ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(ワ)70088 著作物無断使用禁止等請求事件
| 裁判所 | 請求棄却 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和8年1月29日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告A 被告SBクリエイティブ株式会社 |
| 法令 |
著作権 |
| キーワード | 侵害19回 |
| 主文 | 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
| 事件の概要 | 本件は、自作の小説をインターネット上に公開している原告が、別紙3被告著 作物目録記載1の小説(以下「被告小説」という。)を出版した被告に対し、被 告小説及び同目録記載2の被告小説のコミカライズ版(以下「被告小説コミカラ イズ版」という。)は、別紙2原告著作物目録記載1、2、3、15及び32の 原告の小説(以下「原告各小説」という。)と類似しており原告各小説を複製又 は翻案したものであり、原告各小説に係る著作権(複製権、翻案権及び譲渡権) 及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)を侵害するものであると主張 して、名誉回復措置として別紙1記載の謝罪広告の掲載を求める事案である。 |
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令和8年1月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和7年(ワ)第70088号 著作物無断使用禁止等請求事件
口頭弁論終結日 令和7年11月20日
判 決
原 告 A
被 告 SBクリエイティブ株式会社
同訴訟代理人弁護士 清 水 節
同 秋 山 洋
同 佐 藤 慧 太
同 竹 島 淳 輝
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告は、被告のウェブサイト及び被告のXアカウントにおいて、別紙1記載の広告を一回掲載せよ。
第2 事案の概要等
本件は、自作の小説をインターネット上に公開している原告が、別紙3被告著作物目録記載1の小説(以下「被告小説」という。)を出版した被告に対し、被告小説及び同目録記載2の被告小説のコミカライズ版(以下「被告小説コミカライズ版」という。)は、別紙2原告著作物目録記載1、2、3、15及び32の原告の小説(以下「原告各小説」という。)と類似しており原告各小説を複製又は翻案したものであり、原告各小説に係る著作権(複製権、翻案権及び譲渡権)及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)を侵害するものであると主張して、名誉回復措置として別紙1記載の謝罪広告の掲載を求める事案である。1 前提事実(争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
⑴ 被告は、書籍販売等を目的とする株式会社である。
⑵ 原告は、原告各小説を含む別紙2原告著作物目録記載の小説を執筆し、平成
5 23年頃から、インターネット上の小説投稿サイトである「小説家になろう」等にアップロードしていた(甲1)。そして、原告は、原告各小説の著作権を有している。
⑶ 被告小説の作者は、被告小説を第8回GA文庫大賞に応募し、平成28年4月28日、優秀賞を受賞した。同賞の結果発表のホームページには、被告小説の【あらすじ】として、次の記載がある(甲4)。「村で一番か弱い少年ロイドは、村人たちの反対を振りきって上京を試みる。しかし大陸最果てにある『コンロン』の村は、ちょっぴり事情が違っていた。なぜならそこは、世界を救いし太古の英雄が築いた幻の集落で、住民全員が英雄の子孫であるため、子供からお年寄りまで常識外れな力の持ち主なのだ。もちろんロイドも例外ではなく、自分を一番弱いと信じて疑わないまま都にむかってしまう。道中、モンスターをモンスターと思わぬままあっさり倒したり、汽車で何日もかかる大陸横断の道程をジョギング感覚で踏破したり、さらには呪いに苦しむセレン姫を通りすがりに救って惚れられてしまったりと、無自覚に圧倒的な強さを発揮しながら、都で行われる士官学校の採用試験にたどりつく。ロイドはその会場で軍の有力者や、凄腕の女傭兵リホなどに実力を見抜かれ一目置かれるが、都会のスケールでは測りきれないロイドの試験結果のせいで、あえなく不合格に。しかしなんとかして彼を軍人にしてあげたいと、セレンやリホは王国を揺るがす大事件を解決する大手柄をロイドに挙げさせようと奔走しはじめるのだが……?」
⑷ 被告は、平成29年2月28日、被告小説を発行した。なお、優秀賞受賞から発行までの間に、被告小説の作者により、被告小説の改稿が行われた。
5 ⑸ 原告各小説には、別表対比表の「原告小説」欄記載の各記述(以下、同対比表の「通し番号」欄記載の番号に従い「原告記述1」などといい、併せて「原告各記述」という。)が存在する。また、被告小説には、同対比表の「被告小説」欄各記載の記述(以下、同対比表の「通し番号」欄記載の番号に従い「被告記述1」などといい、併せて「被告各記述」という。)が存在する。原告各小説と原告各記述の対応関係は、次のとおりである。ア 通し番号1~通し番号121 別紙2原告著作物目録記載1の原告小説イ 通し番号122~通し番号133 別紙2原告著作物目録記載32の原告小説ウ 通し番号134~通し番号140 別紙2原告著作物目録記載3の原告小説エ 通し番号141及び通し番号142 別紙2原告著作物目録記載15の原告小説オ 通し番号143~通し番号152 別紙2原告著作物目録記載2の原告小説2 争点に関する当事者の主張原告は、複製権及び翻案権の各侵害を主張するほか、原告の著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)及び譲渡権の各侵害を主張しているところ、原告の主張によれば、著作者人格権及び譲渡権の各侵害は、複製権及び翻案権の各侵害を前提とするものである。このような原告の主張を踏まえ、本件においては、複製又は翻案の成否が中核的争点とされた。この点に関する当事者双方の主張は、次のとおりである。(原告の主張)別表対比表「補足」欄、「原告再反論」欄、「原告再々反論」欄で主張するとおり、原告各記述と被告各記述は、共通点ないし類似点が多数存在し、被告各記述は、原告各記述の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるものであ
5 る。そして、原告各小説は、全てインターネット上で公開され、誰でも見ることができる状態にあったから、被告又は被告小説の作者が原告各小説の内容を知る機会は十分にあった。したがって、被告小説は、原告各小説に依拠し、これらを複製又翻案したものであるから、原告各小説に係る複製権又は翻案権を侵害するものである。なお、本件訴訟においては、原告各小説についてのみ複製権又は翻案権侵害を主張する。また、被告小説コミカライズ版にも被告が関与していると考えられるところ、被告小説コミカライズ版による複製権又は翻案権の各侵害の主張は、通し番号41の「星形(十字の星)のブローチを魔女にプレゼントしている」という点のみ主張するものであり、その余の主張は、いずれも被告小説による複製権又は翻案権の各侵害を主張するものである。(被告の主張)別表対比表「被告反論」欄及び「被告再々反論」欄で主張するとおり、原告各記述と被告各記述は、そもそも表現が類似したものではない上、類似している箇所については原告各記述自体がありふれた表現として著作物性を有しないものである。また、被告小説が出版された平成29年2月の時点では、未だ原告から被告主催の新人賞に対して原告小説が応募されておらず、更には被告及び被告小説の作者は、「小説家になろう」等の小説投稿サイトにおいて原告各小説が掲載されていた事実も認識していなかった。そのため、原告各小説に依拠した事実もない。したがって、被告小説は、原告の複製権又は翻案権を侵害するものではない。なお、被告小説コミカライズ版を出版したのは、被告ではなく、株式会社スクウェア・エニックスである。
第3 当裁判所の判断
1 依拠性の有無等について
証拠(乙1)及び弁論の全趣旨によれば、被告小説の作者は、被告小説の執筆
5 に当たり、自身が好きであった漫画の主人公をモデルとして、特殊な環境の田舎
で生まれ育った主人公が都会で破天荒に振る舞うというストーリーを構想したこと、このストーリーに、主人公がその環境の特殊性を認識しないまま互いに前提に誤解を抱え、話がかみ合わないまま会話が進行する「すれ違いコント」の要素を取り入れることで被告小説の原型を創作したこと、具体的なストーリーを考案するに当たっては、被告その他から発行された作品に着想を得たこと、被告小説の作者は、被告編集者を通じて、原告から被告小説が自身の作品を盗作して執筆されたものである旨の指摘があると知るまで、原告各小説を読んだことがなく、被告小説が発行された時点では、前記前提事実⑶の事実や原告各小説の存在自体を知らなかったこと、以上の事実が認められる。後記2で述べるとおり、原告各記述と被告各記述には、そもそも記述の同一性がない部分が極めて多数に及ぶという事情を踏まえても、被告小説の作者の陳述書(乙1)の信用性には、疑いを差し挟むべき事情はない。これらの事情を総合すると、被告小説は、原告各小説に依拠することなく、独自に作成されたものと認めるのが相当である。したがって、その余の点について判断するまでもなく、被告小説は、原告各小説の著作権(複製権又は翻案権)を侵害するものとはいえない。なお、弁論の全趣旨によれば、被告小説コミカライズ版を出版したのは、被告ではなく株式会社スクウェア・エニックスであり、被告がこれに関与したことを認めるに足りる的確な証拠がないことからすれば、被告小説コミカライズ版による上記著作権侵害をいう
(原告の主張)
は、採用することができない。
2 複製及び翻案の成否について
なお、念のため、本件訴訟の経過等を踏まえ、複製及び翻案の成否につき、以下判断する。著作権法は、思想又は感情の創作的な表現を保護するものであるから(同法2条1項1号参照)、既存の著作物に依拠して作成又は創作された著作物が、思想、
5 感情若しくはアイデア、事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現
上の創作性がない部分において、既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には、複製にも翻案にも当たらないというべきである(最高裁判所平成11年(受)
第922号同13年6月28日第一小法廷判決・民集55巻4号837頁参照)。
これを本件についてみると、
(原告の主張)
によっても、被告各記述の文章上の表現の特定が必ずしもされていないものがあるほか、被告各記述と原告各記述は、
①そもそも記述の同一性がない、②表現それ自体でない部分(思想、アイデア、
事実又は事件など)において同一性を有するにすぎない、又は③表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎないものであるため、被告各記述を含む被告小説の発行又は販売は、複製にも翻案にも当たらないものと認めるのが相当である。その理由の詳細は、次のとおりである。
(1) 通し番号1
原告記述1と被告記述1が同一性を有する部分は、「素直」であることが認められる。そうすると、原告記述1と被告記述1は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(2) 通し番号2
原告記述2と被告記述2が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(3) 通し番号3
原告記述3と被告記述3が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(4) 通し番号4
原告記述4と被告記述4が同一性を有する部分は、「村」であることが認められる。そうすると、原告記述4と被告記述4は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(5) 通し番号5
5 原告記述5と被告記述5が同一性を有する部分は、「田舎出身」及び「畑」で
あることが認められる。そうすると、原告記述5と被告記述5は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述5は、主人公のキャラクター設定として「普通の農家」、「田舎出身」、「畑に雪トマト」を育てていることを述べるものであるのに対し、被告記述5は、被告小説の主人公が「田舎出身」であり、村の北側に小麦畑があることを述べるものであることからすると、「田舎出身」であるというアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(6) 通し番号6
原告記述6と被告記述6が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(7) 通し番号7
原告記述7と被告記述7が同一性を有する部分は、「王都」であることが認められる。そうすると、原告記述7と被告記述7は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(8) 通し番号8
原告記述8と被告記述8が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(9) 通し番号9
