令和7(ワ)70563商標権侵害行為差止等請求事件
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| 裁判所 |
一部認容 東京地方裁判所
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| 裁判年月日 |
令和8年4月24日 |
| 事件種別 |
民事 |
| 当事者 |
原告株式会社マーナ 被告株式会社グフォーロ
Aⅰ
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| 法令 |
商標権
商標法2条3項8号2回 意匠法37条1項1回 不正競争防止法5条1項1回 不正競争防止法2条1項21号1回 不正競争防止法2条1項1号1回
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| キーワード |
意匠権13回 商標権13回 侵害13回 差止8回 特許権7回 損害賠償2回 実施1回
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| 主文 |
1 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品を販売し、販売のために展示し、又
2 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品を廃棄せよ。
3 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品の販売に当たり、別紙広告媒体目録
1記載の広告媒体その他のウェブサイト、チラシ、掲示物等の広告に、別紙被
4 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品の販売のため、別紙広告媒体目録1
5 被告らは、別紙広告媒体目録1⑴記載の掲示物を廃棄せよ。
6 被告らは、原告に対し、連帯して、200万円及びこれに対する令和8年1
7 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
8 訴訟費用は被告らの負担とする。
9 この判決は、第6項に限り、仮に執行することができる。 |
| 事件の概要 |
別紙請求原因記載のとおり。なお、本件訴状送達日は、令和8年1月27日
である。 |
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判決文
令和8年4月24日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和7年(ワ)第70563号 商標権侵害行為差止等請求事件
口頭弁論終結日 令和8年2月25日
判 決
原 告 株 式 会 社 マ ー ナ
同訴訟代理人弁護士 藤 本 英 介
10 被 告 株 式 会社 グ フ ォ ー ロ
(以下「被告会社」という。)
被 告 Aⅰ
15 (以下「被告個人」という。)
主 文
1 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品を販売し、販売のために展示し、又
は所持してはならない。
2 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品を廃棄せよ。
20 3 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品の販売に当たり、別紙広告媒体目録
1記載の広告媒体その他のウェブサイト、チラシ、掲示物等の広告に、別紙被
告標章目録の標章を使用してはならない。
4 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品の販売のため、別紙広告媒体目録1
⑴記載の掲示物を所持してはならない
25 5 被告らは、別紙広告媒体目録1⑴記載の掲示物を廃棄せよ。
6 被告らは、原告に対し、連帯して、200万円及びこれに対する令和8年1
月28日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
7 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
8 訴訟費用は被告らの負担とする。
9 この判決は、第6項に限り、仮に執行することができる。
5 事 実 及 び 理 由
第1 請求
1 主文1項ないし6項と同旨
2 被告らは、別紙被告商品目録記載の商品の販売に当たり、別紙広告媒体目録
2記載の広告媒体その他のウェブサイト、チラシ、掲示物等の広告及び別紙被
10 告商品目録記載の商品の包装に「特許取得済」と表示してはならない。
第2 請求原因
別紙請求原因記載のとおり。なお、本件訴状送達日は、令和8年1月27日
である。
第3 当裁判所の判断
15 1 被告らは、いずれも適式の呼出しを受けながら、本件口頭弁論期日に出頭せ
ず、答弁書その他の準備書面も提出しないから、請求原因事実を争うことを明
らかにしないものと認め、これを自白したものとみなす。
2 商標権侵害について
⑴ 商標の類否判断の基準
20 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用さ
れた場合に、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否
