ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(行ケ)10054 行政訴訟 特許権
| 裁判所 | 請求棄却 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和8年2月9日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告ベーリンガーインゲルハイムインターナショナルゲゼルシャフトミッ 被告沢井製薬株式会社 日本ジェネリック株式会社 |
| 対象物 | DPPIVインヒビターの使用 |
| 法令 |
特許権 特許法29条2項1回 特許法148条1項1回 |
| キーワード | 審決29回 無効10回 実施10回 進歩性9回 特許権3回 無効審判3回 刊行物1回 分割1回 優先権1回 |
| 主文 | 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 原告のため、この判決に対する上告及び上告受理申立 |
| 事件の概要 | 以下の事実は、当事者間に争いがないか、又は後掲の証拠及び弁論の全趣旨に より容易に認められる。 |
本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。
令和8年2月9日判決言渡
令和7年(行ケ)第10054号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和7年12月9日
判 決
原 告 ベーリンガー インゲルハイム イン
ターナショナル ゲゼルシャフト ミッ
ト ベシュレンクテル ハフツング
同訴訟代理人弁護士 北 原 潤 一
同 梶 並 彰 一 郎
同訴訟代理人弁理士 日 野 真 美
同 西 澤 恵 美 子
被 告 沢 井 製 薬 株 式 会 社
(以下「被告沢井製薬」という。)
同訴訟代理人弁護士 森 本 純
同 芳 賀 彩
被 告 日本ジェネリック株式会社
(以下「被告日本ジェネリック」という。)
同訴訟代理人弁護士 古 城 春 実
同 牧 野 知 彦
同 平 井 佑 希
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 原告のため、この判決に対する上告及び上告受理申立
てのための付加期間を30日と定める。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が無効2023-800045号事件について令和7年3月19日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
以下の事実は、当事者間に争いがないか、又は後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。1 特許庁における手続の経緯等
(1) 原告は、発明の名称を「DPPIVインヒビターの使用」とする発明に係る特許(特許第6143809号、請求項の数8。以下「本件特許」という。)の特許権者である。本件特許は、平成27年6月16日に分割出願され(原出願日は平成19年5月3日。パリ条約による優先権主張は平成18年5月4日。以下「本件優先日」という。)、平成29年5月19日に特許権の設定登録がされた。
(2) 被告沢井製薬は、令和5年7月10日、本件特許について、無効審判請求をした。特許庁は、これを無効2023-800045号事件として審理し、被告日本ジェネリックは特許法148条1項により請求人としてこの審判に参加した。特許庁は、令和7年3月19日、「特許第6143809号の請求項1~8に係る発明についての特許を無効とする。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月31日、原告に送達された(付加期間90日)。
(3) 原告は、令和7年5月30日、本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した。2 本件特許に係る発明の概要
(1) 特許請求の範囲本件特許における特許請求の範囲の記載は、次のとおりである(以下、本件特許の各請求項に係る発明を請求項番号に対応して「本件発明1」などといい、総称して「本件発明」という。)。【請求項1】経口投与用に5mg用量の1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]- 3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン(判決注:以下「本件化合物」という。)を含む、タイプ2糖尿病の治療用医薬組成物であって、1日に1回投与するための前記医薬組成物。【請求項2】医薬組成物が他の抗糖尿病薬と組み合わせて投与される、請求項1記載の医薬組成物。【請求項3】他の抗糖尿病薬がメトホルミン、スルホニルウレア、ナテグリニド、レパグリニド、ピオグリタゾン、α-グルコシダーゼブロッカー、インシュリン、インシュリン類似体、GLP-1及びGLP-1類似体から選ばれる、請求項2記載の医薬組成物。【請求項4】他の抗糖尿病薬がメトホルミンである、請求項2記載の医薬組成物。【請求項5】他の抗糖尿病薬がスルホニルウレアである、請求項2記載の医薬組成物。【請求項6】他の抗糖尿病薬がピオグリタゾンである、請求項2記載の医薬組成物。【請求項7】他の抗糖尿病薬がα-グルコシダーゼブロッカーである、請求項2記載の医薬組成物。【請求項8】他の抗糖尿病薬がインシュリンまたはインシュリン類似体である、請求項2記載の医薬組成物。
(2) 本件特許に係る明細書等の記載事項本件特許に係る明細書(以下「本件明細書」という。甲201)の抜粋を、別紙「本件明細書等の記載事項(抜粋)」に掲げる。これによれば、本件発明について、以下のとおりの事項が開示されているものと認められる(【】内の4桁の数字は段落番号を表す。以下同じ。)。ア 技術分野生理的な機能障害の治療のため、及び潜在的に危険な状態にある患者におけるこのような機能障害の発生リスクを減少させるため、DPPⅣインヒビター(酵素DPPⅣの働きを阻害する物質)を治療効果が達成できる薬剤の調整のために使用すること。(【0001】)イ 背景技術DPPⅣインヒビターは、ペプチドGLP-1を含んだ生物活性ペプチドの血漿レベルに影響し、糖尿病の治療を大いに促進する分子である(【0002】)。いくつかの選択したDDPⅣインヒビターは、特に前糖尿病、耐糖能障害、病的な空腹時グルコース、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1の糖尿病、妊娠性糖尿病、高血糖症、アドレナリン作動性の食後の症状又は心不全から選択される医学的又は生理学的な機能障害であると診断された患者の治療上の処置のための薬物の調製に特に適している(【0009】)。これらの薬物は、治療にかかわらず患者が障害のあるグルコース代謝、上昇したHbA1c値、障害のある空腹時グルコース値、顕性タイプ2糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症又は糖尿病性異常脂質血症に罹患するであろうこと、及び治療にかかわらずインシュリン治療が必要となるか又は大血管性の合併症を起こすことのリスクを減少させるためにも使用される(【0010】)。ウ 発明が解決しようとする課題DPPⅣインヒビターの使用により、生理的な機能障害を治療し、潜在的に危険な状態にある患者における機能障害の発生リスクを減少させる。さらに、対応する単離又は貯蔵媒体、及び使用する媒体に対してDPPⅣインヒビターを添加することによって、ランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上させる。