原告記述9と被告記述9が同一性を有する部分は、「根性」であることが認められる。そうすると、原告記述9と被告記述9は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(10) 通し番号10
原告記述10と被告記述10が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(11) 通し番号11
5 原告記述11と被告記述11が同一性を有する部分は、「村」であることが認
められる。そうすると、原告記述11と被告記述11は、特定の村出身の主人公が常識外れの力を持っているというアイデアが共通するかは格別、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(12) 通し番号12
原告記述12と被告記述12が同一性を有する部分は、「魔法」であることが認められる。そうすると、原告記述12と被告記述12は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(13) 通し番号13
原告記述13と被告記述13が同一性を有する部分は、「魔法」であることが認められる。そうすると、原告記述13と被告記述13は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(14) 通し番号14
原告記述14と被告記述14が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(15) 通し番号15
原告記述15と被告記述15が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(16) 通し番号16
原告記述16と被告記述16が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(17) 通し番号17
原告記述17と被告記述17が同一性を有する部分は、「王都」及び「魔女」であることが認められる。そうすると、原告記述17と被告記述17は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(18) 通し番号18
5 原告記述18と被告記述18が同一性を有する部分は、「伝説の」及び「剣」
であることが認められる。そうすると、原告記述18と被告記述18は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(19) 通し番号19
原告記述19と被告記述19が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(20) 通し番号20
原告記述20と被告記述20が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(21) 通し番号21
原告記述21と被告記述21が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(22) 通し番号22
原告記述22と被告記述22が同一性を有する部分は、「魔法」であることが認められる。そうすると、原告記述22と被告記述22は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(23) 通し番号23
原告記述23と被告記述23が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(24) 通し番号24
原告記述24と被告記述24が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(25) 通し番号25
原告記述25と被告記述25が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(26) 通し番号26
5 原告記述26と被告記述26が同一性を有する具体的な部分を認めることは
できない。
(27) 通し番号27
原告記述27と被告記述27が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(28) 通し番号28
原告記述28と被告記述28が同一性を有する部分は、「医者」であり、いずれも主人公が医者を呼ぶセリフを表現したものであることが認められる。そうすると、原告記述28と被告記述28は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(29) 通し番号29
原告記述29と被告記述29が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(30) 通し番号30
原告記述30と被告記述30が同一性を有する部分は、「僕」であることが認められる。そうすると、原告記述30と被告記述30は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(31) 通し番号31
原告記述31と被告記述31が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(32) 通し番号32
原告記述32と被告記述32が同一性を有する部分は、「走って」であることが認められる。そうすると、原告記述32と被告記述32は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(33) 通し番号33
原告記述33と被告記述33が同一性を有する部分は、「筆記試験」であるこ
5 とが認められる。そうすると、原告記述33と被告記述33は、表現上の創作性
を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(34) 通し番号34
原告記述34と被告記述34が同一性を有する部分は、「魔女」であることが認められる。そうすると、原告記述34と被告記述34は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(35) 通し番号35
原告記述35と被告記述35が同一性を有する部分は、大きい「胸」であることが認められる。そうすると、原告記述35と被告記述35は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(36) 通し番号36
原告記述36と被告記述36が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(37) 通し番号37
原告記述37と被告記述37が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(38) 通し番号38
原告記述38と被告記述38が同一性を有する部分は、「とんがり帽子」であることが認められる。そうすると、原告記述38と被告記述38は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述38及び被告記述38は、魔女のキャラクターの容姿について述べるものであり、「とんがり帽子をかぶった魔女」のキャラクターというアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(39) 通し番号39
原告記述39と被告記述39が同一性を有する部分は、「ババア」であることが認められる。そうすると、原告記述39と被告記述39は、表現上の創作性を
5 認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(40) 通し番号40
原告記述40と被告記述40が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(41) 通し番号41
原告記述41と被告記述41が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。原告は、原告記述41に「星の形をした宝石」との記載があるところ、被告小説コミカライズ版には星形のブローチを魔女にプレゼントするシーンがあることをもって複製権又は翻案権侵害に該当する旨主張する。しかしながら、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない上、そもそも被告小説コミカライズ版を出版したのが被告であることを認めるに足りる証拠はなく、
(原告の主張)
が採用の限りではないことは、前記において説示したとおりである。
(42) 通し番号42
原告記述42と被告記述42が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(43) 通し番号43
原告記述43と被告記述43が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(44) 通し番号44
原告記述44と被告記述44が同一性を有する部分は、「彼女」であることが認められる。そうすると、原告記述44と被告記述44は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(45) 通し番号45
原告記述45と被告記述45が同一性を有する具体的な部分を認めることは
5 できない。
(46) 通し番号46
原告記述46と被告記述46が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(47) 通し番号47
原告記述47と被告記述47が同一性を有する部分は、「出身」であることが認められる。そうすると、原告記述48と被告記述48は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(48) 通し番号48
原告記述48と被告記述48が同一性を有する部分は、「穴」及び「大工」であることが認められる。そうすると、原告記述48と被告記述48は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(49) 通し番号49
原告記述49と被告記述49が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(50) 通し番号50
原告記述50と被告記述50が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(51) 通し番号51
原告記述51と被告記述51が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(52) 通し番号52
原告記述52と被告記述52が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(53) 通し番号53
原告記述53と被告記述53が同一性を有する部分は、「あの・・・村」であ
5 ることが認められる。そうすると、原告記述53と被告記述53は、表現上の創
作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(54) 通し番号54
原告記述54と被告記述54が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(55) 通し番号55
原告記述55と被告記述55が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(56) 通し番号56
原告記述56と被告記述56が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(57) 通し番号57
原告記述57と被告記述57が同一性を有する部分は、「呪い」であることが認められる。そうすると、原告記述57と被告記述57は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(58) 通し番号58
原告記述58と被告記述58が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(59) 通し番号59
原告記述59と被告記述59が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(60) 通し番号60
原告記述60と被告記述60が同一性を有する部分は、「情報」であることが認められる。そうすると、原告記述60と被告記述60は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(61) 通し番号61
5 原告記述61と被告記述61が同一性を有する具体的な部分を認めることは
できない。
(62) 通し番号62
原告記述62と被告記述62が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(63) 通し番号63
原告記述63と被告記述63が同一性を有する部分は、「村」であることが認められる。そうすると、原告記述63と被告記述63は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(64) 通し番号64
原告記述64と被告記述64が同一性を有する部分は、「本」であることが認められる。そうすると、原告記述64と被告記述64は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(65) 通し番号65
原告記述65と被告記述65が同一性を有する部分は、「魔法」であることが認められる。そうすると、原告記述65と被告記述65は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(66) 通し番号66
原告記述66は、主人公が茶色の魔石をプレゼントするシーンのセリフを表現したものであるのに対し、被告記述66は、主人公が琥珀色のべっ甲をプレゼントするシーンを表現したものであり、アイデアが共通するかどうかは格別、少なくとも原告記述66と被告記述66が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(67) 通し番号67
原告記述67と被告記述67が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
5 (68) 通し番号68
原告記述68と被告記述68が同一性を有する部分は、「姫」であることが認められる。そうすると、原告記述68と被告記述68は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(69) 通し番号69
原告記述69と被告記述69が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(70) 通し番号70
原告記述70と被告記述70が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(71) 通し番号71
原告記述71と被告記述71が同一性を有する部分は、「肌」、「白」、「体」及び「鍛え」であることが認められる。そうすると、原告記述71と被告記述71は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述70と被告記述70は、「小説に登場する姫の肌が白く繊細であり、かつ、鍛えられている」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(72) 通し番号72
原告記述72と被告記述72が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(73) 通し番号73
原告記述73と被告記述73が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(74) 通し番号74
原告記述74と被告記述74が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
5 (75) 通し番号75
原告記述75と被告記述75が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(76) 通し番号76
原告記述76と被告記述76が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(77) 通し番号77
原告記述77と被告記述77が同一性を有する部分は、「美人」であることが認められる。そうすると、原告記述77と被告記述77は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(78) 通し番号78
原告記述78と被告記述78が同一性を有する部分は、「猫」であることが認められる。そうすると、原告記述78と被告記述78は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(79) 通し番号79
原告記述79と被告記述79が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(80) 通し番号80
原告記述80と被告記述80が同一性を有する部分は、「化粧」であることが認められる。そうすると、原告記述80と被告記述80は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(81) 通し番号81
原告記述81と被告記述81が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(82) 通し番号82
原告記述82と被告記述82が同一性を有する部分は、「悪いこと」であるこ
5 とが認められる。そうすると、原告記述82と被告記述82は、表現上の創作性
を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(83) 通し番号83
原告記述83と被告記述83が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。実質的にみても、原告記述83と被告記述83は、「小説に登場する魔女の体形が豊満である」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(84) 通し番号84
原告記述84と被告記述84が同一性を有する部分は、「料理」であることが認められる。そうすると、原告記述84と被告記述84は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(85) 通し番号85
原告記述85と被告記述85が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(86) 通し番号86
原告記述86と被告記述86が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(87) 通し番号87
原告記述87と被告記述87が同一性を有する部分は、「宿」、「料理」、「購入」及び「揚げたて」であることが認められる。そうすると、原告記述87と被告記述87は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(88) 通し番号88
原告記述88と被告記述88が同一性を有する部分は、「美女」であることが認められる。そうすると、原告記述88と被告記述88は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(89) 通し番号89
5 原告記述89と被告記述89が同一性を有する具体的な部分を認めることは
できない。
(90) 通し番号90
原告記述90と被告記述90が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(91) 通し番号91
原告記述91と被告記述91が同一性を有する部分は、「ババア」であることが認められる。そうすると、原告記述91と被告記述91は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(92) 通し番号92
原告記述92と被告記述92が同一性を有する部分は、「子」であることが認められる。そうすると、原告記述92と被告記述92は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(93) 通し番号93
原告記述93と被告記述93が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(94) 通し番号94