かによって決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用さ
れた商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、
記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品又は役
25 務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判
断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月
27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
⑵ 原告商標について
原告商標は、別紙原告商標権目録のとおりである。
⑶ 被告標章について
5 被告標章は、別紙被告標章目録のとおり標準的な文字で記載された「シュ
パットタイプ」との標章である。
⑷ 原告商標と被告標章の比較
ア 外観
原告商標と被告標章は、その外観において「シュパット」との標準的な
10 文字が共通し、「タイプ」との記載で相違するところ、「タイプ」との記
載は型を示す用語であり、特段の意味を有しないものであることからする
と、外観において類似すると認められる。
イ 称呼
原告商標の称呼は「シュパット」であり、被告商標の称呼は「シュパッ
15 トタイプ」であるから、両者は「タイプ」との音の有無で相違する。しか
し、両者は、語頭における称呼を共通とするものであり、かつ、上記アの
とおり、「タイプ」との記載は特段の意味を有しないことからすると、両
者の称呼の共通性は、識別上、重要であると認められるから、称呼におい
ても類似すると認められる。
20 ウ 観念
原告商標及び被告標章は、いずれも一種の造語であり、特定の観念を生
じない。
エ 上記アないしウからすると、被告標章は、原告商標と外観及び称呼が類
似し、特定の観念が生じないものであり、これに接した需要者は、原告商
25 標と出所を誤認混同するおそれがあると認められる。
したがって、被告標章は、原告商標と類似する。
⑸ そして、自白したものとみなされる別紙請求原因4⑶のとおり、被告らは、
被告標章を別紙広告媒体目録1⑴の各媒体に付し、また、同目録1⑵のYo
utubeでの広告に付していると認められることからすれば、このような
被告らの行為は原告商標権を侵害するものと認められる。
5 3 不正競争行為(商品等表示)について
⑴ 商品等表示該当性
ア 商品の形態は、本来的には、商品の技術的な機能及び効用の発揮や美観
の向上等の見地から選択されるものであり、商品の出所を表示する目的を
有するものではないが、特定の商品の形態が、他の同種の商品と識別し得
10 る独自の特徴を有し、かつ、その形態が長期間継続的・独占的に使用され、
又は短期間でも効果的な宣伝広告等がされた結果、特定の営業主体の商品
であることの出所を示す出所識別機能を獲得するとともに、需要者の間に
広く認識されることにより、商品の形態自体が特定の出所を表示する二次
的意味を有するに至る場合がある。そして、このような商品の形態は、不
15 正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号によって保護され
る他人の周知な商品等表示に該当するものと解される。そうすると、商品
の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し、同号所定の「商品
等表示」に該当するためには、①商品の形態が客観的に他の同種商品とは
異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性)、かつ、②需要者において
20 その形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知に
なっていること(周知性)を要するものと解すべきである。
イ 原告商品の形態は、自白したものとみなされる別紙請求原因5⑴のとお
りであるところ、原告商品の販売開始時において、これらの特徴を有する
同種商品が存在していたとは認められず、他の同種商品とは異なる顕著な
25 特徴、すなわち特別顕著性を有するものであったと認められる。
そして、自白したものとみなされる別紙請求原因5⑶のとおり、原告は、
原告商品の販売開始以降、広告宣伝を行い、その結果、多数の雑誌や新聞、
テレビ番組において紹介されただけでなく、デザインに関する複数の賞を
受賞していたなどの事情に照らすと、原告商品の形態は、遅くとも被告商
品の販売開始時期である令和3年12月21日頃より前の時点で周知とな
5 っており、本件口頭弁論終結時(令和8年2月25日)においても、周知
性を有していたものと認められる。
⑵ 被告商品の形態との類否
ア ある商品等表示が不競法2条1項1号の「類似」に該当するか否かは、
取引の実情の下において、取引者又は需要者が、両表示の外観、称呼又は
10 観念に基づく印象、記憶、連想等から両者を全体的に類似のものと受け取
るおそれがあるか否かを基準に判断するのが相当である(最高裁昭和57
年(オ)第658号同58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号
1082頁、最高裁昭和56年(オ)第1166号同59年5月29日第
三小法廷判決・民集38巻7号920頁参照)。
15 イ 被告商品形態は、自白したものとみなされる別紙請求原因5⑸のとおり
であり、原告商品形態と類似する。
⑶ そして、自白したものとみなされる別紙請求原因5⑺のとおり、被告らは、
被告商品を販売し、販売のために展示し、継続的にインターネットで提示し
ており、被告商品をみた需要者において、被告商品の出所が原告商品と同一
20 である、あるいはその営業につき主体が同一であると混同を生じるおそれが
あると認められる。
4 不正競争行為(信用毀損行為)について
自白したものとみなされる別紙請求原因6のとおり、被告らは、原告商品と
類似する被告商品を販売する際、被告標章を使用するとともに、被告らのいず
25 れも保有していない特許に係る特許登録番号を被告商品のパッケージに付すと
ともに、Youtubeでの広告にも特許取得の事実を記載している。
このような被告らの表示は、被告商品が被告らの特許発明に係る実施品であ
るといった虚偽の事実を示すものであるとはいえるものの、当該表示は、事実
に基づかずに被告商品の価値を高める性質のものとはなり得ても、そのことか
ら直ちに原告商品の客観的価値を低下させるような性質のものということはで
5 きないから、当該表示をもって被告と競争関係にある原告の営業上の信用を害
する虚偽の事実を告知又は流布するものであると認めることはできない。
5 独占禁止法違反について
⑴ ぎまん的顧客誘引について
自白したものとみなされる別紙請求原因6のとおり、被告らは、原告商品
10 と類似する被告商品を販売する際、被告標章を使用するとともに、被告らの
いずれも保有していない特許に係る特許登録番号を被告商品のパッケージに
付すとともに、Youtubeでの広告にも特許取得の事実を記載している
ところ、このような表示は、実際の製品よりも被告製品が著しく優良又は有
利であると誤認されるものであるといえるため、ぎまん的顧客誘引に該当す
15 ると認められる。
⑵ 差止の可否について
自白したものとみなされる別紙請求原因7⑵のとおり、被告らによる被告
製品の販売等は原告商品の展示販売場所に近接した場所で行われているもの
であり、その際、自白したものとみなされる別紙請求原因6のとおり、原告
20 商品の価格を例示し、被告商品の価格の比較優位を強調して需要者に訴えか
ける上記⑴のぎまん的顧客誘引が行われており、また、自白したものとみな
される別紙請求原因8によれば、被告商品は累計譲渡数3万個を下らない数
が販売され、相当する原告商品の販売価格は1個2900円、利益率が7
5%を下らないことが認められるから、このような事情を考慮すると、上記
25 ⑴のぎまん的顧客誘引行為により原告には相応の損害が発生したと推認する
ことができる。
もっとも、自白したものとみなされる別紙請求原因5⑶イのとおり、原告
は、令和2年8月頃までには、累計販売数で700万個を突破する数の原告
商品を販売しており、被告会社が設立される直前である令和3年にはその数
が1000万個を突破しているというのであるから、被告による被告商品の
5 販売が行われ、かつ、その累計譲渡数が3万個を下らないとしても、原告に
おいてなお相当多数の原告商品を販売していることもまた推認することがで
きるのであって、このような事情をも併せ考慮すれば、原告に著しい損害を
生じ、又はそのおそれがあるとまでは認められないし、その他本件各証拠を
踏まえても、原告に著しい損害を生じ、又はそのおそれがあると認めるべき
10 事情は見当たらない。
6 損害について
自白したものとみなされる別紙請求原因8のとおり、被告商品の累計譲渡数
は3万個を下らず、原告商品の限界利益が2175円を下らないことからする
と、不正競争防止法5条1項によって推定される損害額は、6525万円を下
15 らないと認められる。
そうすると、その余の損害について判断するまでもなく、原告の請求する損
害額である200万円は相当因果関係のある損害として認められる。
第4 結論
よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は主文掲記の
20 限度で理由があるからこれを認容し、その余の請求は理由がないから棄却する
こととして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官
澁 谷 勝 海
5 裁判官
塚 田 久 美 子
10 裁判官
浅 川 浩 輝
別紙
被告商品目録
商品名を「ZI!PA!」とする手提袋
(伸ばした状態の写真)
(荷物を入れる状態の写真)
(丸めた状態の写真)
以上
別紙
広告媒体目録
1⑴ 別紙被告商品目録記載の商品の販売場所に掲示するPOP
5 ⑵ YoutubeのBⅰ名義のアカウント
2⑴ 別紙被告商品目録記載の商品のパッケージ
⑵ YoutubeのBⅰ名義のアカウント
以上
別紙
被告標章目録
シュパットタイプ
別紙
請求原因
1 当事者
⑴ 原告は、家庭日用品、家庭雑貨等を製造販売等する株式会社である。
5 ⑵ 被告会社は、雑貨品の販売等をする令和3年12月21日設立の株式会社で
ある。
⑶ 被告個人は、被告会社の代表取締役である。
2 被告らについて
被告会社は、現実の本店所在地、営業所を持たず、被告個人を唯一の取締役・
10 代表取締役とする、設立後登記を全く更改していない会社であって、形式的に存
在するだけで、ほぼ実体のない形骸化した会社である。
被告会社の意思決定は、唯一の取締役・代表取締役である被告個人の意思によ
って決まり、被告個人の行動も、社会的には被告会社の意思決定によって規制さ
れる。被告個人と被告会社は、相互に支配・管理する関係にある。
15 被告らの請求原因に係る行為は、社会経済的には連続した一体の行為であって
も、行為を分断して形式的にみれば、被告会社の行為であったり、被告個人の行
為であったり、入り乱れている。被告らの請求原因に係る行為を、一体として、
被告らの共同行為とみることが必要である。
少なくとも、形式的には行為の主体ではない被告に対しても侵害の「おそれが
20 ある」ことを状況から認定して、差止などを認めるべきである。
3 意匠権侵害
⑴ 原告の意匠権
原告は、手提袋に関し別紙原告意匠権目録記載の登録意匠(以下「原告意匠」
という。)に係る意匠権(以下「原告意匠権」という。)を有している。
25 原告意匠権に係る意匠(原告意匠)の要部は、
①広げた状態(手提袋に展開した状態を示す参考図)で袋の正面から見たとき
に、端部を絞った、復元力のある持続的な折目がついたアコーディオン状で
あり、
②アコーディオン状の部分を畳んだ状態で袋の平面を見たときには、袋は、左
右に長い帯状の状態(正面図、背面図、左側面図、平面図)で、
5 ③上記②の帯状の状態においては、左右に長い帯状の袋の上下方向中央にほぼ
左右全域にわたって上下方向に開け広げる開口部があり、
④上記②の帯状の状態においては、その左右いずれかの端部に任意の形状の留
具があることがあり、
⑤買物商品等を入れる際には上記③の開口部を上下に開け広げ、開口部の両脇
10 に縫いつけられて袋内部から引き出して伸ばすものではない持ち手を使って
エコバッグ等として使用でき、
⑥広げた状態での使用後は上記①の端部を左右に強く引張るだけで、上記①の
復元力により容易に手際よく袋を上記②の帯状の状態にすることができ、
⑦帯状の状態から、容易に畳んだり、丸めて円筒状に小型化したりして丸めた
15 状態(収納状態を示す参考図)にして容易に携帯でき、
⑧上記④の留具を用いれば、上記⑦のように円筒状に小型化した丸めた状態を
維持できる、
⑨手提袋
である。原告意匠は部分意匠(上記④以外の部分が意匠権の対象となっている)
20 である。また、広げた状態(手提袋に展開した状態を示す参考図)、帯状の状
態(正面図、背面図、左側面図、平面図)、丸めた状態(収納状態を示す参考
図)と「形状等が変化するもの」に関する意匠である。
⑵ 被告らは、被告商品を、東京交通会館(住所は省略)の催事場において、被
告会社設立日である令和3年12月21日頃より、定期的に、販売し、販売の
25 ために展示している。また、被告商品の販売のための所持(意匠法38条3号)
は、東京交通会館近隣の被告個人の住所地で行われていると推定される。被告
商品の販売と、販売のための所持が、異なる主体によって行われた場合には、
両者間で「譲渡」が行われたことになる。
⑶ 被告商品と原告意匠権の同一性・類似性
ア 原告意匠権と被告商品の意匠の対比
5 原告意匠権の要部は上記⑴のとおりである。
被告商品の意匠は、
①広げた状態で袋の正面から見たときに、端部を絞った、復元力のある持続
的な折目がついたアコーディオン状であり、
②アコーディオン状の部分を畳んだ状態で袋の平面を見たときには、袋は、
10 左右に長い帯状の状態で、
③上記②の帯状の状態においては、その上下方向中央に左右全域にわたって
上下方向に開け広げる開口部があり、開口部はファスナーにより開閉でき
るようになっており、
④上記②の帯状の状態においては、その左端部(見る方向によっては右端部)
15 に伸縮性ある素材による輪状の留具があり、
⑤買物商品等を入れる際には上記③の開口部を上下に開け広げ、開口部の両
脇に備えられた持ち手を使ってエコバッグ等として使用でき、
⑥使用後は上記①の端部を左右に強く引張るだけで、上記①の復元力により
容易に手際よく袋を上記②の帯状の状態にすることができ、
20 ⑦帯状の状態から、容易に畳んだり、丸めて円筒状に小型化したりして容易
に携帯でき、
⑧上記④の留具を用いて上記⑦のように円筒状に小型化した状態を維持でき
る、
⑨手提袋
25 である。
原告意匠は、広げた状態(手提袋に展開した状態を示す参考図)、帯状の
状態(正面図、背面図、左側面図、平面図)、丸めた状態(収納状態を示す
参考図)と「形状等が変化するもの」であるが、被告商品の意匠も、別紙被
告商品目録の写真に示すように、広げた状態、帯状の状態、丸めた状態に、
形状等が変化するものである。
5 イ 上記③のとおり被告商品には開口部にファスナーがあり、原告意匠には開
口部のファスナーはない。
しかし、開口部のファスナーの有無は、全体としての美観に影響を与えな
いもので、単なる付加であり、被告商品の意匠が原告意匠の要部に該当する
ことに影響しない。
10 また、開口部が原告意匠の正面図等では一部曲線となっているが、被告商
品では直線となっている。
しかし、開口部の一部曲線であることは、使用時に中身が見えたり出たり
してしまうことを防ぐ機能を実現するためのものであって、「形状等が変化
する」ことに重点をおいた原告意匠全体としての美観に影響を与えないので
15 原告意匠の要部ではない。
よって、被告商品で開口部が直線となっていることは、原告意匠の要部該
当性に影響を与えない。
ウ 上記④のとおり被告商品の意匠には帯状の状態での左端部に伸縮性ある素
材による輪状の留具があるが、原告意匠は、このような留具を部分意匠の対
20 象外としている。被告商品の意匠に、伸縮性ある素材による輪状の留具があ
ることは、原告意匠の要部該当性に影響を与えない。
エ 上記⑤に関し、被告商品の持ち手には、原告意匠にはない、緩み調製パー
ツが付加されている。しかし、被告商品の持ち手に緩み調製パーツが付され
ていることは、原告意匠全体としての美観に影響を与えないので、原告意匠
25 の要部該当性に影響を与えない。
オ 被告商品と原告意匠は、全体として美観を共通にする。
カ よって、被告商品は、原告意匠と同一又は類似するものである。
⑷ 以上によれば、被告らによる原告意匠権の侵害が認められる。
また、仮に、被告個人が被告商品を「販売のために所持」し、被告会社が被
告商品を「販売」していたと認定されるとしても、被告個人は、被告商品を、
5 被告会社に「譲渡」していたことになるのであるから侵害行為を行うおそれが
ある。
また、少なくとも、被告個人は、被告会社の唯一の取締役、代表取締役であ
り、被告会社の上記行為に関して職務を行うにつき故意又は重大な過失がある
ので、会社法429条により被告会社の上記行為により原告に生じた損害につ
10 いて賠償する責任がある。
4 商標権侵害
⑴ 原告の商標権
原告は、別紙原告商標権目録記載の登録商標(以下「原告商標」という。)
に係る商標権(以下「原告商標権」という。)を有している。
15 ⑵ 被告商品は、手提袋、特に、携帯用買い物用手さげ袋であり、原告商標権の
指定商品に含まれ、少なくとも類似するものである。
被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)は「シュパットタイ
プ」であり、原告商標は「シュパット」である。
取引者、需要者には、被告標章の「シュパットタイプ」のうち、「シュパッ
20 ト」を顕著なものとして認識するか、または、「タイプ」の意味するところを
理解できないか、若しくは、深く考えないままに、被告商品の出所を示すもの
と理解するものも少なくない。
したがって、被告標章は原告商標に類似する。
よって、被告標章の使用行為は、原告商標の商標的使用に該当し、原告商標
25 を侵害する行為である。
⑶ 使用行為
ア 被告会社は、上記被告商品の販売に際して、催事場などの被告商品を販売、
展示する場所に、被告標章を別紙広告媒体目録1⑴記載のPOPに付して展
示している。
これは、商標法2条3項8号前段の「商品・・に関する広告・・に標章を
5 付して展示」することに該当する商標使用行為である。
イ 「シュパットタイプ」との記載がある別紙広告媒体目録1⑴記載のPOP
には、「使用方法はWebで」との記載があり、別紙広告媒体目録1⑵記載
の被告個人のYoutubeアカウントにおける動画にリンクするQRコー
ドが掲載されている。
10 被告会社又は被告個人が、上記Webアカウントに、「シュパットタイプ」
を表示させていることからすると、被告らは、商標法2条3項8号後段の
「広告・・を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」
による使用が行われるおそれがある。
ウ POP等の掲示物の所持については、被告会社が、営業所などを有さない
15 こと、被告個人の住所が、被告商品の販売展示の現場に近いことなどから、
形式的には被告個人が主体となる。そして、販売の主体は形式的には被告会
社となる。
⑷ 以上のように、「広告に付して展示」の使用は、形式的には被告会社の行為
と推定され、「電磁的方法による提供」、「POP等の掲示物の所持」は、形
20 式的には被告個人の行為と推定される。しかし、上記2のとおり、これらの行
為は、被告らの共同行為とみるべきである。
仮に、上記商標権侵害の主体が被告らの一方のみとしか認めらないのであれ
ば、被告らの他の一方も、商標権侵害の「おそれがある」ので、被告らの他の
一方にも差止が認められる。
25 また、少なくとも、被告個人は、被告会社の唯一の取締役、代表取締役であ
り、被告会社の上記行為に関して職務を行うにつき故意又は重大な過失がある
ので、会社法429条により被告会社の上記行為により原告に生じた損害につ
いて賠償する責任がある。
5 不正競争行為(商品等表示)
⑴ 原告商品の形態
5 原告は、別紙原告商品目録記載の商品(以下「原告商品」という。)を販売
しているところ、原告商品の形態は、「広げた状態」「帯状の状態」「丸めた
状態」に一瞬一気に推移変化することを含む、次の特徴を備えた形態である。
①広げた状態で袋の正面から見たときに、端部を絞った、復元力のある持続的
な折目がついたアコーディオン状であり、
10 ②アコーディオン状の部分を畳んだ状態で袋の平面を見たときには、袋は、左
右に長い帯状の状態で、
③上記②の帯状の状態で左右に長い帯状の袋の上下方向中央にほぼ左右全域に
わたって上下方向に開け広げる開口部があり、
④上記②の帯状の状態においては、その左右いずれかの端部に任意の形状の留
15 具があることがあり、
⑤買物商品等を入れる際には上記③の開口部を上下に開け広げて広げた状態に
し、開口部の両脇に設けられた持ち手を使ってエコバッグ等として使用でき、
⑥使用後は上記①の端部を左右に強く引っ張るだけで、上記①の復元力により
容易に手際よく袋を上記②の帯状の状態にすることができ、
20 ⑦帯状の状態から、容易に畳んだり、丸めて円筒状に小型化したりして丸めた
状態にして、容易に携帯でき、
⑧上記④の留具を用いれば、上記⑦のように円筒状に小型化した丸めた状態を
維持できる、
⑨手提袋
25 以下、上記①~⑨の特徴を有する形態を「原告商品形態」といい、「広げた
状態」「帯状の状態」「丸めた状態」の推移変化を「商品三状態推移」という。
原告商品形態には商品三状態推移が含まれている。商品三状態推移は、一瞬一
気に行うことができる。
⑵ 特別顕著性
ア 原告は、商品展示に際し、需要者等が商品三状態推移含む原告商品形態、
5 及び商品三状態推移が一瞬一気にできること等を視覚的、触覚的、体感的に
認識しうる態様で原告商品を販売する、原告商品のパッケージに商品三状態
推移を含む原告商品形態、及び商品三状態推移が一瞬一気にできること等を
需要者等が視認できるように表示する、原告商品陳列販売場所で、商品三状
態推移を含む原告商品形態、及び商品三状態推移が一瞬一気にできること等
10 を示す動画をディスプレイで表示する、インターネットで商品三状態推移を
含む原告商品形態、及び商品三状態推移が一瞬一気にできること等を表示す
るなど、商品三状態推移を含む原告商品形態を商品の表示として用いている。
このようにして、一瞬一気にできる商品三状態推移を含む原告商品形態は、
全国の取引者及び需要者に、原告商品を識別させる特別顕著性のある形態と
15 して認識されるようになっている。
イ 折りたたんで携帯できるバッグには多様なものがあるが、原告商品形態は、
折りたたんで携帯し使用時に、「シュパット」という言葉で表現できる独自
の快感をもって、一気に広げ、使用終了時に一気にたたんで携帯できるとい
う顧客吸引力のある独自の特徴を有するものである。
20 日経トレンディ令和2年12月号に「両端をつまんでシュパッと引っ張れ
ば順次に元通り。簡単に折り畳めるノンストレスなエコバッグ」解説文の最
初につかみとして記載されるなど、この特徴は、取引者及び需要者に広く認
識されている。
ウ 原告商品のバッグとして使用する広げた状態において、横方向に多数の折
25 り目が入っていること、縦よりも横に広く、角が丸まった俵型をしているこ
と等も他のエコバッグには見られない、独自の特徴である。
また、従来のエコバッグには、商品三状態推移のような状態推移があるも
のはない。商品三状態推移は、従来のエコバッグには見られない独自の特徴
である。一瞬一気に商品三状態推移を行うことは、エコバッグ使用時、収納
時に手間取ってレジなどで他人に迷惑をかける需要者の心配を取り除くもの
5 で、需要者にとって重大な意味があり、商品等表示としても目立つ特徴であ
る。
エ 原告商品は、平成29年のIFデザイン賞及びレッドドット・デザイン賞
を受賞しており、原告商品形態は、優れたデザイン性、機能性、品質、そし
て革新性が国際的に証明されたものである。
10 IFデザイン賞及びレッドドット・デザイン賞は、いずれも世界3大デザ
イン賞の商業デザインの賞である。
また、原告商品形態は、令和4年度関東地方発明表彰では「一瞬でたため
るエコバッグ」として中小企業庁長官賞を受賞するまでになっている。
オ 原告意匠権の存在等により、原告商品形態は、長期間継続的かつ独占的に
15 原告が使用しているものである。
⑶ 周知・著名性
ア 原告商品は、被告会社設立前までに、次のような広報媒体に取り上げられ
ている。
雑誌:日経トレンディ(平成29年10月)、DIME(平成29年10
20 月)、SankeiBiz(平成29年11月)、女性セブン(平成
30年6月)、旅の手帳(平成30年10月)、日経ウーマン(令
和元年11月)、レタスクラブ(令和2年5月)、日経トレンディ
(令和2年12月)等多数
新聞:日経MJ(平成29年9月)日本経済新聞(平成29年9月)、フ
25 ジサンケイビジネスアイ(平成29年11月)、朝日新聞(平成3
0年3月)、時事通信(平成31年1月)、読売新聞(令和元年6
月)、日経MJ(令和2年4月)等多数
テレビ:NHK「あさいち」(平成29年9月)、日本テレビ「ヒルナン
デス」(平成29年7月)、TBS「王様のブランチ」(平成29
年7月)、TBS「坂本&指原のつぶれない店」(平成31年4
5 月)、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(令和元年7
月)、テレビ朝日「じゅん散歩」(令和元年10月)、日本テレビ
「news every」(令和2年1月)、TBS「王様のブラン
チ」(令和2年7月)、日本テレビ「ヒルナンデス」(令和3年3
月)等多数
10 イ 令和2年8月頃までには、原告商品の累計販売数は700万個を突破し、
被告会社設立直前の令和3年には1000万個を突破している。
ウ 原告は、上記のような、販売、広報媒体への露出などに莫大な費用と労力
を使っている。
⑷ 以上から、一瞬一気にできる商品三状態推移を含む原告商品形態は、特別顕
15 著性が認められ、周知性・著名性が認められ、商品三状態推移を含む原告商品
形態は、不正競争防止法2条1項1号及び2号の「商品等表示」に該当する。
⑸ 被告商品の形態
被告商品の形態(以下「被告商品形態」という。)は次の特徴を有している。
①広げた状態で袋の正面から見たときに、端部を絞った、復元力のある持続的
20 な折目がついたアコーディオン状であり、
②アコーディオン状の部分を畳んだ状態で袋の平面を見たときには、袋は、左
右に長い帯状の状態で、
③上記②の帯状の状態においては、その上下方向中央に左右全域にわたって上
下方向に開け広げる開口部があり、開口部はファスナーにより開閉できるよ
25 うになっており、
④上記②の帯状の状態においては、その左端部(見る方向によっては右端部)
に伸縮性ある素材による輪状の留具があり、
⑤買物商品等を入れる際には上記③の開口部を上下に開け広げ、開口部の両脇
に備えられた持ち手を使ってエコバッグ等として使用でき、
⑥使用後は上記①の端部を左右に強く引っ張るだけで、上記①の復元力により
5 容易に手際よく袋を上記②の帯状の状態にすることができ、
⑦帯状の状態から、容易に畳んだり、丸めて円筒状に小型化したりして容易に
携帯でき、
⑧上記④の留具を用いて上記⑦のように円筒状に小型化した状態を維持できる、
⑨手提袋
10 また、被告商品は、広げた状態、帯状の状態、丸めた状態の推移変化をする
ものである。この状態の推移変化は、上記被告商品形態に含まれている。
被告らは、上記の三状態の推移変化と上記被告商品形態を、需要者等が、視
覚、触覚、体感で認識し得るように、被告商品を販売展示し、パッケージに記
載している。
15 ⑹ 原告商品形態と被告商品形態が類似すること
商品三状態推移を含む原告商品形態の特徴①~⑨と、商品状態推移変化を含
む被告商品形態の特徴①~⑨は、同一であり、少なくとも類似している。
⑺ 被告らは、被告商品を、東京交通会館(住所は省略)の催事場において、被
告会社設立日である令和3年12月21日頃より、定期的に、販売し、販売の
20 ために展示し、継続的にインターネットで提示している。被告商品は、自己の
商品等表示として原告の周知・著名な上記商品等表示と同一又は類似の商品等
表示を使用しているものである。被告らの行為は、原告商品又は営業と混同を
生じさせる行為である。
上記の行為は、原告が多額の宣伝広告費と営業努力により培った原告商品等
25 表示に対する信用への「タダ乗り」行為であり、原告商品等表示を「希釈化」
「普通名称化」するもので、不正競争防止法第2条第1項第2号の「使用」、
商品の「譲渡」「引き渡し」「譲渡・・のために展示」「電気通信回線を通じ
て提供」に該当する行為である。
また、被告らの行為は、被告商品が取引者及び需要者に、あたかも原告と何
らかの関係があるよう誤認を生じさせる行為として不正競争防止法第2条第1
5 項第1号の「使用」、商品の「譲渡」「引き渡し」「譲渡・・のために展示」
「電気通信回線を通じて提供」に該当する。
⑻ 上記各行為は、形式的には店頭における販売、展示、告知などが被告会社の
行為であり、被告個人住所地における引き渡し、譲渡、及び 被告個人名義の
Youtubeアカウントにおける電気通信回線を通じての提供は、被告個人
10 の行為であるが、被告商品の販売とその利益の取得に向けた一連の行為である
ことからすれば、被告会社と被告個人の共同行為によってなされたとみるべき
である。
仮に上記行為の主体が被告らの一方のみと認められるとしたら、被告らの他
の一方も、営業上の利益を侵害する「おそれがある」がある。また、少なくと
15 も、被告個人は、被告会社の唯一の取締役、代表取締役であり、被告会社の上
記行為に関して職務を行うにつき故意又は重大な過失があるので、会社法42
9条により被告会社の上記行為により原告に生じた損害について賠償する責任
がある。
6 不正競争行為(信用毀損行為)
20 被告らは、被告商品の販売の際、「シュパットタイプ」の表記と併せて「コン
ビニ百貨店では2000円以上」などと記載した別紙広告媒体目録1のPOPを
掲示している。
また、別紙広告媒体目録2⑴記載の被告商品のパッケージには、「特許取得
第6415054号」と表示しているところ、当該特許番号は他社の特許権に係
25 るものであり、被告会社又は被告個人は特許権を有していない。
そして、被告個人は、被告商品を販売展示する場所において、原告役員を含む
顧客に対して、被告商品に関する特許権を有していると説明しているほか、被告
個人は、別紙広告媒体目録記載2⑵のYoutubeのアカウントにおいて、
「ZI!PA!商品案内動画」と題する動画を一般公開し、「ZI!PA!は特
許を取っています!」などと表示している。
5 このように、特許権が存在しないにも関わらず、あたかも特許権を有するよう
な表示をすることは、虚偽表示罪に該当し、刑事罰の対象となる(特許法188
条、198条)。
このような特許に関する虚偽表示と上記5で述べた比較表示は、被告商品が事
実に反して、原告商品より、品質その他の内容(不当景品類及び不当表示防止法
10 (以下「景表法」という。)5条1号)、価格その他の取引条件(同条2号)、
その他の取引に関する事項(同条3号)について、優れ、有利、その他誤解を与
えるものである。
被告らの上記行為は、原告商品の価格を例示し、被告商品の価格の比較優位を
強調して需要者に訴えかける比較表示の際、被告商品のパッケージやYoutu
15 beに「特許取得」といった虚偽の表示をし、特許取得という説明をしているこ
とからすると、原告の信用を毀損する不正競争防止法2条1項21号(信用毀損
行為)の「告知」「流布」にも該当する。
7 独占禁止法違反
⑴ 上記6の被告らの行為は、被告商品が事実に反して、原告商品より、品質そ
20 の他の内容(景表法5条1号)、価格その他の取引条件(同条2号)、その他
の取引に関する事項(同条3号)について、優れ、有利、その他誤解を与える
もので、景表法違反ともなる行為であって、私的独占の禁止及び公正取引の確
保に関する法律(以下「独禁法」という。)2条9項6号ハの「不当に競争者
の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること」のうち、「不公正
25 な取引方法」(昭和五十七年六月十八日 公正取引委員会告示第十五号 改正
平成二十一年十月二十八日 公正取引委員会告示第十八号)(一般指定)8項
のぎまん的顧客誘引に該当する。
⑵ 上記⑴の行為は、景表法違反となる行為であり、かつ、「ぎまん的顧客誘引
のうち、特に消費者との関係で問題が大きいと考えられた不当な表示」である。
また、被告らの行為は、特許権が存在しないにも関わらず、あたかも特許権
5 を有するような表示をするもので、虚偽表示罪(特許法188条、198条)
に該当し、刑事罰の対象となる違法性の高いものであり、原告商品の展示販売
場所に近接した場所で行われている。
これらの事実を勘案すれば、同行為は、原告に著しい損害を生じ、又は、そ
のおそれがあるものである。
10 ⑶ 上記⑴の行為は、形式的には、被告会社又は被告個人の行為となり得るが、
被告らの共同行為とみるべきである。
仮に、被告らの一方のみしか行為主体と認められないときは、被告らの他の
一方は、独禁法24条の「侵害するおそれがある事業者」となるというべきで
ある。
15 被告らは、同法24条による差止請求の対象となり、少なくとも不法行為に
よる損害賠償の対象となるものである。
また、少なくとも、被告個人は、被告会社の唯一の取締役、代表取締役であ
り、被告会社の上記行為に関して職務を行うにつき故意又は重大な過失がある
ので、会社法429条により被告会社の上記行為により原告に生じた損害につ
20 いて賠償する責任がある。
8 損害
⑴ 財産的損害
被告商品の累計譲渡数は3万個、販売価格は1個700円、原告権利使用料
率は10%、利益率は75%を下回らない。相当する原告商品の販売価格は1
25 個2900円、利益率は75%を下回らない。
原告商品1個あたりの販売価格に原告商品の利益率を乗じた額に、被告商品
の譲渡数量を乗じて計算される額が原告の財産的損害である。
⑵ 無形損害
原告の信用あるブランドイメージを汚染毀損するもので、これによる原告の
無形損害は100万円を下回らない。
5 ⑶ 弁護士費用
原告は、上記⑴及び⑵の合計損害額の1割を下回らない弁護士費用相当額の
損害の賠償を求める。
⑷ 上記⑴ないし⑶の損害の合計額は、200万円を下回らない。
9 よって、原告は、被告らに対し、①意匠法37条1項及び2項又は不競法3条
10 1項及び2項に基づき、被告製品の販売等の差止め及び被告製品の廃棄、②商標
法36条1項及び2項に基づき、被告商品の販売に当たり、別紙広告媒体目録1
記載の広告媒体その他のウェブサイト、チラシ、掲示物等の広告に、被告標章を
付すこと及び所持の差止め並びに同広告物の廃棄、③不競法3条1項及び2項又
は独禁法24条に基づき、被告商品の販売に当たり、別紙広告媒体目録2記載の
15 広告媒体その他のウェブサイト、チラシ、掲示物等の広告及び被告商品の包装に
「特許取得済」と表示することの差止め、④民法709条、会社法429条、民
法719条に基づき、連帯して、損害賠償金200万円(一部請求)及びこれに
対する訴状送達日の翌日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損
害金の支払を求める。
20 以上
別紙
原告意匠権目録
登録番号 意匠登録第1600967号
5 登録日 平成30年3月9日
出願番号 意願2017−17284
出願日 平成29年8月10日
意匠に係る物品 手提袋
以上
別紙
原告商標権目録
登録番号 商標登録第6064077号
登録日 平成30年7月20日
5 出願番号 商願2017-126947
出願日 平成30年9月22日
商標 シュパット(標準文字)
商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務
9 布製キーボード用埃除けカバー
10 12 自転車用荷かごカバー、自転車用サドルカバー、自転車用車体カバ
ー、オートバイ用カバー、ショッピングカート用カバー(型に合わせ
たもの)、自動車用車体カバー、自動車用のシートカバー、自動車の
ハンドルカバー、自動車用窓カーテン、自動車用の車内日除けカバー
18 スーツケースカバー、携帯用買い物用手さげ袋、キャンプ用バッグ、
15 ハイキング用バッグ、スポーツバッグ、衣類用フレキシブルバッグ、
靴入れバッグ、運動用特殊衣服用収納用バッグ、学校給食用の巾着袋、
弁当箱を収納できる汎用性のあるバッグ、カバン用防水カバー、水着
用バッグ、ビーチバッグ、携帯用飲料用手さげ袋、スーベニアバッグ、
子守帯、抱っこ紐、おんぶ紐
20 21 衣類用洗濯用網袋、バッグ型の衣類用の家庭用洗濯物入れ
24 布団カバー、枕カバー、ベッドカバー、携帯用毛布、野外用毛布
25 レインコート、雨除けポンチョ、雨合羽、レインハット、レインブ
ーツ、雨よけ用腕カバー、よだれかけ(紙製のものを除く。)、スト
ール、ジャケット、カーディガン、ウインドブレーカー、スカート、
25 ズボン、帽子、シャワーキャップ、浴室用スリッパ
28 幼児用プラスチック製おもちゃ専用の収納用バッグ、幼児用ゴム製
おもちゃ専用の収納用バッグ
以上
別紙
原告商品目録
商品名を「ShuàttO」、「Shupatto」又は「シュパット」とするコンパクトバック又
は手提袋
5 原告商品の例
(伸ばした状態の写真)
(荷物を入れる状態の写真)
(丸めた状態の写真)
以上
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