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平成20(行ケ)10117審決取消請求事件

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裁判所 請求棄却 知的財産高等裁判所
裁判年月日 平成20年7月17日
事件種別 民事
当事者 被告特許庁長官鈴木隆史
原告
対象物 五方晶系構造体
法令 特許権
特許法36条4項1号2回
キーワード 審決12回
実施4回
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事件の概要 1 特許庁における手続の経緯 原告は,発明の名称を「五方晶系構造体」とする発明につき,平成16年3 月3日,特許を出願し(乙1。以下「本願」という。),同月26日付け及 び同月29日付け各手続補正書を提出したが(乙2,3),平成18年1月 13日付けの拒絶理由通知を受け(乙4),同年11月2日付けの拒絶査 定(乙7。以下「本件拒絶査定」という。)を受けたので,同月27日,これ に対し審判請求(乙8。不服2006−28716号事件)をした。

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判決文

平成20年7月17日判決言渡
平成20年(行ケ)第10117号 審決取消請求事件
平成20年6月24日口頭弁論終結
判 決
原 告 X
被 告 特許庁長官 鈴木隆史
同 指 定 代 理 人 安 田 明 央
同 末 政 清 滋
同 中 田 と し 子
同 小 林 和 男
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が不服2006−28716号事件について平成20年3月3日にし
た審決を取り消す。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯
原告は,発明の名称を「五方晶系構造体」とする発明につき,平成16年3
月3日,特許を出願し(乙1。以下「本願」という。),同月26日付け及
び同月29日付け各手続補正書を提出したが(乙2,3),平成18年1月
13日付けの拒絶理由通知を受け(乙4),同年11月2日付けの拒絶査
定(乙7。以下「本件拒絶査定」という。)を受けたので,同月27日,これ
に対し審判請求(乙8。不服2006−28716号事件)をした。
特許庁は,平成20年3月3日,「本件審判の請求は,成り立たない。」と
の審決をした。
2 特許請求の範囲
本願に係る明細書(乙1ないし3。以下「本願明細書」という。)による
と,特許請求の範囲の請求項1ないし3は,下記のとおりである。
【請求項1】
五方最密充填構造(正25辺体)を基本構造とする五方晶系構造体。
【請求項2】
結晶学へ応用可能な五方晶系構造体。種類は,五方最密充填格子結晶構造
体,正25辺体結晶構造体,五方格子結晶(五方単層格子結晶構造体,五方
重層格子結晶構造体,五方多層格子結晶構造体)
【請求項3】
五方最密充填構造(正25辺体)を基本構造とする新物質の組立方法。
3 審決の内容
別紙審決書の写しのとおりである。要するに,本願明細書の記載をみて
も,「五方最密充填構造(正25辺体)」は最密充填構造でも充填構造でもな
いから,本願明細書の記載により「五方最密充填構造(正25辺体)」を実施
することはできず,またその構成も明確ではなく,よって本願は,特許法36
条4項1号及び同条6項2号に規定する要件を満たしていないので特許を受け
ることができないとするものである。
第3 取消事由に係る原告の主張
原告作成に係る別紙「意見書」記載のとおりである。
第4 被告の反論
審決の認定判断はいずれも正当であって,審決を取り消すべき理由はない。
1 「五方最密充填構造(正25辺体)」の構造について
本願明細書の段落【0006】「(前略)五方最密充填構造(正25辺体)
は,正四面体と正四角錐との組合せである。」との記載に関し,原告は,「正
五角柱1個と正五角錐2個の組合せ」と「正四面体10個と正四角錐5個の組
合せ」とは外面的に合同な立体であるから,「五方最密充填構造(正25辺
体)」が前者の構成であることと上記【0006】の記載とは矛盾しない旨主
張するが失当である。
(1) 「五方最密充填構造(正25辺体)」は,①正五角錐の底面の正五角形
の隣接する2頂点と,正五角錐の頂点と,「五方最密充填構造(正25辺
体)」の中心とを結ぶことにより作られる同型の10個の四面体,及び,②
正五角柱の側面の四角形の4個の頂点と,「五方最密充填構造(正25辺
体)」の中心とを結ぶことにより作られる同型の5個の四角錐から構成され
る。
(2) しかし,以下のとおり,10個の四面体は正四面体ではなく,また,5
個の四角錐は正四角錐ではない。
すなわち,四面体において,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心
と「五方最密充填構造(正25辺体)」における「正五角錐」の頂点とを結
んでできる線分の長さは,正五角錐の高さの2倍であるから,2√((10
−2√5)/5)となる。したがって,2√((10−2√5)/5)>2
であるから,前記四面体は正四面体ではない。
また,前記のとおり,正五角錐の高さは,√((10−2√5)/5)で
あるところ,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱の高さ
は,前記正五角錐の高さの2倍であるから,2√((10−2√5)/5)
であり,2√((10−2√5)/5)>2となる。したがって,前記正五
角柱の側面の四角形は正方形ではなく,四角錐は正四角錐ではない。
2 「五方最密充填構造(正25辺体)」は「最密充填構造」か否かについて
原告は,「五方最密充填構造(正25辺体)」は「最密充填構造」である旨
主張する。しかし,以下のとおり原告の主張は失当である。
(1) 「五方最密充填構造(正25辺体)」は,前記1のとおり「正五角柱1
個と正五角錐2個の組合せ」であり,1辺の長さが2の「五方最密充填構
造(正25辺体)」においては,正五角錐の各辺の長さは2である。ま
た,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心に配置された半径1の球
と,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱の各頂点に配置
された半径1の球とは互いに接触しているので,「五方最密充填構造(正2
5辺体)」の中心と,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角
柱の各頂点との距離も2である。したがって,「五方最密充填構造(正25
辺体)」の中心と,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱
の上面又は底面の正五角形の各頂点とを結んでできる立体もまた,各辺の長
さが2の正五角錐である。
(2) 前記正五角錐の高さは,底面の正五角形の中心と頂点の距離から三平方
の定理により求めることができる。正五角形の中心と頂点の距離は,正五角
形に外接する円の半径と等しく,1辺の長さがaの正五角形の外接円の半径
は√((5+√5)/10)aで表されることは周知であるから(乙1
2),1辺の長さが2の正五角形の外接円の半径は2√((5+√5)/1
0)である。したがって,前記正五角錐の高さは,√((10−2√5)/
5)であり,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と,「五方最密充
填構造(正25辺体)」における正五角錐の頂点との距離は,前記正五角錐
の高さの2倍であるから,2√((10−2√5)/5)である。そうする
と,2√((10−2√5)/5)>2となるので,「五方最密充填構造(
正25辺体)」の中心の半径1の球と,前記正五角錐の頂点に配置された半
径1の球は互いに接触しない。
(3) 以上により,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心の球に接触す
る球の数は10個にすぎず,最密充填構造の接触数である12個よりも少な
く,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と12個の頂点に半径1の
球を配置した構造は,最密充填構造にはならない。
3 「五方最密充填構造(正25辺体)」は「充填構造」か否かについて
原告は,「五方最密充填構造(正25辺体)」は「充填構造」である旨主張
する。しかし,原告の主張は以下の理由から失当である。
1辺の長さが2の「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と12個の頂
点に半径1の球を配置した構造は,5個の半径1の球が正五角形に配列した層
と,1個の半径1の球の層とを交互に積層した構造となっている。5個の半径
1の球が正五角形に配列した層と,1個の半径1の球の層との積層構造を上下
に連結して,上下方向について球の充填を行うことは可能である。しかし,1
種類で平面を埋め尽くせる正多角形は,正三角形,正方形,正六角形の3種類
のみであって,正五角形のみによって平面内を隙間なく敷き詰めることは不可
能であるから,正五角形に配列した5個の球という配列を連結して横方向につ
いて球の充填を行うことは不可能である。また,本願明細書の発明の詳細な説
明には,「五方最密充填構造(正25辺体)」を横方向にどのように配列する
のか,また,「五方最密充填構造(正25辺体)」以外の立体も用いて空間充
填を行うことについて何ら記載がない。「五方最密充填構造(正25辺体)」
による空間充填は不可能であるから,「五方最密充填構造(正25辺体)」の
中心と12個の頂点に半径1の球を配置した構造は充填構造にならない。
第5 当裁判所の判断
当裁判所は,審決には,原告主張に係る取消事由はないものと判断する。そ
の理由は,以下のとおりである。
1 本願明細書の記載
本願明細書(乙1ないし3)には,以下の記載がある。
(1) 「【0005】従来,六方最密充填構造(正24辺体)は,構造が複雑
であった。また,五方最密充填構造(正25辺体)の発明により,その構造
が最密ではないことも証明された。さらに,五方最密充填構造(正25辺
