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令和7(行ケ)10079審決取消請求事件

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裁判所 審決取消 知的財産高等裁判所
裁判年月日 令和7年12月23日
事件種別 民事
当事者 原告株式会社pignic
被告株式会社SaLaDa
法令 商標権
商標法3条1項3号10回
キーワード 審決12回
無効6回
無効審判2回
商標権1回
主文 1 特許庁が無効2024-890045号事件について令和7年7月
8日にした審決を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
事件の概要 1 事案の要旨 本件は、登録商標の商標登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟で ある。争点は、当該登録商標の商標法3条1項3号該当性である。

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判決文

令和7年12月23日判決言渡

令和7年(行ケ)第10079号 審決取消請求事件

口頭弁論終結日 令和7年11月27日

判 決

原 告 株式会社pignic

同訴訟代理人弁護士 石 下 雅 樹

同 江 間 布 実 子

同 永 野 真 理 子

同 益 弘 圭

被 告 株式会社SaLaDa

同訴訟代理人弁理士 白 坂 一

同 小 牧 佳 緒 里

同 鬼 頭 優 希

主 文

1 特許庁が無効2024-890045号事件について令和7年7月

8日にした審決を取り消す。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

主文同旨

第2 事案の概要

1 事案の要旨本件は、登録商標の商標登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は、当該登録商標の商標法3条1項3号該当性である。2 特許庁における手続の経緯等

⑴ 被告は、別紙「商標目録」記載の登録商標(商標登録第6254927号。

5 平成31年3月11日商標登録出願、令和2年5月8日登録査定、同月28日設定登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。

⑵ 原告は、本件商標について、商標登録無効審判請求(以下「本件審判請求」という。なお、原告が、本件審判請求において登録無効を請求する指定役務は、後記3のとおりである。)をし、特許庁は、これを無効2024-890045号事件として審理した。

⑶ 特許庁は、令和7年7月8日、本件審判請求について「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月18日、原告に送達された。

⑷ 原告は、令和7年8月8日、当庁に対し、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。3 本件商標本件商標は、別紙「商標目録」記載1の構成(「マイクロブタカフェ」の文字を標準文字で表する。)からなり、同記載2の役務(第35類「カフェテリアの事業の管理、愛玩動物の売買に関する情報の提供、愛玩動物店で販売されている愛玩動物用商品の販売に関する情報の提供、愛玩動物に関する商品の販売に関する情報の提供、飲食料品の販売に関する情報の提供、愛玩動物用飼料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、愛玩動物用の飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、広告業」、及び、第41類「愛玩動物に関する知識の教授、愛玩動物の飼育・手入れ・運動・世話・調教・繁殖・栄養又は美容に関する知識の教授、愛玩動物の調教、愛玩動物の調教に関する助言及び情報の提供、愛玩動物の供覧、動物と触れ合うことを目的とした娯楽施設の提供」)を指定役務とする商標である。原告は、本件審判請求において、本件商標の指定役務のうち、第35類「カフェテリアの事業の管理」、及び、第41類「愛玩動物の供覧、動物と触れ合うことを目的とした娯楽施設の提供」(以下、併せて「本件審判請求に係る指

5 定役務」という。)の登録を無効とするとの審決を求めた。4 本件審決の理由の要旨本件商標は「マイクロブタカフェ」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「マイクロ」の文字部分(極めて小さいもの、微小等の意味を有する語)と、「ブタ」の文字部分(ウシ目の家畜、イノシシを家畜化したものを意味する、いわゆる豚を表する語)と、「カフェ」の文字部分(主としてコーヒーなどの飲み物を供する店、喫茶店等の意味を有する語)とを結合したものと理解される。そして、本件商標の登録査定時である令和2年5月8日(以下、単に「登録査定時」という。)に、「マイクロブタ」がペットとして一般的に広く認識されていた実情、あるいは、「マイクロブタ」と触れ合えるカフェが一般に広く認識されていた実情があったとは認められないことなどからすると、本件審判請求に係る指定役務の需要者である一般の需要者及びカフェテリア事業に従事する企業(事業者)等において、「マイクロブタ」の語が「ミニブタ」より小さいサイズのブタを表すものであると広く認識されていたと認めることはできない。また、触れ合う動物の名称を冠した「〇〇カフェ」の表示が、飲食物の提供と併せて、動物と触れ合うことを目的とした施設を表すものと一般の需要者に認識されている実情があったとは認められず、仮に、そのように認識される場合があるとしても、触れ合う動物の一般に広く認識されている普通名称を冠して「〇〇カフェ」と表示するのが一般的であり、ミニブタの数多くのニックネームの一つにすぎない「マイクロブタ」の語と「カフェ」の語を組み合わせた本件商標は、必ずしも本件審判請求に係る指定役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるとまではいえない。したがって、登録査定時において、本件商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、役務の質を表示したものとして一般に認識さ

