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平成16(ワ)19650商標権侵害差止等請求事件

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裁判所 一部認容 東京地方裁判所
裁判年月日 平成18年3月29日
事件種別 民事
当事者 被告株式会社マルタ
原告株式会社グリーンメイト
法令 商標権
商標法38条2項5回
商標法4条1項7号3回
商標法4条1項11号1回
商標法4条1項19号1回
特許法104条の31回
キーワード 商標権44回
無効7回
侵害6回
差止6回
ライセンス5回
無効審判2回
許諾1回
実施1回
分割1回
損害賠償1回
主文 1 被告は,別紙被告商品目録2,3( ),3( )及び5記載の商品又はその包装2 3に,別紙被告商標目録1又は2記載の商標を付したものを生産し,譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,又は輸入してはならない。
2 被告は,別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付された別紙被告商品目録2,3( )及び3( )記載の商品及び別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付され2 3た別紙被告商品目録2,3( )及び3( )記載の商品の包装を廃棄せよ。2 3
3 被告は,原告に対し,14万9994円及びこれに対する平成18年1月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用はこれを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
6 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。
事件の概要 本件は,被服(運動用特殊衣服を除く)等につき原告商標権を有する原告が,運動 用特殊衣服につき原告商標に類似する被告商標を有する被告に対し,被告製品の製 造,販売等の差止め及び廃棄並びに損害賠償及び遅延損害金の支払を求めたのに対 し,被告が,被告製品は運動用特殊衣服であり,被服(運動用特殊衣服を除く)には 当たらない,原告商標権には商標法4条1項7号(公序良俗)又は19号(不正の目 的)違反の無効理由が存在する等と主張して争った事案である。

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判決文

平成16年(ワ)第19650号 商標権侵害差止等請求事件
口頭弁論終結日 平成18年3月13日
判 決
原告 株式会社グリーンメイト
同訴訟代理人弁護士 堀越靖司
被告 株式会社マルタ
同訴訟代理人弁護士 阪口春男
同 今川忠
同 岩井泉
同 原戸稲男
同 阪口祐康
同 豊浦伸隆
同 西山宏昭
同 山岸正和
同 嵩原安三郎
同 寺田明日香
同 木村智彦
同 白木裕一
同 中澤構
同訴訟代理人弁理士 佐藤英昭
主 文
1 被告は,別紙被告商品目録2,3( 2),3( 3)及び5記載の商品又はその包装
に,別紙被告商標目録1又は2記載の商標を付したものを生産し,譲渡し,引き渡
し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,又は輸入してはならない。
2 被告は,別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付された別紙被告商品目録
2,3(2)及び3(3)記載の商品及び別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付され
た別紙被告商品目録2,3(2 )及び3(3)記載の商品の包装を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,14万9994円及びこれに対する平成18年1月1
9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用はこれを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担と
する。
6 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告は,別紙被告商品目録1ないし5記載の商品又はその包装に,別紙被
告商標目録1又は2記載の商標を付したものを生産し,譲渡し,引き渡し,譲渡若
しくは引渡しのために展示し,又は輸入してはならない。
2 被告は,別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付された別紙被告商品目録
1ないし5記載の商品及び別紙被告商標目録1又は2記載の商標が付された別紙被
告商品目録1ないし5記載の商品の包装を廃棄せよ。
3( 1) 被告は,原告に対し,13万9530円及びこれに対する平成16年9
月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
( 2) 被告は,原告に対し,808万円及びこれに対する平成18年1月19日
から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,被服(運動用特殊衣服を除く)等につき原告商標権を有する原告が,運動
用特殊衣服につき原告商標に類似する被告商標を有する被告に対し,被告製品の製
造,販売等の差止め及び廃棄並びに損害賠償及び遅延損害金の支払を求めたのに対
し,被告が,被告製品は運動用特殊衣服であり,被服(運動用特殊衣服を除く)には
当たらない,原告商標権には商標法4条1項7号(公序良俗)又は19号(不正の目
的)違反の無効理由が存在する等と主張して争った事案である。
なお,原告は,商標法47条の5年の除斥期間が経過したため,被告商標権につ
き商標法4条1項11号違反(先登録類似)を理由とする無効審判請求をすることが
できない。
1 前提事実
(1) 当事者
ア 原告
原告は,被服及び繊維製品の販売等を業とする株式会社である。
(弁論の全趣旨)
イ 被告
被告は,スポーツ服装の製造販売等を業とする株式会社である。
(争いのない事実)
(2) 原告商標
ア 東洋紡績株式会社(以下「東洋紡績」という。)は,次の商標権(以下「原告
商標権」といい,その対象である登録商標を「原告商標」という。)を取得した。
商標登録番号 第0907295号
出願日 昭和44年6月2日
登録日 昭和46年7月8日
登録商標 別紙原告商標目録のとおり
商品の区分及び指定商品(ただし,書き替え登録後のもの)
第24類 布製身の回り品(他の類に属するものを除く)
第25類 被服(運動用特殊衣服を除く)
(登録時は,旧々々類第17類 被服,布製身回品,寝具類)
イ(ア) 東洋紡績は,楽屋被服株式会社(以下「楽屋被服」という。)に対し,昭
和50年11月6日,原告商標権を譲渡し,昭和51年9月13日,その旨の移転
登録がされた。