体)の発明により,正12面体と正25面体は存在しないことが証明され
た。よって,フラーレン構造が不純であることも証明された。つまり,解決
しようとする課題は,構造が単純であり,最密である構造体とその組立方法
であ る。」
(2) 「【0006】・・・25の辺の長さが同じである立体,五方最密充填
構造(正25辺体)を発明した。五方最密充填構造(正25辺体)は,正四
面体と正四角錐との組合せである。」(【0016】にも同様の記載があ
る。)
(3) 「【0007】五方最密充填構造(正25辺体)の構造は単純であっ
た。また,五方最密充填構造(正25辺体)と六方最密充填構造(正24辺
体)ともに接触数は,2(5n2+1)個で,同数である。しかし,正25
辺体と正24辺体の表面積を比較することにより,五方最密充填構造(正2
5辺体)の方が最密であることを証明した。」
(4) 「【0008】さらに,五方最密充填構造(正25辺体)の存在は正2
0面体の存在を否定するものであり,正20面体の存在の否定は,(中略)
フラーレン構造が不純であることをも意味する。よって,フラーレン構造が
不純であることも証明された。」
(5) 「【0011】よって,新材料デザインとして,工業的な実用化をする
ことにより,環境,エネルギー問題の解決と産業,社会への貢献が考えられ
る。たとえば,ナノテクノロジーの新材料デザインとして,新ナノクラスタ
ー,新ナノ素子,新ナノワイヤー,新ナノチューブ等の新物質構造に利用で
きる。構造は単純である。また,その構造は最密である。」
(6) 「【0017】辺の長さを2とすると,中心から頂点までの距離も2,
頂点の数は12であるから,半径が1の球で,接触数12個の構造を組み立
てることができる。」
(7) 【0020】【図1】には,「五方最密充填構造(正25辺体)の分解
図である。」との記載があり,この分解図に従うと,五方最密充填構造(正
25辺体)は,外観上,正五角柱1個と正五角錐2個の組合せであると理解
できる。
(8) 【0020】【図3】には,「五方最密充填構造(正25辺体)の上下
面図と横面図である。」との記載があり,これらの図面に従うと,「五方最
密充填構造(正25辺体)」は,上記正五角柱及び正五角錐を作る複数本の
辺及び「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と正五角柱の上面又は底
面の正五角形の各頂点とを結ぶ複数本の線分とから構成されるものであると
いえる。
2 「改訂版物理学辞典(縮刷版)」(乙11)には,①最密充填構造とは,最
密構造ともいい,同じ大きさの球を最も密に配列した構造をいうこと,②原子
は固有の半径をもった球で近似できるし,原子間の結合に強い方向性がある場
合を除き,結晶内では一般に原子は最も密に配列しようとする傾向があること
から,最密充填構造は結晶構造と深く関係すること,③球を平面上に最も密に
配列すると,六方対称をもつ構造が得られ,このように配列した層の上に密に
球を積み重ねると,最密充填構造が得られること,④球を積み重ねる方法には
六方最密構造と立方最密構造とがあり,いずれも1つの球は同じ層の6個の球
及び隣接する上下2層においてそれぞれ3個の球と接触し,合計12個の球と
接触することとなる旨の記載がある。
3 「五方最密充填構造(正25辺体)」の意義
本願明細書の記載及び技術常識を参酌すると,「五方最密充填構造(正25
辺体)」の意義について,以下のとおりと認定することができる。
(1) 「五方最密充填構造(正25辺体)」は,結晶構造として従前知られた
六方最密充填構造に代わる新たな結晶構造であり,最密充填構造,すなわち
1個の球が12個の球に接する構造である。
(2) 「五方最密充填構造(正25辺体)」は,接するとされる12個の球の
中心同士を結んだときにできる25本の辺について,その25本の辺の長さ
がすべて等しく,外観上正五角錐2個が正五角柱1個に正五角形の底面で接
した構造からなる。
(3) 「五方最密充填構造(正25辺体)」は,正四面体と正四角錐との組合
せからなる。
そこで,本願明細書の記載において,上記のような内容を有する「五方最密
充填構造(正25辺体)」を,その発明を実施することができる程度に明確か
つ十分に記載したものといえるかどうかについて判断する。
4 まず,五方最密充填構造は,1個の球が12個の球に接する構造となるかに
ついて検討する。
「五方最密充填構造(正25辺体)」の1辺の長さを2とすると,正五角錐
の各辺の長さは2となる。
「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心に半径1の球を設置し,「五方
最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱の各頂点に半径1の球を互い
に接するように設置したと仮定する。この場合,「五方最密充填構造(正25
辺体)」の中心と,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱の
各頂点との距離は2でなければならない。また,「五方最密充填構造(正25
辺体)」の中心と,「五方最密充填構造(正25辺体)」における正五角柱の