(【0011】)エ 課題を解決するための手段【化3】~【化14】の化学式で特定されるDPPⅣインヒビターは、構造的に類似するDPPⅣインヒビターから区別され、好ましい薬理学的な特性、レセプター選択性及び好ましい副作用特性と優秀な効能及び長く持続する効果を組み合わせ、又は他の医薬活性物質と組み合わせた場合に、予想外の治療の利点又は改良をもたらす。また、異なる代謝機能障害は多くの場合同時に発生するため、多くの異なる活性原理の組み合わせがかなり頻繁に現れる。したがって、診断された機能障害によって、DPPⅣインヒビターを他の抗糖尿病物質から選択した活性物質、特に血液中の血糖レベル又は脂質レベルを低下させ、血液中のHDLレベルを上げ、血圧を下げ又はアテローム性動脈硬化又は肥満の治療で指示される活性物質と組み合わせた場合、改良した治療の結果が得られる。(【0017】【0021】)DPPⅣインヒビターの要求される投与量は、静脈投与される場合は0.1mg~10mg、好ましくは0.25mg~5mgであり、経口投与される場合は0.5mg~100mg、好ましくは2.5mg~50mgであり、各場合において一日1~4回投与される。(【0018】)実施例2として顕性タイプ2糖尿病の予防、実施例3としてタイプ2糖尿病の治療、実施例13としてDPPⅣインヒビターとメトホルミンを組み合わせたタイプ2糖尿病の治療について記載されているが(【0037】【0038】【0049】)、具体的な試験結果は示されていない。3 甲第1号証記載の発明について
(1) 甲第1号証の記載被告沢井製薬が無効審判請求(前記1(2))において、本件発明の進歩性欠如をいう無効理由において主引用例としたのは、本件優先日前に頒布された刊行物である特表2006-503013号公報(甲1、以下「甲1文献」という。)であり、ここには別紙「甲第1号証の記載事項(抜粋)」のとおりの記載がある。
(2) 本件審決が認定した甲1文献記載の発明本件審決は、甲1文献記載の発明(以下「甲1発明」という。)を、以下のとおり認定した。「DPP-Ⅳ阻害活性を有する1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]- 3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン(判決注:本件化合物)を含有する、タイプⅡ真性糖尿病を治療するための薬理組成物であって、本件化合物が経口経路により投与される、前記薬理組成物。」4 本件審決の理由の要旨被告沢井製薬(請求人)は、本件発明に係る特許の無効理由として、本件発明1~8に対する甲1発明及び技術常識に基づく進歩性欠如を主張したところ、本件審決は、上記無効理由には理由があり、本件発明1~8に係る特許は特許法29条2項に違反してされたものであるから無効とすべきであると判断した。本件審決の理由の要旨は、以下のとおりである。
(1) 技術常識本件優先日当時、以下の各技術常識が存在した。ア 糖尿病は、慢性の高血糖状態を特徴とする代謝疾患であり、代謝異常が長く続くと特有の合併症(網膜症、腎症、神経障害など)が起こることから、糖尿病の治療目的は、血糖をコントロールすることにより、高血糖状態を改善し、糖尿病の合併症の予防及び治療を行うことにあるところ、単独の血糖降下薬の投与で血糖コントロールが不十分な場合には、作用機序の異なる経口血糖降下薬を併用すること(以下「技術常識1」という。)。イ DPPⅣ阻害薬は、2型糖尿病の経口投与可能な治療薬として使用可能であること(以下「技術常識2」という。)。ウ 医薬品の用量は、通常、非臨床試験の結果等を総合的に判断し、ヒトに対して十分に安全と見込まれる用量を推定して初回投与量とし、段階的に用量を増して安全用量の範囲を推定する第Ⅰ相試験から、第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験へと順に進めていく手順を踏んで、最終的に決定されること(以下「技術常識3」という。)。エ 第Ⅰ相試験における初回投与量は、動物実験によって決定された量よりも相当程度減量して(50%致死量(LD₅₀)の1/600以下、50%有効量(ED₅₀)の1/60以下、推定臨床用量の1/10~1/20、無毒性量(NOAEL)のヒト等価用量(HED)の1/10など)、ヒトに対する安全性を考慮して決定すること(以下「技術常識4」という。)。
(2) 本件発明1について技術常識2を踏まえれば、甲1発明は上記3(2)のとおり認定され、本件発明1と甲1発明との間には以下の相違点1が存在する。【相違点1】本件発明1においては、「5mg用量」「1日に1回投与する」と特定されているのに対し、甲1発明においては、用量及び投与回数は特定されていない点。技術常識3を踏まえれば、甲1発明を、相違点1に係る本件発明1の構成を有するものとすることは、当業者が通常有する創作能力の範囲でなし得る。また、本件発明1が甲1発明に対して顕著な効果を有するともいえない。したがって、本件発明1は、甲1発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に想到することができたものである。
(3) 本件発明2について本件発明2は、本件発明1において「他の抗糖尿病薬と組み合わせて投与される」と特定するものである。甲1文献に本件化合物と抗糖尿病薬を組み合わせて使用することについて記載されていること(【0042】)及び技術常識1によれば、本件発明2は、当業者が容易に想到することができたものである。
(4) 本件発明3~8について本件発明3~8は、本件発明2の「他の抗糖尿病薬」を、「メトホルミン、スルホニルウレア、ナテグリニド、レパグリニド、ピオグリタゾン、α-グルコシダーゼブロッカー、インシュリン、インシュリン類似体、GLP-1及びGLP-1類似体から選ばれる」(本件発明3)、「メトホルミンである」(本件発明4)、「スルホニルウレアである」(本件発明5)、「ピオグリタゾンである」(本件発明6)、「α-グルコシダーゼブロッカーである」(本件発明7)、「インシュリンまたはインシュリン類似体である」(本件発明8)と特定するものである。これらの抗糖尿病薬はいずれも甲1文献に本件化合物と組み合わされて使用される抗糖尿病薬として記載されていること(【0042】)、及び技術常識1によれば、本件発明3~8は、当業者が容易に想到することができたものである。
第3
(原告の主張)
する取消事由及びこれに対する
(被告の主張)
1 取消事由1(本件発明1についての甲1発明に基づく進歩性欠如の判断の誤
り)について【
(原告の主張)
】
(1) 甲1発明の認定について
本件審決は、技術常識2の認定を誤り、その結果、甲1発明の認定を誤って、本件発明1と甲1発明との相違点を看過した。ア 本件優先日(平成18年5月4日)当時、DPPⅣ阻害薬は2型糖尿病の治療に用いることができると期待されていたものの、未だ臨床試験段階であり、治療薬として承認されておらず、実際に治療に使用されていなかったから、「2型糖尿病の経口投与可能な治療薬として使用可能であること」が技術常識であったとはいえない。イ また、甲1文献には約7000にも上る膨大な数の化合物が開示されており、それらが、極めて多数の疾患の治療に適する可能性があること、投与経路は静脈内経路又は経口経路があることが記載されている。そのため、この中から、本件化合物を、タイプⅡ真性糖尿病を治療するため、経口経路により投与することを、積極的あるいは優先的に選択すべき事情を見いだすことはできない。ウ 上記ア及びイを踏まえれば、甲1発明は、次のとおり認定されるべきである。「化学式(Ⅰ)で表される極めて多数の化合物のいずれかを含有する、DPPⅣ活性の阻害によって影響される可能性のある疾患を治療することが期待される薬理組成物であって、静脈内経路又は経口経路により投与される、前記薬理組成物。」その結果、本件発明1においては、本件化合物をタイプ2糖尿病の治療用医薬組成物という用途に5mg、1日1回経口投与という用量及び投与経路で使用することが特定されているのに対し、甲1発明においては、これらの点がいずれも特定されていないとの相違点が存在する。本件審決が、この相違点を看過したことは、進歩性判断の結論に影響を及ぼす重大な誤りである。