(イ) 楽屋被服は ,株式会社ジーアールエスプロダクツ(以下「 ジーアールエス 」
という。)に対し,昭和58年10月25日,原告商標権を譲渡し,昭和59年8
月27日,その旨の移転登録がされた。
(ウ) 原告は,平成13年4月4日,ジーアールエスを吸収合併し,有効に更新
登録がされてきた原告商標権を承継した。
(以上につき,甲1ないし3)
(3) 被告商標
ア ドイツ法人であるDerbystar Sportartikelfab
rik GmbH(以下「ダービースター社」という。)は,次の商標権(以下「被
告商標権」といい,その対象である登録商標を「被告商標1」という。)を有して
いる。
商標登録番号 第4178406号
出願日 平成8年10月23日
登録日 平成10年8月14日
登録商標 別紙被告商標目録1記載のとおり
商品の区分及び指定商品
第25類 履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴
イ ダービースター社は,被告との間で,平成16年4月1日,ジュニアサッ
カー衣料品の日本における販売と流通のために,被告を独占的通常使用権者として
被告商標1の使用をライセンスする通常実施権許諾契約(以下「本件ライセンス契
約」という。)を締結した。
(以上につき,乙1の1,2の1,3の1,弁論の全趣旨)
(4) 被告の行為
ア 被告は ,被告商標1又は別紙被告商標目録2記載の商標(以下 被告商標2 」

という。)を付した別紙被告商品目録1ないし5記載の商品(以下「被告商品」とい
い,各商品は,同目録記載の番号により「被告商品1( 1)」のように表記する。)を
カタログ(乙6)に掲載した。
イ 被告は,被告商標1又は2を付した被告商品1ないし4を販売している。
ウ 被告は,被告商品5(チェンジタオル)については,カタログに掲載したも
のの,製造販売はしていない。
(以上につき,争いのない事実,乙67)
(5) 商標の類似
被告商標1及び2は,原告商標に類似する。
(争いのない事実)
(6) 被告商品5(チェンジタオル)の指定商品該当
被告商品5は,原告商標権の指定商品である「布製身の回り品(他の類に属する
ものを除く)」に当たる。
(争いのない事実)
2 争点
(1) 被告商品1ないし4は,原告商標権の指定商品である「被服(運動用特殊衣
服を除く)」に当たるか。
( 2) 商標法39条及び特許法104条の3又は権利の濫用により,原告商標権
の行使が制限されるか。
(3) 原告の損害額はいくらか。
3 争点(1)(指定商品該当性)に関する当事者の主張
(1) 原告の主張
ア 運動用特殊衣服
(ア) 原告商標権の指定商品から除かれる運動用特殊衣服とは,スポーツをする
際に限って着用する特殊な衣服のことである。
(イ) 特許庁商標課編集に係る「商品及び役務区分解説」には ,「運動用特殊衣
服」につき ,「この概念には,スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服が含
まれる 。 ,
」 「なお ,「トレーニングパンツ 」「ランニングシャツ」等は,スポーツ以
外の日常生活でも使用され ,特殊なものでもないことから ,この概念には含まれず ,
本類被服に属する 。」との記載がある。
(ウ) 商標法施行規則別表第25類における「ユニフォーム及びストッキング」
は,上記「商品及び役務区分解説」の記載を併せ考えれば,野球用のユニフォーム
や柔道着などのように形状 ,機能及び品質の面で特殊なもののみをいい ,サッカー ,
ラグビー用のユニフォームのように汎用性のあるスポーツシャツを含まない。
イ 指定商品該当性
(ア) 被告商品1ないし4は,いずれも形状,機能及び品質の面で特殊なものと
はいえず,一般的なスポーツシャツにすぎない。
(イ) したがって,被告商品1ないし4は,原告商標権の指定商品「被服(運動
用特殊衣服を除く)」に該当する。
ウ 被告の反論に対する認否
(ア) 後記( 2)ウ(被告の反論)(ア)(用途)のうち,a(まとめ)は否認し,b(被告
パンフレットの記載),c(チーム名等のマーキング),d(在庫の常備)及びe(需要
者)は不知,f(販売場所)は否認する。
(イ) 後記(2)ウ(イ)(機能)のうち,a(まとめ)は否認する。
b(被告商品1( 1))のうち,( a)(模様)は不知。ただし,シャドーストライプはサ
ッカー用のゲームシャツだけに用いられている珍しいデザインではない。(b)(生地
の素材)は不知。ただし,ポリエステルの生地を使用するのは,スポーツ用シャツ
及びパンツに共通した特徴である。( c)(首廻り)は不知。ただし,この首廻りの形
状はサッカー用のゲームシャツに特有の特徴ではない。( d)(ロゴマークの位置)は
不知。ただし,ロゴマークの位置によってサッカー用のゲームシャツになるもので
はない。
c(被告商品1( 2))のうち,( a)(生地の素材)は不知。ただし,ポリエステルの生
地を使用するのはスポーツシャツに共通した特徴である 。(b)(生地の機能)は不知 。
ただし ,吸水性及び速乾性はサッカー用のゲームシャツだけに必要な特性ではない 。
( c)(首廻り)の認否は上記b( c)と同じ。( d)(ロゴマークの位置)の認否は上記b(d)
と同じ。
d(被告商品1( 3))のうち,( a)(模様)の認否は上記b( a)と同じ。( b)(生地の素
材)の認否は上記b( b)と同じ。( c)(ロゴマークの位置)の認否は上記b( d)と同じ。
e(被告商品1( 4))のうち,( a)(生地の素材)の認否は上記c( a)と同じ。(b)(生
地の機能)の認否は上記c(b)と同じ。インナーシャツは,野球等を行う場合にも使
用することができる。
f(被告商品2)のうち,( a)(模様)の認否は上記b( a)と同じ。( b)(生地の素材)
の認否は上記b( b)と同じ。( c)(首廻り)の認否は上記b( c)と同じ。( d)(ロゴマー
クの位置)の認否は上記b( d)と同じ。( e)(形状)は不知。ただし,ボックス型は,
サッカー用の衣服だけに採用されている形状ではない。
g(被告商品3(1))の認否は上記b(b)と同じ。
h(被告商品3( 2))のうち,( a)(模様)の認否は上記b( a)と同じ。( b)(生地の素
材)の認否は上記b( b)と同じ。( c)(ジッパー)は不知。ただし,ジッパーの位置が
通常の位置と異なっていても,サッカー以外の目的で使用することができる。
i(被告商品3( 3))のうち,( a)(模様)の認否は上記b( a)と同じ。( b)(生地の素
材)の認否は上記b(b)と同じ。
j(被告商品3( 4))は不知。ただし,スパッツはゴルフ,ボートレース,バスケ
ット等の際にも使用されている。
k(被告商品4)のうち,( a)(履き口),( b)(足首の部分),( c)(長さ)は不知。た
だし,これらのストッキングはサッカー以外にも使用することができる。
(2) 被告の認否及び反論
ア 運動用特殊衣服
(ア) 原告の主張ア(ア)及び(イ)は認め,(ウ)は否認する。
(イ) 商標法施行規則別表は,第25類の「運動用特殊衣服」に「ユニフォーム
及びストッキング」が含まれる旨を定めている。
イ 指定商品該当性
同イは否認する。後記ウのとおり,被告商品1ないし4は,サッカーの試合又は
練習でのみ使用される「運動用特殊衣服」に該当する。
ウ 被告の反論
(ア) 用途
a まとめ
被告商品1ないし4は,小学生以下のジュニアサッカーチームが試合又は練習の際
にユニフォームとして着用することを用途としている。
b 被告パンフレットの記載
被告商品1ないし4が掲載された被告パンフレット(乙6)には,次の記載がある。
「Jr.SOCCER TEAM WEAR」(表紙及び4頁ないし10頁の下欄),
「DERBYSTARは サッカー大好きな少年に対して サッカーの本場ヨーロ
ッパを背景に ドイツ本社の情報に 日本独自の機能・シルエット・ディテールを加
え 独創的で 動きやすい チームウェアを 提案します。」
「ダービースターでユニホームを作れば個性豊かなチームに大変身。運動性を考え
た,サッカーのためのウェア。ダービースターでサッカーを楽しく伸び伸びプレイし
よう。」
「ダービースターのユニホームは品質のサポーターとしてあなたのチームを応援し
ます。」
「①即納対応 主力商品を常備在庫しておりますので急なゲームにも対応できます。」
「③高品質 厳選された素材,カラーを使用しておりますので,ハードなゲームに
も耐久性抜群です。」(以上,2頁ないし3頁)
c チーム名等のマーキング
被告パンフレット掲載の商品は,商品購入時に,チーム名,胸番号及び背番号をマ
ーキングすることができる(同11頁)。
d 在庫の常備
被告パンフレットには,
「② 長期継続 ユニホームを揃えたが次の年にはもう廃
番,といった心配がありません。
」との記載がある(同3頁)。
このように,被告は,購入チームによりカスタマイズされたユニフォームの在庫を
常備しておくシステムを採用している。
e 需要者
被告パンフレットに掲載の商品は,チーム単位でまとめて購入される割合が全体の
90パーセントを超えている。個人が購入する場合も,いったんチーム単位で購入し
たユニフォームが損傷等したため個別に買い換えることがほとんどである。
f 販売場所
被告製品1ないし4は,サッカー用品専門店か,又は総合スポーツ用品店のサッ
カーコーナーだけに置かれている。
(イ) 機能
a まとめ
被告商品1ないし4は,サッカーの試合又は練習で要求される機能,品質及びデ
ザインを徹底的に追求した商品である。
b 被告商品1(1)(V首ゲームシャツ(シャドーストライプ))
( a) 模様
被告商品1( 1)には,同系統の濃淡色が交互に配色された縞模様であるシャドー
ストライプが施されている。
シャドーストライプは,サッカー用のユニフォームに用いられる伝統的で定番の
デザインである。
(b) 生地の素材
被告商品1( 1)には,ポリエステル90%,綿10%というポリエステルを高い
割合で含む生地が使用されている。
ポリエステルは,速乾性及び動きの激しいサッカーに必要な強度を実現するのに
適した素材であり,また,デザインの面からもサッカーユニフォームに適した素材
である。
( c) 首廻り
被告商品1( 1)の首廻りは,首の前部で,右側が下に,左側が上になるように重
ねられたV首となっている。
このようなV首は,サッカー用のゲームシャツとして着替えやすくするための工
夫である。
(d) ロゴマークの位置
被告商品1(1)のロゴマークは,右胸部に位置している。
これは,サッカー用のゲームシャツの左胸にチーム名を入れるためである。
c 被告商品1(2)(V首ゲームシャツ(切り替え))
( a) 生地の素材
被告商品1( 2)には,光沢感のあるポリエステル100%の生地が使用されてい
る。
(b) 生地の機能
被告商品1( 2)には ,「アクライナー」という吸水速乾機能を持った生地が用いら
れている。
「アクライナー」は,多量の発汗を伴うサッカーのユニフォームに適した素材で
ある。
( c) 首廻り
上記b(c)(首廻り)と同じ。
(d) ロゴマークの位置
上記b(d)(ロゴマークの位置)と同じ。
d 被告商品1(3)(衿付きゲームシャツ(シャドーストライプ))
( a) 模様
上記b(a)(模様)と同じ。
(b) 生地の素材
上記b(b)(生地の素材)と同じ。
( c) ロゴマークの位置
上記b(d)(ロゴマークの位置)と同じ。
e 被告商品1(4)(インナーシャツ)
( a) 生地の素材
上記c(a)(生地の素材)と同じ。
(b) 生地の機能
上記c(b)(生地の機能)と同じ。
f 被告商品2(V首トライアルコート(シャドーストライプ))
( a) 模様
上記b(a)(模様)と同じ。
(b) 生地の素材
上記b(b)(生地の素材)と同じ。
( c) 首廻り
上記b(c)(首廻り)と同じ。
(d) ロゴマークの位置
上記b(d)(ロゴマークの位置)と同じ。
( e) 形状
被告商品2の形状は,腰回りにフライス等の絞りがなく,脇下から腰部まで直線
状に下ろした形状となっているいわゆるボックス型である。
ボックス型は,サッカー用のトライアルコートで採用されることの多い形状であ
る。
g 被告商品3(1)(ゲームパンツ)
生地の素材について,上記b(b)(生地の素材)と同じ。
h 被告商品3(2)(トライアルパンツ(シャドーストライプ))
( a) 模様
上記b(a)(模様)と同じ。
(b) 生地の素材
上記b(b)(生地の素材)と同じ。
( c) ジッパー
被告商品3(2)には ,足首部分にジッパーがある 。また ,そのジッパーは ,後部(か
かとの側)に付いている。
足首部分にジッパーがあるのは,スパイクを着用したままでパンツの着脱を可能
にするためであり,ジッパーが後部に付いているのは,ボールを蹴るときにじゃま
にならないためである。
i 被告商品3(3)(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ))
( a) 模様
上記b(a)(模様)と同じ。
(b) 生地の素材
上記b(b)(生地の素材)と同じ。
j 被告商品3( 4)(スパッツ)
被告商品3( 4)には,縦方向及び横方向への伸縮性に富んだ素材が用いられてい
る。
これは,選手の筋肉を保護し,擦過傷から身体を保護するためである。
k 被告商品4(ストッキング)
( a) 履き口
被告商品4の履き口には,折り返しが設けられている。
これは,ストッキング止めを落ちにくくするとともに見栄えをよくするためであ
る。
(b) 足首の部分
被告商品4の足首の部分は絞られている。
これは,選手がストッキングの下に着用するすね当てがずれないようにするため
である。
( c) 長さ
被告商品4は,膝下までの長さがある。
これは,擦過傷を防ぐためである。
4 争点(2)(権利行使の制限)に関する当事者の主張
(1) 被告の主張
ア まとめ
(ア) 出願時の事情に基づく無効理由
後記イ(DERBYSTAR標章の周知性)及びウ(ア)(出願人の不正の目的)によれ
ば,原告商標権には,商標法4条1項7号又は19号違反の無効理由が存在し,同
法39条,特許法104条の3により,原告は,原告商標権を行使することができ
ない。
(イ) 事後的な事情に基づく権利の濫用
後記イ(DERBYSTAR標章の周知性)及びウ(イ)(譲受人の不正の目的)によれ
ば,楽屋被服は,不正の目的をもって原告商標権を譲り受けたものであり,その地位
を承継した原告が原告商標権を行使することは,権利の濫用として許されない。
イ DERBYSTAR標章の周知性
(ア) 商標登録等
ダービースター社は,スポーツ用品,特に皮製ボールの製造及び販売を目的として
設立され,昭和38年(1963年)には欧州各国で被告商標1と同一の標章(以下「D
ERBYSTAR標章」という。)につき商標登録を受けた(乙27)。
(イ) サッカーボール
a 販売数量
ダービースター社は,昭和48年(1973年)から平成16年(2004年)までの
約30年の間に,約1500万個から約2000万個のボールを販売した。
b 雑誌の紹介記事
(a) 学習研究社が平成17年(2005年)4月28日付けで発行した雑誌「週刊
パーゴルフ4月28日号別冊『世界のサッカーボール』」(乙26)の45頁右側の解説
文には「現代サッカーボールの原形となったダービースター」と題され,その2段目
の2行目から,「世界で最初に『6枚フィン』のナチュラルラテックスチューブを開発
したメーカーで,サッカーボールの進化を決定づけたメーカーが,ドイツのダービー
スター社である。日本人初のプロサッカー選手である,奥寺康彦もダービースターの
ボールを使用していた。ダービースターのボールは非常に優秀で,多くのメーカーが
ボール作りのお手本としているものである。
」との記載がある。
また,上記雑誌の80頁には「そのすごさは,90年代前半の多いときでヨーロッ
パの65%のチームが採用していたという実績を持つことからも知られる。とにかく
ヨーロッパでダービースターといえば泣く子も黙る存在だし,そのトップボールを持
って街を歩けば,『あんたサッカー選手かね』と声をかけられることは間違いない。そ
のくらいの完全最高のボールなのである。」との記載がある。
(b) また,ベースボール・マガジン社が平成7年4月12日付けで発行した雑誌
「週刊サッカーマガジン」には,ダービースター社のボールを使用しているサッカー
ゲームの写真が掲載されている(乙25)。
c FIFA公認球
( a) FIFAの公認球制度は,昭和49年(1974年)のワールドカップ(西ド
イツで開催)ころに始まったのではないかと推測されている。サッカーボールがFIF
Aから公認を受けるということは,ボールとしての品質が高く,多くのクラブチーム
等で使用され,国際試合での使用に耐えるということを意味する。
( b) ダービースター社の発行するカタログによれば,古いもので1976年(昭
和51年)版のカタログに,FIFA公認と刻印されたボールの写真が掲載されている
(乙29の番号1085のボール)。
(c) したがって,DERBYSTAR標章を使用したダービースター社のボール
は,公認球制度が始まって間もなく登録され,世界を代表するボールとなった。
d 他社へのOEM供給
昭和48年(1973年)以降に作成された価格表(乙48ないし51)及び1976
年(昭和51年)版カタログ(乙29)に記載されているように,ダービースター社は,
世界的に著名なスポーツ用品メーカーであるプーマ社にボールをOEM供給していた。
(ウ) その他のサッカー用品
a ダービースター社のカタログには,次のとおり,サッカーボール以外の製品
が記載されている。
1976年(昭和51年)版カタログ キーパー用グローブ及びすね当て(乙29),
1983年(昭和58年)版カタログ すね当て(乙31),
1984年(昭和59年)版カタログ すね当て及びサポーター(乙32),
1986年(昭和61年)版カタログ シャツ及びスポーツバッグ(乙35),
1986年(昭和61年)版カタログ ボールケース(乙36),
1987年(昭和62年)版カタログ ボールケース(乙37),
1995/96年(平成7/8年)版カタログ キーパー用グローブ,すね当て,サポ
ーター,スポーツバッグ及びビブス(乙38),
1996年/97年(平成8/9年)版カタログから2000/01年(平成12/13
年)版カタログまで 1995/96年(平成7/8年)版のカタログと同様のサッカー
用品(乙39ないし42),
2002/03年(平成14/15年)版カタログ 更にTシャツ,スウェットシャツ
及びポロシャツ(乙43),
2003/04年(平成15/16年)版カタログ Tシャツ及びポロシャツ(乙44),
2004/05年(平成16/17年)版カタログ 更にキーパー用衣服及びキーパー
用防具(乙45),
2005/06年(平成17/18年)版カタログ チームウェア及びトレーニングウ
ェア(乙46,47)
b また,上記カタログには,次のとおり,有名サッカー選手がDERBYST
AR標章の付されたウェアやパンツを着用している写真も掲載されている。
2000/01年(平成12/13年)版カタログ(乙41)20頁 ウォルフガング選
手,
同カタログ23頁 トム・シュタルケ選手,
同カタログ25頁 アンドレアス・ヴェッセルス選手,
1998/99年(平成10/11年)版カタログ(乙42)22頁及び25頁 アンド
レアス・ヴェッセルス選手
(エ) 宣伝広告
ダービースター社は,次のとおり,古くからカタログに有名選手の写真を掲載して
宣伝広告を行ってきた。
1976年(昭和51年)版カタログ(乙29) ベルティフォクツ選手(元西ドイツ代表
選手で後に代表監督を務めた。),
1986年(昭和61年)版カタログ(乙36) ウーベラン選手(元西ドイツ代表選手
で,1987年度のドイツ国内リーグであるブンデスリーガの得点王となった。)及び
ミヒャエル・フロンチェク選手(元西ドイツ代表選手),
1987年(昭和62年)版カタログ(乙37) ウーベラン選手
(オ) プロサッカー選手の評価
1976年(昭和51年)版カタログ(乙29)の表紙では,前記ベルティフォクツが
ダービースター社のボールを推薦している。
1997年/98年(平成9/10年)版カタログ(乙40)の22頁には,「ダービー
スター社のゴールキーパー・グローブが経験豊かなゴールキーパーと一緒になって開
発され,それ故,品質,機能,実効性は明らかであります。 「ゴールキーパーのアン

ドレアス・ヴェッセルスは,「私のこれまでのプロ経歴で,ダービースターアムステル
ダムほど優れたゴールキーパー・グローブを持ったことがない」と言っています。」と
の記載がある。
また,2000/01年(平成12/13年)版カタログ(乙41)の20頁には,前
記ウォルフガング選手が,同カタログの22頁にはホルガー・ヒーマン選手が,同カ
タログの23頁には前記トム・シュタルケ選手が,それぞれダービースター社のゴー
ルキーパー・グローブを賞賛するコメントが記載されている。
さらに,1998/99年(平成10/11年)版カタログ(乙42)の22頁には,
前記アンドレアス・ヴェッセルス選手が,同カタログの24頁にはダニエル・エシュ
バッハ選手が,それぞれダービースター社のゴールキーパー・グローブを賞賛するコ
メントが記載されている。
(カ) まとめ
a DERBYSTAR標章は,原告商標権が出願された昭和44年(1969年)
