平成23(ワ)35691商標権侵害差止等請求事件
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裁判所 |
認容 東京地方裁判所
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裁判年月日 |
平成24年4月25日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
被告アジムット株式会社ことX 原告株式会社T-Garden
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法令 |
商標権
不正競争防止法2条1項1号2回 商標法37条1号2回 商標法2条3項8号1回 商標法36条1回
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キーワード |
商標権8回 侵害6回 差止3回 損害賠償2回
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主文 |
1 被告は,その営業上の施設又は活動に,別紙被告標章目録記載の標章を使用してはならない。
2 被告は,別紙被告標章目録記載の標章を,別紙Webページ目録記載のインターネット上のWebサイトその他の営業表示物件から抹消せよ。
3 被告は,原告に対し,1100万円及びこれに対する平成24年3月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は第1項ないし第3項に限り仮に執行することができる。 |
事件の概要 |
本件は,別紙原告商標目録記載の商標(以下「本件商標」という。)につき
商標権(以下「本件商標権」という。)を有する原告が,被告に対し,被告が
別紙Webページ目録記載のWebページ(以下「本件Webページ」とい
う。)に別紙被告標章目録記載1ないし3の標章(以下,それぞれ「被告標章
1」などといい,被告標章1ないし3を併せて「被告各標章」という。)を掲
載することは,原告の本件商標権を侵害するものとみなされる(商標法37条
1号)とともに,原告の商品等表示として周知性を有する「ShibuyaG
irlsCollection」又は「シブヤガールズコレクション」との標
章(以下「原告標章」という。)と類似する表示を使用し,原告の営業と混同
を生じさせるものとして,不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争行為に
該当すると主張し,商標法36条又は不正競争防止法3条に基づき,被告各標
章の使用の差止め及び本件Webページその他営業物件からの被告各標章の抹
消を求めるとともに,商標権侵害の不法行為責任(民法709条,710条)
又は不正競争防止法4条に基づき,損害賠償として1100万円(附帯請求と
して,訴状送達日の翌日である平成24年3月8日から支払済みまで民法所定 |
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判決文
平成24年4月25日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官
平成23年(ワ)第35691号 商標権侵害差止等請求事件
口頭弁論終結日 平成24年3月19日
判 決
東京都渋谷区<以下略>
原 告 株式会社T-Garden
同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 深 町 周 輔
東京都目黒区<以下略>
被 告 ア ジ ム ッ ト 株 式 会 社 こ と X
主 文
1 被告は,その営業上の施設又は活動に,別紙被告標章目録記載の
標章を使用してはならない。
2 被告は,別紙被告標章目録記載の標章を,別紙Webページ目録
記載のインターネット上のWebサイトその他の営業表示物件から
抹消せよ。
3 被告は,原告に対し,1100万円及びこれに対する平成24年
3月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は第1項ないし第3項に限り仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文同旨
第2 事案の概要
本件は,別紙原告商標目録記載の商標(以下「本件商標」という。)につき
商標権(以下「本件商標権」という。)を有する原告が,被告に対し,被告が
別紙Webページ目録記載のWebページ(以下「本件Webページ」とい
う。)に別紙被告標章目録記載1ないし3の標章(以下,それぞれ「被告標章
1」などといい,被告標章1ないし3を併せて「被告各標章」という。)を掲
載することは,原告の本件商標権を侵害するものとみなされる(商標法37条
1号)とともに,原告の商品等表示として周知性を有する「ShibuyaG
irlsCollection」又は「シブヤガールズコレクション」との標
章(以下「原告標章」という。)と類似する表示を使用し,原告の営業と混同
を生じさせるものとして,不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争行為に
該当すると主張し,商標法36条又は不正競争防止法3条に基づき,被告各標
章の使用の差止め及び本件Webページその他営業物件からの被告各標章の抹
消を求めるとともに,商標権侵害の不法行為責任(民法709条,710条)
又は不正競争防止法4条に基づき,損害賠償として1100万円(附帯請求と
して,訴状送達日の翌日である平成24年3月8日から支払済みまで民法所定
の年5分の割合による遅延損害金)の支払を求める事案である。
1 原告の主張(請求原因)
原告の主張する請求原因事実及び法的主張は別紙訴状「第2 請求の原因」
記載のとおりである。
2 被告は,適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書そ
の他の準備書面も提出しないから,請求原因事実を争うことを明らかにしない
ものと認め,これを自白したものとみなす。
第3 当裁判所の判断
上記のとおり被告が自白したものとみなされる請求原因事実に基づき,原告
の請求の当否について判断する。
1 本件商標権侵害の成否
(1) 本件商標の指定役務(「ファッションショーの企画・運営又は開催,フ
ァッション情報の提供」)は,被告各標章の使用されている役務(若年女性
向けファッションイベントの開催)と同一又は類似する。
(2) 本件商標と被告各標章との類否
ア 本件商標
(ア) 本件商標は,「ShibuyaGirlsCollection」
との欧文字を赤色で横書きし,これを,白色線で縁取り,さらに,その
外縁を黒色線で縁取ったものであり,このうち,「i」の黒点部分及び
「o」の内側円部分が星形に図案化されている。
(イ) 本件商標は「シブヤガールズコレクション」との称呼を生ずる。
(ウ) 本件商標が,「TOKYO GIRLS COLLECTION(東
京ガールズコレクション)」の姉妹イベントとして派生した原告イベン
トに使用されているものであり,上記「TOKYO GIRLS COL
LECTION」が国内最大級の女性向けファッションイベントとして
著名であることなどの取引の実情を考慮すると,本件商標からは,渋谷
に関連する,女性向けファッションイベントとの観念が生ずる。
イ 被告各標章
(ア) 被告標章1は,標準文字の「SHIBUMO GIRLS COL
LECTION」からなる標章である。
被告標章2は,標準文字の「シブモガールズコレクション」からなる
標章である。
被告標章3は,赤色の長方形の中に,黒色で縁取りを施した白色文字
の「SHIBUMO GIRLS」と「COLLECTION」を上下
二段に分けて配置した標章である。
(イ) 被告各標章は,いずれも,「シブモガールズコレクション」との称
呼を生ずる。
(ウ) 被告各標章の「SHIBUMO(シブモ)」部分からは特段の観念
は生じず,「GIRLS COLLECTION」部分からは,女性向
けファッションイベントとの観念が生ずる。
ウ 本件商標と被告標章1
本件商標は,上記(2)ア(ア)のとおり,欧文字の大文字と小文字を使用
し,かつ,一部を星形に図案化した赤色文字からなるものであるのに対し,
被告標章1は,上記(2)イ(ア)のとおり,欧文字の大文字のみを使用し,
かつ,標準文字からなるものであるが,両標章が欧文字22文字中,20
字において共通することを考慮すると,両標章は外観において類似する。
上記(2)ア(イ)及び(2)イ(イ)のとおり,本件商標と被告標章1の称呼は,
一音(「ヤ」と「モ」)を除き同一であり,両標章は称呼において類似す
る。
上記(2)ア(ウ)及び(2)イ(ウ)のとおり,本件商標と被告標章1は,女性
向けファッションイベントとの観念を生ずる点で類似する。
したがって,本件商標と被告標章1は類似する。
エ 本件商標と被告標章2
上記(2)ア(ア)及び(2)イ(ア)のとおり,本件商標が欧文字を使用し,一
部を星形に図案化した赤色文字からなるものであるのに対し,被告標章2
は片仮名の標準文字からなるものであるから,両標章は外観において相違
する。
しかし,本件商標と被告標章2が,称呼及び観念において類似すること
は前記ウでみたところと同様である。
したがって,本件商標と被告標章2は類似する。
オ 本件商標と被告標章3
上記(2)ア(ア)及び(2)イ(ア)のとおり,本件標章と被告標章3は,いず
れも赤色を基調とし,欧文字を使用してなる標章であり,かつ,欧文字2
2文字中,20字において共通するものであるから,両標章は外観におい
て類似する。
本件標章と被告標章3が,称呼及び観念において類似することは前記ウ
でみたところと同様である。
したがって,本件商標と被告標章3は類似する。
(3) 被告が被告各標章を若年女性向けファッションイベントの開催実績の告
知等のため,本件Webページに掲載することは,商標の使用(商標法2条
3項8号)に該当する。
(4) したがって,被告が,被告各標章を本件Webページに掲載するなどし
て使用することは,本件商標権を侵害するものとみなされる(商標法37条
1号)。
(5) 以上によれば,原告は,商標法36条に基づき,被告に対し,被告各標
章の使用の差止め及び本件Webサイトその他の営業表示物件からの被告各
標章の抹消を請求することができる。
2 不正競争防止法違反の成否
不正競争防止法2条1項1号に該当する事実については,請求原因事実のと
おり認められる。
3 原告は,商標権侵害の不法行為責任及び不正競争防止法違反による損害賠償
責任に基づき,被告に対し,原告が被った損害1000万円及び弁護士費用1
00万円(上記金額については,前記第2のとおり,被告が自白したものとみ
なされる。)並びにこれらに対する上記不法行為日の後である平成24年3月
8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求
することができる。
4 以上のとおりであり,原告の請求にはいずれも理由がある。
第4 結論
したがって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 大 須 賀 滋
裁判官 森 川 さ つ き
裁判官菊池絵理は,転補のため署名押印することができない。
裁判長裁判官 大 須 賀 滋
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