(2) 相違点1について
ア 本件審決が、技術常識4の認定根拠とした「新医薬品の臨床評価に関する一般指針について」(各都道府県衛生主管部局長あて厚生省薬務局新医薬品課長通知。甲59)及び「臨床試験ハンドブック」(甲60)の記載は、いずれも本件優先日から10年以上も前のものであり、当時の最新の基準ではないから、技術常識4は誤りである。本件優先日当時、最新の基準は米国食品医薬品局(FDA)のガイダンス(甲61)であり、これに従って「各種実験動物を用いた動物実験において、対照群と比較して有害事象が有意に増加しない最高用量レベルとして決定された無毒性量(NOAEL)をヒト等価用量(HED)に換算し、その中で最も感受性の高い生物種(すなわち、最も低いHEDを同定できる生物種)から得られたHEDを安全係数(通常は10)で割って、初回投与量とすること」を技術常識として認定すべきである。イ 本件審決は、当業者は甲1文献における「好ましくは1~100mg」という数値範囲(【0043】)の「1mg」という下限値も参考にしつつ、非臨床試験の結果などを総合的に判断し、ヒトに対して十分に安全と見込まれる用量を推定して初回投与量とすると述べるが、上記数値範囲は、本件化合物をタイプⅡ真性糖尿病治療に用いる際の用量として記載されたものではなく、さらに甲1文献には製剤例により75mgという用量も示唆されている。また、本件化合物の非臨床試験結果は甲1文献にも記載されておらず、公知ではなかったから、当業者は初回投与量を設定することができず、本件発明1の用量に容易に想到することができたとはいえない。仮に、甲1文献の記載から、上記アの正しい技術常識に従って初回投与量を得るとすれば、その投与量は9.68mgであり、技術常識3によれば最終的な用量は更に大きい値となるから、本件発明1の「5mg用量」に想到することが容易であったということはできない。【被告らの主張】
(1) 甲1発明の認定に関する
(原告の主張)
ついてア 本件審決における技術常識2の認定は、本件優先日前に、DPPⅣ阻害薬(DPPⅣの働きを阻害することによってインクレチンの分解を防ぎ、インクレチンの作用を増強することにより血糖値をコントロールする薬剤)が2型糖尿病の経口投与可能な治療薬であるという技術事項が、当業者に一般的に知られていたことを正当に認定したものであり、これは、医薬品の製造販売承認制度(行政手続)において承認例が存在するか否かによって判断が左右されるものではない。イ また、当業者であれば、甲1文献の記載から、特に強いDPPⅣ阻害活性を有する6種類の化合物、さらにはその1つである本件化合物を、タイプⅡ真性糖尿病を治療するための経口投与用の薬理組成物として、積極的・優先的に選択する。ウ したがって、本件審決による甲1発明及び相違点1の各認定は相当である。原告は、無効審判手続において甲1発明の認定を争っていなかったから、本件訴訟において、審判段階と異なる主張をすることは禁反言の法理によって許されない。また、禁反言に当たらないとしても、上記経緯は、本件訴訟における
(原告の主張)
が説得力を欠くことの証左である。
(2) 相違点1に関する
(原告の主張)
についてア 本件発明は日本国の特許権であり、日本国における進歩性が問題となっている以上、標準的な指針とすべきは厚生労働省の指針(甲59)である。また、本件審決が技術常識4の認定根拠とした「臨床試験ハンドブック」(甲60)は、本件優先日の直前である平成18(2006)年3月30日に発行された文献であるから、これに基づく技術常識4の認定は相当である。イ 本件発明が定める本件化合物の用法用量は、本件明細書に記載された数あるDPPⅣ阻害薬、及び幅のある用法用量の記載の中から、試験結果、特有の効果や特段の技術的意義を示すことなくクレームアップされたものでしかなく、特定の疾病に対して顕著な効果を奏するものでもない。特定の疾病に対して、薬効増大、副作用低減、服薬コンプライアンスの向上といった当業者によく知られた課題を解決するために、用法用量を好適化するといった程度のことは、当業者の通常の創作能力の発揮でしかないから、相違点1は本件発明1の進歩性を基礎づけない。
2 取消事由2(本件発明2~8についての甲1発明に基づく進歩性欠如の判断
の誤り)について【
(原告の主張)
】本件審決が技術常識1の認定根拠とした証拠(甲2~4、6、20、21)は、いずれもDPPⅣ阻害薬が2型糖尿病の治療に用いられる前のものであるから、技術常識1が当然にDPPⅣ阻害薬にも当てはまるとするのは不適切である。また、甲1文献には、抗糖尿病薬だけでなく、その他の種類の薬も多数挙げられているため、当業者が、甲1文献に開示された膨大な数の化合物の中の本件化合物について、特に、抗糖尿病薬との併用を積極的あるいは優先的に選択すべき事情を見出すことはできない。したがって、甲1文献から、本件発明2~8に容易に想到し得たとはいえない。【被告らの主張】甲1文献には、本件化合物を含むDPPⅣ阻害薬と作用機序を異にする他の抗糖尿病薬との組み合わせについて記載されており(【0042】)、当業者であれば、本件化合物と他の経口血糖降下薬とを組み合わせて投与することを合理的に検討する。
第4 当裁判所の判断
1 取消事由1(本件発明1についての甲1発明に基づく進歩性欠如の判断の誤り)について
(1) 原告は、本件審決における甲1発明及び相違点1の各認定は誤りである旨主張するため、まずこの点について検討する。ア(ア) 本件優先日(平成18年5月4日)当時、①DPPⅣ阻害薬は、インクレチンのDPPⅣによる分解を防ぐ作用を有し、その結果、インスリンの作用を増強し、高血糖状態を改善できることから、2型糖尿病の経口投与可能な治療薬として様々な開発が進行しており、ヒトにおける第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験の臨床試験段階にあるDPPⅣ阻害薬が2種(NVP DPP728、LAF237)知られていたこと(争いなし、本件審決67頁参照)、②DPPⅣ阻害薬であるシタグリプチンにつき、2型糖尿病の治療薬として第Ⅲ相試験が行われていたこと(乙A3)、③複数の製薬会社(シリックス インコーポレーテッド、ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー、メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド)が、DPPⅣ阻害活性を有する化合物を2型糖尿病の治療に使用する旨の発明につき特許を出願していたこと(甲49[請求項156]、50[請求項24]、51[請求項19])が認められる。これらの事実からすれば、本件優先日当時、甲1発明の出願人である原告以外にも、複数の製薬会社(当業者)が、DPPⅣ阻害薬によって2型糖尿病を治療する発明につき特許出願を行い、複数のDPPⅣ阻害薬につき2型糖尿病治療薬としての薬事承認に向けた臨床試験が進められていたと認められる。そうすると、本件優先日当時、DPPⅣ阻害薬一般が、DPPⅣ阻害活性に基づいてインスリンの作用を増強することにより、2型糖尿病(タイプ2糖尿病)に対して治療効果を有し、経口投与可能な治療薬として使用可能であることは、当業者にとって技術常識であったとみることができる。したがって、本件審決における技術常識2の認定に誤りはない。(イ) これに対し、原告は、本件優先日当時、DPPⅣ阻害薬が未だ2型糖尿病の治療薬として薬事承認を得ておらず、実際の治療にも使用されていなかったことを指摘し、使用可能との技術常識までは存在しなかったと主張する。しかしながら、薬事承認は、医薬品として製造販売することを承認する行政行為であり(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律14条参照)、これを受けなければ実際の治療には使用できないものであるが、このことと、当該医薬品が特定の疾病に対して治療効果を有するかに係る当業者の認識は別個の問題である。そして、上記(ア)の各事実からすれば、DPPⅣ阻害薬については、本件優先日当時において、当業者の間に、上記技術常識が存在していたと認められ、薬事承認の有無はこの点の判断を左右するものではない。イ(ア) 次に、甲1文献の特許請求の範囲には、タイプⅡ真性糖尿病等を治療するのに適した薬理組成物を製造するための、一般式Ⅰで表される化合物のうち、本件化合物を含む30種類の化合物の使用についての発明が記載されている(請求項1、17、20)。また、発明の詳細な説明には、一般式Ⅰで表される化合物はDPPⅣ阻害活性を有し、これにより特にタイプⅠまたはタイプⅡ真性糖尿病を治療するために使用されること、このうち本件化合物を含む上記30種類の化合物が最も好ましい化合物であること(【0001】~【0003】、【0025】~【0027】)、本件化合物は上記30種類のうちDPPⅣ阻害活性が最も強い6種類の化合物に含まれること(【0039】【表1】)、一般式Ⅰで表される化合物がその効果を達成するのに必要な用量は、経口経路による場合には1~1000mgの範囲、好ましくは1~100mgの範囲、1日当たり1~4回投与であること(【0043】)が、それぞれ記載されている。これらの記載に接した当業者は、技術常識2を踏まえ、甲1文献には、本件審決が認定した甲1発明(前記第2の3(2))が記載されていると認識すると認められる。(イ) これに対し、原告は、上記一般式Ⅰで表される化合物は約7000にも及ぶ上、甲1文献には治療可能性がある多数の疾患が記載されているから、この中から、本件化合物を、タイプⅡ真性糖尿病を治療するため、経口経路により投与することを、積極的あるいは優先的に選択すべき事情を見出すことはできないと主張する。しかしながら、上記(ア)のとおり、甲1文献には、本件化合物が、DPPⅣ阻害活性が最も高い6種類の化合物のうち1つとして記載された上、タイプⅡ真性糖尿病が、DPPⅣ阻害薬の使用によって治療できる疾患として強調して記載されている。これに加え、技術常識2の存在を勘案すれば、当業者において、本件化合物及びタイプⅡ真性糖尿病を積極的、優先的に選択することは自然な発想であるといえる。したがって、原告の上記主張は採用できない。ウ 以上によれば、本件審決における甲1発明及び相違点1の各認定に誤りはない。
(2)ア 次に、原告は、本件審決が認定した相違点1につき、当業者が甲1文献の記載から「5mg用量」「1日1回投与」に想到することが容易であったとはいえない旨主張する。そこで検討するに、上記(1)イ(イ)のとおり、甲1文献の発明の詳細な説明には、一般式Ⅰで表される化合物がその効果を達成するのに必要な用量は、経口経路による場合、好ましくは1~100mgの範囲であること、1日当たり1~4回投与すること(【0043】)が記載されている。医薬品の用量は、通常、非臨床試験の結果などを総合的に判断し、ヒトに対して十分に安全と見込まれる用量を推定して初回投与量とし、段階的に用量を増して安全用量の範囲を推定する第Ⅰ相試験から、第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験へと順に進めていく手順を踏んで、最終的に決定されるとの技術常識3に照らせば、甲1文献に接した当業者は、上記幅のある数値の下限値(1mg、1日1回投与)を初回投与量の参考として用い、上記手順を踏んで最終的な用量を決定すると認められ、本件発明1が特定する「5mg」「1日1回投与」との用量は、上記手順を踏んだ結果、最終的に当業者が選択し得るいくつかの用量に当然に含まれるとみることができる。したがって、当業者が、「5mg」「1日1回投与」との用量に想到することは容易であったと認められる。イ これに対し、原告は、第Ⅰ相試験における初回投与量の決定は、米国食品医薬品局(FDA)のガイダンス(甲61)が示す基準に従ってされるのが技術常識であり、同基準によれば、最終的な用量は9.68mg以上となり、本件発明1の「5mg用量」には到達しない旨主張する。しかしながら、本件優先日当時、上記初回投与量の決定に関する基準は、上記米国食品医薬品局(FDA)の基準以外にも複数存在したのであるから(甲59、60)、特定の基準によって初回投与量を決定するとの技術常識が存在したと認めるに足りない。また、原告は、甲1文献には実施例の製剤例として75mgという用量が記載されていること(【0204】実施例4)から、この用量を初回投与量として設定し、「5mg用量」に想到しないとも主張する。しかし、技術常識3に照らせば、当業者が、甲1文献に好ましい投与量として示された「1ないし100mgの範囲」の下限値を大幅に超える75mgを、ヒトに対して十分に安全と見込まれる初回投与量として設定する合理的な理由があるとは解し難い。ウ 以上によれば、当業者は、甲1発明に技術常識3を適用して、相違点1を有する本件発明1を容易に想到し得たということができるから、本件審決の判断に誤りはない。
(3) よって、原告の取消事由1に関する主張には理由がない。
2 取消事由2(本件発明2~8についての甲1発明に基づく進歩性欠如の判断の誤り)について原告は、本件審決が技術常識1を認定する上で根拠とした証拠はいずれも、DPPⅣ阻害薬が2型糖尿病の治療に用いられる前のものであり、技術常識1がDPPⅣ阻害薬にも当然に当てはまるとするのは適切でなく、また、甲1文献には、抗糖尿病薬だけでなく、その他の種類の薬も多数挙げられているため、当業者が、本件化合物について、抗糖尿病薬との併用を積極的あるいは優先的に選択すべき事情を見いだすことはできないと主張する。しかしながら、技術常識1は、糖尿病治療一般につき、作用機序の異なる経口血糖降下薬を併用することの有用性に関する技術常識であり、本件優先日当時、これがDPPⅣ阻害薬について妥当しないことを示す事情が存在したとは認められない。また、甲1文献の発明の詳細な説明には、本件化合物を含む一般式Ⅰで表される化合物はDPPⅣ阻害活性を有し、これによって治療できる疾患としてタイプⅡ真性糖尿病が強調して記載されていること(前記1(1)イ(ア))、上記化合物と併用に適した治療薬として、抗糖尿病薬が冒頭に挙げられていること(【0042】)からすれば、当業者が、本件化合物と他の活性物質との併用を検討する際、抗糖尿病薬を積極的、優先的に選択することは自然な発想であるといえる。したがって、原告の上記主張は採用できず、当業者が、甲1文献及び技術常識1に基づいて本件発明2~8を容易に想到し得たということができるとした本件審決の判断(前記第2の4(3)、(4))に誤りがあるとは認められない。
3 結論以上のとおり、本件審決についての原告の取消事由に関する主張は採用できず、そのほかに本件において本件審決を取り消すべき事由は認められない。よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官
長 谷 川 浩 二
裁判官
岩 井 直 幸
裁判官
安 岡 美 香 子
(別紙)