原告記述94と被告記述94が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(95) 通し番号95
原告記述95と被告記述95が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(96) 通し番号96
原告記述96と被告記述96が同一性を有する部分は、「黒髪」及び「ツインテール」であることが認められる。そうすると、原告記述96と被告記述96は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎな
5 い。実質的にみても、原告記述96と被告記述96は、「小説に登場するキャラ
クターの容姿が黒髪ツインテール」であるというアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(97) 通し番号97
原告記述97と被告記述97が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(98) 通し番号98
原告記述98と被告記述98が同一性を有する部分は、「村」であることが認められる。そうすると、原告記述98と被告記述98は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(99) 通し番号99
原告記述99と被告記述99が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(100) 通し番号100
原告記述100と被告記述100が同一性を有する部分は、「女の子」であることが認められる。そうすると、原告記述100と被告記述100は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(101) 通し番号101
原告記述101と被告記述101が同一性を有する部分は、「村に連れ戻」すであることが認められる。そうすると、原告記述101と被告記述101は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(102) 通し番号102
原告記述102と被告記述102が同一性を有する部分は、「不老不死」であることが認められる。そうすると、原告記述102と被告記述102は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述102と被告記述102は、「キャラクターが不老不死
5 である」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(103) 通し番号103
原告記述103と被告記述103が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(104) 通し番号104
原告記述104と被告記述104が同一性を有する部分は、「魔女」であることが認められる。そうすると、原告記述104と被告記述104は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(105) 通し番号105
原告記述105と被告記述105が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(106) 通し番号106
原告記述106と被告記述106が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(107) 通し番号107
被告記述107は、被告小説の文章上の表現を特定するものではなく、原告において被告小説の表紙絵に描かれたキャラクターが緑髪である事実をいうものである。そうすると、原告記述107と被告記述107の同一性を認めることはできない。
(108) 通し番号108
原告記述108と被告記述108が同一性を有する部分は、「足」であることが認められる。そうすると、原告記述108と被告記述108は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(109) 通し番号109
原告記述109と被告記述109が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
5 (110) 通し番号110
原告記述110と被告記述110が同一性を有する部分は、「学生」であることが認められる。そうすると、原告記述110と被告記述110は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(111) 通し番号111
原告記述111と被告記述111が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(112) 通し番号112
原告記述112と被告記述112が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(113) 通し番号113
原告記述113と被告記述113が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(114) 通し番号114
原告記述114と被告記述114が同一性を有する部分は、「観光」であることが認められる。そうすると、原告記述114と被告記述114は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(115) 通し番号115
原告記述115と被告記述115が同一性を有する部分は、「「「 」」」(あるセリフについてかぎ括弧を三つ重ねて記述したもの)であることが認められる。そうすると、原告記述115と被告記述115は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。もっとも、原告は、複数のキャラクターが同じ発言をしたときにかぎ括弧を複数重ねてセリフを表現するという点で同一性を有すると主張するものの、上記の点は、いわば作風といえるものにすぎず、アイデアにとどまるものであるから、
(原告の主張)
は、採用することができない。
5 (116) 通し番号116
原告記述116と被告記述116が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(117) 通し番号117
原告記述117と被告記述117が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(118) 通し番号118
原告記述118と被告記述118が同一性を有する部分は、「乙女心」であることが認められる。そうすると、原告記述118と被告記述118は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(119) 通し番号119
