平成21(ワ)4196損害賠償請求事件
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裁判所 |
請求棄却 東京地方裁判所
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裁判年月日 |
平成22年2月25日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
被告B
株式会社東京堂インターナショナル
ら訴訟代理人弁護士小見山繁 原告A
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法令 |
実用新案権
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キーワード |
実用新案権25回 実施5回 許諾2回 損害賠償1回
|
主文 |
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事件の概要 |
1 争いのない事実等(証拠の摘示のない事実は,争いのない事実又は弁論の
全趣旨により認められる事実である。)
(1)ア 原告は,下記の実用新案権(以下「本件実用新案権」という。)に係
る考案(以下「本件考案」という。)の考案者であり,原告の妻Cは,本
件実用新案権の実用新案権者であった(甲1,2,原告本人,弁論の全
趣旨)。
記
登録番号 第1801587号
考案の名称 空手用兼拳法用上衣
出願年月日 昭和58年7月21日
出願番号 実願昭58−113790号
登録日 平成元年12月25日
実用新案登録請求の範囲
「上衣本体の両脇上部と両袖付とを正面略八字形に裁断し,かつ上衣本
体の八字状裁断部下側から両脇にわたる部位と,袖付下部とに夫々略三 |
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判決文
平成22年2月25日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成21年(ワ)第4196号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成21年12月25日
判 決
函館市
原 告 A
東京都中央区
被 告 B
東京都中央区
被 告 株式会社東京堂インターナショナル
被告ら訴訟代理人弁護士 小 見 山 繁
主 文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告らは,原告に対し,連帯して1200万円を支払え。
第2 事案の概要
1 争いのない事実等(証拠の摘示のない事実は,争いのない事実又は弁論の
全趣旨により認められる事実である。)
(1)ア 原告は,下記の実用新案権(以下「本件実用新案権」という。)に係
る考案(以下「本件考案」という。)の考案者であり,原告の妻Cは,本
件実用新案権の実用新案権者であった(甲1,2,原告本人,弁論の全
趣旨)。
記
登録番号 第1801587号
考案の名称 空手用兼拳法用上衣
出願年月日 昭和58年7月21日
出願番号 実願昭58−113790号
登録日 平成元年12月25日
実用新案登録請求の範囲
「上衣本体の両脇上部と両袖付とを正面略八字形に裁断し,かつ上衣本
体の八字状裁断部下側から両脇にわたる部位と,袖付下部とに夫々略三
角形のゆとり部をつくつて袖を縫着した空手用兼拳法用上衣。」
イ 本件実用新案権は,平成10年7月21日,存続期間の満了により消
滅し,同年10月14日,抹消登録がされた(甲1)。
(2)ア 株式会社東京守礼堂(以下「東京守礼堂」という。)は,昭和52年
4月7日に設立された,空手用品,古武道用品の製造販売等を目的とす
る株式会社である。
イ 被告株式会社東京堂インターナショナル(以下「被告会社」とい
う。)は,平成14年11月7日に設立された,空手用品,古武道用品
の製造販売等を目的とする株式会社である。なお,被告会社の商号は,
設立当初は「株式会社東京守礼堂インターナショナル」であったが,平
成19年1月15日に現在の商号に変更された。
ウ 被告B(以下「被告B」という。)は,平成10年以降,東京守礼堂の
取締役の地位にあり,また,被告会社の設立当初から,被告会社の顧問
を務めている(乙6,被告B本人,弁論の全趣旨)。
2 当事者の主張
(1) 請求原因
ア 原告と東京守礼堂は,平成13年9月,東京守礼堂において本件考案
を利用した空手着(以下「本件空手着」という。)を製造,販売し,東
京守礼堂が原告に対し考案料を支払う旨の合意(以下「本件合意①」と
いう。)をした。本件合意①の趣旨は,本件実用新案権が既に消滅して
いることを前提としながらも,東京守礼堂において原告が考案した本件
考案を利用することについての対価を支払うというものであった。
イ 原告と東京守礼堂は,平成14年5月ないし7月ころ,本件合意①に
係る考案料の具体的な金額について,東京守礼堂が販売した本件空手
着(既製品)の販売額の3パーセントに相当する金額(以下「本件考案
料」という。)とし,本件考案料の支払は各年分ごとにまとめて行うも
のとする旨の合意(以下「本件合意②」という。)をした。
ウ 被告Bは,原告と東京守礼堂とが本件合意①,②をするに際し,原告に
対し,本件考案料を東京守礼堂と連帯して支払う旨約した(以下「本件
連帯支払合意」という。)。
エ 被告会社は,平成14年11月7日,東京守礼堂から本件合意①,②
に係る契約上の地位を承継した。
オ 東京守礼堂又は被告会社は,平成14年1月1日から平成17年12
月23日までの間,「EXCELLENT」という名称を付した本件空
手着を,合計2万4000着製造,販売した。その販売総額は4億円を
下らない。
カ よって,原告は,被告会社については本件合意①,②に基づき,被告B
については本件連帯支払合意に基づき,被告らに対し,平成14年1月
1日から平成17年12月23日までの間の本件空手着の販売総額4億
円の3パーセントに相当する1200万円の連帯支払を求める。
(2) 被告らの請求原因に対する認否及び反論
ア 請求原因アについて
(ア) 請求原因アの事実は否認する。
平成13年ないし平成14年ころ,原告と東京守礼堂との間で,本
件空手着の商品化に関して交渉があったことは事実である。しかし,
その交渉の中で両者の間で合意されたのは,東京守礼堂において本件
空手着を製作した上で,テスト販売を行うなどした結果,商品として
の販売が採算ベースに乗ることが確認できた場合には,その時点で,
原告に支払う考案料の額,支払方法等について,両者で協議して定め
るということであった。
ところが,その後の販売努力にもかかわらず,本件空手着は,平成
14年9月1日の販売開始から平成17年6月30日までの2年10
か月間で,合計512着(販売額合計632万7663円)しか販売
することができず,広告料などを考えると商品としての販売が採算ベ
ースに乗らないことが明らかとなったため,上記の協議が行われるこ
とのないまま,本件空手着の販売は,平成17年6月をもって中止さ
れるに至ったものである。
したがって,原告と東京守礼堂との間では,本件空手着の製造,販
売に関して,東京守礼堂が原告に対し考案料を支払うとの合意が成立
するには至っていない。
(イ) また,本件空手着の商品化に関する原告の申出は,原告が本件実
用新案権を現に保有することを前提として,その実施に関するもので
あり,東京守礼堂においても,本件実用新案権の実施許諾を受ける趣
旨で,原告の申出に対応したものである。
したがって,原告と東京守礼堂との間において,原告主張の本件合
意①のような,本件実用新案権が既に消滅していることを前提としな
がらも,東京守礼堂において原告が考案した本件考案を利用すること
についての対価を支払うという趣旨の合意がされた事実はない。
イ 請求原因イについて
請求原因イの事実は否認する。
本件空手着の商品化に関する原告と東京守礼堂との間の交渉の経過は
前記ア(ア)のとおりであるから,原告と東京守礼堂との間で,本件空手
着の製造,販売に関して,東京守礼堂が原告に支払う考案料の具体的な
金額や支払方法についての合意がされた事実はない。
ウ 請求原因ウについて
請求原因ウの事実は否認する。
被告Bは,東京守礼堂の取締役の業務として,本件空手着の商品化に関
する原告との交渉を行ったものであり,被告B個人として,原告との間で
本件連帯支払合意をした事実はない。
エ 請求原因エについて
請求原因エの事実は否認する。
ただし,被告会社が,平成14年11月7日,東京守礼堂から本件空
手着の製造,販売に関する業務を承継したことは認める。
オ 請求原因オについて
請求原因オの事実については,東京守礼堂及び被告会社が,平成14
年9月1日から平成17年6月30日までの間に,「EXCELLEN
T」という名称を付した本件空手着を合計512着販売したこと,その
販売総額が632万7663円(ただし,本件考案の対象である空手用
上衣の部分に限れば,348万0214円)になることの限度で認め,
その余は否認する。
第3 当裁判所の判断
1 前提事実
前記争いのない事実等と証拠(甲1,2,3の1ないし3,甲4,乙2,
3,6,7,8の1及び2,原告本人,被告B本人)及び弁論の全趣旨を総合
すれば,次の各事実が認められる。
(1) 原告の妻Cは,平成元年12月25日,原告を考案者とする本件実用新
案権の設定登録を受けた。その後,本件実用新案権は,平成10年7月2
1日,存続期間満了により消滅し,同年10月14日,その抹消登録がさ
れた。
(2) 原告は,平成13年3月ころ,東京守礼堂の取締役である被告Bに電話
をかけ,東京守礼堂において本件考案に係る空手着を商品化することを持
ちかけるとともに,それに前後して,本件実用新案権についての平成1年
12月25日付けの実用新案登録証(以下「本件登録証」という。)の写
し(乙8の2)及び原告が保有する上記空手着の型紙(以下「本件型紙」
という。)を東京守礼堂に送付した。