本件明細書等の記載事項(抜粋)【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】本明細書は、生理的な機能障害の治療のため及び潜在的に危険な状態にある患者におけるこのような機能障害の発生リスクを減少させるために選択した、DPPⅣインヒビターの使用を記載する。さらに、上記DPPⅣインヒビターを他の活性物質と合わせて使用することを記載し、これを用いることにより向上した治療成果が達成できる。これら用途を対応する薬剤の調製のために使用しても良い。【背景技術】【0002】名称CD26でも知られる酵素DPPⅣは、タンパク質のジペプチドのN末端でプロリン又はアラニングループの開裂を促進するセリンプロテアーゼである。これによりDPP-Ⅳインヒビターは、ペプチドGLP-1を含んだ生物活性ペプチドの血漿レベルに影響し、糖尿病の治療を大いに促進する分子である。(中略)【0009】(中略)いくつかの選択したDDPⅣインヒビターは、特に前糖尿病、耐糖能障害(障害のある耐糖能)、病的な空腹時グルコース(障害のある空腹時グルコース)、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1の糖尿病(膵臓からのインシュリンの残りの分泌を維持するための)、妊娠性糖尿病(妊娠性糖尿病)、高血糖症、アドレナリン作動性の食後の症状(反応性低血糖症)又は心不全から選択される医学的又は生理学的な機能障害であると診断された患者の治療上の処置のための薬物の調製に特に適している。【0010】これらの薬物は、治療にかかわらず患者が障害のあるグルコース代謝、上昇したHbA1c値、障害のある空腹時グルコース値、顕性タイプ 2 糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症又は糖尿病性異常脂質血症に罹患するであろうこと、及び治療にかかわらずインシュリン治療が必要となるか又は大血管性の合併症を起こすことのリスクを減少させるためにも使用されるであろう。この種の大きな血管の合併症の例は、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、出血性又は虚血性脳卒中、末梢動脈閉塞障害(peripheral arterial occlusive disease)、心筋症、左心不全、右心不全、全心不全(global heart insufficiency)、心拍障害及び血管再狭窄である。これらの大血管性の合併症は当業者に知られており、及び標準的なテキストに詳細に記載されている。更に前記物質は、ランゲルハンス島又はβ細胞を移植した後の細胞の活力及び分泌の能力を向上させ、それにより移植後の好ましい結果を確実とするために適切である。前記物質は、特定された物質を従来の単離又は貯蔵媒体に適切な濃度の1nmol/lから1μmol/l、好ましくは1nmol/lから100nmol/lの濃度で添加することにより、ランゲルハンス島又は β 細胞の単離及び移植相の間使用しても良い。これは移植される材料の品質における改良をもたらす。品質における改良は、特に添加された量、好ましくは1-100nmol/lの濃度のGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)と組み合わせて得られる。対応する単離又は貯蔵媒体、及び使用する媒体に対してDPPⅣインヒビターを添加することによるランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上する対応した方法が、本発明のさらなる目的である。【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0011】生理的な機能障害の治療のため及び潜在的に危険な状態にある患者における機能障害の発生リスクを減少させるために選択した、DPPⅣインヒビターの使用を記載する。対応する単離又は貯蔵媒体、及び使用する媒体に対してDPPⅣインヒビターを添加することによるランゲルハンス島又はβ 細胞の活力及び分泌能力を向上する対応した方法が、本発明のさらなる目的である。【課題を解決するための手段】【0012】最終的には、上記インヒビターは、種々の形態の関節炎の治療の適切であるが、特には関節リューマチの治療に適している。本発明の選択されたDPPⅣインヒビターは、以下の式(I)又は式(II)により記載できる【化1】【化2】(中略)【0013】特に好ましいDPPⅣインヒビターは、以下の化合物及びこれらの治療的に活性な塩である:・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン(cf. WO 2004/018468,Example 2(142))【化3】・1-[([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)3-3アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン(cf. WO 2004/018468,Example 2(252))【化4】・1-[(キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン(cf.WO 2004/018468,Example 2(80))【化5】・2-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(ブタ-2-イニル)-5-(4-メチル-キナゾリン-2-イルメチル)-3.5-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン-4-オン(cf.WO 2004/050658, Example 136)【化6】【0014】・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン(cf. WO
2006/029769,Example 2(1))【化7】・1-[(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン(cf. WO 2005/085246,Example 1(30))【化8】1-(2-シアノ-ベンジル)-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(39))【化9】【0015】・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(S)-(2-アミノ-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン (cf. WO2006/029769, Example 2(4))【化10】・1-[(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246,Example 1(52))【化11】・1-[(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246,Example 1(81))【化12】【0016】・1-[(4,6-ジメチル-ピリミジン-2-イル)-メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO2005/085246, Example1(82))【化13】・1-[(キノキサリン-6-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example1(83))【化14】【0017】これらのDDPⅣインヒビターは構造的に類似するDPPインヒビターから区別され、それはこれらが好ましい薬理学的な特性、レセプター選択性及び好ましい副作用特性と優秀な効能及び長く持続する効果を組み合わせ、又は他の医薬活性物質と組み合わせた場合に予想外の治療の利点又は改良をもたらすためである。これらの調製は記載した公報に開示されている。異なる代謝機能障害は多くの場合同時に発生するため、多くの異なる活性原理の組み合わせがかなり頻繁に現れる。従って、診断された機能障害によって、DPPⅣインヒビターを他の高糖尿病物質から選択した活性物質、特に血液中の血糖レベル又は脂質レベルを低下させ、血液中のHDLレベルを上げ、血圧を下げ又はアテローム性動脈硬化又は肥満の治療で指示される活性物質と組み合わせた場合、改良した治療の結果が得られるであろう。【0018】DPPⅣインヒビターの要求される投与量は、静脈投与される場合は0.1mgから10mg、好ましくは0.25mgから5mgであり、経口投与される場合は0.5mgから100mg、好ましくは2.5mgから50mgであり、各場合において一日1~4回投与される。この目的のため、化合物、任意で他の活性物質と組み合わせても良い化合物は、1以上の不活性な通常のキャリアー及び/又は希釈剤、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば固い脂肪又はこれらの適切な混合物と合わせて処方して、従来のガレヌス製剤、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液又は坐剤を形成しても良い。従って、本発明のDPPⅣインヒビターは、先行技術に記載されたような許容された製剤賦形剤を用いて当業者により処方される。このような賦形剤の例は、希釈剤、結合剤、キャリアー、フィラー、滑剤、流動剤(flow agent)、血漿抑制剤、錠剤分解物質、可溶化剤、着色剤、pH 調整剤、界面活性剤及び乳化剤である。【0021】上記のDDPⅣインヒビターは、他の活性物質と合わせて使用してもよく、それにより改良した治療効果を得ることができる。このような組み合わせた治療は、物質の遊離した組み合わせとして、又は固定された組み合わせ、例えば錠剤又はカプセルの形態で得ても良い。これに対して必要とされる組み合わせパートナーの医薬品は、医薬組成物として市場から得るか、又は通常の方法を用いて当業者が処方しても良い。医薬組成物として市場で得られる活性物質は、先行技術の多くの箇所、例えば年一回発行される医薬工業の連邦組織の“Rote Liste”の医薬品リスト、又は“Physician's Desk Reference”として知られる処方薬における製造者の情報の年一回更新される編集物中に記載される。【0022】抗糖尿病の組み合わせパートナーの例は、メトホルミン; スルホニルウレア、例えばグリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリボルヌリド(glibornuride)及びグリクラジド;ナテグリニド;レパグリニド;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン及びピオグリタゾン; PPARγ モジュレーター、例えばメタグリダーゼ;PPAR-γ アゴニスト、例えばGI262570;PPAR-γ アンタゴニスト;PPAR-γ/α モジュレーター、例えばテサグリタザル、ムラグリタザル及びKRP297;PPAR-γ/α/デルタモジュレーター;AMPK-アクティベーター、例えばAICAR;アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC1及びACC2)インヒビター;ジアシルグリセロール-アセチルトランスフェラーゼ(DGAT)インヒビター;パンクレアチック β 細胞GFRPアゴニスト、例えばSMT3-レセプター-アゴニスト及びGPR119;11β-HSD-インヒビター;FGF19アゴニスト又は類似体;α-グルコシダーゼブロッカー、例えばアカルボーズ、ボグリボーズ及びミグリトール;α2-アンタゴニスト;インシュリン及びインシュリン類似体、例えばヒトインシュリン、インシュリンリスプロ、インシュリングルシリン、r-DNA-インシュリンアスパルト、NPHインシュリン、インシュリンデテミール、インシュリンジンク懸濁液及びインシュリンゲラルギン;胃抑制ペプチド(GIP);プラムリンチド;アミリン又はGLP-1及びGLP-1類似体、例えばエキセンジン-4;SGLT2-インヒビター、例えばKGT-1251;タンパクチロシン-ホスファターゼのインヒビター;グルコース-6-ホスファターゼのインヒビター;フルクトース-1、6-ビスホスファターゼモジュレーター;グリコーゲンホスホリラーゼモジュレーター;グルカゴンレセプターアンタゴニスト;ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(phosphoenolpyruvatecarboxynase)(PEPCK)インヒビター;ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)インヒビター;チロシン-キナーゼのインヒビター(50mgから600mg)、例えばPDGF-レセプター-キナーゼ(cf. EP-A-564409, WO 98/35958,US 5093330, WO 2004/005281 及び WO 2006/041976);グルコキナーゼ/調整タンパクモジュレーターを含むグルコキナーゼアクティベーター;グリコーゲン合成キナーゼインヒビター;SH2-ドメインを含むイノシトール5―ホスファターゼタイプ2(SHIP2)のインヒビター;IKKインヒビター、例えば高投与量サリシレート;JNK1インヒビター;タンパクキナーゼC-セタインヒビター;β3-アゴニスト、例えばリトベグロン、YM178、ソラベグロン、タリベグロン、N-5984、GRC-1087、ラファベグロン、FMP825;アルドースレダクターゼインヒビター、例えばAS3201、ゼナレスタット、フィダレスタット、エパルレスタット、ラニレスタット、NZ-314、CP-744809及びCT-112;SGLT-1又はSGLT-2インヒビター;KV1.3チャンネルインヒビター;GPR40モジュレーター;SCD-1インヒビター;CCR-2アンタゴニスト;及び他のDPPⅣインヒビターである。【0037】実施例2: 顕性タイプ 2 糖尿病の予防病的な空腹時グルコース及び/又は障害のある耐糖能(前糖尿病)に罹患した患者の治療は、顕性タイプ 2 糖尿病への移行を予防することのゴールを求めることでもある。治療の効果は、活性物質か又は活性物質の組み合わせを用いるか、又はプラセボを用いるか、又は医薬品を用いない又は他の薬物を用いた治療を用いて前糖尿病患者を長期(例えば1-5年)に亘り治療する、比較臨床試験で調査できる。治療の間及び治療の末期において、空腹時のグルコースを決定すること及び/又は負荷試験(例えばoGTT)により、チェックは、どの程度の数の患者が顕性タイプ2糖尿病を示すか、即ち>125mg/dlの空腹時グルコースレベル及び/又は>199mg/dlのoGTTに従った2時間の値を示すことを決定することで行われる。治療の他の形態の 1 つと比較して、活性物質又は活性物質の組み合わせを用いて治療した場合に、顕性タイプ2糖尿病を示す患者の数の顕著な減少は、前糖尿病の明らかな糖尿病への移行の防止における、活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を実証する。【0038】実施例3:タイプ 2 糖尿病の治療グルコース代謝状況(glucose metabolic situation)における急速な改善の発生に加えて、本発明の活性物質を用いたタイプ2糖尿病に罹患した患者の治療は長期間の代謝状況における悪化を防ぐ。これは、長期間、例えば1-6年の間本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせで患者を治療し、次いで他の抗糖尿病薬で治療した患者と比較することで観察できる。空腹時グルコース及び/又はHbA1c値における増加が無いか又はほんのわずかに増加したことが観察される場合、他の抗糖尿病薬で治療した患者と比較して治療が成功したことの証拠が存在する。他の薬物で治療された患者と比較して、本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせで治療された患者の顕著により少ないパーセンテージが、グルコース代謝ポジション(glucosemetabolic position)における、付加的な経口の抗糖尿病薬を用いて、又はインシュリンを用いて、又はインシュリン類似体を用いて、又は他の抗糖尿病薬(例えばGLP-1類似体)を用いた治療が指示されるポイントへの悪化(例えばHbA1c値を>6.5%又は>7%まで増加させること)に耐える場合に、治療の成功のさらなる証拠が得られる。