原告記述119と被告記述119が同一性を有する部分は、「好き」であることが認められる。そうすると、原告記述119と被告記述119は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(120) 通し番号120
原告記述120と被告記述120が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(121) 通し番号121
原告記述121と被告記述121が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(122) 通し番号122
原告記述122と被告記述122が同一性を有する部分は、「魔法」及び「規格外」であることが認められる。そうすると、原告記述122と被告記述122は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述122は、原告小説に登場するある国の人々が魔道具や呪文なしで魔法を使えることを規格外であると表現したものである
5 のに対し、被告記述122は、主人公が詠唱や媒介なしで魔法を使えることを規
格外であると表現したものであり、「呪文・詠唱や魔道具・媒介なしで魔法を使えることが規格外である」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(123) 通し番号123
原告記述123と被告記述123が同一性を有する部分は、「男」であることが認められる。そうすると、原告記述123と被告記述123は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(124) 通し番号124
原告記述124と被告記述124が同一性を有する部分は、「師匠」であることが認められる。そうすると、原告記述124と被告記述124は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(125) 通し番号125
原告記述125と被告記述125が同一性を有する部分は、「最高」であることが認められる。そうすると、原告記述125と被告記述125は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(126) 通し番号126
原告記述126と被告記述126が同一性を有する部分は、「髪」であることが認められる。そうすると、原告記述126と被告記述126は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述126と被告記述126は、「小説に登場するキャラクターの髪の色が茶色である」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(127) 通し番号127
原告記述127と被告記述127が同一性を有する部分は、「崩れ」であることが認められる。そうすると、原告記述127と被告記述127は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(128) 通し番号128
5 原告記述128と被告記述128が同一性を有する部分は、
「城下」及び「像」であることが認められる。そうすると、原告記述128と被告記述128は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述128と被告記述128は、「城下町に像がある」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(129) 通し番号129
原告記述129と被告記述129が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。もっとも、原告は、登場人物のセリフを片仮名で表現する点において同一性を有すると主張するものの、上記の点は、いわば作風といえるものにすぎず、アイデアにとどまるものであるから、
(原告の主張)
は採用することができない。
(130) 通し番号130
原告記述130と被告記述130が同一性を有する部分は、「掃除」であることが認められる。そうすると、原告記述130と被告記述130は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(131) 通し番号131
原告記述131と被告記述131が同一性を有する部分は、「山」であることが認められる。そうすると、原告記述131と被告記述131は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(132) 通し番号132
原告記述132と被告記述132が同一性を有する部分は、「評価」であることが認められる。そうすると、原告記述132と被告記述132は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(133) 通し番号133
原告記述133と被告記述133が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
5 (134) 通し番号134
原告記述134と被告記述134が同一性を有する部分は、「食堂」及び「アルバイト」であることが認められる。そうすると、原告記述134と被告記述134は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(135) 通し番号135
原告記述135と被告記述135が同一性を有する部分は、「筋肉」、「店」及び「評判」であることが認められる。そうすると、原告記述135と被告記述135は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述135と被告記述135は、「筋骨隆々の主人が営む食堂が繁盛している」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(136) 通し番号136
原告記述136と被告記述136が同一性を有する部分は、「火」であることが認められる。そうすると、原告記述136と被告記述136は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述136と被告記述136は、「火の玉を出す魔法」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(137) 通し番号137
原告記述137と被告記述137が同一性を有する部分は、「お茶」であることが認められる。そうすると、原告記述137と被告記述137は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(138) 通し番号138