本件登録証には,登録番号,考案の名称のほか,実用新案権者として「
C」,考案者として「A」(原告)との記載があったが,本件実用新案権の
存続期間やその満了日に関する記載はなかった。
(3) 原告は,平成13年9月ころ,再び被告Bに電話をかけ,両者の間で,
本件考案に係る空手着の商品化についての話合いが行われた。
(4) また,平成14年3月ころには,原告が東京守礼堂の事務所を訪れて被
告Bと話し合う機会があり,さらに,同年5月ないし7月ころにも,原告が
被告Bに電話をかけて話し合う機会があった。
(5) 東京守礼堂は,原告から送付された本件型紙に改良を加えるなどして,
平成13年秋ころには本件空手着の試作品を製作し,それを空手家らに提
供してモニターとして使用してもらうなどの経過を経た上で,平成14年
9月ころまでに,「EXCELLENT」という名称を付した本件空手着
の販売を開始した。
(6) 平成14年11月7日,被告会社の設立に伴い,東京守礼堂から被告会
社へ本件空手着の製造,販売に関する業務が承継された。
被告会社は,本件空手着の製造,販売を行うとともに,空手愛好家向け
の雑誌「月刊空手道」の平成15年3月号から平成17年8月号まで(甲
3の1ないし3,乙3)に,本件空手着の広告を掲載した。これらの広告
の中では,本件空手着につき,「新世代空手着 EXCELLENT」と
の表記がされ,「特許取得済み」との表示が付されていた。
(7) 原告は,平成15年9月ころ,被告会社の事務所を訪問した。原告は,
その際,被告Bに対し,被告会社による本件空手着の製造,販売に関して,
原告に考案料を支払うよう求めたところ,被告Bは,これに応じる趣旨の発
言をした。
(8) 被告会社は,平成17年6月23日到達の内容証明郵便(乙2)で,原
告に対し,販売額が経費に見合わないことを理由に本件空手着の広告宣伝
及び営業活動を中止する旨通知し,その後,本件空手着の販売を中止し
た。
2 本件合意①の成否(請求原因ア)について
(1) 原告は,平成13年9月,東京守礼堂との間で,本件実用新案権が既に
消滅していることを前提としながらも,東京守礼堂において原告が考案し
た本件考案を利用することについての対価を支払う旨の本件合意①をした
旨(請求原因ア)主張する。
これに沿うように原告は,その本人尋問において,平成13年9月こ
ろ,被告Bに電話をかけた際,「空手家の考案した空手着に考案料をお願い
できますか」と述べたところ,被告Bが「分かりました」と答えた,原告
は,本件登録証を被告Bに送った際に,被告Bに対し,本件実用新案権の存
続期間が終了していることを説明している旨供述する。
他方で,原告と被告B又は東京守礼堂との間では,本件合意①の成立を客
観的に裏付ける契約書等の書面は作成されていないのみならず,被告Bの供
述及び陳述書(乙6)中には,被告Bは,原告との交渉の中で,原告から本
件実用新案権が既に消滅していたことを聞いたことはなく,被告Bとしては
原告が本件実用新案権を現に保有しているものと認識していた,被告Bは,
原告に対し,本件空手着のテスト販売をしてみて,採算ベースに乗るよう
な売上げが見込めれば,その時点で本件考案の考案料の契約をしましょう
かとの話をしたかもしれないが,それ以上の具体的な話はしていない旨の
供述部分及び記載部分がある。
(2)ア そこで,前記前提事実を踏まえて,本件合意①の成否について検討す
るに,原告と東京守礼堂の取締役の被告Bとの間で平成13年3月ころ及
び同年9月ころに本件空手着の商品化に関する電話による話合いがあっ
た後,東京守礼堂は,平成13年秋ころ,原告から送付された本件型紙
に改良を加えるなどして本件空手着の試作品を製作し,平成14年9月
ころまでに本件空手着の販売を開始したこと(前記1(2),(3),(5))か
らすれば,遅くとも平成13年9月ころの原告と被告B間の電話による話
合いの時点において,原告と東京守礼堂との間で東京守礼堂が本件空手
着の製造,販売を行うことが相互に了解されていたものと推認すること
ができる。
加えて,原告が,平成15年9月ころ,被告会社の事務所を訪問した
際に,被告Bに対し,本件空手着の製造,販売に関して,原告への考案料
の支払を求めたところ,被告Bがこれに応じる趣旨の発言をしているこ
と(前記1(7))からすれば,原告と被告Bとの間においては,原告の上
記訪問前から,本件空手着の製造,販売に関して,原告に何らかの金銭
が支払われるべきことが了解されていたことを推認することができる。
これらの事実によれば,原告と被告Bとの電話による話合いが行われた
平成13年9月ころの時点において,原告と東京守礼堂との間で,東京
守礼堂が本件空手着を製造,販売することについての対価として,東京
守礼堂が何らかの金銭を原告に支払う旨の合意がされたものとうかがう
ことができる。
イ しかし,他方で,平成13年9月当時の本件実用新案権のように,既
に存続期間の満了により消滅した実用新案権に係る考案を実施すること
は,本来何人においても自由に行い得ることであるから,そのような考
案を利用する者が,あえてその利用の対価を考案者に支払う債務を負担
することは,一般的には考え難い事態であるといえる。
しかも,原告は,被告Bに本件空手着の商品化の話を持ちかけるに当た
って,原告が考案者,原告の妻のCが実用新案権者として記載された本件
登録証の写し(乙8の2)を送付しており(前記1(2)),このような原
告の行動は,客観的にみれば,原告側において,本件実用新案権を現に
保有ないし管理していることを前提として,その実施に当たる本件空手
着の商品化の話を持ちかけているものと理解することができる。一方,
本件空手着の販売開始後の経過をみると,被告会社が掲載した「月刊空
手道」の本件空手着についての広告中には,本件空手着につき,工業所
有権の対象であることを示すものと考えられる「特許取得済み」との表
示が付されているのであり(前記1(6)),このことは,被告Bにおいて
も,原告との交渉当時から,原告が本件実用新案権を現に保有している
との認識を有していたことを示すものといえる。加えて,原告において
も,「月刊空手道」の本件空手着についての広告中に上記の表示がある
ことについては,平成15年3月号が発行された当時から認識していた
が,被告会社に対してその誤りを指摘するなどの行動を何らとっていな
いという事情もある(原告本人)。
以上の諸事情を総合考慮すると,前記アのとおり,平成13年9月こ
ろの時点において,原告と東京守礼堂との間で,東京守礼堂が本件空手
着を製造,販売することについての対価として,東京守礼堂が何らかの
金銭を原告に支払う旨の合意がされたものとうかがうことができるもの
の,その合意は,原告が主張する本件合意①のような,本件実用新案権
が既に消滅していることを前提としながらも,東京守礼堂において原告
が考案した本件考案を利用することについての対価を支払うというもの
であったとは認めることはできない。かえって,上記合意は,原告が本
件実用新案権を現に保有ないし管理していることを前提として,原告が
東京守礼堂に対してその実施を許諾し,その対価として東京守礼堂が原
告に対し金銭を支払うという趣旨のものであったというべきである。
したがって,原告主張の本件合意①に沿う原告の前記(1)の供述は措信
することができず,他に原告と東京守礼堂との間で本件合意①が成立し
たことを認めるに足りる証拠はない。
3 本件合意②の成否(請求原因イ)について
原告は,平成14年5月ないし7月ころ,東京守礼堂との間で,本件合意
①に係る考案料の具体的な金額について,東京守礼堂が販売した本件空手
着(既製品)の販売額の3パーセントに相当する金額(本件考案料)とし,
本件考案料の支払は各年分ごとにまとめて行うものとする旨の本件合意②を
した旨(請求原因イ)主張する。
この点について原告は,その本人尋問において,平成14年5月ないし7
月ころ,被告Bに電話をかけた際,被告Bから,EX1着(オーダー1着)に
考案料5パーセントは少ないですかと言われたので,「オーダーは駄目です
から,既製品1着に3パーセントでいいです」と言ったところ,被告Bは,「
考案料1年分まとめて払います」と述べた旨供述する。
しかしながら,原告主張の本件合意②の前提となる本件合意①の事実が認
められないことは前記2で認定したとおりであり,この点において原告の主
張は既に失当であるといわざるを得ない。
また,原告の上記供述と反対の趣旨の被告Bの前記2(1)の供述部分及び陳
述書の記載部分があることに照らすと,原告の上記供述を直ちに措信するこ
ともできない。他に原告と東京守礼堂との間で本件合意②が成立したことを
認めるに足りる証拠はない。
4 本件連帯支払合意の成否(請求原因ウ)について
原告は,原告と東京守礼堂とが本件合意①,②をするに際し,被告Bとの間
で,被告Bが原告に対し,本件考案料を東京守礼堂と連帯して支払う旨の本件
連帯支払合意をした旨(請求原因ウ)主張する。
しかしながら,原告と東京守礼堂とが本件合意①,②をした事実が認めら
れないことは,前記2及び3で認定したとおりである。
また,前記前提事実によれば,被告Bが,東京守礼堂の取締役としての立場
に基づき,同社の担当窓口として,本件空手着の商品化に関する原告と交渉
を行ったものであることは明らかであり,東京守礼堂が本件空手着を製造,
販売することに関して,被告Bが個人として原告への金銭支払を約した事実を
認めるに足りる証拠はない。
したがって,原告と被告B間の本件連帯支払合意の事実は認められない。
5 結論
以上のとおり,請求原因アないしウの各事実はいずれも認められない。
よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がな
いからいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 大 鷹 一 郎
裁判官 大 西 勝 滋
裁判官 関 根 澄 子
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