直接データベースからファイルを読み出すこと)などにみられるように、
メタデータを利活用したシステム・デザイン(画面)設計が行われている中、
登録に係るメタデータに含まれるホームページ製作用途と「同じ概念」を利
用してホームページ見本が読み出されていれば、構成要件1E等を充足する
ことは明らかである旨を主張する。
控訴人の主張に係る「同じ概念」については、本件明細書の用語ではなく、
何をもって同じとするのかも不明であって、控訴人の主張は判然としないが、
前記のとおり、ホームページ製作用途は情報提供者の選択ないし入力、送信
及びその登録により確定しているものであるところ、本件発明1においては、
この「ホームページ製作用途」を利用し、検索するなどの方法によりこれと
関連するものとされた複数のホームページ見本が、データベースから読み出
されるものであることが明らかである。
この点に関し、控訴人は、控訴理由書(103頁)においても援用する、
原審における技術説明会資料(甲171)において、本件発明1の「ホーム
マ マ
ページ制作用途の/を含むメタデータ」の意義について、
「DBからホームペ
マ マ
ージ制作用途に関連したデータを読み出すときであっても、使用頻度の高い
一部の用途に限れば、あらかじめ関連したリンクを設定したページを用いる
マ マ
ことなどにより、
『検索』処理を要さず、処理速度が速くなる」と説明し、
「制作
用途の選択 → 見本DBの検索 → 読み出し」の図のうちの、
「見本DB
の検索」の部分に大きな赤いバツ印を付し、
「ユーザインタフェースの見地か
ら、直感的で操作しやすく、また、処理を高速化すべく、メタデータを利用
したシステム・画面遷移の設計等が広く行われている!」と説明している(5
頁)。控訴人は、前記第3〔控訴人の主張〕1⑺のとおり、ホームページ製
作用途の入力は、マニュアル入力により多様な表現で登録されることが前提
であると主張しているところであり、特許請求の範囲の記載には、使用頻度
の高い一部の用途に限る旨の記載はないのであるから、控訴人の主張するホ
ームページ製作用途と「同じ概念」を利用することになれば、控訴人の主張
する上記の効果は達成することができないものと解される。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
以上の認定及び判断は、当審における控訴人のその余の補充主張によっても
左右されない。なお、控訴人は、弁論の再開の申請(令和7年10月29日付
け弁論再開の申立書(訂正版)、同年11月21日付け弁論再開の申立書⑵、
同年12月8日付け弁論再開の申立て⑶(訂正版)、同月12日付け弁論再開
の申立て⑷、同月13日付け弁論再開の申立て⑸等)をするところ、そこにお
いて原判決の誤り及び被控訴人各システムの構成要件充足性として主張する内
容は、これまでの説示に照らし、いずれも採用するところではない。
よって、控訴人の請求は、その余の点について判断するまでもなく理由がな
く、いずれも棄却すべきであるから、原判決は相当であり、本件控訴は理由が
ないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官
中 平 健
裁判官
今 井 弘 晃
裁判官
水 野 正 則
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