知財判決速報/裁判例集知的財産に関する判決速報,判決データベース

ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和6(ワ)10874 不当利得返還等請求事件

この記事をはてなブックマークに追加

令和6(ワ)10874不当利得返還等請求事件

判決文PDF

▶ 最新の判決一覧に戻る

裁判所 大阪地方裁判所
裁判年月日 令和8年2月26日
事件種別 民事
当事者 原告株式会社エデュネット
被告株式会社フレックス
法令 著作権
民法704条1回
キーワード 損害賠償1回
実施1回
主文 1 被告会社は、原告に対し、46万2000円及びこれに対する令和4年3月3
2 原告の被告会社に対するその余の請求及び被告Aに対する請求をいずれも棄
3 訴訟費用は、原告と被告会社との間においては、原告に生じた費用の18分の
1を被告会社の負担とし、その余は各自の負担とし、原告と被告Aとの間におい
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
事件の概要 1 本判決で用いる呼称(略語) (1) 本件プログラム: 「中3統一模試テスト成績処理プログラム」と称するプロ グラム (2) 本件システム1:原告が「FOSシステム」と称している、通塾する生徒の 管理を目的とするシステム (3) 本件システム2:原告が「勤怠システム」と称している、タイムカード機能 を提供するシステム (4) 本件各システム:本件システム1と本件システム2の総称 (5) 本件BP契約:平成24年10月1日に、原告と被告会社間で締結された、 ビジネスパートナー契約と称する契約 (6) 甲7契約:原告と被告会社間において平成31年2月12日付けでされた、 本件プログラムを含む模試成績プログラムについての、著作権条件付き無償譲 渡契約と題する契約 (7) 本件開発条項:甲7契約において「条件」とされた、甲7契約による本件プ

▶ 前の判決 ▶ 次の判決 ▶ 著作権に関する裁判例

本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。

判決文

令和8年2月26日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和6年(ワ)第10874号 不当利得返還等請求事件
口頭弁論終結日 令和7年12月11日
判 決
原告 株式会社エデュネット
代表者代表取締役
訴訟代理人弁護士 中川龍也
10 被告 株式会社フレックス
(以下「被告会社」)
代表者代表取締役
被告
15 (以下「被告A」)
被告ら訴訟代理人弁護士 甚野貴史
主 文
1 被告会社は、原告に対し、46万2000円及びこれに対する令和4年3月3
日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
20 2 原告の被告会社に対するその余の請求及び被告Aに対する請求をいずれも棄
却する。
3 訴訟費用は、原告と被告会社との間においては、原告に生じた費用の18分の
1を被告会社の負担とし、その余は各自の負担とし、原告と被告Aとの間におい
ては、全部原告の負担とする。
25 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告らは、原告に対し、連帯して814万7663円及びこれに対する令和4年
3月3日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
5 1 本判決で用いる呼称(略語)
(1) 本件プログラム:「中3統一模試テスト成績処理プログラム」と称するプロ
グラム
(2) 本件システム1:原告が「FOSシステム」と称している、通塾する生徒の
管理を目的とするシステム
10 (3) 本件システム2:原告が「勤怠システム」と称している、タイムカード機能
を提供するシステム
(4) 本件各システム:本件システム1と本件システム2の総称
(5) 本件BP契約:平成24年10月1日に、原告と被告会社間で締結された、
ビジネスパートナー契約と称する契約
15 (6) 甲7契約:原告と被告会社間において平成31年2月12日付けでされた、
本件プログラムを含む模試成績プログラムについての、著作権条件付き無償譲
渡契約と題する契約
(7) 本件開発条項:甲7契約において「条件」とされた、甲7契約による本件プ
ログラムの譲渡後3か月以内に、被告会社において成績処理プログラムを開発
20 し、その後本件プログラムを使用しない旨の条項
(8) 甲9合意:原告と被告会社間において平成26年11月1日付けでされた
「インフラ、システムに関する覚書」でされた合意
(9) 甲13覚書:令和3年9月7日付けで原告と被告会社間で交わされた覚書
(10) :B
25 (11) :C
2 原告の請求
(1) 被告会社による本件プログラムの使用によって同被告が不当利得を得たと
する、原告の同被告に対する498万5163円の不当利得返還請求及びその
請求の日の後日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による利
息(民法704条)の支払請求
5 (2) 被告会社による本件各システムの使用によって同被告が不当利得を得たと
する、原告の同被告に対する316万2500円の不当利得返還請求及びその
請求の日の後日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による利
息(民法704条)の支払請求
(3) 上記(1)(2)が、被告フレックスの代表取締役としての任務懈怠であることを
10 前提とする、原告の被告Aに対する会社法429条1項に基づく(1)(2)の合計
額の損害賠償請求及びこれに対する請求の日の後日から支払済みまで民法所
定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払請求
3 前提事実
(1) 当事者(甲1、2)
15 原告と被告会社は、いずれも学習塾の経営等を目的とする株式会社である。
(2) 本件BP契約をめぐる事情(甲2ないし6、乙10、弁論の全趣旨)
ア 原告は、平成24年当時、複数の学習塾を運営していたところ、これら学
習塾には、クラス授業を行う「立志館進学教室」と、個別指導を行う「フレ
ックス」とが存在した。
20 イ 平成24年10月1日付けで被告会社が設立され、被告Aが代表取締役に
就任した。被告Aは、以後現在に至るまでその地位にある。
被告会社は、原告から、原告の個別指導事業を引き継いだ上、原告との間
で、原告を「本部」、被告会社を「加盟校」とする本件BP契約を締結した。
本件BP契約は、原告が被告会社に「フレックス」の名称を用いて営業す
25 る権利を付与し、運営ノウハウを提供し経営指導すること、被告会社が、原
告に、ロイヤリティや施設使用料を支払うことなどを内容とするものであっ
た。
ウ 本件BP契約は、一度更新された後、平成30年7月には、新たなビジネ
スパートナー契約(原告がノウハウ等を提供し、被告会社がロイヤリティ等
を支払うこととされている点においては、本件BP契約と共通する。)が原
5 告と被告会社間で締結されたが、被告会社は、令和2年8月、同契約の条項
に基づき、契約を解除する旨の意思表示をし、同契約は令和3年2月末をも
って終了した。
(3) 甲7契約(甲7)
平成31年2月12日、原告と被告会社は、原告が、被告会社に、本件プロ
10 グラムを含む3つのプログラムの著作権を、引渡日を同年3月31日として、
「条件付きで無償譲渡」する旨の合意をした。
当該条件の一つに、本件開発条項が含まれていた。
(4) 甲9合意(甲9)
平成26年11月1日付け甲9合意は、本件BP契約に基づく合意であり、
15 本件システムの使用につき、原告が被告会社に対し無償とすることなどを内容
としていた。
(5) 甲13覚書(甲13)
原告と、被告会社は、令和3年9月7日、甲9合意に関して、本件BP契約
が終了したことに伴い使用するシステム等の使用についての約束事を取り決
20 めた覚書を交わした。
(6) 原告の被告会社に対する請求(甲8)
原告は、令和4年2月16日、被告会社に対し、電子メールの送信により、
甲7契約の違反による違約金として、本訴請求(1)と同額の金銭の支払を、ま
た甲13覚書による違約金として、本訴請求(2)と同旨の支払(具体的な請求
25 額は後記の額とは一致しない。)をそれぞれ求めた。
4 争点
(1) 本件プログラムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか(争点1)
(2) 本件各システムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか(争点2)
(3) 被告Aが、会社法429条1項に基づく責任を負うか(争点3)
第3 争点に関する当事者の主張
5 1 争点1(本件プログラムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか)につ
いて
【原告の主張】
(1) 甲7契約による本件プログラムの贈与は負担付であったこと
甲7契約は、本件開発条項を含む「負担付贈与契約」である。これは、原告
10 が開発し権利を有する本件プログラムが、模試を実施する大阪進研から提供さ
れるデータを十分に帳票(個人成績表・甲17)に表示させることができず、
加盟校から改善を求められていたことから、本件プログラムを被告会社におい
て使用させるとともに(加盟校からの成績処理を担当することにより収益を上
げることができる。)、上記の点を改善した新たな成績処理プログラムを開発す
15 るように求めたものである。
(2) 被告会社の本件開発条項に係る債務の不履行
被告会社は、本件開発条項に反し、新たな成績処理プログラムを開発せず、
本件プログラムの使用を継続して被告会社及び他の加盟校等の顧客の成績処
理を行った。
20 (3) 原告による甲7契約の解除
原告は、令和4年2月16日の電子メールの送信(前提事実掲記)又は令和
6年6月25日に被告会社代理人に到達した同月24日付け原告準備書面に
より、甲7契約を解除する旨の意思表示をした。
これにより、甲7契約の効力は遡及的に消滅した。
25 (4) 被告に生じた利得
被告会社は、令和元年5月13日から令和3年10月末日まで本件プログラ
ムの使用を続け、単価950円で4786件の成績を処理し、不当な利得を得
た。
上記単価に処理件数を乗じ、消費税相当額(税率8パーセント当時のものが
853件、税率10パーセント当時のものが3933件)を加えた498万5
5 163円が、被告会社の利得額となる。
【被告会社の主張】
(1) 被告会社は、被告会社が開発した個人成績表を使用していたこと
原告が使用していた帳票(個人成績表)のひな形は、乙4号証の3に示され
るものであり、甲17号証に係る帳票は、大阪進研から提供されるデータを表
10 示できるように被告会社が作成したものである。
したがって、原告の主張は、前提に誤りがある。
(2) 被告会社の利得は法律上の原因があること
被告会社は、他社からの依頼に基づいて自社のシステムで採点処理をしてい
るにすぎないのであって、契約に基づき採点の対価を得ることは当然である。
15 採点とプログラムの利用は関係がない。
2 争点2(本件各システムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか)につ
いて
【原告の主張】
(1) 被告会社による本件各システムの利用
20 本件各システムは、原告の関連子会社が開発し、原告がその権利を承継した
ものである。
被告会社は、前提事実記載のとおり本件BP契約が終了し、その使用権原を
失った後も、令和3年3月1日から、本件システム1を少なくとも令和4年8
月末まで、本件システム2を令和3年9月30日まで、使用し続けた。
25 (2) 不当利得額
本件システム1の1か月当たりの使用料は15万円であり、被告会社は、1
8か月間分の使用料に10パーセントの消費税を加算した297万円の不当
利得を得た。
本件システム2の1か月当たりの使用料は2万5000円であり、被告会社
は、7か月分の使用料に10パーセントの消費税を加算した19万2500円
5 の不当利得を得た。
よって、被告会社は、上記合計316万2500円を原告に返還すべき義務
を負う。
【被告会社の主張】
本件各システムは、株式会社ジェーピーマップがそもそも権利を有しており、
10 原告はこれを賃借しているにすぎない。
また、被告会社は、原告から個別指導事業の承継を受けたのち、9年間で2億
5000万円の対価を支払ってきたものであり、被告会社に権利が移転している。
さらに、本件各システムは被告従業員(C)により変更されており、原告主張
のものと同一性を失っている。
15 以上のとおり、本件各システムにつき原告は権利を有さず、被告会社には、原
告に対し返還すべき利得はない。
3 争点3(被告Aが、会社法429条1項に基づく責任を負うか)について
【原告の主張】
被告Aは、被告会社の代表取締役であるところ、上記のとおり、被告会社が、
20 本件プログラムや本件各システムを権原なく使用したことは、取締役としての任
務懈怠にあたり、かつ悪意ないし重過失がある。
原告は、被告Aのこの行為により、上記不当利得合計額相当の損害を被った。
よって、被告Aは、同損害を賠償する責任がある。
【被告Aの主張】
25 否認し、争う。
第4 判断
1 認定事実
後掲各証拠(枝番のあるものは枝番を含む。)及び弁論の全趣旨によると、次の
事実を認めることができる。
(1) 本件各システム
5 本件各システムは、もとは原告の関連会社である株式会社ジェーピーマップ
において、Cが中心となって開発されたものであった(乙8、弁論の全趣旨)。
(2) 甲7契約
原告と、被告会社は、平成31年2月12日、甲7契約を交わした(甲7)。
また、原告と、被告会社は、同日「模試成績処理プログラム著作権無償譲渡
10 契約書」を交わした(甲21)。これは、原告が、被告会社に対し、小学生を対
象とする「到達度テスト成績処理プログラム」と中学生を対象とする「習熟確
認テスト成績処理プログラム」につき、無償で譲渡することを内容としていた。
この後、被告会社は、原告の他の加盟校からの成績処理作業を有償で処理す
ることとなった(乙11)。
15 (3) 仮処分事件(甲20)
京都地方裁判所は、令和3年3月22日、本件BP契約上の競業避止義務違
反をいう原告の申立てに基づき、被告ら及びBに対し、要旨、学習塾の運営を
目的とする事業をしてはならない旨を命ずる仮処分命令を発した。
(4) 甲13覚書
20 原告と被告会社は、令和3年9月7日、当時被告会社においてシステム等を
担当していたCを立ち会わせ、サーバーを再稼働させた上、甲13覚書を交わ
した。
甲13覚書においては、本件システム1に関し、原告の所有であって被告会
社に本件BP契約を前提に無償貸与していることが確認され、同日のサーバー
25 再稼働以降、被告会社は原告の書面による許可がない限りは使用してはならな
いとされる一方、被告会社が、本件BP契約終了後の令和3年3月1日以降も、
本件システム1を使用しており、今後、本件システム1を引き続き使用する場
合は、これまで不当に使用したことに対する違約金を含め、別途協議すること
とされていた。
また、本件各システム以外のシステム(非常勤管理システム)については、
5 被告会社は本件BP契約の終了後も使用していたことを認め、違約金7万70
00円(1か月当たり1万1000円として7か月分)を原告に支払うことと
された。
本件システム2については、甲13覚書上、原告の所有であって被告会社に
BP契約を前提に無償貸与していると確認されたが、同覚書締結の前後の使用
10 等については特段言及されなかった。
(5) 違約金の支払
被告会社は、令和3年9月13日、原告に対し、甲13覚書に基づく違約金
7万7000円を支払った。
2 争点1(本件プログラムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか)につ
15 いて
(1) 原告は、甲7契約には、本件開発条項が含まれていたところ、被告会社はこ
の履行を怠ったから、甲7契約を解除でき、かつその効果は遡及し、被告会社
は原告主張の期間、本件プログラムを不当に使用したことになると主張する。
(2) 前提事実及び前記認定によると、甲7契約は、原告の加盟校が利用する他社
20 (大阪進研)の模試等の成績処理を、被告が行うようにするとともに、その当
時利用していた本件プログラムに関する権利を被告に無償で移転させること
を内容とするものと考えられる。
もっとも、甲7契約の当時における本件プログラムの具体的内容は何ら特定
されていないうえ、甲7契約によって何が原告から被告会社に引き渡されたか
25 も不明である。本件プログラムの機能の一つとされる、他社の模試の成績帳票
の出力に関して、その帳票とされるもの(甲17、18、23、乙4)につき、
どの時期に誰がどのように使用、改良等していたのかも客観的に特定困難であ
る。
また、本件開発条項は、甲7契約後3か月以内に被告会社において新プログ
ラムを開発し、以後本件プログラムを使用しないことを定めるものであるが、
5 当該新プログラムが、前掲の帳票の改善が課題であったことはうかがわれるも
のの、具体的に(本件プログラムと異なる)どのような仕様、機能を備えたも
のを想定していたのかも不明である。
(3) そうすると、甲7契約は、その当時使用されていた本件プログラムを被告会
社において無償で使用し得るようにするとともに、本件開発条項をもって、
(具
10 体的内容は明らかでないものの)その当時の本件プログラムの課題を解決する
ことを約したものととらえるのが相当である。
そして、本件において、原告が甲7契約の解除の意思表示をするまでに、被
告会社にそのような趣旨での本件開発条項の不履行があったと認めるに足り
る証拠はなく、また、原告主張の期間において、具体的に被告会社でどのよう
15 な成績処理に係るプログラムが利用されていたのかも明らかでない。
したがって、甲7契約の解除は、その要件を欠くものである上、被告会社が
原告主張の本件プログラムを原告主張の期間において利用したともいえない。
(4) 以上によると、被告会社における本件プログラムの利用により不当利得が生
じたとする原告の主張は、理由がない。
20 3 争点2(本件各システムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか)につ
いて
(1) 前記認定によると、被告会社は、甲13覚書の締結時点において、少なくと
も、令和3年3月1日から、同年9月頃まで、本件システム1を使用していた
ことが認められる一方で、甲13覚書の締結後は、本件システム1を引き続き
25 使用する場合には別途必要とされる原告の書面による許可や使用料の協議等
はされておらず、これ以降の被告会社による使用を認めるに足りる的確な客観
的証拠もない。
また、甲13覚書においては、被告会社の本件システム2の使用について、
本件システム1とは異なり、何らの言及がないことからすると、原告としても、
被告会社に、本件BP契約終了後の本件システム2の使用を認めさせるだけの
5 根拠を有しておらず、被告会社も、それらの使用を前提とした対応はしなかっ
たことが認められ、またこれ以降、被告会社が本件システム2を使用したこと
を認めるに足りる的確な証拠もないことは本件システム1と同様である。
(2) これからすると、原告の主張は、被告会社が、令和3年3月1日から同年9
月頃までの7か月間、本件システム1を利用したことにより、同被告が甲13
10 覚書締結の時点において想定された使用料相当の不当利得を得たとの限度で
理由があり、その余は理由がない。そして、上記趣旨での使用料相当の不当利
得は、証拠(甲10)によると、本件システム1の利用料が、被告会社が甲1
3覚書に基づき使用料を支払った非常勤管理システムの6倍と定められてい
ることから、1か月当たり6万6000円と認めるのが相当である。
15 したがって、被告会社は、原告に、不当利得として46万2000円を返還
する義務を負う。また、原告の請求(甲8)により、原告が利息を付す起算日
とした令和4年3月3日において、被告会社が、上記不当利得につき悪意であ
ったと認められる。
(3) 被告会社は、原告が本件システムについての権利を争い、またこれが自己に
20 帰属するかのような主張をするが、前記認定に照らし、いずれも採用すること
ができず、前記判断を左右しない。
4 争点3(被告Aが、会社法429条1項に基づく責任を負うか)について
上記のとおり、被告会社は、本件システム1を権限なく利用したことにより、
原告に対し一定の不当利得返還義務を負うが、前記認定のほか、本件証拠及び弁
25 論の全趣旨からうかがわれる当該使用の状況も考慮すると、このような事態の発
生が、直ちに被告Aの取締役としての任務懈怠によるものということはできない
し、これにつき悪意重過失があったとも認められない。
争点3についての原告の主張は、失当である。
5 結論
以上によると、原告の被告会社に対する請求は、主文掲記の限度で理由があり、
5 その余の請求及び被告Aに対する請求は、いずれも理由がない。
大阪地方裁判所第26民事部

裁判長裁判官
松 阿 彌 隆
裁判官
島 田 美 喜 子
20 裁判官西尾太一は、差支えのため署名押印することができない。

裁判長裁判官
25 松 阿 彌 隆

最新の判決一覧に戻る

法域

特許裁判例 実用新案裁判例
意匠裁判例 商標裁判例
不正競争裁判例 著作権裁判例

最高裁判例

特許判例 実用新案判例
意匠判例 商標判例
不正競争判例 著作権判例

来週の知財セミナー (4月6日~4月12日)

特許事務所紹介 IP Force 特許事務所紹介

弁理士法人いしい特許事務所

〒541-0046 大阪市中央区平野町2丁目2番9号 ビル皿井2階 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

康信国際特許事務所(北京康信知識産権代理有限責任公司)

Floor 16, Tower A, InDo Building, A48 Zhichun Road, Haidian District, Beijing 100098, P.R. China 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

共栄国際特許商標事務所

〒543-0014 大阪市天王寺区玉造元町2番32-1301 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング