平成20(ワ)5286損害賠償請求事件
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裁判所 |
一部認容 大阪地方裁判所
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裁判年月日 |
平成21年3月24日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
被告株式会社玉屋柴野高之 原告有限会社スプリング
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法令 |
不正競争
不正競争防止法2条1項3号2回 不正競争防止法5条2項1回
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キーワード |
損害賠償2回
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主文 |
1 被告は,原告に対し,33万7260円及びこれに対する平成20年7月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判決の第1項は,仮に執行することができる。 |
事件の概要 |
本件は,原告が,原告製造のアクセサリー(後記原告商品1ないし33)の形態
を模倣したアクセサリー(後記被告商品1ないし33)を販売する被告の行為は不
正競争防止法2条1項3号の不正競争に該当すると主張して,同法4条に基づき,
損害賠償〔逸失利益313万2400円(同法5条2項)と弁護士費用30万円の
合計343万2400円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成20年7
月3日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金〕を求めた事案
である。被告は,上記形態模倣の事実は認め,損害額を争っている。 |
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判決文
平成21年3月24日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官
平成20年(ワ)第5286号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成21年3月13日
判 決
原 告 有 限 会 社 ス プ リ ン グ
訴訟代理人弁護士 関 伸 治
被 告 株 式 会 社 玉 屋
訴訟代理人弁護士 中 井 康 之
柴 野 高 之
富 山 聡 子
主 文
1 被告は,原告に対し,33万7260円及びこれに対する平成20年7月3日か
ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とす
る。
4 この判決の第1項は,仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告は,原告に対し,343万2400円及びこれに対する平成20年7月3日
から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,原告が,原告製造のアクセサリー(後記原告商品1ないし33)の形態
を模倣したアクセサリー(後記被告商品1ないし33)を販売する被告の行為は不
正競争防止法2条1項3号の不正競争に該当すると主張して,同法4条に基づき,
損害賠償〔逸失利益313万2400円(同法5条2項)と弁護士費用30万円の
合計343万2400円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成20年7
月3日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金〕を求めた事案
である。被告は,上記形態模倣の事実は認め,損害額を争っている。
1 争いのない事実
(1) 原告は,アクセサリーの製造販売を業とする会社であり,被告は,洋装雑貨な
どの小売販売を業とする会社である。
(2) 被告は,別紙の「No」欄記載1ないし33の「原告商品名称」欄記載のアク
セサリー(以下,上記「No」欄の番号に従い,「原告商品1ないし33」など
という。)の各商品形態をそれぞれ模倣した原告商品の各「No」欄記載1ない
し33に対応する「品番」欄記載のアクセサリー(以下,上記「No」欄の番号
に従い,「被告商品1ないし33」などという。
)を販売した。
2 争点
被告商品1ないし33の販売による被告の利益
【原告の主張】
被告は,被告商品1ないし33の販売により少なくとも313万2400円の利
益を上げた。
したがって,被告商品1ないし33の販売により原告が受けた損害は,少なくと
も313万2400円になる。
【被告の主張】
被告商品1ないし33の販売により被告が得た利益の額は,別紙の「No」欄記
載1ないし33に対応する各「売上総利益」欄記載のとおりである。
第3 当裁判所の判断
1 前記争いのない事実によれば,被告は,原告商品1ないし33の各商品形態をそ
れぞれ模倣した被告商品1ないし33を販売したものであるから,被告による被告
商品1ないし33の販売は,不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争に当たる。
2 被告商品1ないし33の販売により被告が得た利益が別紙の「No」欄記載1な
いし33に対応する各「売上総利益」欄記載のとおりであることは,被告の自認す
るところであり,その合計金額は28万7260円であるところ,被告商品1ない
し33の販売により被告が28万7260円を上回る利益を上げたことについて原
告は何ら具体的な立証をせず,証拠が全くない。
以上によれば,被告商品1ないし33の販売により被告が得た利益は28万72
60円の限度で認められ,これを超えては認められないから,原告は被告の上記不
正競争により同額の損害を受けたものと推定される(不正競争防止法5条2項 )
。
3 そして,本件に顕れた一切の事情を考慮し,被告の上記不正競争と相当因果関係
のある弁護士費用の額は,5万円と認めるのが相当である。
4 以上によれば,原告の請求は,33万7260円及びこれに対する訴状送達の日
であることが記録上明らかな平成20年7月2日の翌日である同月3日から支払済
みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある
からこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとして,主文のと
おり判決する。
大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 田 中 俊 次
裁判官 島 村 雅 之
裁判官 西 理 香
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