上面又は底面の正五角形の各頂点とを結んでできる立体は,各辺の長さが2の
正五角錐にならなければならない。
正五角錐の高さは,底面の正五角形の中心と頂点の距離から三平方の定理に
より求めることができる。正五角形の中心と頂点の距離は,正五角形に外接す
る円の半径と等しく,証拠(乙12,14)によると,1辺の長さがaの正五
角形の外接円の半径は√((5+√5)/10)aで表すことができるから,
1辺の長さが2の正五角形の外接円の半径は2√((5+√5)/10)であ
る。前記正五角錐の高さは,√((10−2√5)/5)であり,「五方最密
充填構造(正25辺体)」の中心と,前記正五角錐の頂点との距離は,前記正
五角錐の高さの2倍であるから,2√((10−2√5)/5)である。
そうすると,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と,「五方最密充
填構造(正25辺体)」における「正五角錐」の頂点との距離が2より大きく
なるので,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心の半径1の球が,「五
方最密充填構造(正25辺体)」における正五角錐の各頂点に配置された半径
1の球と互いに接するという仮定は成り立たないことになる。
したがって,本願明細書の記載からは,1個の球に12個の球が接する構造
からなる「五方最密充填構造(正25辺体)」を実施することができる程度に
明確かつ十分に記載したものであるといえない。
5 次に,「五方最密充填構造(正25辺体)」は,「正四面体と正四角錐との
組合せ」といえるかについて検討する。
(1) 前記1(8)によれば,「五方最密充填構造(25辺体)」は,正五角錐の
底面の正五角形の隣接する2頂点と,正五角錐の頂点と,「五方最密充填構
造(25辺体)」の中心とを結んでできる四面体を含む構成であるといえ
る。そして,「五方最密充填構造(正25辺体)」の中心と「五方最密充填
構造(正25辺体)」における正五角錐の頂点とを結んでできる線分の長さ
は,上記四面体の辺の1つであるところ,その長さは正五角錐の高さの2倍
であるから,「五方最密充填構造(正25辺体)」の1辺を2とすると,前
記4で認定したとおり2√((10−2√5)/5)となり,上記四面体を
作る他の辺(例えば正五角錐の底面の正五角形の頂点と正五角錐の頂点とを
結んだ線分)の長さが2であるのと異なる。
したがって,上記四面体は正四面体とはならない。
(2) また,前記1(8)によれば,「五方最密充填構造(25辺体)」は,正五
角柱の1側面の4個の頂点と「五方最密充填構造(25辺体)」の中心を結
んでできる四角錐を含む構成である。そして,この場合,正五角形の1辺,
すなわち正五角柱の側面の四角形の横の辺の長さを2とすると,「正五角
柱」の高さ,すなわち正五角柱の側面の四角形の縦の長さは,正五角錐の高
さの2倍であるから,2√((10−2√5)/5)となり,正五角柱の側
面の四角形は正方形とはならない。したがって,上記四角錐は正四角錐であ
るとはいえない。そして,「五方最密充填構造(正25辺体)」を四面体と
四角錐の組合せと理解した場合,その25本の辺の長さのすべてが等しいと
いうこともできない。
(3) 以上により,「五方最密充填構造(正25辺体)」は,「正四面体と正
四角錐の組合せ」であるとはいえず,その場合,25本の辺の長さのすべて
が等しいとはいえないから,本願明細書の記載から「五方最密充填構造(正
25辺体)」を実施することはできず,その内容を明確に把握することがで
きない。
6 原告は,「五方最密充填構造(正25辺体)」は本願明細書の図6ないし図
8から理解することができると主張する。しかし,原告の主張は失当である。
1辺の長さが2の正五角形の外接円の中心と正五角形の各頂点を結ぶと,底
辺の長さ2,底角54度,頂角72度の二等辺三角形が5個できるが,その二
等辺三角形の斜辺である外接円の半径は,前記4のとおり2√((5+√5)
/10)である(審決書4頁26行目ないし27行目の「√((5+√5)/
10)」は誤りであるが,審決の結論に影響を及ぼすものではない。)。した
がって,図7及び図8の記載はいずれも誤りであるし,図6からも何ら「五方
最密充填構造(正25辺体)」の内容が上記3のものであると理解することは
できない。
7 結論
以上のとおり,その余の点(「五方最密充填構造(正25辺体)」は「空間
充填構造」か)について判断するまでもなく,原告の主張する取消事由には理
由がなく,本願は,特許法36条4項1号及び同条6項2号に規定する要件を
満たしていないとした審決の判断に誤りはない。原告は,その他縷々主張する
が,審決を取り消すべきその他の誤りは認められない。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決
する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 飯 村 敏 明
裁判官 中 平 健
裁判官 上 田 洋 幸

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