【0049】実施例13:DPPⅣインヒビター-メトホルミンを用いた組み合わせた治療タイプ2糖尿病又は前糖尿病を治療するため、本発明のDPPⅣインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、抗糖尿病活性物質メトホルミンを組み合わせても良い。DPPⅣインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、メトホルミンの異なる投与量、例えば500mg、850mg又は1000mgの、メトホルミンの単一の投与量として合計一日投与量のメトホルミン500-2850mg、又は遅延放出形態における500mg、1000mg、1500mg又は2000mgのメトホルミンと組み合わせても良い。メトホルミンとのこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者を、DPPⅣインヒビターそのままを用いてか、又はメトホルミンそのままを用いてか、又はDPPⅣインヒビターとメトホルミンを組み合わせて治療する。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPPⅣインヒビターとメトホルミンの組み合わせが、DPPⅣインヒビター単独か又はメトホルミン単独よりも、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を非常に顕著に減少させた事実において見出すことができる。
(別紙)
甲第1号証の記載事項(抜粋)【特許請求の範囲】【請求項1】以下の一般式 I で表される化合物:【化1】(中略)【請求項2】上記一般式Ⅰにおいて、R1が4-メトキシ-1-ナフチルメチル基;2-キノリニルメチル基、4-キノリニルメチル基または6-キノリニルメチル基;1-イソキノリニルメチル基、3-メチル-1-イソキノリニルメチル基、4-メチル-1-イソキノリニルメチル基または3-イソキノリニルメチル基;または2-キナゾリニルメチル基、4-メチル-2-キナゾリニルメチル基または4-キナゾリニルメチル基を表し、R2がメチル基を表し、かつR3が2-ブテン-1-イルまたは2-ブチン-1-イル基を表す、請求項 1 記載の一般式Ⅰの化合物、その互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、混合物およびその塩。【請求項17】以下に列挙するものから選択される、請求項1、5および11のいずれか1項に記載の化合物、並びにその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、混合物およびその塩:(中略)(13)1- [(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン;(中略)【請求項20】請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物の、真性糖尿病タイプⅠおよびタイプⅡ、関節炎、肥満、同種移植片による移植およびカルシトニン-誘発性オステオポローシスを治療するのに適した、薬理組成物を製造するための使用。【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】本発明は、以下の一般式 I で表される新規な置換されたキサンチン:【0002】【化1】【0003】その互変異性体、立体異性体、混合物、プロドラッグおよびその塩、特に無機または有機の酸または塩基との生理的に許容される塩に係り、これらは特に、酵素:ジペプチジルペプチダーゼ-Ⅳ(DPP-Ⅳ)の活性に及ぼす阻害作用を含む、薬理的に有益な諸特性を持ち、またこれらの製造、高いDPP-Ⅳ活性と関連した、またはこのDPP-Ⅳ活性を減じることによって、予防もしくは軽減できる疾患または状態、特にタイプⅠまたはタイプⅡ真性糖尿病を予防もしくは治療するためのその使用、一般式(I)の化合物またはその生理的に許容されるその塩を含む薬理組成物並びにその製法に関するものである。(中略)【0016】本発明の第一の目的の、第一の好ましいサブグループ(亜群)は、上記一般式Ⅰにおいて、R1が4-メトキシ-1-ナフチルメチル基;2-キノリニルメチル基、4-キノリニルメチル基または6-キノリニルメチル基;1-イソキノリニルメチル基、3-メチル-1-イソキノリニルメチル基、4-メチル-1-イソキノリニルメチル基または3-イソキノリニルメチル基; または2-キナゾリニルメチル基、4-メチル-2-キナゾリニルメチル基または4-キナゾリニルメチル基を表し、R2がメチル基を表し、かつR3が2-ブテン-1-イルまたは2-ブチン-1-イル基を表す、上記一般式Ⅰの化合物、その互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、混合物およびその塩を含む。本発明の第一の目的の、第二の好ましいサブグループ(亜群)は、上記一般式Ⅰにおいて、R1が[2-(メチルカルボニルアミノ)-フェニル]-カルボニルメチル基、[2- (エチルカルボニルアミノ)-フェニル]-カルボニルメチル基または[2- (イソプロピルカルボニルアミノ)-フェニル]-カルボニルメチル基であり、R2がメチル基を表し、かつR3が2-ブテン-1-イルまたは2-ブチン-1-イル基を表す、上記一般式Ⅰの化合物、その互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、混合物およびその塩を含む。【0025】特に、最も好ましくは、以下に列挙するものから選択される一般式Ⅰで示される化合物、並びにその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、混合物およびその塩である:(中略)(13)1- [(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン;(中略)【0038】最終濃度100μMの、50μ1の基質溶液(AFC;AFCは、アミド-4-トリフルオロメチルクマリンである)を、黒色のマイクロタイタープレートに入れた。20μ1のアッセイバッファー(夫々最終濃度50mMのTris-HCl、pH7.8、50mMのNacl、1% のDMSO)を、ピペットで秤取り、これに加えた。この反応は、30μlの可溶化したCaco-2タンパク(最終濃度:ウエル当たり、0.14μgのタンパク)を添加することにより開始させた。検討すべきテスト物質は、典型的には予め希釈して20μlとして添加したが、結果としてアッセイバッファーの体積を、それに応じて減らした。この反応は、周囲温度にて60分間インキュベートすることにより行った。次いで、蛍光を、ビクター1420マルチラベルカウンタ(Victor1420 Multilabel Counter)を用いて、励起波長405nmおよび発光波長535nmにて測定した。ブランクの読み(活性0%に相当)を、如何なるCaco-2タンパクも含まない、混合物(所定体積をアッセイバッファーで置換)について得、コントロール値(活性100%に相当)は、物質を全く添加してない混合物について得た。IC50値で表した、問題とするテスト物質の能力は、各場合に対して11個の測定点からなる用量/活性曲線から算出した。【0039】【表1】【0040】本発明によって製造される化合物は、例えば実施例2(80)の化合物10mg/kgを経口経路でラットに投与した場合に、この動物における如何なる挙動変化も検出されなかったことから、十分に許容性をもつものである。これら化合物のDPP-Ⅳ活性を阻害する能力から、本発明による一般式Ⅰの化合物および対応する製薬上許容されるその塩は、該DPP-Ⅳ活性の阻害によって影響される可能性のある全てのこれら状態または疾病を治療するのに適したものである。