6月までに,サッカーボール及びサッカーウェアをはじめとするサッカー用品,スポ
ーツ用品等を製造,販売する法人として,西ドイツ国内において需要者の間に広く認
識されていた。
b 仮に,DERBYSTAR標章が昭和44年6月までに周知性を獲得してい
なかったとしても,DERBYSTAR標章は,遅くとも楽屋被服が原告商標権を譲
り受けた昭和50年11月までに西ドイツ国内において周知性を獲得していた。
ウ 不正の目的
(ア) 出願時の不正の目的
a 出願に係る商標が1以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似
するものであり,かつ,その周知な商標が造語であるか又は構成上顕著な特徴を有
する場合 ,当該出願は不正の目的をもって行われたものと事実上推定すべきである 。
b DERBYSTAR標章は ,「ダービー」という固有名詞及び「スター」
という普通名詞を組み合わせた造語であり,原告商標はこれと同一である。
c よって,東洋紡績は,不正の目的をもって,原告商標の出願を行ったもの
と推定すべきである。
(イ) 譲受時の不正の目的
a 譲受けに係る商標が1以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類
似するものであり,かつ,その周知な商標が造語であるか又は構成上顕著な特徴を
有する場合,当該譲受人は不正の目的をもって当該商標権を譲り受けたものと事実
上推定すべきである。
b 上記(ア)b(造語)と同じ。
c よって,楽屋被服は,不正の目的をもって,原告商標権を譲り受けたもの
と推定すべきである。
d 楽屋被服とジーアールエスは,経営者が同一人物であり,事業の分割に伴う
事業譲渡の際に両者間で形式的に商標権譲渡が行われただけであるから,ジーアール
エスは,楽屋被服の地位を承継している。
さらに,原告は,ジーアールエスの地位を包括承継しているから,更にその地位を
承継している。
(2) 原告の認否及び反論
ア 被告の主張ア(まとめ)は否認する。
イ(ア) 同イ(DERBYSTAR標章の周知性)のうち,(カ)(まとめ)は否認し,
その余は不知。
(イ)a 被告の立証は,いずれも昭和44年6月までにDERBYSTAR標章
が西ドイツ国内において需要者の間に広く認識されるようになったことを基礎付け
るものではなく,他にDERBYSTAR標章が同日までに周知性を獲得したと認
めるに足りる証拠はない。
b 商工会議所の証明書(乙24)は,本訴提起後に作成された文書であり,し
かも「需要者の間に広く認識されていた」と抽象的に記載するのみで具体的な事実
を記載したものではないから,DERBYSTAR標章が昭和44年6月までに西
ドイツ国内で周知性を獲得したことの裏付けとなるものではない。
(ウ) 被告の立証は,いずれも昭和50年11月までにDERBYSTAR標章
が西ドイツ国内において需要者の間に広く認識されるようになったことを基礎付け
るものではなく,他にDERBYSTAR標章が同日までに周知性を獲得したと認
めるに足りる証拠はない。
ウ(ア) 同ウ(ア)(出願時の不正の目的)は否認する。
a 不正の目的は,外国で周知な他人の商標と同一又は類似の商標が我が国で
登録されていないことを奇貨として,高額で買い取らせる目的で先取り的に出願を
した場合や,外国の権利者の国内参入を阻止し,外国の権利者との代理店契約締結
を強制する目的で出願をした場合などに認められる。
b 原告商標の出願当時,DERBYSTAR標章が周知性を獲得していなか
ったことは,上記イ(イ)のとおりである。
c ダービースター社は,原告商標権の登録につき,異議申立て及び無効審判
請求をすることなく,長期間放置してきた。
d 東洋紡績は,原告商標権の出願日から約5年後に,楽屋被服に対し,原告
商標権を常識的な価格で売却した。その間,東洋紡績がダービースター社と原告商
標権の買取り等について交渉したことはなかった。
e 「 ダービー 」は ,競争又は首位争いといった意味を有する単語であり , ス

ター 」は ,人気の役者 ,歌手 ,運動選手又は花形といった意味を有する単語であり ,
両者を組み合わせることにより,運動選手の花形又は競技のスターといった観念が
生じるが,ありふれた単語の組合せにすぎず,DERBYSTAR標章を知らなけ
れば考案することができないものではない。
f したがって,東洋紡績が不正の目的をもって原告商標の出願を行ったもの
であるということはできない。
(イ) 同ウ(イ)(譲受時の不正の目的)のうち,d(承継)は認め,その余は否認す
る。
a 楽屋被服が原告商標権を譲り受けた当時,DERBYSTAR標章が周知
性を獲得していなかったことは上記イ(ウ)のとおりである。
b 上記(ア)c(異議申立等の不存在)及びe(組合せの容易)と同じ。
c 楽屋被服らは,原告商標権の取得後,ダービースター社と原告商標権の買
取り等について交渉したことはなく,原告商標を使用したスポーツウェア等を数多
く販売してきた。
d したがって,楽屋被服が不正の目的をもって原告商標権を取得したもので
あるということはできない。
5 争点(3)(損害)に関する当事者の主張
(1) 原告の主張
ア 新聞記事の掲載による損害
(ア) 平成16年2月12日に被告が被告商標1を使用した商品をダービースタ
ー社からライセンスを受け販売を開始するとの新聞記事が出され(甲4),その後,
被告が実際に販売を開始したため,マインスポーツ株式会社(以下「マインスポー
ツ」という。)は,紛争に巻き込まれるのを避けるため,原告が同社に販売した原
告商標を使用したシャツ,パンツ等を返品した。
(イ) 返品された商品の代金は49万8320円である。
(ウ) 原告は,同商品については,通常28%の利益を得ていた。
(エ) よって,原告は,13万9530円の得べかりし利益を喪失し,同金額の
損害を受けた。
49万8320×0.28=13万9529.6
イ 商標法38条2項の損害
(ア) 売上額
a 被告商品2(トライアルコート)の売上額
( a) 被告商品2の卸売額は,2520円である。
( b) 被告は,平成16年3月1日から平成18年1月17日までに,被告商
品2を少なくとも3000着販売した。
( c) よって,被告商品2の売上額は,756万円を下らない。
b 被告商品3( 2)(トライアルパンツ)の売上額
( a) 被告商品3(2)の卸売額は,2340円である。
(b) 被告は,上記期間中,被告商品3( 2)を少なくとも3000着販売した。
( c) よって,被告商品3(2)の売上額は,702万円を下らない。
c 被告商品3( 3)(トライアルハーフパンツ)の売上額
( a) 被告商品3(3)の卸売額は,2040円である。
(b) 被告は,上記期間中,被告商品3( 3)を少なくとも7000着販売した。
( c) よって,被告商品3(3)の売上額は,1428万円を下らない。
d 売上総額
以上より,被告商品2,被告商品3( 2)及び被告商品3( 3)の売上総額は,288
6万円を下らない。
(イ) 利益率
被告商品2,被告商品3(2)及び被告商品3(3)の利益率は,28%である。
(ウ) 利益
よって,被告が上記期間中に被告商品2,3( 2)及び3( 3)の販売により受けた利
益は,808万円を下らない。
2886万×0.28=808万0800
(エ) まとめ
よって,原告の損害額は,商標法38条2項により808万円と推定される。
(2) 被告の主張
ア 新聞記事の掲載による損害
(ア) 原告の主張ア(ア)のうち,被告が被告商標を使用した商品をダービースタ
ー社からライセンスを受け販売を開始するとの新聞記事が出され,被告が実際に販
売を開始したことは認め,その余は不知。
(イ) 同(イ)ないし(エ)は不知。
イ 商標法38条2項の損害
(ア) 売上額
a 被告商品2(トライアルコート)の売上額
原告の主張イ(ア)aは否認する。平成16年3月1日から平成18年1月17日
までの被告商品2の売上額は,24万3130円である。
b 被告商品3( 2)(トライアルパンツ)の売上額
同bは否認する。上記期間中の被告商品3( 2)の売上額は,29万2565円で
ある。
c 被告商品3( 3)(トライアルハーフパンツ)の売上額
同cは否認する。上記期間中,被告は,被告商品3( 3)を販売していなかった。
(イ) 原告の主張イ(イ)(利益率)は認める。
(ウ) 同(ウ)(利益)及び(エ)(まとめ)は否認する。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(指定商品該当性)について
(1) 運動用特殊衣服
ア 商品及び役務の区分を定める商標法施行令別表は,第25類として被服及
び履物を定め,商標法施行規則別表は,第25類被服中の「洋服」に属するものと
して ,「イブニングドレス 学生服 子供服 作業服 ジャケット ジョギングパ
ンツ スウェットパンツ スーツ スカート スキージャケット スキーズボン
ズボン スモック 礼服」を,第25類運動用特殊衣服に属するものとして ,「ア
ノラック 空手衣 グランドコート 剣道衣 柔道衣 スキー競技用衣服 ヘッド
バンド ヤッケ ユニフォーム及びストッキング リストバンド」を定めている。
特許庁商標課編集に係る「商品及び役務区分解説」は ,「運動用特殊衣服」につ
き , この概念には ,スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服が含まれる 。 ,
「 」
「なお ,「トレーニングパンツ 」「ランニングシャツ」等は,スポーツ以外の日常
生活でも使用され,特殊なものでもないことから,この概念にはふくまれず,本類
被服に属する 。」と説明している。
これらの規定及び解説を参酌すると,運動用特殊衣服とは,スポーツをする際に
限って着用する特殊な衣服のことをいい,サッカー用のユニフォームといえるもの
は運動用特殊衣服に含まれると解される。したがって,原告商標権の指定商品「被
服(運動用特殊衣服を除く)」は,このようなスポーツをする際に限って着用する特
殊な衣服を含んでいないと解される。
イ 原告は,商標法施行規則別表第25類運動用特殊衣服中の「ユニフォーム
及びストッキング」は,野球用のユニフォームや柔道着などのように形状,機能及
び品質の面で特殊なもののみをいい,サッカー,ラグビー用のユニフォームのよう
に汎用性のあるスポーツシャツは含まない旨主張する。
しかしながら,商標法施行規則別表の運動用特殊衣服に「ユニフォームおよびス
トッキング」が掲げられたのは昭和35年であるが,その後,平成8年に「洋服」
につき ジョギングパンツ
「 スウェットパンツ スキージャケット スキーズボン 」
と定め ,「運動用特殊衣服」につき「ユニフォーム及びストッキング」のほかに,
原告が指摘する「柔道衣」だけでなく ,「アノラック 空手衣 グランドコート
剣道衣 スキー競技用衣服 ヘッドバンド ヤッケ リストバンド」を掲げ,各品
目ごとに綿密な検討が行われていることがうかがわれることからすると ,「ユニフ
ォーム及びストッキング」は,サッカー,ラグビー用のものを含んでいると解され
る。
さらに,時代の変遷とともに洋服と運動用特殊衣服との境界が不明確となり,従
来運動用特殊衣服と解されていたものを洋服と解する必要が生ずる場合があること
は否定できない。本件に関係するものについても,サッカーのサポーターが選手用
のゲームシャツを着て応援したり(裁判所に顕著な事実),商標法施行規則別表で 運

動用特殊衣服」に属するものとして例示されている「グランドコート」がファッシ
ョンの一部としてオーバーコートのように使用されることが多くなっている(弁論
の全趣旨)。しかしながら,上記程度の使用態様の変化のみでは,サッカー用のユ
ニフォームに当たるものを「洋服」に属するものと解することはできない。
よって,原告の上記主張は,採用することができない(なお,このように解した
としても,商品又は役務の類似の判断を適切に行えば,登録要件の判断や侵害の判
断において不当な結論に至ることはない。)。
(2) 具体的検討
ア 用途
(ア) 甲4,乙6~8及び12並びに弁論の全趣旨によれば,被告の認否及び反
論ウ(ア)b(被告のパンフレットの記載),c(チーム名等のマーキング),d(在庫の
常備の記載),e(需要者)及びf(販売場所)の事実が認められる。ただし,被告の
パンフレット上,チーム名等のマーキングは,被告商品1( 1)ないし( 3)(ゲームシ
ャツ)及び3(1)(ゲームパンツ)については明示されているが,その余の製品につい
ても行うことができるかは,はっきりしない。
(イ) 以上の事実によれば,被告商品1ないし4は,いずれも小学生以下のジュニ
アサッカーチームのメンバーがサッカーの試合又は練習の際に着用するものとして販
売されており,特に,被告商品1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ)及び3( 1)(ゲームパ
ンツ)は,チーム名,背番号等がマーキングされ,試合の際にユニフォームとして
着用されるものとして販売されていることが認められる。
イ 機能
(ア) 被告商品1(1)(V首ゲームシャツ(シャドーストライプ))
甲7の1~3,乙6,9,10及び18~20並びに弁論の全趣旨によれば,被
告の認否及び反論ウ(イ)b( a)(模様),( b)(生地の素材),( c)(首廻り)及び( d)(ロゴ
マークの位置)の事実が認められる。
(イ) 被告商品1(2)(V首ゲームシャツ(切り替え))
乙6,9,10,13及び18~20,検乙1並びに弁論の全趣旨によれば,同
c( a)(生地の素材),( b)(生地の機能),( c)(首廻り)及び( d)(ロゴマークの位置)の
事実が認められる。
(ウ) 被告商品1(3)(衿付きゲームシャツ(シャドーストライプ))
乙6 ,9 ,10及び18~20並びに弁論の全趣旨によれば ,同d(a)(模様),(b)
(生地の素材)及び(c)(ロゴマークの位置)の事実が認められる。
(エ) 被告商品1(4)(インナーシャツ)
乙6,検乙5及び弁論の全趣旨によれば,同e( a)(生地の素材)及び( b)(生地の
機能)の事実が認められる。
(オ) 被告商品2(V首トライアルコート(シャドーストライプ))
乙6 ,9 ,10及び18~20 ,検乙3並びに弁論の全趣旨によれば ,同f( a)(模
様),( b)(生地の素材),( c)(首廻り),( d)(ロゴマークの位置)及び( e)(形状)の事
実が認められる。
(カ) 被告商品3(1)(ゲームパンツ)
乙6 ,検乙2及び弁論の全趣旨によれば ,同g(生地の素材)の事実が認められる 。
(キ) 被告商品3(2)(トライアルパンツ(シャドーストライプ))
乙6,18及び19,検乙4並びに弁論の全趣旨によれば,同h(a)(模様),(b)
(生地の素材)及び(c)(ジッパー)の事実が認められる。
(ク) 被告商品3(3)(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ))
乙6及び弁論の全趣旨によれば,同i( a)(模様)及び( b)(生地の素材)の事実が認
められる。
(ケ) 被告商品3( 4)(スパッツ)
乙6及び弁論の全趣旨によれば,同j(素材)の事実が認められる。
(コ) 被告商品4(ストッキング)
乙6及び18~20 ,検乙7並びに弁論の全趣旨によれば ,同k(a)(履き口), b)
(
(足首の部分)及び(c)(長さ)の事実が認められる。
(サ) まとめ
以上の事実によれば,被告商品1ないし4は,サッカーの試合又は練習で使用さ
れるという用途に合致するように,素材の選択やデザインを行った商品であること
が認められる。
ウ 判断
(ア) 被告商品1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ)及び被告商品3( 1)(ゲームパン
ツ)
前記ア及びイに認定の事実によれば,被告商品1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ)及
び被告商品3( 1)(ゲームパンツ)は,正にユニフォームというべきものであり,運
動用特殊衣服に当たると認められる。
(イ) 被告商品1(4)(インナーシャツ)
前記ア及びイに認定の事実によれば,被告商品1( 4)は,スポーツで使用される
という用途に合致するように素材の選択やデザインを行った商品であり,スポーツ
以外の日常生活でも使用されるものとは認められないから,運動用特殊衣服に当た
ると認めるべきである。
原告は,被告商品1( 4)は野球等を行う場合にも使用することができる旨主張す
るが,スポーツ以外の日常生活でも使用されると主張するものではないから,原告
の上記主張は理由がない。
(ウ) 被告商品2(トライアルコート),被告商品3( 2)(トライアルパンツ)及び
被告商品3(3)(トライアルハーフパンツ)
被告商品2,被告商品3( 2)及び被告商品3( 3)は,運動用特殊衣服には当たらな
いと認めるべきである。
すなわち,試合そのもので使用されることを予定していない被告商品2,被告商
品3(2)及び被告商品3( 3)自体を商標法施行規則別表が「運動用特殊衣服」の項に
掲げている「ユニフォーム」に当たると認めることは,困難である。しかも,前記
ア及びイに認定の事実並びに弁論の全趣旨によれば,これらの商品は,サッカーの
試合の待機又は寒い日の練習の際に使用されることを用途とし,それに合った機能
を有するように素材の選択やデザインがされ,チーム単位で採用されることを予定
しているものではあるが,それだけでは,商標法施行規則別表が「洋服」に属する
ものとして挙げている「ジョギングパンツ スウェットパンツ」と差がないといわ
なければならない。
よって,被告商品2,被告商品3( 2)及び被告商品3( 3)については,運動用特殊
衣服には当たらないと解さざるを得ない。
(エ) 被告商品3( 4)(スパッツ)
前記ア及びイに認定の事実によれば,被告商品3( 4)は,スポーツで使用される
という用途に合致するように素材の選択やデザインを行った商品であり,スポーツ
以外の日常生活でも使用されるものとは認められないから,運動用特殊衣服に当た
ると認めるべきである。
原告は,被告商品3( 4)はゴルフ,ボートレース,バスケット等の際にも使用さ
れる旨主張するが,スポーツ以外の日常生活でも使用されると主張するものではな
いから,原告の上記主張は理由がない。
(オ) 被告商品4(1)及び(2)(ストッキング)
前記ア及びイに認定の事実によれば,被告商品4( 1)及び( 2)は,サッカーで使用
されるという用途に合致するように素材の選択やデザインを行った商品であり,サ
ッカー以外の日常生活でも使用されるものとは認められないから,運動用特殊衣服
に当たると認めるべきである。
(3) まとめ
以上によれば,被告商品2(トライアルコート),被告商品3(2)(トライアルパン
ツ)及び被告商品3( 3)(トライアルハーフパンツ)は,原告商標権の指定商品である
被服(運動用特殊衣服を除く)に当たるが,その余の商品は当たらない。
2 争点(2)(権利行使の制限)について
(1) 周知性について
ア 事実認定
(ア) 商標登録等
乙23,24及び27によれば,ダービースター社は,スポーツ用品,特に皮製ボ
ールの製造及び販売を目的として設立され,昭和38年(1963年)には欧州各国で
被告商標1と同一のDERBYSTAR標章につき,指定商品をスポーツ用ボール,
特にサッカー用のボールとして商標登録を受けたことが認められる。
(イ) サッカーボール
a 被告の主張イ(イ)a(販売数量)を認めるに足りる的確な証拠はない。
b 乙25及び26によれば,同b(雑誌の紹介記事)の事実が認められる。
c 乙29及び弁論の全趣旨によれば,同c(FIFA公認球)の事実が認めら
れる。
d 乙48~50のよれば,同d(他社へのOEM供給)の事実が認められる。
(ウ) その他のサッカー用品等
乙29,31,32及び35~47によれば,被告の主張イ(ウ)(その他のサッカ
ー製品),(エ)(宣伝広告)及び(オ)(プロサッカー選手の評価)の事実が認められる。
(エ) 商工会議所の証明書
乙24の1(商工会議所の証明書)には,昭和44年6月当時,DERBYSTA
R標章は西ドイツ国内において需要者の間に広く認識されていた商標である旨の記
載があるが,その根拠となる具体的事実の裏付けを欠いているから,直ちに採用す
ることができない。
イ 判断
これらの事実によれば,DERBYSTAR標章は,昭和50年11月当時,西
ドイツ国内において,ダービースター社のサッカーボールを示す商標として周知で
あったことは認められるが,昭和44年6月当時にも同様に周知であったとまで認
めることはできない。また,サッカー用のユニフォームやトレーニングウエアにつ
いては,DERBYSTAR標章は,昭和50年11月当時においても周知であっ
たと認めることはできない。
(2) 不正の目的
ア 事実認定
(ア) 弁論の全趣旨によれば ,「ダービー」は,競争又は首位争いといった意味
を有する単語であり ,「スター」は,人気の役者,歌手,運動選手又は花形といっ
た意味を有する単語であることが認められ,両者を組み合わせることにより運動選
手の花形又は競技のスターといった観念が生じるが,ありふれた単語の組合せであ
り,DERBYSTAR標章を知らなければ考案することができないほどのもので
はないと認められる。
