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平成19(行ケ)10418審決取消請求事件

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裁判所 請求棄却 知的財産高等裁判所
裁判年月日 平成20年3月27日
事件種別 民事
当事者 被告特許庁長官肥塚雅博
原告有限会社リタッグ
法令 特許権
特許法166条1回
民事訴訟法338条1項4号1回
特許法29条2項1回
民事訴訟法338条1項1回
特許法123条1項2号1回
特許法123条1項7号1回
キーワード 審決59回
無効17回
訂正審判14回
無効審判8回
特許権7回
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事件の概要 1 特許庁等における手続の経緯 ( 「 」(1) 原告及び訴外リタッグインコーポレーション 以下 リタッグ・インク という は 発明の名称を 騒音の発生しない側溝 とする特許第2514。) , 「 」 918号の特許(平成5年3月1日出願,平成8年4月30日設定登録。請 求項の数は1である。以下,この特許を「本件特許」といい,その特許権を 「 」 。) ( , ,本件特許権 という の特許権者であった者である 甲33 乙1の6 乙1の7 。) (2)ア 訴外株式会社ウチコン(以下「ウチコン」という )は,平成10年6。 月1日,本件特許を無効とすることについて審判を請求した。特許庁は, この請求を平成10年審判第35242号事件(以下「別件無効審判」と いう )として審理した上,平成12年4月11日 「本件審判の請求は,。 , 成り立たない 」との審決をした。。 ウチコンは,上記審決を不服として,その取消しを求める訴訟を東京高 等裁判所に提起した(東京高裁平成12年(行ケ)第184号)ところ, 同裁判所は 平成13年4月12日 特許庁が平成10年審判第3524, ,「

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判決文

平成20年3月27日判決言渡

平成19年(行ケ)第10418号 審決取消請求事件

平成20年2月12日口頭弁論終結

判 決

原 告 有 限 会 社 リ タ ッ グ

被 告 特許庁長官 肥 塚 雅 博

指 定 代 理 人 山 口 由 木

同 石 井 哲

同 森 川 元 嗣

同 大 場 義 則

主 文

1 原告の請求を棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

特許庁が再審2007−950001号事件について平成19年11月13日にした審決を取り消す。

第2 争いのない事実等(証拠を掲げた事実以外は,当事者間に争いがない 。)

1 特許庁等における手続の経緯

(1) 原告及び訴外リタッグインコーポレーション(以下「リタッグ・インク 」という。 は,発明の名称を「騒音の発生しない側溝」とする特許第2514)918号の特許(平成5年3月1日出願,平成8年4月30日設定登録。請求項の数は1である。以下,この特許を「本件特許」といい,その特許権を「本件特許権 」という。 の特許権者であった者である(甲33,乙1の6 ,)乙1の7 )。

(2)ア 訴外株式会社ウチコン(以下「ウチコン」という 。)は,平成10年6月1日,本件特許を無効とすることについて審判を請求した。特許庁は,この請求を平成10年審判第35242号事件(以下「別件無効審判」という 。)として審理した上,平成12年4月11日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をした。ウチコンは,上記審決を不服として,その取消しを求める訴訟を東京高等裁判所に提起した(東京高裁平成12年(行ケ)第184号)ところ,同裁判所は ,平成13年4月12日 , 特許庁が平成10年審判第3524「2号事件について平成12年4月11日にした審決を取り消す 。 との判決」をした。原告及びリタッグ・インクは,上記判決を不服として,最高裁判所に上告受理の申立てをした(最高裁平成13年(行ヒ)第195号)が,同裁判所は,平成13年9月25日,上記申立てを受理しない旨の決定をし 乙(2の10),これにより,上記東京高裁判決は確定した。イ 特許庁は ,上記判決の確定をうけて ,別件無効審判の審理を再開した上 ,平成14年4月3日 , 特許第2514918号の請求項1に係る発明につ「いての特許を無効とする。 との審決(以下「別件無効審判の審決」という」ことがある 。 をした。なお ,上記審決は ,本件特許は特許法29条2項の)規定に違反してされたものであり,同法123条1項2号の規定に該当し ,無効とすべきであると認定判断した(甲17)。原告及びリタッグ・インクは,上記審決を不服として,その取消しを求める訴訟を東京高等裁判所に提起した(東京高裁平成14年(行ケ)第243号)ところ,同裁判所は,平成15年3月24日,請求棄却の判決をした。原告及びリタッグ・インクは,上記判決を不服として,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをした(最高裁平成15年(行ツ)第161号,平成15年(行ヒ )第167号)が,同裁判所は,平成16年4月22日 ,上記上告を棄却するとともに,上記申立てを受理しない旨の決定をし(乙2の14) これにより,上記東京高裁判決は確定し ,別件無効審判の審決,も確定した。

(3)ア 原告及びリタッグ・インクは ,平成14年5月31日 ,本件特許の願書に添付した明細書を訂正することについて審判を請求した(なお,原告及びリタッグ・インクは,平成14年10月11日付け手続補正書(審判請求書 ) 乙3の5 〕により,上記請求に係る審判請求書を補正する手続をし〔た。 。特許庁は,この請求を訂正2002−39132号事件(以下「原)訂正審判事件」という。)として審理した上,同年12月2日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をした。原告及びリタッグ・インクは,上記審決を不服として,その取消しを求める訴訟を東京高等裁判所に提起した(東京高裁平成14年(行ケ)第653号)ところ,同裁判所は,平成15年7月15日, 特許庁が訂正20「02−39132号事件について平成14年12月2日にした審決を取り消す 。」との判決をした。ウチコンは,特許庁長官を補助するために補助参加の申出をするとともに,上記東京高裁判決を不服として,最高裁判所宛の上告及び上告受理申立書を東京高等裁判所に提出した(東京高裁平成15年(行サ)第132号,平成15年(行ノ)第141号)が,東京高等裁判所は,平成15年10月16日,上記上告及び上記申立てをいずれも却下する旨の決定をし(乙3の17),これにより,上記東京高裁判決は確定した。イ 特許庁は,上記判決の確定をうけて,原訂正審判事件の審理を再開した上,平成16年3月8日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「原審決」という。)をした。原告及びリタッグ・インクは,原審決を不服として,その取消しを求める訴訟を東京高等裁判所に提起した(東京高裁平成16年(行ケ)第135号)が,平成16年6月3日,上記訴えを取り下げたので(乙3の31ないし乙3の33),原審決は確定した。

(4) 原告は,平成19年5月1日,原審決の取消しを求めて ,再審の請求をした(以下「本件再審」という 。 。特許庁は,この請求を再審2007−95)0001号事件として審理した上 ,平成19年11月13日 , 本件審判の請「求を却下する 。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,平成19年11月24日,その謄本を原告に送達した。本件審決の理由別紙審決書写しのとおりである。要するに,下記(1)ないし(5)のとおり認定判断し,本件再審の請求は不適法である,としたものである。

(1) 原告は,本件再審の理由として ,①原審決は,明細書に記載されていないことを 記載されていた」「 と認定をし,不当な審決を下した違法行為がある ,

②原審決は,瑕疵のある証拠を採用した違法行為がある,③原審決は,特許法70条 ,123条に違反し , 請求の範囲」を逸脱し ,請求の範囲にない理「由を用いて審決を下した違法行為がある旨を主張しているが ,原審決の認定 ,判断の違法性は,原審決に対する訴えを東京高等裁判所に提起することによって行うべきものであって,再審の請求により主張することは許されない 特(許法171条2項により準用される民事訴訟法338条1項ただし書には,上訴により不服の事由を主張し得たにもかかわらず上訴を怠った場合も含まれる 。 。)

(2) 原告は,本件再審の理由として ,原審決は ,行政事件訴訟法33条1項に違反しており,審理の際に,時間の利益を奪って登録の妨害をした違法行為がある旨を主張しているところ,①原審決が行政事件訴訟法33条1項に違反するとの点は,原審決の判断が取消判決の拘束力に違反するとの趣旨と解されるが ,原審決の判断の違法性は ,前記(1)のとおり ,原審決に対する訴えを東京高等裁判所に提起することによって行うべきものであって,再審の請求により主張することは許されず,また,②審理の際に時間の利益を奪って登録の妨害をしたとの点は,原訂正審判事件の審理において,何度も訂正拒絶理由を通知し,時間の利益を奪って登録の妨害をしたとの趣旨と解されるが,原訂正審判事件は,登録されている特許の明細書についての訂正の請求の適法性を判断したものであって,その手続に原告主張の違法はない。

(3) 原告は,本件再審の理由として ,別件無効審判の審決は ,民事訴訟法338条1項5∼7号及び9号,並びに証拠共通の原則違反の違法行為がある旨主張するが,別件無効審判の審決についての再審事由をもって,原審決に対する再審請求の理由とすることはできない。