従って、本発明の化合物は、疾患または状態、例えばタイプⅠおよびタイプⅡ真性糖尿病、糖尿病性合併症(例えば、網膜症、ネフロパシーまたはニューロパシー)、代謝性アシドーシスまたはケトーシス、反応性低血糖、インシュリン耐性、代謝性症候群(metabolic syndrome)、様々な器官の脂肪異常(dyslipidaemias)、関節炎、アテローム性動脈硬化症および関連疾患、肥満、同種移植片移植およびカルシトニン-誘発性オステオポローシスの予防並びに治療のために適したものであると予想される。更に、これら物質は、B-細胞の変質、例えば膵臓B-細胞の断片化または壊死を防止することができる。これらの物質は、また膵臓細胞の機能を改善しもしくは回復させ、また膵臓B-細胞の数およびそのサイズを増大させるためにも適している。更に、またグルカゴン-様ペプチド(Glucagon-Like Peptides)、例えばGLP-1およびGLP-2およびそのDPP-Ⅳとの結合の役割に基いて、本発明の化合物は、特に鎮静または不安-解消作用を達成するために、および手術あるいはホルモンストレス応答後の異化状態に有利に作用し、あるいは心筋梗塞後の、致死性または罹患率を減じるのに適しているものと考えられる。これら化合物は、また上記の作用と関連するおよびGLP-1またはGLP-2によって媒介される、あらゆる状態を治療するためにも適している。本発明による化合物は、また利尿剤または抗-高血圧剤として使用することも可能であり、また急性腎不全を予防し、かつ治療するためにも適している。更に、本発明の化合物は、気道の炎症性疾患を治療するのに使用することも可能である。これらは、更に慢性炎症性腸疾患、例えば過敏性腸症候群(IBS)、クローン病または潰瘍性大腸炎および膵炎でさえも、予防し、かつ治療するために適している。【0042】本発明の化合物は、また他の活性物質との組合せで使用することもできる。このような組合せとして適した治療薬は、例えば抗-糖尿病薬、例えばメトホルミン、スルホニルウレア(例えば、グリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド)、ナテグリニド(nateglinide)、レパグリニド(repaglinide)、チアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、ピオグリタゾン)、PPAR-γ アゴニスト(例えば、GI262570)およびアンタゴニスト、PPAR-γ/αモジュレータ(例えば、KRP297)、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、フォグリボース(voglibose)、他のDPPⅣ阻害剤、α2アンタゴニスト、インシュリンおよびインシュリン類似体、GLP-1およびGLP-2類似体(例えば、エキセンジン-4)またはアミリン(amylin)を含む。また、SGLT2阻害剤、例えばT-1095、プロテインチロシンホスファターゼ1の阻害剤、調節機能が失われた、肝臓におけるグルコース産生に影響する物質、例えばグルコース-6-ホスファターゼまたはフルクトース-1、6-ビスホスファターゼグリコーゲンホスホリラーゼ、グルカゴンレセプタアンタゴニストおよびホスホエノール-ピルベートカルボキシキナーゼ、グリコーゲンシンターゼキナーゼまたはピルベートデヒドロキナーゼ、脂質低下剤、例えばHMG-CoA-リダクターゼ阻害剤(例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン(atorvastatin))、フィブレート(例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸およびその誘導体、PPAR-α アゴニスト、PPAR-δアゴニスト、ACAT阻害剤(例えば、アバシミブ(avasimibe)) 、またはコレ ステ ロール再 吸収阻害剤、 例えばエゼティミブ(ezetimibe)、胆汁酸-結合物質、例えばコレスティラミン、回腸の胆汁酸輸送の阻害剤、HDL-上昇化合物、例えばCETPの阻害剤またはABC1のレギュレータまたは肥満治療用の活性物質、例えばシブトラミンまたはテトラヒドロリポスタチン(tetrahydrolipostatin)、デキスフェンフルラミン、アキソカイン(axokine)、カンナビノイド 1 レセプタのアンタゴニスト、MCH-1レセプタアンタゴニスト、MC4レセプタアンタゴニスト、NPY5またはNPY2アンタゴニストまたは β3-アゴニスト、例えばSB-418790またはAD-9677並びに5HT2cレセプタのアゴニストも使用できる。【0043】本発明の化合物を、高血圧を治療する薬物、例えばAIIアンタゴニストまたはACE阻害剤、利尿剤、β-ブロッカー、Ca-アンタゴニスト等、あるいはこれらの組合せと併用することも可能である。このような効果を達成するのに必要な用量は、静脈内経路による場合、便宜上1~100mgなる範囲、好ましくは1~30mgなる範囲、また経口経路による場合には、1~1000mgなる範囲、好ましくは1~100mgなる範囲であり、何れの場合にも 1 日当たり1~4回投与する。この目的に対しては、本発明により製造した一般式Ⅰの化合物は、場合により他の活性物質との組合せで、1種またはそれ以上の公知の担体および/または稀釈剤、例えばコーンスターチ、ラクトース、グルコース、ミクロクリスタリンセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースまたは脂肪物質、例えば硬質脂肪または適当なその混合物と共に、公知のガレノス製剤、例えば無垢のまたは被覆した錠剤、カプセル、散剤、懸濁液、または座剤に配合することができる。【0204】(中略)実施例4:75mgの活性物質を含む被覆錠剤:1 錠剤コアは、以下の成分を含む:
| 特許裁判例 実用新案裁判例 |
| 意匠裁判例 商標裁判例 |
| 不正競争裁判例 著作権裁判例 |
| 特許判例 実用新案判例 |
| 意匠判例 商標判例 |
| 不正競争判例 著作権判例 |
11月4日(水) - オンライン
11月4日(水) - オンライン
11月4日(水) - オンライン
11月5日(木) - 大阪 大阪市西区
11月5日(木) - オンライン
11月5日(木) - 大阪 大阪市
11月5日(木) - オンライン
11月5日(木) - 大阪 大阪市
11月5日(木) - 愛知 名古屋市
11月5日(木) - 東京 港
11月5日(木) - オンライン
11月5日(木) - オンライン
11月5日(木) - オンライン
MyTokkyo.Aiで何ができる? MyTokkyo.Ai導入検討者向け説明会|研究開発・知財のための基本機能と活用事例
11月6日(金) - 東京 港区
11月6日(金) - オンライン
11月6日(金) - 大阪 大阪市
11月6日(金) - オンライン
11月6日(金) - オンライン
11月4日(水) - オンライン
〒564-0051 大阪府吹田市豊津町1番18号 エクラート江坂ビル4F 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国商標
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-1-1 飯田橋ISビル8階 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング
〒500-8368 岐阜県 岐阜市 宇佐3丁目4番3号 4-3,Usa 3-Chome, Gifu-City, 500-8368 JAPAN 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング