平成17(ネ)10053民事訴訟 特許権
判決文PDF
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裁判所 |
知的財産高等裁判所 東京地方裁判所
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裁判年月日 |
平成17年12月15日 |
事件種別 |
民事 |
法令 |
特許権
特許法125条1回
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キーワード |
無効6回 特許権5回 審決4回 損害賠償2回 侵害1回 無効審判1回
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主文 |
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事件の概要 |
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判決文
平成17年(ネ)第10053号 損害賠償請求控訴事件
平成17年12月15日判決言渡,平成17年11月29日口頭弁論終結
(原審・東京地方裁判所平成14年(ワ)第13726号,平成16年5月14日
判決)
判 決
控訴人(原告) アルゼ株式会社
訴訟代理人弁護士 増岡章三,増岡研介,片山哲章
補佐人弁理士 松尾憲一郎
被控訴人(被告) 山佐株式会社
訴訟代理人弁護士 川下清,池垣彰彦
補佐人弁理士 梁瀬右司
補助参加人 日本電動式遊技機特許株式会社
訴訟代理人弁護士 島田康男
補佐人弁理士 紺野正幸
主 文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は,控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴人の求めた裁判
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,10億円及びこれに対する平成14年7月5日
(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。
第2 事案の概要
1 手続の経緯
(1) 控訴人は,原審において,原判決記載の被告製品(以下「被控訴人製品」と
いう。)が控訴人の有する特許第2574912号の特許権の請求項1に係る発明
の技術的範囲に属し,被控訴人がこれを製造し,販売した行為が上記特許権を侵害
すると主張して,控訴人に対し,上記特許権に基づき,被控訴人製品の製造販売に
係る損害賠償として10億円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みま
での民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めた。
(2) 原審は,被控訴人製品が上記発明の技術的範囲に属するとはいえないとし
て,控訴人の請求を棄却したため,控訴人は,原判決を不服として,控訴した。
2 当事者の主張等
争いのない事実,争点,争点についての当事者の主張は,次のとおり付加するほ
かは,原判決の「第2 事案の概要」「第3 争点に関する当事者の主張」記載のと
おりであるから,これを引用する。
原判決8頁19行目の次に,行を改めて,次のとおり加える
「(7) 本件特許について被控訴人及びサミー株式会社から無効審判請求がされ,
それぞれ無効2002-35391号事件及び無効2002-35443号事件と
して係属したところ,特許庁は,上記各審判について併合して審理した結果,平成
15年11月17日,「特許第2574912号の請求項1に係る発明についての
特許を無効とする。」との審決をした。
控訴人は,上記無効審決の取消しを求める訴えを提起し,東京高等裁判所は,こ
れを平成15年(行ケ)第580号事件として審理した結果,平成17年2月15
日,控訴人の請求を棄却する旨の判決をした。控訴人は,上記判決を不服として,
上告(平成17年(行ツ)第159号)及び上告受理(平成17年(行ヒ)第168
号)の申立てをしたが,最高裁判所は,同年7月7日,「本件上告を棄却する。本
件を上告審として受理しない。」との決定をし,これにより,本件各審決が確定し
た。」
第3 当裁判所の判断
上記の争いのない事実によれば,本件特許の請求項1に係る特許を無効とする旨
の審決が確定しているのであるから,特許法125条本文の規定により,上記特許
権は初めから存在しなかったものとみなされる。そうすると,本件特許権を有して
いることを前提とする控訴人の請求はその前提を欠くに至り,控訴人の請求はその
余の点について判断するまでもなく,理由がない。
以上によれば,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないので,これを棄却す
ることとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官
塚 原 朋 一
裁判官
高 野 輝 久
裁判官
佐 藤 達 文
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