(イ) 東洋紡績が取得した原告商標権は,前記のとおり,DERBYSTAR標
章の特徴である星の図形を含んでいないし,サッカーボールではなく,衣服等を指
定商品とするものである。
(ウ) 甲23~27及び弁論の全趣旨によれば,東洋紡績から原告商標権を取得
した楽屋被服,その地位を承継したジーアールエス及び原告は,以後,学校用衣料
品を中心に,原告商標を付したスポーツウェア等を数多く販売してきたことが認め
られる(地位の承継の点は,当事者間に争いがない。)。
(エ) 東洋紡績又は楽屋被服,ジーアールエス若しくは原告がダービースター社
と原告商標権の買取り等について交渉した等の事実は,被告も主張していない。
イ 判断
仮に,昭和44年6月にDERBYSTAR標章がダービースター社のサッカー
ボールを示すものとして西ドイツ国内で周知であったとしても,上記アに説示の事
実によれば,東洋紡績の出願時点である昭和44年6月において商標法4条1項1
9号の不正の目的があったものと認めることはできない。
同様の不正の目的は,楽屋被服の譲受時点においても認めることはできない。
(3) まとめ
以上によれば,商標法4条1項7号又は19号違反の無効理由が存在し,原告は
同法39条,特許法104条の3により原告商標権を行使することができない旨及
び楽屋被服は不正の目的をもって原告商標権を譲り受けたものであり,その承継者で
ある原告が原告商標権を行使することは権利の濫用として許されない旨の被告の主
張は,いずれも採用することができない。
4 被告商品5(チェンジタオル)について
( 1) 前提事実( 4)ウ(カタログ掲載),( 5)(商標の類似)及び( 6)(被告商品5の指
定商品該当)によれば,被告商品5に被告商標1及び2を付する行為等の差止めを
求める原告の請求は理由がある。
乙67(被告担当者の陳述書)には,被告は被告商品5の製品化を断念した旨の記
載があるが,暫定企画書の段階で作成されたとはいえ,被告の作成したカタログに
被告商品5が掲載され(乙6,67),被告が原告商標権の登録無効等を主張して侵
害の成否を争っている以上,侵害行為がされるおそれは依然として残っているとい
わなければならない。
( 2) しかし,被告が被告商品5を製造し,その在庫があることの立証はないか
ら,被告商品5に係る廃棄請求は理由がない。
5 被告商品2(トライアルコート),被告商品3( 2)(トライアルパンツ)及び被
告商品3(3)(トライアルハーフパンツ)について
(1) 差止廃棄請求
前提事実( 4)ウ(カタログ掲載)及び( 5)(商標の類似)並び前記1( 2)ウ(ウ)及び( 3)
によれば,被告商品2,被告商品3( 2)及び被告商品3( 3)に被告商標1及び2を付
する行為等の差止め及び廃棄を求める原告の請求は理由がある。
(2) 新聞記事の掲載による損害
ア 甲4及び5並びに弁論の全趣旨によれば,日本繊維新聞は,平成16年2
月12日,被告が,ダービースター社からライセンスを受け,被告商標1を使用し
た商品,具体的には,同年春からゲームウエア,パンツ,ゴールキーパーやインナ
ーを,同年秋からはトレーニングウエア,ウインドブレーカーを販売する旨の新聞
記事を掲載したこと,上記新聞記事は,それ以上に,原告の販売する商品がダービ
ースター社の商標権を侵害することには何ら言及していないこと,その後,被告が
実際に被告商標1を使用した商品の販売を開始したため,マインスポーツは,原告
の販売する商品がダービースター社の商標権を侵害することになるおそれがあると
の見解に立って,紛争に巻き込まれるのを避けるため,原告が同社に販売した原告
商標を使用したシャツ,パンツ等を返品した事実が認められる(一部は,当事者間
に争いがない。)。
イ したがって,マインスポーツが行った原告商標を使用したシャツ,パンツ
等の返品による損害は ,上記新聞記事の掲載と相当因果関係を有するものではなく ,
原告主張の新聞記事の掲載による損害は,理由がない。
(3) 商標法38条2項の損害
ア 売上額
(ア) 被告商品2(トライアルコート)の売上額
乙69及び71並びに弁論の全趣旨によれば,平成16年3月1日から平成18
年1月17日までの被告商品2の売上額は ,24万3130円であると認められる 。
(イ) 被告商品3( 2)(トライアルパンツ)の売上額
乙69及び71並びに弁論の全趣旨によれば,上記期間中の被告商品3( 2)の売
上額は,29万2565円であると認められる。
(ウ) 被告商品3( 3)(トライアルハーフパンツ)の売上額
被告が上記期間中に被告商品3( 3)を販売した事実を認めるに足りる証拠はない 。
かえって ,乙71及び弁論の全趣旨によれば ,上記期間中 ,被告は ,被告商品3(3)
を販売していなかったことが認められる。
イ 利益率
被告商品2(トライアルコート)及び被告商品3( 2)(トライアルパンツ)の利益率
が28%であることは,当事者間に争いがない。
ウ 利益
以上より,被告が平成16年3月1日から平成18年1月17日までの間に被告
商品2(トライアルコート)及び被告商品3( 2)(トライアルパンツ)を販売して受け
た利益は14万9994円であると認められる。
(24万3130+29万2565)×0.28=14万9994.6
エ よって,原告の損害額は,商標法38条2項により14万9994円と認
められる。
6 結論
よって,原告の請求は,被告商品2,3( 2)及び3( 3)及び5に係る差止め,被告
商品2,3( 2)及び3( 3)に係る廃棄,並びに損害金14万9994円及びこれに対
する平成18年1月19日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払
を求める限度で理由があるから認容し ,その余は理由がないから棄却することとし ,
主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
市 川 正 巳
裁判官
杉 浦 正 樹
裁判官
髙 嶋 卓
(別紙)
被告商品目録
1 シャツ
(1) MDS-4131(V首ゲームシャツ(シャドーストライプ))
(2) MDS-4132(V首ゲームシャツ(切り替え))
(3) MDS-4133(衿付きゲームシャツ(シャドーストライプ))
(4) MDS-4134(インナーシャツ)
2 コート
MDW-4052(V首トライアルコート(シャドーストライプ))
3 ズボン及びパンツ
(1) MDF-4141(ゲームパンツ)
(2) MDW-4061(トライアルパンツ(シャドーストライプ))
(3) MDW-4062(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ))
(4) MDN-4151(スパッツ)
4 靴下
(1) MDK-4171(ストッキング)
(2) MDK-4172(ライン入りストッキング)
5 タオル
(1) DZC-4850(チェンジタオル)
(2) DZC-4851(チェンジタオル)
以 上
(別紙)
原告商標目録
(別紙)
被告商標目録


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