原告記述138と被告記述138が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(139) 通し番号139
5 原告記述139と被告記述139が同一性を有する具体的な部分を認めるこ
とはできない。
(140) 通し番号140
原告記述140と被告記述140が同一性を有する部分は、「氷」であることが認められる。そうすると、原告記述140と被告記述140は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述140と被告記述140は、「氷の魔法を使用した戦闘」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(141) 通し番号141
原告記述141と被告記述141が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(142) 通し番号142
原告記述142と被告記述142が同一性を有する部分は、「ベルト」及び「攻撃」であることが認められる。そうすると、原告記述142と被告記述142は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。実質的にみても、原告記述142と被告記述142は、「攻撃を防ぐベルト」というアイデアにおいて同一性を有するにすぎない。
(143) 通し番号143
原告記述143と被告記述143が同一性を有する部分は、「王都」であることが認められる。そうすると、原告記述143と被告記述143は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(144) 通し番号144
原告記述144と被告記述144が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(145) 通し番号145
原告記述145と被告記述145が同一性を有する部分は、「筆記試験」であ
5 ることが認められる。そうすると、原告記述145と被告記述145は、表現上
の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(146) 通し番号146
原告記述156と被告記述146が同一性を有する部分は、「悪用」であることが認められる。そうすると、原告記述146と被告記述146は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(147) 通し番号147
原告記述147と被告記述147が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(148) 通し番号148
原告記述148と被告記述148が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(149) 通し番号149
原告記述149と被告記述149が同一性を有する部分は、「治安」、「石畳」、「有り金」、「全部」及び「慰謝料」であることが認められる。そうすると、原告記述149と被告記述149は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(150) 通し番号150
原告記述150と被告記述150が同一性を有する具体的な部分を認めることはできない。
(151) 通し番号151
原告記述151と被告記述151が同一性を有する部分は、「修正」であることが認められる。そうすると、原告記述151と被告記述151は、表現上の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
(152) 通し番号152
原告記述152と被告記述152が同一性を有する部分は、「実戦経験」であ
5 ることが認められる。そうすると、原告記述152と被告記述152は、表現上
の創作性を認めることができない部分において同一性を有するにすぎない。
3 これに対し、原告は、次のとおり主張するものの、いずれも前記判例を正解す
るものとはいえず、いずれも採用することができない。その理由は、次のとおりである。
⑴ 原告は、物語というものは、キャラクター、ストーリー、背景描写等多数の
「アイデア」の積み重ねによって成り立っており、原告各小説と被告小説は、こうした「アイデア」において膨大な量の類似があるから、著作権侵害が成立する旨主張する。しかしながら、アイデアなど表現それ自体でない部分において既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には、複製にも翻案にも当たらないことは、前記において説示したとおりであり、その理は、本件において仮にアイデアが積み重ねられていたとしても、同様である。
⑵ 原告は、原告各小説は非実在のものを描いた作品であるから、前記判例は当
てはまらない旨主張する。しかしながら、アイデアなど表現それ自体でない部分において既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には、複製にも翻案にも当たらないことは、前記において説示したとおりであり、前記判決は、非実在のものを描いた作品についても、その射程に含まれると解するのが相当である。
⑶ 原告はその他縷々主張するものの、その余の主張を改めて検討しても、原告
の主張は、創作的表現ではない部分の同一性をいうものに帰し、前記判例の趣旨に照らし、いずれも採用することができない。
4 小括
以上によれば、複製権又は翻案権侵害をいう
(原告の主張)
は、理由がない。そして、これを前提とした譲渡権侵害及び著作者人格権侵害(氏名表示権及び同一性保持権の侵害)の主張についても、いずれも理由がない。
第4 結論
5 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとお
り判決する。東京地方裁判所民事第40部裁判長裁判官中 島 基 至裁判官武 富 可 南裁判官小 橋 陽 一 郎別紙1「被告が出版した別紙3被告著作物目録記載の各書籍は、別紙2原告著作物目録記載の原告の各作品の記述を無断使用して作成したものでした。原告は「新人賞の公募に出しているような素人であり商業作家ではない」ものであり、被告は原告の作品について何らの契約等を締結していません。被告の行為により原告の著作権を侵害したことをお詫び申し上げます。」別紙2(原告著作物目録省略)別紙3(被告著作物目録省略)別表(省略)
| 特許裁判例 実用新案裁判例 |
| 意匠裁判例 商標裁判例 |
| 不正競争裁判例 著作権裁判例 |
| 特許判例 実用新案判例 |
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| 不正競争判例 著作権判例 |
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