(4) 原告は,本件再審の理由として ,特許庁審判官らによる情報漏洩,利益供与の便宜,私文書等毀損,公務員職権濫用,証拠隠蔽等,憲法15条,国家公務員倫理法3条,国家公務員法100条,刑事訴訟法239条2項等に違反する違法行為がある旨を主張しているところ,この点は特許法171条2項により準用される民事訴訟法338条1項4号の再審事由がある旨を主張していると解されるが,原告が主張する違法行為について,有罪の判決若しくは過料の裁判が確定した事実はなく,証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができなかったとの事実もない。

(5) 原告は,①訂正2002−39132号についてなされた審決を取消すとの審決を求めるとともに,②「本件審判の請求は成り立たない。特許第2514918号は登録すべきものである 。 との審決をも求めているが,」 原審決は「本件審判の請求は成り立たない。 というものであるから ,上記②の請求」の趣旨は,上記①の請求の趣旨と矛盾するものであり,また,原訂正審判事件の請求の趣旨は , 特許第2514918号の明細書を請求書に添付した訂「正明細書のとおりに訂正することを認める。との審決を求める。 というもの」であって,特許第2514918号の登録を求めるものではないから,上記

②の請求の趣旨は,本件再審における請求の趣旨とは認められない。

第3 当事者の主張

1 原告

別紙訴状写し(ただし,別紙補正書写し記載のとおり訂正された後のもの)の「請求の原因」及び別紙準備書面(1)写し記載のとおりである。

2 被告

本件審決に,原告主張の違法ないし法令違反はない。また,被告に憲法15条,国家公務員倫理法3条,国家公務員法100条,行政事件訴訟法33条,特許法166条違反はない。

第4 当裁判所の判断

訂正審判請求の係属中に,当該特許を無効にする審決が確定した場合には,特許法123条1項7号に該当する場合を除き,特許権は初めから存在しなかったものとみなされ 特許法125条) もはや願書に添付した明細書又は図面( ,を訂正する余地はなく,訂正審判の請求はその目的を失い,不適法となる(特許法が126条において,特許が無効審決により無効とされた後は,訂正審判を請求することはできない旨を規定しているのは,この趣旨である 。 。したが)って,訂正審判の請求について,請求が成り立たない旨の審決があり,これに対して特許権者が提起した取消訴訟の係属中に,当該特許を無効にする審決が確定した場合には,特許権者は,当該取消訴訟において勝訴判決を得たとしても訂正審判の請求が認容されることはありえず,訂正審判の請求が成り立たないとした審決の取消しを求めるにつき,法律上の利益を有しないこととなる 最(高裁昭和59年4月24日第3小法廷判決・民集38巻6号653頁参照 )。この理は,訂正審判の請求が成り立たないとした審決がすでに確定している場合に,その取消しを求める再審の請求があった場合においても同様に妥当するというべきである。これを本件について見るに,前記第2,1のとおり,特許法123条1項2号に該当するとして本件特許を無効にすべき旨の別件無効審判の審決が,平成年4月22日に確定したことに伴い,本件特許権は,特許法125条本文により,初めから存在しなかったものとみなされるから,本件特許の願書に添付した明細書を訂正することを求める審判請求を成り立たないとした原審決について,別件無効審判の審決の確定により本件特許が無効にされた後に,その取消しを求めて請求された本件再審請求が,その利益を欠くものとして不適法であることは,明らかである。したがって,本件再審請求を不適法として却下した本件審決は,結論において相当である。なお ,本件再審に係る再審請求書(甲38)の「3 請求の趣旨」の欄には ,「特許第2514918号訂正2002−39132号審判事件(平成16年月8日付)についてなされた審決を取消す。」との記載に加え ,「本件審判の請求は成り立たない 。特許第2514918号は登録すべきものである 。 との」記載があることから ,これをどのように解すべきかが問題となり得る 。しかし,上記再審請求書の「1 再審事件の表示」の欄には, 特許第2514918号「訂正2002−39132号事件 二回目)( の確定審決に対する再審請求事件 」との記載があり,本件再審の対象が原訂正審判事件における原審決であることは,一義的に明確である。そして,原訂正審判事件の請求の趣旨は, 特許第2「号の明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを認める。との審決を求める 。」というものであり(乙3の1,乙3の5 ),原審決の結論は ,「本件審判の請求は成り立たない。」というものであるから,上記再審請求書の「3 請求の趣旨」の欄における「本件審判の請求は成り立たない。特許第2514918号は登録すべきものである 。 との記載は ,余事」記載と解するほかはなく,本件再審における請求の趣旨の記載とは認められない。以上によれば,原告の再審請求を不適法として却下した本件審決は,結論において相当であるから,原告の請求は理由がない。よって,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第3部

裁判長裁判官 三 村 量 一

裁判官 嶋 末 和 秀

裁判官 上 田 洋 幸

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