5 れるものとはいえない。よって、本件商標は、商標法3条1項3号に該当しない。

第3 審決取消事由(本件商標の商標法3条1項3号該当性)に関する当事者の主

張1

(原告の主張)

⑴ 本件においては、登録査定時における次のア~エの実情に照らし、「マイ

クロブタ」という語に対する一般の需要者の認識について検討すべきである。ア 「マイクロブタ」の語は「マイクロ」と「ブタ」との結合であるところ、後者は、一般名詞であるし、前者は、基本的に、単独では使用されず、微小という意味の接頭語として他の語と組み合わせて使用されるもので、平成14年1月に刊行された国語辞典でも、「マイクロ」が「微小な、超小型の、の意を表す」と定義され、「マイクロ」を接頭語とする見出し語が二十数個掲載されている。したがって、上記国語辞典に掲載された「微小な、超小型の」の意を表す「マイクロ」と「ブタ」との組合せである「マイクロブタ」に接した一般の需要者は、その語自体が知られているか否かを別として、「超小型の豚」という意味として容易に理解することができたといえる。イ マイクロブタが開発されたイギリスでは、2009年(平成21年)以降、「マイクロブタ」が広く認識されており、同時点で、日本語の媒体でも、「マイクロブタ」が紹介されていた。また、平成22年、平成30年9月の各時点で、海外の著名人がマイクロブタをペットとして飼っていることが日本において紹介され、ニュースメディアで報じられていたことからすると、同年末時点では、日本の一般の需要者においても、マイクロブタについて一定の認知度があったといえる。被告の経営するマイクロブタカフェが開店した際に店舗を取材したニュースメディアの記事(平成31年4月)に、「読者の中には「マイクロ

5 ブタ」も「ミニブタ」も知っているよ~という人もいるだろう。元サッカ

ー日本代表のAさんはミニブタを飼っていることでよく知られているし」、「世界中で大人気の歌姫、Bさんも飼っているマイクロブタを自身のインスタグラムにたびたび登場させている。」との記載があることは、このことを裏付けている。ウ 「マイクロブタ」は、登録査定時より7年近く前である平成25年11月15日時点で、「日常でよく耳」にする言葉として辞書に掲載され、「ミニブタよりもさらにサイズの小さいブタのこと」と定義されていたのであって、「マイクロブタ」は、同時点で、「『ミニブタ』よりも更にサイズの小さいブタ」として定着していた。エ 登録査定時、一般消費者が作成し発信した多くのブログや動画では、「マイクロブタ」と「ミニブタ」が比較対照され、「マイクロブタ」がミニブタよりも更に小さいブタを指す語として使用されていた。

⑵ 動物の名称と「カフェ」との組合せについても、登録査定時までに、「猫

カフェ」、「ヤギカフェ」、「爬虫類Cafe」、「うさぎカフェ」、「バードカフェ」、「ふくろうカフェ」、「ラクーンカフェ」等が存在していたことからすると、動物の名称を冠した「〇〇カフェ」の表示が、飲食物の提供と併せて動物と触れ合うことを目的とした施設を表すものと一般の需要者に認識されていたことは明らかである。

⑶ 以上のとおり、登録査定時において、「マイクロブタ」が「ミニブタより

も更にサイズの小さいブタ」を表すものとして一般の需要者に広く認識され、動物の名称を冠した「〇〇カフェ」の表示が動物と触れ合うことを目的とした施設を表すものと一般の需要者に認識されていたことは明らかであるから、本件商標は、商標法3条1項3号に該当する。本件審決は、本件商標の商標法3条1項3号該当性に係る判断を誤ったものであり、取り消されるべきである。

5 2

(被告の主張)

⑴ 辞書に掲載されている2語を結合して新たな語を創作した場合、その意味

についても、当然に2語の意味の結合からなると解釈されるものではなく、「マイクロ」と「ブタ」の2語が辞書に掲載されているからといって、「マイクロブタ」の意味を容易に理解できたとはいえない。

⑵ 原告は、海外の著名人がマイクロブタをペットとして飼っていることが、

日本において紹介され、ニュースメディアで報じられた旨の主張をするが、原告の指摘する記事に、「マイクロ・ピッグ」や「子豚」の記載はあるものの、「マイクロブタ」や「マイクロブタカフェ」の記載はない。いずれにせよ、ニュースメディアの記事は、記者の体験取材に基づく主観的なレポートにすぎず、同記事の記載から、マイクロブタが日本で一定程度認知されていたなどということはできない。原告の指摘する辞書は、文責や主催が不明であり、その情報の信ぴょう性を欠くものであって、「マイクロブタ」が、登録査定時より7年近く前から「日常でよく耳」にする言葉として辞書に掲載されていた事実を明確に証明するものではない。

⑶ 以上のとおり、本件商標は、商標法3条1項3号に該当しない。

第35類 カフェテリアの事業の管理,愛玩動物の売買に関する情報の提供,愛玩動物店

で販売されている愛玩動物用商品の販売に関する情報の提供,愛玩動物に関する商品の販売に関する情報の提供,飲食料品の販売に関する情報の提供,愛玩動物用飼料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用の飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業

第41類 愛玩動物に関する知識の教授,愛玩動物の飼育・手入れ・運動・世話・調教・

繁殖・栄養又は美容に関する知識の教授,愛玩動物の調教,愛玩動物の調教に関する助言及び情報の提供,愛玩動物の供覧,動物と触れ合うことを目的とした娯楽施設の提供以上

第4 当裁判所の判断

当裁判所は、本件商標は商標法3条1項3号に該当するものであり、本件審

決の同号該当性に係る判断には誤りがあると判断する。その理由は、次のとお

りである。

商標法3条1項3号は、「…その役務の提供の場所、質、提供の用に供する

物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは

価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」については、

商標登録を受けることができない旨を規定する。これは、このような商標は、

役務の態様、提供の方法その他の特徴を表示記述する標章であって、取引に際

し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によ

るその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的

に使用される標章であって、多くの場合自他役務識別力を欠き、商標としての

機能を果たし得ないものであることによるものと解される(最高裁昭和53年

(行ツ)第129号同54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号

頁参照)。

したがって、本件商標が、本件審判請求に係る指定役務(第35類「カフェ

テリアの事業の管理」、及び、第41類「愛玩動物の供覧、動物と触れ合うこ

とを目的とした娯楽施設の提供」)との関係で、商標法3条1項3号に該当す

るか否かは、登録査定時(令和2年5月8日)において、これが当該指定役務

に使用された場合に、取引者、需要者によって、役務の態様、提供の方法その

他の特徴を表示記述するものとして一般に認識されるものであったか否かによ

り判断すべきである。

⑴ そこで検討すると、本件商標は「マイクロブタカフェ」の文字を標準文字

で表してなり、いずれも片仮名からなる「マイクロ」の文字部分、「ブタ」

の文字部分、「カフェ」の文字部分の各語が結合したものである。

そして、本件商標の構成中、「マイクロ」の文字部分は、「微小な、超小

型の、の意を表す」語であり(甲76、日本国語大辞典・第2版・小学館)、

「ブタ」の文字部分は、いわゆる「豚」を表する語であって、上記各語が結

合した文字部分からは、「マイクロブタ」の称呼と「超小型の豚」の観念が

生ずる。

また、本件商標の構成中、片仮名からなる「カフェ」の文字部分は、「主

としてコーヒーなどの飲み物を供する店、喫茶店」の意味を有する語であり、

同文字部分からは、「カフェ」の称呼と「主としてコーヒーなどの飲み物を

供する店、喫茶店」の観念が生ずる。

⑵ 加えて、掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件商標の構成中、「マ

イクロブタ」の文字部分、及び、動物の名称を冠した「カフェ」の文字部分

について、次の各事実が認められる(これに反する被告の主張は採用の限り

ではない。)。

ア 「マイクロブタ」は、2008年(平成20年)頃から、イギリスを中

心に、ペットとして販売されるようになった。

平成22年に、海外の著名人が「マイクロ・ピッグ」(成長しても体長

~40㎝、体重30㎏程度にとどまる豚)をペットとして飼育してい

ることが(甲79)、平成24年に、イギリスでペット用の小型の豚であ

る「マイクロブタ」が人気となっていることや、「マイクロブタは、一般

にペットとして飼われているミニブタよりさらに小さく、成長しても体重

は18~30㎏、体長も30~40㎝ほどまでにしか成長」しないことが

(甲1)、平成26年に、「「マイクロブタ」はミニブタの数多くのニッ

クネームの一つで、ティーカップブタ、ポケットブタなどという呼び名も

ある」ことが(甲3)、平成27年に、「最近イギリスで人気を集めてい

るという「マイクロブタ」は「ミニブタ」よりも小さい手のりサイズとい

うブタ」であることが(甲6)、また、平成28年には、「マイクロブタ

はイギリスを中心として出回っているよう」であるが、「日本ではお目見

えして」いないこと(甲10)や、「今イギリスで話題急上昇のペットは」

マイクロブタであり、マイクロブタは「大人のブタでも、体長が30~4

㎝、体重は18~30㎏程度と、かなり小さ」いこと(甲11)が、日

本において紹介されている。

イ 「マイクロブタ」は、平成27年頃以降、日本においても、ペットとし

て注目されるようになった。

平成27年のウェブサイトの記事には、「近年ペットとして注目を浴び

ているミニブタやマイクロブタ。」、「ミニブタとは家畜に比べて「ミニ」

なブタのことで、成長すると100キロを超える場合もある。」、「最近

流行っているマイクロブタに関しては18キロ~30キロ程で2歳までで

成長が止まるので人気である。」との(甲5)、平成28年のそれには、

「海外で人気が爆発し、日本でも近年注目されているマイクロブタ。体長

~40センチと本当に小さくてかわいいブタさん」(甲8)、「ミニ

ブタよりも小さな『マイクロブタ』がむちゃくちゃ可愛い!!」、「ペッ

トとしてひそかな人気を誇るミニブタ。」、「そしてさらに人気が出そう

なのが、ミニブタよりも小さな『マイクロブタ』です。」、「はっきりと

定義はされていませんが、体重は15~40㎏くらいのブタがマイクロブ

タとされています。ちなみにミニブタは、…体重は40~70㎏ぐらいの

ようです」(甲9)との記載がある。

ウ 平成28年のウェブサイトの記事には、日本で「マイクロブタ」を購入

することは困難である旨の記載があり(甲10、11、13、19)、同

年のそれ(ウェブサイトの情報をまとめたもの)には、「ミニブタ」は、

体長約50~100㎝、体重約30~100㎏であり、ペットショップや

ブリーダー経由で入手可能であるのに対し、「マイクロブタ」は、体長約

~50㎝、体重約15~40㎏であり、現状、日本国内での流通はほ

とんどなく、イギリスから個人輸入するなどして入手する旨の記載がある。

エ 平成30年7月、イギリスから初めてマイクロブタの親豚が日本に輸入

されたことが報じられた(甲22)。「マイクロブタ」について、平成

年のウェブサイトの記事には、「ミニブタよりさらに小さい品種で

『マイクロブタ』という豚がいます。最近では、ペットとしても人気で

す」(甲21)との、同年のそれ(ウェブサイトの情報をまとめたもの)

には、「マイクロブタは、大人になってもそこまで大きくならないブタ

のことです。犬や猫と同じように、自宅で飼育できるペットとして近年

人気が高まっています」、「マイクロブタとは、その名前の通り非常に

体が小さいブタのことです。大人になっても、40㎏を超えることはほ

とんどありません。」(甲24)との記載がある。

また、令和2年2月24日付けのウェブサイトの記事には、「マイクロ

ブタは長年の海外のブリーダーによって品種改良されたブタですが、ミニ

ブタとの違いは調べたところ・・無い!ということがわかりました」、

「それは・・そもそもブタの種類には、ミニブタやマイクロブタという区

分けが無いからです。」、「マイクロブタは当然個体差はありますが・・

大きさでは18㎏~40㎏と言われていますね。ちなみに・・ミニブタの

場合は、40㎏~100㎏と言われています。」、「最大40㎏となるマ

イクロブタですので・・・飼育を希望される方はその辺の可能性を十分に

考慮されて検討されることをおススメします」(甲65)との記載がある。

そのほか、「マイクロブタ」については、平成31年から登録査定時ま

での間に、「マイクロブタを一週間飼ってみた感想」、「マイクロブタと

散歩してみました」、「大阪からもすぐ!関西でマイクロブタに会えるカ

フェならココ」などと題して、マイクロブタの特徴、飼育の様子、マイク

ロブタと触れ合うことのできる施設等を紹介する記事や動画がウェブサイ

トに相当数投稿されている(甲29~32、34、36~41、43~4

、50、52~56、60~62、64、66、67、69)。

オ 特定の動物と触れ合うことのできる喫茶店は、動物の名称を冠して「〇

〇カフェ」などと呼称され、登録査定時までに、猫カフェ、ヤギカフェ、

爬虫類カフェ、うさぎカフェ、バードカフェ、フクロウカフェ等が、既に

開店し存在していた(甲113~118)。

マイクロブタと触れ合うことのできる喫茶店についても、平成31年春、

東京都目黒区において開店したのを初めとして、登録査定時までに、神戸

市、東京都武蔵野市、横浜市、岡山県倉敷市などでも、同様の形態の喫茶

店が開店している(甲46、48、55、68、81)。

⑶ 本件審判請求に係る指定役務の取引者、需要者は、第35類「カフェテリ

アの事業の管理」については、当該事業を運営する事業者であり、第41類

「愛玩動物の供覧、動物と触れ合うことを目的とした娯楽施設の提供」につ

いては、当該娯楽施設を利用する一般消費者であると認められる。

⑷ア 以上を踏まえて検討すると、本件商標の構成中、いずれも片仮名からな

る「マイクロ」の文字部分と「ブタ」の文字部分が結合した「マイクロブ

タ」の文字部分については、前記⑴のとおり、「マイクロブタ」の称呼と

「超小型の豚」の観念が生ずるところ、①ミニブタより更に小型の豚であ

る「マイクロブタ」は、2008年(平成20年)頃から、イギリスなど

で、ペットとして販売されるようになり、遅くとも平成24年頃には、イ

ギリスで「マイクロブタ」が人気となっていることが、日本において紹介

されていたこと、②「マイクロブタ」は、平成27年頃以降、日本におい

ても、ペットとして注目されるようになり、イギリスから初めてマイクロ

ブタの親豚が日本に輸入されたことが報じられた平成30年から登録査定

時までの間に、マイクロブタの特徴、飼育の様子等を紹介する記事や動画

がウェブサイトに相当数投稿されるなどしてきたこと、③この間、「マイ

クロブタ」は、ミニブタより更に小型の豚とされ、当初は、ミニブタと異

なり、日本国内での流通がほとんどないとされるなど、家畜として飼育さ

れる普通の豚はもとより、「ミニブタ」とも区別されていたことは、前記

⑵のとおりである。

そうすると、登録査定時である令和2年5月8日において、「マイクロ

ブタ」は、「ミニブタ」より更に小型の「超小型の豚」を意味する語とし

て、一般に認識されるに至っていたものと認めるのが相当である。

イ また、本件商標の構成中、片仮名からなる「カフェ」の文字部分につい

ては、前記⑴のとおり、「カフェ」の称呼と「主としてコーヒーなどの

飲み物を供する店、喫茶店」の観念が生ずるところ、登録査定時である

令和2年5月8日において、既に、種々の動物の名称を冠した、特定の

動物と触れ合うことのできる喫茶店が存在し、平成31年春には、マイ

クロブタと触れ合うことのできる喫茶店も開店していたことは、前記⑵

のとおりであって、前記アの事情も併せ考慮すると、登録査定時におい

て、「マイクロブタカフェ」は、「超小型の豚」である「マイクロブタ」

と触れ合うことのできる喫茶店を意味する語として、本件審判請求に係

る指定役務の取引者、需要者に一般に認識されるに至っていたものと認

めるのが相当である。

ウ そして、このような本件商標を構成する文字の語義及び本件審判請求に

係る指定役務の取引の実情に照らすと、本件商標「マイクロブタカフェ」

は、「超小型の豚である『マイクロブタ』と触れ合うことのできる喫茶店」

という、役務の態様、提供の方法その他の特徴を普通に用いられる方法で

表示記述する標章のみからなるものであり、本件審判請求に係る指定役務

の取引に際し、必要適切な表示として、何人もその使用を欲するものであ

るから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないもの

であるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務

識別力を欠き、商標としての機能を果し得ないものというべきである。

以上によれば、本件商標は、役務の態様、提供の方法その他の特徴を普通

に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、商標法3条1

項3号に該当するというべきであるから、本件審判請求を成り立たないも

のとした本件審決には判断の誤りがある。

第5 結論

よって、原告の請求は理由があるから、これを認容することとして、主文の

とおり判決する。

知的財産高等裁判所第2部

裁判長裁判官

森 冨 義 明

裁判官

菊 池 絵 理

裁判官

頼 晋 一

(別紙)

商 標 目 録

1【登録商標(標準文字)】

2【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】

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